JP3843533B2 - 芳香族カルボン酸の製造方法 - Google Patents

芳香族カルボン酸の製造方法 Download PDF

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、アルキル置換基または一部酸化したアルキル置換基を含有するアルキル芳香族化合物を酸素含有ガスにより液相酸化して芳香族カルボン酸を製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
芳香族カルボン酸類は基礎化学品として重要であり、特に芳香族ジカルボン酸は繊維、樹脂、可塑剤等の原料として有用である。例えば、テレフタル酸はポリエステル原料として、近年その需要が増大している。
【0003】
従来、芳香族カルボン酸の製造方法としては、一般に酸化反応器において、重金属化合物および臭素化合物を触媒とし、酢酸等の低級脂肪族カルボン酸を含む反応溶媒中で、メチル置換芳香族化合物を分子状酸素含有ガスと接触させて液相酸化する方法が採用されている。このような芳香族カルボン酸の製造方法では、酸化反応器から排出される反応ガスは冷却して気相と液相に分離し、凝縮液は大部分を反応器に戻し、分離ガスは酢酸および/または水により洗浄して酸化原料および酢酸等を回収したのち排ガスとして系外に排出している。
【0004】
ところで製品の搬送等にガスを使用するために空気等を使用する場合、不純物および水分を除去するための処理および加圧が必要になり、コスト高になるという問題点がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、従来系外に排出していた排ガスの圧力を有効利用し、簡単な処理により、製品純度を低下させることなく製品を搬送して、製造コストを低下させることが可能な芳香族カルボン酸の製造方法を提案することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は次の芳香族カルボン酸の製造方法である。
(1) 酸化反応器にアルキル芳香族化合物、溶媒、触媒および酸素含有ガスを導入し液相酸化を行い、酸化反応器から発生する反応ガスを冷却して凝縮液と分離ガスとに分離し、凝縮液の一部を酸化反応器に還流し、酸化反応により生成するスラリーから結晶を分離、乾燥して芳香族カルボン酸を製造する製造工程において、
前記製造工程から排出される分離ガスを吸着塔で吸着処理し、
さらにガスフィルタで濾過して、吸着塔から同伴する吸着剤粒子を除去し、
処理ガスを前記製造工程で生成する乾燥芳香族カルボン酸の搬送用ガスとして用いることを特徴とする芳香族カルボン酸の製造方法。
(2) 生成する芳香族カルボン酸を水素添加反応により還元し、晶析および分離、乾燥を行って精製芳香族カルボン酸を製造する精製工程を有し、処理ガスを精製芳香族カルボン酸の搬送用ガスとして用いるようにした上記(1)記載の方法。
(3) ガスフィルタは不織布からなる濾材を有する上記(1)または(2)記載の方法。
(4) 芳香族カルボン酸がテレフタル酸である上記(1)ないし(3)のいずれかに記載の方法
【0007】
本発明において用いる酸化反応器は、アルキル芳香族化合物、溶媒、触媒および酸素含有ガスを導入して液相酸化を行い、芳香族カルボン酸を製造するように構成される。酸化反応器には原料のアルキル芳香族化合物を溶媒および触媒とともに導入する原料導入路、酸素含有ガスを導入するガス導入路、反応ガスを抜出すガス抜出路、および生成する芳香族カルボン酸を含むスラリーを抜き出すスラリー排出路が設けられる。
【0008】
本発明において芳香族カルボン酸を製造するための原料としては、アルキル置換基または一部酸化したアルキル置換基を有するアルキル芳香族化合物(以下、単に酸化原料という場合がある)が使用できる。このような芳香族化合物は単環であっても、多環であってもよい。上記アルキル置換基としては、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基等の炭素数1〜4のアルキル基をあげることができる。また一部酸化したアルキル基としては、例えばアルデヒド基、アシル基、カルボキシル基、ヒドロキシアルキル基等をあげることができる。
