JP2000309641A - 非石綿系摩擦材 - Google Patents
非石綿系摩擦材Info
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Abstract
と、結合材とを主成分とする非石綿系摩擦材組成物を成
形、硬化してなる非石綿系摩擦材において、上記無機充
填材として90%粒径が0.1〜8μm、モース硬度が
6〜8の無機充填材を摩擦材組成物全体に対し0.1〜
10体積%添加することを特徴とする非石綿系摩擦材。 【効果】 常用でのブレーキの効きが高く、スピードス
プレッドが小さく、ブレーキの効きの経時変化が小さ
く、ME現象の発生が無く、所謂低速カックンブレーキ
現象の発生を防止できる。
Description
充填材と、有機充填材と、結合材とを主成分とする非石
綿系摩擦材組成物を成形、硬化してなる非石綿系摩擦材
に関し、特に所謂低速カックンブレーキ現象の発生を防
止でき、バス、トラック等の大型車用摩擦材として好適
な非石綿系摩擦材に関する。
車において低速状態で急激にブレーキの効きが上昇し、
車体がカックンと大きく揺れて急停止するという所謂低
速カックンブレーキ現象が発生し、これにより、乗り心
地が悪くなったり、場合によっては乗客が車内で転んで
怪我をする恐れがあるなどの問題が生じており、その発
生の防止が望まれていた。
レーキの効きレベルを上げることに対する要求が高まっ
ており、このようなブレーキの効きレベルを上げる方法
として、以下の摩擦材の改良が提案されている。
物全体に対し10体積%以上)添加する。 (3)摩擦材に使用する研磨材(アブレシブ)の平均粒
径を大きくし、その添加量を調整する。例えば平均粒径
10μm以上の珪酸ジルコニウムや酸化マグネシウム等
の研磨材を使用する。
従来のブレーキの効きを上げる方法には、いずれも種々
の問題点がある。即ち、上記(1)のように金属粒を多
量に添加すると、メタルキャッチを起こしてドラムスコ
ーリングや片効きなどの不具合が生じる。
に10体積%以上と多量に添加すると、ブレーキの効き
は良くなるが、反面、スピードスプレッド(50km/
hでのブレーキの効きに対する100km/hでのブレ
ーキの効きの差の絶対値)が大きくなったり、ブレーキ
の効きの経時変化及びスピードスプレッドの経時変化が
大きく(悪く)なる原因となる。
酸ジルコニウムや酸化マグネシウム等の研磨材(アブレ
シブ)を添加すると、ブレーキの効きの向上には効果的
であるが、スピードスプレッドが大きくなり、高速での
ブレーキの効きが低下し、スピードスプレッドの経時変
化及びブレーキの効きの経時変化が大きく(悪く)なる
と共に、ドラムスコーリングや所謂低速カックンブレー
キ現象の発生の原因となる。
多量に添加した成分の影響により、摩擦材の相手側面
(ドラム面、ディスク面)を必要以上に摩耗してしま
い、ブレーキの寿命が短くなってしまうという問題があ
る。
ずれも種々の問題点を抱えており、十分要望に応えたも
のではないと共に、所謂低速カックンブレーキ現象の発
生を防止できないものであり、更なる改良、改善が望ま
れている。
あり、常用でのブレーキの効きが高く、スピードスプレ
ッドが小さく、ブレーキの効きの経時変化及びスピード
スプレッドの経時変化が小さく、ME(Morning
Effect)現象の発生が無く(低温時にブレーキ
の効きが上昇することが無く)、所謂低速カックンブレ
ーキ現象の発生を防止できる非石綿系摩擦材を提供する
ことを目的とする。
発明者は、上記目的を達成するため鋭意検討を重ねた結
果、従来のブレーキの効きを上げるために試みられてい
