JP3848519B2 - 電池電極の製造装置、および電池電極の製造方法 - Google Patents

電池電極の製造装置、および電池電極の製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば、リチウムイオン電池やニッケル水素電池等で用いられる活物質ペーストを集電体上に塗布形成する場合等に利用可能な塗布方法等に関し、特に上層に活物質層、下層に導電層を同時に形成するための電池電極の製造方法等に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、基材上に塗料を多層に塗布することが必要な分野としては、例えば、リチウムイオン電池や磁気テープ等があり、生産性の点から基材上に塗料を同時に多層塗布することや、また、最近、特に軽量,薄型化された携帯電話やパソコン等への2次電池需要の増大に伴い電池容量の向上が強く望まれている。これらに使用する円筒型もしくは角型電池の正極板あるいは負極板のそれぞれの活物質ペースト(以下、単に、ペーストと称す)は、集電体と活物質層との密着性を高めるために、数%の結着剤が添加されている。
【0003】
しかし、ペースト中に一定以上量の結着剤を添加した場合、塗布形成後の乾燥工程におけるマイグレーションの影響により、集電体と活物質層とが剥離しやすくなり、サイクル特性が著しく低下するという電池特性上致命的な欠陥となる。
【0004】
従って、ペーストを塗布する工程において、活物質層と集電体との間に導電層を設けて、活物質層と導電層とを形成する必要がある。
【0005】
活物質ペーストと導電層とを集電体上に同時に塗布して電池電極を製造する方法としては、特開平9−223499号公報に示されている。
【0006】
これは、図13に示すように、集電体202をバックロール201に巻回して、これと対向する位置に複数のスロットにより構成されたエクストルージョンダイを設け、集電体202上にペーストを同時に塗布する多層塗布方法である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記特開平9−223499号公報記載の塗布手段により、金属箔(集電体)に、上層側塗料としての電池用ペーストと、下層側塗料としての導電剤ペーストとを同時に2層塗布したが、塗布幅方向及び金属箔の走行方向の塗膜の厚みムラが何れも大きく、電池用極板としては使用できないという課題のあることが判った。
【0008】
上記塗布手段により得られた同時2層塗布のサンプルの塗布幅方向の塗膜厚みムラを測定した結果、図8(b)に示すような大きなウネリを持ち、厚みバラツキは15%であることを確認した。また、塗膜には塗工スジが多数発生するという課題もあった。
【0009】
このような2つの課題の発生理由としては、次の通りである。
【0010】
即ち、塗布膜の厚みバラツキが大きくなる理由は、エクストルージョンダイの上層側及び下層側の下流側リップのいずれかのエッジが、バックロールの中心より外れることにより、塗布上流側に発生する液溜まりが安定に保持できないことによるものである。さらにいうと、エクストルージョンダイの上層側とバックロールとの距離と、エクストルージョンダイの下層側とバックロールとの距離とを実質上等しくできないことによるものである。
【0011】
また、塗工スジが発生する理由は、下層厚みをできるだけ薄く(1〜3μm以下)塗布することから、エクストルージョンダイの下層側リップと基材との隙間が小さくなりすぎることにより、リップと基材との隙間に異物等が残留することによるものである。
【0012】
また、従来は、湾曲した基材の塗布面に塗料を塗布しなければならないという課題もあった。
【0013】
本発明は、上記課題を考慮し、基材上に、例えば活物質ペーストと導電剤ペーストを同時に2層塗布形成したときの、上層塗料の厚みを実質上均一とすることができる電池電極の製造装置および製造方法を提供することを目的としている。
【0014】
また、本発明は、塗工スジの発生を抑制できる電池電極の製造装置および製造方法を提供することを目的としている。
【0015】
また、本発明は、基材の実質上平面の塗布面に塗料を塗布することができる電池電極の製造装置および製造方法を提供することを目的としている。
【0016】
【課題を解決するための手段】
第1の本発明(請求項1に対応)は、基材を所定の方向に走行させるための第1のガイドロールと、
前記基材の走行方向の前記第1のガイドロールより下流側に配置され、前記第1のガイドロールとともに、前記基材を前記所定の方向に走行させるための第2のガイドロールと、
前記基材上に少なくとも2種類以上の塗料を同時に塗布することができるノズルと、
前記基材と前記ノズルの先端との間隔を実質上一定間隔に維持するための支持手段とを備え、
前記ノズルの先端は、前記基材の走行方向下流側から上流側の順に設けられた、第1のリップと、第2のリップと、第3のリップとを少なくとも有し、
前記第1のリップは、前記第1のリップと前記第2のリップとの間から吐出される塗料の塗布面を平滑化するための第1の平滑化部を有し、
前記第2のリップは、前記第2のリップと前記第3のリップとの間から吐出される塗料の塗布面を平滑化するための第2の平滑化部を有し、
記ノズルの前記第3のリップの前記上流側には、前記第3のリップの先端よりも前記基材の塗布面側に突き出た液溜まり形成凸部が設けられ、
前記第3のリップの先端と前記液溜まり形成凸部とで、前記第2のリップと前記第3のリップとの間から吐出される塗料の液溜まりを形成し、
前記ノズルの前記第3のリップの先端の、前記第2のリップ側終端から前記液溜まり形成凸部までの長さL1が、0.1mm以上5mm以下であり、
