JP2015189686A - テレフタル酸の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明はコンパクトな製造設備でテレフタル酸を製造することを目的とする、更には、エネルギーを効率よく回収し、排ガス量を低減し、テレフタル酸を製造することを目的とする。
【解決手段】パラキシレンを液相酸化し、テレフタル酸を製造する方法において、
前記液相酸化により得られる、粗テレフタル酸及び液状物質を含有する粗テレフタル酸ケーキを容器に回収し、該容器内に導入ガスを送風する工程において、
前記液相酸化において排出される排出ガスを前記容器の導入ガスとして使用するテレフタル酸の製造方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、テレフタル酸の製造方法に関する。詳しくは、テレフタル酸製造時排出される排出ガスを有効利用する工程を含むテレフタル酸の製造方法に関する。
テレフタル酸の工業的製造方法としては、酢酸などの脂肪族カルボン酸を含む溶媒中で、コバルトやマンガン等を主体とする重金属化合物の触媒、及び/又は臭素化合物の存在下、原料であるパラキシレンを、分子状酸素を含有するガスによって加圧下に液相酸化してテレフタル酸を生成させる方法が広く用いられている。
テレフタル酸はその商業的用途から、微量不純物を極力削減して純度を高めることがしばしば要求される。かかる要求に応えるため、精製方法として、(A)上記液相酸化後の粗テレフタル酸スラリーより粗テレフタル酸を分離、乾燥した後に高温、高圧で水などの溶媒に溶解させて触媒存在下に水素化し、不純物の低減したテレフタル酸を得る方法や、(B)上記液相酸化後の粗テレフタル酸スラリーを追酸化して不純物の酸化反応を進行させ、不純物の低減したテレフタル酸を得る方法などが採用されている。
近年、テレフタル酸は生産規模の拡大に伴い、単一の製造プラントでテレフタル酸が年間500,000〜1,000,000トン製造されるので、前記不純物の低減に加え、より効率よくエネルギーを回収すること、ユーティリティーを利用することが望まれている。
特許文献1では低温で乾燥し、テレフタル酸とすることを提案している。特許文献2では乾燥装置に送入するテレフタル酸の含液率を低減することを提案している。
特開2004−315431号公報 特開2009−203163号公報
しかしながら、従来の方法では、テレフタル酸の製造における設備が過大なものとなり、更にエネルギーロスを抑制することは不十分であり、非効率な製造方法であった。
そこで本発明はコンパクトな製造設備でテレフタル酸を製造することを目的とする、更には、エネルギーを効率よく回収し、排ガス量を低減し、テレフタル酸を安全に効率よく製造することを目的とする。
本発明者等は、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、酸化反応工程で排出される排ガスをテレフタル酸の製造工程に有効利用することが可能であること見出し本発明を完成させた。
即ち本発明の要旨は、下記(1)〜(11)に存する。
(1) パラキシレンを液相酸化し、テレフタル酸を製造する方法において、
前記液相酸化により得られる粗テレフタル酸及び液状物質を含有する粗テレフタル酸ケーキを容器に回収し、該容器内に導入ガスを送風する工程において、
前記液相酸化において排出される排出ガスを前記容器の導入ガスとして使用するテレフタル酸の製造方法。
(2) パラキシレンを液相酸化し、テレフタル酸を製造する方法において、
前記液相酸化により得られるテレフタル酸及び液状物質を含有するテレフタル酸ケーキを容器に回収し、該容器内に導入ガスを送風する工程において、
前記液相酸化において排出される排出ガスを前記容器の導入ガスとして使用するテレフタル酸の製造方法。
(3) パラキシレンを液相酸化し、テレフタル酸を製造する方法において、
前記液相酸化により得られる粗テレフタル酸を容器に回収し、該容器内に導入ガスを送風する工程において、
前記液相酸化において排出される排出ガスを前記容器の導入ガスとして使用するテレフタル酸の製造方法。
(4) パラキシレンを液相酸化し、テレフタル酸を製造する方法において、
前記液相酸化により得られる粗テレフタル酸ケーキを容器より乾燥機に移送ガスを送風しながら移送する工程において、
前記液相酸化において排出される排出ガスを移送ガスとして使用するテレフタル酸の製造方法。
(5) パラキシレンを液相酸化し、テレフタル酸を製造する方法において、
前記液相酸化により得られるテレフタル酸ケーキを容器より乾燥機に移送ガスを送風しながら移送する工程において、
前記液相酸化において排出される排出ガスを移送ガスとして使用するテレフタル酸の製造方法。
(6) パラキシレンを液相酸化し、テレフタル酸を製造する方法において、
前記液相酸化により得られるテレフタル酸を乾燥機から容器に移送ガスにより移送する工程において、