【0009】
アルキル置換基を有する芳香族化合物、すなわちアルキル置換芳香族炭化水素の具体的なものとしては、例えばm−ジイソプロピルベンゼン、p−ジイソプロピルベンゼン、m−シメン、p−シメン、m−キシレン、p−キシレン、トリメチルベンゼン類、テトラメチルベンゼン類等の炭素数1〜4のアルキル基を2〜4個有するジもしくはポリアルキルベンゼン類;ジメチルナフタレン類、ジエチルナフタレン類、ジイソプロピルナフタレン類等の炭素数1〜4のアルキル基を2〜4個有するジもしくはポリアルキルナフタレン類;ジメチルビフェニル類等の炭素数1〜4のアルキル基を2〜4個有するポリアルキルビフェニル類などをあげることができる。
【0010】
また一部酸化したアルキル置換基を有する芳香族化合物は、上記化合物におけるアルキル基が一部酸化されて、上述したようにアルデヒド基、アシル基、カルボキシル基、ヒドロキシアルキル基等に酸化されている化合物であり、具体的なものとしては、例えば3−メチルベンズアルデヒド、4−メチルベンズアルデヒド、m−トルイル酸、p−トルイル酸、3−ホルミル安息香酸、4−ホルミル安息香酸、ホルミルナフタレン類等をあげることができる。
これらは単独で、または2種以上の混合物として用いられる。
【0011】
本発明において触媒としては、重金属化合物および臭素化合物が用いられるが、それらの化合物としては次のようなものが例示される。すなわち、重金属化合物における重金属としては、例えばコバルト、マンガン、ニッケル、クロム、ジルコニウム、銅、鉛、ハフニウム、セリウム等をあげることができる。これらは単独で、または組合せて用いることができるが、特にコバルトとマンガンとを組合せて用いるのが好ましい。
このような重金属の化合物としては、例えば酢酸塩、硝酸塩、アセチルアセトナート塩、ナフテン酸塩、ステアリン酸塩、および臭化物等をあげることができるが、特に酢酸塩が好ましい。
【0012】
臭素化合物としては、例えば分子状臭素、臭化水素、臭化ナトリウム、臭化カリウム、臭化コバルト、臭化マンガン等の無機臭素化合物;臭化メチル、臭化メチレン、ブロモホルム、臭化ベンジル、ブロモメチルトルエン、ジブロモエタン、トリブロモエタン、テトラブロモエタン等の有機臭素化合物などをあげることができる。
これらの臭素化合物も単独で、または2種以上の混合物として用いられる。
【0013】
本発明において、上記重金属化合物と臭素化合物との組合せからなる触媒は、重金属原子1モルに対して臭素原子0.05〜10モル、好ましくは0.1〜2モルの範囲からなるものが望ましい。このような触媒は、通常、反応溶媒中の重金属濃度として10〜10000ppm、好ましくは100〜5000ppmの範囲で用いられる。
【0014】
反応溶媒として使用する低級脂肪族カルボン酸の具体的なものとしては、例えば酢酸、プロピオン酸、酪酸等をあげることができる。低級脂肪族カルボン酸は単独で反応溶媒として使用することもできるし、水と混合して混合物の状態で反応溶媒として使用することもできる。反応溶媒の具体的なものとしては、例えば酢酸、プロピオン酸、酪酸およびこれらの混合物、あるいはこれらの低級脂肪族カルボン酸と水との混合物等をあげることができる。これらの中では、酢酸と水との混合物が好ましく、特に酢酸100重量部に対して水1〜20重量部、好ましくは5〜15重量部を混合した混合物が望ましい。
【0015】
反応溶媒の使用量は、液相部における酸化原料となる芳香族化合物1重量部に対して1〜70重量部、好ましくは2〜50重量部の範囲、特に好ましくは2〜6重量部の範囲、すなわち溶媒量比が1〜70、好ましくは2〜50、特に好ましくは2〜6となる量である。反応溶媒の使用量が上記範囲にある場合、反応溶媒中の固形分濃度が低くなるため、反応溶媒中への酸素の拡散を促進させることができ、これにより反応速度を高くできるとともに、高品質の芳香族カルボン酸を製造することができる。また反応速度を高くすることができるので、反応時間を短くして酸化原料の供給速度を速くすることができ、これにより反応器の容積効率が高くなり、生産性も向上する。
