JP2016186958A - ダイシング装置及びダイシング装置によるダイシング方法 - Google Patents

ダイシング装置及びダイシング装置によるダイシング方法 Download PDF

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Abstract

【課題】ブレードの摩耗量を正確に検出することができるダイシング装置及びダイシング装置によるダイシング方法を提供する。
【解決手段】ブレード28の回転軸とマスタ部材56の先端56AとのZ方向における不変の第1距離aを取得する。ブレード28の回転軸とブレード28の外周端の刃先とのZ方向における変動する第2距離bを取得する。ブレード28の回転軸とマスタ部材56の先端56AとのZ方向における変動する第3距離cを取得する。摩耗量演算部74が、基準値である第1距離aに対する第3距離cの変動値に基づいて第2距離bを補正し、温度変化に起因する第2距離bの誤差の成分を取り除く。摩耗量演算部74が、補正した第2距離bをブレードの既知の初期半径値から減算する。
【選択図】図4

Description

本発明は、ダイシング装置及びダイシング装置によるダイシング方法に係り、特にブレードの外周端の刃先の摩耗を検出するダイシング装置及びダイシング装置によるダイシング方法に関する。
電子デバイスを有する複数の半導体素子が形成されたウェーハは、ダイシング装置によって切断又は溝入れ加工が施される。ダイシング装置は、スピンドルによって高速回転される薄い円盤状のブレードと、ウェーハを吸着保持するテーブルと、を備え、高速回転するブレードの外周端の刃先をウェーハに接触させることにより加工を行う。テーブルとブレードは、ダイシング装置に備えられたX、Y、Z、θの各移動機構部によって相対的に移動される。これによって、ダイシング装置はウェーハに対して様々な形状の加工を施すことができる。
また、ダイシング装置では、ブレードによるウェーハの切り残し量を、予め設定された設定値と一致させることが重要である。ウェーハの切り残し量を設定値に一致させるには、ブレードの回転軸の位置を高精度で位置決めする処理、すなわち、カッターセットと称される処理を定期的に行うことが必要である。そして、カッターセットにおいては、ブレードの外周端の刃先の摩耗量を検出し、刃先の摩耗量に基づいてブレードの回転軸の位置を補正することにより、ウェーハの切り残し量を設定値に一致させている。
ブレードの刃先の摩耗量を計測する装置としては、ブレードをテーブルに向けてZ方向に下降させ、ブレードの刃先がテーブルに接触した位置を電気的導通により検出し、このときのブレードの回転軸の位置に基づいて摩耗量を計測する接触式カッターセット装置が知られている。接触式カッターセット装置によれば、ブレードの刃先をテーブルに直接接触させるので、ブレードの刃先の摩耗量を直接計測することができる。
しかしながら、接触式カッターセット装置は、ブレードの刃先をテーブルに接触させるため、ブレードにダメージを与えるおそれがある。
そこで、ブレードにダメージを与えないカッターセット装置として、特許文献1に開示された光学式カッターセット装置が知られている。
光学式カッターセット装置は、投光手段と受光手段とを有し、投光手段と受光手段との間で光軸に直交するZ方向にブレードを移動させ、ブレードによって検出光を徐々に遮光していき、予め設定された受光量に到達したときのブレードの回転軸の位置を検出し、この位置を基準としてブレードの回転軸の位置を補正する。
また、光学式カッターセット装置によってブレードの摩耗量を計測する場合は、加工前にブレードを検出光に向けて下降させ、ブレードが検出光を遮った位置を記録する。ウェーハの加工後に再びブレードを検出光に向けて下降させ、検出光を遮った位置を記録し、この位置と先に記録した位置との差をブレードの摩耗量として計測している。
特開2003−234309号公報
特許文献1に開示された従来のダイシング装置では、光学式カッターセット装置の温度変化等に起因する微小なZ方向の位置ずれを考慮することなく、カッターセットを実施している。このため、光学式カッターセット装置による摩耗量の検出結果は、光学式カッターセット装置のZ方向の位置ずれを含むので、ブレードの摩耗量のみを正確に検出することが困難であった。よって、ウェーハの切り残し量を設定値に確実に一致させることが難しいという問題があった。
