JP2004238408A - ブレーキパッド - Google Patents

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裕之 藤川
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Abstract

【課題】安価で且つ摩擦係数が安定したブレーキパッドを提供する。
【解決手段】無機ファイバー、有機ファイバー、金属ファイバーから選択されるとともに、少なくともカーボンファイバーを含むファイバー基材と、摩擦調整剤と、充填剤と、バインダーレジンとを原料として、この原料を熱成形してなるブレーキパッドにおいて、カーボンファイバー20は、カーボンファイバー20およびカーボンファイバー20よりも比重の大きい充填材およびバインダー材からなる凝集体30として含有されており、その含有量が2vol%以上30vol%以下である。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ブレーキパッドに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、一般に、ブレーキパッドは、無機ファイバー、有機ファイバー、金属ファイバーから選択されるファイバー基材と、摩擦調整剤と、充填剤と、バインダーレジンとを原料として、この原料を熱成形してなる。ここにおいて、カーボンファイバーを含有させることで、特性の改善を図ることが行われている。
【0003】
カーボンファイバーは、アラミド繊維等の有機繊維に比べて耐熱性に優れ、また、潤滑性が高いため、高温での材料強度の向上やローター等の相手への攻撃性が小さいという効果がある。
【0004】
ところで、ブレーキパッドは、上記した原料を熱プレスによる成形すなわち熱成形することにより製造される。この熱成形時に、原料中のバインダーレジンの流動により、成形後のブレーキパッドにおいては、ほとんどの繊維材料は、ブレーキパッドの摩擦面と平行に配向している。
【0005】
摩擦現象とブレーキパッド中の繊維の配向状態との間には相関があり、繊維が摩擦面と垂直に立っている方が摩擦係数が高く、耐摩耗性が良い。ここで、従来では、繊維であるカーボンファイバーが摩擦面に対して平行になっていると、カーボンファイバーの高い潤滑性のために摩擦係数が低下するという欠点が発生する。
【0006】
そこで、従来より、カーボンファイバーを含むブレーキパッドにおいて、カーボンファイバーを摩擦面と垂直に配向させるために種々の方法が提案されている。
【0007】
一つは、カーボンファイバーを編んで不織布として構成し、この不織布に切れ込みを入れる等によってカーボンファイバーを3次元的に配向させ、それにより、摩擦係数を上げようとする方法である(例えば、特許文献1参照)。
【0008】
もう一つは、カーボンファイバーを短い繊維とし、この短繊維のカーボンファイバーのみを造粒して配向をランダムとし、一部のカーボンファイバーを摩擦面に対して垂直に配向させようとする方法である(例えば、特許文献2参照)。
【0009】
【特許文献1】
特開平4−234476号公報
【0010】
【特許文献2】
特開平4−300353号公報
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記したカーボンファイバーの不織布を用いる方法では、不織布自体のコストが高くなるという問題がある。
【0012】
また、短繊維のカーボンファイバーのみを造粒する方法では、カーボンファイバーのみでは、他のブレーキパッド原料に比べて比重が小さく、原料中に均一に混合しにくく、結果、できあがったブレーキパッドにおいて摩擦係数が安定しないという問題が生じる。
【0013】
そこで、本発明は上記問題に鑑み、安価で且つ摩擦係数が安定したブレーキパッドを提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、無機ファイバー、有機ファイバー、金属ファイバーから選択されるとともに、少なくともカーボンファイバーを含むファイバー基材と、摩擦調整剤と、充填剤と、バインダーレジンとを原料として、この原料を熱成形してなるブレーキパッドにおいて、カーボンファイバー(20)は、カーボンファイバーおよびカーボンファイバーよりも比重の大きい充填材を含む凝集体(30)として含有されており、この凝集体の含有量が2vol%以上30vol%以下であることを特徴としている。
