JP3850634B2 - 操作器 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、ロボットの制御装置に係り、ロボットの教示作業、またはロボットのプログラムの運転作業を行う操作器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
操作器から入力される指令を記憶して勤作するロボットは、従来、表示装置に表示されるロボットの位置姿勢情報や、順序情報、作業条件を確認しながら、使用者が操作器を直接操作することでロボット動作の指令を送る。
【0003】
操作器は、動作速度および動作形態の選択や動作の指令を入力する操作キーをはじめ、デッドマンスイッチとしての安全キーなどを備えている。例えば教示作業において、使用者が、操作キーと安全キーとを同時に操作することで動作軌跡上の代表点にロボットを誘導し、その点での位置姿勢情報を教示点データとして登録する。使用者が、この作業を順次繰り返して、複数の教示点を登録することにより、ある軌跡上を動作するロボットのプログラムとなる。
【0004】
操作器は表示装置に表示される画面を切り替える操作キーを備えており、使用者が、前記操作キーを操作することで、ロボットのプログラム選択を行うための専用の画面へと遷移させて、記憶装置に登録されたプログラムの一覧から所望するプログラムを選択し決定する。
【0005】
制御装置、または操作器は、ロボットのサーボ電源の投入および遮断、ロボットのプログラムの再生および停止、またはロボットを緊急停止するための各種専用スイッチを備え、例えば、運転作業において、使用者がこれら専用スイッチを操作することでロボットの運転を行う。
【0006】
例えば、ロボットが、教示作業と運転作業それぞれに最適化された操作システムを有しているとき、制御装置、または操作器は、教示作業と運転作業とを切り換えるための専用の操作モード切替スイッチを備えており、使用者が前記操作モード切替スイツチを操作することで、ロボットの操作システムを教示作業用と運転作業用とで切り換える。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
近年、ロボットの教示作業の容易化として、対話型のマンマシンインターフェースを実現するために、大型液晶画面で形成される表示装置と、割り当てる機能を自在に変更できるファンクションキーとしての操作キーを備えた構成が操作器に採用されつつある。
【0008】
例えば、操作器は、中央に配置された表示装置の周辺に操作キーおよび専用スイッチを備えており、使用者が主として右手で操作するとき、右手親指が届かない範囲は右手の把持を解消して、左手による片手把持で手首の負担が大きい状態としながら、右手で遠い部分の操作キーや専用スイッチを操作する。例えば、操作器の把持部の大きさや形状が使用者の手の大きさにとって適当でない場合、教示作業をするとき、使用者は左手による安全キーの操作および操作器を保持することに集中するため、左手の疲労が早くなる。
【0009】
このように、操作器を片手把持する状態では、長時間の教示作業における使用者の身体的負担が大きくなる。
【0010】
したかって、この発明の目的は、使用者の使い勝手にあわせて、操作器の形状を持ちやすくすることで、使用者が操作するときの負担を極力軽減するロボットの操作器を提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するためにこの発明の請求項1記載の操作器は、操作キーと表示装置を表面に配置した操作器本体と、この操作器本体の裏面に配置した複数の把持部とを備え、前記把持部を着脱自在に係止する係止部を前記操作器本体の裏面に設けた。
【0012】
このように、把持部を着脱自在に係止する係止部を操作器本体の裏面に設けたので、使用者の手の大きさに合わせて異なる形状の把持部を取付けることができる。これにより、使用者の手の大きさや握り方に合わせて、操作器を持ちやすくすることができ、使用者が操作するときの負担を極力軽減する操作器を実現することができる。
【0013】
請求項2記載の操作器は、請求項1において、操作器本体の側面に係止部の係り止めを解除する解除スイッチを配置した。このように、操作器本体の側面に係止部の係り止めを解除する解除スイッチを配置したので、特別な工具を用いることなく、把持部の着脱を確実かつ容易に行えるという作用を有する。
【0014】
請求項3記載の操作器は、請求項1または2において、把持部が操作器本体の裏面との間に着脱可能なスペーサを有し、このスペーサが係止部に係止される。このように、把持部が操作器本体の裏面との間に着脱可能なスペーサを有し、このスペーサが係止部に係止されるので、使用者の手の大きさに合わせて異なる形状のスペーサを取付けることができる。これにより、使用者の手の大きさや握り方に合わせて、操作器を持ちやすくすることができ、使用者が操作するときの負担を極力軽減する操作器を実現することができる。