また、ダイシング装置では、テーブルにおいても温度変化によってZ方向に位置ずれが生じている。したがって、光学式カッターセット装置の場合には、テーブルのZ方向の位置ずれも考慮してカッターセットを行うことが要求される。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、ブレードの摩耗量を正確に検出することができるダイシング装置及びダイシング装置によるダイシング方法を提供することを目的とする。
本発明のダイシング装置の一態様は、本発明の目的を達成するために、ウェーハに対して相対的にY方向にインデックス送りとZ方向に切り込み送りとがされる円盤状のブレードと、ウェーハを載置してブレードに対し相対的にX方向の切削送りがされるテーブルとを有し、ブレードによってウェーハに切削加工を行うダイシング装置において、ブレードの支持部材に取り付けられ、ブレードとともにZ方向に移動されるマスタ部材と、ブレードの回転軸とマスタ部材の先端とのZ方向における不変の第1距離を取得する第1距離取得手段と、ブレードの回転軸とブレードの外周端とのZ方向における変動する第2距離を取得する第2距離取得手段と、ブレードの回転軸とマスタ部材の先端とのZ方向における変動する第3距離を取得する第3距離取得手段と、第1距離に対する第3距離の変動値に基づいて、第2距離を補正するとともに、補正した補正値をブレードの既知の初期半径値から減算することによりブレードの摩耗量を算出する摩耗量算出手段と、を備える。
本発明のダイシング装置によるダイシング方法の一態様は、本発明の目的を達成するために、ウェーハに対して相対的にY方向にインデックス送りとZ方向に切り込み送りとがされる円盤状のブレードと、ウェーハを載置してブレードに対し相対的にX方向の切削送りがされるテーブルとを有し、ブレードによってウェーハに切削加工を行うダイシング装置によるダイシング方法において、ブレードの支持部材に取り付けられ、ブレードとともにZ方向に移動されるマスタ部材と、ブレードの回転軸とブレードの支持部材に取り付けられたマスタ部材の先端とのZ方向における不変の第1距離を取得する第1距離取得工程と、ブレードの回転軸とブレードの外周端とのZ方向における変動する第2距離を取得する第2距離取得工程と、ブレードの回転軸とマスタ部材の先端とのZ方向における変動する第3距離を取得する第3距離取得工程と、第1距離に対する第3距離の変動値に基づいて、第2距離を補正するとともに、補正した補正値をブレードの既知の初期半径値から減算することによりブレードの摩耗量を算出する算出工程と、算出工程によって算出されたブレードの摩耗量に基づいて、ブレードのZ方向の切り込み送り量を変更する変更工程と、を備える。
本発明の一態様によれば、第1距離取得工程において、ブレードの回転軸とマスタ部材の先端とのZ方向における不変の第1距離を、第1距離取得手段によって取得する。温度変化及びブレードの摩耗に起因して変動する、後述の第2距離及び第3距離に基づいて、ブレードの摩耗量を正確に算出する際に、第1距離が基準値となる。
次に、第2距離取得工程において、ブレードの回転軸とブレードの外周端とのZ方向における変動する第2距離を、第2距離取得手段によって取得する。第2距離は、ブレードの半径であり、ブレードの摩耗に起因して変動する距離である。
次に、第3距離取得工程において、ブレードの回転軸とマスタ部材の先端とのZ方向における変動する第3距離を、第3距離取得手段によって取得する。第3距離は、温度変化に起因して変動する距離である。
次に、算出工程において、基準値である第1距離に対する第3距離の変動値に基づいて、算出手段が第2距離を補正し、温度変化に起因する第2距離の誤差成分を取り除く。これにより、現在の正確な第2距離、すなわち、ブレードの半径を得ることができる。
次に、算出工程において、補正した第2距離をブレードの既知の初期半径値から減算する。これにより、ブレードの摩耗量を正確に検出することができる。
次に、変更工程において、算出工程によって算出されたブレードの摩耗量に基づいて、ブレードのZ方向の切り込み送り量を変更する。これにより、ウェーハの切り残し量を設定値に確実に一致させることができる。
本発明の一態様は、第2距離取得工程、第3距離取得工程、算出工程、及び変更工程を繰り返し行うことが好ましい。
本発明の一態様によれば、ブレードによるウェーハの切り残し量を、予め設定された設定値と一致させる動作を繰り返し行うことができる。
