JP3847200B2 - 皮膚外用剤 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、皮膚の肌荒れ及び老化防止作用に優れ、皮膚中での活性酸素生成に起因する過酸化脂質の生成や、肌の炎症,肌荒れを防止あるいは改善する効果を有する皮膚外用剤に関する。詳細には、冬虫夏草を超臨界流体又は亜臨界流体により抽出して得られる抽出物と、抗酸化成分から選択される1種又は2種以上を配合した、皮膚外用剤に関する。
【0002】
【従来の技術】
紫外線や内在性酸素に起因する酸化ストレスの皮膚に及ぼす悪影響が明らかになるにつれ、抗酸化作用を有する物質の皮膚外用剤への応用が検討されてきた。これら抗酸化性物質としては、ビタミンE類、ビタミンC類といった抗酸化性ビタミン類が代表的なものとして挙げられる。
【0003】
しかしながら、上記の抗酸化性ビタミン類は、光や酸化剤に対して不安定であったり、安定性を改善した誘導体においても抗酸化活性が十分ではなく、皮膚外用剤に配合して十分有効な効果を得るには、かなり高濃度必要で、外用剤の剤型によっては溶解性の問題から配合が困難であったり、製剤安定性に悪影響を及ぼしたりすることがあった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
抗酸化効果が相乗的に増強され、少量の配合により抗酸化成分の効果を十分に発揮し、皮膚の肌荒れ及び老化防止作用に優れ、皮膚中での活性酸素生成に起因する過酸化脂質の生成や、肌の炎症,肌荒れを防止あるいは改善する効果を有する皮膚外用剤を得ることを目的とした。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、前記問題点に鑑み研究を行った結果、冬虫夏草を超臨界流体又は亜臨界流体により抽出して得られる抽出物と、抗酸化成分を皮膚外用剤に配合することにより、抗酸化成分の有する抗酸化効果が相乗的に増強され、少量の配合で十分に抗酸化効果を発揮し得ることを見いだし、本発明を完成するに至った。
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を説明する。
【0007】
本発明で用いる冬虫夏草は、蝶蛾類鱗翅目及び鞘翅目の昆虫またはその幼虫に寄生してその体内に菌核を形成し、夏季に宿主である昆虫またはその幼虫の体表面に形成される子実体である。冬虫夏草は、世界におよそ400種が知られており、古くから人体に対して全く毒性が無く、様々な効果を示すために漢方薬として経口投与される物質であり、今日では中国の漢方薬に関する書物である「中草葯学」や「中葯大辞典」などに収載され、本邦においても「新訂和漢薬」その他多数の漢方書に記載されている。
【0008】
本発明において使用可能な抽出原料である冬虫夏草は特に制限はなく、一般に知られている蝶蛾類鱗翅目および鞘翅日の昆虫又はその幼虫に寄生してその体内の菌核を形成し、夏季に宿主である昆虫又はその幼虫の体表面に形成される子実体であればよい。本発明においては特に好ましく使用可能な冬虫夏草としては、コウモリ蛾科の幼虫(Hepialus armoricanus Ober.)に寄生してその体内に菌核を形成し、夏季に頭部から根棒状の子実体を形成するコルダイセプシネンシス(Cordyceps sinensis)が挙げられる。また、コルダイセプシネンシス以外の冬虫夏草で生薬として薬効のあるものとしてはセミタケ(Cordyceps sobolifera B.)やサナギタケ(Cordyceps militaris Link)、ミミカキタケ(Cordyceps nutans Pat.)などが知られており、これらも本発明において好ましく使用できるものである。本発明にかかる方法により、これらの冬虫夏草であって、有効成分を産生するものであればいずれの場合も抽出可能である。また、本発明にかかる方法を用いることにより、子実体又は被子体の区別なく抽出可能であるが、特に高収量で得るためには、コルダイセプシネンシスの子実体からの抽出が好ましい。
【0009】
[超臨界流体又は亜臨界流体抽出物]