た方法とは逆に、高硬度で粒径の小さい無機充填材を一
定量添加すること、好ましくはガラス繊維のチョップド
ストランドを通常より少量添加することにより、意外に
も、常用での効きが高く、しかも所謂低速カックンブレ
ーキ現象が発生しないという優れた性能を有する非石綿
系摩擦材が得られることを知見した。
填材と、結合材とを主成分とする非石綿系摩擦材組成物
を成形、硬化してなる非石綿系摩擦材において、上記無
機充填材として90%粒径が0.1〜8μm(通常10
μm以上)、モース硬度が6〜8の無機充填材を摩擦材
組成物全体に対し0.1〜10体積%添加すること、好
ましくはガラス繊維のチョップドストランドを摩擦材組
成物全体に対し通常より少ない1〜6体積%添加するこ
とにより、これら成分が摩擦材中で他の成分と相乗的に
作用して、常用(通常50km/h程度)での高いブレ
ーキの効きを備えると共に、スピードスプレッドが小さ
く、高速でのブレーキの効きが低下せず、ブレーキの効
きの経時変化及びスピードスプレッドの経時変化が小さ
く、ME現象の発生が無く、所謂低速カックンブレーキ
現象の発生を防止でき、しかも連続使用後におけるドラ
ム表面粗さ及びドラムの摩耗深さが小さく、耐久性に優
れ、長寿命化が図れる優れた性能を有する非石綿系摩擦
材が得られることを見出し、本発明をなすに至った。
る理由については定かではないが、高硬度で特定90%
粒径の無機充填材と、好ましくは少量添加されたガラス
繊維のチョップドストランドとが摩擦材中で均一に混ざ
り合い、各成分が十分に能力を発揮し得る状態で成形さ
れることにより、従来の単に平均粒子径が大きい摩擦材
やガラス繊維の使用量が多い摩擦材では達成できない、
高い常用でのブレーキの効きを有すると共に、スピード
スプレッドが小さく、高速でのブレーキの効きが低下せ
ず、ブレーキの効きの経時変化及びスピードスプレッド
の経時変化が小さく、ME現象の発生が無く、所謂低速
カックンブレーキ現象の発生を防止でき、しかも連続使
用後におけるドラム表面粗さ及びドラムの摩耗深さが小
さく、耐久性に優れ、長寿命化が図れるという優れた性
能を備えた摩擦材が得られるものと考えられる。
無機充填材と、有機充填材と、結合材とを主成分とする
非石綿系摩擦材組成物を成形、硬化してなる非石綿系摩
擦材において、上記無機充填材として90%粒径が0.
1〜8μm、モース硬度が6〜8の無機充填材を摩擦材
組成物全体に対し0.1〜10体積%添加することを特
徴とする非石綿系摩擦材、及び第2に、繊維基材と、無
機充填材と、有機充填材と、結合材とを主成分とする非
石綿系摩擦材組成物を成形、硬化してなる非石綿系摩擦
材において、上記摩擦材の日本自動車規格JASO C
407−87に準拠した低温・低速時のブレーキ試験に
おける5km/hでのブレーキの効き(TP1)に対す
る30km/hでのブレーキの効き(TP2)の差の比
率〔(TP1−TP2)/TP1×100〕が40%以
下であることを特徴とする非石綿系摩擦材を提供する。
と、本発明の非石綿系摩擦材は、繊維基材と、無機充填
材と、有機充填材と、結合材とを主成分とする非石綿系
摩擦材組成物を成形、硬化することによって得ることが
できるが、本発明の目的を達成する上において、これら
成分の中でも、無機充填材の選定、即ち、一定のモース
硬度と90%粒径を有する無機充填材を摩擦材組成物中
に一定の割合で配合することが重要であり、好ましくは
繊維基材としてガラス繊維のチョップドストランドを通
常より少量配合することが推奨される。
が0.1〜8μm、モース硬度が6〜8の無機充填材を
