JP3850302B2 - ラベルプリンタのカッタユニット - Google Patents

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
この発明は、清掃の容易なラベルプリンタのカッタユニットに関するものである。
【０００２】
【従来の技術】
従来のラベルに印字を行うラベルプリンタ装置としては、図５及び図６に記載されているようなものが知られている。
【０００３】
このようなラベルプリンタ装置１では、長尺帯状の台紙２に、ほぼ同一形状のラベル３を仮着した印字媒体としてのラベル連続体４が、ラベル供給軸５に装着されると共に、このラベル連続体４は、プラテンローラ６等の搬送手段によって搬送されるように構成されている。
このラベルプリンタ装置１には、印字部としてのラベル連続体４に仮着された個々のラベル３，３に印字を行うサーマルヘッド７が設けられている。
【０００４】
そして、このサーマルヘッド７の下流側には、所定間隔をおいてこのラベル連続体４を切断することにより、印字されたラベル３，３を個別に切り離し可能なカッタ機構としてのカッタユニット８が、着脱可能に設けられている。
このカッタユニット８は、前記ラベル連続体４の送り方向と略直角に固定された固定刃９に対して、このラベル連続体４を挟んで反対側に位置する可動刃１０が、この可動刃１０をカッタフレーム部材１１に沿わせて上下方向に往復動させることによって、前記ラベル３，３を個別に切り離し可能としている。
そして、これらのラベルの搬送、印字、切断の制御は、このラベルプリンタ装置内に設けられた制御部によって行われるように構成されている。
このように構成された従来のラベルプリンタ装置１では、前記サーマルヘッド７によって前記ラベル３の印字領域に文字、図形等が印字される共に、出口部１２近傍で、前記カッタユニット８の固定刃９に前記可動刃１０を交差させることによって定型の大きさに切断されて、この出口部１２から送出される。
なお、他のこの種のものとしては、特開平１１−８９２号公報等に記載されているラベルプリンタのカッターユニット等が知られている。
【０００５】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような従来のラベルプリンタ装置１では、図６に示すようにラベル３の裏面側に塗布された糊１３ａ，１３ｂが、可動刃１０の前記固定刃摺接面１０ａ側に付着したり、この固定刃摺接面１０ａ側に位置するカッタフレーム部材１１の対向面に付着する。
特に、台紙を有せず糊の層がむき出し状態とされる、いわゆる「台紙無しラベル」では、特に顕著に糊が付着することが知られている。
このため、このカッタユニット８を前記ラベルプリンタ装置１から取り外す等、定期的に分解して清掃を行うことにより、台紙２詰まりや切断不良の発生を抑制しなければならなかった。
そこで、本発明の目的は、上記の問題点を解消し、容易に清掃作業を行えて、メンテナンス性が良好なラベルプリンタのカッタユニットを提供することにある。
【０００６】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために請求項１に記載された発明では、印字媒体を所定の長さに切断するカッタ機構を有するラベルプリンタのカッタユニットにおいて、前記カッタ機構は、前記印字媒体の送り方向と略直角に固定された固定刃と、該固定刃に対して、前記印字媒体を挟んで反対側に位置し、カッタフレーム部材に沿わせて往復動可能に設け、刃先が谷型に形成された可動刃と、を有し、前記可動刃の前記固定刃摺接面側に位置する前記カッタフレーム部材には、固定刃側の辺の略中央部を一部凹状に切り欠いた清掃用の切欠部が形成されていることを特徴としている。
このように構成された請求項１記載のものでは、カッタフレーム部材に清掃用の切欠部が、固定刃側の辺の略中央部を一部凹状に切り欠いて形成されているので、刃先が谷型に形成された可動刃の前記固定刃摺接面側に付着した糊は、前記カッタフレーム側に移動しない。
このため、清掃は、該切欠部を介して、前記可動刃の前記固定刃摺接面側のみに対して行えば良い。
しかも、該切欠部から前記可動刃の前記固定刃摺接面側が露出しているので、容易に清掃用具が、該固定刃摺接面に届き、分解等の工数を減少させることが出来る。
従って、容易に清掃作業を行えて、メンテナンス性が良好なラベルプリンタのカッタユニットが提供される。
【０００７】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の具体的な実施の形態について、図示例と共に説明する。
図１乃至図４は、この発明の実施の形態のラベルプリンタのカッタユニットを示すものである。なお、前記従来と同一乃至均等な部分については同一符号を付して説明する。
【０００８】
まず、全体の構成を説明すると、この実施の形態のラベルプリンタ装置１４のカッタユニット１５は、筐体１４ａの出口部１２近傍外側面に着脱可能に装着されて、サーマルヘッド（図示せず）で印字されたラベル連続体４を出口部１２近傍で、所定の長さに切断するカッタ機構１６を有している。
【０００９】
このカッタ機構１６には、前記ラベル連続体４の送り方向と略直角となるように上フレーム部材１７に固定された固定刃１８が、プラテンローラ６で送出されたこのラベル連続体４の上方に設けられている。
【００１０】
