JP3849936B2 - 平面研削方法及び装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体シリコンウエーハやガリウム砒素、ガリウム燐、インジウム燐等の化合物半導体ウエーハ表面を平面研削するための方法および装置に関する。
【0002】
【関連技術】
近年のエレクトロニクス技術のめざましい発展により、多くの電子機器にさまざまな半導体装置が使用されるようになってきた。半導体装置はシリコン等の半導体材料を円柱状に単結晶化させ、これをウエーハと呼ばれる薄い円盤状にスライスしたものをベースとして製造される。例えばシリコンウエーハの製造方法は、一般にチョクラルスキー(Czochralski;CZ)法や浮遊帯域溶融(Floating Zone;FZ)法等を使用して単結晶インゴットを製造する結晶成長工程、この単結晶インゴットをスライスし、少なくとも一主面が鏡面状に加工されるウエーハ加工工程を経る。更に詳しくその工程を示すと、ウエーハ加工工程は、単結晶インゴットをスライスして薄円板状のウエーハを得るスライス工程と、該スライス工程によって得られたウエーハの割れ、欠けを防止するためにその外周部を面取りする面取り工程と、このウエーハを平坦化するラッピング工程と、面取り及びラッピングされたウエーハに残留する加工歪みを除去するエッチング工程と、そのウエーハ表面を鏡面化する研磨(ポリッシング)工程と、研磨されたウエーハを洗浄して、これに付着した研磨剤や異物を除去する洗浄工程を有している。上記ウエーハ加工工程は、主な工程を示したもので、他に熱処理工程等の工程が加わったり、同じ工程を多段で行なったり、工程順が入れ換えられたりする。
【0003】
特に近年では上記ラッピング工程に変えて、若しくは併用して平面研削工程を実施することがある。平面研削はウエーハ外周まで高平坦度なウエーハが得られるという利点がある。
【0004】
このような半導体ウエーハ、特にシリコンの鏡面研磨ウエーハには極めて高い平坦度(厚さむらが小さいこと)が求められている。このため、鏡面研磨ウエーハの原料となるウエーハ、例えば、平面研削後のウエーハの平坦度(厚さむら)もウエーハ全面で1μm以下であることが期待されている。
【0005】
半導体ウエーハの平坦化に使用する平面研削装置としては、主にインフィード方式の平面研削盤が用いられている。この従来のインフィード方式の平面研削盤の構造の概略を図15に示す。図15において、10はインフィード方式の平面研削盤(平面研削装置)で、基台12を有している。該基台12の上面には研削されるウエーハ14を真空吸着するウエーハチャック16が設けられている。該ウェーハチャック16の下面にはウエーハチャック回転軸18が取り付けられている。該回転軸18はウエーハチャック駆動モータ20によって回転せしめられるようになっている。該ウェーハチャック16はロータリテーブル又は回転テーブルなどといわれることもある。
【0006】
22は該ウェーハ14を研削する砥石で、その上面には砥石回転軸24が取り付けられている。該砥石回転軸24はスピンドルヘッド26を介して砥石回転軸駆動モータ28によって回転せしめられるようになっている。
【0007】
30は前記ウエーハチャック16に対応して前記基台12の上面に設けられた支台であり、該支台30の上面にはさらに固定フレーム32が取り付けられている。該固定フレーム32の内側面には上下方向に摺動可能な摺動支持板34が取り付けられており、該摺動支持板34には傾斜制御装置36を介してスピンドルヘッド26が接続されている。なお、該傾斜制御装置36は後述するように砥石回転軸24の傾きの制御を行なうものであり、以下の説明や図では軸調装置と称することもある。
【0008】
40は該固定フレーム32の上方に設けられた砥石回転軸昇降モータで、前記摺動支持板34を上下方向に摺動させることによって、傾斜制御装置36、スピンドルヘッド26、砥石回転軸24及び砥石22の昇降を行なわせることができる。
【0009】
なお、前記傾斜制御装置36は、後述するように、その内面を所定方向に傾斜させることができる構造とされている。したがって、該傾斜制御装置36の内面に接続するスピンドルヘッド26、砥石回転軸24及び砥石22も傾斜可能となっている。
【0010】
図16〜図18は前記傾斜制御装置(軸調装置)の構造の一例を詳細に示す模式的説明図で、図16は傾斜制御装置(軸調装置)の全体斜視図、図17はサーボモータ部分の断面的摘示図、及び図18は角度検出器部分の断面的摘示図である。
【0011】
図16において、36は傾斜制御装置(軸調装置)であり、該傾斜制御装置36は、金属製ブロック37を有している。該金属製ブロック37の内面37aにはスピンドルヘッド26、砥石回転軸24及び砥石22が接続されている。
【0012】
42は該傾斜制御装置36のα方向(スピンドルヘッド26方向)への傾斜制御を行なうための第1の摺り割りで、該金属製ブロック37の内面37aと平行に穿設され、該第1の摺り割り42の底部には第1幅広溝部42aが設けられている。また、該第1の摺り割り42の外側及び内側にはそれぞれ第1ブロック部45及び第2ブロック部46が形成されている。
【0013】
図17に示すように、該第1ブロック部45には外面37b及び第1の摺り割り42に開口する第1貫通孔48が形成され、該第2ブロック部46には該第1貫通孔48に対応して雌ネジ部を螺設したネジ穴50が設けられている。52は先端部に雄ネジ部を螺設した第1駆動ロッドで、該貫通孔48に挿通されるとともに該ネジ穴50にその先端部が螺合せしめられる。該金属製ブロック37の外面37bにはサーボモータなどの第1駆動装置54が設けられている。該第1駆動装置54は該第1駆動ロッド52に接続されており、該傾斜制御装置36のα方向への傾斜制御を行なう。
【0014】
また、図18に示すように、該第1ブロック部45には外面37b及び第1の摺り割り42に開口する第2貫通孔56がさらに形成されており、先端部にゲージプローブ58を有するリニアーゲージ式変位センサーなどの第1角度検出器60が設けられ、α方向の傾斜角度を測定する。
【0015】
±Δα方向への傾斜制御は、第1駆動装置54により回転する第1駆動ロッド52が、第1摺り割り42を超えて第2ブロック部46を押したり引いたりすることにより第1幅広溝部42aを支点として第2ブロック部46が傾斜することによってなされる。この変位量は第1駆動装置54の近傍に固定された第1角度検出器60によって検出される。
【0016】
62は該傾斜制御装置36のβ方向(α方向と直交する方向)への傾斜制御を行なうための第2の摺り割りで、該金属製ブロック37の内面37aと直交する方向に穿設され、該第2の摺り割り62の底部には第2幅広溝部62aが設けられている。また、該第2の摺り割り62の両側にはそれぞれ第3ブロック部64及び第4ブロック部66が形成されている。
【0017】