前記液相酸化において排出される排出ガスを移送ガスとして使用するテレフタル酸の製造方法。
(7) 前記導入ガスの酸素濃度が10体積%以下である(1)乃至(3)のいずれかに記載のテレフタル酸の製造方法。
(8) 前記導入ガスの露点が0℃以下である(1)乃至(3)のいずれかに記載のテレフタル酸の製造方法。
(9) 前記導入ガスの温度が25℃以上100℃以下である(1)乃至(3)のいずれかに記載のテレフタル酸の製造方法。
(10) 前記移送ガスの酸素濃度が10体積%以下である(4)乃至(6)のいずれかに記載のテレフタル酸の製造方法。
(11) 前記移送ガスの露点が0℃以下である(4)乃至(6)のいずれかに記載のテレフタル酸の製造方法。
(12) 前記移送ガスの温度が25℃以上100℃以下である(4)乃至(6)のいずれかに記載のテレフタル酸の製造方法。
本発明によれば、酸化反応工程から排出される排出ガスを回収し、予備乾燥工程の乾燥ガスや含液率低減工程の乾燥ガスとして使用することにより、コンパクトな設備でテレフタル酸を製造することが可能となり、大量に排出していた排ガス量を低減でき、環境影響の低減が可能となった。更には乾燥ガスを新たに調製する必要がなく、エネルギーの効率よい利用が可能となった。
以下に本発明の実施の形態を詳細に説明するが、以下に記載する構成要件の説明は、本
発明の実施態様の一例(代表例)であり、本発明はその要旨を超えない限り、以下の内容に限定されない。また、特に断らない限り、数値範囲について「A〜B」という表記は「A以上B以下」を意味するものとする。
<A.テレフタル酸の製造方法>
第一の代表的なテレフタル酸の製造方法は下記の7工程を有する。
(1)含水酢酸中、パラキシレンを酸化して、粗テレフタル酸スラリーを得る工程(以下、「酸化反応工程(1)」と称する場合がある。);
(2)上記粗テレフタル酸スラリーを固液分離して粗テレフタル酸ケーキを回収する工程(以下、「第1固液分離工程(2)」と称する場合がある。);
(3)上記回収した粗テレフタル酸ケーキを乾燥装置に移送し、該乾燥装置で乾燥し、粗テレフタル酸とする工程(以下、粗テレフタル酸乾燥工程(3))と称する場合がある。)
(4)上記粗テレフタル酸を水に溶解した後、水素添加処理をし、水素添加処理液とする工程(以下、「水素添加処理工程(4)」と称する場合がある。);
(5)上記水素添加処理液を晶析してテレフタル酸スラリーを得る工程(以下、「晶析工程(5)」と称する場合がある。);
(6)上記テレフタル酸スラリーを固液分離してテレフタル酸ケーキを回収する工程(以下、「第2固液分離工程(6)」と称する場合がある。);
(7)上記回収されたテレフタル酸ケーキを乾燥装置に移送し、該乾燥装置により乾燥してテレフタル酸とし、乾燥したテレフタル酸を回収する工程(以下、「テレフタル酸乾燥工程(7)」と称する場合がある。);
(酸化反応工程(1))
酸化反応工程(1)は、パラキシレンを、酢酸等を含む溶媒により溶解して溶液とし、酸化して粗テレフタル酸スラリーを得る工程である。まずパラキシレンと酢酸等を含む溶媒とを混合し、酸化反応装置に送り、金属化合物を含む触媒の存在下に分子状酸素を用いて、パラキシレンを酸化する。金属化合物の金属としては、例えばコバルト、マンガン、ニッケル、クロム、ジルコニウム、銅、鉛、ハフニウム、セリウム等を挙げることができる。これらは単独で、または組み合わせて用いることができ、コバルトとマンガンを組み合わせて用いるのが好ましい。このような金属化合物としては、例えば酢酸塩、硝酸塩、アセチルアセテート塩、ナフテン酸塩、ステアリン酸塩、臭化物等を挙げることができるが、酢酸塩、臭化物が好ましい。また、必要に応じて触媒には触媒助剤を含ませてもよく、触媒助剤としては、通常、臭素化合物が用いられる。臭素化合物としては、例えば分子状臭素、臭化水素、臭化ナトリウム、臭化カリウム、臭化コバルト、臭化マンガン等の無機臭素化合物や、臭化メチル、臭化メチレン、ブロモホルム、臭化ベンジル、ブロモメチルトルエン、ジブロモエタン、トリブロモエタン、テトラブロモエタン等の有機臭素化合物などを挙げることができる。これらの臭素化合物も単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。すなわち、本発明においてパラキシレンを酸化する際に用いる触媒は、コバルト化合物、マンガン化合物及び臭素化合物の組み合わせであることが更に好ましく、その中でも酢酸コバルト、酢酸マンガン及び臭化水素の組み合わせが特に好ましい。
このような触媒は、酢酸等を含む溶媒に対してコバルト化合物としては金属換算で10重量ppm〜5000重量ppm、マンガン化合物としては金属換算で10重量ppm〜5000重量ppm、臭素化合物として、臭素原子で10重量ppm〜10000重量ppmが好ましい。触媒量を前記の適度な種類及び量とすることにより、効率の良い酸化反応を低コストで実施することが可能となる。更に分子状酸素は、通常は、不活性ガスと酸素との混合ガスが用いられ、酸化反応装置に供給するパラキシレンに対する分子状酸素のモル比は、通常2〜20モル倍、好ましくは3〜4モル倍である。
