JP3845231B2 - 射出成形用金型の不良判定方法 - Google Patents
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Description
【発明が属する技術分野】
本発明は自動車用防振ゴム成形品に関し、特にそのバリを目視することにより、金型の破損等の欠陥を発見することができる自動車用防振ゴム成形品に関する。
【0002】
【従来の技術】
自動車のエンジン等の部品を車体に取り付ける際に、防振ゴム成形品を介することにより、エンジン等の部品の振動をできるだけ吸収することが広く行なわれている。特にエンジン用の防振ゴム成形品の場合、高温のエンジンに長時間さらされるので、耐熱性に優れていることが要求される。そのために、エチレン―プロピレン−ジエン共重合体ゴム(EPDM)等が広く使用されている。
【0003】
このような防振ゴム成形品用のゴム組成物として、特開平5-239289号は、エチレン- プロピレン- 非共役ジエン共重合体ゴム又はエチレン- プロピレン- 非共役ジエン共重合体ゴムとジエン系ゴムとのブレンド物と、特定のアルコキシシラン化合物と、比表面積が5〜100 m2/g(BET 吸着量)の微粉珪酸及び/又は珪酸塩とを含有する加硫可能なゴム組成物を提案している。このゴム組成物はさらに5〜90m2/gの比表面積を有するカーボンブラック0.1 〜60重量を含有する。このため、このゴム組成物は動的特性、機械的強度、耐動的疲労性及び耐熱老化性等に優れている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特開平5-239289号に記載の具体例では、カーボンブラックの含有量は20〜40重量%であり、全体的に真っ黒で不透明である。そのため、バリの約1mm以下の部分も実質的に不透明であり、バリの厚さを目視により評価することは不可能である。
【0005】
一般に防振ゴム成形品は取り付け部材のフレームに一体的に密着するように、インサート成形法により作製されている。インサート成形は金型キャビティー内に取り付け部材のフレームを載置した後で、ゴム組成物を射出し、一体的に成形する方法である。このようにして得られるゴム成形品の外周には、不可避的に金型の離型面に沿ってバリが形成されるが、正常に成形されている場合、すなわち金型に欠け等の破損がない場合には、バリの厚さはせいぜい1mm以下である。ところが金型に欠け等の破損があると、その部分のバリが厚くなる。厚いバリがある部分は加熱疲労劣化を起こしやすく、その部分から亀裂が発生して、防振ゴム成形品全体が破断することがしばしばある。
【0006】
そこでもしバリの厚さを簡単にチェックすることができれば、防振ゴム成形品の亀裂を防止できるのみならず、バリの厚肉化の原因である金型の破損も発見できる。ところが、通常の防振ゴム成形品は、シリカ粉末のみ含有するために白色であるか、多量のカーボンブラックを含有するために真っ黒である。そのため、いちいちバリの各部の厚さを計測しなければならず、バリの中に厚肉部があるか否かを簡単に発見することができないという問題があった。
【0007】
従って、本発明の目的は、バリの光透過度を目視することにより、バリ中の厚肉部を簡単に発見し、もって防振ゴム成形品の亀裂を防止するのみならず、金型不良も簡単に判定できるような防振ゴム成形品を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的に鑑み鋭意研究の結果、防振ゴム成形品用のゴムにシリカ粉末及びカーボンブラックを配合することにより、ゴムの耐熱性、機械的強度、耐久性等を向上させるとともに、カーボンブラックの含有量を調整することにより、正常な薄いバリ部分は光透過性であるが、異常に厚いバリ部分は実質的に光不透過性であるようにすれば、防振ゴム成形品のバリの色を目視するだけで、金型不良による異常な厚みがあるか否かを判定できることを発見し、本発明に想到した。