該第2の摺り割り62部分の構成は、図17及び図18に示した第1の摺り割り42部分の構成と同様であるので図示による再度の詳細な説明は省略し、図16のみによる簡単な説明にとどめる。該第3ブロック部64には側面37c及び第2の摺り割り62に開口する第3貫通孔(図示せず)が形成され、該第4ブロック部66には該第3貫通孔に対応して雌ネジ部を螺設したネジ穴(図示せず)が設けられている。該ネジ穴には先端部に雄ネジ部を螺設した第2駆動ロッド(図示せず)が第3貫通孔を介して螺合されている。該金属製ブロック37の側面37cにはサーボモータなどの第2駆動装置68が設けられている。該第2駆動装置68は該第2駆動ロッドに接続されており、該傾斜制御装置36のβ方向への傾斜制御を行なう。
【0018】
また、該第3ブロック部64には側面37c及び第2の摺り割り60に開口する第4貫通孔(図示せず)がさらに形成されており、先端部にゲージプローブ(図示せず)を有するリニアーゲージ式変位センサーなどの第2角度検出器70が設けられ、β方向の傾斜角度を測定する。
【0019】
±Δβ方向への傾斜制御は、第2駆動装置68により回転する第2駆動ロッドが、第2摺り割り62を超えて第4ブロック部66を押したり引いたりすることにより第1幅広溝部42aを支点として第2ブロック部46が傾斜することによってなされる。この変位量は第2駆動装置68の近傍に固定された第2角度検出器70によって検出される。
【0020】
なお、図16〜図18の説明においては、傾斜制御装置36が角度検出器60、70を具備している場合について説明したが、後記する図20の場合のように従来の傾斜制御装置36においては角度検出器60、70を設置しないで、作業者の熟練に依存する場合がほとんどであった。また一般的にはサーボモータなどの自動的に駆動ロットの送り量を制御するものではなく、手動でねじの回転量を調節してその送り量で角度を調整しており、作業者の経験と勘に頼るものが大きくその調整は困難であった。また角度検出器60、70が設置されていても、どの方向にどの程度角度を変化させるかはやはり作業者の経験が必要であり、結局は作業者の熟練に頼る以外に方策がないのが現状であった。
【0021】
上記した構成によって、該インフィード方式の平面研削盤10は、ウエーハチャック16に真空吸着したウエーハ14を高速回転する砥石22によって研削するものである。この研削にあたって、軸調装置36によって制御可能な傾き方向は、図20及び図21に示すように、砥石中心OGとウエーハ中心Oを結んだ線(α軸)の方向(α方向)とこれに直交する軸(β軸)の方向(β方向)である。なお、換言すれば、α方向はインフィード方式の平面研削盤10の長手方向(図15では左右方向)であり、β方向は該平面研削盤10の前後方向(図15では紙面方向)である。
【0022】
この時、図19に誇張して示すように、ウエーハチャック16面は数十μmの凸形状であり、砥石回転軸(主軸)24はウエーハチャック回転軸18から僅かな角度(φ=1/100〜1/10度)だけ傾くように設定されているため、砥石22とウエーハ14は図20及び図21に示した弧OP(即ち、ウエーハ中心Oとウエーハ14の外周円と砥石軌跡22aとの交点Pを結ぶ弧)の部分だけで接触している。以下この弧OPの部分を接触弧44ということがある。図21において、DWはウエーハ14の回転方向及びDGは砥石22の回転方向である。
【0023】
インフィード方式の平面研削装置によりウエーハ14を高精度な平坦度(TTV)に仕上げるためには、ウエーハチャック16の平面に対してスピンドルヘッド26の少なくとも前後方向の傾き(本明細書におけるα方向)を高精度に調整する必要がある。このような手段を備えた装置としては、例えば特許文献1に記載の装置がある。また特許文献2には、回転テーブルに対してスピンドルヘッドを傾けるのではなく、スピンドルヘッドに対して回転テーブル(ウエーハチャック)を傾ける装置が開示されている。つまり、インフィード方式の平面研削盤10は砥石回転軸24とウエーハチャック回転軸18との間の相対角度を調整する(以降、軸調と略すことがある)ことによって、希望する平坦度を実現する装置である。
【0024】
また、特許文献3にはスピンドルヘッドの傾斜を研削の段階(研削中)ごとに応じて自動的に変化させ高平坦度な加工を行なう技術が開示されている。
【0025】
【特許文献1】
特開昭61−274873号公報
【特許文献2】
特開平8−90376号公報
【特許文献3】
特開平10−315103号公報
【0026】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、現行の平面研削装置、例えば上記した平面研削盤およびこれと同様の基本構造の装置では、ウエーハとスピンドルヘッドの相対的な傾きを調整(軸調)を行なうことができる方向(軸調手段が制御できる方向)は、前述したごとく、図15に示すように砥石中心OGとウエーハ中心Oを結んだ線状の方向(α方向)とこれに直交する方向(β方向)である。
【0027】
高平坦度なウエーハを得るために、このような方向で軸調を行なうには、専ら作業者の経験と試行錯誤に負っている。つまりスピンドルヘッド(又は砥石)の角度調整は難しく、熟練した技術者が手作業により調整するので、多くの時間と専門的な技術を必要としていた。しかも、一度角度を設定しても使用している間にずれが生じるので、定期的な確認および角度調整が必要となっていた。
【0028】
また高平坦度に加工するには特許文献3に開示されているように研削中にスピンドルヘッドの角度を変化させるなどの工夫が必要であり制御が複雑になっていた。
【0029】
本発明は、このような従来の問題を解決するものであり、高精度な平坦度が得られるとともに、軸の調整を容易にし、加工効率の優れた研削方法および装置を提供することを目的とする。
【0030】
【課題を解決するための手段】
インフィード方式の平面研削盤で研削したウエーハ形状は図22に示すように主に「傾き」成分Kや「たわみ」成分Tが重畳したものである。図22は凸状の傾きと凹状のたわみが合成されたウエーハ形状(断面形状)の1例を模式的に例示したものである。インフィード方式の平面研削盤による研削を行なうと、図22に示すように中心よりほぼ対称な断面形状となる。
【0031】
このような「傾き」成分Kや「たわみ」成分Tは、 図12に示すように、ウエーハ中心Oと点Pを結ぶ直線方向をY軸(砥石22とウエーハ14との接触弧44に沿った方向)とし、これと直交する方向をX軸とした場合、接触弧(軌跡)44をX軸に関して傾ける(すなわち、X軸を対称軸としてY軸の方向に傾ける)ことにより、ウエーハ形状が 図11(a)、(b)に示すような「凹傾き」または「凸傾き」の断面形状に加工することができ、同様に、接触弧(軌跡)44をY軸に関して傾ける(すなわち、Y軸を対称軸としてX軸の方向に傾ける)ことによりウエーハは図11(c)(d)に示すような「凹たわみ」または「凸たわみ」の断面形状に加工することができる。
【0032】
