JP3847476B2 - ユニバ−サルジョイント - Google Patents
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- Engineering & Computer Science (AREA)
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- Rolling Contact Bearings (AREA)
Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば自動車等に使用されるユニバーサルジョイントに関する。
【０００２】
【従来の技術】
従来、ユニバーサルジョイントにおいては、断面コ字状の有底の軸受ケースに十字軸体の軸部が挿入され、軸受ケースの筒部内周面に配置された針状コロおよび有底部内面に配置された輪状ワッシャにて十字軸体の軸部周面および端面が支承され、軸部中央部に輪状ワッシャの中間空間部に開口する潤滑剤通路が形成され、輪状ワッシャの両端面に、ワッシャ内縁部から外縁部に連通して潤滑剤通路からの潤滑剤を針状ころ部に供給するための複数本の潤滑剤供給溝が形成されている。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】
上記輪状ワッシャにおける潤滑剤供給溝は、機能的には十字軸体の軸部側端面のみに形成するだけで十分であるが、輪状ワッシャの軸受ケース内への組み付けの際に逆組みにならないように表裏判別が行われるが、現実にはその測定が非常に困難であった。そこで、表裏判別作業を省略するため、輪状ワッシャの両端面にそれぞれ複数本の潤滑剤供給溝が形成されている。しかし、輪状ワッシャの両端面にそれぞれ複数本の潤滑剤供給溝が形成されるため、両面の潤滑剤供給溝が同一位置に形成されると供給溝部での板厚が薄くなり強度低下を招くことがある。この強度低下を防止するため、輪状ワッシャの両端面にそれぞれ９０度等配の供給溝を形成して表裏の位相を４５度ずらし、供給溝部での板厚を厚くして強度確保を行っているが、ジョイント角を考慮した潤滑剤供給溝の本数の形成が難かしい。
【０００４】
本発明は、輪状ワッシャの片側端面のみに潤滑剤供給溝を形成しても表裏判別が容易に行うことができる輪状ワッシャを有するユニバーサルジョイントを提供することを目的とする。
【０００５】
【課題を解決するための手段】
この発明は、有底の軸受ケースに十字軸体の軸部が挿入され、軸受ケースの筒部内周面に配置された軸受部材および有底部内面に配置された輪状ワッシャにて十字軸体の軸部の周面および端面が支承され、軸部中央部に輪状ワッシャの中央空間部に開口する潤滑剤通路が形成され、輪状ワッシャ内縁部から外縁部に連通し潤滑剤を軸受部材に供給するための複数本の潤滑剤供給溝が形成されたユニバーサルジョイントにおいて、上記輪状ワッシャの潤滑剤供給溝が軸部側の端面のみに形成されるとともに、この潤滑剤供給溝が形成された輪状ワッシャ端面側の内縁部に周状凹段部が形成されたことを特徴とする。
【０００６】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の具体的な実施の形態について図面を参照しながら説明する。
図１はこの発明のユニバーサルジョイントの一部断面図であり、断面コ字状の有底の軸受ケース１に十字軸体４の軸部５が挿入され、軸受ケース１の筒部３内周面に配置された針状ころ６および有底部２内面に配置された輪状ワッシャ７にて十字軸体４の軸部５の周面５ａおよび端面５ｂが支承され、軸部５中央部に輪状ワッシャ７の中央空間部８に開口する潤滑剤通路９が形成され、輪状ワッシャ７の軸部５側の端面７ａのみに、内縁部１１から外縁部１２に連通し潤滑剤を針状ころ６に供給するための複数本の潤滑剤供給溝１０が形成されている。なお上記針状ころ６の代わりメタル等のすべり部材を用いた軸受部材としてもよい。
【０００７】
さらに、図２（Ａ）、（Ｂ）にてよく理解できるように、上記輪状ワッシャ７の潤滑剤供給溝１０が形成された端面７ａの内縁部１１に周状凹段部１３が形成されている。すなわち、上記輪状ワッシャ７は、周状凹段部１３を除く面に潤滑剤供給溝１０が形成されている。
