JP3846696B2 - 弾球遊技機 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は弾球遊技機に関し、特に遊技者による遊技態様に応じて演出内容を選択的に切換え可能にしたものに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、パチンコ機等の弾球遊技機においては、遊技盤に図柄始動手段と図柄表示手段(液晶ディスプレイ)とアタッカーと呼ばれる可変入賞手段(開閉式入賞手段)等を備え、図柄始動手段が遊技球を検出することを条件に、主制御部で図柄の変動パターンを抽選により決定し、その決定した変動パターン指令が図柄制御部に送信されるので、図柄制御部による図柄変動制御により表示手段においては、複数の特別遊技図柄が所定変動時間だけ変動した後、指示された遊技図柄の組合せで変動停止する。
【0003】
この場合、停止した遊技図柄が特定図柄態様(所謂、大当たりの図柄態様)のときには、可変入賞手段が所定条件に基づいて設定回数まで開閉動作を繰り返し、遊技者に有利な特別遊技状態が発生する。ところで、この種のパチンコ機においては、特別遊技図柄が大当たり図柄態様になったり、リーチ図柄態様になった場合、表示手段においては、通常では表示されない特殊なキャラクタにより演出表示が行われたり、遊技盤や外枠に設けられた複数の演出ランプが高速点滅したり、更には、各種の音響を出力する等、演出効果を奏するようにして、遊技者による弾球遊技を盛り上げるようになっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
この種の弾球遊技機においては、弾球遊技を盛り上げるように、特に大当たり図柄態様やリーチ図柄態様になった場合等には、特殊なキャラクタを登場させた演出表示が行われたり、複数の演出ランプの点滅により演出表示が行われるものの、大当たり状態やリーチ状態に際しては、大当たりやリーチ専用の常に同一のモチーフ(ジャンル)によるキャラクタを用いた演出表示が行われたり、遊技図柄の変動に合わせただけの変化のない演出表示が行われているだけである。
【0005】
それ故、長時間に亙って遊技を行うような遊技者にとっては、大当たりやリーチになる毎に、同様の演出表示に飽きてくることになり、遊技性に乏しい面がある。
本発明の目的は、ディスプレイに演出表示する演出内容を遊技者自の遊技状態により選択的に変更できるようにすること、遊技者の興趣性の向上を図ることができるようにすること、等である。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本願の弾球遊技機は、遊技盤に設けられた遊技球通過部のうちのゲート手段を通過する遊技球を遊技中に検出する特定の遊技球検出手段と、遊技動作を制御する主制御手段と、この主制御手段が決定した遊技制御に基づいた演出制御を行う演出制御手段と、1又は複数の遊技図柄を変動表示可能な図柄表示手段とを備え、演出制御手段に、複数種類の演出パターンを予め複数の演出パターン群に分類して記憶した演出パターン記憶手段と、この演出パターン記憶手段に記憶された複数種類の演出パターンのうちから遊技図柄の変動中の演出に用いる演出パターンを選択する演出パターン決定手段とを設けた弾球遊技機において、特定の遊技球検出手段からの検出信号を主制御手段と演出制御手段直接供給可能に構成し、各演出パターン群は、演出パターンとして基本用演出パターンと複数の変更用演出パターンとを有し、演出パターン決定手段は、主制御手段から演出制御手段に送信される演出パターン指定信号で指定される演出パターン群のうちから、基本用演出パターンを決定すると共に、遊技図柄変動中の基本用演出パターンの演出表示中に特定の遊技球検出手段からの検出信号を受信したときには、乱数抽選により変更用演出パターンの変動を行なうことが決定された場合、検出信号に対応する1つの変更用演出パターンを決定して遊技図柄の変動中の基本用演出パターンの演出表示変更用演出パターンの演出表示に変更するように構成し、演出パターン指定信号は、図柄表示手段の遊技図柄の変動毎に主制御手段から送信される変動パターン指定信号である。
【0007】