つまり、図12に示すようにX軸、Y軸の2軸にスピンドルヘッドの軸の傾き成分を分解し、これらの傾け角度ごとに調整することによって、「傾き」や「たわみ」の無い平坦なウエーハを研削することが可能である。また、軸調を効率的に行なうには、Y軸およびX軸(接触弧に沿った方向およびこれに直交する方向)に関してそれぞれ独立に傾け角を調整する必要があることが明らかとなった。
【0033】
従って本発明の平面研削方法は、水平面内で回転駆動されるウエーハを、垂直方向に配置されたスピンドルヘッドの下部に取り付けられた砥石により研削するインフィード方式の平面研削方法において、該ウエーハの中心と該ウエーハの外周円と該砥石の軌跡との交点とを結ぶ直線方向(Y)およびこれに直交する方向(X)からなる座標系(X−Y)方向の2方向に対してスピンドルヘッドの軸の傾き成分を分解し、スピンドルヘッドの相対的な傾きを調整することを特徴とする。
【0034】
このような方向で軸を正確に調整することにより任意の形状のウエーハが製造でき、特に高平坦度なウエーハの製造ができる。
【0035】
また、従来の平面研削では、軸調整を行なうには一般的に砥石中心とウエーハ中心を結んだ線状の方向(本明細書におけるα方向)とこれに直交する方向(本明細書におけるβ方向)である。このような装置で上記のような軸調整を行なう為、本発明の別な形態の平面研削方法は、水平面内で回転駆動されるウエーハを、垂直方向に配置されたスピンドルヘッドの下部に取り付けられた砥石により研削するインフィード方式の平面研削方法において、砥石中心とウエーハ中心を結んだ線状の方向(α方向)とこれに直交する方向(β方向)からなる座標系(α−β)方向に対してスピンドルヘッドの軸の傾き成分を分解し、スピンドルヘッドの軸調整を行なうに際し、該ウエーハの中心と該ウエーハの外周円と該砥石の軌跡との交点とを結ぶ直線方向(Y方向)とこれに直交する方向(X方向)からなる座標系(X−Y)方向に対する角度θのずれを考慮し、両座標系の間で座標変換を行いウエーハとスピンドルヘッドの相対的な傾きを調整することを特徴とする平面研削方法である。
【0036】
このように実際に軸調整できる方向(α−β)と、本来軸調整したい方向(X−Y)との間に角度θのずれがある場合、角度θのずれを考慮し、両座標系の間で座標変換を行いウエーハとスピンドルヘッドの相対的な傾きを調整すると良い。これにより(α−β)の方向の軸調整でもX軸およびY軸方向に対する成分をそれぞれ独立して正確に任意の量だけ調整することができる。
【0037】
また、実際に軸調整できる方向がα軸、β軸である場合は、座標系(α−β)及び座標系(X−Y)の両座標系の間で座標変換を下記式(1)又は(2)により行うとよい。
【0038】
【数3】
【0039】
なお、式(1)及び(2)において、Δαはα軸の傾斜角度、Δβはβ軸の傾斜角度、ΔXはウエーハ形状の角度単位の「たわみ成分」、及びΔYはウエーハ形状の角度単位の「傾き成分」をそれぞれ示し、θ(度)は用いる砥石の直径及びウエーハの直径、及びこれらの配置により決定される。式(1)及び(2)における角度の単位も「度」でも「ラジアン」でもよい。
【0040】
このような変換を行なうことで、正確に軸調整を行なうことができ、精度の良いウエーハ加工が行なえる。
【0041】
特に、平面研削後に得られるウエーハ形状を「傾き成分」及び「たわみ成分」に分け計測し、これを制御パラメータとしてフィードバックすることでウエーハとスピンドルヘッドの相対的な傾きを調整すると良い。
【0042】
このようにウエーハ形状の傾き成分及びたわみ成分をスピンドルヘッドの調整パラメータとして使用することで容易に高平坦度のウエーハが製造できる。
【0043】
この時、平面研削後に得られるウエーハ形状の厚さ単位の「傾き成分ΔY’」及び「たわみ成分ΔX’」を下記式(3)により角度変換し、角度単位の「傾き成分ΔY」及び「たわみ成分ΔX」を得ると良い。
【0044】
【数4】
【0045】
ここで、k1、k3は補正係数、k2、k4は補正値であり、装置や研削条件により決まる数値で用いる装置や研削条件により決定する。なお、式(3)における角度の単位は「度」でも「ラジアン」でも良い(単位の変化に応じて係数を変える必要があることはいうまでもない)。このような関係式により得られた値を調整パラメータにすることでより制御しやすくなる。
【0046】
なお、このようなウエーハとスピンドルヘッドの相対的な傾きの調整は研削前に実施し、研削中には砥石とウエーハの相対角度は一定に維持すると良い。
【0047】
本発明の方法でも研削中に軸調整をすることは可能であるが、研削中に砥石とウエーハの相対角度は一定に維持することで、初めに設定した形状への制御が容易になり、また形状確認後のフィードバックも容易である。
【0048】
また、特許文献3では本発明のようにウエーハの平坦度を直交する2軸成分に分けて制御しようとする意図がなく、主にX方向にしか制御しなかった為、ウエーハを高平坦度にするため研削中に砥石角度を調整するなど機構的に複雑になっていた。つまり研削中に砥石とウエーハの相対角度を制御する為、X軸の方向への相対角度を予め設定したプログラムで段階的または連続的に変化させる必要があった。本発明の軸調整方法を採用することによりウエーハ研削中の砥石角度の調整は必ずしも行なう必要が無くなり、容易に高平坦度なウエーハが製造できる。
【0049】
本発明の平面研削装置の第1の態様は、上記のような方法を実施する為の装置であり、水平面内で回転駆動されるウエーハを、垂直方向に配置されたスピンドルヘッドの下部に取り付けられた砥石により研削するインフィード方式の研削装置において、前記スピンドルヘッドとウエーハを垂直方向であるZ軸方向に相対移動させる駆動装置と、該ウエーハの中心と該ウエーハの外周円と該砥石の軌跡との交点とを結ぶ直線方向(Y軸)およびこれに直交する方向(X軸)の2軸に分解し、スピンドルヘッドを相対的に移動させる傾斜制御装置を備えたことを特徴とする平面研削装置である。
【0050】
本発明の平面研削装置の第1の態様においては平面研削後に得られるウエーハ形状の「傾き成分」及び「たわみ成分」を入力する入力手段と、これらの値により、該ウエーハの中心と該ウエーハの外周円と該砥石の軌跡との交点とを結ぶ直線方向(Y軸)およびこれに直交する方向(X軸)の2軸に対するスピンドルヘッドの軸傾き成分を算出する算出手段とをさらに有するのが好ましい。
【0051】
本発明の平面研削装置の第2の態様は、スピンドルヘッドとウエーハを垂直方向であるZ軸方向に相対移動させる駆動機構と、砥石中心とウエーハ中心を結んだ線状の方向(α軸)とこれに直交する方向(β軸)からなる座標系(α−β)方向にスピンドルヘッドの傾斜を調整する傾斜制御装置とを有し、水平面内で回転駆動されるウエーハを、垂直方向に配置されたスピンドルヘッドの下部に取り付けられた砥石により研削するインフィード方式の平面研削装置であって、該ウエーハの中心と該ウエーハの外周円と該砥石の軌跡との交点とを結ぶ直線方向(Y軸)およびこれに直交する方向(X軸)に対して座標変換する座標変換手段を有し両座標間で座標変換を行なうことでウエーハとスピンドルヘッドの相対的な傾きを調整することを特徴とする。
