JP3850984B2 - 育苗箱踏み付装置 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、圃場に敷設した育苗箱を踏み付ける育苗箱踏み付装置に関するものである。
【0002】
【従来技術】
従来公知の、特開平8−322388号公報には、播種済の多数の苗箱をハウス内に自動的に整然と並べてゆく苗箱自動整列機において、該苗箱自動整列機の後部に踏み板を昇降可能に吊り持ちさせた構成について記載されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
前記公知のものは、苗箱自動整列機の後部に踏み板を設けているから、苗箱自動整列機の運搬が容易でないという課題がある。
また、踏み板は昇降可能に吊り持ちされているから、一々昇降操作しなければならず、面倒であり、操作性が悪いという課題がある。特に、踏付作業後の移動に際して、踏み板を上昇操作しなければならず、この上昇操作を忘れて前進して踏み板により育苗箱上面を摺接すると、種子が発芽しないということにもなる。
また、播種済の育苗箱の補給についてはなんらの工夫もされていないので、作業性に欠けるという課題がある。
【0004】
【発明の目的】
載置場への育苗箱の載置敷設作業の容易化、操作性の向上、育苗箱の供給作業の容易化。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、載置場1に設けた前後方向のレール2上を前後移動可能な走行枠体4および該走行枠体4に育苗箱Aを供給する育苗箱供給部22とを有し、前記レール2の左右両側の載置場1に育苗箱Aを左右方向に並列させ、かつ、前後にも並列させて敷設するように構成した並列敷設装置3を設け、該並列敷設装置3の後方のレール2上には、前記育苗箱供給部22に補給する育苗箱Aを載置しうる台車69を設け、該台車69には前記並列敷設装置3の後側の既に敷設した育苗箱Aの上面に当接する作用位置と育苗箱Aの上面より上方に退避する退避位置の間上下する踏み板80を設けた育苗箱踏み付装置としたものである。
本発明は、前記踏み板80は、前記並列敷設装置3の後方に位置する作業位置と前記台車69の両側部の夫々の待機位置との間に移動するように構成した育苗箱踏み付装置としたものである。
本発明は、前記踏み板80は、バネ85の弾力により作業者が踏むと育苗箱Aの上面に当接し、降りると育苗箱Aの上面より上方に退避するように設けた育苗箱踏み付装置としたものである。
【0006】
【実施例】
本発明の一実施例を図により説明すると、1は合成樹脂製で縦横に多数のポットを有する育苗箱Aを並べる載置場であり、所定の広さを有していればよく、室内外を問わないが、床面を土にして敷設した育苗箱Aの苗の根が伸びることが可能であることが必要となる。載置場1にはレール2を敷設し、レール2上には育苗箱並列装置3の走行枠体4を走行可能に載置する。このレール2は、任意の間隔で敷設されるが、載置場1の面積を有効利用するため、通常、略300mm程度の間隔で敷設されている。一方、前記育苗箱Aは、縦略600mm,横略300mmであり、後述するように、育苗箱Aは横向きに敷設するので、前記レール2は育苗箱Aの横向きの左右幅より所定間隔だけ小に形成されることになる。レール2の左右両側に複数の育苗箱Aを敷設させる敷設スペースを設ける。
前記走行枠体4は、レール2の左右両側の敷設スペースの上方に位置する車体横枠5と車体側部枠6により平面視長四角形状に形成し、前記車体横枠5および車体側部枠6により包囲された枠内は底抜け形状に形成する。前記走行枠体4には、該走行枠体4に対して長さ方向(左右方向)に移動する載置移動枠7を設ける。載置移動枠7は、該載置移動枠7の上面に複数の育苗箱Aを摺動自在に載置可能に構成する。前記左右の車体側部枠6には、上下一対の案内レール11、11の両端部を夫々固定し、前記上下の案内レール11の間に移動ローラー12を嵌合させる。移動ローラー12は取付軸14により前記載置移動枠7の前後一対の移動横枠体15に左右方向に所定間隔を置いて複数設ける。