遊技図柄の変動中に、遊技盤の遊技領域に発射された遊技球が遊技球通過部のうちのゲート手段を通過した場合、遊技球の通過が特定の遊技球検出手段により検出され、この特定の遊技球検出手段からの検出信号を主制御手段と演出制御手段直接供給可能に構成されている。演出制御手段は主制御手段が決定した遊技制御に基づいた演出制御を行うものであり、この演出制御手段に演出パターン記憶手段と演出パターン決定手段が設けられている。演出パターン記憶手段には、複数種類の演出パターンが予め複数の演出パターン群に分類されて記憶され、各演出パターン群は、演出パターンとして基本用演出パターンと複数の変更用演出パターンとを有する。演出パターン決定手段により、演出パターン記憶手段に記憶された複数種類の演出パターンのうちから遊技図柄の変動中の演出に用いる演出パターンが選択され、この場合、先ず、主制御手段から演出制御手段に送信される演出パターン指定信号で指定される演出パターン群のうちから、基本用演出パターンが決定され、遊技図柄の変動中の基本用演出パターンの演出表示中に特定の遊技球検出手段からの検出信号を受信したときには、乱数抽選により変更用演出パターンの変動を行なうことが決定された場合、前記演出信号に対応する1つの変更用演出パターンが決定され、遊技図柄の変動中の基本用演出パターンの演出表示が変更用演出パターンの演出表示に変更される。
【0008】
また、演出パターン指定信号は、図柄表示手段の遊技図柄の変動毎に主制御手段から送信される変動パターン指定信号であり、主制御手段から演出制御手段に別途演出パターン指定信号を送信することなく、変動パターン指定信号を送信するだけで演出パターン群が指定される。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面に基いて説明する。
本実施形態は、パチンコホールの島構造体に設置される所謂カード式弾球遊技機と呼ばれる第1種パチンコ機に本発明を適用した場合の一例であり、パチンコホールに設けられた島構造体には、その長さ方向に複数のカード式球貸し機1と複数のパチンコ機2とが交互に配設され、カード式球貸し機1はパチンコ機2に電気的に接続されている。
【0010】
図1〜図4に示すように、カード式弾球遊技機であるパチンコ機2は、矩形枠状の外枠3と、この外枠3に開閉自在に枢着された前枠4とを有し、カード式球貸し機1をサンドイッチ状に挟持する状態で、外枠3が島構造体(図示略)に着脱自在に装着されている。前枠4には、遊技盤5が裏側から着脱自在に装着され、遊技盤5の前側に対応させて、窓部6aを有するガラス扉6と発射用の遊技球を貯留する球受け皿8の前面板(図示略)とが夫々開閉自在に枢着されている。前枠4の下部には、球受け皿8から溢流し又は抜き取った遊技球を貯留する下皿9と、発射手段10の発射ハンドル11とが設けられている。
【0011】
この発射手段10は、回動操作可能な発射ハンドル11と、この発射ハンドル11を回動操作した回動角度に応じた打撃力で打撃槌12により遊技球を発射させる発射モータ13(図3,図4参照)などを備えている。球受け皿8の右部には、カード式球貸し機1に対する球貸し操作用の操作パネル14が設けられ、この操作パネル14には、カード残額を3桁の数字で表示するカード残額表示部14aと、所定金額分の遊技球の球貸しを指示する球貸しスイッチ14bと、遊技終了時にカードの返却を指令する返却スイッチ14cとが設けられている。
【0012】
図2に示すように、遊技盤5には、金属製の外レールと内レールとからなるガイドレール15がほぼ環状に設けられ、このガイドレール15の内側の遊技領域5aには、センターケース25と、そのセンターケース25内に設けられたカラーの液晶ディスプレイ16と、左ゲート手段(通過手段又は作動口)17及び右ゲート手段18と、複数の普通入賞手段19(この場合、例えば6つ)と、図柄始動手段(図柄始動兼入賞手段)20と、可変入賞手段(開閉式入賞手段)21等が夫々所定の位置に配設されている。
【0013】
ここで、遊技球通過部である左右のゲート手段17,18には、遊技球の通過を検出する遊技球検出センサ17a,18a(これらが遊技検出手段に相当する)が設けられている。更に、遊技球通過部である普通入賞手段19の各々には、遊技球の通過を検出する遊技球検出センサ19a(これも遊技検出手段に相当する)が設けられている。それ故、遊技球が何れかのゲート手段17,18を通過した場合、通過したゲート手段17,18の遊技球検出センサ17a,18から出力される通過検出信号を、後述する主制御手段50と図柄制御手段60とに夫々供給可能になっている。
【0014】
尚、遊技盤5には複数の遊技釘や風車が設けられているが、図示を省略する。液晶ディスプレイ16は、3つの遊技図柄からなる特別遊技図柄を変動表示する特別図柄表示手段23として機能するとともに、2つの遊技図柄からなる普通遊技図柄を変動表示する普通図柄表示手段24として機能する表示手段22である。また、表示手段22には、各種のキャラクタの動画、吹き出し等の動作を、特別図柄表示手段23及び普通図柄表示手段24以外の液晶ディスプレイ16の画面に背景画像として演出表示する機能も有する。
【0015】