酸化反応装置でのパラキシレンの酸化反応温度は、好ましくは160℃以上260℃以下であり、より好ましくは170℃以上210℃以下であり、さらに好ましくは170℃以上200℃以下である。反応温度が前記範囲未満では反応速度が低下する傾向にあり、前記範囲超過では酢酸等を含む溶媒の燃焼による損失量が増大する傾向にある。反応圧力は、少なくとも前記酸化反応温度において混合物が液相を保持できる圧力以上であることが好ましく、常圧を上回る圧力であることが好ましい。具体的には0.2MPa以上6MPa以下(絶対圧)が好ましく、0.4MPa以上3MPa以下(絶対圧)がより好ましい。
酸化反応装置としては、通常、攪拌槽、気泡塔などが挙げられる。酸化反応装置として気泡塔を用いる場合は、攪拌槽を用いる場合よりも反応温度はやや低く、140℃以上180℃以下が好ましく、より好ましくは150℃以上170℃以下である。
上記により粗テレフタル酸スラリーが生成され、第1固液分離工程(2)に送られる。
酸化反応工程(1)からは、酸化反応のために酸化反応装置に導入される分子状酸素含有ガスに伴って、溶媒の酢酸、副生する水、酢酸メチル、臭化メチル、反応中間体、一酸化炭素等、及び、未反応のパラキシレン等を含有する高温高圧ガスが排出される。該高温高圧ガスから、酢酸、酢酸メチル等を回収し、更にエネルギーを回収する。次いで、好ましくはアルカリ水などと接触洗浄した後、排出ガスとして回収される。前記回収された排出ガスは後述する第1固液分離工程(2)、粗テレフタル酸乾燥工程(3)、第2固液分離工程(6)、テレフタル酸乾燥工程(7)において使用することができる。
(第1固液分離工程(2))
第1固液分離工程(2)は、上記粗テレフタル酸スラリーを第1固液分離装置において固液分離して粗テレフタル酸ケーキとし、洗浄を行った後に粗テレフタル酸ケーキを回収する工程である。固液分離する方法としては、粗テレフタル酸スラリーを固液分離機にかける方法等を例示することができる。分離機としては濾過、遠心分離等公知の方法を採用できる。なお、上記粗テレフタル酸スラリーは加圧状態にあるので、圧力を下げると、溶解している粗テレフタル酸が析出する。このため、上記粗テレフタル酸スラリーを晶析槽に送って、放圧冷却を行い、溶解している粗テレフタル酸を析出させてから、固液分離機にかけてもよい。なお、上記「放圧冷却」とは、対象液の圧力よりも低い圧力条件に設定した晶析槽にこの対象液を導入し、該晶析槽で放圧させることにより、膨張及び溶媒成分の気化により、冷却させることを意味する。
このようにして得られた粗テレフタル酸ケーキを酢酸、水、又は酢酸と水の混合物等により洗浄後、粗テレフタル酸ケーキを回収する。回収された粗テレフタル酸ケーキは、例えばホッパー等の容器に収納することができる。容器内は粗テレフタル酸ケーキのブリッジング等の固着防止用にガスが導入されている。本発明のテレフタル酸の製造方法においては、前記粗テレフタル酸ケーキが収納された容器内の導入ガスとして、前記酸化反応工程(1)における排出ガスを使用することが好ましい。導入ガス中の排出ガスの割合はエネルギーの有効回収、設備の省力化の観点から50体積%以上が好ましく、70体積%以上がより好ましく、90体積%以上が更に好ましい。導入ガスの容器内へのノズル場所は制限されないが、粗テレフタル酸ケーキの容器内への固着を防止するために容器壁面近傍であることが好ましい。導入ガスの送風方法は間欠的に送風する方が固着防止の観点で好ましい。導入ガス中の酸素濃度は10体積%以下であることが好ましく、8体積%以下がより好ましく、6体積%以下が更に好ましい。酸素濃度が過度に高いと、容器内で粗テレフタル酸ケーキが粉じん爆発するおそれがある。導入ガスの露点は0℃以下が好ましく、−20℃以下がより好ましく、−40℃以下が更に好ましい。露点が過度に高いと、容器内で粗テレフタル酸ケーキの含液率が上昇する可能性があり、容器壁面への付着が増加す
る場合がある。導入ガスの温度は25℃以上100℃以下が好ましい。前記適度な温度で送風することにより、急激な温度変化による液分凝縮による粗テレフタル酸ケーキの固着を防止し、粗テレフタル酸ケーキの移送を効率よく行う事ができる。
前記回収された粗テレフタル酸ケーキは粗テレフタル酸乾燥工程(3)で処理される。
(粗テレフタル酸乾燥工程(3))