【0007】
前後の移動横枠体15には前後方向の移動縦枠体16を左右方向に所定間隔を置いて複数設けて前後の移動横枠体15を連結固定し、移動縦枠体16の上面には前記移動縦枠体16と平行の支持棒17を設けている。支持棒17は育苗箱Aの底面に摺接し、接触面積を減少させるものである。前記移動横枠体15の下面にはラック(実施例ではチエン)18を全長に亘って設け(図3、図4)、ラック18に走行枠体4側に設けた正逆転自在のピニオン19を噛み合わせ、ピニオン19は枠移動用モータ20の軸21に固定する。
しかして、前記走行枠体4の前記レール2の略上方位置には、一枚ずつ育苗箱Aを供給し得る育苗箱供給部22を設ける。育苗箱供給部22は、側面視前後対称に形成した供給部フレーム23の一方側側板24と他方側側板25のそれぞれに前側外板26および前側内板27と後側外板26’と後側内板27’とをそれぞれ固定し、前後の内板27、27’と一方側側板24と他方側側板25により平面視一枚の育苗箱Aを収容する面積を有する育苗箱供給空間28を形成する。実施例の育苗箱供給空間28の容積は、一列に載置する育苗箱Aの数に合わせ、4〜10枚に重ねた段積育苗箱Aを収容し得る大きさに形成しているが、もっと大きく形成してもよい。前記内板27、27’は、その中間部より上方に至るに従い外側(前後側)に開くように傾斜させ、育苗箱Aを上方から供給する際の案内傾斜部29に形成する。
一方側側板24と他方側側板25の間には左右方向の取付軸30を前後一対となるように軸装し、各取付軸30には育苗箱Aを支持する支持部材31の基部を固定し、支持部材31は前記内板27、27’より前記育苗箱供給空間28内に略水平突出する支持位置Sと育苗箱供給空間28より退避する退避位置Tとの間回動する。そして、前記載置移動枠7上に育苗箱Aを載置してから支持位置に回動する支持部材31は、下から2段目の育苗箱Aの鍔部32に係合して支持位置Sまで持ち上げて支持するように構成する。
【0008】
前記各取付軸30には回動アーム33の基部を固定し、回動アーム33の先端にローラー34を取付け、ローラー34は前記取付軸30と平行な回転軸35に固定したカム板36の周縁に当接させる。回転軸35の左右両端は前記一方側側板24と他方側側板25に軸装する。37は前記カム板36の周縁にローラー34を常時当接させるように付勢するバネである。前記他方側側板25より側方に突き出ているそれぞれの回転軸35にはベベルギヤ38を固定し、ベベルギヤ38には供給用モータ39により回転する前後方向の伝動軸40に固定のベベルギヤ41を噛み合わせる。
しかして、前記育苗箱供給部22の左右両側の走行枠体4は、複数並列させた育苗箱Aを待機させるスペースを有する待機部42に構成し、前記載置移動枠7は、一方の待機部42の長さに形成し、中央のレール2を挟んで左右両側に育苗箱Aを並列させるように構成する。
即ち、載置移動枠7は左右いずれか一方の待機部42から他方の待機部42に移動するときに、育苗箱供給部22から育苗箱Aの供給を受け、同時に、載置移動枠7上に既に供給された育苗箱Aを降下させ、作業効率を向上させる。
しかして、育苗箱供給部22には移動する載置移動枠7に対して育苗箱Aの移動を停止させるストッパー43を設ける。即ち、載置移動枠7上に全長に亘って育苗箱Aを載置し、この状態で、載置移動枠7上の育苗箱Aをストッパー43より不動状態にしてから、載置移動枠7を移動させると、端側の載置移動枠7上の育苗箱Aが順に降下して載置場1に並列させるのである。