【0015】
それによれば、カーボンファイバーを充填材と一緒に凝集体として含有させることにより、従来の不織布を用いた場合よりも安価にカーボンファイバーの配向をランダムにすることができる。
【0016】
そのため、ブレーキパッド中におけるカーボンファイバーの配向もランダムとなり、一部のカーボンファイバーがブレーキパッドの摩擦面に対して垂直に配向した状態を容易に実現することができ、耐摩耗性が向上する。
【0017】
また、カーボンファイバーをこれよりも比重の大きな充填材と一緒に凝集体とすることにより、凝集体の比重はカーボンファイバー単独よりも大きくなる。そのため、ブレーキパッドを製造する際の混合時において、カーボンファイバーの均一な分散が実現でき、その結果、安定した摩擦係数を実現できる。
【0018】
そして、本発明者の検討によれば、上記した耐摩耗性の向上および安定した摩擦係数を実現するためには、上記凝集体の含有量が2vol%以上30vol%以下であることが必要である(図3、図4参照)。
【0019】
これは、凝集体の含有量が2vol%よりも少ないと、カーボンファイバーが少なすぎて潤滑性能が低下し摩耗しやすくなること、また、30vol%よりも多いとカーボンファイバーが多すぎて潤滑性能が過度に良くなりすぎることから、摩擦係数が低下するためである。
【0020】
また、凝集体の含有量が30vol%よりも多くなると、ブレーキパッド中に占める粒状の凝集体の割合が多くなりすぎてブレーキパッドの強度が低下してしまう。
【0021】
このように、本発明によれば、上記凝集体の含有量を2vol%以上30vol%以下とすることにより、従来に比べて安価で且つ摩擦係数が安定したブレーキパッドを提供することができる。
【0022】
ここで、請求項2に記載の発明のように、凝集体の平均粒径が0.05mm以上1mm以下であることが好ましい。
【0023】
凝集体の平均粒径が0.05mmよりも小さいと、上記請求項1の発明の効果が発現しにくく、1mmよりも大きいと、均一に混合することが難しくなるためである。
【0024】
また、請求項3に記載の発明のように、凝集体がカーボンファイバーおよび充填材に加えてバインダー材からなる場合、この凝集体のうちカーボンファイバーの占める割合が10vol%以上70vol%以下であることが好ましい。
【0025】
これは、当該割合が10vol%よりも少ないとカーボンファイバーが少なすぎて凝集体を形成することが難しくなり、70vol%よりも多いとカーボンファイバーが多すぎて凝集体の強度が確保しにくくなるためである。
【0026】
また、請求項4に記載の発明のように、凝集体(30)中のバインダー材としては、ポリビニルアルコール、フェノール樹脂、エポキシ樹脂およびラテックスゴムから選択された1種またはその混合物であるものにできる。
【0027】
また、請求項5に記載の発明のように、凝集体(30)中の充填材としては、硫酸バリウムまたは炭酸カルシウムのいずれかを用いることができる。
【0028】
なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示す一例である。
【0029】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図に示す実施形態について説明する。本実施形態のブレーキパッドは、無機ファイバー、有機ファイバー、金属ファイバーから選択されるとともに、少なくともカーボンファイバーを含むファイバー基材と、摩擦調整剤と、充填剤と、バインダーレジンとを原料として、この原料を熱成形してなるものである。
【0030】
ここで、個々の原料成分は、一般にブレーキパッドに採用されるものにできる。例えば、無機ファイバーとしては、ガラス繊維やセラミックファイバー等を採用することができ、有機ファイバーとしては、アラミド繊維等を採用することができ、金属ファイバーとしては、銅ファイバーやスチールファイバー等を採用することができる。
【0031】