【0016】
本発明の芳香族カルボン酸の製造方法は、前記酸化反応器に原料導入路からアルキル芳香族化合物、溶媒および触媒の混合物を導入し、ガス導入路から酸素含有ガスを導入し、酸化反応を行う。これにより触媒の存在下に、低級脂肪族カルボン酸を含む反応溶媒中で、酸化原料となるアルキル芳香族化合物が酸素含有ガスにより液相酸化される。
【0017】
酸化反応によりアルキル芳香族化合物は酸化されて芳香族カルボン酸が生成するが、この芳香族カルボン酸は結晶として析出し、スラリーが形成される。スラリーはスラリー排出路からスラリー受け槽に抜き出し、後続の分離洗浄系で母液から分離して洗浄し、乾燥機で乾燥する。
【0018】
酸化反応器から発生する反応ガスは冷却器において冷却して凝縮液と分離ガスに分離し、凝縮液の一部は酸化反応器を還流する。分離ガスは必要により洗浄塔において酢酸および/または水で洗浄して酸化原料、酢酸等を回収したのち排ガスとして排出されるが、酸化反応器に蒸留塔を設けて酸化原料および酢酸の回収効率を上げる場合には分離ガスがそのまま排ガスとして排出される場合がある。
【0019】
本発明ではこのような製造工程から排出される分離ガスを吸着塔において吸着剤と接触させることにより、分離ガス中の有機物、水分等を除去する。吸着剤としては例えば、活性炭、シリカゲル等のシリカ系吸着剤、活性アルミナ等のアルミナ系吸着剤、ゼオライト系吸着剤、骨炭、活性白土等を挙げることができるが、シリカゲルおよび活性炭を用いるものが好ましい。
【0020】
このような吸着処理を行ったガスは元の分離ガスに含まれていた不純物は除去されているが、吸着剤の微粉末、特にシリカゲル粉末が同伴し、異物として排出される場合がある。このようなガスを用いて製品の搬送を行うと製品中に吸着剤粉末が混入して純度を低下させることになる。また分離ガスをガスタービンやラビリンスシール等に使用する場合にも、これらの機器に粒子が付着して機能を阻害する場合がある。
【0021】
そこで本発明では吸着処理を行ったガスをガスフィルタで濾過することにより、吸着塔から同伴する吸着剤粒子を除去し、その処理ガスを前記製造工程より生成する製品の乾燥芳香族カルボン酸の搬送用として使用する。ガスフィルタは特に限定されないが、不織布特にポリプロピレン製の不織布からなる濾材を有するものが好ましい。
【0022】
このような芳香族カルボン酸の製造系においては、上記により生成する粗芳香族カルボン酸を水素添加反応により還元し、晶析および分離、乾燥を行って精製芳香族カルボン酸を製造する精製工程が設けられる場合があるが、この工程で得られる精製芳香族カルボン酸の搬送にも上記の処理ガスを用いることができる。
【0023】
このほか各工程における製品の乾燥機のラビリンスシールガスおよび製品サイロのバッフィルタのパージガス、ならびに発電用タービンの駆動ガスなどとして上記の処理ガスを用いることができる。
【0024】
上記の芳香族カルボン酸製造工程から排出される分離ガスは相当の圧力を有し、また酸化原料、溶媒等の有価物が高度に回収されているため不純物も少なく、簡単な処理により製品の搬送用ガス等として使用できる。不活性ガスを搬送用ガスとして使用する場合は、製品の純度を低下させないように、不純物の除去のための処理ならびに加圧が必要になるが、上記の処理ガスを用いることにより処理および加圧のためのコストは低くなる。
【0025】
本発明は芳香族カルボン酸一般の製造方法に適用できるが特にテレフタル酸の製造に適用するのが好ましい。
【0026】
【発明の効果】
本発明によれば、芳香族カルボン酸の製造工程から排出される分離ガスを吸着処理し、さらにガスフィルタにより吸着剤粒子を除去した処理ガスを製品搬送用ガスとして使用するようにしたので、簡単な処理により排ガスの圧力を有効利用して、製品の純度を低下させることなく製品を搬送することができ、これにより製造コストを低下させることができる。