【0026】
請求項4記載の操作器は、請求項1,2または3において、把持部に安全キーを配置し、この安全キーを開閉自在に覆うカバーを設けた。このように、把持部に安全キーを配置し、この安全キーを開閉自在に覆うカバーを設けたので、使用者が操作器を片手保持しながら、把持する側の手の親指を除く4指または手のひらで自然に安全キーを操作できる。また、安全キーの非使用時にこの安全キーを覆うことで、操作器の防水性および防塵性を高める作用を有する。
【0029】
請求項5記載の操作器は、請求項1,2,3または4において、表示装置を開閉自在に覆うカバーを設けた。このように、表示装置を開閉自在に覆うカバーを設けたので、表示装置を保護する作用を有する。
【0030】
請求項6記載の操作器は、請求項5において、表示カバーとして減光部材または遮光部材を用いた。このように、表示カバーとして減光部材または遮光部材を用いたので、使用者か溶接作業をするとき、表示カバーを介して溶接の状態を目視することができ、使用者の眼を保護する作用を有する。
【0031】
請求項7記載の操作器は、請求項1,2,3,4,5または6において、撮像手段を操作器本体に設け、表示装置に前記撮像手段からの信号に基づく映像を表示する映像処理手段を設けた。
【0032】
このように、撮像手段を操作器本体に設け、表示装置に前記撮像手段からの信号に基づく映像を表示する映像処理手段を設けたので、撮像手段の可搬性を高めるとともに、閉所や暗所において教示作業をするとき、撮像手段からの信号を表示装置に映像として表示し、使用者がその映像を確認しながらロボット動作をさせることが可能となり、使用者の疲労を軽減できるという作用を有する。
【0033】
【発明の実施の形態】
この発明の第1の実施の形態を図1〜図4に基づいて説明する。図1はこの発明の第1の実施の形態の操作器の正面図、図2は図1の操作器の底面図、図3はこの発明の第1の実施の形態の操作器本体の係止部と把持部の取付構造を示す説明図である。
【0034】
図1〜図3に示すように、操作キーと表示装置を表面に配置した操作器本体101と、この操作器本体101の裏面に配置した複数の把持部201とを備え、把持部201を着脱自在に係止する係止部710を操作器本体101の裏面に設けてある。この場合、操作器の表面190の中央には表示装置110を備え、前記表面190の上部に操作モード切替スイッチ121、プログラム起動スイッチ122、プログラム停止スイッチ123、サーボ電源投入スイッチ124、サーボ電源遮断スイッチ125、および非常停止スイッチ126を配置し、前記上部以外には、多数の操作キー127から成る操作キー群A,B,Cを備えている。
【0035】
図2に示すように、操作器の裏面290の相対する側面側に少なくとも1つの把持部201を備えている。把持部201は、例えば、前記例面211より始まり面212を介して頂部213を有し、前記頂部213より面214を介して裏面290に続くように形成される。把持部201を形成する面212,214または頂部213にはデッドマンスイッチとしての安全キー210を配置する。
【0036】
安全キー210の寸法は、使用者が把持部201の長手方向でどの位置を握っても、人差し指、中指、薬指、小指、または手の平が触れるように、前記把持部20の長手方向と短手方向に十分な大きさをもち、また安全キー210が配置された面から若干隆起させ、親指以外の4指または手の平で押すことで、面の中に沈み込むように設計される。なお、安全キー210は、あらかじめ定められた動作位置に保持されている間に限り、ロボットの作動を有効にする機能を備える。さらに把持部201の近傍には、使用者が図2のように操作器201を把持するときに手の甲を押さえつけるストラップ220を取り付ける取付部230を少なくとも2つ備える。
【0037】
図3に示すように、裏面290の把持部が位置する個所に把持部201を着脱自在に係止する係止部710を設け、使用者の手の大きさにあわせて複数の把持部701,702,703が形成されるとともに、前記把持部には爪720が形成されている。ここで手の大きさは、手の甲の幅、手首から中指のつけ根までの長さ、各指の長さなどを要素として決定される。爪720は、その先端から始まる斜面部721と、前記斜面部721の最下端の頂部722から軸の側面723に続く引っ掛け部724を有する。
【0038】
へッド730は、操作器裏面290と平行方向に摺動可能で、圧縮ばね711が軸712を介してヘッド730と内板713に挟まれるように接続されることで、ばねの力で常にストッパ714を一定の力で押し付ける。また、ヘッド730は、先端から続く斜面部731を有し、爪720が孔715に挿入されるとき、前記斜面部731が爪の斜面部721と相対するように取り付けられる。
【0039】