特別図柄表示手段23は、例えば左右方向に並ぶ3個(左、中、右)の図柄表示部23a〜23cを有し、図柄始動手段20に遊技球が入賞することを条件に、図柄表示部23a〜23cに特定遊技図柄が所定時間だけ変動表示(スクロール表示)される。そして、各図柄表示部23a〜23cにおいては、図柄始動手段20への遊技球の入賞タイミングに応じた抽選結果に基づいて決定される図柄態様で停止する。
【0016】
普通図柄表示手段24は、例えば表示手段22の右下部に、左右方向に並ぶ2個(左、右)の図柄表示部24a,24bを有し、左ゲート手段17と右ゲート手段18を通過した遊技球が検出されたとき、各図柄表示部24a,24bに普通遊技図柄を所定時間だけ変動表示し、遊技球が左ゲート手段17又は右ゲート手段18を通過する時点において抽選された制御乱数により決定される図柄態様を表示して停止するようになっている。普通図柄表示手段24の変動後に停止した普通遊技図柄が当たりとなった当たり発生時には、開閉爪20aが所定時間だけ開放されて入賞し易くなる。
【0017】
遊技球通過部である図柄始動手段20は、開閉自在な左右1対の開閉爪20a及び遊技球の通過を検出する遊技球検出センサ20bを備え、図示外のソレノイドを駆動源とする電動式チューリップと一体的に構成され、遊技球検出手段として機能するものである。それ故、ゲート手段17,18と、普通入賞手段19と、図柄始動手段20等は遊技盤5に設けられた遊技球通過部であり、遊技球がこれらの遊技球通過部を通過したことを、検出センサ17a〜19a,20bにより検出可能である。
【0018】
可変入賞手段21は前方に開放可能な開閉板21aを備え、通常、開閉板21aは閉じた状態であるが、特別図柄表示手段23の変動後に停止した遊技図柄が「777」、「444」等の特定態様のとき、所謂「大当たり」と称する特別遊技が開始され、開閉板21aが前方開放状に切換えられて遊技者に有利な状態が発生する。この可変入賞手段21の内部に遊技球通過部である特定入賞領域21bと普通入賞領域21cとが設けられ、特定入賞領域21bを遊技球が通過したとき、特別遊技が継続される。
【0019】
特定入賞領域21bや普通入賞領域21c等も遊技盤5に設けられた遊技球通過部であり、遊技球が特定入賞領域21bを通過したことを遊技球検出センサ21dで検出可能であり、また遊技球が普通入賞領域21cを通過したことを遊技球検出センサ21eで検出可能である。可変入賞手段21の開閉板21aが前方に開放された後、所定時間(例えば、約30秒間)が経過し、又は所定数(例えば10個)の遊技球が入賞して開閉板21aが閉じるときに、遊技球が特定入賞領域21bを通過していないときに特別遊技が終了する。
【0020】
しかし、開閉板21aが閉じるときに遊技球が特定入賞領域21bを通過していれば最大所定ラウンド(例えば16ラウンド)まで特別遊技を継続でき、遊技者に有利な利益状態が付与される。
【0021】
図3、図4に示すように、前枠4の裏側には、遊技盤5を裏側から押さえる裏機構板30が着脱自在に装着され、この裏機構板30には開口部30aが形成され、その上側に球タンク33と、これから延びるタンクレール34とが設けられ、このタンクレール34に接続された払出し手段35が裏機構板30の側部に設けられ、裏機構板30の下側には払出し手段35に接続された払出し球誘導路36が設けられている。払出し手段35から払出された遊技球は払出し球誘導路36を経由して球受け皿8に払出される。
【0022】
裏機構板30の開口部30aには、遊技盤5の裏側に装着された裏カバー37が嵌合されている。この裏カバー37に装着された基板ケース38の内部に主制御基板39が配設され、その前側に図柄制御基板40が配設されている。そして、液晶ディスプレイ16はこの図柄制御基板40に電気的に接続されている。主制御基板39の下側で、裏カバー37に装着された基板ケース41aの内部にランプ制御基板42が設けられ、この基板ケース41aに隣接する基板ケース41bの内部にサウンド制御基板43が設けられている。
【0023】
これら基板ケース41a,41bの下側で裏機構板30に装着された基板ケース44の内部には、電源基板45と払出し制御基板46が夫々設けられている。更に、発射手段10の後側に装着された基板ケース47の内部には、発射制御基板48が設けられている。これら制御基板39〜40,42〜43,45〜46,48は夫々独立のプリント基板で構成され、電源基板45と発射制御基板48を除くその他の制御基板39,40,42,43,46には、CPUとROMやRAM等を有する1チップ集積回路からなるマイクロコンピュータ(図示略)が夫々設けられている。
【0024】