次に、超臨界流体又は亜臨界流体を用いて抽出する方法について説明する。超臨界(又は亜臨界)流体抽出装置に冬虫夏草の全草又は子実体又は被子体の1又は2以上の箇所を生のまま若しくは乾燥させたもの、あるいは、水、エタノール、メタノール、イソプロパノール、イソブタノール、n-ヘキサノール、メチルアミルアルコール、2-エチルブタノール、n-オクチルアルコール等の1価アルコール類、グリセリン、エチレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコール、1,3-ブチレングリコール、へキシレングリコール等の多価アルコール又はその誘導体、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、メチル-n-プロピルケトン等のケトン類、酢酸エチル、酢酸イソプロピル等のエステル類、エチルエーテル、イソプロピルエーテル、n-ブチルエーテル等のエーテル類、スクワラン、ワセリン、パラフィンワックス、パラフィン油などの炭化水素類、オリーブ油、小麦胚芽油、米油、ゴマ油、マカダミアンナッツ油、アルモンド油、ヤシ油等の植物油脂、牛脂、豚脂、鯨油等の動物油脂、リン酸緩衝生理食塩水等の無機塩類を添加した極性溶媒、界面活性剤を添加した溶媒などを用いて予め抽出した抽出物を濃縮した後に減圧乾燥させた成分を投入し、超臨界流体又は亜臨界流体によって抽出する。
【0010】
超臨界流体抽出法又は亜臨界流体抽出法で用いる抽出剤には特に制限はなく、例えば、水、二酸化炭素、エチレン、プロピレン、エタン、プロパン、一酸化二窒素、クロロジフルオロメタン、クロロトリフルオロメタン、キセノン、アンモニア、メタノール、エタノールなどを使用することができるが、最終製品が食品や医薬品または化粧品や医薬部外品であるときには、取り扱い上において、あるいは安全性、製品への混入による毒性の問題などを考慮すると、二酸化炭素を使用することが好ましい。抽出圧力は、使用する抽出剤の臨界圧力に応じて適宜選定することができるが、通常は3〜70MPaであることが好ましく、特に二酸化炭素を使用するときは4〜60MPa、好ましくは5〜40MPa、最も好ましくは6〜20MPaである。抽出温度は、使用する抽出剤の臨界温度に応じて適宜選定することができるが、通常は10〜700℃であることが好ましく、特に抽出剤として二酸化炭素を使用するときは15〜200℃、好ましくは20〜150℃、最も好ましくは25〜100℃である。
【0011】
抽出の際の冬虫夏草と抽出剤との比率は特に限定されないが、冬虫夏草1に対して溶媒0.1〜1000重量倍、特に抽出操作、効率の点で、0.5〜100重量倍が好ましい。また、抽出時間は抽出条件などにより異なるが2時間〜2週間の範囲とするのが好ましい。
【0012】
また、抽出剤の溶解度を向上させるためにエントレーナを用いることもできる。エントレーナとしては、水、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、アセトン、ヘキサン、シクロヘキサン、トルエン等の溶媒が挙げられるが、特に限定されない。
【0013】
これらの抽出剤の1種または2種以上を組み合わせてエントレーナとして用いる。特にエントレーナとして、水、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノールなどを用いた場合、エントレーナ濃度として好ましくは、0.000001〜30.0%、より好ましくは、0.00001〜10.0%、最も好ましくは、0.0001〜1.0%である。これらのエントレーナを用いることで炭酸ガス中への有効成分の溶解度を向上させる効果が高く、抽出率も高くなる。
【0014】
このようにして得られた冬虫夏草の抽出物は、抽出物をそのまま用いることもできるが、その効果を失わない範囲で、脱臭、脱色、濃縮などの精製操作を加えたり、さらにはカラムクロマトグラフィーなどを用いて分画物として用いてもよい。これらの抽出物や精製物、分画物は、これらから溶媒を除去することによって乾固物とすることもでき、さらに、アルコールなどの溶媒に可溶化した形態、或いは乳剤の形態で用いることができる。
【0015】
なお、冬虫夏草を超臨界流体又は亜臨界流体により抽出して得られる抽出物の皮膚外用剤への配合量は、特に限定されないが、あまり多量に配合しても、その効果に変化はなく、固形分として0.0001〜5重量%、さらには0.001〜1重量%の範囲とすることが好ましい。
【0016】