【0052】
本発明の平面研削装置の第2の態様においては、平面研削後に得られるウエーハ形状の「傾き成分」及び「たわみ成分」を入力する入力手段と、これらの値により、該ウエーハの中心と該ウエーハの外周円と該砥石の軌跡との交点とを結ぶ直線方向(Y軸)およびこれに直交する方向(X軸)の2軸、又は砥石中心とウエーハ中心を結んだ線状の方向(α軸)とこれに直交する方向(β軸)方向の2軸に対するスピンドルヘッドの軸傾き成分を算出する算出手段とをさらに有すると良い。
【0053】
このようにウエーハ形状、特に傾き成分とたわみ成分を制御パラメータとして入力し、これをもとにX軸及びY軸の調整量(スピンドルヘッドの軸傾き成分)を算出することで、専門的な技術を必要とせず、容易に軸調整を行なうことができる。
【0054】
座標変換する場合は、座標変換手段が、ウエーハ形状の厚さ単位の「傾き成分ΔY’」及び「たわみ成分ΔX’」を角度単位の「傾き成分ΔY」及び「たわみ成分ΔX」に変換し、さらに(X−Y座標)から(α−β座標)に座標変換し、α軸およびβ軸の傾斜角度Δα(度)、Δβ(度)を算出するプログラム(アルゴリズム)を有すると好ましい。
【0055】
さらに、α軸およびβ軸の傾斜角度Δα(度)、Δβ(度)を計測する角度検出器、例えば電気的なセンサーを取り付け、前記傾斜制御装置の座標変換を行なうことで得られたα軸およびβ軸の傾斜角度Δα(度)、Δβ(度)までをステッピングモータ等の駆動装置により駆動して自動的に調整する事が好ましい。必要によりΔα、Δβ(角度単位)をステッピングモータの移動距離などに変換しても良い。
【0056】
このような軸調機構が実際に指示値通りに動作したかどうかをセンサーで確認したり、センサーの値により自動的に任意の位置まで傾斜させることにより、装置の管理が容易になる。特にセンサーの値をリアルタイムで確認しながら軸の調整を行なうような制御(フィードバック機構)システムにすると良い。
【0057】
以上のような装置を用いることで、軸調整の為に多くの時間と専門的な技術を必要とせず、熟練した作業者で無くても容易に高平坦度なウエーハ(又は必要としている形状のウエーハ)の製造が実施できる。しかも、定期的な確認および角度調整(フィードバック)も容易である。
【0058】
【発明の実施の形態】
以下に図面を参照して本発明の実施の形態を例示的に説明する。ただし、この実施の形態に記載されている構造部品の寸法、材質、形状、相対位置などは特に特定的な記載がない限りは、この発明の範囲をそれのみに限定する趣旨ではなく、単なる説明例に過ぎない。
【0059】
図1は本発明に係る平面研削装置の第1実施形態を示す概略説明図である。図2は図1の平面研削装置による研削時におけるウエーハと砥石との接触状態を模式的に示す上面的説明図である。図1及び図2において図15及び図20と同一又は類似部材は同一符号によって示される。また、図1及び図2の構成において、図15及び図20の構成と共通の点については再度の詳細な説明は省略し、主として相違点についての説明を行なう。
【0060】
図1において、10aは本発明の第1実施形態である平面研削装置である。該平面研削装置10aは、水平面内で回転駆動されるウエーハ14を、垂直方向に配置されたスピンドルヘッド26の下部に取り付けられた砥石22により研削するインフィード方式の研削装置であり、前記スピンドルヘッド26とウエーハ14を垂直方向であるZ軸方向に相対移動させる駆動機構、例えば砥石回転軸昇降モータ40を有し、さらに図2にその配置を示すように該砥石22と該ウエーハ14との接触弧44に沿った方向、即ち該ウエーハ14の中心Oと該ウエーハ14の外周円と砥石軌跡22aとの交点Pを結ぶ直線方向(Y軸)およびこれに直交する方向(X軸)の2軸(2方向)に分解しスピンドルヘッド26を相対的に傾斜させる傾斜制御装置(軸調装置)36を備えている。
【0061】
具体的には、基台12に固定フレーム32が設けられ、この固定フレーム32にスピンドルヘッド26が傾斜制御装置(軸調装置)36を介して配置されている。傾斜制御装置36はスピンドルヘッド26を該砥石22と該ウエーハ14との接触弧44に沿った方向、即ち該ウエーハ14の中心Oと該ウエーハ14の外周円と砥石軌跡22aとの交点Pを結ぶ直線方向(Y軸)およびこれに直交する方向(X軸)の2軸に分解しスピンドルヘッド26を相対的に移動させることができる。
【0062】
スピンドルヘッド26の先端に砥石22が固定された回転軸24が支持され、この回転軸24は砥石回転軸駆動モータ28により駆動されるようになっている。砥石22は、固定フレーム32の上部に設けられた砥石回転軸昇降モータ(Z軸方向に相対移動させる駆動機構)40により昇降されると共に、スピンドルヘッド26は傾斜制御装置36により制御されて砥石22の回転軸24の傾斜角を任意に設定できるようになっている。
【0063】
基台12にはウエーハチャック駆動モータ20の回転軸18に取り付けられたウエーハチャック16が配置されている。このウエーハチャック16上にウエーハ14が支持固定される。このとき本発明の平面研削装置10aでは、スピンドルヘッド26とウエーハチャック16及び軸調を行なう方向の関係が、図2に示すような該砥石22と該ウエーハ14との接触弧44に沿った方向、即ち該ウエーハ14の中心Oと該ウエーハ14の外周円と砥石軌跡22aとの交点Pを結ぶ直線方向(Y軸)およびこれに直交する方向(X軸)の2軸に分解し制御できるように配置・設計されている。
【0064】
なお、本平面研削装置10aは、この他に装置全体を制御するCPUやこのCPUに制御を行なわせるためのプログラムを格納したメモリ、さらにはX軸、Y軸の2軸に対するスピンドルヘッドの軸傾き成分を算出する算出手段などを有する加工制御部100A、及びCPUに所定の動作を行なわせるため、ウエーハ形状の「傾き成分」及び「たわみ成分」を入力する入力手段などを備え、その入力指示を行なうキーボード等の操作部100b、動作表示を行なうCRTや液晶デバイス等の表示部100cを有している。
【0065】
例えば、作業者がウエーハ形状の厚さ単位の「傾き成分ΔY’」及び「たわみ成分ΔX’」又は目標とする傾け角度ΔX(度)、ΔY(度)をキーボード等の操作部100bによって入力してやると、傾斜制御装置36におけるサーボモータ等の駆動装置54、68(図8)が指示値になるまで自動的に駆動する。
【0066】
加工制御部100Aでは、スピンドルヘッド26とウエーハ14を垂直方向であるZ軸方向に相対移動させる駆動機構40や該砥石22と該ウエーハ14との接触弧44に沿った方向、即ち該ウエーハ14の中心Oと該ウエーハ14の外周円と砥石軌跡22aとの交点Pを結ぶ直線方向(Y軸)およびこれに直交する方向(X軸)の2軸に分解した後の傾斜制御装置(軸調装置)36を制御するプログラミングが収納されている。
