JP2006108219A - 切削装置における切削ブレード傾斜角度調整方法,およびそれを使用した切削方法 - Google Patents

切削装置における切削ブレード傾斜角度調整方法,およびそれを使用した切削方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 オペレータの技量に依存することなく,簡単に切削ブレードの傾斜角度を調整できるとともに,切削ブレードの傾斜調節を自動的に行うことが可能な切削ブレード傾斜角度調整方法およびそれを使用した切削方法を提供する。
【解決手段】 本発明の切削ブレード傾斜角度調整方法は,切削ブレードによりテストワークを第1の切り込み深さで切削する工程S102と;テストワークを第2の切り込み深さで切削する工程S104と;ステップS102およびS104における切り込み位置を測定する工程S106と;測定結果に基づいて切削ブレードの傾斜角度を算出する工程S108と;算出された切削ブレードの傾斜角度に基づいて,切削ブレードの傾斜角度を補正する工程S110と;を含む。
【選択図】 図3

Description

本発明は,被加工物の溝加工や切断加工を行う切削装置における切削方法に関し,特に,被加工物に傾斜溝加工や傾斜切断加工を行う切削装置における切削ブレード傾斜角度調整方法,およびそれを使用した切削方法に関する。
半導体や電子部品材料等の被加工物に対して,切削ブレードで溝加工や切断加工を行うダイシング装置では,通常Z軸方向(垂直方向)に真っ直ぐ切削ブレードを切り込みさせて被加工物を切断している。
ところが,例えば,特許文献1に記載されているように,光ファイバに対して接続するための集積回路チップの端面を切断する際には,切削ブレードを傾斜させて切断する場合がある。
特許文献1には,図6に示すような,平坦なシリコン・メンバ312を含むダイまたはチップ311が記載されている。このチップ311は,図6には図示していない光集積回路を含み,各端においてコネクタの脚313,314を有している。コネクタの脚313,314は,ガラスまたはシリコンであることが好ましい。このチップ311に対する光ファイバの接続は,V溝のチップ318,319においてそれぞれ終端されている光ファイバ316,317によって行われる。各終端チップ318,319とチップ311との間の作業界面に対して逆反射を防ぐために角度が付けられている。
図6に示されている角度φが0°であった場合,各終端チップ318,319の面321およびチップ311の面322および脚313,314は,軸323に対して垂直である。よって,この場合は,界面における信号の反射の量が大きくなり,結果として信号が受け入れられなくなる程度に劣化する。他方,角度φが約45°以上であった場合,その端面はミラーとして機能し,その信号を伝播の元の方向に対して略直角の角度の新しい経路に偏向する。よって,界面における角度φは,0°〜45°の範囲内に入る可能性があるが,その範囲外の部分では,一方において受け入れ不可能な逆反射を生じるか,あるいは他方においては信号の偏向が大きくなり過ぎる可能性がある。界面における角度φが8°〜12°の範囲内にある場合,反射または偏向による信号の損失は受け入れ可能な範囲内にあることがわかっている。角度φは,材料の無駄が出過ぎることがないように,その角度範囲の下限の値にすべきであるため,約8°であることが好ましい。
このような事情から,切削ブレードを傾斜させる角度に精度が求められる。
また,例えば,特許文献2に記載されているように,被加工物の裏面研削を行う際に,周縁部に生じるチッピングや基板の破損を抑制するために,あらかじめ被加工物の周縁部を切断するときがある。この場合に,切断面を傾斜させて切断することがあり,このようなときも精度の高い角度調整が必要となる。
特開平11−317384号公報 特開2003−273053号公報
上述のように,被加工物に傾斜面を形成して加工するためには,水平なチャックテーブル上に載置された被加工物に対して,切削ブレードが取り付けられているスピンドルを任意の角度に傾斜させて加工する方法が考えられる。なお,切削ブレードはスピンドルの軸の先端に取り付けられる。