図4(a),(b)は第1の実施の形態で操作器本体の係止部と把持部の係止構造を示す説明図である。図4(a)に示すように、使用者が、自らの手の大きさにとって適当な把持部を選んで、その把持部の爪720を、係止部の孔715に挿入するとき、ヘッドの斜面部731と爪の斜面部721とが接触することで、圧縮ばね711はさらに圧縮される方向に押さえつけられ、同方向にヘッド730は移動する。
【0040】
この状態からさらに爪720を押し込むとき、図4(b)に示すように、爪の頂部722がヘッド730の先端の頂部を乗り越えることで、圧縮ばね711の圧縮が解放されてばねの伸長する力によってヘッド730が軸の側面723をストッパ714に押さえつけて、把持部201は裏面290に固定される。
【0041】
この発明の第2の実施の形態を図5に基づいて説明する。図5はこの発明の第2の実施の形態の操作器本体の係止部を示す一部断面図である。
【0042】
図5に示すように、操作器本体の側面に係止部の係り止めを解除する解除スイッチ801を配置している。この場合、第1の実施の形態において、ヘッド730をスライド移動できる解除スイッチ801を備えている。解除スイッチ801は、使用者が操作する部分のみ溝810を介して操作器外側に突出しており、ヘッド730と操作器内側で軸802を介して接続している。溝810は、解除スイッチ801が圧縮ばね711の圧縮方向に対して平行に摺動できるよう形成される。前記溝810の長さは、図4(b)に示すヘッド730が軸の側面723を押さえつけた状態から、使用者が解除スイッチ801を操作して、ヘッド730の先端が爪の頂部722を越えて、爪720を孔715から取り出すのに十分なストロークで設計される。
【0043】
この発明の第3の実施の形態を図6に基づいて説明する。図6はこの発明の第3の実施の形態の操作器本体の係止部と把持部の取付構造を示す説明図である。
【0044】
図6に示すように、把持部201が操作器本体101の裏面との間に着脱可能なスペーサを有し、このスペーサが係止部710に係止される。この場合、第1の実施の形態と同様に、裏面290の把持部が位置する個所に把持部201を着脱自在に係止する係止部710を設け、使用者の手の大きさにあわせて複数のスペーサ901,902,903が形成されるとともに、前記スペーサに爪720が形成されている。
【0045】
使用者が、自らの手の大きさにとって適当なスペーサを介して、把持部本体201aを係止部710に取り付けることで、把持部201は裏面290に固定される。前記スペーサと把持部本体201aとは、複数のねじによって係止される。
【0046】
この発明の第4の実施の形態を図7に基づいて説明する。図7はこの発明の第4の実施の形態の操作器の側面図である。
【0047】
図7に示すように、操作器本体101の側面211に基端が固定された状態で配置した手の甲を当てるストラップ220を備え、ストラップ220の先端を着脱自在に取付ける取付部を操作器本体101の側面211または裏面に複数配置している。この場合、第1の実施の形態において、操作器の側面211に、複数のストラップ用取付部1001,1002,1003を配置している。使用者が、自らの手の大きさにとって適当な位置にストラップ220を操作器101に取付けることできる。
【0048】
この発明の第5の実施の形態を図8〜図11に基づいて説明する。図8はこの発明の第5の実施の形態の操作器の背面図である。
【0049】
図8に示すように、操作キーと表示装置を表面に配置した操作器本体101と、操作器本体101の裏面に対向配置した少なくとも一対の把持部201とを備え、一方の把持部201の端部と他方の把持部201の反対側の端部を操作器本体101に対して回転自在に軸支した。この場合、把持部201を操作器本体101に対して回転自在に軸支する軸支部1110が、把持部201の端部でかつ斜め方向に向い合う部分に配置されている。把持部201は、軸支部1110中心に回転させるとき、他方の把持部201と干渉しない大きさに設計されている。また、軸支部1110と平板1120が同軸となるように固定されている。平板1120は、複数個の凹凸が円周上に交互に並ぶような歯車形状で形成される。
【0050】
図9(a)〜(c)は第5の実施の形態で把持部の軸支構造を示す説明図である。図9(a)に示すように、平板1120の凹凸に係止可能なヘッド1130が配置されている。ヘッド1130は、平板1120の中心方向に摺動可能で、圧縮ばね1111が軸1112を介してヘッド1130と内板1113に挟まれるように接続することで、常に平板1120を一定の力で押し付ける。
【0051】
図9(b)に示すように、使用者が、把持部201を軸支部1110中心に回転するとき、軸支部1110の内部では平板1120のみが回転し、先端を曲面で形成されたヘッド1130は平板1120の凸部の斜面に沿いながら、圧縮ばね1112を圧縮する方向に移動する。
【0052】