【0009】
すなわち、本発明の射出成形用金型の不良の判定方法は、防振ゴム射出成形品のバリのうち (a) 厚さ1 mm 以下の部分は実質的に白色又は灰色の透明又は半透明であるが、 (b) 厚さ2 mm 以上の厚肉部は実質的に黒色で不透明であるように、前記防振ゴム射出成形品のカーボンブラック含有量を設定し、前記バリの色及び/又は光透過度を目視することにより、前記バリ中に前記厚肉部があるか否かを判定し、前記厚肉部を形成した金型破損を発見することを特徴とする。具体的には、バリの光透過度が厚さ1mmのときに20%以上であり、厚さ2mmのときに5%以下であるように、シリカ粉末及びカーボンブラックの含有量を設定するのが好ましい。
【0010】
本発明の好ましい実施例では、ゴム成分100 phr に対して、シリカ粉末の含有量を20〜70phr とし、カーボンブラックの含有量を0.5 〜10phr とし、かつカーボンブラック/シリカ粉末の重量比を20/80〜0.5 /99.5とする。また好ましいゴム成分は40万以上の重量平均分子量を有するエチレン―プロピレン−ジエン共重合体ゴムである。ゴム成分にさらにシリカ100 重量%当たり3〜8重量%のカップリング剤を配合するのが好ましい。
【0011】
【発明の実施の形態】
[1] ゴム組成物
本発明の防振ゴム成形品用のゴム組成物は、ゴム成分の他に、シリカ粉末、カーボンブラック、及び必要に応じてカップリング剤を含有する。以下、各成分について詳述する。
【0012】
(A) ゴム成分
本発明に使用し得るゴム成分としては、エチレン―プロピレン−ジエン共重合体ゴム(EPDM)のようなオレフィン系ゴムの他に、天然ゴム(NR)、スチレン- ブタジエン系ゴム(SBR )、ブタジエンゴム(BR)、イソプロピレンゴム(IR)、アクリロニトリル- ブタジエンゴム(NBR )、クロロプレンゴム(CR)等のジエン系ゴムが挙げられる。なかでも、EPDMは優れた耐熱性及び耐久性を有するとともに、低い動倍率を有するために、好適である。
【0013】
EPDMのエチレン/プロピレンのモル比は、30/70〜60/40であるのが好ましい。残部は実質的にジエンであり、ジエンとしては非共役ジエンが好ましい。非共役ジエンの含有量は、ヨウ素価で表すと、一般に8〜30であり、好ましくは8〜25である。
【0014】
非共役ジエンの具体例としては、1,4-ヘキサジエン、1,6-オクタジエン、2-メチル- 1,5-ヘキサジエン、6-メチル-1,5- ヘプタジエン、7-メチル-1,6- オクタジエン等の鎖状非共役ジエン;シクロヘキサジエン、ジシクロペンタジエン、メチルテトラヒドロインデン、5-ビニルノルボルネン、5-エチリデン-2- ノルボルネン、5-メチレン-2- ノルボルネン、5-イソプロピリデン-2- ノルボルネン、6-クロロメチル-5- イソプロペニル-2- ノルボルネン等の環状非共役ジエン;2,3-ジイソプロピリデン-5- ノルボルネン、2-エチリデン-3- イソプロピリデン-5- ノルボルネン、2-プロペニル-2,2- ノルボルナジエン、1,3,7-オクタトリエン、1,4,9-デカトリエン等のトリエンが挙げられる。なかでも、1,4-ヘキサジエンおよび環状非共役ジエン、特に5-エチリデン-2- ノルボルネンが好ましい。
【0015】
EPDMは40万以上の重量平均分子量を有するのが好ましい。このように高分子量のEPDMを使用すると、▲1▼ポリマーの自由長が増大するために末端成分が減少し、振動入力時のヒステリシスロス成分が減少する結果、動倍率が向上し、▲2▼加振時の疲労耐久性が向上し、▲3▼機械的強度が向上するので、必要最小限のシリカ粉末の添加で良くなり、その結果、振動入力時のヒステリシスロス成分が減少し、低動倍率化する。
【0016】
(B) シリカ粉末