前記ノズルの前記第2のリップの前記第1のリップ側の先端の段差の、前記基材の走行方向と実質上同一方向の長さL3が、1mm以上5mm以下である
ことを特徴とする電池電極の製造装置である。
【0017】
第2の本発明(請求項2に対応)は、前記支持手段が、前記基材を直接的にまたは間接的に支持する手段であることを特徴とする第1の本発明に記載の電池電極の製造装置である。
【0018】
第3の本発明(請求項3に対応)は、前記ノズルが、前記基材上に塗布される塗料のうち、上層側の塗料を保持する上層マニホールドと、下層側の塗料を保持する下層マニホールドとを有し、
前記上層側の塗料を貯留している上層タンクから前記上層マニホールドへの前記上層側の塗料の供給と停止とを制御する上層三方弁、および/または、前記下層側の塗料を貯留している下層タンクから前記下層マニホールドへの前記下層側の塗料の供給と停止とを制御する下層三方弁と、
前記ノズル内の前記上層側の塗料を吸排する上層吸排手段、および/または前記下層側の塗料を吸排する下層吸排手段とをさらに備えた
ことを特徴とする第1または第2の本発明に記載の電池電極の製造装置である。
【0019】
第4の本発明(請求項4に対応)は、第1から第3のいずれかの本発明に記載の電池電極の製造装置を用いて、走行する前記基材上に少なくとも2種類以上の塗料を同時に塗布することを特徴とする電池電極の製造方法である。
【0020】
第5の本発明(請求項5に対応)は、前記基材上に塗布される塗料のうち、前記下層側の塗料が導電ペーストであり、前記上層側の塗料が電池電極用の活物質ペーストであることを特徴とする第4の本発明に記載の電池電極の製造方法である。
【0021】
第6の本発明(請求項6に対応)は、前記導電ペーストが水系のペーストであることを特徴とする第5の本発明に記載の電池電極の製造方法である。
【0022】
第7の本発明(請求項7に対応)は、前記活物質ペーストには、結着剤が0.01wt%以上5wt%以下含まれていることを特徴とする第5または第6の本発明に記載の電池電極の製造方法である。
【0023】
第8の本発明(請求項8に対応)は、前記導電ペーストのせん断速度1000(1/S)のときの塗料粘度が0.1mPa・s以上1000mPa・s以下であって、前記導電ペーストを、ウェット厚みが2μm以上100μm以下となるように前記基材上に塗布することを特徴とする第5から第7のいずれかの本発明に記載の電池電極の製造方法である。
【0024】
第9の本発明(請求項9に対応)は、前記電池電極用の活物質ペーストのせん断速度1000(1/S)のときの塗料粘度が1mPa・s以上10000mPa・s以下であることを特徴とする第5から第7のいずれかの本発明に記載の電池電極の製造方法である。
【0025】
第10の本発明(請求項10に対応)は、前記基材上に塗布される塗料のうち、前記下層側の塗料が電池電極用の第1の活物質ペーストであり、前記上層側の塗料が電池電極用の第2の活物質ペーストであって、
前記第1の活物質ペーストには、結着剤が0.01wt%以上10wt%以下含まれており、前記第2の活物質ペーストには、結着剤が0.1wt%以上30wt%以下含まれている
ことを特徴とする第4の本発明に記載の電池電極の製造方法である。
【0026】
第11の本発明(請求項11に対応)は、走行する基材上に少なくとも2種類以上の塗料を同時に塗布することができるノズルと、液溜まり形成凸部とを少なくとも備えた電池電極の製造装置であって、
前記ノズルの先端は、前記基材の走行方向下流側から上流側の順に設けられた、第1のリップと、第2のリップと、第3のリップとを少なくとも有し、
前記第1のリップは、前記第1のリップと前記第2のリップとの間から吐出される塗料の塗布面を平滑化するための第1の平滑化部を有し、
前記第2のリップは、前記第2のリップと前記第3のリップとの間から吐出される塗料の塗布面を平滑化するための第2の平滑化部を有し、
前記液溜まり形成凸部は、前記ノズルの前記第3のリップの前記上流側に設けられ、前記第3のリップの先端よりも前記基材の塗布面側に突き出ており、
前記第3のリップの先端と前記液溜まり形成凸部とで、前記第2のリップと前記第3のリップとの間から吐出される塗料の液溜まりを形成し、
前記ノズルの前記第3のリップの先端の、前記第2のリップ側終端から前記液溜まり形成凸部までの長さL1が、0.1mm以上5mm以下であり、
前記ノズルの前記第2のリップの前記第1のリップ側の先端の段差の、前記基材の走行方向と実質上同一方向の長さL3が、1mm以上5mm以下である
ことを特徴とする電池電極の製造装置である。
【0027】
第12の本発明(請求項12に対応)は、前記第1のリップの先端が、前記第3のリップの先端より前記基材の塗布面に対して遠くなる位置に設けられており、
前記第2のリップにおける前記第1のリップ側の先端は、前記第3のリップ側の先端よりも前記第1のリップ側の先端よりに位置していて、前記第2のリップには段差が形成されており、
前記段差が、前記第1のリップと前記第2のリップとの間から吐出される塗料の液溜まりを形成するためのものである
ことを特徴とする第11の本発明に記載の電池電極の製造装置である。
【0029】
第1の本発明(請求項1に対応)は、前記ノズルの前記第2のリップの先端の前記第2の平滑化部の前記基材の走行方向と実質上同一方向の長さL2が、0.1mm以上5mm以下であることを特徴とする第11または第12の本発明に記載の電池電極の製造装置である。
【0031】