【0027】
精製芳香族カルボン酸の製造工程を有する系において、精製芳香族カルボン酸の搬送に処理ガスを用いることにより、さらに製造コストを低下させることが可能になる。
【0028】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面により説明する。
図1は実施形態の芳香族カルボン酸の製造方法を示すフローシートであり、テレフタル酸および精製テレフタル酸の製造方法に適用した例を示す。図2(a)は濾過エレメントの一部を切欠いて示す正面図、(b)はそのA−A断面図である。
【0029】
図1において、1は酸化反応器、2は冷却器、3は分離槽、4は洗浄槽、5は吸着塔、6はガスフィルタ、7は分離洗浄系、8は乾燥機、9はサイロであり、これらはテレフタル酸製造系を構成している。11はスラリー槽、12は水添槽、13は晶析槽、14は分離洗浄系、15は乾燥機、16はサイロであり、これらは精製テレフタル酸製造系を構成している。
【0030】
吸着塔5は吸着剤層5aとしてシリカゲルおよび活性炭が充填されている。ガスフィルタ6は図2(a)に示す通り一対のエンドプレート17a、17bと、円筒形の大小2つのパンチングプレート18a、18b間にプリーツ状のポリプロピレン製の不織布からなる濾材19が配置された濾過エレメント20を内蔵しており、粒径0.5μm以上、好ましくは1μm以上の異物を95%以上、好ましくは99%以上分離できるものが好ましい。
【0031】
テレフタル酸の製造方法は、酸化反応器1に原料導入路21からパラキシレン等の酸化原料、酢酸等の溶媒、および触媒を導入し、ガス導入路22から酸素含有ガスを導入して液相酸化を行い、テレフタル酸を製造する。生成するテレフタル酸結晶を含むスラリーはスラリー排出路23から抜出し、分離洗浄系7において母液の分離と洗浄を行い、分離したテレフタル酸結晶を系路24から移送して乾燥機8において乾燥し、乾燥テレフタル酸を製造する。
【0032】
酸化反応器1から発生する反応ガスはガス抜出路25から抜き出して冷却器2で冷却し、系路26から分離槽に送って気液分離を行う。生成する凝縮液は一部を系路27から酸化反応器1に還流し、残部を系路28から回収系(図示せず)に排出する。分離ガスは系路29から洗浄槽4に送って酢酸および/または水により洗浄し、洗浄排液は系路30から回収系(図示せず)に排出する。
【0033】
洗浄を行った分離ガスはそのまま系外に排出できる程度に処理されていて、一部は系路31aから大気中に排出されるが、一部を再利用するために系路31から吸着塔5に導入し、吸着剤層5aを通過させて水分、有機物等の不純物を除去する。こうして吸着を行うことにより元の分離ガスに含まれていた不純物および水分は除去されるが、逆に吸着塔5から吸着剤、特にシリカゲルの微粒子が同伴し、異物として混入することがわかった。
【0034】
そこで本発明では系路32からガスフィルタ6に導入して濾過を行うことにより、このような異物としての吸着剤粒子を除去する。ガスフィルタ6は図2に示す濾過エレメント20が内蔵されており、プリーツ状の濾材19に粒子が捕捉される。このような濾材としては不織布が好ましく、特にポリプロピレン製の不織布が好ましい。
【0035】
ガスフィルタ6において異物を除去した処理ガスの一部は系路33から乾燥機8の出口の系路8aから取出される粗テレフタル酸(CTA)をサイロ9に搬送する。
このとき処理ガスは不純物、水分および異物が除去されているので、製品としてのCTAの純度を低下させることなく搬送を行うことができ、また処理ガスは排出時点で有する圧力をそのまま利用することができる。
【0036】
サイロ9から出るガスは系路34からバッフィルタ9aに入って同伴物を除去され、廃ガスとして系路35から排出される。ガスフィルタ6から出た処理ガスの他の一部は系路36から各種機器に送られてラビリンスシール用ガス等として使用され、また系路37からバッフィルタ9aに送られてバッフィルタパージガスとして使用される。パージされた製品は系路38からサイロ9に戻る。