摩擦材組成物全体に対して0.1〜10体積%添加する
ことが必要である。この場合、90%粒径は好ましくは
0.3〜6μm、より好ましくは0.5〜4μm、更に
好ましくは0.5〜3μmであり、モース硬度は好まし
くは7〜8であり、無機充填材の添加量は摩擦材組成物
全体に対して好ましくは3〜9体積%、より好ましくは
4〜8体積%である。無機充填材の90%粒径、モース
硬度、及び添加量が上記範囲を下回るとブレーキの効き
レベルを上げることができなくなり、一方、無機充填材
の90%粒径、モース硬度、及び添加量が上記範囲を上
回ると所謂低速カックンブレーキ現象が発生し、いずれ
も本発明の目的、作用効果を達成することができない。
粒径の小さい方からの累計が90%となるときの粒子径
をいう。
されないが、球状乃至は球状に近い形状が好ましく、場
合によっては表面処理を施しても構わない。
を有する無機充填材としては、例えば、マグネシア、酸
化ジルコニウム、硫化ジルコニウム、珪酸ジルコニウ
ム、α−石英(モース硬度:7)、酸化クロムなどが挙
げられ、これらの1種を単独で又は2種以上を組み合わ
せて用いることができ、中でも珪酸ジルコニウム(モー
ス硬度:7.5)が好ましい。
径とモース硬度を有する無機充填材以外にも、摩擦材に
通常用いられる他の無機充填材を含めることができ、例
えば二硫化モリブデン、炭酸カルシウム、硫酸バリウ
ム、水酸化カシウム、フッ化カルシウム、タルク、酸化
鉄、雲母、硫化鉄、金属粉末、バーミキュライトなどが
挙げられ、これらの1種を単独で又は2種以上を組み合
わせて用いることができる。この無機充填材の添加量は
摩擦材組成物全体に対して好ましくは0.1〜70体積
%であり、より好ましくは3〜50体積%、更に好まし
くは5〜30体積%である。
0%粒径とモース硬度とを有する無機充填材と共に、繊
維基材としてガラス繊維のチョップドストランドを一定
量添加することが好ましい。
は、繊維長2〜5mm、好ましくは2.5〜3.5m
m、繊維径5〜12μm、好ましくは7〜11μm、集
束本数50〜500本、好ましくは100〜400本の
ものが好ましい。
添加量は摩擦材組成物全体に対して好ましくは1〜6体
積%、より好ましくは2〜6体積%、更に好ましくは2
〜4体積%である。ガラス繊維のチョップドストランド
の添加量が少なすぎるとブレーキの効きが低下したり、
補強効果が不足し、亀裂、割れの発生の原因となる場合
があり、一方、多すぎるとスピードスプレッドが大きく
なる場合がある。
維のチョップドストランド以外にも、摩擦材に通常用い
られる他の繊維基材を含めることができ、例えば鉄、
銅、真鍮、青銅、アルミニウム等の金属繊維、セラミッ
ク繊維、チタン酸カリウム繊維、炭素繊維、ロックウー
ル、ウォラストナイト、セピオライト、アタパルジャイ
ト、人工鉱物質繊維等の無機質繊維、アラミド繊維、セ
ルロースパルプ、アラミドパルプ、アクリル繊維等の有
機質繊維などが挙げられ、これらの1種を単独で又は2
種以上を組み合わせて用いることができる。この繊維基
材は、短繊維状、粉末状で用いられ、その添加量は摩擦
材組成物全体に対して好ましくは5〜30体積%、より
好ましくは5〜15体積%である。
ダスト、タイヤリク、ゴムダスト、グラファイト、ニト
リルゴムダスト(加硫品)、アクリルゴムダスト(加硫
品)などが挙げられ、これらの1種を単独で又は2種以
上を組み合わせて用いることができる。
体に対して好ましくは0.5〜60体積%、より好まし
くは5〜35体積%である。
れる公知のものを使用することができ、例えばフェノー