本発明の一態様は、第1距離取得手段は、マスタ部材をZ方向に移動させ、マスタ部材の先端をテーブルに接触させたときの、テーブルに対するブレードの回転軸のZ方向における距離を算出することにより、第1距離を取得することが好ましい。
本発明の一態様によれば、マスタ部材をテーブルに直接接触させて第1距離を取得するので、第1距離の計測精度が向上する。
本発明の一態様は、第2距離取得手段及び第3距離取得手段は、投光手段と受光手段とからなる光学式検出手段を有し、第2距離取得手段は、投光手段と受光手段との間で光軸に直交するZ方向にブレードを移動させ、ブレードによって検出光を徐々に遮光していき、予め設定された受光量に到達したときの、光学式検出手段に対するブレードの回転軸のZ方向における距離を算出することにより、第2距離を取得し、第3距離取得手段は、投光手段と受光手段との間で光軸に直交するZ方向にブレードを移動させ、マスタ部材によって検出光を徐々に遮光していき、予め設定された受光量に到達したときの、光学式検出手段に対するブレードの回転軸のZ方向における距離を算出することにより、第3距離を取得することが好ましい。
本発明の一態様によれば、光学式検出手段によって第2距離及び第3距離を取得する。第2距離及び第3距離は、温度変化及びブレードの刃先の摩耗によって変動する距離であるが、接触式カッターセット装置と比較して、ブレードの刃先にダメージを与えないという利点がある。
第2距離と第3距離とを同一の光学式検出手段によって計測することにより、第2距離及び第3距離の温度変化によるZ方向の誤差成分が等しくなるので、現在の正確な第2距離を取得することができる。
また、マスタ部材をテーブルに直接当接させて第1距離を取得し、光学式検出手段によって第2距離及び第3距離を取得するので、テーブルと光学式検出手段とを関連付けてブレードの刃先の摩耗量を計測することができる。すなわち、光学式検出手段単独で摩耗量を計測するものと比較して、摩耗量の計測精度が大幅に向上する。
本発明の一態様は、マスタ部材は、低熱膨張材料によって製造されることが好ましい。
本発明の一態様によれば、マスタ部材を低熱膨張材料製とすることにより、温度変化によるマスタ部材のZ方向の熱膨張を抑えることができるので、計測精度がより一層向上する。
本発明のダイシング装置及びダイシング装置によるダイシング方法によれば、ブレードの摩耗量を正確に検出することができる。
実施形態のダイシング装置の外観図 図1に示したダイシング装置の加工部の構成を示す斜視図 図1に示したダイシング装置のテーブルの平面図 カッターセット装置を構成する第1距離計測装置の説明図 カッターセット装置を構成する第2距離計測装置の説明図 カッターセット装置を構成する第3距離計測装置の説明図 カッターセット装置の構成を示すブロック図 (A)は場合の第1距離a、第2距離b、及び第3距離cの関係を示した説明図、(B)はブレードの刃先が摩耗し、かつブレード位置検出器及びマスタ位置検出位置が温度変化によりZ方向に位置ずれしたことを示す説明図
以下、添付図面に従って本発明に係るダイシング装置及びダイシング装置によるダイシング方法の好ましい実施形態について詳説する。
〔ダイシング装置10の構成〕
図1は、実施形態のダイシング装置10の外観図である。
ダイシング装置10は、円盤状の複数枚の半導体ウェーハ(ウェーハ)Wが収納されたカセットを外部装置との間で受け渡すロードポート12と、吸着パッド14を有し、半導体ウェーハWを装置各部に搬送する搬送装置16と、半導体ウェーハWを吸引保持するテーブル18と、半導体ウェーハWをダイシング加工する加工部20と、ダイシング加工後の半導体ウェーハWを洗浄し、乾燥させるスピンナ22とを備えている。ダイシング装置10の各部の動作は、制御手段としてのコントローラ24によって制御される。
〈加工部20〉
加工部20には、カメラ26が設けられる。このカメラ26は、半導体ウェーハWの表面を撮像して、半導体ウェーハWを既知のパターンマッチング法によりアライメントするための部材として使用される。
加工部20の内部には、対向配置された一対の円盤状のブレード28と、ブレード28を回転させる高周波モータ内蔵型のスピンドル32とが設けられている。
図2は、加工部20の構成を示す斜視図である。
スピンドル32は、Z移動機構部34に取り付けられている。スピンドル32は、X移動機構部36及びY移動機構部38によって、半導体ウェーハWの表面に沿って相対的に移動される。
X移動機構部36は、X方向に延設された一対のレール40を備え、このレール40にテーブル支持部材42がスライド自在に搭載されている。また、X移動機構部36は、テーブル支持部材42をレール40に沿ってX方向に移動させる不図示の駆動部を備えている。