主制御基板39とその他の制御基板40,42,43,46とは、複数本の信号線でコネクタを介して電気的に接続され、主制御基板39から各制御基板40,42,43,46に、所定の遊技動作を実行させる種々の制御コマンドを一方向通信にて送信可能になっている。制御コマンドの一方向通信を採用することで、普通遊技図柄や特別遊技図柄の図柄停止に関する不正を確実に防止できるとともに、後述する主制御手段50の制御負荷を軽減でき、制御コマンドの送信制御を簡単化することができる。
【0025】
次に、パチンコ機2の制御装置に予め格納した複数の制御プログラムを介して達成される種々の機能について、図5の機能ブロック図により説明する。但し、これら種々の機能は、前述したマイクロコンピュータ及びROMに格納した種々の制御プログラム等により、これらの手段50〜56、61〜65、70、71、73、75で達成される。
【0026】
主制御基板39上に構成された主制御手段50は、遊技盤5に設けられた種々の遊技部品や各種の遊技球検出手段17〜20等に設けられた遊技球検出スイッチ等に対する信号の入出力に関わる遊技盤5の遊技制御を主として司るとともに、後述する図柄制御手段60、払出し制御手段70、ランプ制御手段71、サウンド制御手段73等に必要に応じて制御コマンドを送信出力する。図柄制御基板40上に構成された図柄制御手段60は、主制御手段50から送信されてくる図柄制御コマンドに基づいて、各図柄表示部24a,24bの普通遊技図柄を変動制御し、指示された普通図柄態様を表示するように変動停止を制御する。
【0027】
図柄制御手段60は、更に、受信した図柄制御コマンドに基づいて、各図柄表示部23a〜23cの特別遊技図柄を変動制御し、指示された特別図柄態様を表示するように変動停止を制御したり、液晶ディスプレイ16に演出表示させる演出表示制御を実行する。払出し制御基板46上に構成された払出し制御手段70は、主制御手段50から払出し制御コマンドを受信し、払出し手段35による遊技球の払出し制御を司る。ここで、表示手段22と図柄制御手段60等で図柄表示手段が構成され、その図柄制御手段60が演出制御手段に相当する。
【0028】
ランプ制御基板42上に構成されたランプ制御手段71は、主制御手段50からランプ制御コマンドを受信し、遊技盤5や外枠3等に設けられた多数の装飾用ランプや演出用ランプ等を含むランプ群72の点灯制御を司る。サウンド制御基板43上に構成されたサウンド制御手段73は、主制御手段50からサウンド制御コマンドを受信し、球受け皿8の裏側に設けられたスピーカ74に対する各種の音響効果音の為のサウンド出力制御を司る。発射制御基板48上に構成された発射制御手段75は、発射モータ13を駆動して遊技球の発射制御を司る。
【0029】
主制御手段50は、複数の制御乱数を発生する乱数発生手段51と、乱数抽出手段52と、乱数判定手段53と、利益状態発生手段54と、図柄決定手段55と、コマンド送信手段56等を備えている。乱数発生手段51は、微小な更新周期(例えば、約2msec)で、例えば「0〜299」までの制御乱数を繰り返し発生する。この乱数発生手段51で発生する複数の制御乱数のうち、1つの制御乱数(例えば、「7」)だけが、予め定められた特定乱数である大当たり用乱数として設定されている。
【0030】
乱数抽出手段52は、特別図柄に関しては図柄始動手段20に遊技球が入賞したときの制御乱数を抽出し、また普通図柄に関しては左ゲート手段17又は右ゲート手段18を遊技球が通過たときの制御乱数を抽出する。乱数判定手段53は、ゲート手段17,18や図柄始動手段20に遊技球が入賞したときに乱数抽出手段52で抽出された制御乱数に基づいて、特別遊技図柄に関して、特定乱数と一致した「大当り」であるのか、又は「外れ(外れリーチを含む)」の何れであるかを判定するとともに、普通遊技図柄に関しても「当り」又は「外れ」の何れであるかを判定する。
【0031】
更に、乱数判定手段53は、確率変動型の大当たりに関しても判定を行い、確率変動型であると判定した場合には、次回或いは次々回の大当たり迄、或いは所定回数(例えば、100回)だけ特別遊技図柄が変動する迄、大当たりとする特定乱数の数を通常のときよりも多くする。また、乱数判定手段53は、このような確率変動の場合には、後述する利益状態発生手段54に所定の利益を与えるように指示する。
【0032】
利益状態発生手段54は、乱数判定手段53から大当たりの判定結果を受ける、若しくは、特別図柄表示手段23の変動後の停止図柄が大当たり図柄となることを条件に、遊技制御に含まれる所定の利益状態発生ルーチンにより可変入賞手段21の開閉板21aを前述したように開閉作動させる。更に、利益状態発生手段54は、乱数判定手段53から前述した確率変動指示を受けると、普通遊技図柄が「当たり」になることを条件として、図柄始動手段20の開閉爪20aを通常時(例えば、約0.5 秒)よりも長い時間(例えば、約3秒)、開状態にする等して、遊技球が入り易くなるといった利益状態を遊技者に与える。