粗テレフタル酸乾燥工程(3)は上記回収した粗テレフタル酸ケーキを乾燥装置に移送し、該乾燥装置で乾燥し、粗テレフタル酸とする工程である。回収した粗テレフタル酸ケーキの乾燥装置への移送は、例えば、前記容器より粗テレフタル酸ケーキを排出し、バケットコンベヤ、スクリューコンベヤ等の移送装置により乾燥装置に移送する方法(以下「移送工程」と称する場合がある。)が挙げられる。前記移送工程には従来より外部の不純物や吸湿防止等の理由により移送ガスを使用している。本発明のテレフタル酸の製造方法においては、前記移送工程の移送ガスとして、前記酸化反応工程(1)における排出ガスを使用することが好ましい。前記移送ガス中の排出ガスの割合はエネルギーの有効回収、設備の省力化の観点から50体積%以上が好ましく、70体積%以上がより好ましく、90体積%以上が更に好ましい。前記移送ガス中の酸素濃度は10体積%以下であることが好ましく、8体積%以下がより好ましく、6体積%以下が更に好ましい。酸素濃度が過度に高いと、移送中に粗テレフタル酸ケーキが粉じん爆発するおそれがある。前記移送ガスの露点は0℃以下が好ましく、−20℃以下がより好ましく、−40℃以下が更に好ましい。露点が過度に高いと、移送中に粗テレフタル酸ケーキの含液率が上昇する可能性がある。前記移送ガスの温度は25℃以上100℃以下が好ましい。前記適度な温度であることにより、急激な温度変化による液分凝縮による粗テレフタル酸ケーキの固着を防止し、粗テレフタル酸ケーキの移送を効率よく行う事ができる。
前記移送ガスとは、移送工程の雰囲気を形成するガスのことであり、移送工程が収納されている空間内各所が均等な雰囲気になるように移送ガスを送風することが好ましい。又、前記移送ガスは移送装置の軸等のシールガスとして用いてもよい。更に移送工程が開始される前に前記空間内が前記移送ガスで置換されていることが好ましい。
移送された粗テレフタル酸ケーキは、乾燥装置において乾燥し、粗テレフタル酸とする。乾燥装置としては放圧蒸発によるフラッシュ乾燥、通常のロータリーキルンドライヤや流動床乾燥機等を用いることができる。
乾燥された粗テレフタル酸は、例えばホッパー等の容器に収納することができる。容器内は粗テレフタル酸のブリッジング等の固着防止用にガスが導入されている。本発明のテレフタル酸の製造方法においては、前記粗テレフタル酸が収納された容器内の導入ガスとして、前記酸化反応工程(1)における排出ガスを使用することが好ましい。導入ガス中の排出ガスの割合はエネルギーの有効回収、設備の省力化の観点から50体積%以上が好ましく、70体積%以上がより好ましく、90体積%以上が更に好ましい。導入ガスの容器内へのノズル場所は制限されないが、粗テレフタル酸の容器内への固着を防止するために容器壁面近傍であることが好ましい。導入ガスの送風方法は間欠的に送風する方が固着防止の観点で好ましい。導入ガス中の酸素濃度は10体積%以下であることが好ましく、8体積%以下がより好ましく、6体積%以下が更に好ましい。酸素濃度が過度に高いと、容器内で粗テレフタル酸が粉じん爆発するおそれがある。導入ガスの露点は0℃以下が好ましく、−20℃以下がより好ましく、−40℃以下が更に好ましい。露点が過度に高いと、容器内で粗テレフタル酸の含液率が上昇する可能性があり、容器壁面への付着が増加する場合がある。導入ガスの温度は25℃以上100℃以下が好ましい。前記適度な温度で送風することにより、急激な温度変化による液分凝縮による粗テレフタル酸の固着を防止し、粗テレフタル酸の移送を効率よく行う事ができる。
上記粗テレフタル酸中には酸化中間体である4−カルボキシベンズアルデヒド(以下「4CBA」と称する場合がある。)等が不純物として含まれる。このような不純物を取り除くため、粗テレフタル酸は次の水素添加処理工程(4)に送られる。
(水素添加処理工程(4))
水素添加処理工程(4)は、水素添加処理装置において、上記粗テレフタル酸を水に溶解して、水素添加により還元処理する工程である。水素添加処理工程(4)を経ることにより、上記不純物である4CBAは還元され、p−トルイル酸になる。p−トルイル酸はテレフタル酸より水溶性が高いので、後述する第2固液分離工程(6)で分離することができる。なお、分離されたp−トルイル酸は上記酸化反応工程(1)に戻され、テレフタル酸原料として使用される。水素添加処理工程(4)により生成した水素添加処理液は、次の晶析工程(5)に送られる。
(晶析工程(5))
晶析工程(5)は、晶析装置において上記水素添加処理液を晶析してテレフタル酸スラリーを得る工程である。晶析方法としては、溶媒である水の蒸発除去及び冷却による方法や、放圧冷却する方法等を例示できる。この工程において、上記したようにp−トルイル酸は水溶性が高いため、その多くは析出せずに溶媒に溶解したままである。よって、次の第2固液分離工程(6)でp−トルイル酸とテレフタル酸とを分離することができる。
(第2固液分離工程(6))