シリカ粉末は防振ゴム成形品の補強目的で添加する。シリカ粉末の平均粒径は7〜15μmであるのが好ましい。またシリカ粉末の添加量は、ゴム成分100 phr に対して、一般に20〜70phr 、好ましくは40〜60phr である。シリカ粉末の添加量が20phr 未満であると、ゴム組成物の硬さ及び機械的強度のいずれも不十分であり、また70phr 超では硬くなりすぎ、防振性が低下する。
【0017】
(C) カーボンブラック
カーボンブラックはゴム組成物の熱伝導性を向上するために添加する。カーボンブラックとしては、SRF、GPF、FEF、HAF、ISAF、SAF、FT、MT等が挙げられる。
【0018】
カーボンブラックの添加量は、(a) バリのうち厚さ1mm以下の部分は実質的に白色又は灰色の透明又は半透明であるが、(b) 厚さ2mm以上の部分は実質的に黒色で不透明であり、もってバリ中に厚さ2mm以上の部分があるか否かを目視で判定できるように、設定する。バリは正常な成形では1mm以下の厚さしか有さないが、破損等の金型不良があると、その部分に厚肉のバリが形成される。金型不良による厚肉部は通常2〜3mmの厚さを有するが、そのような厚肉部があると、その部分から亀裂が発生して、防振ゴム成形品全体が破断することがある。そのため、バリのうち厚肉部を目視により検出できるために、防振ゴム成形品を形成するゴム組成物の光透過度を設定する。
【0019】
具体的には、(a) の正常なバリの場合、バリの厚さは通常0.3 〜0.5mm 程度であるが、実質的に白色又は灰色の透明又は半透明である。定量的には、厚さ1mmのバリの光透過度は20%以上である。また(b) の異常なバリの場合、その厚肉部は実質的に黒色で不透明である。定量的には、厚さ2mmのバリの光透過度は5%以下である。1〜2mmの範囲では、バリの光透過度は5〜20%の範囲を直線的に変化する。ただし多くの場合、金型不良によるバリの厚肉化は2mm以上であり、1〜2mmの範囲内では少ない。
【0020】
上記条件を満たすカーボンブラックの添加量は、具体的にはゴム成分100phr当たり0.5 〜10phr の範囲内であり、好ましくは1〜3phr の範囲内である。またカーボンブラック/シリカ粉末の重量比は一般に20/80〜0.5 /99.5であり、好ましくは10/90 〜2/98である。この範囲内にあると、ゴム組成物は良好な耐熱性を有し、高温での耐疲労性及び耐久性に優れているとともに、バリの目視により異常の発見が容易である。
【0021】
(D) カップリング剤
必要に応じてゴム組成物に添加するカップリング剤は、いわゆるシランカップリング剤と呼ばれるアルコキシシラン化合物である。このようなカップリング剤の具体例としては、ビス-3- (トリメトキシシリル)プロピル- テトラスルファン、ビス-3- (トリエトキシシリル)プロピル- テトラスルファン、ビス-3- (トリプロポキシシリル)プロピル- テトラスルファン等が挙げられる。カップリング剤は、シリカ粉末やカーボンブラック等の添加材のゴム組成物内への分散性を向上させる。
【0022】
(E) その他の添加剤
その他に、加硫剤(架橋剤)、加硫助剤、加硫調節剤、老化防止剤、酸化防止剤、補強剤等を添加するのが好ましい。
【0023】
加硫剤としては有機過酸化物が好ましい。有機過酸化物としては、例えば過酸化ベンゾイル、過酸化ラウロイル、過酸化ジターシャリーブチル、過酸化アセチル、ターシャリーブチルペルオキシ安息香酸、過酸化ジクミル、ペルオキシ安息香酸、ペルオキシ酢酸、ターシャリーブチルペルオキシピバレート等の過酸化物類や、アゾビスイソブチロニトリル等のジアゾ化合物類等が好ましい。
【0024】