【0033】
図柄決定手段55は、乱数判定手段53からの判定結果に応じて、所定の抽選プログラムにより、普通遊技図柄に関して、「当たり」のときには当たり普通遊技図柄及び当たり普通図柄変動パターンを抽選により決定するとともに、「外れ」のときには外れ普通遊技図柄及び外れ普通図柄変動パターンを抽選により決定する。図柄決定手段55は、更に、特別遊技図柄に関して、「大当たり」のときには大当たりの特別遊技図柄及び大当たり特別図柄変動パターンを抽選により決定するとともに、「外れ」のときには外れ特別遊技図柄及び外れ特別図柄変動パターンを決定する。
【0034】
コマンド送信手段56は、図6に示すように、複数種類の変動パターン番号の指定コードを記憶し、図柄決定手段55で決定された変動パターンに基づいて、図柄制御手段60に対して、特別遊技図柄の為の変動パターン番号A1,A2,A3・・B1,B2,B3・・・を指定する変動パターン指定コード(これが変動パターン指定信号に相当し、演出パターン指定信号でもある)と、停止図柄と、変動停止コマンドとを図柄変動毎に制御コマンドとして送信出力するだけでなく、ランプ制御手段71とサウンド制御手段73等に対して、必要に応じてその図柄変動に伴う種々の制御コマンド(図示略)を送信する。
【0035】
コマンド送信手段56は、更に、普通遊技図柄の変動パターンについても、図柄制御手段60に対して、変動パターン指定コードを含む種々の制御コマンド(図示略)を送信する。図柄制御手段60は、普通図柄表示手段24を制御する普通図柄制御手段61と、特別図柄表示手段23を制御する特別図柄制御手段62と、変動パターン記憶手段63と、演出パターン記憶手段64と、演出パターン決定手段65等を有し、コマンド送信手段56から送信される図柄制御コマンドを受信し、受信した図柄制御コマンドを解析する。
【0036】
そして、普通図柄制御手段61により各図柄表示部24a,24bにおける普通図柄変動が制御され、特別図柄制御手段62により各図柄表示部23a〜23cにおける特別図柄変動が制御され、更に、表示手段22においては演出表示が制御される。変動パターン記憶手段63には、図7に示すように、普通遊技図柄や特別遊技図柄に関して、複数の変動パターン番号の各々に変動内容(変動時間を含む)を対応づけて記憶されている。
【0037】
演出パターン記憶手段64には、図8に示すように、各種のキャラクタを用いた背景画像により液晶ディスプレイ16に演出表示する複数の演出表示用の演出パターン群が、変動パターン番号に対応づけて記憶されている。但し、変動パターンA1〜A10は大当たり発生時に用いられる変動パターンであり、変動パターンB1〜B15は、外れリーチを含む外れ発生時に用いられる変動パターンである。また、演出パターン群は、変動パターンA,Bの幾つかに限って記憶されている。
【0038】
各演出パターン群A,Bには、基本的に登場するキャラクタにより演出する「基本用」と、演出用に登場するキャラクタを変更可能な「変更用」とが設けられている。基本用の演出パターンには、特別図柄の変動が開始された以降の演出表示に用いる複数(例えば、2種類)の基本演出パターン(A1a,A1b、A2a,A2b・・・)の演出内容が記憶されている。
【0039】
変更用の演出パターンには、遊技中に遊技球が左ゲート手段17を通過した場合に選択される左用の演出パターン(A1c,A2c・・・)の演出内容(例えば、キャラクタを忍者や夕焼けとする演出)と、遊技中に遊技球が右ゲート手段18を遊技球が通過した場合に選択される右用の演出パターン(A1d,A2d・・・)の演出内容(例えば、キャラクタを侍や雷による演出)とが記憶されている。
【0040】
それ故、乱数判定手段53により「大当り」判定されて、主制御手段50から図柄制御手段60に変動パターンA1が送信された場合に、「変更用」が指定されているような場合、特別遊技図柄の変動中に遊技球が左ゲート手段17を通過した場合には、今までの演出に登場していたキャラクタが何であっても、忍者によるキャラクタで演出表示が行われる。また、特別遊技図柄の変動中に遊技球が右ゲート手段18を通過した場合には、今までの演出に登場していたキャラクタが何であっても、侍によるキャラクタで演出表示が行われる。
【0041】
演出パターン決定手段65は、主制御手段50から送信される変動パターン番号(これが変動パターン指定信号に相当し、演出パターン指定信号でもある)に基づいて、その演出パターン番号で指定される演出パターンを選択するとともに、その演出パターン番号で指定される演出パターン群については、その演出パターン群に含まれる演出パターンを選択する。