【0067】
次に、本発明の第2実施形態である平面研削装置を図3、図4を用い説明する。図3は本発明に係る平面研削装置の第1実施形態を示す概略説明図である。図4は図3の平面研削装置による研削時におけるウエーハと砥石との接触状態を模式的に示す上面的説明図である。図3及び図4において図15及び図20と同一又は類似部材は同一符号によって示される。また、図3及び図4の構成において、図15及び図20の構成と共通の点ついては再度の詳細な説明は省略し、主として相違点についての説明を行なう。
【0068】
図3において、10bは本発明の第2実施形態である平面研削装置である。該平面研削装置10bは、スピンドルヘッド26とウエーハ14を垂直方向であるZ軸方向に相対移動させる駆動機構、例えば砥石回転軸昇降モータ40と、図4に示したように砥石中心OGとウエーハ中心Oを結んだ線状の方向(α軸)とこれに直交する方向(β軸)方向にスピンドルヘッド26の傾斜を調整する傾斜制御装置(軸調装置)36を有し、水平面内で回転駆動されるウエーハ14を垂直方向に配置されたスピンドルヘッド26の下部に取り付けられた砥石22により研削するインフィード方式の平面研削装置である。該平面研削装置10bは、該砥石22と該ウエーハ14との接触弧44に沿った方向、即ち該ウエーハ14の中心Oと該ウエーハ14の外周円と砥石軌跡22aとの交点Pを結ぶ直線方向(Y軸)およびこれに直交する方向(X軸)に対して座標変換する座標変換手段100aを有し、両座標間で座標変換を行なうことでウエーハ14とスピンドルヘッド26の相対的な傾きを調整する。
【0069】
具体的には、基台12に固定フレーム32が設けられ、この固定フレーム32にスピンドルヘッド26が傾斜制御装置(軸調装置)36を介して配置されている。スピンドルヘッド26の先端に砥石22が固定された回転軸24が支持され、この回転軸24は砥石回転軸駆動モータ28により駆動されるようになっている。砥石22は、固定フレーム32の上部に設けられた砥石回転軸昇降モータ(Z軸方向に相対移動させる駆動機構)40により昇降されると共に、傾斜制御装置36により制御されて砥石22の回転軸24の傾斜角を任意に設定できるようになっている。
【0070】
基台12にはウエーハチャック駆動モータ20の回転軸18に取り付けられたウエーハチャック16が配置されている。このウエーハチャック16上にウエーハ14が支持固定される。本平面研削装置10bでは、スピンドルヘッド26とウエーハチャック16及び軸調を行なう方向の関係が、従来と同じように砥石中心OGとウエーハ中心Oを結んだ線状の方向(α軸)とこれに直交する方向(β軸)方向にスピンドルヘッド26の傾斜を調整する傾斜制御装置36が設置されている。
【0071】
この平面研削装置10bでは、更に該砥石22と該ウエーハ14との接触弧44に沿った方向、即ち該ウエーハ14の中心Oと該ウエーハ14の外周円と砥石軌跡22aとの交点Pを結ぶ直線方向(Y軸)およびこれに直交する方向(X軸)に対して制御する為に、座標系(X−Y)及び座標系(α―β)の両座標系間で座標を変換する座標変換手段100aが設けられており、両座標間で座標変換を自動的に行なうことができるようになっている。
【0072】
つまり、座標変換する座標変換手段100aを用いることで、図4に示すような該砥石22と該ウエーハ14との接触弧44に沿った方向、即ち該ウエーハ14の中心Oと該ウエーハ14の外周円と砥石軌跡22aとの交点Pを結ぶ直線方向(Y軸)およびこれに直交する方向(X軸)の2軸に分解し正確に制御できるように設計されている。
【0073】
なお、本平面研削装置10bにおいても、この他に装置全体を制御するCPUやこのCPUに制御を行なわせるためのプログラムを格納したメモリ、さらにはX軸、Y軸の2軸、又はα軸、β軸の2軸に対するスピンドルヘッドの軸傾き成分を算出する算出手段などを有する加工制御部100A、及びCPUに所定の動作を行なわせるため、ウエーハ形状の「傾き成分」及び「たわみ成分」を入力する入力手段などを備え、その入力指示を行なうキーボード等の操作部100b、動作表示を行なうCRTや液晶デバイス等の表示部100cを有している。
【0074】
加工制御部100Aでは、スピンドルヘッドとウエーハを垂直方向であるZ軸方向に相対移動させる駆動機構40や、該砥石22と該ウエーハ14との接触弧44に沿った方向、即ち該ウエーハ14の中心Oと該ウエーハ14の外周円と砥石軌跡22aとの交点Pを結ぶ直線方向(Y軸)およびこれに直交する方向(X軸)から、砥石中心OGとウエーハ中心Oを結んだ線状の方向(α軸)とこれに直交する方向(β軸)に対して座標変換する座標変換手段100a、砥石中心OGとウエーハ中心Oを結んだ線状の方向(α軸)とこれに直交する方向(β軸)方向の2軸についてスピンドルヘッド26の傾斜を調整する傾斜制御装置36を制御するプログラミングが格納されている。
【0075】
上記のような本発明の平面研削装置10a,10bを用い実際に加工する時の手順について説明する。該砥石22と該ウエーハ14との接触弧44に沿った方向、即ち該ウエーハ14の中心Oと該ウエーハ14の外周円と砥石軌跡22aとの交点Pを結ぶ直線方向(Y軸)およびこれに直交する方向(X軸)に対して制御する為に、本発明の平面研削装置10a,10bで一度テストウエーハを研削し、ウエーハの形状、特に傾き成分とたわみ成分を確認し、これを制御パラメータとして平面研削装置10a,10bの操作部に入力し、これをもとに加工制御部100AでX軸及びY軸の調整量(スピンドルヘッド26の軸傾き成分)を算出することで、専門的な技術を必要とせず、容易に軸調整を行なうことができる。
【0076】
具体的には平面研削後に得られるウエーハ形状の厚さ単位の「傾き成分ΔY’」及び「たわみ成分ΔX’」を下記式(3)により角度変換し、角度単位の「傾き成分ΔY」及び「たわみ成分ΔX」に換算する。つまりウエーハを実際に研削し、測定した平坦度の成分から目標とする傾け角度ΔX(度)、ΔY(度)を決定する作業を容易にするため、測定した平坦度成分の大きさを厚さ単位で直接入力できるようにした。すなわち平坦度の成分をΔX’(μm)、ΔY’(μm)とし、これに補正係数と補正値をつけて傾け角度ΔX(度)、ΔY(度)とする。
【0077】
【数5】
【0078】
ここで、k1、k3は、補正係数、k2、k4は補正値であり、装置や研削条件により決まる係数で、用いる装置などにより当初は試行錯誤で修正し決定する。このような関係式はメモリなどを有する加工制御部100Aにプログラミングされている。
【0079】
実際の作業においては、作業者は先ずテストウエーハを研削し、測定したウエーハの平坦度を図5(a)〜(d)に示す2種類の平坦度成分「傾き」および「たわみ」に分解する。
【0080】