しかしながら,たとえスピンドルの軸と切削ブレードとを精度良く取り付け,スピンドルを任意の角度に正確に傾斜させたとしても,切削ブレードを回転させた場合,スピンドルの回転によって切削ブレードに歪みが生じてしまい,傾斜させた角度と実際の切り込み角度とは異なる角度となってしまうという問題があった。これは切削ブレードの剛性や構造上の理由と,切削ブレードが受ける遠心力の反作用などによるものである。その歪みもブレードの種類や個々の製品の品質によって異なる場合があり,厳密に切り込み角度を調整するには,テストワークを切削した後,顕微鏡によってテストワークに形成された溝の角度を測定するしかなかった。
このため,オペレータは,測定された角度に基づいて,任意の角度になるようにスピンドルの角度調整機構を手作業で調整する必要があるが,テストワークが任意の角度で切削できるまでに何度も調整を繰り返さなければならない。したがって,ある程度の熟練者でなければ,すぐに角度を調整することは難しく,経験が浅い者になると何度もテストワークを切削しなければならず,非常に効率が悪いという問題もあった。
そこで,本発明は,このような問題に鑑みてなされたもので,その目的は,オペレータの技量に依存することなく,簡単に切削ブレードの傾斜角度を調整できるとともに,切削ブレードの傾斜調節を自動的に行うことにより,被加工物を所望の傾斜角度で切削することが可能な,新規かつ改良された切削ブレード傾斜角度調整方法,およびそれを使用した切削方法を提供することにある。
上記課題を解決するために,本発明のある観点によれば,被加工物を載置するチャックテーブルと;被加工物を切削する切削ブレードと;切削ブレードが装着されるスピンドルと;スピンドルの軸心方向のY軸と被加工物の加工面に垂直な方向のZ軸とを含むYZ平面内において,スピンドルを被加工物の加工面に対して任意の傾斜角度で相対的に傾斜させることにより切削ブレードを任意の傾斜角度に設定することが可能な傾斜手段と;
を備える切削装置における切削ブレード傾斜角度調整方法であって:任意の傾斜角度に設定された切削ブレードによって,テストワーク上の切削予定ラインを第1の切り込み深さで切削する第1の切削工程と;第1の切削工程と同じ傾斜角度に設定された切削ブレードによって,テストワーク上の切削予定ラインを第1の切り込み深さとは異なる第2の切り込み深さで切削する第2の切削工程と;第1の切削工程におけるテストワーク上のY軸方向の切り込み位置と,第2の切削工程におけるテストワーク上のY軸方向の切り込み位置と,をそれぞれ測定する測定工程と;測定工程により得られた第1の切削工程における切り込み位置と第2の切削工程における切り込み位置とからY軸方向の切り込み位置の移動量を算出し,算出されたY軸方向の切り込み位置の移動量および第1の切削工程の切り込み深さと第2の切削工程の切り込み深さとの差に基づいて,切削ブレードの傾斜角度を算出する切削ブレード傾斜角度算出工程と;切削ブレード傾斜角度算出工程において算出された切削ブレードの傾斜角度に基づいて,被加工物が所望の傾斜角度で切削されるように,傾斜手段によって,切削ブレードの傾斜角度を補正する切削ブレード傾斜角度補正工程と;を含む切削ブレード傾斜角度調整方法が提供される。
ここで,本発明におけるX軸,Y軸,Z軸について説明する。Y軸は,被加工物の加工面に対して平行な方向の軸であって,スピンドルの軸心方向の軸である。また,Z軸は,被加工物の加工面に垂直な方向の軸である。また,X軸は,被加工物の加工面に対して平行な方向の軸であって,スピンドルの軸心方向と垂直な方向の軸である。
また,本発明における切り込み深さとは,切削ブレードをテストワークなどに切り込ませた際の切り込み量のZ軸方向の成分であり,切り込み位置とは,切削ブレードをテストワークに切り込んだ位置をいう。
また,切削ブレード傾斜角度補正工程は,例えば,実際に被加工物を切削する際に,切削ブレード傾斜角度算出工程から得られたテストワークを切削したときの切削ブレードの傾斜角度と,所望の切削面の傾斜角度とを比較し,その傾斜角度に差があるときは,切削ブレードの傾斜角度と所望の切削面の傾斜角度とを一致させるように,切削ブレードを上記傾斜手段を使用して回動させることにより,切削ブレードの傾斜角度を補正して,所望の切削面の傾斜角度で被加工物を切削することを可能とするものであってもよい。
上記課題を解決するために,本発明の別の観点によれば,上記切削ブレード傾斜角度調整方法によって,切削ブレードで被加工物を切削する切削方法が提供される。
かかる切削ブレード傾斜角度調整方法およびそれを使用した切削方法によれば,例えば,スピンドルの回転によって切削ブレードに歪みが生じたような場合であっても,切削ブレードの傾斜角度の調節を自動的に行うことにより,所望の切削面の傾斜角度で半導体ウェハなどの被加工物を切削することが可能となる。