第1の本発明(請求項1に対応)は、前記基材の走行方向と実質上垂直な方向における、前記ノズルの前記第3のリップの先端と、前記液溜まり形成凸部の先端との距離d1が1μm以上100μm以下であることを特徴とする第11から第1のいずれかの本発明に記載の電池電極の製造装置である。
【0032】
第1の本発明(請求項1に対応)は、前記ノズルの前記第2のリップの段差d2が20μm以上500μm以下であることを特徴とする第12から第1のいずれかの本発明に記載の電池電極の製造装置である。
【0033】
第1の本発明(請求項1に対応)は、前記第1のリップの先端と前記基材との隙間の大きさを調整するための隙間調整手段を備えたことを特徴とする第11から第1のいずれかの本発明に記載の電池電極の製造装置である。
【0034】
第1の本発明(請求項1に対応)は、前記ノズルが、前記第1のリップと前記第2のリップの前記第1のリップ側の一部とで構成される上ブロックと、前記第2のリップの残部と前記第3のリップとで少なくとも構成される下ブロックとで構成されることを特徴とする第11から第1のいずれかの本発明に記載の電池電極の製造装置である。
【0035】
【発明の実施の形態】
以下に本発明をその実施の形態を示す図面に基づいて説明する。
【0036】
(第1の実施の形態)
図1に、本発明にかかる第1の実施の形態の電池電極の製造方法を実施するための装置の概略図を示す。
【0037】
本発明にかかる第1の実施の形態を実施するための装置の構成を説明する。
【0038】
ノズル1は、集電体2の塗布面側と摺動し、且つ支持するための支持部108と、第1リップ105と、第2リップ106と、第3リップ107と、ペースト11の溜である上層マニホールド101と、導電ペースト12の溜である下層マニホールド102と、押し出しのための上層スリット103と、下層スリット104とで構成される。
【0039】
また活物質層3と導電層4を間欠的に所定のピッチで2層同時に塗布形成するため、吸引装置9,10は、ピストン901,1001を矢印AもしくはB方向に移動させるためのエアシリンダ902,1002と、これをノズル1へ装着するための治具903,1003とが設けられている。
【0040】
ペースト11と導電ペースト12は、それぞれタンク71,81からポンプ72,82によりフィルター73,83、三方弁74,84を通り、ノズル1の上層マニホールド101または下層マニホールド102へ供給され上層スリット103,下層スリット104から押し出される。
【0041】
集電体2は、支持部108とロール5,6とで支持され且つ、第3リップ107の先端との距離がd1となるように設定されており、また、第2リップ106と第1リップ105との距離がd2となるようにされている。このそれぞれの隙間に上層スリット103、下層スリット104から押し出されたペースト11、導電ペースト12が流れ込み、導電ペースト12のペースト溜まり1201が形成される。
【0042】
そして、このペースト溜まり1201を形成しながら、集電体2の上に、活物質層3と導電層4とが同時に2層塗布形成される。ガイドロール5,6は、ノズル1に対する集電体2の角度を調節できるようにしてある。少なくともノズル1の下流側に位置するガイドロール6は矢印C、D方向に移動可能であることが好ましい。
【0043】
次に、上層に電池電極用のペースト11と下層に導電ペースト12を集電体2上に同時に所定のピッチで間欠的に2層塗布形成する動作について説明する。
【0044】
ペースト11、導電ペースト12の塗布を中断する場合は、三方弁74,84によりポンプ72,82から送られてくるペースト11、導電ペースト12の流れを同時にリターン側に切り替えると同時に、ピストン901,1001を矢印A方向に移動させる。即ち、三方弁74,84の上記切替により、ノズル1へのペースト供給を停止することができ、また、ピストン901,1001の上記移動により、上層スリット103,下層スリット104やペースト溜まり1201に存在するペーストを吸引することができる。これにより、特に塗布終端部の切れがよくなり、間欠的に2層同時塗布が可能となる。
【0045】
次に、塗布再開時には、三方弁74,84によりポンプ72,82から送られてくるペースト11、導電ペースト12の流れを供給側に切り替えることでノズル1へのペースト供給を再開すると同時に、ピストン901,1001を矢印B方向に移動させ、前記吸引したペースト11をノズル内部に戻す。
【0046】
これらの動作の繰り返しにより所定のピッチで間欠的に安定した2層同時塗布ができる。
【0047】
なお、間欠塗布ではなく、連続的に活物質層3、導電剤層4を集電体2上に2層同時塗布する場合には、吸引装置9,10や三方弁74,84は設ける必要がないことは、いうまでもない。
【0048】
次に、本実施の形態の特徴について詳細に説明する。
【0049】
本実施の形態の特徴は、ノズル1に、2つ以上のスリット103,104と、集電体2を支持しながら塗布するための支持部108とを設けて、上層にペースト11、下層に導電ペースト12を同時に塗布することである。
【0050】
特に、電池電極用のペースト11の活物質中の結着剤量を0.01wt%以上、5wt%以下にすることは重要である。活物質中の結着剤量が0.01wt%より小さい場合、活物質層3と導電層4との界面部分における密着性が小さくなりすぎるため、電池性能を低下させる問題が生じる。また、活物質中の結着剤量が5wt%より大きい場合、ペースト11と導電ペースト12とを同時に2層塗布し、その後の乾燥後の活物質層3の密度が低下するため、これもまた電池性能を低下させる問題が生じる。
【0051】