図9(b)の状態からさらに把持部201を同方向に回転させるとき、図9(c)に示すように、ヘッド1130の先端が凸部の頂点を乗り越えて隣の凹部に移動することで、圧縮ばね1111の圧縮が解放さればねの伸長する力によってヘッド1130が平板1120に再び押しつけられ、把持部201は裏面290に適当な角度で固定される。
【0053】
図10は第5の実施の形態において操作器の把持状態を示す正面図、図11はその側面図である。図1に示すように操作器を両手把持しながら両手親指で操作器表面の操作キーを操作する把持方法と、図10および図11に示すように左腕に操作器裏面を載せ、左手は操作器裏面の把持部を下方から抱え込むように把持し、主として右手のみで操作キーを操作することで左手手首の負担を軽減する把持方法といった、操作器の把持方法を変更できるという作用を有する。
【0054】
この発明の第6の実施の形態を図12および図13に基づいて説明する。図12はこの発明の第6の実施の形態の操作器の背面図である。
【0055】
図12に示すように、操作キーと表示装置を表面に配置した操作器本体101と、この操作器本体101の裏面に配置するとともに端部を操作器本体101に対して回転自在に軸支した把持部201と、操作器本体101の側面に基端が固定された状態で配置した手の甲を当てるストラップ220とを備え、ストラップ220の先端を着脱自在に取付ける取付部1230を操作器本体101の側面に配置し、取付部1230にストラップ220の先端を取付けることにより、把持部の回転を停止させる停止機構を設けている。
【0056】
この場合、把持部201を操作器本体101に対して回転自在に軸支する軸支部1210が、把持部201の端部でかつ斜め方向に向い合う部分に配置され把持部201の軸支部1210と反対の位置にある係止部1220にストラップ用取付部1230を備え、操作器裏面290には把持部201を任意の角度で固定するときに使用する複数の凹部1240が、軸支部1210を中心に把持部201を回転させるときの係止部1220の軌跡上に配置されている。
【0057】
図13(a),(b)は図12の係止部1220をX−X面でカットしたストラップの取付構造を示す断面図である。ヘッド1250に係る軸1222は、操作器裏面に垂直な方向に摺動できるよう軸受け1223によって支持される。軸1222の両端には、ヘッド1250および受けブロック1224が取り付けられ圧縮ばね1211が軸1222を介して受けブロック1224と軸受け1223で挟まれるように接続する。また、ストラップ取付部1230には、平板で形成されるストラップの先端1231を差し込める孔1232を備える。
【0058】
図13(a)に示すように、ストラップ220を取付部1230に取り付ける場合、ストラップの先端1231を受けブロック1224と支持捧1225の間に差し込むとき、受けブロック1224はストラップの先端1231の板厚の分だけ、圧縮ばね1221を圧縮する方向に押し付けられ 同時にヘッド1250が孔1226から突出し、操作器裏面のいずれかの凹部1240に挿入されることで、把持部201は妻面290に適当な角度で固定される。
【0059】
図13(b)に示すように、ストラップの先端1231を抜き取る場合、圧縮ばね1221の圧縮が解放さればねの伸長する力によって受けブロック1224が支持棒1225に押し付けられ同時にヘッド1250は把持部201の内部に収納されることで、把持部201の裏面290への固定は解除される。
【0060】
この発明の第7の実施の形態を図14に基づいて説明する。図14はこの発明の第7の実施の形態の操作器の概略的な電気構成のブロック図である。
【0061】
第1の実施の形態と同様に操作キーと表示装置を表面に配置した操作器本体を備え、表示装置の表示方向を標準方向と標準方向に対して90度回転させた方向の2方向の何れかに切り換える切換手段を設けている。この場合、図14に示すように、中央処理装置1301は、記憶装置1302にあらかじめ設定されているプログラムを読み出して動作する。表示装置110の画面構成は、記憶装置1302より読み出した表示プログラムに基づいて中央処理装置1301により制御され、主として操作キー108の機能やロボットの動作状態が表示される。操作キー108や専用スイッチ109を操作するとき、その信号を入力として中央処理装置1301に与える。また、操作器本体101は、通信装置1303を介して、ロボットの制御装置1304や周辺装置1305と通信線で接続される。
【0062】
たとえば、使用者は操作キー108を操作することで、使用者が操作器を横型で用いるか縦型で用いるかを選択するための専用の画面へと遷移させて、操作器を横型で用いるか縦型で用いるかを決定することで、これに応答して中央処理装置1301が、横型用または縦型用の表示プログラムを記憶装置1302から読み出し、表示装置110を制御することで、画面構成を切り換える。
【0063】