Y移動機構部38は、Y方向に延設された一対のレール44を備え、このレール44にスライダ46がスライド自在に支持されている。また、Y移動機構部38は、スライダ46をレール44に沿ってY方向に移動させる不図示の駆動部を備えている。
スライダ46は、Z方向に延設された一対のレール48を備え、このレール48にZ移動機構部34のスライダ50がスライド自在に支持されている。また、Z移動機構部34は、スライダ50をレール48に沿ってZ方向に移動させる不図示の駆動部を備えている。
ブレード28はスピンドル32によって、6000rpm〜80000rpmで高速回転されるとともに、Y移動機構部38によって互いに独立してY方向のインデックス送りと、Z移動機構部34によってZ方向の切り込み送りとがなされる。更に、半導体ウェーハWを吸着保持するテーブル18が、X移動機構部36によってX方向の研削送りと、不図示のθ回転機構部によってθ方向に回転されるように構成されている。これらのX、Y、Z、θ方向の動作によって高速回転するブレード28の外周部の刃先が、半導体ウェーハWに接触し、半導体ウェーハWがX、Y方向に切断又は溝入れ加工される。
ブレード28は、ダイヤモンド砥粒やCBN砥粒をニッケルで電着した電着ブレードの他、金属粉末を混入した樹脂で結合したメタルレジンボンドのブレード等が用いられる。
また、前述したX、Y、Z方向の送り量は、不図示のX、Y、Zの各移動機構部を図1のコントローラ24によって制御することによって調整される。コントローラ24は、後述するカッターセット装置によって得られたブレード28の外周端の刃先の摩耗量に基づき、Z移動機構部34によるZ方向の切り込み送り量を制御し、半導体ウェーハWの切断量又は切り残し量を設定値に一致させる。
図3は、テーブル18の平面図である。
テーブル18は、半導体ウェーハWを吸着保持する、平面視円形状の吸着部52と、吸着部52の外側に配置されて吸着部52を支持する、平面視リング状の本体54とを備える。
吸着部52は、テーブル18の中心軸18Aを中心とする円形状に構成される。また、吸着部52は、多孔質部材によって構成されており、不図示の真空源に真空経路を介して接続されている。真空源を駆動することにより、真空経路の空気が吸引され、これによって半導体ウェーハWが吸着部52の表面に真空吸着保持される。また、本体54の表面は、吸着部52の表面に対して同一面上に位置され、この位置に後述するマスタ部材56(図4参照)が当接される。
〔ダイシング装置10の作用〕
図1のダイシング装置10では、まず、複数枚の半導体ウェーハWが収納されたカセットが、不図示の搬送装置、又は手動によってロードポート12に載置される。載置されたカセットから半導体ウェーハWが取り出され、搬送装置16によってテーブル18の表面に載置される。この後、半導体ウェーハWの裏面が、テーブル18の吸着部52の表面に真空吸着保持される。これにより、半導体ウェーハWがテーブル18に保持される。
テーブル18に保持された半導体ウェーハWは、図1のカメラ26によってその表面が撮像され、半導体ウェーハWの表面に形成されたダイシングされるカットラインの位置とブレード28との位置が、不図示のX、Y、θ方向の各移動機構部によりテーブル18の姿勢を調整して合わせられる。
位置合わせが終了し、ダイシング加工が開始されると、スピンドル32が回転を開示し、ブレード28が高速に回転するとともに、不図示のノズルから加工点に切削液が供給される。この状態で半導体ウェーハWは、テーブル18とともにX方向へ切削送りされるとともに、スピンドル32が所定の高さまでZ方向へ下がり、切削加工が行われる。
〔カッターセット装置60〕
図4は、カッターセット装置60を構成する第1距離計測装置62の説明図であり、第1距離計測装置62は、第1距離演算部(第1距離取得手段)64を備える。
図5は、カッターセット装置60を構成する第2距離計測装置66の説明図であり、第2距離計測装置66は、第2距離演算部(第2距離取得手段)68を備える。
図6は、カッターセット装置60を構成する第3距離計測装置70の説明図であり、第3距離計測装置70は、第3距離演算部(第3距離取得手段)72を備える。
図7は、カッターセット装置60の構成を示すブロック図である。