電池電極用のペースト11の活物質中の結着剤量を0.01wt%以上、5wt%以下の範囲にすることにより、図14に示すように、活物質層3中の結着剤の偏在がなく均一に分布することができるため、導電層4と活物質層3との密着性の向上と活物質層3の密度を一定にすることができる。
【0052】
また、せん断速度1000(1/S)の粘度をηとしたとき、0.1mPa・s≦η≦1000mPa・sの範囲とした下層の導電ペースト12のウェット厚みをtとしたとき、2μm≦t≦100μmの範囲にすることは重要である。せん断速度1000(1/S)の粘度をηとしたとき、0.1mPa・s≦η≦1000mPa・sの範囲とした導電ペースト12のウェット厚みが2μmより小さい場合、集電体2と第3リップ107との隙間d1を極めて小さくする必要があるので、隙間d1に引っかかった異物等が残留して塗工スジとなる。
【0053】
また、せん断速度1000(1/S)の粘度をηとしたとき、0.1mPa・s≦η≦1000mPa・sの範囲とした導電ペースト12のウェット厚みが100μmより大きい場合、ペースト11とせん断速度1000(1/S)の粘度をηとしたとき、0.1mPa・s≦η≦1000mPa・sの範囲とした導電ペースト12とを同時に2層塗布し、その後の乾燥後の厚みが厚くなりすぎるため、電池性能を低下させる問題が生じる。
【0054】
また、図11に示すように上層のペースト11のせん断速度1000(1/S)の塗料粘度をηとしたとき、1mPa・s≦η≦10000mPa・sの範囲にすることは重要である。上層のペースト11のせん断速度1000(1/S)の塗料粘度が1mPa・sより小さい場合、ペースト11の表面張力が大きくなり、下層の導電ペースト12との界面を形成することができずに混じり合うため、2層塗布形成ができない。また、上層のペースト11のせん断速度1000(1/S)の塗料粘度が10000mPa・sより大きい場合、上層マニホールド101の圧力が上昇することによる圧力損失の影響により、幅方向の厚みバラツキが大きくなる。
【0055】
また、図12に示すように下層の導電ペースト12のせん断速度1000(1/S)の塗料粘度をηとしたとき、0.1mPa・s≦η≦1000mPa・sの範囲にすることは重要である。下層の導電ペースト12のせん断速度1000(1/S)の塗料粘度が0.1mPa・sより小さい場合、スリット出口に形成する下層のペースト溜まり1201が形成できなくなり、集電対2への導電ペースト12の塗布が乱されて、導電層4の厚みが不均一となる。
【0056】
また、下層の導電ペースト12のせん断速度1000(1/S)の塗料粘度が1000mPa・sより大きい場合、上層のペースト11と同様に下層マニホールド102の圧力が上昇することによる圧力損失の影響により、幅方向の厚みバラツキが大きくなる
【0057】
本実施の形態によれば、上層スリット103、下層スリット104から吐出されたペースト11、導電ペースト12を集電体2上に、2層同時に塗布形成した結果、図8(a)に示すように塗工スジを抑制、且つ、幅方向の厚みが均一な電池電極板を作成することが出来た。
【0058】
なお、上述した第1の実施の形態では、本発明の電池電極の製造装置の支持手段または液溜まり形成凸部の一例として、支持部108を用いた。
【0059】
(第2の実施の形態)
図2、3に、本発明にかかる第2の実施の形態の電池電極の製造装置の概略図を示す。
【0060】
本発明にかかる第2の実施の形態を実施するための装置の構成は実施の形態1と同様のため、同様の機能を有する箇所については説明を省略する。
【0061】
本実施の形態は、図2に示すように、ノズル1の先端は、下流側から第1リップ105、上層塗料の出口である上層スリット103、第2リップ106、下層塗料の出口である下層スリット104、および第3リップ107で構成されている。
【0062】
第1リップ105は、上層塗料の塗布面を平滑にするための上層平滑部1051を有しており、第2リップ106は、下層塗料の塗布面を平滑にするための下層平滑部1062と、上層塗料の液溜まりを形成するための上層液溜まり部1061とを有しており、第3リップ107は、基材(集電体)2を支持するための支持部1072と、下層塗料の液溜まりを形成するための下層液溜まり部1071とを有している。
【0063】
本実施の形態の詳細に関する特徴を図2、3を用いて以下に説明する。
【0064】
第1の特徴は、支持部1072と下層液溜まり部1071との間の空間、すなわち段差d1の部分と、下層平滑部1062の頂部と上層液溜まり部1061との段差d2の部分とにおいて、上層スリット103と下層スリット104からそれぞれ吐出されたペースト11と導電ペースト12の溜まり1101,1201を形成しながら集電体2上に2層同時に塗布することである。
【0065】
ペースト溜まり1101,1201を形成することで、集電体2のノズル方向に対する位置変動が多少あっても、塗布が乱されることなく、活物質層3や導電層4の厚みを均一とすることができる。さらに、上層側のペースト溜まり1101により、下層側のペースト溜まり1201部分への圧力を付与させることができ、極めて薄い導電層4を得ることができる。
【0066】
第2の特徴は、下層スリット104の出口の下端部から、支持部1072の頂部までの、基材走行方向に沿った長さをL1としたとき、0.1mm≦L1≦5mmの範囲にすることは重要である。L1が0.1mmより小さい場合、スリット104出口に形成するペースト溜まり1201が形成できなくなり、集電体2への導電ペースト12の塗布が乱されて、活物質層3や導電層4の厚みが不均一となる。また、L1が5mmよりも大きい場合、スリット出口では集電体2に幅方向でシワが生じやすくなり、活物質層3や導電層4の幅方向の厚み変動が大きくなる。