加硫調節剤は望ましくない早期加硫を防止する目的で使用するもので、メルカプトベンゾチアゾール(MBT )、ジベンゾチアジルジスルフィド(MBTS)、2−メルカプトベンゾチアゾール亜鉛塩(ZnMBT )等のチアゾール類、N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド(CBS )等のスルフェンアミド類、テトラメチルチウラムモノスルフィド(TMTM)、テトラメチルチウラムジスルフィド(TMTD)、テトラエチルチウラムジスルフィド(TETD)、テトラブチルチウラムジスルフィド(TBTD)、ジペンタメチレンチウラムテトラスルフィド(DPTT)等のチウラム類等があり、その他にアルデヒド・アミン類、グアニジン類等を併用することができる。
【0025】
加硫助剤としては酸化亜鉛等の金属酸化物が好ましい。また老化防止剤は加硫後に硬化、軟化、亀裂発生、弾性喪失等の老化現象が起るのを防止するためのもので、2−メルカプトベンゾイミダゾール亜鉛塩(MBZ)、2,2,4-トリメチル-1,2- ジヒドロキノリン重合物(TMDQ)、N,N'- ジフェニル−p−フェニレンジアミン(DPPD)、p−フェニレンジアミン類等が有効である。
【0026】
[2] 防振ゴム成形品の構造
図1は本発明の一実施例によるエンジン取り付け用防振ゴム成形品を示す。この防振ゴム成形品1は、金属製の外筒11及び内筒12と、外筒11と内筒12の間に一体的に成形されたゴム部材13とを有する。ゴム部材13は、内筒12に密着したゴム部13aと、ゴム部13aの両側に間隔を開けて設けられた一対のゴム部13b、13cと、全てのゴム部と一体的であるとともに外筒11に密着したフリンジ部13dとからなる。外筒11の外面には、サスペンションアーム15等の取り付け部材が固着している。ゴム部13aと13bの間及びゴム部13aと13cの間には、それぞれバリ16a、16bがある。
【0027】
図2は図1のA-A 拡大断面図である。ゴム部13aと13bの間のバリ16aは各ゴム部13a、13bの離型面に相当する部位から延びているが、ゴム部13aと13bとの間隔が狭い領域では、各バリ16aは連結していることもある。これはバリ16bについても同じである。従って、以下では特に断らない限り、両方のバリ16a、16bを区別せずに、単にバリ16と呼ぶことにする。
【0028】
図3は図1の防振ゴム成形品を射出成形する様子を示す断面図であって、(a) は金型3が開放した状態を示し、(b) は型締めされた状態を示し、図1のB-B 断面に相当する。金型3は、ゴム組成物の射出用ゲート31aを有する上型31と、下型32と、一対の中型33a,33bとからなり、金型3のキャビティー35内に外筒11及び内筒12が載置される。図1及び図3から明らかなように、隣接するゴム部の間に空間を設けるために、上型31と下型32とが密着する部分37がある。その部分37では、僅かな隙間にゴム組成物が流入するためにバリ16が形成されるが、金型3が正常であれば隙間は極く僅かであるので、バリ16の厚さは0.3 〜0.5mm 程度である。
【0029】
ところが、図3に示すように、密着部分37において上型31及び下型32のいずれかに欠け等の破損がある場合には、その部分にゴム組成物が流入し、バリ16は異常に厚くなる。破損の深さは通常2〜3mmであるので、バリ16の異常部の厚さも2〜3mm程度である。
【0030】
図4は本発明の別の実施例によるエンジン取り付け用防振ゴム成形品4を示す。この防振ゴム成形品4は、外筒41と、内筒42と、両者を接続するように一体的に成形されたゴム部材43とからなり、ゴム部材43にはバリ46がある。
【0031】
また図5は本発明のさらに別の実施例によるエンジン取り付け用防振ゴム成形品5を示す。この防振ゴム成形品5は、車体57と、エンジン58と、両者を接続するように一体的に成形されたゴム部材53とからなり、ゴム部材53にはバリ56がある。
【0032】
また図6は本発明のさらに別の実施例によるエンジン取り付け用防振ゴム成形品6を示す。この防振ゴム成形品6は、LWR 金具61と、UPR 金具62と、両者を接続するように一体的に成形されたゴム部材63とからなり、ゴム部材63にはバリ66がある。
【0033】