【０００８】
次に、本発明の輪状ワッシャの組み付け時の表裏判別について、図３、図４に基づいて説明する。輪状ワッシャ７の周状凹段部１３の直径よりやや大径の円柱状治具１４を使用し、この端面１４ａの外径部に周状凹段部１５を形成して治具端部１４ｂが輪状ワッシャ７の周状凹段部１３内に嵌合可能とする。なお、この時、周状凹段部１５を形成した治具端部１４ｂの直径は、輪状ワッシャ７の内縁部１１の直径より大とされている。従って、図３は輪状ワッシャ７の正常な組み付け状態であり、治具端面１４ａが輪状ワッシャ７の周状凹段部１１に嵌合されて治具端面１４ａの周状凹段部１５底面が輪状ワッシャ７端面に当接している。このときの治具１４の位置をダイヤルゲージ等の測定器具１６にて正常値を確認し、輪状ワッシャ７の正常な組み付け状態であることを確認する。
【０００９】
また、図４は輪状ワッシャ７の逆組み付け状態であり、輪状ワッシャ７の周状凹段部１１が軸受ケース１の有底部２側に向いているため、治具端部１４ｂの直径が輪状ワッシャ７の内縁部１１の直径より大の状態とされている。従って、治具端面１４ａは輪状ワッシャ７の端面に当接し、すなわち、治具端部１４ｂが輪状ワッシャ７の周状凹段部１１に嵌合されないため、この状態で治具１４の位置を測定器具１６にて確認すると、正規の位置より周状凹段部１５を形成した治具端部１４ｂの分だけずれるため、輪状ワッシャ７の逆組み付け状態であることを確認できる。
【００１０】
【発明の効果】
本発明では、ユニバーサルジョイントにおいて、輪状ワッシャの潤滑剤供給溝が軸部側の端面のみに形成されるとともに、この潤滑剤供給溝が形成された輪状ワッシャ端面側の内縁部に周状凹段部が形成されたことにより、輪状ワッシャの強度を低下させることなく表裏判別が確実かつ容易に行うことができる。また、輪状ワッシャの片面のみに潤滑剤供給溝を形成するだけであるのでジョイント角を考慮した潤滑剤供給溝の形成が容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の実施形態であるユニバーサルジョイントの一部断面図である。
【図２】（Ａ）は本発明の輪状ワッシャの断面図であり、（Ｂ）は輪状ワッシャの平面図である。
【図３】輪状ワッシャの正常な組み付け状態での治具による測定状態図である。
【図４】輪状ワッシャの逆組み付け状態での治具による測定状態図である。
【符号の説明】
１ 軸受ケース
２ 有底部
３ 筒部
４ 十字軸体
５ 軸部
６ 針状ころ
７ 輪状ワッシャ
９ 潤滑剤通路
１０ 潤滑剤供給溝
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば自動車等に使用されるユニバーサルジョイントに関する。
【０００２】
【従来の技術】
従来、ユニバーサルジョイントにおいては、断面コ字状の有底の軸受ケースに十字軸体の軸部が挿入され、軸受ケースの筒部内周面に配置された針状コロおよび有底部内面に配置された輪状ワッシャにて十字軸体の軸部周面および端面が支承され、軸部中央部に輪状ワッシャの中間空間部に開口する潤滑剤通路が形成され、輪状ワッシャの両端面に、ワッシャ内縁部から外縁部に連通して潤滑剤通路からの潤滑剤を針状ころ部に供給するための複数本の潤滑剤供給溝が形成されている。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】
上記輪状ワッシャにおける潤滑剤供給溝は、機能的には十字軸体の軸部側端面のみに形成するだけで十分であるが、輪状ワッシャの軸受ケース内への組み付けの際に逆組みにならないように表裏判別が行われるが、現実にはその測定が非常に困難であった。そこで、表裏判別作業を省略するため、輪状ワッシャの両端面にそれぞれ複数本の潤滑剤供給溝が形成されている。しかし、輪状ワッシャの両端面にそれぞれ複数本の潤滑剤供給溝が形成されるため、両面の潤滑剤供給溝が同一位置に形成されると供給溝部での板厚が薄くなり強度低下を招くことがある。この強度低下を防止するため、輪状ワッシャの両端面にそれぞれ９０度等配の供給溝を形成して表裏の位相を４５度ずらし、供給溝部での板厚を厚くして強度確保を行っているが、ジョイント角を考慮した潤滑剤供給溝の本数の形成が難かしい。