図5に示すように「傾き成分」(図5(a)(b))及び「たわみ成分」は(図5(c)(d))、大きく分けて傾き成分2種類(以下、凸傾き、凹傾きという)、たわみ成分で2種類(以下、凸たわみ、凹たわみという)の2種類である。得られるウエーハ形状は主にこれらの組合せでありほぼ4パターンのウエーハ形状が形成される。つまり図22に示すような凸傾きと凹たわみが合成された形状(凸傾き+凹たわみ)や、(凸傾き+凸たわみ)、(凹傾き+凸たわみ)、(凹傾き+凹たわみ)の形状のウエーハが研削される。本発明では。この傾き成分とたわみ成分に分離し、それぞれの成分に対応した軸調整を行なう。
【0081】
ウエーハ形状の測定方法は特に限定するものではないが、接触式の粗さ計や光学式の粗さ計を用いることができる。
【0082】
実際の手順について図6〔第1実施形態の装置:(X−Y)方向に直接軸調整可能〕及び図7〔第2実施形態の装置:(X−Y)方向に直接軸調整不可能、(α−β)方向に軸調整可能〕に示したフローチャートを用いて説明する。上記したように厚さ単位の「傾き成分ΔY’(μm)」及び「たわみ成分ΔX’(μm)」を計測し(ステップ200)、これらの値を上記第1の実施の形態の平面研削装置10a又は上記第2の実施形態の平面研削装置10bのキーボード等の操作部100b(入力手段)によって入力する(ステップ202)。これを上記関係式により角度単位に変換した「傾け成分ΔY(度)」及び「たわみ成分ΔX(度)」に換算し、実際に制御すべき目標角度(傾け角度)を決定する(ステップ204)。なお、別に計算するなどしてあらかじめ制御すべき目標角度(「傾け成分ΔY(度)」及び「たわみ成分ΔX(度)」)がわかっていれば、その値をステップ204の段階でキーボード等の操作部100b(入力手段)によって入力するようにしても良い(図6及び図7)。
【0083】
その後、第1実施形態の平面研削装置10aでは、図6に示すように、(X−Y)方向の軸調整が直接できる構成の装置である為、そのまま傾斜制御装置36に指示を送り(ステップ206)、その値をもとに駆動装置54、68を含む傾斜制御装置36が指示値になるまで自動的に駆動し、軸調整を行なうようになっている。
【0084】
一方、第2実施形態の平面研削装置10bでは、図7に示すように、(X−Y)方向の軸調整が直接できない構成の装置である為、ステップ202で制御すべき目標角度(傾け角度)を決定した後、更に角度単位の「傾け成分ΔY(度)」及び「たわみ成分ΔX(度)」を実際に制御可能な(α−β)方向の成分に座標変換し、α軸およびβ軸の傾斜角度Δα(度)、Δβ(度)を算出し(ステップ208)、その値をもとに傾斜制御装置36に指示を送り(ステップ210)、駆動装置54、68を含む傾斜制御装置36が指示値になるまで自動的に駆動し、軸調整を行なうようになっている。
【0085】
つまり、本発明で調整を行ないたい該砥石22と該ウエーハ14との接触弧44に沿った方向、即ち該ウエーハ14の中心Oと該ウエーハ14の外周円と砥石軌跡22aとの交点Pを結ぶ直線方向(Y方向)およびこれに直交する方向(X方向)からなる座標系(X−Y)方向と、実際に制御できる砥石中心OGとウエーハ中心Oを結んだ線状の方向(α方向)とこれに直交する方向(β方向)からなる座標系(α−β)方向が異なる場合、座標変換手段100aにより座標変換し、α軸およびβ軸の傾斜角度Δα(度)、Δβ(度)を求める。
【0086】
座標系(X−Y)と座標系(α−β)の両者間には下記の簡単な座標変換式で表される幾何学的な関係がある。すなわち、角度ΔXおよびΔYを下記式(1)によって角度Δαおよび Δβに自動的に換算することができる。また下記式(2)によって逆方向の変換も可能である。
【0087】
【数6】
【0088】
座標変換手段100aは上記のような関係式がメモリなどを有する加工制御部100Aにプログラミングされ、作業者がウエーハ形状の厚さ単位の「傾き成分ΔY’」及び「たわみ成分ΔX’」又は目標とする傾け角度ΔX(度)、ΔY(度)をキーボード等によって入力してやると、前述の式(1)によってΔα、Δβを自動的に計算するようになっており、さらにサーボモータなどの駆動装置を含む傾斜制御装置36によってΔα、Δβが指示値になるまで軸調を制御している。
【0089】
傾斜制御装置36は、図1又は図3に示す固定フレーム32とスピンドルヘッド26の間に位置しており、図8〜図10の模式図に示す構造を有している。なお、図8〜図10は一例であり、本発明において採用される傾斜制御装置は特にこれに限定するものではない。図8〜図10に示した構造は図16〜図18に示した構造と基本的には共通であり、再度の詳細な説明は省略し、主要な構成及び作用並びに相違点について以下に説明する。
【0090】
図8〜図10において、36は第1実施形態の平面研削装置10aで用いられる傾斜制御装置で、X軸、Y軸方向に直接、角度調整できる形態のものである。該傾斜制御装置36は、X方向およびY方向に摺り割り42、62のついた金属製ブロック37に固定されたサーボモータなどの駆動装置54、68と、これらによって駆動される駆動ロッド52、およびリニアーゲージ式変位センサーなどの角度検出器60、70から成っている。±ΔX方向への傾斜は、加工制御部100Aからの信号によって駆動されるサーボモータなどの駆動装置54により回転する駆動ロッド52が、摺り割り42を超えて相手方の第2ブロック部46を押したり引いたりすることによってなされる。この変位量は駆動装置54の近傍に固定された角度検出器60によって検出され、角度に換算され、加工制御部100Aへのフィードバック信号となる。±ΔY方向への傾斜制御も同様にサーボモータなどの駆動装置68と角度検出器70によってなされる。第2実施形態の平面研削装置10bで用いられる傾斜制御装置36は、図16〜図18に示したα軸、β軸方向に角度調整できる形態のものと実質同様である。
【0091】
また、必ずしも必要ではないが、サーボモータなどの駆動装置54、68によって電動で軸調を行った結果(場合によっては手動操作によって軸調を行ってもよい)は、X軸、Y軸の実際の調整量としてディスプレー等に表示しても良い。特に座標変換した場合などは、傾け角度Δα(度)、Δβ(度)を角度検出器60、70によって読み取り、先に示した式(2)によってΔX(度)、ΔY(度)に自動的に換算して、X軸、Y軸の調整量としてディスプレー等に表示するようにすれば制御の状況が把握しやすい。
【0092】
本発明装置を用いウエーハ(製品ウエーハ)の研削を行なうには、まず研削前に上記制御パラメータをもとに調整量を算出し、上記傾斜制御装置36を駆動させることによりスピンドルヘッド26(砥石22とウエーハ14の相対角度)の軸調を行なう。
【0093】
ウエーハ形状の傾き成分およびたるみ成分を目標値(一般には零)にするよう、軸調方向XおよびYの傾け角度ΔX(度)、ΔY(度)を決定してやると、本発明の第1実施形態の装置10aでは、X軸、Y軸方向に直接的にサーボモータなどの駆動装置54、68を駆動し、また第2実施形態の装置10bでは、Δα、Δβを自動的に計算し、α軸、β軸方向にサーボモータなどの駆動装置54、68を駆動させることによって間接的にX軸、Y軸方向の傾け角度を指示値になるまで正確に軸調する。