【0037】
精製テレフタル酸(PTA)製造系では、サイロ9から取出されるCTAの一部を系路41からスラリー槽11に導入し、系路42から水等の溶媒を導入してスラリーを形成する。これを系路43から水添槽12に導入して水素添加し、これにより不純物として含まれている4−CBA(4−カルボキシベンズアルデヒド)を還元する。その後系路44から晶析槽13で晶析を行い、さらに系路45から分離洗浄系14に送って母液の分離と結晶の洗浄を行い、系路46から乾燥機15へ送って乾燥を行って製品としての乾燥PTAを得る。
【0038】
このような精製工程において、ガスフィルタ6を出た処理ガスを系路47から乾燥機15の出口の系路15aから取出されるPTAをサイロ16に搬送する。サイロ16から出るガスは系路48からバッフィルタ16aに入って同伴物を除去され、廃ガスとして系路49から排出される。
【0039】
ガスフィルタ6から出る処理ガスの一部は系路50からバッフィルタ16aに送られてバッフィルタパージガスとして使用される。パージされた製品PTAは系路51からサイロ16に戻る。
【0040】
上記の芳香族カルボン酸製造工程から排出される排ガスは、相当の圧力を有し、酸化原料、溶媒等の有価物が高度に回収されているため、不純物も少なく、簡単な処理により製品の搬送用ガス等として使用できる。
【0041】
このため上記の製造方法によれば、芳香族カルボン酸の製造工程から排出される分離ガスを吸着処理し、さらにガスフィルタにより吸着剤粒子を除去した処理ガスを製品搬送用ガスとして使用するため、簡単な処理により排ガスの圧力を有効利用して、製品の純度を低下させることなく製造コストを低下させることができる。また精製芳香族カルボン酸を製造する精製工程を有する系において、精製芳香族カルボン酸の搬送に処理ガスを用いることにより、さらに製造コストを低下させることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態の芳香族カルボン酸の製造方法を示すフローシートである。
【図2】(a)は濾過エレメントの一部を断面で示す正面図、(b)はそのA−A断面図である。
【符号の説明】
1 酸化反応器
2 冷却器
3 分離槽
4 洗浄槽
5 吸着塔
5a 吸着剤層
6 ガスフィルタ
7、14 分離洗浄系
8、15 乾燥機
9、16 サイロ
11 スラリー槽
12 水添槽
13 晶析槽
17a、17b エンドプレート
18a、18b パンチングプレート
19 濾材
20 濾過エレメント
21 原料導入路
22 ガス導入路
23 スラリー排出路
24〜51 系路
25 ガス抜出路

Claims (4)

  1. 酸化反応器にアルキル芳香族化合物、溶媒、触媒および酸素含有ガスを導入し液相酸化を行い、酸化反応器から発生する反応ガスを冷却して凝縮液と分離ガスとに分離し、凝縮液の一部を酸化反応器に還流し、酸化反応により生成するスラリーから結晶を分離、乾燥して芳香族カルボン酸を製造する製造工程において、
    前記製造工程から排出される分離ガスを吸着塔で吸着処理し、
    さらにガスフィルタで濾過して、吸着塔から同伴する吸着剤粒子を除去し、
    処理ガスを前記製造工程で生成する乾燥芳香族カルボン酸の搬送用ガスとして用いることを特徴とする芳香族カルボン酸の製造方法。
  2. 生成する芳香族カルボン酸を水素添加反応により還元し、晶析および分離、乾燥を行って精製芳香族カルボン酸を製造する精製工程を有し、処理ガスを精製芳香族カルボン酸の搬送用ガスとして用いるようにした請求項1記載の方法。
  3. ガスフィルタは不織布からなる濾材を有する請求項1または2記載の方法。
  4. 芳香族カルボン酸がテレフタル酸である請求項1ないし3のいずれかに記載の方法。
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