ル樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、各種ゴム変性フ
ェノール樹脂、ニトリルゴム、アクリルゴム、シリコー
ンゴムなどが挙げられ、これらの1種を単独で又は2種
以上を組み合わせて用いることができる。
対して好ましくは7〜40体積%、より好ましくは10
〜25体積%である。
記各成分をヘンシェルミキサー、レディゲミキサー、ア
イリッヒミキサー等の混合機を用いて均一に混合し、成
形用粉体を得、この粉体を成形用金型内で予備成形し、
この予備成形物を成形温度130〜200℃、成形圧力
100〜400kg/cm2で2〜15分間成形するも
のである。
の温度で2〜48時間熱処理(後硬化)し、必要に応じ
て切断、切削、研削などを施し、必要寸法に仕上げて完
成品が得られる。
は、日本自動車規格JASO C407−87「トラッ
ク・バスブレーキ装置ダイナモメータ試験方法」に準拠
した低温・低速時のブレーキ性能試験における5km/
hでのブレーキの効き(TP1)に対する30km/h
でのブレーキの効き(TP2)の差の比率〔(TP1−
TP2)/TP1×100〕が40%以下であることが
必要であり、好ましくは30%以下、より好ましくは2
0%以下であり、更に好ましくは15%以下であり、下
限値は特に制限されないが0%以上であることが好まし
い。差の比率が大きくなりすぎると低速状態でブレーキ
の効きが急に上昇する、所謂低速カックンブレーキ現象
が発生する。
拠した低温・低速時のブレーキ性能試験は10℃前後の
温度で行うことが好ましく、10℃においては差の比率
〔(TP1−TP2)/TP1×100〕が30%以
下、特に0〜20%であることが好ましい。また、10
0℃においては差の比率〔(TP1−TP2)/TP1
×100〕が20%以下、特に0〜15%であることが
好ましい。
した低温・低速時のブレーキ性能試験は、具体的には、
イナーシャは空車相当、制動前ブレーキ温度は10℃及
び100℃の2条件、制動初速度は5km/h及び30
km/hの2条件、を組み合わせて合計4条件について
それぞれ制動トルク及び制動液圧を測定し、これらの結
果からブレーキの効き(T/P(=制動トルク/液
圧))を算出し、得られたブレーキの効きの結果から、
低速でのブレーキの効きの上昇の程度〔効きの差(5k
m/hのT/P−30km/hのT/P)〕、効きの差
の比率を算出するものである。なお、温度はブレーキア
ッセンブリーに取り付けた温度センサーで測定したもの
である。
JASO C407−87「トラック・バスブレーキ装
置ダイナモメータ試験方法」の定積相当のイナーシャに
よる常用ブレーキの性能試験における第1(摺り合わせ
前)効力試験〜最終(第5)効力試験までの下記式で表
されるスピードスプレッドの経時変化が、好ましくは9
0〜150%、より好ましくは90〜120%である。
また、下記式で表される効きの経時変化が50km/h
では好ましくは90〜110%、より好ましくは95〜
105%であることが好ましく、100km/hでは好
ましくは90〜105%、より好ましくは97〜103
%であることが好ましい。
当のイナーシャによる常用ブレーキの性能試験の第1
(摺り合わせ前)効力試験〜最終(第5)効力試験後に
おけるドラム表面粗さは、ドイツ規格DIN4769に
準拠した粗さ成分の10点平均法(RzD)で好ましく
は15μm以下、より好ましくは10μm以下、更に好
ましくは1〜7μmであることが好ましい。また、ドラ
ム摩耗深さは新品ドラム面から摩耗した深さの10点平
均で好ましくは20μm以下、より好ましくは15μm
以下、更に好ましくは5〜13μmであることが好まし