第2固液分離工程(6)は、第2固液分離装置において、上記テレフタル酸スラリーを固液分離して、テレフタル酸ケーキを回収する工程である。分離機としては濾過、遠心分離等公知の方法を採用できる。分離されたテレフタル酸ケーキには母液が付着しており、母液に溶解している不純物等が品質を低下させるので水で洗浄する。洗浄後、テレフタル酸ケーキを回収する。回収されたテレフタル酸ケーキは、例えばホッパー等の容器に収納することができる。容器内はテレフタル酸ケーキのブリッジング等の固着防止用に導入ガスが送風されている。本発明のテレフタル酸の製造方法においては、前記テレフタル酸ケーキが収納された容器の導入ガスとして、前記酸化反応工程(1)における排出ガスを使用することが好ましい。導入ガス中の排出ガスの割合はエネルギーの有効回収、設備の省力化の観点から50体積%以上が好ましく、70体積%以上がより好ましく、90体積%以上が更に好ましい。導入ガスの容器内へのノズル場所は制限されないが、テレフタル酸ケーキの容器内への固着を防止するために容器壁面近傍であることが好ましい。導入ガスの送風方法は間欠的に送風する方が固着防止の観点で好ましい。導入ガス中の酸素濃度は10体積%以下であることが好ましく、8体積%以下がより好ましく、6体積%以下が更に好ましい。酸素濃度が過度に高いと、容器内でテレフタル酸ケーキが粉じん爆発するおそれがある。導入ガスの露点は0℃以下が好ましく、−20℃以下がより好ましく、−40℃以下が更に好ましい。露点が過度に高いと、容器内でテレフタル酸ケーキの含液率が上昇する可能性があり、容器壁面への付着が増加する場合がある。導入ガスの温度は25℃以上100℃以下が好ましい。前記適度な温度で送風することにより、急激な温度変化による液分凝縮によるテレフタル酸ケーキの固着を防止し、テレフタル酸ケーキの移送を効率よく行う事ができる。
前記回収されたテレフタル酸ケーキはテレフタル酸乾燥工程(7)で処理される。
(テレフタル酸乾燥工程(7))
乾燥工程(6)は、上記回収したテレフタル酸ケーキを必要に応じて乾燥装置に移送し、該乾燥装置で乾燥し、テレフタル酸とし、乾燥したテレフタル酸を回収する工程である。回収したテレフタル酸ケーキの乾燥装置への移送は、例えば、前記容器よりテレフタル酸ケーキを排出し、バケットコンベヤ、スクリューコンベヤ等の移送装置により乾燥装置に移送する方法(以下「移送工程」と称する場合がある。)が挙げられる。前記移送工程には従来より外部の不純物や吸湿防止等の理由により移送ガスを使用している。本発明のテレフタル酸の製造方法においては、前記移送ガスとして、前記酸化反応工程(1)における排出ガスを使用することが好ましい。前記移送ガス中の排出ガスの割合はエネルギー
の有効回収、設備の省力化の観点から50体積%以上が好ましく、70体積%以上がより好ましく、90体積%以上が更に好ましい。前記移送ガス中の酸素濃度は10体積%以下であることが好ましく、8体積%以下がより好ましく、6体積%以下が更に好ましい。酸素濃度が過度に高いと、移送中にテレフタル酸ケーキが粉じん爆発するおそれがある。前記ガスの露点は0℃以下が好ましく、−20℃以下がより好ましく、−40℃以下が更に好ましい。露点が過度に高いと、移送中にテレフタル酸ケーキの含液率が上昇する可能性がある。前記移送ガスの温度は25℃以上100℃以下が好ましい。前記適度な温度であることにより、急激な温度変化による液分凝縮によるテレフタル酸ケーキの固着を防止し、テレフタル酸ケーキの移送を効率よく行う事ができる。
前記移送ガスとは、移送工程の雰囲気を形成するガスのことであり、移送工程が収納されている空間内各所が均等な雰囲気になるように移送ガスを送風することが好ましい。又、前記移送ガスは移送装置の軸等のシールガスとして用いてもよい。更に移送工程が開始される前に前記空間内が前記移送ガスで置換されていることが好ましい。
移送されたテレフタル酸ケーキは、乾燥装置において乾燥し、テレフタル酸とする。乾燥装置としては放圧蒸発によるフラッシュ乾燥、通常のロータリーキルンドライヤや流動床乾燥機等を用いることができる。次いで乾燥されたテレフタル酸は容器等に回収される。容器等への回収方法はバケットコンベヤ、スクリューコンベヤ等の移送装置を用いる方法のほか、気力輸送法が挙げられるが、設備の容易性等より気力輸送法が好ましい。気力輸送は乾燥装置より排出された乾燥したテレフタル酸を移送ガスにより配管等を介してホッパー等の容器に移送する方法である。本発明のテレフタル酸の製造方法においては、前記移送ガスとして、前記酸化反応工程(1)における排出ガスを使用することが好ましい。前記移送ガス中の排出ガスの割合はエネルギーの有効回収、設備の省力化の観点から50体積%以上が好ましく、70体積%以上がより好ましく、90体積%以上が更に好ましい。前記移送ガス中の酸素濃度は10体積%以下であることが好ましく、8体積%以下がより好ましく、6体積%以下が更に好ましい。酸素濃度が過度に高いと、移送中にテレフタル酸が粉じん爆発するおそれがある。前記移送ガスの露点は0℃以下が好ましく、−20℃以下がより好ましく、−40℃以下が更に好ましい。露点が過度に高いと、移送中にテレフタル酸の含液率が上昇する可能性がある。前記移送ガスの温度は25℃以上100℃以下が好ましい。前記適度な温度であることにより、急激な温度変化による液分凝縮によるテレフタル酸の固着を防止し、テレフタル酸の移送を効率よく行う事ができる。
<B.テレフタル酸の製造方法>
第二の代表的なテレフタル酸の製造方法は下記の4工程を有する。
(9)含水酢酸中、パラキシレンを酸化して、粗テレフタル酸スラリーを得る工程(以下、「酸化反応工程(9)」と称する場合がある。);