前記ストッパー43は載置移動枠7の上方の前記一方側側板24と他方側側板25の下方に載置移動枠7は通過するが育苗箱Aは通過できないように設ける。
この場合、前記レール2は育苗箱Aの横向きの左右幅より所定間隔狭く形成され、育苗箱供給部22は横向き育苗箱Aを収容する育苗箱供給空間28を有しているから、育苗箱供給部22は前記レール2の左右幅より間隔Lだけ大に形成されることになり、育苗箱供給部22を走行枠体4の中央に固定させて載置移動枠7に育苗箱Aを供給すると、育苗箱供給部22の左右のストッパー43はレール2より間隔Lの半分の距離だけ離れたところに位置することになって、レール2の近傍に載置できず、載置スペースを有効利用できない。
【0009】
そこで、前記育苗箱供給部22は走行枠体4に対して左右方向に移動可能に設け、レール2の可及的近傍位置にも育苗箱Aを載置できるようにしている。育苗箱供給部22は、図5に示したように、前記取付軸30の下方にそれぞれ底板46を設け、底板46には切り起こしにより軸受部47と窓孔48を同時形成し、窓孔48は前記走行枠体4の前後の車体横枠5と同一間隔で形成して車体横枠5の上方に位置させ、前記窓孔48に案内走行ローラー49を嵌め、案内走行ローラー49の回転軸50を軸受部47に軸装して取付ける。案内走行ローラー49はそれぞれ車体横枠5の上面に嵌合させ、育苗箱供給部22は走行枠体4の車体横枠5上に載置して左右方向に移動可能に設けられる。
そして、育苗箱Aを供給するとき、育苗箱供給部22を載置移動枠7の移動方向側に寄せ(図9)、図9イでは育苗箱供給部22に育苗箱Aを供給するため中央に位置させているが、図9ロではレール2から間隔Lだけ右側に寄せ、図9チでは間隔Lだけ左側に寄せ、ストッパー43を右側のレール2の略上方に位置させ、右側のレール2の近傍に育苗箱Aを載置する。
したがって、レール2より前記間隔Lだけ左右方向の外側に位置した前記走行枠体4の車体横枠5の上面には、前記育苗箱供給部22の移動を停止させる移動停止用部材53を設ける。移動停止用部材53は一方側側板24および他方側側板25の下部側面が当接するように設ける。
この場合、前記育苗箱供給部22は、一方側または他方側に寄った位置でのみ育苗箱Aを供給し、その中間位置では供給しないように構成する。
また、載置移動枠7の移動は、間欠的に1箱分移動するように構成している。
しかして、載置移動枠7の左右両側には育苗箱Aを降ろす際の衝撃を緩和させる衝撃緩和用回動部材51を設ける。衝撃緩和用回動部材51は三つの回動板52の基部を連結部54により連結し、連結部54の前後側の取付部56を前記載置移動枠7に軸57により軸着する。前後の回動板52と載置移動枠7との間にはロック装置Rを設け、走行枠体4にはロック解除部材Uを設ける。前記前後の回動板52の先端には切欠部を設けて前記回動板52の先端側部に係合板部58を形成する。前記載置移動枠7には回動片59の上部を軸着し、回動片59の下端は載置移動枠7に当接して待機する。回動片59の下端の回動板52側には左右方向の係合支持部60に形成し、係合支持部60の上面に係合板部58が載って係合する。ロック解除部材ロック解除部材Uは、軸部材により水平の取付部61と回動片59側が低く反対側に至るに従い高くなる傾斜部62と傾斜部62の終端の平坦部63と、前記取付部61の基部を固定した回動部64により構成し、回動部64を走行枠体4側に軸65により軸着し、軸65には前記傾斜部62が常時待機位置に回動するように付勢するバネ66を設ける。なお、図示は省略するが、軸65の軸着部より外端部の下面を固定部67に当接させて待機させている。
【0010】