い。
7−87の定積相当のイナーシャによる常用ブレーキの
性能試験は、ブレーキライニングを大型トラックリヤ用
ブレーキアッセンブリーに取り付け、ブレーキダイナモ
テスターを用いて、定積(GVW=20t)相当でのJ
ASO C407−87における第1(摺り合わせ前)
効力試験〜最終(第5)効力試験までの性能試験を行
い、測定した制動トルク及び制動液圧からブレーキの効
き(T/P(=制動トルク/液圧))を算出するもので
ある。
ーキシューアッセンブリーを製造する場合には、予め洗
浄、表面処理、接着剤を塗布した鉄板製又は鋳鉄製のブ
レーキシューのプレート上に、上記完成品を合わせ、こ
の状態で加圧保持しながら加熱接着することにより製造
することができる。また、バス、トラック用のブレーキ
シューアッセンブリーを製造する場合には、予め洗浄、
表面処理した鉄板製又は鋳鉄製のブレーキシューのプレ
ート上に、上記完成品をリベット止めして製造すること
ができる。
て好適なものであるが、特にバス、トラック等の大型車
用摩擦材として用いた場合、従来から問題となっていた
所謂低速カックンブレーキ現象が発生しないものであ
る。また、本発明摩擦材はディスクブレーキにも、ドラ
ムブレーキにも用いることができ、これらのディスクパ
ッド、ブレーキシュー、ブレーキライニングなどに好適
なものである。
体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限される
ものではない。
擦材組成物を配合し、これをレディゲミキサーを用いて
均一に混合し、加圧型内で100kg/cm2で10分
間加圧して予備成形した。この予備成形物を成形温度1
45℃、成形圧力180kg/cm2の条件下で任意の
時間成形し、その後180℃で5時間熱処理(後硬化)
を行い、実施例1〜4、比較例1〜4の大型トラックリ
ヤ用のブレーキライニングを作成した。
%粒径=10μm *2:微粒珪酸ジルコニウム モース硬度7.5、90
%粒径=1.5μm *3:ガラス繊維のチョップドストランド(繊維長3m
m、繊維径9μm、集束本数100本)
ASO C407−87に準拠した、空車相当のイナ
ーシャによる低温・低速時のブレーキ性能試験、定積
相当のイナーシャによる常用ブレーキの性能試験、の2
種類のダイナモメータ試験を実施した。
相当、制動前ブレーキ温度は10℃及び100℃の2条
件、制動初速度は5km/h及び30km/hの2条
件、を組み合わせた合計4条件についてそれぞれ制動ト
ルク及び制動液圧を測定し、これらの結果からブレーキ
の効き(T/P(=制動トルク/液圧))を算出した。
得られたブレーキの効きの結果から、各温度での低速で
のブレーキの効きの上昇の程度〔5km/hのT/P
(TP1)−30km/hのT/P(TP2)〕を評価
し、更に効きの差の比率〔(TP1−TP2)/TP1
×100〕を算出した。結果を表2に示す。
の効きが30km/hに比べて5km/hの方が大幅に
上昇しており、所謂低速カックンブレーキ現象が生じる
ものである。また、比較例1〜4は10℃と100℃と
のブレーキの効きの差が大きい(ME現象が発生する)
ものである。更に、効きの差の比率が10℃では57.
3〜60.5%、100℃では46.1〜58.6%と
極めて高いことが認められる。
m/h)でのブレーキの効きの上昇が小さく、所謂低速
カックンブレーキ現象が生じることが防止できると共
に、10℃と100℃との効きの差が小さい(ME現象
が発生しない)ものである。また効きの差の比率が10
℃では7.7〜11.1%、100℃では2.7〜5.