実施形態のカッターセット装置60は、第1距離演算部64によって演算された第1距離a、第2距離演算部68によって演算された第2距離b、及び第3距離演算部72によって演算された第3距離cに基づき、摩耗量演算部(摩耗量演算手段)74がブレード28の刃先の摩耗量のみを計測し、その摩耗量に基づきZ移動機構部34を制御して、ブレード28の回転軸の位置を補正し、ブレード28による半導体ウェーハWの切り残し量を設定値に一致させる。
なお、第2距離計測装置66と第3距離計測装置70は同一の計測装置であり、第2距離演算部68と第3距離演算部72も同一の演算部であるが、明細書では便宜的に別な装置及び部材として説明する。
〈第1距離計測装置62〉
図4に示す第1距離計測装置62は、スピンドル32に固定された板状のマスタ部材56を有する。マスタ部材56の表面は、導電処理されており、同じく導電処理されたテーブル18の本体54に当接されることによって、テーブル18と導通される。
第1距離演算部64は、スピンドル32をテーブル18に向けてZ方向に下降させ、マスタ部材56の先端56Aがテーブル18の本体54の表面に接触した位置を電気的導通により検出し、このときの位置に基づいてブレード28の回転軸28Aとマスタ部材56の先端56AとのZ方向における不変の第1距離aを取得する。
〈第2距離計測装置66〉
図5に示す第2距離計測装置66は、光学式カッターセット装置(光学式検出手段)であるブレード位置検出器80を有する。
ブレード位置検出器80は、投光手段である光源82、グラスファイバー84、レンズ群86、プリズム88、90、レンズ群92、受光手段である受光部94、データ処理部96、及び第2距離演算部68から構成される。
光源82から出射された光束は、グラスファイバー84を介してレンズ群86により集光され、プリズム88によってY方向に反射され、サンプリングエリア98を形成した後、拡散する。拡散した光束は、プリズム90によって反射され、レンズ群92により集光されて受光部94で受光される。
一方、ブレード28は、ブレード位置検出器80の真上からZ方向に下降して、ブレード28の刃先28Bが2つのプリズム88、90間に形成されたサンプリングエリア98の光束(検出光)を、光束の光軸と直交するZ方向に遮る。受光部94は、ブレード28の刃先28Bがサンプリングエリア98の光束を遮ることによって生じる受光量の変化を電気信号に変換してデータ処理部96に送信する。
データ処理部96では、受光量をデータ処理する。第2距離演算部68は、ブレード28の下降移動によって徐々に遮光される検出光の受光量が、予め設定された受光量に到達したときの位置を、ブレード28の回転軸28Aとブレード28の刃先28BとのZ方向における変動する第2距離bとして取得する。
〈第3距離計測装置70〉
図6に示す第3距離計測装置70は、光学式カッターセット装置(光学式検出手段)であるマスタ位置検出器100を有する。マスタ位置検出器100と、図5に示したブレード位置検出器80とは同一部材であるので、ここでは同一の符号を付して説明は省略する。
マスタ部材56は、マスタ位置検出器100の真上からZ方向に下降して、マスタ部材56の先端56Aが2つのプリズム88、90間に形成されたサンプリングエリア98の光束を、光束の光軸と直交するZ方向に遮る。受光部94は、マスタ部材56の先端56Aがサンプリングエリア98の光束を遮ることによって生じる受光量の変化を電気信号に変換してデータ処理部96に送信する。
データ処理部96では、受光量をデータ処理する。第3距離演算部72は、マスタ部材56の下降移動によって徐々に遮光される検出光の受光量が、予め設定された受光量に到達したときの位置を、ブレード28の回転軸28Aとマスタ部材56の先端56AとのZ方向における変動する第3距離cとして取得する。
〔カッターセット装置60の作用〕
まず、図4の如く、ブレード28の回転軸28Aとマスタ部材56の先端56AとのZ方向における不変の第1距離aを、第1距離演算部64によって取得する(第1距離取得工程)。
温度変化及びブレード28の摩耗に起因して変動する、後述の第2距離b及び第3距離cに基づいて、ブレード28の摩耗量を正確に算出する際に、第1距離aが基準値となる。
次に、図5の如く、ブレード28の回転軸28Aとブレード28の外周端の刃先28BとのZ方向における変動する第2距離bを、第2距離演算部68によって取得する(第2距離取得工程)。第2距離bは、ブレード28の半径に相当し、ブレード28の摩耗に起因して変動する距離である。