回動片59は自重で起立状態に保持され、往路移動中にロック解除部材Uを下方回動させて退避させ、復路を移動するとき、平坦部63に当接して回動しロック解除し、回動板52は育苗箱Aの自重で下方回動し、所定時間中回動片59は平坦部63の上面に載ってロック解除状態保持し、その後、回動片59は起立状態に自重で復帰し、ロック解除部材Uはバネ66の弾力で復帰する。また、回動板52は、前記育苗箱供給部22の下方の往路から復路への移動路中に設けた復帰用当接体67に当接して上方回動して水平状態になり、このとき、回動片59の係合支持部60に係合板部58が係合し、回動板52は水平状態に保持される。
また、衝撃緩和用回動部材51の基部側下面には、衝撃緩和用回動部材51を常時上方回動するように付勢する板バネ68を設ける。板バネ68は基部を移動縦枠体16に固定する。
即ち、回動板52の先端の係合板部58に回動片59の係合支持部60が係合しているので、確実に支持し、育苗箱Aを移送する往路では回動片59にロック解除部材Uの傾斜部62が当接しても回動部64が軸65中心に回動して退避し、反対に、復路ではロック解除部材Uの平坦部63の端部が回動片59の裏面に当接して回動させてロック解除し、回動板52は育苗箱Aの自重で下方回動する。この場合、回動片59の下端はロック解除部材Uの平坦部63の上面に載っているので、すぐには元に復帰せず、回動板52が確実に下方回動した後に、回動片59を復帰させる機械式タイマーの作用を期待している。したがって、回動板52は確実にロック解除される。
また、回動板52は、前記育苗箱供給部22の下方の往路から復路への移動路中に設けた復帰用当接体68に当接して支持状態に復帰する。
また、衝撃緩和用回動部材51の基部側下面には、衝撃緩和用回動部材51を常時上方回動するように付勢する板バネ68を設けているから、衝撃緩和用回動部材51の下方回動そのものを穏やかに行って、育苗箱Aに衝撃を与えないようにしている。この板バネ68を設けている点からも、前記ロック解除部材Uの平坦部63による機械式タイマーの作用は頗る有効である。
【0011】
しかして、前記走行枠体4は中央に設けた車輪96をレール2上を走行させ、走行枠体4の左右両側の車体側部枠6に支持転輪97を設ける。
98は走行用モータ、99は前記走行車輪96に設けた歯車、100は走行用モータの回転軸に設けた歯車、101は歯車99と歯車100の間に掛け回したチエン、102は前記レール2上またはその近傍に設けた次に並べる育苗箱Aを段積させた段積育苗箱Aを載せた載置台である。
しかして、前記走行用レール2上には運搬用台車69を走行可能に載置する。運搬用台車69は走行フレーム70に走行車輪71を設ける。走行車輪71は自在輪(キャスター輪)にすると走行も安定し好適である。
しかして、運搬用台車69の左右両側には前後一対の取付部72を設け、前側の取付部72には取付回動フレーム73の基部を軸74により回動自在に取付ける。取付回動フレーム73の先端側には補強フレーム75の一端を取付け、補強フレーム75の他端は運搬用台車69の後側の取付部72に取付けて支持する。取付回動フレーム73には夫々に横軸76を設け、横軸76には一対の回動アーム77の基部の係合溝78を下側から係合させて回動自在に取付ける。前記回動アーム77の後端には横杆79を固定し、横杆79には踏み板80をリンク杆金具81を介して取付ける。該リンク杆金具81と踏み板80との取付部分は踏み板80の前後中間位置より後側とし、かつ、踏み板80には弾性当接部材82を設け、弾性当接部材82を常時前記横杆79の下面に当接させて前端が少し上動するように構成する。
【0012】
前記回動アーム77の下方にはバネ受け83を設け、回動アーム77の下面の突起84とバネ受け83の上面との間にバネ(圧縮バネ)85を挿通する。したがって、作業者が踏み板80に載ると回動アーム77が回動して育苗箱Aの上面に密着し、踏み板80より降りると、回動アーム77が回動して育苗箱Aの上面より上方に退避する。バネ受け83の基部には取付回動フレーム73に向けて突き出す螺子軸86を設け、螺子軸86を回転させると、回動アーム77の待機高さを変更する。