したがって,本発明に係る切削ブレード傾斜角度調整方法およびそれを使用した切削方法によれば,スピンドル(あるいは切削ブレード)の傾斜角度を任意の角度に設定しておけば,オペレータの技量に依存することなく,簡単に切削ブレードの傾斜角度を調整することができる。
以上説明したように,本発明によれば,任意の傾斜角度に設定された切削ブレードで切削される被加工物の切削面における実際の傾斜角度を測定することができるので,オペレータの技量に依存することなく,簡単に切削ブレードの傾斜角度を調整できるとともに,切削ブレードの傾斜調節を自動的に行うことにより,被加工物を所望の傾斜角度で切削することが可能な,切削ブレード傾斜角度調整方法,およびそれを使用した切削方法を提供することができる。
以下に添付図面を参照しながら,本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお,本明細書及び図面において,実質的に同一の機能構成を有する構成要素については,同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
(第1の実施形態)
まず,図1および図2を参照しながら,本発明の第1の実施形態に係る切削装置の構成について説明する。なお,図1は,本実施形態に係る切削装置としてのダイシング装置10の全体構成を示す斜視図であり,図2は,本実施形態に係る切削ユニット20を傾斜させて被加工物12を傾斜切削加工する状態を示す説明図である。
図1に示したように,本実施形態に係るダイシング装置10は,例えば,半導体ウェハ等の被加工物12を切削加工する切削ユニット20と,切削ユニット移動機構(図示せず)と,被加工物12を保持するチャックテーブル30と,チャックテーブル移動機構(図示せず)と,スピンドル22を被加工物12の加工面に対して任意の傾斜角度で傾斜させることが可能な傾斜手段40と,制御装置42と,表示装置44と,操作部46とを備える。
切削ユニット20は,図2に示したように,例えば,略リング形状を有する極薄の切削砥石である切削ブレード22と,一端に装着された切削ブレード22を高速回転させるスピンドル24と,スピンドル24を回転可能に支持するスピンドルハウジング26と,を主に備える。かかる構成の切削ユニット20は,切削ブレード22を高速回転させながら被加工物12に切り込ませることにより,被加工物12を切削予定ラインに沿って切削(切断を含む。)して,極薄のカーフ(切溝)を形成することができる。なお,切削時には,各種ノズル(図示せず)により加工点付近に切削水が供給される。
切削ユニット移動機構は,例えば,電動モータ(図示せず)などから構成され,切削ユニット20を例えばX軸,Y軸およびZ軸方向に移動させることができる。この切削ユニット移動機構が切削ユニット20をZ軸方向に移動させることにより,被加工物12に対する切削ブレード22の切り込み深さを調整することができる。また,この切削ユニット移動機構が切削ユニット20をX軸およびY軸方向に移動させることにより,例えば,被加工物12の切削予定ラインに切削ブレード22の刃先位置を合わせることができる。
ここで,本実施形態におけるX軸,Y軸およびZ軸について説明する。本実施形態におけるY軸は,半導体ウェハなどの被加工物12の加工面に対して平行な方向の軸であって,スピンドル24の軸心方向の軸である。また,Z軸は,被加工物12の加工面に垂直な方向の軸である。また,X軸は,被加工物12の加工面に対して平行な方向の軸であって,スピンドル24の軸心方向と垂直な方向の軸である。
また,チャックテーブル30は,図1および図2に示すように,例えば,上面に真空チャック等の真空吸着手段(図示せず)を備えた略円盤状のテーブルであり,そのテーブル面は,例えば略水平(XY平面に対して平行)である。このチャックテーブル30は,例えば,ウェハテープ14を介してフレーム16に支持された状態の略円盤状の被加工物12を,真空吸着して保持することができる。かかるチャックテーブル30は,被加工物を保持した状態で,その回転軸を中心として例えば水平方向に回転することができる。なお,本実施形態にかかる被加工物12は,半導体ウェハなどであり,例えば,回路(半導体素子)が形成された面とは反対側の面である裏面側を上向きにしてチャックテーブル30上に載置される。
