JP3850022B2 - トルク伝達構造 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、トルク伝達構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図3は一般的なエンジンの正面図を示すもので、このエンジン1の前面には、クランクシャフト2により回転駆動するプーリ3が装備されており、該クランクシャフト2のプーリ3と冷却ファン(図示せず)のプーリ4とがベルト5により連動するようになっている。
【0003】
また、ここに図示している例では、冷却ファンのプーリ4の反エンジン1側に、更なる別のプーリ6が同軸で駆動し得るように装着されており、このプーリ6とエンジン1に付帯させたオルタネータ7のプーリ8とが別のベルト9により連動するようになっている。
【0004】
即ち、クランクシャフト2のトルクが二つのベルト5,9により振り分けられて、冷却ファンの回転駆動とオルタネータ7の発電に利用されるようになっているのであるが、このようにトルクを分配して伝達する機構は、標準装備品のプーリ4(標準装備プーリ)に対しオプションでプーリ6(追加プーリ)を追加装着することで対応しているのが通常である。
【0005】
なぜなら、クランクシャフト2のトルクで駆動しなければならない補器が、図3のようにオルタネータ7一つだけであれば、一本のベルトを三角形状に掛け回して対処することも不可能ではないが、近年における自動車では、ユーザーの要望によりオプションで二つ以上の補器が付帯装備されるケースが増えてきているので、このようなオプション設定でベルトを二本使用せざるを得なくなった場合でも、適宜にプーリを追加装着するだけで簡単に対応できれば、一本ベルト用と二本ベルト用の二種類のプーリを個別に製作するよりもコストを低く抑えられるからである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来においては、図4に示す如き標準装備のプーリ4の反エンジン1側に、図5に示す如きプーリ6をオプションで追加装着するようにしていたので、図6及び図7に拡大して示す如く、プーリ4,6の相互間で鍔部4a,6aが二つ連続して並ぶことになり、これにより両プーリ4,6のベルト巻掛け部分の軸心方向長さL1が長くなるという不具合があり、冷却ファンとエンジン1との間の距離によっては、プーリ6の追加装着が不可能となってしまうことがあった。
【0007】
ここで、冷却ファンとエンジン1との間の距離を拡張することは、エンジン1の前後寸法が長くなることを意味しており、エンジン1に付帯装備される補器が増えることによるエンジン搭載性の悪化を更に助長する結果を招いてしまうので、冷却ファンとエンジン1との間の距離は簡単に拡張できないという事情がある。
【0008】
尚、各プーリ4,6の夫々の軸心方向両端に形成されている鍔部4a,6aは、ベルト5,9を装着する際に、該ベルト5,9の歯がプーリ4,6の溝に対し適切に噛み合うようベルト5,9の幅端部をガイドするためのものであり、一般的には、プーリ4,6の溝側に向けて徐々に縮径するガイド用テーパ面4b,6bが形成されている(図6及び図7参照)。
【0009】
本発明は上述の実情に鑑みてなしたもので、標準装備プーリと追加プーリとが成すベルト巻掛け部分の軸心方向長さの短縮化を図り、従来では不可能であったような比較的狭い配置スペースに対しても追加プーリの装着を実現し得るようにすることを目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は、クランクシャフトから伝達されたトルクにより駆動される標準装備プーリの反エンジン側に追加プーリを同軸で駆動し得るよう装着し、これら標準装備プーリ及び追加プーリの夫々に対しベルトを個別に掛け回してトルクを振り分けるようにしたトルク伝達構造において、追加プーリのエンジン側の鍔部を省略し、標準装備プーリの反エンジン側の鍔部を追加プーリのエンジン側の鍔部として兼用すると共に、標準装備プーリの反エンジン側の鍔部に、追加プーリのエンジン側の端部に向け徐々に縮径するガイド用テーパ面を形成したことを特徴とするものである。
【0011】
而して、このようにすれば、追加プーリのエンジン側の鍔部を省略したことにより、標準装備プーリと追加プーリとが成すベルト巻掛け部分の軸心方向長さが短縮される結果、従来では不可能であったような比較的狭い配置スペースに対しても追加プーリの装着を実現することが可能となる。
【0012】
更に、追加プーリのエンジン側の鍔部を加工しなくて済むことにより、加工費が削減されて追加プーリの製作コストが下がり、しかも、追加プーリの容積が小さくなることにより、該追加プーリの軽量化を図ることも可能となる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下本発明の実施の形態を図面を参照しつつ説明する。
【0015】