前記実施例の運搬用台車69は前記走行フレーム70にモーター等の動力源87を設け、動力源87により走行車輪71を駆動回転させて走行するが、動力源87を設けないこともある。88は制御部を内蔵させたコントロールボックス、89は操作パネル、90はバッテリー、91は複数並設した横軸搬送ローラーである。
【0013】
【作用】
次に作用を述べる。
本発明は前記の構成であるから、育苗箱供給部22に段積育苗箱Aを供給し(図9イ)、次に、育苗箱供給部22を、載置移動枠7が右側に移動するので間隔Lだけ右側に寄せ(図9ロ)、育苗箱供給部22の他方側側板25の下部側面が移動停止用部材53に当接して横移動が停止し、次に、枠移動用モータ20に通電して載置移動枠7の右端の一枚分のスペースが育苗箱供給部22の下方に位置するまで移動させてから停止させる。次に、この状態で、供給用モータ39に通電して、伝動軸40とベベルギヤ41とベベルギヤ38と回転軸35を介してはカム板36を回転させる。カム板36はローラー34を上下に移動させ、これにより回動アーム33が回動して取付軸30を正逆回転させ、取付軸30の正逆回転により育苗箱Aを支持している支持部材31は、支持位置Sから退避位置Tに回動し、育苗箱供給空間28内の育苗箱A全部が載置移動枠7上に落下し、次に、退避位置Tから支持位かSに支持部材31が戻るとき、最下段の育苗箱Aは載置移動枠7上に残り、下から2段目の育苗箱Aの鍔部32に支持部材31が係合して支持位置Sまで持ち上げて支持する。このようにして、載置移動枠7に一枚育苗箱Aが供給される。
再び、枠移動用モータ20を正転させて載置移動枠7を右側の待機部42に向けて1箱分移動させると(図9ハ)、載置移動枠7の1箱分の載置スペースが育苗箱供給部22の下方に位置するので、枠移動用モータ20を停止させ、次に供給用モータ39に通電して右側に位置する育苗箱供給部22により育苗箱Aを供給し(図9ハ)、これを反復すると(図9ニ、ホ)、載置移動枠7全長に亘って育苗箱Aが載置されて右側の待機部42に位置する(図9ヘ)。
【0014】
次に、この状態で、まず、育苗箱供給部22を左側に移動させると、一番内側の育苗箱Aの上面に位置していた退避状態のストッパー43が、育苗箱Aの端面を過ぎると起立状態に回動して右側のレール2の略上に位置する(図9ト)。次に、枠移動用モータ20を逆転させて、載置移動枠7の左端に育苗箱A1箱分の載置スペースが開くと、この載置スペースは左側に寄っている育苗箱供給部22の下方に位置して、枠移動用モータ20を停止させ、次に、次に供給用モータ39に通電して育苗箱供給部22により一枚だけ育苗箱Aを供給する(図9チ)。
このとき、ストッパー43より右側にある育苗箱Aの左端面は、ストッパー43に当接しているから、載置移動枠7が左側に移動すると、載置移動枠7のみが移動し、他方側側板25に設けたストッパー43に内側の育苗箱Aが当接して不動状態になり、このストッパー43により堰き止められた育苗箱Aに隣接する育苗箱Aが当接して全体の育苗箱Aが堰き止められて載置移動枠7に対して不動状態になり、左側に1箱分の載置スペースが開くまで移動すると、右側の1箱の育苗箱Aが落下して載置される(図9チ)。
再び、載置移動枠7を1箱分左側に移動させると、右側の育苗箱Aが落下し(図9リ)、左側の載置移動枠7のスペースが育苗箱供給部22の下方に臨むので、育苗箱Aを供給し(図9リ)、これを反復すると(図9ヌ、ル、オ、ワ)、載置移動枠7を左側に移動させて育苗箱Aを供給しながら、レール2の右側の載置場1に育苗箱Aを載置する。
【0015】
次に、図示は省略するが、育苗箱供給部22を右側に移動させ、載置移動枠7を右側に向けて移動させると、1列目の育苗箱並列作業が終わり、右側に移動した載置移動枠7上には次の育苗箱Aが供給され、この状態で、走行枠体4を前進させ、前記作動を反復することにより、2列目以降の育苗箱並列作業を行い、中央のレール2の左右両側に育苗箱Aを並列させることができる。