本発明で用いる抗酸化成分は、通常皮膚外用剤に配合し得るものであれば、種類,基原を問わないが、例えば、カロテノイド類、フラボノイド類、タンニン類及び没食子酸及びその塩並びにエステル類、トコフェロール及びその誘導体類、スーパーオキシドディスムターゼ、チオレドキシン、チオレドキシンリダクターゼ、ブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール等が用いられる。
【0017】
本発明で用いられるカロテノイド類としては、種類,基原を問わず、α-カロチン,β-カロチン,γ-カロチン,リコペン,クリプトキサンチン,ルテイン(キサントフィル),ゼアキサンチン,ロドキサンチン,クロセチン等が例示される。また、これらのカロテノイド類をそのまま用いてもよいが、配糖体,エステル等の誘導体を用いてもよい。
【0018】
本発明で用いられるフラボノイド類としては種類,基原を問わず、フラボン,クリシン,プリメチン,アピゲニン,ルテオリン等のフラボン及フラボン配糖体類、ガランギン,ケンフェロール,フィセチン,クェルセチン,ミリセチン,ルチン等のフラボノール及びフラボノール配糖体類、ダイゼイン,ゲニステイン等のイソフラボン及びイソフラボン配糖体類、フラバノン,ピノセンブリン,ナリンゲニン,サクラネチン,ヘスペレチン,エリオジクチオール,マットイシノール等のフラバノン及びフラバノン配糖体類、フラバノノール,ピノバンクシン,アロマデンドリン,フスチン,タキシホリン,アンペロプチン等のフラバノノール及びフラバノノール配糖体類、カルコン,ブテイン,カルコノカルタミジン,ペジシン,ペジシニン等のカルコン及びカルコン配糖体類、べンザルクマラノン,スルフレチン,レプトシジン,オーロイジン等のベンザルクマラノン及びベンザルクマラノン配糖体類、ペラルゴニジン,シアニジン,デルフィニジン等のアントシアン及びアントシアン配糖体類等が例示される。
【0019】
本発明で用いられるタンニン類は、多数の植物、特にカシワ,ナラ等ブナ科植物の樹皮、ハゼ,ヌルデ,ウルシ等ウルシ科植物の葉、カリロクの果実などに存在する広義のタンニン酸で、ガロタンニン,ガロタンニン酸等ともよばれる。タンニン類は、これら広く植物界に分布する多数のフェノール性水酸基を持つ複雑な芳香族化合物の総称で、アルカリ分解するとフェノール類,フェノールカルボン酸が得られる。本発明においては、これらの植物由来のタンニン類をそのままもしくは精製したものを用いることができ、さらに人工的に合成したものを用いることもできる。また、タンニンの構成成分である没食子酸及びその塩、並びにそのエステル類を用いることもできる。これらのタンニン類の中でも、ハマメリス抽出物中に含まれるハマメリタンニンを用いることが最も好ましい。
【0020】
本発明で用いられるトコフェロール及びその誘導体類としては特に限定されず、α-トコフェロール,β-トコフェロール,γ-トコフェロール,d-トコフェロール,酢酸トコフェロール,ニコチン酸DL-α-トコフェロール,コハク酸DL-α-トコフェロール等が例示される。
【0021】
本発明においては、その他の抗酸化成分として、スーパーオキシドディスムターゼ,チオレドキシン,チオレドキシンリダクターゼ、ブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール等を配合することもできる。
【0022】
本発明においては、上記の抗酸化成分から1種を単独で若しくは2種以上を組み合わせて用いることができる。また、これらの抗酸化成分の皮膚外用剤への配合量は、各抗酸化成分の抗酸化活性に依存するが、概ね0.00001〜5重量%,好ましくは0.0001〜5重量%が適当である。
【0023】
本発明においては、冬虫夏草を超臨界流体又は亜臨界流体により抽出した抽出物と抗酸化成分を含有させた皮膚外用剤を提供し得るが、皮膚外用剤としては、ローション,乳剤,クリーム,軟膏等の形態をとることができる。またさらに、柔軟性化粧水,収れん性化粧水,洗浄用化粧水などの化粧水類、エモリエントクリーム,モイスチュアクリーム,マッサージクリーム,クレンジングクリーム,メイクアップクリーム等のクリーム類、エモリエント乳液,モイスチュア乳液,ナリシング乳液,クレンジング乳液などの乳液類、ゼリー状パック,ピールオフパック,洗い流しパック,粉末パックなどのパック類、美容液、及び洗顔料といった種々の製剤形態の化粧料としても提供することができる。