【０００４】
本発明は、輪状ワッシャの片側端面のみに潤滑剤供給溝を形成しても表裏判別が容易に行うことができる輪状ワッシャを有するユニバーサルジョイントを提供することを目的とする。
【０００５】
【課題を解決するための手段】
この発明は、有底の軸受ケースに十字軸体の軸部が挿入され、軸受ケースの筒部内周面に配置された軸受部材および有底部内面に配置された輪状ワッシャにて十字軸体の軸部の周面および端面が支承され、軸部中央部に輪状ワッシャの中央空間部に開口する潤滑剤通路が形成され、輪状ワッシャ内縁部から外縁部に連通し潤滑剤を軸受部材に供給するための複数本の潤滑剤供給溝が形成されたユニバーサルジョイントにおいて、上記輪状ワッシャの潤滑剤供給溝が軸部側の端面のみに形成されるとともに、この潤滑剤供給溝が形成された輪状ワッシャ端面側の内縁部に周状凹段部が形成されたことを特徴とする。
【０００６】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の具体的な実施の形態について図面を参照しながら説明する。
図１はこの発明のユニバーサルジョイントの一部断面図であり、断面コ字状の有底の軸受ケース１に十字軸体４の軸部５が挿入され、軸受ケース１の筒部３内周面に配置された針状ころ６および有底部２内面に配置された輪状ワッシャ７にて十字軸体４の軸部５の周面５ａおよび端面５ｂが支承され、軸部５中央部に輪状ワッシャ７の中央空間部８に開口する潤滑剤通路９が形成され、輪状ワッシャ７の軸部５側の端面７ａのみに、内縁部１１から外縁部１２に連通し潤滑剤を針状ころ６に供給するための複数本の潤滑剤供給溝１０が形成されている。なお上記針状ころ６の代わりメタル等のすべり部材を用いた軸受部材としてもよい。
【０００７】
さらに、図２（Ａ）、（Ｂ）にてよく理解できるように、上記輪状ワッシャ７の潤滑剤供給溝１０が形成された端面７ａの内縁部１１に周状凹段部１３が形成されている。すなわち、上記輪状ワッシャ７は、周状凹段部１３を除く面に潤滑剤供給溝１０が形成されている。
【０００８】
次に、本発明の輪状ワッシャの組み付け時の表裏判別について、図３、図４に基づいて説明する。輪状ワッシャ７の周状凹段部１３の直径よりやや大径の円柱状治具１４を使用し、この端面１４ａの外径部に周状凹段部１５を形成して治具端部１４ｂが輪状ワッシャ７の周状凹段部１３内に嵌合可能とする。なお、この時、周状凹段部１５を形成した治具端部１４ｂの直径は、輪状ワッシャ７の内縁部１１の直径より大とされている。従って、図３は輪状ワッシャ７の正常な組み付け状態であり、治具端面１４ａが輪状ワッシャ７の周状凹段部１１に嵌合されて治具端面１４ａの周状凹段部１５底面が輪状ワッシャ７端面に当接している。このときの治具１４の位置をダイヤルゲージ等の測定器具１６にて正常値を確認し、輪状ワッシャ７の正常な組み付け状態であることを確認する。
【０００９】
また、図４は輪状ワッシャ７の逆組み付け状態であり、輪状ワッシャ７の周状凹段部１１が軸受ケース１の有底部２側に向いているため、治具端部１４ｂの直径が輪状ワッシャ７の内縁部１１の直径より大の状態とされている。従って、治具端面１４ａは輪状ワッシャ７の端面に当接し、すなわち、治具端部１４ｂが輪状ワッシャ７の周状凹段部１１に嵌合されないため、この状態で治具１４の位置を測定器具１６にて確認すると、正規の位置より周状凹段部１５を形成した治具端部１４ｂの分だけずれるため、輪状ワッシャ７の逆組み付け状態であることを確認できる。
【００１０】
【発明の効果】
本発明では、ユニバーサルジョイントにおいて、輪状ワッシャの潤滑剤供給溝が軸部側の端面のみに形成されるとともに、この潤滑剤供給溝が形成された輪状ワッシャ端面側の内縁部に周状凹段部が形成されたことにより、輪状ワッシャの強度を低下させることなく表裏判別が確実かつ容易に行うことができる。また、輪状ワッシャの片面のみに潤滑剤供給溝を形成するだけであるのでジョイント角を考慮した潤滑剤供給溝の形成が容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の実施形態であるユニバーサルジョイントの一部断面図である。