【0042】
次に、図柄制御手段60で行われる演出パターン決定制御について、図9のフローチャートに基づいて説明する。但し、図中の符号Si(i=10、11、12・・・)は各ステップである。この制御が開始される遊技状態について簡単に説明しておく。遊技者が発射ハンドル11を操作して、球受け皿8から順々に送球される遊技球を遊技盤5の遊技領域5aに発射させる。そして、遊技盤5に沿って落下する遊技球が、図柄始動手段20や普通入賞手段19等に入賞した場合、遊技球検出センサ20,19aからの検出信号に基づいて、払出し手段35が作動して入賞種類に応じた数の遊技球が球受け皿8に払出される。
【0043】
一方、遊技球が図柄始動手段20に入賞した場合、遊技球検出センサ20からの検出信号に基づいて、乱数抽出手段52により制御乱数抽選が実行され、乱数判定手段53による判定が「大当たり」の場合には、コマンド送信手段56により「変動パターンA1」が決定され、主制御手段50から図柄制御手段60にその「変動パターンA1」を指定する変動パターン指定コード「8201[H] 」が送信される。
【0044】
このように、主制御手段50から変動パターンが送信された場合、図柄制御手段60では図示外の割込み処理によるコマンド受信が実行され、その受信した変動パターンに演出パターン群が対応している場合に限ってこの制御が開始される。即ち、図柄制御手段60で受信した変動パターンに演出パターン群が対応している特定の場合に限って、特定の遊技球検出手段17a,18aからの検出信号に基づいて演出パターンを決定するようになっている。
【0045】
主制御手段50から送信された変動パターン(例えば、変動パターンA1)を受信した場合には(S10:Yes )、変動パターンで指定される演出パターン群の基本用演出パターンに含まれる複数の演出パターンのうちから乱数抽選により1つの演出パターンが決定され、その演出パターンの演出情報により、図柄表示部23a〜23c及び図柄表示部24a,24b以外の液晶ディスプレイ16に、演出表示が実行される(S11)。
【0046】
次に、演出用に登場させるキャラクタの変更を行うか否かの乱数抽選が実行される(S12)。その乱数抽選の結果、キャラクタ変更を行う場合には(S13:Yes )、その変動パターンで指定される変動パターン群のうちから、「変更用」の演出パターンが指定される(S14)。例えば、「変動パターンA1」が指定された場合には、演出パターン群A1に含まれる2つの演出パターンA1c(左用),A1d(右用)が指示される。次に、ソフトタイマ等からなるタイマの計時動作がスタートされる(S15)。
【0047】
次に、特定の遊技球検出センサ17aからの検出信号に基づいて遊技球が左ゲート手段17を通過したか否か(S16)、また特定の遊技球検出センサ18aからの検出信号に基づいて遊技球が右ゲート手段18を通過したか否か(S18)、更にはタイマがスタートしてから所定時間(例えば、5秒)が経過したか否か(S20)、が順次実行される。そして、遊技球が左ゲート手段17を通過した場合(S16:Yes )、演出パターン決定手段65により左用の変更用の演出パターンが選択され(S17)、その選択された演出パターンにより、液晶ディスプレイ16に演出表示される(S22)。
【0048】
一方、遊技球が右ゲート手段18を通過した場合(S18:Yes )、演出パターン決定手段65により右用の変更用の演出パターンが選択され(S19)、その選択された演出パターンにより演出表示される(S22)。例えば、大当たり抽選による特別遊技図柄の変動中に、遊技球が左ゲート手段17を通過した場合には、今までの演出に登場していたキャラクタが「侍」であって、その侍による演出が行われている場合でも、左用の「忍者」による演出表示が行われる。また、遊技球が右ゲート手段18を通過した場合には、今までの演出に登場していたキャラクタが「忍者」であっても、右用の「侍」による演出表示が行われる。
【0049】
ところで、遊技球が左ゲート手段17や右ゲート手段18を通過しないで所定時間が経過した場合(S20:Yes )、計時動作中のタイマが停止され(S21)、或いは乱数抽選によりキャラクタ変更を行わない場合には(S13:No)、S11で選択された基本用演出パターンのうちの何れかに決定された演出表示は、変更されることなく継続して演出表示される。例えば、基本的に今まで演出に登場していたキャラクタが「忍者」の場合には、その忍者用の演出パターンA1aにより演出表示される。また、今までの演出に登場していたキャラクタが「侍」であって、その侍による演出が行われている場合には、侍用の演出パターンA1dにより演出表示される。
【0050】