また図7は本発明のさらに別の実施例による排気パイプ取り付け用防振ゴム成形品7を示す。この防振ゴム成形品7のゴム部材73にもバリ76がある。
【0034】
[3] 防振ゴム成形品の製造方法
図3に示すように、まず金型3のキャビティー内にゴム部材と一体化すべき部材、例えば外筒11及び内筒12を載置したまま、金型3の中型33a、33bを締め、次いで上型31を閉じる。金型3は加硫温度まで加熱されている。この状態で上型31のゲート31aよりキャビティー内にゴム組成物の溶融物を射出し、ゴム組成物を加硫させる。最後に型開きして、ゴム成形品を取り出す。
【0035】
【実施例】
本発明を以下の実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明はそれらに限定されるものではない。
【0036】
実施例1
図3の金型を使用して、図8〜図10に示す防振ゴム成形品8のサンプルを作製した。図8は正面図であり、図9は図8のC-C 断面図であり、図10は図8のD-D 断面図である。防振ゴム成形品8は、外筒81と、内筒82と、両者を一体的に接続する断面I字形のゴム部材83とからなる。ゴム部材83の両側にはバリ86がある。図8〜図10にサンプルの各部の寸法が示してある。
【0037】
ゴム部材83の組成は、EPDM(住友化学工業(株)製、601F)100phr、シリカ粉末(平均粒径:11μm)40phr 、FTカーボンブラック2phr 、酸化亜鉛4phr 、ステアリン酸1phr 、カップリング剤2phr からなる。加硫剤として、有機過酸化物(ジクミルパオキサイド)を2.7phr、イオウを少量添加し、加硫温度は170 ℃であった。
【0038】
上型31と下型32との密着部分37に欠けの全くない金型を使用した場合、及び密着部分37に深さ2mmの欠けを有する金型を使用した場合について、それぞれ得られたサンプルのバリ86の厚さ、色調及び光透過度を観察した。その結果、正常なサンプルのバリは0.3 〜0.5mm 程度の厚さを有し、ほぼ白色〜灰色で透明感を有していた。空気の光透過度を100 %とし、完全黒体の光透過度を0%とすると、各バリの光透過度は40〜60%の範囲に入っていた。これに対して、不良なサンプルのバリは2〜3mm程度の厚さを有し、ほぼ黒色で不透明であった。各バリの光透過度は5%以下であった。これから、本発明の防振ゴム成形品の場合、バリの異常は光透過性を目視で観察することにより発見できることが分かる。
【0039】
次に正常なサンプル及び不良なサンプルの両方に対して、変位14mmの振動を加え、ゴム部材83に亀裂が発生するまでの加振回数を測定した。また正常なサンプルの場合、変位14mmの振動の他に変位16mmの振動を加えたときについても、ゴム部材83に亀裂が発生するまでの加振回数を測定した。加振変位と亀裂が発生するまでの加振回数(耐久加振回数)との関係を図11に示す。図11から明らかなように、正常なサンプルの場合、変位16mmの加振の場合でも耐久加振回数は50万回程度であり、変位14mmの加振の場合には200 万回近くあった。これに対して、不良なサンプルの場合、耐久加振回数は4万回〜20万回と少なかった。
【0040】
実施例2
実施例1のEPDM系ゴム組成物において、種々の配合量のシリカ粉末を配合したときの引っ張り強度及び硬さを測定した。シリカ粉末の配合量と引っ張り強度及び硬さとの関係を図12に示す。図12から明らかなように、シリカ粉末の配合量が増大するにつれて、引っ張り強度及び硬さのいずれも増大する。
【0041】
実施例3
実施例1のEPDM系ゴム組成物において、EPDMの含有量を変化させたときの動倍率及び引っ張り強度を測定した。その結果を図13に示す。図13から明らかなように、EPDMの含有量が増大するにつれて、動倍率及び引っ張り強度のいずれも低下する。
【0042】
実施例4
実施例1のEPDM系ゴム組成物において、EPDMの重量平均分子量を変化させたときの動倍率及び加工性を測定した。その結果を図14に示す。図14から明らかなように、EPDMの重量平均分子量が増大するにつれて、動倍率及び加工性のいずれも低下する。