チャックテーブル移動機構は,例えば,電動モータ(図示せず)などから構成され,チャックテーブル30をX軸およびY軸方向に移動させたり,水平方向に回転させたりすることができる。これにより,切削加工時には,被加工物12の表面に切削ブレード22の刃先を切り込ませた状態で,当該被加工物12を切削ユニット20に対して切削方向(X軸方向)に平行移動させることができる。
傾斜手段40は,図2に示したように,スピンドル24を任意の角度θだけ傾斜させることにより,切削ユニット20全体を傾斜させて,切削ブレード22と被加工物12の加工面とのなす角度(90−θ)を,例えば90°以下の角度にすることができる。かかる構成により,スピンドル24を傾斜させた状態で,半導体ウェハなどの被加工物12の周縁部を切断し,傾斜した切断面を形成することも可能である。
また,図2に示したように,切削ブレード22を被加工物12に対して切り込み深さZで切り込ませた場合に,切削ブレード22の先端部22aのY軸方向の移動量YとZ軸方向の移動量Zとは,以下の数式1で示される関係を有する。
Figure 2006108219
制御装置42は,例えばダイシング装置10の内部に配設されており,例えば,CPU等で構成された演算処理装置(図示せず。)と,ROM,RAM,ハードディスク等で構成され各種のデータやプログラムなどを記憶する記憶部(図示せず。)とを備える。この制御装置42は,主に,オペレータの入力や予め設定されたプログラム等に基づいて,ダイシング装置10の上記各部の動作を制御する機能を有する。
表示装置44は,例えば,CRTまたはLCD等で構成されたモニタであり,上記制御装置42によって画像処理された画像を表示することができる。また,操作部46は,各種のスイッチ,ボタン,タッチパネル,キーボード等の入力装置などで構成されており,オペレータによるダイシング装置10の各部に対する指示が入力される部分である。
以上のような構成のダイシング装置10は,高速回転させた切削ブレード22を被加工物12に所定の切り込み深さで切り込ませながら,切削ユニット20とチャックテーブル30とを例えばX軸方向に相対移動させることにより,被加工物12を切削予定ラインに沿って切削加工することができる。かかる切削加工を同一方向の全ての切削予定ラインについて繰り返した後に,被加工物12を例えば90°回転させ,新たにX軸方向に配された全ての切削予定ラインについて同様の切削加工を繰り返すことにより,被加工物12をダイシング加工して,複数のチップに分割することができる。
また,ダイシング装置10は,高速回転する切削ブレード22を被加工物の裏面側の周縁部に切り込ませながら,チャックテーブル30を例えば1回転(360°回転)させることにより,被加工物の周縁部を周方向に沿って切断して切断面を形成することができる。なお,この際の切断速度は,チャックテーブル30の回転速度に依存し,例えば,10°/secである。
次に,本実施形態に係る切削ブレード傾斜角度調整方法の動作フローについて説明する。
従来のスピンドルの角度調節機構(傾斜手段)は,例えば,切削ブレードがZ軸方向に回動するようにスピンドルを軸支させ,ある任意の角度にスピンドルを固定できる機構であった。したがって,この角度調節機構は,被加工物に形成された溝を測定して得られた角度によって,切削ブレードを上下に回動させて,オペレータのがこの辺であろうと見当をつけた角度で固定するだけであるので,切削時の切削ブレードの傾斜角度を測定しているわけではない。したがって,自動的に傾斜角度を補正することはできなかった。
本実施形態に係る切削ブレード傾斜角度調整方法は,切削時の切削ブレードの傾斜角度を測定することによって,傾斜手段により設定された切削ブレード(あるいはスピンドル)の傾斜角度を自動的に補正しようとするものである。
本実施形態では,テストワークを切り込み深さを変えて切削し,形成された切削溝を測定することによって,切削時の切削ブレードの傾斜角度を測定することができる。
以下,図3,図4Aおよび図4Bを参照しながら,本実施形態に係る切削ブレード傾斜角度調整方法の動作フローについて詳細に説明する。なお,図3は,本実施形態に係る切削ブレード傾斜角度調整方法の動作フローを示すフローチャートであり,図4Aは,本実施形態に係る第1の切削工程および第2の切削工程において切削ブレードをテストワークに切り込ませた状態を示す説明図であり,図4Bは,本実施形態における切削面の傾斜角度の算出方法を説明するための概念図である。