また、この固定刃１８に対して、前記ラベル連続体４を挟んで反対側の下方には、可動刃２１が、カッタフレーム部材１９，２０にガイドされて、上下方向に沿って移動可能に設けられている。
【００１１】
この可動刃２１は、前記筐体１４ａに設けられた駆動モータ２２の回転軸２２ａに対して、ピニオンギヤ２３ａ、このピニオンギヤ２３ａに噛み合わせられた第１減速ギヤ２３ｂ及びこの第１減速ギヤ２３ｂによって回転する回転カム部材２４の固定ピン２４ａを介して、側面に水平方向に延設された長孔形状のカム溝２１ａで受けることにより連結されている。
【００１２】
そして、この可動刃２１は、前記回転軸２２ａの回転駆動が、これらの回転カム部材２４及びカム溝２１ａによって上下方向の往復運動に変換されることにより、側面視で谷型に形成された刃先部２１ｂが、前記固定刃１８と交差するように構成されている。
また、この可動刃２１は、図示省略の板バネ部材によって、前記可動刃２１の固定刃摺接面２１ｃ側に位置する前記カッタフレーム部材２０方向に付勢されて、前記固定刃１８との噛み合わせが一定となるように保持されている。
そして、このカッタフレーム部材２０には、上辺２０ａの略中央部を一部、凹状に切り欠いた清掃用の切欠部２０ｂが形成されている。
【００１３】
次に、この実施の形態のラベルプリンタのカッタユニットの作用について説明する。
この実施の形態では、前記サーマルヘッドによって印字されたラベル連続体４が、搬送手段によって、切断位置まで搬送されると、前記駆動モータ２２の回転軸２２ａが、回転して、前記ピニオンギヤ２３ａに噛み合わせられた第１減速ギヤ２３ｂを回転させる。
この第１減速ギヤ２３ｂによって、回転軸２２ａの回転は減速されて、前記回転カム部材２４に伝達され、前記固定ピン２４ａを回転させる。
このため、この固定ピン２４ａを挿通するカム溝２１ａは、回転と共に上下動して、前記可動刃２１を、上下方向に往復運動させる。
従って、前記刃先部２１ｂが、前記固定刃１８と交差して、挾まれた前記ラベル連続体４が、切断される。
【００１４】
この際、この可動刃２１の刃先部２１ｂ、特に固定刃摺接面２１ｃには、ラベル連続体４の裏面側に塗布された糊１３ａが付着するが、清掃用の切欠部２０ｂが、上辺２０ａを一部凹状に切り欠いて形成されているので、前記可動刃２１の前記固定刃摺接面２１ｃ側に付着した糊は、前記カッタフレーム部材２０側に移動しない。
【００１５】
このため、清掃は、図４に示すように、この切欠部２０ｂを介して、前記可動刃２１の前記固定刃摺接面２１ｃ側のみに対して、清掃用具としての綿棒２５等を用いて行えば良い。
しかも、この切欠部２０ｂから前記可動刃２１の前記固定刃摺接面２１ｃ側が露出しているので、容易に綿棒が、前記固定刃摺接面２１ｃに届き、分解等の工数を減少させることが出来る。
従って、容易に清掃作業を行えて、メンテナンス性が良好なラベルプリンタのカッタユニットを提供することが出来る。
【００１６】
【発明の効果】
上述してきた様に、この発明の請求項１に記載されたものでは、カッタフレーム部材に清掃用の切欠部が、固定刃側の辺の略中央部を一部凹状に切り欠いて形成されているので、刃先が谷型に形成された可動刃の前記固定刃摺接面側に付着した糊は、前記カッタフレーム側に移動しない。
このため、清掃は、該切欠部を介して、前記可動刃の前記固定刃摺接面側のみに対して行えば良い。
しかも、該切欠部から前記可動刃の前記固定刃摺接面側が露出しているので、容易に清掃用具が、該固定刃摺接面に届き、分解等の工数を減少させることが出来る。
従って、容易に清掃作業を行えて、メンテナンス性が良好なラベルプリンタのカッタユニットが提供される、という実用上有益な効果を発揮できる。
【図面の簡単な説明】
【図１】 本発明の実施の形態のラベルプリンタのカッタユニットを示し、カッタユニットを筐体内から見た構成を示す説明図である。
【図２】 実施の形態のラベルプリンタのカッタユニットで、要部の構成を説明する図１中Ａ−Ａ線に沿った位置での断面図である。
【図３】 実施の形態のラベルプリンタのカッタユニットの側面図である。
【図４】 実施の形態のラベルプリンタのカッタユニットで、清掃用具を用いて清掃する様子を説明する分解斜視図である。
【図５】 ラベルプリンタ装置にカッタユニットが設けられた全体の構成を説明する模式図である。
【図６】 従来のラベルプリンタ装置に用いられるカッタユニットの説明図である。
【符号の説明】
４ ラベル連続体（印字媒体）
１４ ラベルプリンタ装置
１５ カッタユニット
１６ カッタ機構
１８ 固定刃
２０ カッタフレーム部材
２０ａ 上辺
２０ｂ 切欠部
２１ 可動刃
２１ｃ 固定刃摺接面

Claims (1)

1. 印字媒体を所定の長さに切断するカッタ機構を有するラベルプリンタのカッタユニットにおいて、
   前記カッタ機構は、前記印字媒体の送り方向と略直角に固定された固定刃と、該固定刃に対して、前記印字媒体を挟んで反対側に位置し、カッタフレーム部材に沿わせて往復動可能に設け、刃先が谷型に形成された可動刃と、を有し、前記可動刃の前記固定刃摺接面側に位置する前記カッタフレーム部材には、固定刃側の辺の略中央部を一部凹状に切り欠いた清掃用の切欠部が形成されていることを特徴とするラベルプリンタのカッタユニット。

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