したがって、載置移動枠7が一方の待機部42から他方の待機部42に移動する際、一方の待機部42側の載置移動枠7上の育苗箱Aを降ろし、他方の待機部42側の載置移動枠7上に育苗箱Aを供給するから、作業効率を向上させる、即ち、作業初期の一列目に限っては、載置移動枠7上に育苗箱Aを供給するために載置移動枠7を移動させる必要があるが、二列目のときには既に載置移動枠7上に育苗箱Aを供給済となって、すこぶる作業効率を向上させる。
また、載置移動枠7の移動は、間欠的に1箱分移動するように構成しているから、載置移動枠7から載置場1への載置と、載置移動枠7への育苗箱Aの供給を同時に進行させるとき、円滑かつ確実にできる。即ち、育苗箱供給部22から載置移動枠7に育苗箱Aを供給するとき、載置移動枠7は停止しているので、載置移動枠7に対して育苗箱Aがずれるのを防止し、床に載置するのも円滑になる。
しかして、育苗箱供給部22は走行枠体4に対して左右方向に移動自在に設け、かつ、レール2の幅より大なる育苗箱Aの幅との差である間隔Lだけ左右に移動するように移動停止用部材53を設けているから、育苗箱供給部22を左右に移動させると、育苗箱供給部22に設けた左右のストッパー43のそれぞれは左右のレール2の略上に位置することになり、載置移動枠7上の一番内側の育苗箱Aはレール2の近傍に載置できる。
【0016】
したがって、前記育苗箱供給部22は、一枚ずつ育苗箱Aを供給でき、その左右両側に復路にて育苗箱Aを堰き止めるストッパー43を有していれば、前記のように、育苗箱供給部22を左右に移動させると、載置移動枠7上の一番内側の育苗箱Aはレール2の近傍に載置できる。
また、載置移動枠7の前後幅は任意に構成できるが、特に、育苗箱Aは横向きに並列するように構成しているから、ハウス内の育苗では、左右側の育苗箱Aの成育が遅れることがあっても、その部分を取り除いて田植機に供給すればよいので、苗の無駄を発生させない。即ち、育苗箱Aを縦向きに並列させると、育苗箱の外側の縦列の苗が成育不良になり、この苗マットを縦長方向にして田植機に供給するので、この端の不良苗を取り除いて供給すると、欠株となってしまうので不良苗を取り除くことはできず、一箱分の苗が無駄になる。この点、横向きに並列させて敷設すると、その部分だけ除去しても、田植機に供給できるのである。
しかして、通常は、ストッパー43により最内側の育苗箱Aをストップさせて載置移動枠7だけ移動させるので、載置される育苗箱Aは隙間なく並列させるが所定位置に中央側には回動しないが、外側には回動するように間隔規制ストッパー(図示省略)を設けると、載置移動枠7が往路移動中は育苗箱Aの先端が間隔規制ストッパーに当接すると退避し、載置移動枠7が復路移動したとき、載置移動枠7は通過するが、育苗箱Aの端面が間隔規制ストッパーに当接して所定位置にて育苗箱Aは不動状態になって、圃場に降下して載置される。
【0017】
しかして、実施例の育苗箱Aは、合成樹脂製で縦横に多数のポットを有して形成し、ポット内の土では十分に成育できないので、載置場1の土を床土として育苗している。したがって、載置場1に育苗箱Aを載置してから十分に踏み固めて、各ポットを土に密着させる必要があるが、この作業は相当に面倒である。