この発明の第8の実施の形態を図15〜図17に基づいて説明する。図15はこの発明の第8の実施の形態の操作器の背面図である。
【0064】
図15に示すように、操作キーと表示装置を表面に配置した操作器本体101と、この操作器本体101の裏面に対向配置した少なくとも一対の把持部201とを備え、一方の把持部201の端部と他方の把持部201の反対側の端部を操作器本体101に対して回転自在に軸支した構成において、把持部201の回転位置を検出して表示装置の表示方向を標準方向と標準方向に対して90度回転させた方向の2方向の何れかに切り換える切換手段を設けている。
【0065】
この場合、第5,7の実施の形態で、操作器の裏面290に把持部201の回転を検出する。専用スイッチとしての表示切替スイッチ1410を、把持部201が標準時の方向または標準時に対して90度回転させた方向に固定される状態を検出できる位置に配置する。
【0066】
把持部201を標準時の方向または標準時に対して90度回転させた方向の2方向の何れかに切り換える場合、表示切替スイッチ1410が押され中央処理装置1301に信号が入力され、これに応答して中央処理装置1301が、横型用または縦型用の表示プログラムを記憶装置1302から読み出し、表示装置110を制御することで、画面構成を切り換える。
【0067】
図16は第8の実施の形態において操作器の把持状態を示す正面図、図17はその底面図である。表示装置の周辺に操作キーおよび専用スイッチを配置する場合、教示作業のように主として操作キーを操作するときは、図1に示すように操作器を両手把持しながら両手親指で操作キーAまたはBを操作する把持方法とり、運転作業のように主として専用スイッチを操作するときは、図16および図17に示すように操作器を両手把持しながら左右いずれかの手の親指で専用スイッチCを操作する把持方法とるといった、作業内容に応じて操作器の把持方法を変更できるという作用を有する。
【0068】
この発明の第9の実施の形態について説明する。この実施の形態では、図1または図5に示すように操作器本体101から出力される信号を伝達するケーブル130を有し、操作器本体101を回転させる前後でケーブル130の向きが使用者側に配置するように取付け、ケーブル130の向きに対応して表示装置の表示方向を標準方向と標準方向に対して90度回転させた方向の2方向の何れかに切り換える切換手段を設けている。
【0069】
この場合、第5,7の実施の形態で、箱体を回転させる前(図1の状態)であっても箱体を回転させた状態(図5の状態)であっても、前記ケーブル130が使用者側に配置するようにケーブル130を配置し、これに対応して表示装置110の表示方向を90度回転させた画面表示を行う表示プログラムを記憶装置1302に設定する。
【0070】
この発明の第10の実施の形態を図18に基づいて説明する。図18はこの発明の第10の実施の形態の操作器の底面図である。
【0071】
図18に示すように、把持部201に安全キー210を配置し、この安全キー210を開閉自在に覆うカバー1510を設け、安全キー210の非使用時に安全キー210を覆う。
【0072】
カバー1510は、安全キー210を覆うのに十分な大きさをもち、かつカバー閉時に安全キー210が押されないよう設計されており、把持部201と操作器裏面290が接する面の中央側にカバー開閉を自在にする軸支部1501,および係止するため鍵状の爪1511,1512を備える。また、カバー1510を係止するために、把持部201および操作器裏面290に、カバーの爪1511,1512が挿入できる穴1521,1522を配置する。
【0073】
さらに防水性および防塵性を高めるために、カバー1510と把持部201との間にはゴムパッキン1530を備える。
【0074】
安全キー210が非使用のとき、カバー閉の状態にするため、カバーの爪1511を把持部の孔1521に挿入し、カバー1510を把持部側に固定する。安全キー210を使用するとき、カバー開の状態にするため、カバーの爪1512を操作器裏面の孔1522に挿入し、カバー1510を操作器裏面290に固定する。
【0075】
この発明の第11の実施の形態を図19に基づいて説明する。図19はこの発明の第19の実施の形態の操作器の背面図である。
【0076】
図19に示すように、操作キーと表示装置を表面に配置した操作器本体101と、この操作器本体101の裏面に配置するとともに端部を操作器本体101に対して回転自在に軸支した把持部201とを備え、把持部201に安全キー210を配置し、把持部201の回転位置を検出して表示装置の表示方向を標準方向と標準方向に対して90度回転させた方向の2方向の何れかに切り換える切換手段を設け、切換手段が標準方向に対して90度回転させた方向に表示装置の方向を切り換えたときに安全キー210を覆うカバー1610を設けている。
【0077】