【0067】
また、下層平滑部1062の、基材走行方向に沿った長さをL2としたとき、0.1mm≦L2≦5mmの範囲にすることは、ペースト11と導電ペースト12を2層同時に塗布する場合に極めて重要である。
【0068】
L2が0.1mmより小さい場合、上層側のペースト溜まり1101からの圧力を受けやすくなり、下層側のペースト溜まり1201への圧力が大きくなりすぎて、ペースト11と導電ペースト12とを2層同時に塗布することができない。また、L2が5mmより大きい場合、上層側のペースト溜まり1101からの圧力が付与されずに、導電層4の厚みを薄く塗布できないため、電池性能を低下させる問題が生じる。
【0069】
また、上層液溜まり部1061の、基材走行方向に沿った長さをL3としたとき、1mm≦L3≦5mmの範囲にすることは、ペースト11と導電ペースト12を2層同時に塗布する場合に極めて重要である。
【0070】
L3が1mmより小さい場合、スリット103出口に形成するペースト溜まり1101を形成できないばかりか、下層側のペースト溜まり1201への圧力が大きくなりすぎて、ペースト11と導電ペースト12とを2層同時に塗布することができない。また、L3が5mmより大きい場合、下層側のペースト溜まり1201部分への圧力を付与することができずに、導電層4の厚みを薄く塗布できないため、電池性能を低下させる問題が生じる。
【0071】
第3の特徴は、支持部1072の頂部の接線と、下層液溜まり部1071との段差をd1としたとき、1μm≦d1≦100μmの範囲にすることは重要である。
【0072】
d1が1μmより小さい場合、ペースト溜まり1201に対する集電体2の押しつけ力が強くなりすぎて、ペースト溜まり1201を安定に形成することができず、活物質層3や導電層4の厚みが不均一となる。また、d1が100μmより大きい場合、ペースト溜まり1201に対する集電体2の押しつけ力が小さすぎて、ペースト溜まり1201を安定に形成することができず、活物質層3や導電層4の厚みがこの場合にも不均一となる。
【0073】
また、下層平滑部1062の頂部の接線と、上層液溜まり部1061との段差をd2としたとき、20μm≦d2≦500μmの範囲にすることは重要である。
【0074】
d2が20μmより小さい場合、ペースト溜まり1101に対する集電体2の押しつけ力が強くなりすぎて、スリット103出口に形成するペースト溜まり1101を形成できないばかりか、下層側のペースト溜まり1201への圧力が大きくなりすぎて、ペースト11と導電ペースト12とを2層同時に塗布することができない。また、d2が500μmより大きい場合、ペースト溜まり1201に対する集電体2の押しつけ力が小さすぎて、ペースト溜まり1201を安定に形成することができず、活物質層3の厚みが不均一となる。
【0075】
本実施の形態の範囲内では、上層スリット103、下層スリット104から吐出されたペースト11、導電ペースト12を集電体2上に、2層同時に塗布形成した結果、図8(a)に示すように幅方向の厚みが均一且つ、導電層4が極めて薄い電池電極板を作成することが出来た。
【0076】
次に、本実施の形態の具体例を説明する。
【0077】
ノズル1は図2に示すもので、d1=20μm、d2=200μm、L2=1mm、上層スリットギャップG=0.5mm、下層スリットギャップG=0.2mmとし、塗布幅480mmである。下層スリット104の出口の下端部から、支持部1072の頂部までの、基材走行方向に沿った長さを0.05〜10mmの範囲で変化させ、さらに、上層液溜まり部1061の、基材走行方向に沿った長さを0.5mm〜10mmの範囲で変化させた。下記の負極,正極のペースト粘度は、それぞれ1000mPa・sとし、アンカーペーストは1mPa・sとした。
【0078】
負極としては、集電体が厚み10μm、幅500mmの銅箔、負極用ペーストは炭素材、CMC及び水を混練したものを用いた。アンカー剤としては、導電性カーボンブラック、結着剤及び水を混練、分散したものを用いた。これらを、まず本実施の形態により集電体上に300〜400mmの所定のピッチで間欠的に活物質層と導電層とを同時に2層塗布形成、乾燥した。
【0079】
正極としては、集電体が厚み20μm、幅500mmのアルミ箔、正極用ペーストはLiCoO2、導電性カーボンブラック、フッ素系樹脂、CMC及び水を混練したものを用いた。アンカー剤は、負極に用いたものと同様とした。これらを、まず本実施の形態により集電体上に所定のピッチで間欠的に活物質層と導電層とを同時に2層塗布形成、乾燥した。
【0080】
得られた正極及び負極板を所定の厚みに圧延した後、所定の幅にスリットしてリチウムイオン2次電池を作成した。比較例として従来の間欠塗布装置により同様の間欠塗布を行った。得られた正極及び負極板を所定の厚みに圧延した後、所定の幅にスリットして比較例のリチウムイオン2次電池を作成した。
【0081】
上記塗布乾燥後の極板と電池に対して以下の評価を行い本実施の形態の効果を確認した。
【0082】
(1)活物質層3の厚みバラツキ
活物質層3について厚みをマイクロメーターにより50箇所測定し、厚みの平均値に対する最大厚みと最小厚みの差を厚みバラツキとして評価した。その結果を、表1にまとめて示す。
【0083】
【表1】
Figure 0003848519
本実施の形態の範囲内であれば、明らかに厚みバラツキを小さくすることができ、電池極板として良好なことがわかる。
【0084】
(2)放電容量
常温において、一定電流(160mA)、終止電圧(4.2V)で充電を完了した2次電池を、一定電流(160mAから3200mA)で放電して、放電開始から低下する電圧が終止電圧(3V)に達したときの放電容量で比較した。結果を図9に示す。本実施の形態による電池は放電容量が従来例による電池に比べて明らかにアップしている。