【0094】
つまり、X軸方向及びY軸方向に対応する傾斜補正量を読み込んで、該補正量に対応するモータ駆動信号をサーボモータなどの駆動装置54、68や角度検出器60、70に送り、傾斜制御装置36を駆動して砥石22の傾斜角(ウエーハチャック16の回転軸18に対する傾斜角)を制御するように構成されている。
【0095】
軸調を行なった後、実際のウエーハの研削は、従来から行なわれている方法で行なわれれば良く、例えば前記砥石回転軸昇降モータ40を制御することにより通常の研削開始位置まで送り、研削工程時における高速切込み、低速切込み時、スパークアウト(無切込み)の三段階程度に切込み速度(研削速度)を調整して行ない高平坦度なウエーハを加工する。なお、特に研削加工中には砥石の角度等は調整しておらず、研削前に軸調した状態で研削を行なっている。
【0096】
研削後に平坦度が目標値に達しない場合には、目標とする傾け角度ΔX、ΔYに微調整を施す。それぞれの成分を目標値(一般には零)にするよう、軸調方向XおよびYの傾け角度ΔX(度)、ΔY(度)を決定する。本発明ではこのようなフィードバック操作が容易に実施できる。
【0097】
【実施例】
以下に実施例をあげて本発明をさらに具体的に説明するが、これらの実施例は例示的に示されるもので限定的に解釈されるべきでないことはいうまでもない。
【0098】
【実験例1】
図3に示す形態の平面研削装置を用いウエーハを研削した。ウエーハは直径300mmの両頭研削(粗研削)を行った厚さ約800μmのシリコンウエーハを用いた。砥石は直径350mmのレジンボンド砥石(SD#2000B)を用いた。
【0099】
研削条件として、下記の三段階の切込み速度で加工した(片面研削)。全体の取り代は片面6μmであった。
【0100】
【表1】
【0101】
特に軸調整を行なわず研削した結果、図14に示すようなウエーハ形状が得られた。なお、ウエーハ形状は黒田精工社製ナノメトロによりウエーハ面を非吸着の状態で測定した厚さむらで示したものである。
【0102】
図14に示したウエーハから、傾き成分およびたわみ成分を計測した。計測した結果、傾き成分ΔY’=−0.60μm、たわみ成分ΔX’=−0.28μmであった。
【0103】
ウエーハの平坦度成分を零にするように、この厚さ単位の傾き成分「ΔY’(μm)」およびたわみ成分「ΔX’(μm)」を角度単位の傾き成分「ΔY(度)」及びたわみ成分「ΔX(度)」に変換した。この変換は下記式(4)を用いて行った。
【0104】
【数7】
【0105】
この式(4)は、本平面研削装置、研削条件から得られた経験式である。このような式(4)より、傾き成分ΔY=−0.00023度、たわみ成分ΔX=−0.00095度という結果が得られた。このような角度で軸調すれば良いことがわかる。
【0106】
本装置では、このようなX軸方向、Y軸方向に直接軸調できないため、下記式(1)から、実際に制御できる砥石中心とウエーハ中心を結んだ線状の方向(α方向)とこれに直交する方向(β方向)からなる座標系(α−β)に座標変換し、α軸およびβ軸の傾斜角度Δα(度)、Δβ(度)を求めた。θは、砥石の直径及びウエーハの直径から、25.4°である。
【0107】
【数8】
【0108】
これにより、傾き成分Δα=−0.00096度、たわみ成分Δβ=0.00020度という結果が得られた。
【0109】
【実施例1】
この結果を、傾斜制御装置に送り軸調整を行なった。具体的には、実際に制御できる砥石中心とウエーハ中心を結んだ線状の方向(α方向)のサーボモータとこれに直交する方向(β方向)のサーボモータを駆動させ任意の角度まで変化させた。なお、実際にはセンサーによりΔα、Δβの値を管理し、センサーの値が上記設定値になるまで制御している。なお以上のような傾斜量の算出や傾斜制御装置の制御は加工制御部の命令で自動的に処理されている。
【0110】
このように調整した後、初めに研削した条件と同じ条件、つまりウエーハは直径300mmの両頭研削(粗研削)を行った厚さ約800μmのシリコンウエーハを用いた。砥石は直径350mmのレジンボンド砥石(SD#2000B)を用いた。研削条件として、実験例1と同様の三段階の切込み速度で加工した。全体の取り代は片面6μmであった。
【0111】
特にこのような軸調を行なった後のウエーハ形状は、図13に示すような大変高平坦度なウエーハが得られた。
【0112】
以上のように、研削したウエーハの形状を測定し、その情報を入力すれば、簡単な操作で精度良く本来軸調したいX軸、Y軸方向の制御が行なわれ、熟練した作業者でなくても容易に調整が行なえ、加工効率の優れた研削を行なうことが出来た。またフィードバック作業も容易である。
【0113】
なお、上記実施例1においては、スピンドルヘッド傾動機構としてサーボモータを用いたが、差動ねじ等を用いても良く他の構造を用いてもよい。またスピンドルヘッドを回転テーブルに対して傾ける構成について説明したが、スピンドルヘッドに代えて回転テーブルを傾ける構成でもよい。
【0114】
【発明の効果】
以上述べたごとく、本発明によれば、これまで専ら熟練した作業者の経験と勘に依存してきた軸調作業を、系統的かつ効率的に行なうことができるようになった。その結果、品質(ウエーハの平坦度)および作業性(軸調にかかる時間)を大幅に改善できた。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の平面研削装置の第1実施形態を示す概略説明図である。
【図2】 図1の平面研削装置による研削時におけるウエーハと砥石との接触状態を模式的に示す上面的説明図である。
【図3】 本発明の平面研削装置の第2実施形態を示す概略説明図である。
【図4】 図3の平面研削装置による研削時におけるウエーハと砥石との接触状態を模式的に示す上面的説明図である。
【図5】 本発明の研削方法による研削を行なったウエーハの断面形状を示す説明図である。
【図6】 第1実施形態の平面研削装置を用いた場合の本発明方法による研削手順を示すフローチャートである。
【図7】 第2実施形態の平面研削装置を用いた場合の本発明方法による研削手順を示すフローチャートである。
【図8】 本発明装置において用いられる角度制御機構の一例を示す斜視的概略説明図である。
【図9】 図8におけるサーボモータ部分の詳細説明図である。
【図10】 図8における角度検出器部分の詳細説明図である。
【図11】 本発明の研削方法による研削を行なったウエーハの断面形状を示す説明図である。
【図12】 本発明の研削方法によるウエーハと砥石との接触状態を模式的に示す上面的説明図である。
【図13】 実験例1において研削されたウエーハ形状を示すグラフである。