また、摩擦調整剤としてはアルミナ、グラファイト等、充填剤としてはカシュー、水酸化カルシウム、硫酸バリウム等を採用することができる。また、バインダーレジンとしては、フェノール樹脂等を採用することができる。
【0032】
このようなブレーキパッドにおいて、本実施形態では、カーボンファイバーは、当該カーボンファイバーおよびカーボンファイバーよりも比重の大きい充填材を含む凝集体として含有されており、その含有量が2vol%以上30vol%以下であることを特徴としている。
【0033】
具体的には、凝集体は、カーボンファイバーおよび充填材に加えてバインダー材からなる。カーボンファイバーとしては例えば、繊維長が0.05mm程度、繊維径が数μm〜数十μm程度のものを採用できる。それにより、カーボンファイバーの繊維の絡みとバインダー材によって凝集力を確保し、充填材によって凝集体の比重を大きくしている。
【0034】
また、凝集体中のバインダー材としては、凝集体がブレーキパッド原料に混合された後であっても、形状を保持できるような強度を与えるものであれば、どのようなものでもかまわないが、ブレーキの使用条件等を考慮すると高温でも安定なポリビニルアルコール、フェノール樹脂、エポキシ樹脂およびラテックスゴム等が適当である。また、これらの混合物等を採用しても良い。
【0035】
また、凝集体中の充填材としては、硫酸バリウムまたは炭酸カルシウム等のように、カーボンファイバーよりも比重が大きくて繊維の隙間に入り込み、繊維を解きほぐし均一な凝集体を作成可能な粉末が最適である。ちなみに、カーボンファイバーの比重は2程度であり、硫酸バリウムや炭酸カルシウムの比重は4程度である。
【0036】
なお、その他にも、凝集体の充填材としては、摩擦係数を上昇させるケイ酸ジルコニウム(ジルコン)、酸化ジルコニウム(ジルコニア)、酸化マグネシウム(マグネシア)、酸化アルミニウム(アルミナ)等の硬度の高い無機粉末を用いても効果が現れる。
【0037】
このカーボンファイバーの凝集体は、これらカーボンファイバー、充填材およびバインダー材からなる原料を用いて、一般的に知られている造粒法である転動法、撹拌法、流動層法等によって容易に作成することができる。
【0038】
そして、作製された凝集体と、上記した無機ファイバー、有機ファイバー、金属ファイバーから選択されたファイバー基材と、摩擦調整剤と、充填剤と、バインダーレジンとを混合し、この混合したものを原料として金型に投入し、熱プレスを行うことでブレーキパッドが製造される。
【0039】
図1は、できあがった本実施形態のブレーキパッドにおける凝集体およびその中のカーボンファイバーの配向状態を模式的に示す断面図である。凝集体30は個々のカーボンファイバー20が凝集して形成されたものであるため、凝集体30の中でカーボンファイバー20はランダムに配向している。
【0040】
そして、この凝集体30がブレーキパッド1の中に含有されることで、製造時のプレス面となるブレーキパッド1の摩擦面10に対して、カーボンファイバー20の配向もランダムになっている。なお、このようなランダム配向は、顕微鏡観察等によって確認している。
【0041】
このように、本実施形態によれば、カーボンファイバー20を充填材と一緒に凝集体30として含有させることにより、従来の不織布を用いた場合よりも安価にカーボンファイバー20の配向をランダムにすることができる。
【0042】
そのため、ブレーキパッド1中において、一部のカーボンファイバー20がブレーキパッド1の摩擦面10に対してほぼ垂直に配向した状態を容易に実現することができ、耐摩耗性の向上が図れる。
【0043】
また、凝集体30中のほとんどのカーボンファイバー20は、摩擦面10に対して完全に平行となっているわけではない。そのため、従来のように、ほとんどのカーボンファイバーが摩擦面に平行に配向している場合に比べ、摩擦係数の上昇や耐摩耗性の向上が図れる。
【0044】
さらに、カーボンファイバー20をこれよりも比重の大きな充填材と一緒に凝集体30とすることにより、凝集体30の比重はカーボンファイバー単独よりも大きくなる。そのため、ブレーキパッド1を製造する際の混合時において、カーボンファイバー20の均一な分散が実現でき、その結果、安定した摩擦係数を実現できる。
【0045】