(10)上記粗テレフタル酸スラリーを、さらに高温条件下で追加的な酸化反応に供してテレフタル酸スラリーを得る工程(以下、「追酸化工程(10)」と称する場合がある。);
(11)上記テレフタル酸スラリーを固液分離してテレフタル酸ケーキを回収する工程(以下、「固液分離工程(11)」と称する場合がある。);
(12)上記回収したテレフタル酸ケーキを乾燥装置に移送し、該乾燥装置で乾燥してテレフタル酸とし、乾燥したテレフタル酸を回収する工程(以下、「テレフタル酸乾燥工程(12)」と称する場合がある。);
(酸化反応工程(9))
酸化反応工程(9)は、パラキシレンを、酢酸等を含む溶媒により溶解して溶液とし、酸化して粗テレフタル酸スラリーを得る工程である。まずパラキシレンと酢酸等を含む溶媒とを混合し、酸化反応装置に送り、触媒の存在下に分子状酸素を用いて、パラキシレン
を酸化する。該触媒としては、コバルト、マンガン等の遷移金属の化合物及び/又は臭化水素酸等のハロゲン化水素等が挙げられる。酸化反応工程(9)により、粗テレフタル酸スラリーが得られる。反応温度は通常180℃〜230℃であり、好ましくは190℃〜210℃である。反応圧力は、少なくとも反応温度において、混合物が液相を保持できる圧力以上である必要があり、具体的には0.3MPa〜10MPa(絶対圧)が好ましく、1MPa〜3MPa(絶対圧)がより好ましい。
酸化反応装置としては、通常、攪拌槽、気泡塔などが挙げられる。酸化反応装置として気泡塔を用いる場合は、攪拌槽を用いる場合よりも反応温度はやや低く、140℃以上180℃以下が好ましく、より好ましくは150℃以上170℃以下である。
酸化反応工程(9)からは、酸化反応のために酸化反応装置に導入される分子状酸素含有ガスに同伴して、溶媒の酢酸、副生する水、酢酸メチル、臭化メチル、反応中間体、一酸化炭素等、及び、未反応のパラキシレン等を含有する高温高圧ガスが排出される。該高温高圧ガスから、酢酸、酢酸メチル等を回収し、更にエネルギーを回収する。次いで、好ましくはアルカリ水などと接触洗浄した後、排出ガスとして回収される。
前記回収された排出ガスは後述する固液分離工程(11)、テレフタル酸乾燥工程(12)において使用することができる。
(追酸化工程(10))
追酸化工程(10)は、上記粗テレフタル酸スラリーを追酸化反応装置に移送し、分子状酸素含有ガスを供給して高温度でさらに液相酸化し、テレフタル酸スラリーとする工程である。追酸化工程の反応温度は通常235℃〜290℃、好ましくは240℃〜280℃であり、圧力は通常3MPa〜10MPa(絶対圧)が好ましい。粗テレフタル酸スラリー中のテレフタル酸粒子の一部が溶解し、粒子中の酸化中間体、未反応原料などが酸化されて、不純物濃度が低減され精製効果が生じる。高温高圧ガスは上記酸化反応工程(9)から生じる高温高圧ガスと同様に処理されて、排ガスとして回収され、回収された排出ガスは後述する固液分離工程(11)、テレフタル酸乾燥工程(12)において使用することができる。
(固液分離工程(11))
固液分離工程(11)は、固液分離装置において上記テレフタル酸スラリーを固液分離してテレフタル酸ケーキを回収する工程である。固液分離する方法としては、テレフタル酸スラリーを固液分離機にかける方法等を例示することができる。分離機としては濾過、遠心分離等公知の方法を採用できる。なお、上記テレフタル酸スラリーは加圧状態にあるので、圧力を下げると、溶解しているテレフタル酸が析出する。このため、上記テレフタル酸スラリーを晶析槽に送って、放圧冷却を行い、溶解しているテレフタル酸を析出させてから、固液分離機にかけてもよい。なお、上記「放圧冷却」とは、対象液の圧力よりも低い圧力条件に設定した晶析槽にこの対象液を導入し、該晶析槽で放圧させることにより、膨張及び溶媒成分の気化により、冷却させることを意味する。
分離されたテレフタル酸ケーキには母液が付着しており、母液に溶解している不純物等が品質を低下させるので水で洗浄する。洗浄後、テレフタル酸ケーキを回収する。回収されたテレフタル酸ケーキは、例えばホッパー等の容器に収納することができる。容器内はテレフタル酸ケーキのブリッジング等の固着防止用に導入ガスが送風されている。本発明のテレフタル酸の製造方法においては、前記テレフタル酸ケーキが収納された容器の導入ガスとして、前記酸化反応工程(9)における排出ガス及び/又は前記追酸化工程(10)における排出ガスを使用することが好ましい。導入ガス中の排出ガスの割合はエネルギーの有効回収、設備の省力化の観点から50体積%以上が好ましく、70体積%以上がより好ましく、90体積%以上が更に好ましい。導入ガスの容器内へのノズル場所は制限されないが、テレフタル酸ケーキの容器内への固着を防止するために容器壁面近傍であるこ