【0024】
本発明においてはさらに、細胞賦活剤,美白成分,保湿剤,抗炎症剤,紫外線吸収剤等、他の有効成分を併用することもでき、日焼け止め化粧料,老化防止用化粧料、美白剤などの薬用化粧料あるいは医薬部外品などとして提供することもできる。
【0025】
【実施例】
さらに実施例により、本発明の特徴について詳細に説明する。まず、本発明で用いる、冬虫夏草の超臨界流体抽出物の調製例を示す。
【0026】
[冬虫夏草の超臨界流体抽出物]
冬虫夏草(Cordyceps sinensis)粉末50gを500mLの熱水で5時間抽出した後、抽出残試料を乾燥粉砕する。エントレーナとして0.003%のエタノールを加えた後、40℃において15MPaの二酸化炭素を分離槽出口での大気圧下での二酸化炭素の流量が700リットル/時間となるように調節しながら超臨界状態の二酸化炭素を供給した。その後、抽出槽の圧力を減圧し抽出物を取り出した。
【0027】
冬虫夏草の超臨界流体抽出物を用いた実施例により、本発明の特徴について詳細に説明する。まず、抗酸化成分と、冬虫夏草の超臨界流体抽出物を表1に示すように配合し、下記の処方にて皮膚用クリームを調製し、実施例1〜実施例4及び比較例1〜比較例6とした。
【0028】
Figure 0003847200
製法:(1)〜(7)の油相成分を混合,溶解して均一とし、75℃に加熱する。一方、(8)〜(10)の水相成分を混合,溶解して75℃に加熱する。次いで、上記水相成分に油相成分を添加して予備乳化した後、ホモミキサーにて均一に乳化する。その後冷却し、50℃にて(11),(12)を添加,混合する。
【0029】
【表1】
Figure 0003847200
【0030】
前記実施例1〜実施例4及び比較例1〜比較例6を用いて、紫外線によるしわの発生に対する防止効果を評価した。しわ発生防止効果の評価は、ヘアレスマウス5匹を1群とし、各群について実施例及び比較例をそれぞれ1日1回背部に塗布し、1J/cm2/週の長波長紫外線(UVA)を50週間照射し、ヘアレスマウスにおけるしわの発生状況を観察し、表2に示す判定基準に従って点数化して行った。この際、精製水のみを塗布した群を対照とした。結果は各群の平均値を算出し、UVA照射日数との関係により表3に示した。
【0031】
【表2】
Figure 0003847200
【0032】
【表3】
Figure 0003847200
【0033】
表3に示されるように、各種成分を単独で配合した比較例1〜比較例5,若しくは配合していない比較例6と比較して、冬虫夏草の超臨界流体抽出物と抗酸化成分を併用して配合した本発明の実施例では、各成分の配合量が少ないにもかかわらず、しわの発生が顕著に抑制され、50週後に微小なしわが僅かに発生している程度であった。
【0034】
次に本発明の実施例1〜実施例4及び比較例1〜比較例6について、6ヶ月間の実使用試験を行った。パネラーとして、顕著なしわの発生若しくは弾性の低下等の皮膚症状を有する40歳〜60歳代の女性、及び顕著な肌荒れ症状を呈する20歳〜50歳代の女性を用い、それぞれ1群20名とした。使用試験は、各群に実施例及び比較例のそれぞれをブラインドにて使用させ、使用試験開始前と使用試験終了後の皮膚の状態を観察して行った。しわ及び皮膚弾性の各改善状況については、「改善」,「やや改善」,「変化なし」の3段階にて評価し、各評価を得たパネラー数にて表4に示した。なお、しわの程度については、写真撮影及びレプリカにより、皮膚弾性についてはキュートメーターにより測定して評価した。また、肌荒れについては、表5に示す判断基準に従って皮膚の状態を点数化し、20名の平均値により使用試験開始前と使用試験終了後を比較して表6に示した。
【0035】
【表4】
Figure 0003847200
【0036】
表4に示されるように、本発明の実施例使用群ではしわ及び皮膚弾性の改善が認められないパネラーは存在せず、16名以上のパネラーにおいて明確な改善が認められた。一方、比較例1〜比較例5使用群においては、しわ及び弾性の改善傾向が認められたが、明確な改善が認められたパネラーの数は全て10名以下であった。
【0037】
【表5】
Figure 0003847200
【0038】
【表6】
Figure 0003847200
【0039】