そして、本発明者の検討によれば、上記した耐摩耗性の向上および安定した摩擦係数を実現するためには、ブレーキパッド1中における凝集体30の含有量が2vol%以上30vol%以下であることが必要である(後述の図3、図4参照)。
【0046】
これは、凝集体30の含有量が2vol%よりも少ないと、カーボンファイバー20が少なすぎてブレーキパッド1の潤滑性能が低下し摩耗しやすくなること、また、30vol%よりも多いと、カーボンファイバー20が多すぎて潤滑性能が過度に良くなりすぎて摩擦係数が低下するためである。
【0047】
また、凝集体30の含有量が30vol%よりも多くなると、ブレーキパッド1中に占める粒状の凝集体30の割合が多くなりすぎてブレーキパッド1の強度が低下してしまう。
【0048】
このように、本実施形態によれば、凝集体30の含有量を2vol%以上30vol%以下とすることにより、従来に比べて安価で且つ摩擦係数が安定したブレーキパッド1を提供することができる。なお、好ましくは凝集体30の含有量は5〜15vol%程度が良い。
【0049】
ここで、凝集体30は、その平均粒径が0.05mm以上1mm以下であることが好ましい。これは、凝集体30の平均粒径が0.05mmよりも小さいと、上記した効果が発現しにくく、1mmよりも大きいと、凝集体30を均一に混合することが難しくなるためである。この凝集体30の平均粒径は、好ましくは、0.1mm〜0.5mm程度がよい。
【0050】
また、上述したように、凝集体30がカーボンファイバー20および充填材に加えてバインダー材からなる場合、この凝集体30のうちカーボンファイバー20の占める割合が10vol%以上70vol%以下であることが好ましい。
【0051】
これは、当該割合が10vol%よりも少ないとカーボンファイバー20が少なすぎて凝集しにくくなって凝集体30を形成することが難しくなり、70vol%よりも多いとカーボンファイバー20が多すぎて凝集体30が軟らかくなり、その強度が確保しにくくなるためである。
【0052】
次に、上記した本実施形態の効果について、具体例を示して、より詳細に説明する。まず、凝集体の具体例を述べる。図2は、具体例A、B、C、D、Eにおける凝集体の原料組成を示す図表である。
【0053】
図2では、凝集体のファイバー基材としてのカーボンファイバー(繊維長:0.05mm程度、繊維径:10μm程度のもの)、充填材としての硫酸バリウム、バインダー材としてのフェノール樹脂を組成成分としており、組成比すなわち各組成の分量はvol%である。なお、フェノール樹脂は固形分の分量である。
【0054】
この図2に示す各例A〜Eの凝集体は、アイリッヒミキサーによって、図2に示した組成の原料を5分間混合した後、フェノール樹脂中の溶剤を加熱乾燥して作製した。なお、できあがった凝集体における各成分の組成も、図2に示す組成と実質同様である。
【0055】
図2中の具体例B、C、Dに示すように、凝集体のうちカーボンファイバーの占める割合が10vol%以上70vol%以下であれば、良好に凝集体を作製することができる。なお、これら例における凝集体は、その平均粒径が0.5mm程度であった。
【0056】
一方、具体例Aでは、上記カーボンファイバーの割合が10vol%よりも少ないため、凝集しにくくなって凝集体を形成できなかった。また、具体例Eでは、上記カーボンファイバーの割合が70vol%よりも多いため、凝集体の強度が不足した。
【0057】
次に、適切に凝集体を作製できた上記具体例Cの凝集体を用いて、種々のブレーキパッドを作製した。図3は、具体例1、2、3、4、5、6におけるブレーキパッドの原料組成を示す図表である。
【0058】
図3では、ブレーキパッドのファイバー基材として、アラミド繊維、銅ファイバー、および上記具体例Cのカーボンファイバー凝集体を用い、充填剤としてカシュー、水酸化カルシウムおよび硫酸バリウム、摩擦調整剤としてアルミナを用い、バインダーレジンとしてフェノール樹脂を用いている。
【0059】
そして、図3では、各具体例1〜6におけるこれらの材料の分量をvol%にて示している。なお、上記図2と同様に、フェノール樹脂は固形分の分量である。また、具体例6では、上記具体例Cの凝集体の代わりに、凝集させないカーボンファイバーを単独で用いており、その分量は15vol%としている。