次に、図6の如く、ブレード28の回転軸28Aとマスタ部材56の先端56AとのZ方向における変動する第3距離cを、第3距離演算部72によって取得する(第3距離取得工程)。第3距離cは、温度変化に起因して変動する距離である。
なお、第3距離取得工程は、第1距離取得工程と第2距離取得工程との間に実施してもよい。
図8(A)は、第1距離a、第2距離b、及び第3距離cの関係を縦軸で示した説明図である。図8(B)は、ブレード28の刃先28Bが破線の位置から実線の位置まで摩耗し、かつブレード位置検出器80及びマスタ位置検出器100が破線の位置から実線の位置に温度変化によりZ方向に位置ずれしたことを示す説明図である。
図8(A)を参照しながら図7の摩耗量演算部74は、基準値である第1距離aに対する第3距離cの変動値を、第1距離aから第3距離を減算することにより取得する。そして、減算して取得した値を第2距離bから減算して第2距離bを補正し、温度変化に起因する第2距離bの誤差成分を取り除く(算出工程)。これにより、現在の正確な第2距離b、すなわち、ブレード28の半径を得ることができる。
同様に図8(B)の如く、ブレード28の刃先28Bが摩耗した場合であって、ブレード位置検出器80及びマスタ位置検出器100が温度変化によりZ方向に位置ずれした場合であっても、図7の摩耗量演算部74は、基準値である第1距離aに対する第3距離c´の変動値に基づいて第2距離b´を補正し、温度変化に起因する第2距離b´の誤差成分を取り除く(算出工程)。これにより、現在の正確な第2距離b´、すなわち、ブレード28の半径を得ることができる。
次に、摩耗量演算部74が、補正した第2距離b、b´(補正値)をブレード28の既知の初期半径値Rから減算する(算出工程)。これにより、ブレード28の摩耗量のみを正確に検出することができる。
次に、摩耗量演算部74によって算出されたブレード28の摩耗量に基づいて、ブレード28のZ方向の切り込み送り量を変更する(変更工程)。これにより、半導体ウェーハWの切り残し量を設定値に確実に一致させることができる。
また、このような第2距離取得工程、第3距離取得工程、算出工程、及び変更工程を繰り返し行うことが好ましい。これにより、ブレード28による半導体ウェーハWの切り残し量を、予め設定された設定値と一致させる動作を繰り返し行うため、精度の高いダイシング加工を継続して実施することができる。
また、図4に示した第1距離演算部64は、マスタ部材56をZ方向に移動させ、マスタ部材56の先端56Aをテーブル18の本体54の表面に接触させたときの、テーブル18に対するブレード28の回転軸のZ方向における距離を算出し、第1距離aを取得している。
これにより、マスタ部材56をテーブル18に直接接触させて第1距離aを取得するので、第1距離aの計測精度が向上する。
また、図5及び図6に示したように、第2距離演算部68及び第3距離演算部72は、光源82と受光部94とからなる光学式カッターセット装置を用いて第2距離b及び第3距離cを取得している。
これにより、ブレード28の刃先28Bにダメージを与えることなく、第2距離bを取得することができる。また、第2距離bと第3距離cとを同一の光学式カッターセット装置によって計測することにより、第2距離b及び第3距離cの温度変化によるZ方向の誤差成分が等しくなるので、現在の正確な第2距離bを取得することができる。
また、マスタ部材56をテーブル18に直接当接させて第1距離aを取得し、光学式カッターセット装置によって第2距離b及び第3距離cを取得するので、テーブル18と光学式カッターセット装置とを関連付けてブレード28の刃先の摩耗量を計測することができる。すなわち、光学式カッターセット装置単独で摩耗量を計測するものと比較して、摩耗量の計測精度が大幅に向上する。
また、マスタ部材56を、セラミックス等の低熱膨張材料によって製造することが好ましい。マスタ部材56を低熱膨張材料製とすることにより、温度変化によるマスタ部材56のZ方向の熱膨張を抑えることができるので、摩耗量の計測精度がより一層向上する。
W…半導体ウェーハ、10…ダイシング装置、12…ロードポート、14…吸着パッド、16…搬送装置、18…テーブル、20…加工部、22…スピンナ、24…コントローラ、26…カメラ、28…ブレード、32…スピンドル、34…Z移動機構部、36…X移動機構部、38…Y移動機構部、40…レール、42…テーブル支持部材、44…レール、46…スライダ、48…レール、50…スライダ、52…吸着部、54…本体、56…マスタ部材、60…カッターセット装置、62…第1距離計測装置、64…第1距離演算部、66…第2距離計測装置、68…第2距離演算部、70…第3距離計測装置、72…第3距離演算部、74…摩耗量演算部、80…ブレード位置検出器、82…光源、84…グラスファイバー、86…レンズ群、88…プリズム、90…プリズム、92…レンズ群、94…受光部、96…データ処理部、98…サンプリングエリア、100…マスタ位置検出器