この場合、第5,7の実施の形態で、操作器の裏側209に安全キー210を覆うカバー1610を備えた状態を示す。カバー1610は、把持部201を標準時に対して90度回転させるとき、把持部201の安全キー210を覆うのに十分な大きさをもち、かつカバー閉時に安全キー210が押されないよう設計される。
【0078】
この発明の第12の実施の形態を図20および図21に基づいて説明する。図20はこの発明の第12の実施の形態の操作器の正面図、図21は第12の実施の形態の操作器の使用状態説明図である。
【0079】
図20に示すように前記実施の形態において、操作器の表面190に表示装置110を備え、表示装置110を開閉自在に覆う表示カバー1710が配置されている。
【0080】
図21に示すように、表示カバー1710は、表示装置110を覆うのに十分な大きさをもち、操作器101の上面側に表示カバー開閉を自在にする2つの軸支部1801,1802および係止するための鍵状の爪1811,1812を備える。また、前記軸支部1801,1802は樹脂製で、軸および軸受のはめあいにより、使用者が操作することなしに表示カバー1710が開閉しないようにする。また、表示カバー1710を係止するために、操作器の表面190および裏面290に、表示カバーの爪1811,1812が挿入できる孔1821,1822を配置する。さらに軸支部1802には、回転量を180度の範囲に制限するストッパ1830を備える。
【0081】
表示装置110の画面表示が非使用のとき、表示カバー閉の状態にするため、表示カバーの爪1811を操作器の表面の孔1821に挿入し係止することにより、表示カバー1710を操作器本体101に固定する。
【0082】
表示装置110の画面表示を使用するとき、表示カバー閉の状態から開の状態にするため、軸支部1801を中心に180度反転させると同時に、軸支部1802を中心に180度反転させることで、表示カバー1710は操作器の裏面290に移動し、表示カバーの爪1812を、前記裏面の孔1822に挿入し係止することで、表示カバー1710を操作器本体101に固定する。
【0083】
この発明の第13の実施の形態について説明する。前記第12の実施の形態と同様の構成であるが、表示カバー1710として減光部材または遮光部材を用いた。この場合、図18のDに示すように、軸支部1802に係る表示カバー1710のみ180度回転させてストッパ1830の位置で固定した状態で、使用者が溶接作業するとき、図18の1840のように、表示カバー1710を介して溶接の状態を目視することで表示カバー1710が遮光マスクの代替となる。
【0084】
この発明の第14の実施の形態を図22に基づいて説明する。図22はこの発明の第14の実施の形態の操作器の正面図である。
【0085】
図22に示すように前記実施の形態において、撮像手段1910を操作器本体101に設け、表示装置110に撮像手段1910からの信号に基づく映像を表示する映像処理手段を設けている。この場合、操作器本体101の上面に撮像装置1910および投光装置1920を備えた状態で、撮像装置1910で撮影した映像が表示装置110に表示される。
【0086】
また、この操作器の概略的な電気構成は図14と同様である。すなわち、図14に示すように、周辺装置1305としての撮像装置1910は、レンズを通して入力された映像を、内蔵のCCDセンサで信号化し、その信号を通信線1930を介して操作器の通信装置1303に与える。中央処理装置1301は、入力された信号を映像化する表示プログラムを記憶装置1302から読み出し、表示装置110を制御することで、表示装置110の画面に撮像を表示する。また、撮像装置1910は通信線1930の長さの範囲内で、操作器本体101と分離して可搬および撮影ができる。投光装置1920は、撮影する対象を正確に投光するように撮像装置1910と平行して配置する。
【0087】
【発明の効果】
この発明の請求項1記載の操作器は、把持部を着脱自在に係止する係止部を操作器本体の裏面に設けたので、使用者の手の大きさに合わせて異なる形状の把持部を取付けることができる。これにより、使用者の手の大きさや握り方に合わせて、操作器を持ちやすくすることができ、使用者が操作するときの負担を極力軽減する操作器を実現することができる。
【0088】
請求項2では、操作器本体の側面に係止部の係り止めを解除する解除スイッチを配置したので、特別な工具を用いることなく、把持部の着脱を確実かつ容易に行えるという効果を有する。
【0089】
請求項3では、把持部が操作器本体の裏面との間に着脱可能なスペーサを有し、このスペーサが係止部に係止されるので、使用者の手の大きさに合わせて異なる形状のスペーサを取付けることができる。これにより、使用者の手の大きさや握り方に合わせて、操作器を持ちやすくすることができ、使用者が操作するときの負担を極力軽減する操作器を実現することができる。
【0090】
