JPH01121238A - 芳香族カルボン酸を含有する濾液の処理方法 - Google Patents

芳香族カルボン酸を含有する濾液の処理方法

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JPH01121238A
JPH01121238A JP28185787A JP28185787A JPH01121238A JP H01121238 A JPH01121238 A JP H01121238A JP 28185787 A JP28185787 A JP 28185787A JP 28185787 A JP28185787 A JP 28185787A JP H01121238 A JPH01121238 A JP H01121238A
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正宏 児玉
Tsuruzumi Yoshii
喜井 鶴澄
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は芳香族カルボン酸を含有する濾液の処理方法に
関し、さらに詳しくは、臭素化合物等の不純物の混入量
がより一層少なくなった芳香族カルボン無水物を製造す
ることができ、かつ、不純物の混入量がより一層少なく
なった溶媒を回収することができる、芳香族カルボン酸
を含有する濾液の処理方法に関する。
[従来の技術およびその問題点] 従来、芳香族カルボン酸無水物、例えば、無水トリメリ
ット酸を製造するに当っては、プソイドクメンを液相酸
化して得られたトリメリット酸を晶析し、濾過し、濾液
を圧力Okg/cm2G 、温度240℃の条件下で、
トリメリット酸の約80%を無水トリメリット酸に転化
させると共に、酢酸、水を蒸発させてこれらを回収し、
残留物を無水トリメリット酸回収工程に送り、圧力5T
orr、温度240℃の条件下で無水トリメリット酸に
転化させると共に、無水トリメリット酸の約8ozを蒸
発回収し、残渣物を系外に抜き出していた。
特公昭第47−e2s7号公報にも同様の技術が開示さ
れている。
しかしながら、このような技術では、操作温度が高いた
め、濾液中に含まれている臭素化合物等の不純物が蒸発
し、無水トリメリット酸中や、回収酢酸中に多量に混入
するという不具合があった。
本発明は、上記従来技術の欠点を改良し、芳香族カルボ
ン酸を含有する濾液を処理して、臭素化合物等の不純物
の混入量をより一層少な、くした芳香族カルボン酸無水
物を製造すると共に前記不純物の混入量をより一層少な
くした溶媒を回収することのできる方法を提供すること
を目的とするものである。
[問題点を解決するための手段] 本発明者らは、上記目的を達成するべく鋭意研究した結
果、反応生成液を晶析し、濾過して得られる濾液を、低
温晶析槽にて比較的低温で晶析し、得られた芳香族カル
ボン酸含有ケーキを溶解、再結晶した後、濾過し、得ら
れた再結晶ケーキを溶融、無水化、蒸発処理して芳香族
カルボン酸無水物を得ると共に、低温晶析後に濾過して
得られた濾液と再結晶後に濾過して得られた濾液とを濃
縮、蒸発して溶媒を回収することによって、不純物の混
入が大幅に減少した芳香族カルボン酸無水物を製造する
ことができると共に、不純物の混入が大幅に減少した溶
媒を回収することができることを見出し、本発明を完成
するに至った。
すなわち、本発明の構成は、脂肪族置換芳香族化合物を
、触媒の存在下、溶媒中で分子状酸素によって液相酸化
して得られた反応生成液を、晶析槽に導入して晶析し、
得られたスラリーを濾過し、 (a)  得られた濾液を低温晶析槽に導入して晶析し
た後、濾過して芳香族カルボン酸含有ケーキと濾液とを
得。
(b)  前記(a)工程で得られた芳香族カルボン酸