【図14】 実施例1において研削されたウエーハ形状を示すグラフである。
【図15】 従来のインフィード方式の平面研削盤の構造例を示す概略説明図である。
【図16】 従来の角度制御機構の一例を示す斜視的概略説明図である。
【図17】 図16におけるサーボモータ部分の詳細説明図である。
【図18】 図16における角度検出器部分の詳細説明図である。
【図19】 従来のインフィード方式の平面研削盤による研削状態を誇張して示す説明図である。
【図20】 従来のインフィード方式の平面研削盤による研削時におけるウエーハと砥石との接触状態を模式的に示す上面的説明図である。
【図21】 従来のインフィード方式の平面研削盤による研削時におけるウエーハと砥石との接触状態を模式的に示す斜視的説明図である。
【図22】 従来のインフィード方式の平面研削盤によって研削したウエーハ形状を模式的に示す説明図である。
【符号の説明】
10:従来の平面研削盤、10a,10b:本発明の平面研削装置、12:基台、14:ウエーハ、16:ウエーハチャック、18:ウエーハチャック回転軸、20:ウエーハチャック駆動モータ、22:砥石、22a: 砥石軌跡、24:砥石回転軸、26:スピンドルヘッド、28:砥石回転軸駆動モータ、30:支台、32:固定フレーム。34:摺動支持板、36:傾斜制御装置(軸調装置)、37:金属製ブロック、40:砥石回転軸昇降モータ(駆動機構)、42:第1摺り割り、42a:第1幅広溝部、44:接触弧、45:第1ブロック部、46:第2ブロック部、48:貫通孔、50:ネジ穴、52:駆動ロッド、54:第1駆動装置、56:貫通孔、58:ゲージプローブ、60:第1角度検出器、62:第2摺り割り、62a:第2幅広溝部、64:第3ブロック部、66:第4ブロック部、68:第2駆動装置、70:第2角度検出器、100A:加工制御部、100a:座標変換手段、100b:操作部、100c:表示部。
Claims (13)
- 水平面内で回転駆動されるウエーハを、垂直方向に配置されたスピンドルヘッドの下部に取り付けられた砥石により研削するインフィード方式の平面研削方法において、該ウエーハの中心と該ウエーハの外周円と該砥石の軌跡との交点とを結ぶ直線方向(Y方向)およびこれに直交する方向(X方向)からなる座標系(X−Y)方向の2方向に対して該スピンドルヘッドの軸の傾き成分を分解し、該スピンドルヘッドの相対的な傾きを調整することを特徴とする平面研削方法。
- 水平面内で回転駆動されるウエーハを、垂直方向に配置されたスピンドルヘッドの下部に取り付けられた砥石により研削するインフィード方式の平面研削方法において、該砥石の中心と該ウエーハの中心を結んだ線状の方向(α方向)とこれに直交する方向(β方向)からなる座標系(α−β)方向の2方向に対して該スピンドルヘッドの軸の傾き成分を分解し、該スピンドルヘッドの軸調整を行なうに際し、該ウエーハの中心と該ウエーハの外周円と該砥石の軌跡との交点とを結ぶ直線方向(Y方向)とこれに直交する方向(X方向)からなる座標系(X−Y)方向に対する角度θのずれを考慮し、両座標系の間で座標変換を行いウエーハとスピンドルヘッドの相対的な傾きを調整することを特徴とする平面研削方法。
- 平面研削後に得られるウエーハ形状を「傾き成分」及び「たわみ成分」に分け計測し、これを制御パラメータとしてフィードバックすることで前記ウエーハと前記スピンドルヘッドの相対的な傾きを調整することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載の平面研削方法。
- 前記ウエーハと前記スピンドルヘッドの相対的な傾きの調整は研削前に実施し、研削中には前記砥石と該ウエーハの相対角度を一定に維持することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項記載の平面研削方法。
- 水平面内で回転駆動されるウエーハを、垂直方向に配置されたスピンドルヘッドの下部に取り付けられた砥石により研削するインフィード方式の平面研削装置において、該スピンドルヘッドと該ウエーハを垂直方向であるZ軸方向に相対移動させる駆動機構と、該ウエーハの中心と該ウエーハの外周円と該砥石の軌跡との交点とを結ぶ直線方向(Y軸)およびこれに直交する方向(X軸)の2軸に分解し、該スピンドルヘッドの傾斜を調整する傾斜制御装置とを備えたことを特徴とする平面研削装置。
- 平面研削後に得られるウエーハ形状の「傾き成分」及び「たわみ成分」を入力する入力手段と、これらの値により、該ウエーハの中心と該ウエーハの外周円と該砥石の軌跡との交点とを結ぶ直線方向(Y軸)およびこれに直交する方向(X軸)の2軸に対するスピンドルヘッドの軸傾き成分を算出する算出手段とをさらに有することを特徴とする請求項7記載の平面研削装置。
- スピンドルヘッドとウエーハを垂直方向であるZ軸方向に相対移動させる駆動機構と、砥石中心とウエーハ中心を結んだ線状の方向(α軸)とこれに直交する方向(β軸)からなる座標系(α−β)方向にスピンドルヘッドの傾斜を調整する傾斜制御装置とを有し、水平面内で回転駆動される該ウエーハを、垂直方向に配置された該スピンドルヘッドの下部に取り付けられた該砥石により研削するインフィード方式の平面研削装置であって、該ウエーハの中心と該ウエーハの外周円と該砥石の軌跡との交点とを結ぶ直線方向(Y軸)およびこれに直交する方向(X軸)からなる座標系(X−Y)に対して座標変換する座標変換手段を有し、前記座標系(α−β)及び座標系(X−Y)の両座標系間で座標変換を行なうことで該ウエーハと該スピンドルヘッドの相対的な傾斜を調整することを特徴とする平面研削装置。
- 平面研削後に得られるウエーハ形状の「傾き成分」及び「たわみ成分」を入力する入力手段と、これらの値により、該ウエーハの中心と該ウエーハの外周円と該砥石の軌跡との交点とを結ぶ直線方向(Y軸)およびこれに直交する方向(X軸)の2軸、又は砥石中心とウエーハ中心を結んだ線状の方向(α軸)とこれに直交する方向(β軸)方向の2軸に対するスピンドルヘッドの軸傾き成分を算出する算出手段とをさらに有することを特徴とする請求項9記載の平面研削装置。
- 前記座標変換手段が、ウエーハ形状の厚さ単位の「傾き成分ΔY’」及び「たわみ成分ΔX’」を角度単位の「傾き成分ΔY」及び「たわみ成分ΔX」に変換し、さらに座標系(X−Y)から座標系(α−β)に座標変換し、α軸およびβ軸の傾斜角度Δα(度)、Δβ(度)を算出することを特徴とする請求項10記載の平面研削装置。
- α軸およびβ軸の傾斜角度Δα(度)、Δβ(度)を計測する角度検出器を有することを特徴とする請求項11記載の平面研削装置。
- 前記傾斜制御装置が座標変換を行なうことで得られたα軸およびβ軸の傾斜角度Δα(度)、Δβ(度)になるまで前記スピンドルヘッドの傾斜を自動的に調整することを特徴とする請求項11又は12記載の平面研削装置。
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