【図２】（Ａ）は本発明の輪状ワッシャの断面図であり、（Ｂ）は輪状ワッシャの平面図である。
【図３】輪状ワッシャの正常な組み付け状態での治具による測定状態図である。
【図４】輪状ワッシャの逆組み付け状態での治具による測定状態図である。
【符号の説明】
１ 軸受ケース
２ 有底部
３ 筒部
４ 十字軸体
５ 軸部
６ 針状ころ
７ 輪状ワッシャ
９ 潤滑剤通路
１０ 潤滑剤供給溝
Claims (1)
- 有底の軸受ケースに十字軸体の軸部が挿入され、軸受ケースの筒部内周面に配置された軸受部材および有底部内面に配置された輪状ワッシャにて十字軸体の軸部の周面および端面が支承され、軸部中央部に輪状ワッシャの中央空間部に開口する潤滑剤通路が形成され、輪状ワッシャ内縁部から外縁部に連通し潤滑剤を軸受部材に供給するための複数本の潤滑剤供給溝が形成されたユニバーサルジョイントにおいて、上記輪状ワッシャの潤滑剤供給溝が軸部側の端面のみに形成されるとともに、この潤滑剤供給溝が形成された輪状ワッシャ端面側の内縁部に周状凹段部が形成されたことを特徴とするユニバーサルジョイント。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP33658498A JP3847476B2 (ja) | 1998-11-11 | 1998-11-11 | ユニバ−サルジョイント |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP33658498A JP3847476B2 (ja) | 1998-11-11 | 1998-11-11 | ユニバ−サルジョイント |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2000145806A JP2000145806A (ja) | 2000-05-26 |
| JP3847476B2 true JP3847476B2 (ja) | 2006-11-22 |
Family
ID=18300669
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP33658498A Expired - Fee Related JP3847476B2 (ja) | 1998-11-11 | 1998-11-11 | ユニバ−サルジョイント |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP3847476B2 (ja) |
Families Citing this family (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP4844471B2 (ja) | 2007-05-14 | 2011-12-28 | 株式会社ジェイテクト | 十字軸継手 |
| CN103758880A (zh) * | 2013-12-27 | 2014-04-30 | 镇江恒宇传动机械有限责任公司 | 一种新型万向联轴器十字包固定结构 |
| JP7327546B1 (ja) * | 2022-02-17 | 2023-08-16 | いすゞ自動車株式会社 | 車両のコネクタ固定構造 |
-
1998
- 1998-11-11 JP JP33658498A patent/JP3847476B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JP2000145806A (ja) | 2000-05-26 |
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Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20060201 |
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