図1及び図2は本発明を実施する形態の一例を示すもので、図3〜図7と同一の符号を付した部分は同一物を表わしている。
【0016】
図1及び図2に示す如く、本形態例においては、前述した図3〜図7と略同様に構成したトルク伝達構造に関し、標準装備品である冷却ファンのプーリ4(標準装備プーリ)に対しオプションで追加装着されるプーリ6(追加プーリ)のエンジン1側(図1及び図2中における右側;エンジン1は図3参照)の鍔部を省略し、プーリ4の反エンジン1側(図1及び図2中における左側)の鍔部4aをプーリ6のエンジン1側の鍔部として兼用した構造を採用している。
【0017】
ここで、プーリ4の反エンジン1側の鍔部4aをプーリ6のエンジン1側の鍔部として兼用するにあたっては、プーリ4の反エンジン1側の鍔部4aに、プーリ6のエンジン1側の端部に向け徐々に縮径するガイド用テーパ面4cを新たに形成する。
【0018】
而して、このようにすれば、プーリ6のエンジン1側の鍔部を省略したことにより、プーリ4とプーリ6とが成すベルト巻掛け部分の軸心方向長さL2が、従来のベルト巻掛け部分の軸心方向長さL1と比較して鍔部の幅寸法分だけ短縮される結果、従来では不可能であったような比較的狭い配置スペースに対してもプーリ6の追加装着を実現することが可能となる。
【0019】
また、プーリ6のエンジン1側の鍔部を加工しなくて済むことにより、加工費が削減されてプーリ6の製作コストが下がり、しかも、プーリ6の容積が小さくなることにより、該プーリ6の軽量化を図ることも可能となる。
【0020】
尚、本発明のトルク伝達構造は、上述の形態例にのみ限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
【0021】
【発明の効果】
上記した本発明のトルク伝達構造によれば、下記の如き種々の優れた効果を奏し得る。
【0022】
(I)標準装備プーリと追加プーリとが成すベルト巻掛け部分の軸心方向長さの短縮化を図ることができるので、従来では不可能であったような比較的狭い配置スペースに対しても追加プーリの装着を実現することができる。
【0023】
(II)追加プーリのエンジン側の鍔部を加工しなくて済むことにより、加工費を削減して追加プーリの製作コストを著しく削減することができ、しかも、追加プーリの容積が小さくなることにより、該追加プーリの軽量化を図ることもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を実施する形態の一例を示す要部拡大図である。
【図2】図1の各プーリのベルト巻掛け部分についての縦断面図である。
【図3】従来例を示す正面図である。
【図4】図3の冷却ファンのプーリの縦断面図である。
【図5】図3のオルタネータのプーリの縦断面図である。
【図6】図4及び図5の各プーリのベルト巻掛け部分の詳細を示す要部拡大図である。
【図7】図6の各プーリのベルト巻掛け部分についての縦断面図である。
【符号の説明】
1 エンジン
2 クランクシャフト
4 プーリ(標準装備プーリ)
4a 鍔部
4c ガイド用テーパ面
5 ベルト
6 プーリ(追加プーリ)
6a 鍔部
9 ベルト
Claims (1)
- クランクシャフトから伝達されたトルクにより駆動される標準装備プーリの反エンジン側に追加プーリを同軸で駆動し得るよう装着し、これら標準装備プーリ及び追加プーリの夫々に対しベルトを個別に掛け回してトルクを振り分けるようにしたトルク伝達構造において、追加プーリのエンジン側の鍔部を省略し、標準装備プーリの反エンジン側の鍔部を追加プーリのエンジン側の鍔部として兼用すると共に、標準装備プーリの反エンジン側の鍔部に、追加プーリのエンジン側の端部に向け徐々に縮径するガイド用テーパ面を形成したことを特徴とするトルク伝達構造。
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JP2002046718A JP3850022B2 (ja) | 2002-02-22 | 2002-02-22 | トルク伝達構造 |
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JP2002046718A JP3850022B2 (ja) | 2002-02-22 | 2002-02-22 | トルク伝達構造 |
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JP2003247627A JP2003247627A (ja) | 2003-09-05 |
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- 2002-02-22 JP JP2002046718A patent/JP3850022B2/ja not_active Expired - Fee Related
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