この発明の請求項4記載の操作器によれば、操作器本体の側面に基端が固定された状態で配置した手の甲を当てるストラップを備え、ストラップの先端を着脱自在に取付ける取付部を前記操作器本体の側面または裏面に複数配置したので、使用者が把持する側の親指で操作キーを押すのに十分な動作範囲を得るとともに、操作器の片手把持を助けるのに適当なストラップの締め付け力を得られるようにストラップの取付位置を調整できるという効果を有する。
【0091】
この発明の請求項5記載の操作器のよれば、操作器本体の裏面に対向配置した少なくとも一対の把持部を備え、一方の把持部の端部と他方の把持部の反対側の端部を操作器本体に対して回転自在に軸支したので、把持部を対向配置した標準状態に対して90度まで回転させた方向に切り替えることを可能とする。すなわち、操作器を両手把持しながら両手親指で操作器表面の操作キーを操作する把持方法と、左腕に操作器裏面を載せ、左手は操作器裏面の把持部を下方から抱え込むように把持し、主として右手のみで操作キーを操作することで左手手首の負担を軽減する把持方法といった、操作器の把持方法を変更できるという効果を有する。
【0092】
この発明の請求項6記載の操作器によれば、ストラップの先端を着脱自在に取付ける取付部を操作器本体の側面に配置し、取付部にストラップの先端を取付けることにより、把持部の回転を停止させる停止機構を設けたので、標準状態に対する把持部の回転量の調整を確実かつ容易に行えるという効果を有する。
【0093】
この発明の請求項7記載の操作器によれば、操作キーと表示装置を表面に配置した操作器本体を備え、表示装置の表示方向を標準方向と標準方向に対して90度回転させた方向の2方向の何れかに切り換える切換手段を設けたので、例えば、表示装置にワイド型液晶画面を使用するとき、横長と縦長の2つの画面表示を使用者の使い勝手に応じて自由に選択できるという効果を有する。
【0094】
請求項8では、把持部の回転位置を検出して表示装置の表示方向を標準方向と標準方向に対して90度回転させた方向の2方向の何れかに切り換える切換手段を設けたので、作業内容に応じて操作器の把持方法と表示装置の表示方向を変更できるという効果を有する。
【0095】
例えば表示装置の周辺に操作キーおよび専用スイッチを配置する場合、教示作業のように主として操作キーを操作するときは、操作器を両手把持しながら両手親指で操作キーを操作する把持方法とり、運転作業のように主として専用スイッチを操作するときは、操作器を両手把持しながら左右いずれかの手の親指で専用スイッチを操作する把持方法とるといった、作業内容に応じて操作器の把持方法を変更できる。
【0096】
請求項9では、操作器本体を回転させる前後でケーブルの向きが使用者側に配置するように取付け、ケーブルの向きに対応して表示装置の表示方向を標準方向と標準方向に対して90度回転させた方向の2方向の何れかに切り換える切換手段を設けたので、使用者が表示画面を見やすいように操作器を保持するときケーブルの重みで操作器は手前下向きに自然に倒れ手首の負担を軽減できる。また、使用者が操作器を移動させるときに、操作器に係るケーブルはロボットなどの周辺機器と干渉しないという効果を有する。
【0097】
請求項10では、把持部に安全キーを配置し、この安全キーを開閉自在に覆うカバーを設けたので、使用者が操作器を片手保持しながら、把持する側の手の親指を除く4指または手のひらで自然に安全キーを操作できる。また、安全キーの非使用時にこの安全キーを覆うことで、操作器の防水性および防塵性を高める効果を有する。
【0098】
この発明の請求項11記載の操作器によれば、切換手段が標準方向に対して90度回転させた方向に表示装置の方向を切り換えたときに安全キーを覆うカバーを設けたので、安全キーが非使用となるとき、把持部を90度回転させることで、カバーが安全キーを覆う動作を確実かつ容易に行えるという効果を有する。
【0099】
請求項12では、表示装置を開閉自在に覆うカバーを設けたので、表示装置を保護する効果を有する。
【0100】
請求項13では、表示カバーとして減光部材または遮光部材を用いたので、使用者か溶接作業をするとき、表示カバーを介して溶接の状態を目視することができ、使用者の眼を保護する効果を有する。
【0101】
請求項14では、撮像手段を操作器本体に設け、表示装置に前記撮像手段からの信号に基づく映像を表示する映像処理手段を設けたので、撮像手段の可搬性を高めるとともに、閉所や暗所において教示作業をするとき、撮像手段からの信号を表示装置に映像として表示し、使用者がその映像を確認しながらロボット動作をさせることが可能となり、使用者の疲労を軽減できるという効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1の実施の形態の操作器の正面図である。
【図2】図1の操作器の底面図である。
【図3】この発明の第1の実施の形態の操作器本体の係止部と把持部の取付構造を示す説明図である。