【0085】
(3)サイクル特性
常温において一定条件(放電:電流1900mA、終止電圧3V、充電:電流160mA、終止電圧4.2V)充放電を繰り返して放電容量を測定し、初期放電容量の90%になったときの充放電回数(サイクル)で比較した。結果を図10に示す。本実施の形態による電池はサイクル特性が従来例による電池に比べて明らかにアップしている。
【0086】
上記評価の結果、本実施の形態の効果を以下にまとめて説明する。
【0087】
第1に、集電体2を支持部1072で支持しながら段差d1、d2を設けることで、ペースト溜まり1101,1201を安定に形成しながら、ペースト11と導電ペースト12とを同時に2層塗布できるため、幅方向の厚みが均一、且つ、塗工スジを抑制した電池電極板を得ることができたことから、製品歩留まりを格段に向上させることができた。
【0088】
第2に、下層平滑部1062の、基材走行方向に沿った長さをL2としたとき、0.1mm≦L2≦5mmの範囲、上層液溜まり部1061の、基材走行方向に沿った長さをL3としたとき、1mm≦L3≦5mmの範囲にすることで、上層のペースト溜まり1101が安定に形成され、且つ、下層のペースト溜まり1201へ圧力が付与されて、導電層4の厚みを極めて薄く塗布できるため、電池電極板に柔軟性をもたらせて活物質層3と導電層4がからみ合うことで、電池電極板の剥がれ強度をアップさせることができ、生産性の格段の向上と製品歩留まりを格段に向上させることができた。
【0089】
第3に、集電体2と活物質層3との間に導電層4を設けることにより、集電体2と導電層4、導電層4と活物質層3とのそれぞれの密着性を向上できるため、活物質中の結着剤量を大幅に減少させることができるので、乾燥時におけるマイグレーションの影響がなく、サイクル特性を向上させることができた。さらに、同時に活物質層3の密度も向上した。その結果、本実施の形態で作成した電池の放電容量を格段に向上させることができた。
【0090】
(第3の実施の形態)
図4〜6に、本発明にかかる第3の実施の形態の電池電極の製造装置の概略図を示す。
【0091】
本実施の形態は、ノズル1の上ブロック1111と集電体2との隙間の調節に関するものであり、それ以外は実施の形態2と同様のため、それ以外の構成は実施の形態2のものを用いることができ、ここでは説明を省略する。
【0092】
本実施の形態の特徴は、図4に示すように、ノズル1が、分割された上ブロック1111と下ブロック1112とでノズル1が構成されている点と、回動手段1008と隙間調節手段1009が設けられている点である。
【0093】
即ち、ノズル1は、図6に示すように、集電体2の塗布面側と摺動し、且つ支持するための支持部1072と、第3リップ107と上流第2リップ1064とを固定ネジ109で締結した下ブロック1112と、第1リップ105と下流第2リップ1063とを固定ネジ118で締結した上ブロック1111と、ペースト11の溜である上層マニホールド101と、導電ペーストの溜である下層マニホールド102と、押し出しのための上層スリット103と、下層スリット104とで構成され、上ブロック1111と下ブロック1112とを固定ネジ110で締結し、さらに、ノズル1を固定ネジ111により、ステージ1007へ締結してある。
【0094】
また、図5に示すように、回動手段1008は、テーブル1007の背板中央部且つ、ノズル1の上ブロック1111の背部へ締結されている。この回動手段1008は、上ブロック1111を振子状に回動させるだけでなく、回動手段1008と上ブロック1111とを固定しているため、段差d2の隙間を調節するときに上ブロック1111と下ブロック1112とを締結している固定ネジ111を緩めたときに生じる上ブロック1111の位置ずれを防止するためにある。
【0095】
また、図4にしめしたノズル1の位置調整機構1000はここでは特に限定するものではないが、例えばエアシリンダ1113とベース1006上に固定されたガイド1005、ストッパー1004で構成する。上ブロック1111の隙間d1を調節するときは、上ブロック1111と下ブロック1112とを固定している固定ネジ110を緩めた後、ノズル1の上ブロック1111の両サイドへ締結されている隙間調節手段1009により、ダイヤルゲージ1010を読みながら、隙間d1に設定する。
【0096】
本実施の形態による装置を用いることで、幅方向の厚みが均一な電池電極板を得ることができる。
【0097】
従って、本実施の形態において、実施の形態2と同様の効果が得られる。
【0098】
(第4の実施の形態)
図7に、本発明にかかる第4の実施の形態の電池電極の製造方法を実施するための装置の概略図を示す。
【0099】
本実施の形態の特徴は、ノズル1に2つのスリット103,104と集電体2を支持しながら塗布するための支持部1072を設けて、上層に活物質中の結着剤量を0.1%以上、30%以下の範囲とした活物質ペースト11、下層に活物質中の結着剤量を0.01%以上、10%以下の範囲とした活物質ペースト12を同時に2層塗布することであり、それ以外の構成は実施の形態2のものを用いることができ、ここでは説明を省略する。
【0100】
本実施の形態において、上層スリット103から押し出される活物質中の結着剤量を0.1%以上、30%以下の範囲にすることは重要である。活物質中の結着剤量が0.1%より小さい場合、下層の活物質層4との密着性が極端に低下するため、活物質層3が剥がれやすくなり電池性能を低下させる問題が生じる。また、活物質中の結着剤量が30%より大きい場合、活物質層3の密度が小さくなるので、この場合においても電池性能を低下させる問題が生じる。