表6に示されるように、本発明の実施例使用群では、全パネラーにおいて、肌荒れの改善傾向が認められ、殆どのパネラーにおいて、皮溝,皮丘が明瞭に認められるに至っていた。これに対し、各種成分を単独で配合した比較例1〜比較例5においては、各種成分を配合していない比較例6より皮膚の状態が改善されてはいたが、皮溝が平坦で皮丘の形が不明瞭な状態にとどまっていた。
【0040】
なお、本発明の実施例1〜実施例4については、上記使用試験期間中に含有成分の析出,分離,凝集,変臭,変色といった製剤の状態変化は全く見られなかった。また、各実施例使用群において、皮膚刺激性反応や皮膚感作性反応を示したパネラーは存在しなかった。
【0041】
続いて本発明の他の実施例を示す。
【0042】
[実施例5] 頭髪用トニック剤
(1)精製水 30.0(重量%)
(2)エタノール 69.0
(3)冬虫夏草の超臨界流体抽出物 0.5
(4)ブチルヒドロキシトルエン 0.5
製法:(1)〜(4)の成分を混合,均一化する。
【0043】
[実施例6] 皮膚用乳剤
(1)スクワラン 5.0(重量%)
(2)白色ワセリン 2.0
(3)ミツロウ 0.5
(4)ソルビタンセスキオレエート 0.8
(5)ポリオキシエチレンオレイルエーテル(20EO) 1.2
(6)リコペン 0.2
(7)冬虫夏草の超臨界流体抽出物 0.5
(8)パラオキシ安息香酸メチル 0.1
(9)プロピレングリコール 5.0
(10)精製水 59.4
(11)カルボキシビニルポリマー(1重量%水溶液) 20.0
(12)水酸化カリウム 0.1
(13)エタノール 5.0
(14)香料 0.2
製法:(1)〜(7)の油相成分を混合し、75℃に加熱して溶解,均一化する。一方、(8)〜(10)の水相成分を混合,溶解して75℃に加熱し、前記の油相成分を添加して予備乳化する。(11)を添加した後ホモミキサーにて均一に乳化し、(12)を加えて増粘させる。冷却後40℃にて(13)〜(14)を添加,混合する。
【0044】
[実施例7] 皮膚用ローション
(1)エタノール 10.0(重量%)
(2)ヒドロキシエチルセルロース 1.0
(3)冬虫夏草の超臨界流体抽出物 0.5
(4)パラオキシ安息香酸メチル 0.1
(5)グリセリン 5.0
(6)ハマメリタンニン 0.02
(7)精製水 83.38
製法:(1)〜(7)を混合し、均一とする。
【0045】
[実施例8] 皮膚用乳剤
(1)ステアリン酸 0.2(重量%)
(2)セタノール 1.5
(3)ワセリン 3.0
(4)流動パラフィン 7.0
(5)ポリオキシエチレン(10EO)モノオレイン酸エステル 1.5
(6)ダイズ由来イソフラボン 0.5
(7)冬虫夏草の超臨界流体抽出物 1.0
(8)グリセリン 5.0
(9)パラオキシ安息香酸メチル 0.1
(10)トリエタノールアミン 1.0
(11)精製水 79.2
製法:(1)〜(7)の油相成分を混合,加熱して均一に溶解し、70℃に保つ。一方、(8)〜(11)の水相成分を混合,加熱して均一とし、70℃とする。この水相成分に油相成分を撹拌しながら徐々に添加して乳化する。
【0046】
Figure 0003847200
製法:(1)に(2)を均一に溶解した後、(3)に(4)及び(5)を溶解して添加し、次いで(6)を加えて増粘させ、(7)の成分を添加する。
【0047】
Figure 0003847200
製法:(1)〜(6)の油相成分を混合,溶解して75℃に加熱する。一方、(7)〜(9)の水相成分を混合,溶解して75℃に加熱する。次いで、上記水相成分に油相成分を添加して予備乳化した後、ホモミキサーにて均一に乳化し、冷却後40℃にて(10),(11)の成分を添加,混合する。
【0048】
[実施例11] 水中油型乳剤性軟膏
(1)白色ワセリン 25.0(重量%)
(2)ステアリルアルコール 25.0
(3)d-δ-トコフェロール 0.1
(4)冬虫夏草の超臨界流体抽出物 1.0
(5)グリセリン 10.0
(6)ラウリル硫酸ナトリウム 1.0
(7)パラオキシ安息香酸メチル 0.1
(8)精製水 37.8
製法:(1)〜(4)の油相成分を混合,溶解して均一とし、75℃に加熱する。一方、(5)〜(8)を均一に溶解して75℃に加熱し、これに前記油相成分を添加して乳化する。
【0049】
[実施例12] 化粧水
(1)エタノール 10.0(重量%)
(2)ポリオキシエチレン(20E.O.)ソルビタン