とが好ましい。導入ガスの送風方法は間欠的に送風する方が固着防止の観点で好ましい。導入ガス中の酸素濃度は10体積%以下であることが好ましく、8体積%以下がより好ましく、6体積%以下が更に好ましい。酸素濃度が過度に高いと、容器内でテレフタル酸ケーキが粉じん爆発するおそれがある。導入ガスの露点は0℃以下が好ましく、−20℃以下がより好ましく、−40℃以下が更に好ましい。露点が過度に高いと、容器内でテレフタル酸ケーキの含液率が上昇する可能性があり、壁面への付着が増加する場合がある。導入ガスの温度は25℃以上100℃以下が好ましい。前記適度な温度で送風することにより、急激な温度変化による液分凝縮によるテレフタル酸ケーキの固着を防止し、テレフタル酸ケーキの移送を効率よく行う事ができる。
前記回収されたテレフタル酸ケーキはテレフタル酸乾燥工程(12)で処理される。
(テレフタル酸乾燥工程(12))
テレフタル酸乾燥工程(12)は、上記回収したテレフタル酸ケーキを乾燥装置に移送し、該乾燥装置で乾燥し、テレフタル酸とし、乾燥したテレフタル酸を回収する工程である。回収したテレフタル酸ケーキの乾燥装置への移送は、例えば、前記容器よりテレフタル酸ケーキを排出し、バケットコンベヤ、スクリューコンベヤ等の移送装置により乾燥装置に移送する方法(以下「移送工程」と称する場合がある。)が挙げられる。前記移送工程には従来より外部の不純物や吸湿防止等の理由により移送ガスを使用している。本発明のテレフタル酸の製造方法においては、前記移送ガスとして、前記酸化反応工程(9)における排出ガス及び/又は前記追酸化工程(10)における排出ガスを使用することが好ましい。前記移送ガス中の排出ガスの割合はエネルギーの有効回収、設備の省力化の観点から50体積%以上が好ましく、70体積%以上がより好ましく、90体積%以上が更に好ましい。前記移送ガス中の酸素濃度は10体積%以下であることが好ましく、8体積%以下がより好ましく、6体積%以下が更に好ましい。酸素濃度が過度に高いと、移送中にテレフタル酸ケーキが粉じん爆発するおそれがある。前記移送ガスの露点は0℃以下が好ましく、−20℃以下がより好ましく、−40℃以下が更に好ましい。露点が過度に高いと、移送中にテレフタル酸ケーキの含液率が上昇する可能性がある。前記移送ガスの温度は25℃以上100℃以下が好ましい。前記適度な温度であることにより、急激な温度変化による液分凝縮によるテレフタル酸ケーキの固着を防止し、テレフタル酸ケーキの移送を効率よく行う事ができる。
前記移送ガスとは、移送工程の雰囲気を形成するガスのことであり、移送工程が収納されている空間内各所が均等な雰囲気になるように移送ガスを送風することが好ましい。又、前記移送ガスは移送装置の軸等のシールガスとして用いてもよい。更に移送工程が開始される前に前記空間内が前記移送ガスで置換されていることが好ましい。
移送されたテレフタル酸ケーキは、乾燥装置において乾燥し、テレフタル酸とする。乾燥装置としては放圧蒸発による加圧乾燥機、通常の流動乾燥機等を用いることができる。次いで乾燥されたテレフタル酸は容器等に回収される。容器等への回収方法はバケットコンベヤ、スクリューコンベヤ等の移送装置を用いる方法のほか、気力輸送法が挙げられるが、設備の容易性等より気力輸送法が好ましい。気力輸送は乾燥装置より排出された乾燥したテレフタル酸を移送ガスにより配管等を介してホッパー等の容器に移送する方法である。前記移送ガスとして、前記酸化反応工程(9)における排出ガス及び/又は前記追酸化工程(10)における排出ガスを使用することが好ましい。前記移送ガス中の排出ガスの割合はエネルギーの有効回収、設備の省力化の観点から50体積%以上が好ましく、70体積%以上がより好ましく、90体積%以上が更に好ましい。前記移送ガス中の酸素濃度は10体積%以下であることが好ましく、8体積%以下がより好ましく、6体積%以下が更に好ましい。酸素濃度が過度に高いと、移送中にテレフタル酸が粉じん爆発するおそれがある。前記移送ガスの露点は0℃以下が好ましく、−20℃以下がより好ましく、−40℃以下が更に好ましい。露点が過度に高いと、移送中にテレフタル酸の含液率が上昇
する可能性がある。前記移送ガスの温度は25℃以上100℃以下が好ましい。前記適度な温度であることにより、急激な温度変化による液分凝縮によるテレフタル酸の固着を防止し、テレフタル酸の移送を効率よく行う事ができる。
「A.テレフタル酸の製造方法」に従いテレフタル酸を製造した。酸化反応工程(1)で粗テレフタル酸スラリーを製造した。次いで、第1固液分離工程(2)では、粗テレフタル酸スラリーを固液分離し、洗浄後の粗テレフタル酸ケーキをホッパーに収納して一時滞留させた。該ホッパーのコーン部に円周状に導入ガスノズルを配置し、およそ20秒に一度、20Nm/hの流量で5秒間、導入ガスを送風した。この時の導入ガスの温度はおよそ30℃であり、酸素濃度は6体積%であった。該導入ガスには酸化反応工程(1)で排出されたガスを脱湿塔に通して露点を−40℃以下に調整した排出ガスを使用した。続いて実施した粗テレフタル酸乾燥工程(3)では、該ホッパーの出口にロータリーバルブを装着し、該ロータリーバルブにより粗テレフタル酸ケーキを排出し、バケットコンベアを介して乾燥装置に該粗テレフタル酸ケーキを移送した。前記移送の際の雰囲気ガスとして、前記排出ガスを使用した。更にバケットコンベアの駆動部の軸シール用のガスとして、前記排出ガスを使用した。