【0060】
この図3に示す各具体例1〜6のブレーキパッドは、次のようにして作製した。各例において、図3に示した組成の原料をアイリッヒミキサーを用いて混合した。混合した原料を所定量、160℃に加熱した金型中に投入し、適当なタイミングで圧抜きおよびガス抜きを行った。
【0061】
圧力は、一定加圧方式を用い加圧時間は10分とした。圧力値は成形したブレーキパッドが計算上10%の気孔率を有するように適宜決定した。こうして、成形された成形体を230℃、3時間で硬化させることで、各具体例1〜6のブレーキパッドを作製した。なお、できあがったブレーキパッドにおける各成分の組成も、図3に示す組成と実質同様である。
【0062】
そして、図3に示す各具体例1〜6のブレーキパッドについて、それぞれ性能評価を行った。その結果を図4に示す。図4では、平均摩擦係数、摩耗量(単位:mm)、せん断強度(単位:kN)を測定している。摩擦係数および摩耗量はJASOの一般効力試験時のデータによるものである。
【0063】
ここで、判定基準は、摩耗係数については0.4以上ならば「○」、0.4未満ならば「×」とし、摩耗量については0.6mm以下ならば「○」、0.6mmより大きいならば「×」とし、せん断強度については30kN以上ならば「○」、30kN未満ならば「×」とした。
【0064】
この図4に示すように、具体例1では、凝集体の含有量が2vol%よりも少ないため摩耗量が多く、具体例5、6では凝集体の含有量が30vol%よりも多いため摩擦係数が低くなり、判定基準を満足しなかった。また、具体例5では、ブレーキパッド中に占める粒状の凝集体の割合が多くなりすぎてせん断強度が低下した。
【0065】
それに対して、具体例2〜4では、ブレーキパッド中における凝集体の含有量を2vol%以上30vol%以下としているため、摩擦係数、摩耗量、せん断強度のいずれも判定基準を満たし、特性に優れたブレーキパッドを実現できている。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係るブレーキパッドにおける凝集体およびその中のカーボンファイバーの配向状態を模式的に示す断面図である。
【図2】具体例A〜Eにおける凝集体の原料組成を示す図表である。
【図3】具体例1〜6におけるブレーキパッドの原料組成を示す図表である。
【図4】上記図3に示す各具体例1〜6のブレーキパッドについて、それぞれ性能評価を行った結果を示す図表である。
【符号の説明】
1…ブレーキパッド、20…カーボンファイバー、30…凝集体。

Claims (5)

  1. 無機ファイバー、有機ファイバー、金属ファイバーから選択されるとともに、少なくともカーボンファイバーを含むファイバー基材と、摩擦調整剤と、充填剤と、バインダーレジンとを原料として、この原料を熱成形してなるブレーキパッドにおいて、
    前記カーボンファイバー(20)は、前記カーボンファイバーおよび前記カーボンファイバーよりも比重の大きい充填材を含む凝集体(30)として含有されており、その含有量が2vol%以上30vol%以下であることを特徴とするブレーキパッド。
  2. 前記凝集体(30)は、その平均粒径が0.05mm以上1mm以下であることを特徴とする請求項1に記載のブレーキパッド。
  3. 前記凝集体(30)は、前記カーボンファイバー(20)および前記充填材に加えてバインダー材からなり、
    この凝集体のうち前記カーボンファイバーの占める割合が10vol%以上70vol%以下であることを特徴とする請求項1または2に記載のブレーキパッド。
  4. 前記凝集体(30)中の前記バインダー材が、ポリビニルアルコール、フェノール樹脂、エポキシ樹脂およびラテックスゴムから選択された1種またはその混合物であることを特徴とする請求項3に記載のブレーキパッド。
  5. 前記凝集体(30)中の前記充填材が、硫酸バリウムまたは炭酸カルシウムのいずれかであることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか一つに記載のブレーキパッド。
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