【0043】
実施例5
実施例1のEPDM系ゴム組成物において、カーボンブラック/シリカ粉末の比率を変化させたときの動倍率を測定した。その結果を図15に示す。図15から明らかなように、カーボンブラック/シリカ粉末の比率が増大するにつれて、動倍率が低下する。図示の通り、本発明では20/80〜0.5 /99.5のカーボンブラック/シリカ粉末の比率を採用している。この範囲で、バリの目視による判定を簡単に行なうことができる。
【0044】
【発明の効果】
以上詳述した通り、本発明の防振ゴム射出成形用金型の不良判定方法においては、射出成形品には、シリカ粉末及びカーボンブラックが含有されているとともに、カーボンブラックの含有量が調整されているので、正常な薄いバリ部分は光透過性であるが、異常に厚いバリ部分は実質的に光不透過性となっている。そのため、防振ゴム射出成形品のバリの色を目視するだけで、金型不良による異常な厚みがあるか否かを判定できる。従って、異常に厚いバリ部分による防振ゴム射出成形品の亀裂等の問題を防止することができるのみならず、金型不良の発見も簡単に行なえる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例によるエンジン取り付け用防振ゴム成形品を示す正面図である。
【図2】 図1のA-A 断面図である。
【図3】 図1の防振ゴム成形品を成形するための金型を示す断面図である。
【図4】 本発明の別の実施例によるエンジン取り付け用防振ゴム成形品を示す正面図である。
【図5】 本発明のさらに別の実施例によるエンジン取り付け用防振ゴム成形品を示す正面図である。
【図6】 本発明のさらに別の実施例によるエンジン取り付け用防振ゴム成形品を示す正面図である。
【図7】 本発明のさらに別の実施例による排気パイプ取り付け用防振ゴム成形品を示す正面図である。
【図8】 実施例1において製造し、測定した防振ゴム成形品のサンプルを示す正面図である。
【図9】 図8のC-C 断面図である。
【図10】 図8のD-D 断面図である。
【図11】 実施例1の正常なサンプル及び不良なサンプルの各々について、加振変位と耐久加振回数との関係を示すグラフである。
【図12】 実施例1に使用したEPDM系ゴム組成物について、シリカ粉末の配合量と引っ張り強度及び硬さとの関係を示すグラフである。
【図13】 実施例1に使用したEPDM系ゴム組成物について、EPDMの含有量と動倍率及び引っ張り強度との関係を示すグラフである。
【図14】 実施例1に使用したEPDM系ゴム組成物について、EPDMの重量平均分子量と動倍率及び加工性との関係を示すグラフである。
【図15】 実施例1に使用したEPDM系ゴム組成物について、カーボンブラック/シリカ粉末の比率と動倍率との関係を示すグラフである。
【符号の説明】
1,4〜8・・・防振ゴム成形品
11,81・・・・外筒
12,82・・・・内筒
13,43,53,63,73,83・・・ゴム部材
16,46,56,66,76,86・・・バリ
3・・・金型
31・・・上型
32・・・下型
33a,33b・・・中型
37・・・金型の密着部分
Claims (1)
- 防振ゴム射出成形品の射出成形用金型の不良を判定する方法であって、前記防振ゴム射出成形品のバリのうち (a) 厚さ1 mm 以下の部分は実質的に白色又は灰色の透明又は半透明であるが、 (b) 厚さ2 mm 以上の厚肉部は実質的に黒色で不透明であるように、前記防振ゴム射出成形品のカーボンブラック含有量を設定し、前記バリの色及び/又は光透過度を目視することにより、前記バリ中に前記厚肉部があるか否かを判定し、前記厚肉部を形成した金型破損を発見することを特徴とする方法。
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