モノラウリン酸エステル 0.5
(3)1,3-ブチレングリコール 10.0
(4)冬虫夏草の超臨界流体抽出物 0.5
(5)ガラクトシルフラボン 0.5
(6)香料 0.1
(7)精製水 78.4
製法:(1)〜(6)を順次(7)に添加して均一に混合,溶解する。
【0050】
[実施例13] 油中水乳化型エモリエントクリーム
(1)流動パラフィン 30.0(重量%)
(2)マイクロクリスタリンワックス 2.0
(3)ワセリン 5.0
(4)ジグリセリンオレイン酸エステル 5.0
(5)L-グルタミン酸ナトリウム 1.6
(6)L-セリン 0.4
(7)プロピレングリコール 3.0
(8)パラオキシ安息香酸メチル 0.1
(9)精製水 51.3
(10)香料 0.1
(11)冬虫夏草の超臨界流体抽出物 0.5
(12)没食子酸メチルエステル 1.0
製法:(5),(6)を(9)の一部に溶解して50℃とし、50℃に加熱した(4)に撹拌しながら徐々に添加する。これをあらかじめ混合し、70℃に加熱溶解した(1)〜(3)に均一に分散し、これに(7),(8)を(9)の残部に溶解して70℃に加熱したものを撹拌しながら添加し、ホモミキサーにて乳化する。冷却後、40℃にて(10)〜(12)の成分を添加,混合する。
【0051】
[実施例14] メイクアップベースクリーム
(1)ステアリン酸 12.0(重量%)
(2)セタノール 2.0
(3)グリセリントリ-2-エチルヘキサン酸エステル 2.5
(4)自己乳化型グリセリンモノステアリン酸エステル 2.0
(5)葛根由来イソフラボン 0.5
(6)冬虫夏草の超臨界流体抽出物 1.0
(7)プロピレングリコール 10.0
(8)水酸化カリウム 0.3
(9)精製水 68.1
(10)酸化チタン 1.0
(11)ベンガラ 0.1
(12)黄酸化鉄 0.4
(13)香料 0.1
製法:(1)〜(6)の油相成分を混合し、75℃に加熱して均一とする。一方、(7)〜(9)の水相成分を混合し、75℃に加熱,溶解して均一とし、これに(10)〜(12)の顔料を添加し、ホモミキサーにて均一に分散させる。この水相成分に前記油相成分を添加し、ホモミキサーにて乳化した後冷却し、40℃にて(13)の成分を添加,混合する。
【0052】
[実施例15] 乳液状ファンデーション
(1)ステアリン酸 2.0(重量%)
(2)スクワラン 5.0
(3)ミリスチン酸オクチルドデシル 5.0
(4)セタノール 1.0
(5)デカグリセリンモノイソパルミチン酸エステル 9.0
(6)リコペン 0.5
(7)冬虫夏草の超臨界流体抽出物 0.5
(8)1,3-ブチレングリコール 8.0
(9)水酸化カリウム 0.1
(10)パラオキシ安息香酸メチル 0.1
(11)精製水 50.6
(12)酸化チタン 9.0
(13)タルク 7.4
(14)ベンガラ 0.5
(15)黄酸化鉄 1.1
(16)黒酸化鉄 0.1
(17)香料 0.1
製法:(1)〜(7)の油相成分を混合し、75℃に加熱して均一とする。一方、(8)〜(11)の水相成分を混合し、75℃に加熱,溶解して均一とし、これに(12)〜(16)の顔料を添加し、ホモミキサーにて均一に乳化した後冷却し、40℃にて(17)の成分を添加,混合する。
【0053】
Figure 0003847200
製法:(1)〜(7)の油相成分を混合,溶解して75℃に加熱する。一方、(8)〜(10)の水相成分を混合,溶解して75℃に加熱する。ついで、水相成分に油相成分を添加して予備乳化した後、ホモミキサーにて均一に乳化して冷却し、40℃にて(11)の成分を添加,混合する。
【0054】
【発明の効果】
冬虫夏草を超臨界流体又は亜臨界流体により抽出して得られる抽出物と抗酸化成分を併用した本発明の皮膚外用剤は、皮膚の肌荒れ及び老化防止作用に優れ、皮膚中での活性酸素生成に起因する過酸化脂質の生成や、肌の炎症,肌荒れを防止あるいは改善する効果を示した。

Claims (1)

  1. 超臨界抽出剤として二酸化炭素を用い冬虫夏草より抽出して得られる抽出物と、β−カロチン、ハマメリタンニン、ダイゼイン、及び酢酸トコフェロールから選択される1種もしくは2種以上とを有効成分とするしわ及び皮膚弾性改善剤。
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