【0101】
また、下層スリット104から押し出される活物質中の結着剤量を0.01%以上、10%以下の範囲にすることは重要である。活物質中の結着剤量が0.01%より小さい場合、集電体2と活物質層4との密着性が極端に低下するため、活物質層の脱落が顕著となり、製品品質上、致命的な問題が生じる。また、活物質中の結着剤が10%より大きい場合、活物質層4の密度が小さくなるので、電池性能を低下させる問題が生じる。
【0102】
本実施の形態の範囲内では、特に、活物質層3と4のトータルの幅方向の厚みを均一にすることができる。
【0103】
従って、本実施の形態において、実施の形態2と同様の効果が得られる。
【0104】
【発明の効果】
以上述べたところから明らかな様に本発明は、上層塗料と下層塗料とを同時に基材に2層塗布形成したときの、上層塗料の厚みを実質上均一とする電池電極の製造装置および製造方法を提供することができる。
【0105】
また、本発明は、塗工スジの発生を抑制する電池電極の製造装置および製造方法を提供することができる。
【0106】
また、本発明は、基材の実質上平面の塗布面に塗料を塗布する電池電極の製造装置および製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる第1の実施の形態の製造装置を示す略示構成図
【図2】本発明にかかる第2の実施の形態の製造装置を示す略示構成図
【図3】第2の実施の形態における、ノズル1の先端形状を説明するための略示構成図
【図4】本発明にかかる第3の実施の形態の製造装置を示す略示構成図
【図5】第3の実施の形態における、位置調整機構1000を説明するための略示構成図
【図6】第3の実施の形態における、ノズル1を示す略示構成図
【図7】本発明にかかる第4の実施の形態の製造装置を示す略示構成図
【図8】(a):第1の実施の形態による塗膜の断面図
(b):従来例による塗膜の断面図
【図9】第1〜4の実施の形態における放電容量の測定結果を説明するための図
【図10】第1〜4の実施の形態におけるサイクル特性の測定結果を説明するための図
【図11】本実施の形態で使用した上層塗料のレオロジー特性を示す図
【図12】本実施の形態で使用した下層塗料のレオロジー特性を示す図
【図13】従来例による装置を示す略示構成図
【図14】本発明にかかる第1の実施の形態の電池極板の構成図
【符号の説明】
1 ノズル
2 集電体
3 活物質層
4 導電層
5 ロール
6 ロール
7 上層の供給系
8 下層の供給系
9 吸引装置
10 吸引装置
11 ペースト
12 導電ペースト
71 タンク
72 ポンプ
73 フィルター
74 三方弁
101 上層マニホールド
102 下層マニホールド
103 上層スリット
104 下層スリット
105 第1リップ
106 第2リップ
107 第3リップ
108 支持部
109 固定ネジ
110 固定ネジ
111 固定ネジ
118 固定ネジ
901 ピストン
902 エアシリンダ
903 治具
1000 位置調整機構
1001 ピストン
1002 エアシリンダ
1003 治具1003
1004 ストッパー
1005 ガイド
1006 ベース
1007 テーブル
1008 回動手段
1009 隙間調節手段
1010 ダイヤルゲージ
1111 上ブロック
1112 下ブロック
1113 エアシリンダ
1051 上層平滑部
1061 上層液溜まり部
1062 下層平滑部
1063 下流第2リップ
1064 上流第2リップ
1071 下層液溜まり部
1072 支持部
1101 ペースト溜まり
1201 ペースト溜まり

Claims (17)

  1. 基材を所定の方向に走行させるための第1のガイドロールと、
    前記基材の走行方向の前記第1のガイドロールより下流側に配置され、前記第1のガイドロールとともに、前記基材を前記所定の方向に走行させるための第2のガイドロールと、
    前記基材上に少なくとも2種類以上の塗料を同時に塗布することができるノズルと、
    前記基材と前記ノズルの先端との間隔を実質上一定間隔に維持するための支持手段とを備え、
    前記ノズルの先端は、前記基材の走行方向下流側から上流側の順に設けられた、第1のリップと、第2のリップと、第3のリップとを少なくとも有し、
    前記第1のリップは、前記第1のリップと前記第2のリップとの間から吐出される塗料の塗布面を平滑化するための第1の平滑化部を有し、
    前記第2のリップは、前記第2のリップと前記第3のリップとの間から吐出される塗料の塗布面を平滑化するための第2の平滑化部を有し、
    記ノズルの前記第3のリップの前記上流側には、前記第3のリップの先端よりも前記基材の塗布面側に突き出た液溜まり形成凸部が設けられ、
    前記第3のリップの先端と前記液溜まり形成凸部とで、前記第2のリップと前記第3のリップとの間から吐出される塗料の液溜まりを形成し、
    前記ノズルの前記第3のリップの先端の、前記第2のリップ側終端から前記液溜まり形成凸部までの長さL1が、0.1mm以上5mm以下であり、
    前記ノズルの前記第2のリップの前記第1のリップ側の先端の段差の、前記基材の走行方向と実質上同一方向の長さL3が、1mm以上5mm以下である
    ことを特徴とする電池電極の製造装置。
  2. 前記支持手段は、前記基材を直接的にまたは間接的に支持する手段であることを特徴とする請求項1に記載の電池電極の製造装置。