図3および図4の上図に示したように,本実施形態に係る切削ブレード傾斜角度調整方法においては,まず,傾斜手段40を使用して任意の傾斜角度に設定された切削ブレード22によって,テストワーク12が第1の切り込み深さZで切削される(S102:第1の切削工程)。さらに,第1の切削工程(S102)で設定された角度と同じ傾斜角度に設定された切削ブレード22によって,テストワーク12が第1の切り込み深さZとは異なる第2の切り込み深さZ(Z>Z)で切削される(S104:第2の切削工程)。なお,本実施形態における「切り込み深さ」とは,切削ブレードの先端部22aから切り込み位置22bまでの長さ(切り込み量)のZ軸方向の成分をいう。
具体的には,上記第1の切削工程(S102)および第2の切削工程(S104)においては,図4Aに示したように,切削ブレード22を,テストワーク12上の切削予定ラインまで異なる切り込み深さZ,Zで切り込ませた状態で,チャックテーブル移動手段を用いてチャックテーブル30を図のX軸方向に移動させることにより,テストワーク12に異なる深さの切削溝を形成している。
次に,第1の切削工程(S102)におけるテストワーク12上のY軸方向の切り込み位置22bと,第2の切削工程(S104)におけるテストワーク12上のY軸方向の切り込み位置22bと,をそれぞれ測定する(S106:測定工程)。
かかる測定の方法としては,公知の任意の方法を使用することができる。例えば,本実施形態においては,図4Aに示したように,テストワーク12上に任意に設定した基準位置から切り込み位置22bまでの距離Yと,基準位置から切り込み位置22bまでの距離Yと,を測定している。すなわち,本実施形態においては,これらの距離Y,Yを用いて,切り込み位置を示している。
なお,本実施形態による測定工程(S106)においては,第1の切削工程(S102)および第2の切削工程(S104)の双方の工程が終了した後に,基準位置から第1の切削工程における切り込み位置までの距離Y,および基準位置から第2の切削工程における切り込み位置までの距離Yの双方を測定している。しかし,測定工程は,これ以外にも,例えば,第1の切削工程の後に,第1の切削工程における切り込み位置までの距離Yの測定を行い,その後さらに,第2の切削工程の後に,第2の切削工程における切り込み位置Yの測定を行うものであってもよい。
次に,測定工程(S106)により得られた第1の切削工程における切り込み位置を示すYと第2の切削工程における切り込み位置を示すYとから,切り込み位置の移動量,すなわち,第1の切削工程における切り込み位置から第2の切削工程における切り込み位置までの距離Y−Yを算出する。さらに,算出された切り込み位置の移動量をY−Y,および第1の切削工程の切り込み深さZと第2の切削工程の切り込み深さZとの差を算出する。そして,図4Bに示すように,これらの算出結果を上位数式1にあてはめることにより,テストワーク12切削時の切削ブレード22の傾斜角度θを算出することができる(S108:切削ブレード傾斜角度算出工程)。すなわち,下記の数式2により,切削時の切削ブレード22の傾斜角度θを求めることができる。
Figure 2006108219
上記切削ブレード傾斜角度算出工程(S108)におけるようにして切削時の切削ブレード22の傾斜角度θを算出した後,実際に半導体ウェハなどの被加工物を傾斜角度θ´で切削しようとする場合には,まず,実際に切削しようとする傾斜角度θ´と算出した傾斜角度θとの差Δθを算出する。さらに,傾斜手段40を用いて,ステップS102およびS106において設定したスピンドル24の傾斜角度からΔθだけスピンドル24を回動させることにより,自動的に切削ブレード22(あるいはスピンドル24)の傾斜角度を補正することができる(S110:切削ブレード傾斜角度補正工程)。
このように,本実施形態に係る切削ブレード傾斜角度調整方法によれば,例えば,スピンドル24の回転によって切削ブレード22に歪みが生じたような場合であっても,切削ブレード22の傾斜角度の調節を自動的に行うことにより,所望の切削面の傾斜角度θ´で半導体ウェハWなどの被加工物を切削することが可能となる。
したがって,本実施形態に係る切削ブレード傾斜角度調整方法によれば,スピンドル24(あるいは切削ブレード22)の傾斜角度を任意の角度に設定しておけば,オペレータの技量に依存することなく,簡単に切削ブレード22の傾斜角度を調整することができる。