走行枠体4の後方には、運搬用台車69を走行可能に載置し、運搬用台車69の左右両側には前後一対の取付部72を設け、前側の取付部72には取付回動フレーム73の基部を軸74により回動自在に取付け、取付回動フレーム73に夫々設けた横軸76には一対の回動アーム77の基部の上向き開放の係合溝78を下側から係合させて回動自在に取付け、回動アーム77の後端には横杆79を介して踏み板80を設け、回動アーム77の下方にはバネ受け83を設け、回動アーム77の下面の突起突起84とバネ受け83の上面との間にバネ85を設けているから、作業者が踏み板80に載ると回動アーム77が回動して育苗箱Aの上面に密着し、踏み板80より降りると、回動アーム77が回動して育苗箱Aの上面より上方に退避する。したがって、作業者は、単に踏み板80に乗り降りするだけで、踏み付作業をすることができ、操作性・作業性を向上させ、降りるだけで、踏み板80は上方に退避し、操作忘れによる育苗箱Aの播種面を摺接することを防止する。
この場合、取付回動フレーム73の先端には補強フレーム75の一端を取付け、補強フレーム75の他端は運搬用台車69の左右両側の後側の取付部72に取付けているから、取付回動フレーム73は補強フレーム75により支持され、踏み板80を支持する。
【0018】
また、踏み板80は横杆79にリンク杆金具81を介して取付け、リンク杆金具81と踏み板80との取付部分は踏み板80の前後中間位置より後側とし、かつ、横杆79の下方の踏み板80には弾性当接部材82を設けて、弾性当接部材82を常時横杆79の下面に当接させて前端が少し上動するように構成しているから、移動するとき、踏み板80が育苗箱Aに緩衝するのを防止する。
また、踏み板80と回動アーム77の下端部の間はリンク杆金具81を介して取付けているので、踏み板80は育苗箱Aの上面に完全に密着する。
また、踏み板80は、並列敷設装置3とは別体に設けているから、ハウス内の端における種々の作業を容易にする。即ち、ハウスのビニール端末の処理や、断熱部材の設置等の作業を容易にする。
また、踏み板80は、並列敷設装置3とは別体に設けているから、並列敷設装置3の運搬も容易になる。
しかして、踏み板80は補強フレーム75を外して、前側の取付部72中心に回動させると、踏み板80の取付部が後側の取付部72に一致するから、後側の取付部72に固定すると、踏み板80は運搬用台車69の左右両側に並行に位置する。したがって、載置場1がビニールハウスの場合、狭い出入口からの搬入と搬出を容易に行える。
【0019】
【効果】
本発明は、載置場1に設けた前後方向のレール2上を前後移動可能な走行枠体4および該走行枠体4に育苗箱Aを供給する育苗箱供給部22とを有し、前記レール2の左右両側の載置場1に育苗箱Aを左右方向に並列させ、かつ、前後にも並列させて敷設するように構成した並列敷設装置3を設け、該並列敷設装置3の後方のレール2上には、前記育苗箱供給部22に補給する育苗箱Aを載置しうる台車69を設け、該台車69には前記並列敷設装置3の後側の既に敷設した育苗箱Aの上面に当接する作用位置と育苗箱Aの上面より上方に退避する退避位置の間上下する踏み板80を設けた育苗箱踏み付装置としたものであるから、作業者は、単に踏み板80に乗り降りするだけで、踏み付作業をすることができ、操作性・作業性を向上させ、降りるだけで、踏み板80は上方に退避し、操作忘れによる育苗箱Aの播種面を摺接による発芽不良を防止できる効果を奏し、また、並列敷設装置3とは別体に設けているので、ハウス内の端側で行う種々の作業を容易にでき、また、並列敷設装置3の運搬も容易になる。
本発明は、前記踏み板80は、前記並列敷設装置3の後方に位置する作業位置と前記台車69の両側部の夫々の待機位置との間に移動するように構成した育苗箱踏み付装置としたものであるから、載置場1がビニールハウスの場合、狭い出入口からの搬入と搬出を容易に行えるだけでなく、通常の移動も容易になる。
本発明は、前記踏み板80は、バネ85の弾力により作業者が踏むと育苗箱Aの上面に当接し、降りると育苗箱Aの上面より上方に退避するように設けた育苗箱踏み付装置としたものであるから、踏み板80の上下構成を簡単にでき、コストを低くできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 育苗箱並列装置の斜視図。