  3. 前記ノズルは、前記基材上に塗布される塗料のうち、上層側の塗料を保持する上層マニホールドと、下層側の塗料を保持する下層マニホールドとを有し、
    前記上層側の塗料を貯留している上層タンクから前記上層マニホールドへの前記上層側の塗料の供給と停止とを制御する上層三方弁、および/または、前記下層側の塗料を貯留している下層タンクから前記下層マニホールドへの前記下層側の塗料の供給と停止とを制御する下層三方弁と、
    前記ノズル内の前記上層側の塗料を吸排する上層吸排手段、および/または前記下層側の塗料を吸排する下層吸排手段とをさらに備えた
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の電池電極の製造装置。
  4. 請求項1から3のいずれかに記載の電池電極の製造装置を用いて、走行する前記基材上に少なくとも2種類以上の塗料を同時に塗布することを特徴とする電池電極の製造方法。
  5. 前記基材上に塗布される塗料のうち、前記下層側の塗料が導電ペーストであり、前記上層側の塗料が電池電極用の活物質ペーストであることを特徴とする請求項4に記載の電池電極の製造方法。
  6. 前記導電ペーストが水系のペーストであることを特徴とする請求項5に記載の電池電極の製造方法。
  7. 前記活物質ペーストには、結着剤が0.01wt%以上5wt%以下含まれていることを特徴とする請求項5または6に記載の電池電極の製造方法。
  8. 前記導電ペーストのせん断速度1000(1/S)のときの塗料粘度が0.1mPa・s以上1000mPa・s以下であって、前記導電ペーストを、ウェット厚みが2μm以上100μm以下となるように前記基材上に塗布することを特徴とする請求項5から7のいずれかに記載の電池電極の製造方法。
  9. 前記電池電極用の活物質ペーストのせん断速度1000(1/S)のときの塗料粘度が1mPa・s以上10000mPa・s以下であることを特徴とする請求項5から7のいずれかに記載の電池電極の製造方法。
  10. 前記基材上に塗布される塗料のうち、前記下層側の塗料が電池電極用の第1の活物質ペーストであり、前記上層側の塗料が電池電極用の第2の活物質ペーストであって、
    前記第1の活物質ペーストには、結着剤が0.01wt%以上10wt%以下含まれており、前記第2の活物質ペーストには、結着剤が0.1wt%以上30wt%以下含まれている
    ことを特徴とする請求項4に記載の電池電極の製造方法。
  11. 走行する基材上に少なくとも2種類以上の塗料を同時に塗布することができるノズルと、液溜まり形成凸部とを少なくとも備えた電池電極の製造装置であって、
    前記ノズルの先端は、前記基材の走行方向下流側から上流側の順に設けられた、第1のリップと、第2のリップと、第3のリップとを少なくとも有し、
    前記第1のリップは、前記第1のリップと前記第2のリップとの間から吐出される塗料の塗布面を平滑化するための第1の平滑化部を有し、
    前記第2のリップは、前記第2のリップと前記第3のリップとの間から吐出される塗料の塗布面を平滑化するための第2の平滑化部を有し、
    前記液溜まり形成凸部は、前記ノズルの前記第3のリップの前記上流側に設けられ、前記第3のリップの先端よりも前記基材の塗布面側に突き出ており、
    前記第3のリップの先端と前記液溜まり形成凸部とで、前記第2のリップと前記第3のリップとの間から吐出される塗料の液溜まりを形成し、
    前記ノズルの前記第3のリップの先端の、前記第2のリップ側終端から前記液溜まり形成凸部までの長さL1が、0.1mm以上5mm以下であり、
    前記ノズルの前記第2のリップの前記第1のリップ側の先端の段差の、前記基材の走行方向と実質上同一方向の長さL3が、1mm以上5mm以下である
    ことを特徴とする電池電極の製造装置。
  12. 前記第1のリップの先端は、前記第3のリップの先端より前記基材の塗布面に対して遠くなる位置に設けられており、
    前記第2のリップにおける前記第1のリップ側の先端は、前記第3のリップ側の先端よりも前記第1のリップ側の先端よりに位置していて、前記第2のリップには段差が形成されており、
    前記段差は、前記第1のリップと前記第2のリップとの間から吐出される塗料の液溜まりを形成するためのものである
    ことを特徴とする請求項11に記載の電池電極の製造装置。
  13. 前記ノズルの前記第2のリップの先端の前記第2の平滑化部の前記基材の走行方向と実質上同一方向の長さL2が、0.1mm以上5mm以下であることを特徴とする請求項11または12に記載の電池電極の製造装置。
  14. 前記基材の走行方向と実質上垂直な方向における、前記ノズルの前記第3のリップの先端と、前記液溜まり形成凸部の先端との距離d1が1μm以上100μm以下であることを特徴とする請求項11から1のいずれかに記載の電池電極の製造装置。
  15. 前記ノズルの前記第2のリップの段差d2が20μm以上500μm以下であることを特徴とする請求項12から1のいずれかに記載の電池電極の製造装置。
  16. 前記第1のリップの先端と前記基材との隙間の大きさを調整するための隙間調整手段を備えたことを特徴とする請求項11から1のいずれかに記載の電池電極の製造装置。
  17. 前記ノズルは、前記第1のリップと前記第2のリップの前記第1のリップ側の一部とで構成される上ブロックと、前記第2のリップの残部と前記第3のリップとで少なくとも構成される下ブロックとで構成されることを特徴とする請求項11から1のいずれかに記載の電池電極の製造装置。
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