以上,添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが,本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば,特許請求の範囲に記載された範疇内において,各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり,それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
例えば,上述した第1の実施形態においては,1つの切削ユニット20を有するダイシング装置10の例について説明したが,本発明に係る切削装置としてのダイシング装置は,2つ以上の切削ユニットを有していてもよい。例えば,本発明に係る切削装置は,Y軸方向に互いに対向して配置された2つの切削ユニットを有しているものであってもよい。
本発明は,被加工物の溝加工や切断加工を行う切削装置における切削方法に適用可能であり,特に,被加工物に傾斜溝加工や傾斜切断加工を行う切削装置における切削ブレード傾斜角度調整方法,およびそれを使用した切削方法に適用可能である。
本発明の第1の実施形態に係る切削装置としてのダイシング装置の全体構成を示す斜視図である。 本発明の第1の実施形態における切削ユニットを傾斜させて被加工物を傾斜切削加工する状態を示す説明図である。 本発明の第1の実施形態に係る切削ブレード傾斜角度調整方法の動作フローを示すフローチャートである。 本実施形態に係る第1の切削工程および第2の切削工程において切削ブレードをテストワークに切り込ませた状態を示す説明図 本実施形態における切削時の切削ブレードの傾斜角度の算出方法を説明するための概念図である。 従来技術による光集積回路のダイまたはチップを傾斜切断した状態を示す側面図である。
符号の説明
10 ダイシング装置
12 被加工物
20 切削ユニット
22 切削ブレード
22a 切削ブレード先端部
24 スピンドル
30 チャックテーブル
40 傾斜手段
,Z 切り込み深さ
,Y 切り込み位置(基準位置から切り込み位置までの距離)
θ 切削時の切削ブレードの傾斜角度

Claims (2)

  1. 被加工物を載置するチャックテーブルと;
    前記被加工物を切削するための切削ブレードと;
    前記切削ブレードが装着されるスピンドルと;
    前記スピンドルの軸心方向のY軸と前記被加工物の加工面に垂直な方向のZ軸とを含むYZ平面内において,前記スピンドルを前記被加工物の加工面に対して任意の傾斜角度で相対的に傾斜させることにより,前記切削ブレードを任意の傾斜角度に設定することが可能な傾斜手段と;
    を備える切削装置における切削ブレード傾斜角度調整方法であって:
    任意の傾斜角度に設定された前記切削ブレードによって,テストワーク上の切削予定ラインを第1の切り込み深さで切削する第1の切削工程と;
    前記任意の傾斜角度に設定された前記切削ブレードによって,前記テストワーク上の切削予定ラインを前記第1の切り込み深さとは異なる第2の切り込み深さで切削する第2の切削工程と;
    前記第1の切削工程におけるテストワーク上のY軸方向の切り込み位置と,前記第2の切削工程におけるテストワーク上のY軸方向の切り込み位置と,をそれぞれ測定する測定工程と;
    前記測定工程により得られた前記第1の切削工程における切り込み位置と前記第2の切削工程における切り込み位置とからY軸方向の切り込み位置の移動量を算出し,算出された前記Y軸方向の切り込み位置の移動量および前記第1の切削工程の切り込み深さと前記第2の切削工程の切り込み深さとの差に基づいて,前記切削ブレードの傾斜角度を算出する切削ブレード傾斜角度算出工程と;
    前記切削ブレード傾斜角度算出工程において算出された前記切削ブレードの傾斜角度に基づいて,前記被加工物が所望の傾斜角度で切削されるように,前記傾斜手段によって,前記切削ブレードの傾斜角度を補正する切削ブレード傾斜角度補正工程と;
    を含むことを特徴とする,切削ブレード傾斜角度調整方法。
  2. 請求項1に記載の切削ブレード傾斜角度調整方法を使用して,切削ブレードで被加工物を切削する切削方法。
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