【図2】 同概略背面図。
【図3】 同走行枠体および載置移動枠の概略縦断側面図。
【図4】 走行枠体および載置移動枠の一部平面図。
【図5】 育苗箱供給部の平面図。
【図6】 走行枠体および載置移動枠の一部斜視図。
【図7】 供給部の縦断側面図。
【図8】 同回転伝達機構の斜視図。
【図9】 正面から見た並列状態説明図。
【図10】 正面から見た衝撃緩和用回動部材の作用状態説明図。
【図11】 平面から見た並列状態説明図。
【図12】 衝撃緩和用回動部材の側面図。
【図13】 衝撃緩和用回動部材の作用状態説明図。
【図14】 運搬台車の一例を示す側面図。
【図15】 同平面図。
【図16】 運搬台車と一部の踏み板の斜視図。
【図17】 運搬台車と一部の踏み板の平面図。
【図18】 踏み板の取付部分の斜視図。
【図19】 踏み板の待機状態側面図。
【図20】 踏み板の作用状態側面図。
【符号の説明】
1…載置場、2…レール、3…育苗箱並列装置、4…走行枠体、5…前後枠、6…側部枠、7…載置移動枠、12…移動ローラー、13…鍔部、14…取付軸、15…移動横枠体、16…移動縦枠体、17…支持棒、18…ラック、19…ピニオン、20…枠移動用モータ、21…軸、22…育苗箱供給部、23…供給部フレーム、24…一方側側板、25…他方側側板、26…前側外板、27…前側内板27、28…育苗箱供給空間、29…案内傾斜部、30…取付軸、31…支持部材、33…回動アーム、34…ローラ、35…回転軸、36…カム板、38…ベベルギヤ、39…左供給用モータ、40…伝動軸、41…ベベルギヤ、42…待機部、43…ストッパー、44…ブラケット、45…軸、46…底板、47…軸受部、48…窓孔、49…案内走行ローラー、50…回転軸、51…衝撃緩和用回動部材、52…回動板、53…停止用部材、54…連結部、56…取付部、57…軸、58…係合板部、59…回動片、60…係合支持部、61…取付部、62…傾斜部、63…平坦部、64…回動部、65…軸、66…バネ、67…固定部、68…板バネ、69…運搬用台車、70…走行フレーム、71…走行車輪、72…取付部、73…取付回動フレーム、74…軸、75…補強フレーム、76…横軸、77…回動アーム、78…係合溝、79…横杆、80…踏み板、81…リンク杆金具、82…弾性当接部材、83…バネ受け、84…突起、85…バネ、86…螺子軸、87…動力源、88…コントロールボックス、89…操作パネル、90…バッテリー、91…横軸搬送ローラー。96…車輪、97…支持転輪、98…走行用モータ、99、100…歯車。
Claims (3)
- 載置場1に設けた前後方向のレール2上を前後移動可能な走行枠体4および該走行枠体4に育苗箱Aを供給する育苗箱供給部22とを有し、前記レール2の左右両側の載置場1に育苗箱Aを左右方向に並列させ、かつ、前後にも並列させて敷設するように構成した並列敷設装置3を設け、該並列敷設装置3の後方のレール2上には、前記育苗箱供給部22に補給する育苗箱Aを載置しうる台車69を設け、該台車69には前記並列敷設装置3の後側の既に敷設した育苗箱Aの上面に当接する作用位置と育苗箱Aの上面より上方に退避する退避位置の間上下する踏み板80を設けた育苗箱踏み付装置。
- 請求項1において、前記踏み板80は、前記並列敷設装置3の後方に位置する作業位置と前記台車69の両側部の夫々の待機位置との間に移動するように構成した育苗箱踏み付装置。
- 請求項1または請求項2において、前記踏み板80は、バネ85の弾力により作業者が踏むと育苗箱Aの上面に当接し、降りると育苗箱Aの上面より上方に退避するように設けた育苗箱踏み付装置。
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