Claims (6)

  1. ウェーハに対して相対的にY方向にインデックス送りとZ方向に切り込み送りとがされる円盤状のブレードと、前記ウェーハを載置して前記ブレードに対し相対的にX方向の切削送りがされるテーブルとを有し、前記ブレードによって前記ウェーハに切削加工を行うダイシング装置において、
    前記ブレードの支持部材に取り付けられ、前記ブレードとともにZ方向に移動されるマスタ部材と、
    前記ブレードの回転軸と前記マスタ部材の先端とのZ方向における不変の第1距離を取得する第1距離取得手段と、
    前記ブレードの回転軸と前記ブレードの外周端とのZ方向における変動する第2距離を取得する第2距離取得手段と、
    前記ブレードの回転軸と前記マスタ部材の先端とのZ方向における変動する第3距離を取得する第3距離取得手段と、
    前記第1距離に対する前記第3距離の変動値に基づいて、前記第2距離を補正するとともに、補正した補正値を前記ブレードの既知の初期半径値から減算することにより前記ブレードの摩耗量を算出する摩耗量算出手段と、を備える、
    ダイシング装置。
  2. 前記第1距離取得手段は、前記マスタ部材をZ方向に移動させ、前記マスタ部材の先端を前記テーブルに接触させたときの、前記テーブルに対する前記ブレードの回転軸のZ方向における距離を算出することにより、前記第1距離を取得する、
    請求項1に記載のダイシング装置。
  3. 前記第2距離取得手段及び第3距離取得手段は、投光手段と受光手段とからなる光学式検出手段を有し、
    前記第2距離取得手段は、前記投光手段と前記受光手段との間で光軸に直交するZ方向に前記ブレードを移動させ、前記ブレードによって検出光を徐々に遮光していき、予め設定された受光量に到達したときの、前記光学式検出手段に対する前記ブレードの回転軸のZ方向における距離を算出することにより、前記第2距離を取得し、
    前記第3距離取得手段は、前記投光手段と前記受光手段との間で光軸に直交するZ方向に前記ブレードを移動させ、前記マスタ部材によって検出光を徐々に遮光していき、予め設定された受光量に到達したときの、前記光学式検出手段に対する前記ブレードの回転軸のZ方向における距離を算出することにより、前記第3距離を取得する、
    請求項1又は2に記載のダイシング装置。
  4. 前記マスタ部材は、低熱膨張材料によって製造される、
    請求項1、2又は3に記載のダイシング装置。
  5. ウェーハに対して相対的にY方向にインデックス送りとZ方向に切り込み送りとがされる円盤状のブレードと、前記ウェーハを載置して前記ブレードに対し相対的にX方向の切削送りがされるテーブルとを有し、前記ブレードによって前記ウェーハに切削加工を行うダイシング装置によるダイシング方法において、
    前記ブレードの支持部材に取り付けられ、前記ブレードとともにZ方向に移動されるマスタ部材と、
    前記ブレードの回転軸と前記ブレードの支持部材に取り付けられたマスタ部材の先端とのZ方向における不変の第1距離を取得する第1距離取得工程と、
    前記ブレードの回転軸と前記ブレードの外周端とのZ方向における変動する第2距離を取得する第2距離取得工程と、
    前記ブレードの回転軸と前記マスタ部材の先端とのZ方向における変動する第3距離を取得する第3距離取得工程と、
    前記第1距離に対する前記第3距離の変動値に基づいて、前記第2距離を補正するとともに、補正した補正値を前記ブレードの既知の初期半径値から減算することにより前記ブレードの摩耗量を算出する算出工程と、
    前記算出工程によって算出された前記ブレードの摩耗量に基づいて、前記ブレードのZ方向の切り込み送り量を変更する変更工程と、を備える、
    ダイシング装置によるダイシング方法。
  6. 前記第2距離取得工程、前記第3距離取得工程、前記算出工程、及び前記変更工程を繰り返し行う、
    請求項5に記載のダイシング装置によるダイシング方法。
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