次いで、水素添加処理工程(4)で前記乾燥装置で乾燥された粗テレフタル酸を還元処理し、晶析工程(5)を経て、第2固液分離工程(6)によりテレフタル酸ケーキとし、ホッパーに収納して一時滞留させた。該ホッパーのコーン部に円周状に導入ガスノズルを配置し、およそ20秒に一度、20Nm/hの流量で5秒間、導入ガスを送風した。この時の導入ガスは前記排出ガスを使用した。続いて、テレフタル酸乾燥工程(7)では、該ホッパーの出口にロータリーバルブを装着し、該ロータリーバルブによりテレフタル酸ケーキを排出し、バケットコンベアを介して乾燥装置に該テレフタル酸ケーキを移送した。前記移送の際の雰囲気ガスとして、前記排出ガスを使用した。更にバケットコンベアの駆動部の軸シール用のガスとして、前記排出ガスを使用した。乾燥装置にて該テレフタル酸ケーキを乾燥し、テレフタル酸とした。最後に、乾燥装置より、気力輸送により乾燥したテレフタル酸をホッパーに回収した。気力輸送に使用した移送ガスは、前記排出ガスを使用した。
上記操作により、当該ホッパーやバケットコンベア等での粗テレフタル酸ケーキ又はテレフタル酸ケーキのブリッジング等の固着や閉塞、粗テレフタル酸又はテレフタル酸の含液率の上昇、更には粉じん爆発等の事故を引き起こすことなく、1か月以上の安定運転を連続的に実施することができた。
本発明のテレフタル酸の製造方法では、テレフタル酸製造プロセスの酸化反応工程から排出される排出ガスを有効に利用することにより、コンパクトな設備によりテレフタル酸を製造することができ、更にはエネルギー効率を生かしてテレフタル酸を製造することができ、加えて、排ガス量を低減することにより、環境負荷を抑制することができ、テレフタル酸を工業的に製造する際に好適に用いることができる。

Claims (12)

  1. パラキシレンを液相酸化し、テレフタル酸を製造する方法において、
    前記液相酸化により得られる粗テレフタル酸及び液状物質を含有する粗テレフタル酸ケーキを容器に回収し、該容器内に導入ガスを送風する工程において、
    前記液相酸化において排出される排出ガスを前記容器の導入ガスとして使用するテレフタル酸の製造方法。
  2. パラキシレンを液相酸化し、テレフタル酸を製造する方法において、
    前記液相酸化により得られるテレフタル酸及び液状物質を含有するテレフタル酸ケーキを容器に回収し、該容器内に導入ガスを送風する工程において、
    前記液相酸化において排出される排出ガスを前記容器の導入ガスとして使用するテレフタル酸の製造方法。
  3. パラキシレンを液相酸化し、テレフタル酸を製造する方法において、
    前記液相酸化により得られる粗テレフタル酸を容器に回収し、該容器内に導入ガスを送風する工程において、
    前記液相酸化において排出される排出ガスを前記容器の導入ガスとして使用するテレフタル酸の製造方法。
  4. パラキシレンを液相酸化し、テレフタル酸を製造する方法において、
    前記液相酸化により得られる粗テレフタル酸ケーキを容器より乾燥機に移送ガスを送風しながら移送する工程において、
    前記液相酸化において排出される排出ガスを移送ガスとして使用するテレフタル酸の製造方法。
  5. パラキシレンを液相酸化し、テレフタル酸を製造する方法において、
    前記液相酸化により得られるテレフタル酸ケーキを容器より乾燥機に移送ガスを送風しながら移送する工程において、
    前記液相酸化において排出される排出ガスを移送ガスとして使用するテレフタル酸の製造方法。
  6. パラキシレンを液相酸化し、テレフタル酸を製造する方法において、
    前記液相酸化により得られるテレフタル酸を乾燥機から容器に移送ガスにより移送する工程において、
    前記液相酸化において排出される排出ガスを移送ガスとして使用するテレフタル酸の製造方法。
  7. 前記導入ガスの酸素濃度が10体積%以下である請求項1乃至3のいずれか1項に記載のテレフタル酸の製造方法。
  8. 前記導入ガスの露点が0℃以下である請求項1乃至3のいずれか1項に記載のテレフタル酸の製造方法。
  9. 前記導入ガスの温度が25℃以上100℃以下である請求項1乃至3のいずれか1項に記載のテレフタル酸の製造方法。
  10. 前記移送ガスの酸素濃度が10体積%以下である請求項4乃至6のいずれか1項に記載のテレフタル酸の製造方法。
  11. 前記移送ガスの露点が0℃以下である請求項4乃至6のいずれか1項に記載のテレフタル酸の製造方法。
  12. 前記移送ガスの温度が25℃以上100℃以下である請求項4乃至6のいずれか1項に記載のテレフタル酸の製造方法。
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