4%と極めて小さいことが認められる。
キの性能試験 実施例1〜4、比較例1〜4のブレーキライニングを大
型トラックリヤ用ブレーキアッセンブリーに取り付け、
ブレーキダイナモテスターを用いて、定積(GVW=2
0t)相当でのJASO−C407−87における第1
(摺り合わせ前)効力試験〜最終(第5)効力試験まで
の性能試験を行った。測定した制動トルク及び制動液圧
からブレーキの効き(T/P(=制動トルク/液圧))
を算出した。また、第1〜5試験後のドラム表面粗さと
ドラムの摩耗深さを下記方法で測定した。結果をそれぞ
れ表3に示す。
平均法(RzD)で表わした。ドラム摩耗深さ 新品ドラム面から摩耗した深さの10点平均で表わし
た。
レッド(50km/hでのブレーキの効きに対する10
0km/hでのブレーキの効きの差の絶対値)を算出
し、下記式からスピードスプレッドの経時変化、効きの
経時変化をそれぞれ算出した。結果を表3に示す。
スピードスプレッドが大きく、高速(100km/h)
でのブレーキの効きが大きく低下し、しかもスピードス
プレッドの経時変化が大きいと共に、ブレーキの効きの
経時変化が大きく(特に50km/h)、ドラムの摩耗
が大きいものである。これに対して、実施例1〜4はい
ずれも常用(50km/h)でのブレーキの効きが高
く、スピードスプレッドが小さく、高速でのブレーキの
効きの低下が小さく、しかもスピードスプレッドの経時
変化が小さいと共に、ブレーキの効きの経時変化が小さ
く、またドラムの摩耗が小さいことが確認できた。
でにない優れた性能を備えたものである。 (1)ME(Morning Effect)現象の発
生が無くなる。即ち、100℃と10℃とでブレーキの
効きの差が小さく、特に冬場の早朝時にブレーキの効き
が上昇することを防止できるという効果がある。 (2)5km/hと30km/hとでブレーキの効きの
差が小さく、低速状態でブレーキの効きが急に上昇す
る、所謂低速カックンブレーキ現象が発生しないという
効果がある。 (3)スピードスプレッドが小さくなる。即ち、50k
m/hでのブレーキの効きに対する100km/hでの
ブレーキの効きの差の絶対値が小さくなり、高速でのブ
レーキの効きの低下が小さくなるという効果がある。 (4)ブレーキの効きの経時変化、スピードスプレッド
の経時変化がいずれも小さくなるという効果がある。 (5)連続使用後におけるドラム表面粗さ及びドラムの
摩耗深さが小さく、耐久性に優れ、長寿命化が図れると
いう効果がある。そして、本発明の摩擦材は、所謂低速
カックンブレーキ現象が発生しないので、特にバス、ト
ラック等の大型車用摩擦材として好適なものである。
Claims (6)
- 【請求項1】 繊維基材と、無機充填材と、有機充填材
と、結合材とを主成分とする非石綿系摩擦材組成物を成
形、硬化してなる非石綿系摩擦材において、上記無機充
填材として90%粒径が0.1〜8μm、モース硬度が
6〜8の無機充填材を摩擦材組成物全体に対し0.1〜
10体積%添加することを特徴とする非石綿系摩擦材。 - 【請求項2】 上記無機充填材がマグネシア、酸化ジル
コニウム、硫化ジルコニウム、珪酸ジルコニウム、α−
石英及び酸化クロムから選ばれる1種以上である請求項
1記載の非石綿系摩擦材。 - 【請求項3】 上記繊維基材としてガラス繊維のチョッ
プドストランドを摩擦材組成物全体に対し1〜6体積%
添加する請求項1又は2記載の非石綿系摩擦材。 - 【請求項4】 繊維基材と、無機充填材と、有機充填材
と、結合材とを主成分とする非石綿系摩擦材組成物を成
形、硬化してなる非石綿系摩擦材において、上記摩擦材
の日本自動車規格JASO C407−87に準拠した
低温・低速時のブレーキ試験における5km/hでのブ
レーキの効き(TP1)に対する30km/hでのブレ
ーキの効き(TP2)の差の比率〔(TP1−TP2)
/TP1×100〕が40%以下であることを特徴とす
る非石綿系摩擦材。 - 【請求項5】 上記差の比率〔(TP1−TP2)/T
P1×100〕が10℃において30%以下である請求
項4記載の非石綿系摩擦材。 - 【請求項6】 上記差の比率〔(TP1−TP2)/T
P1×100〕が100℃において20%以下である請
求項4記載の非石綿系摩擦材。
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JP2000036417A JP2000309641A (ja) | 1999-02-22 | 2000-02-15 | 非石綿系摩擦材 |
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