ここで、図柄制御基板40に設けられたマイクロコンピュータ及びそのROMの書き込み/読出し制御プログラムやRAMのパターンメモリ、更には図8に示す演出パターン番号に対応する演出情報等で演出パターン記憶手段64が構成され、前記マイクロコンピュータ及びそのROMの演出パターン決定制御プログラム(図9参照)等で演出パターン決定手段65が構成されている。
【0051】
このように、遊技者による発射ハンドル11の操作により、遊技盤5の遊技領域5aに発射された遊技球が、特定の左ゲート手段17を通過した場合と、特定の右ゲート手段18を通過した場合とで、選択する演出パターンが異なり、登場するキャラクタを変更して液晶ディスプレイ16に演出表示することができる。即ち、遊技者自の遊技状態、つまり遊技者が発射ハンドル11を操作して、遊技球を何れのゲート手段17,18に通過させるのかにより、液晶ディスプレイ16に演出表示する演出内容を選択的に変更することができるため、遊技者の興趣性の向上を図ることができる。
【0052】
また、演出パターン決定手段65は、主制御手段50から図柄制御手段60に送信される変動パターン番号を指定する変動パターン指定コードで指定される演出パターン群のうちから演出パターンを決定するため、演出内容を豊富にでき、しかも主制御手段50における演出パターン決定の為の制御負荷を軽減することができる。また、演出パターン指定コードは、特別遊技図柄の変動毎に主制御手段50から送信される変動パターン指定コードと同様であるので、演出パターン指定コードを別途送信することなく、変動パターン指定コードを送信するだけで演出パターン群を容易に指定することができる。
【0053】
更に、演出パターン決定手段65は、複数の演出パターンを有する演出パターン群を指定する演出パターン指定信号である変動パターン指定コードを受信した場合に、特定の遊技球検出手段17a,18aからの検出信号に基づいて演出パターンを決定するので、遊技者は遊技球を何れかのゲーム手段17,18を通過させようとするため、興趣性の向上が図れる。
【0054】
前記実施形態の変更形態について説明する。
1〕左右のゲート手段17,18に代えて、複数の普通入賞手段19のうち、遊技球が左側の普通入賞手段19の何れかに入賞する場合と、右側の普通入賞手段19の何れかに入賞する場合とで、演出表示に登場するキャラクタを変更するようにしてもよい。
2〕実施形態では、遊技球検出手段は、遊技制御に関連する、つまり主制御手段50に接続される遊技球検出センサ17a〜19a,20b,21d,21eとしていたが、演出制御用の、つまり演出制御手段にのみ接続される遊技球検出センサとしてもよい。
【0055】
例えば、センターケース25内部に、左側ワープ通路と右側ワープ通路とを有する場合には、左右のゲート手段17,18に代えて、各ワープ通路に演出制御専用の遊技球検出センサを設け、遊技球が左側ワープ通路を通過する場合と、右側ワープ通路を通過する場合とで、演出表示に登場するキャラクタを変更するようにしてもよい。
3〕左右のゲート手段17,18や左右の普通入賞手段19に入賞することを条件として、リーチ状態の演出を変更したり、演出に用いる演出パターンを再抽選するようにしてもよい。
【0056】
4〕特別遊技図柄の保留球が4個以上の場合で、遊技球が図柄始動手段20に入賞して保留球が奇数個(5、7、9・・)の場合と、偶数個(6、8、10・・)の場合とで、演出表示に登場するキャラクタを変更するようにしてもよい。
5〕サウンド制御手段73に、サウンド演出が可能な複数種類のサウンドパターンを記憶した演出パターン記憶手段と、これら複数種類のサウンド演出パターンのうちの1つを選択する演出パターン決定手段を設け、左側のゲート手段17又は左側の普通入賞手段19に入賞する場合と、右側のゲート手段18又は右側の普通入賞手段19に入賞する場合とで、サウンド演出を変更するようにしてもよい。この場合、サウンド制御手段73が演出制御手段に相当する。
【0057】
6〕ランプ制御手段71に、ランプ演出が可能な複数種類のランプ点滅パターンを記憶した演出パターン記憶手段と、これら複数種類のランプ点滅パターンのうちの1つを選択する演出パターン決定手段を設け、左側のゲート手段17又は左側の普通入賞手段19に入賞する場合と、右側のゲート手段18又は右側の普通入賞手段19に入賞する場合とで、ランプ点滅による演出を変更するようにしてもよい。この場合、ランプ制御手段71が演出表示手段に相当する。
【0058】
7〕図9のS20に用いるキャラクタ変更が可能な有効時間(所定時間)を、例えば5秒、10秒、20秒等、複数の有効時間のうちから抽選で選択したり、その有効時間をレベルメータ等の表示器で報知するようにしてもよい。