【図4】(a),(b)は第1の実施の形態で操作器本体の係止部と把持部の係止構造を示す説明図である。
【図5】この発明の第2の実施の形態の操作器本体の係止部を示す一部断面図である。
【図6】この発明の第3の実施の形態の操作器本体の係止部と把持部の取付構造を示す説明図である。
【図7】この発明の第4の実施の形態の操作器の側面図である。
【図8】この発明の第5の実施の形態の操作器の背面図である。
【図9】(a)〜(c)は第5の実施の形態で把持部の軸支構造を示す説明図である。
【図10】第5の実施の形態において操作器の把持状態を示す正面図である。
【図11】図10の側面図である。
【図12】この発明の第6の実施の形態の操作器の背面図である。
【図13】(a),(b)は図12の係止部1220をX−X面でカットしたストラップの取付構造を示す断面図である。
【図14】この発明の第7の実施の形態の操作器の概略的な電気構成のブロック図である。
【図15】この発明の第8の実施の形態の操作器の背面図である。
【図16】第8の実施の形態において操作器の把持状態を示す正面図である。
【図17】図16の底面図である。
【図18】この発明の第10の実施の形態の操作器の底面図である。
【図19】この発明の第19の実施の形態の操作器の背面図である。
【図20】この発明の第12の実施の形態の操作器の正面図である。
【図21】第12の実施の形態の操作器の使用状態説明図である。
【図22】この発明の第14の実施の形態の操作器の正面図である。
【符号の説明】
101 操作器本体
110 表示装置
121 操作モード切替スイッチ
122 プログラム起動スイッチ
123 プログラム停止スイッチ
124 サーボ電源投入スイッチ
125 サーボ電源遮断スイッチ
126 非常停止スイッチ
127 操作キー
130 ケーブル
190 操作器表面
201 把持部
211 操作器側面
212 把持部の面
213 把持部の頂部
214 把持部の面
210 安全キー
220 ストラップ
230 取付部
290 操作器裏面
701 把持部(小)
702 把持部(中)
703 把持部(大)
710 係止部
711 圧縮ばね
712 軸
713 揉作器内板
714 ストッパ
715 孔
720 爪
721 爪の斜面部
722 爪の頂部
723 軸の側面
724 爪の引っ掛け部
730 ヘッド
731 ヘッドの斜面部
801 解除スイッチ
802 軸
810 溝
901 スペーサ(小)
902 スペーサ(中)
903 スペーサ(大)
1001 取付部A
l002 取付部B
l003 取付部C
l0l0 操作器側面
1110 軸支部
1111 圧縮ばね
1112 軸
1113 把持部内板
1120 平板
1130 ヘッド
1210 軸支部
1220 係止部
1221 圧縮ばね
1222 軸
1223 軸受け
1224 受けブロック
1225 支持捧
1226 孔
1230 取付部
1231 ストラップの先端
1232 取付部の孔
1240 凹部
1250 ヘッド
1301 中央処理装置
1302 記憶装置
1303 通信装置
1304 ロボット制御装置
1305 周辺装置
1410 表示切替スイッチ
1501 軸支部
1510 カバー
1511 カバー閉時に使用する爪
1512 カバー開時に使用する爪
1521 カバー閉時に使用する孔
1522 カバー開時に使用する孔
1530 ゴムパッキン
1610 カバー
1710 表示カバー
1801 軸支部A
1802 軸支部B
1811 表示カバー閉時に使用する爪 1812 表示カバー開時に使用する爪
1821 表示カバー閉時に使用する孔
1822 表示カバー開時に使用する孔
1830 ストッパ
1840 使用者の目視方向
1910 撮像装置
1920 投光装置
1930 通信線
A,B,C 操作キー群
D 表示カバーを回転させるときの姿勢の例
Claims (7)
- 操作キーと表示装置を表面に配置した操作器本体と、この操作器本体の裏面に配置した複数の把持部とを備え、前記把持部を着脱自在に係止する係止部を前記操作器本体の裏面に設けたことを特徴とする操作器。
- 操作器本体の側面に係止部の係り止めを解除する解除スイッチを配置した請求項1記載の操作器。
- 把持部が操作器本体の裏面との間に着脱可能なスペーサを有し、このスペーサが係止部に係止される請求項1または2記載の操作器。
- 把持部に安全キーを配置し、この安全キーを開閉自在に覆うカバーを設けた請求項1,2または3記載の操作器。
- 表示装置を開閉自在に覆うカバーを設けた請求項1,2,3または4記載の操作器。
- 表示カバーとして減光部材または遮光部材を用いた請求項5記載の操作器。
- 撮像手段を操作器本体に設け、表示装置に前記撮像手段からの信号に基づく映像を表示する映像処理手段を設けた請求項1,2,3,4,5または6記載の操作器。
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