8〕図柄始動手段20や可変入賞手段21に複数の遊技球が連続して入賞する場合に、入賞間隔が所定時間以内の短い場合と、所定時間以上の長い場合とで、演出表示に登場するキャラクタを変更するようにしてもよい。
【0059】
9〕本発明は、以上説明した実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変更を付加し、更に、パチンコ機に限らず、遊技球やコイン等の各種の遊技媒体を用いるアレンジボール機、雀球遊技機等の種々の弾球遊技機に本発明を適用することが可能である。
【0060】
【発明の効果】
本願の発明によれば、特定の遊技球検出手段と、主制御手段と、演出制御手段と、図柄表示手段とを備え、前記特定の遊技球検出手段からの検出信号を主制御手段と演出制御手段とに直接供給可能に構成し、遊技図柄の変動中の基本用パターンの演出表示中に、遊技盤の遊技領域に発射された遊技球が遊技球通過部のうちのゲート手段を通過して特定の遊技球検出手段により検出された場合、この特定の遊技球検出手段からの検出信号を受信したときには、乱数抽選により変更用演出パターンの変動を行なうことが決定された場合、その検出信号に対応する1つの変更用演出パターンに変更して演出表示することができる。即ち、遊技者自身の遊技状態、つまり遊技球を何れの遊技球通過部のうちのゲート手段を通過させるのかにより、ディスプレイに演出表示する演出内容を選択的に変更することができ、遊技者の興趣性の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係るパチンコ機(弾球遊技機)の斜視図である。
【図2】パチンコ機の遊技盤の正面図である。
【図3】パチンコ機の背面図である。
【図4】パチンコ機の側面図である。
【図5】パチンコ機の制御系の機能ブロック図である。
【図6】コマンド送信手段に有する変動パターン番号の指定コードを示す図表である。
【図7】変動パターン記憶手段に有する変動パターン番号とその変動内容を示す図表である。
【図8】演出パターン記憶手段に有する演出パターン番号とその演出内容を示す図表である。
【図9】演出パターン決定制御のフローチャートである。
【符号の説明】
2 パチンコ機(弾球遊技機)
17 左ゲート手段
17a 遊技球検出センサ
18 右ゲート手段
18a 遊技球検出センサ
19 普通入賞手段
19a 遊技球検出センサ
20 図柄始動手段
20a 遊技球検出センサ
21 可変入賞手段
21d 遊技球検出センサ
21e 遊技球検出センサ
22 表示手段
50 主制御手段
60 図柄制御手段
64 演出パターン記憶手段
65 演出パターン決定手段

Claims (1)

  1. 遊技盤(5) に設けられた遊技球通過部(17 〜21) のうちのゲート手段 (17,18) を通過する遊技球を遊技中に検出する特定の遊技球検出手段(17a,18a)と、遊技動作を制御する主制御手段(50)と、この主制御手段(50)が決定した遊技制御に基づいた演出制御を行う演出制御手段(60,71,73)と、1又は複数の遊技図柄を変動表示可能な図柄表示手段 (22,60) とを備え、
    前記演出制御手段(60)に、複数種類の演出パターンを予め複数の演出パターン群に分類して記憶した演出パターン記憶手段(64)と、この演出パターン記憶手段(64)に記憶された複数種類の演出パターンのうちから遊技図柄の変動中の演出に用いる演出パターンを選択する演出パターン決定手段(65)とを設けた弾球遊技機において、
    前記特定の遊技球検出手段(17a,18a) からの検出信号を主制御手段 (50) 演出制御手段(60)直接供給可能に構成し、
    前記各演出パターン群は、演出パターンとして基本用演出パターンと複数の変更用演出パターンとを有し、
    前記演出パターン決定手段(65)は、主制御手段(50)から演出制御手段(60)に送信される演出パターン指定信号で指定される演出パターン群のうちから、基本用演出パターンを決定すると共に、遊技図柄の変動中の基本用演出パターンの演出表示中前記特定の遊技球検出手段(17a,18a) からの検出信号を受信したときには、乱数抽選により変更用演出パターンの変動を行なうことが決定された場合、前記検出信号に対応する1つの変更用演出パターンを決定して遊技図柄の変動中の基本用演出パターンの演出表示変更用演出パターンの演出表示に変更するように構成し、
    前記演出パターン指定信号は、図柄表示手段 (22,60) の遊技図柄の変動毎に主制御手段 (50) から送信される変動パターン指定信号である、
    ことを特徴とする弾球遊技機。
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