含有ケーキを溶解し、再結晶した後、濾過して再結晶ケ
ーキと再結晶濾液とを得、 (C)  前記(b)工程で得られた再結晶ケーキを溶
融、無水化、蒸発させて芳香族カルボン酸無水物を得る
と共に、 (d)  前記(a)工程で得られた濾液と前記(b)
工程で得られた再結晶濾液とを濃縮、蒸発させて溶媒を
回収することを特徴とする芳香族カルボン酸を含有する
濾液の処理方法である。
次に、この発明の好ましい態様について、図面を参照し
ながら分脱する。
本発明の処理方法を適用した芳香族カルボン酸の製造プ
ロセスの概要を、第1図および第2図ににより説明する
第1図に示すように、芳香族カルボン酸を得る液相酸化
反応が行なわれる2基の回分式反応器1.2には、得ら
れた反応生成液を移送する移送管3aが結合されており
、この移送管3aには止め弁3c、3dが設けられ、流
量調節弁3bを介して第1晶析槽4が連結されている。
第1晶析槽4では、晶析が行なわれ、この第1晶析槽4
には得られたスラリーを移送する移送管5aが連結され
ており、移送管5aは流量調節弁5bを介して第2晶析
槽6に連結されている。
第2図に示すように、第2晶析槽6では、晶析が行なわ
れ、得られたスラリーは移送管7を介して濾過器8に移
送される。
濾過器8では濾過が行なわれ、芳香族カルボン酸含有ケ
ーキと濾液に分離される。
この濾過器8によって得られた濾液を低温晶析槽9に導
入して晶析する。低温晶析槽9では5〜60℃の比較的
低温で晶析が行なわれる。
低温晶析槽9には、得られたスラリーを移送する移送管
10が連結されており、この移送管10は濾過器11に
連結されている。
低温晶析後のスラリーは濾過器11で濾過されてケーキ
と濾液に分離される。
ケーキはその後、溶解槽12に導入、溶解される。溶解
槽12には、溶解液を移送する移送管13aが接続され
ており、移送管13aは、流量調節弁13bを介して再
結晶槽14に接続されている。
再結晶槽14には移送管15が接続されており、得られ
たスラリーを濾過器16に送る。
濾過器1Bに送られたスラリーは濾過されて再結晶ケー
キと再結晶濾液に分離され、得られた芳香族カルボン酸
含有ケーキは溶融、無水化、蒸発処理されて芳香族カル
ボン酸無水物となる。
一方、再結晶濾液は、低温晶析後の濾液と共にそれぞれ
移送管17.18によって残渣濃縮器18に移送される
残渣濃縮器18で濾液は濃縮され、この濃縮器18に結
合された移送管20によって薄膜蒸発器21に導入され
、蒸発処理される。
本発明の処理方法を適用した芳香族カルボン酸の製造プ
ロセスをさらに詳細に説明する。
−回分式反応器− 回分式反応器l、2には、それぞれ脂肪族置換芳香族化
合物を反応器1.2内に供給する原料供給手段、溶媒を
反応器l、2内に供給する溶媒供給手段、触媒を反応器
1.2内に供給する触媒供給手段、および反応器1.2
内に分子状酸素含有ガスを供給する分子状酸素含有ガス
供給手段、反応器1.2内で発生する溶媒蒸気を凝縮さ
せてこれを液化し、得られた溶媒液を反応器l、2内に
戻す溶媒回収手段、液相酸化反応により生成した反応生
成液を反応器l、2から抜き出して、晶析槽4に移送す
る反応生成液移送手段3aとを付設している。
そして、前記回分式反応器1.2内では、原料の脂肪族
置換芳香族化合物と、溶媒と、触媒とを混合し、分子状
酸素含有ガスを導入することにより所定の反応圧力およ
び反応温度の下に、液相酸化反応処理が行なわれる。
上述したように、複数基の回分式反応器を用いて、各回
分式反応器への原料、溶媒、触媒等の供給時期をずらす
と共に、各回分式反応器での反応開始時期を一定時間ず
つずらして酸化反応を行なうのが好ましい。このように
複数の回分式反応器を利用し、液相酸化反応を各反応器
で順次に行なうと、回分式反応器を遊休させることがな
くなり、設備稼動の高効率化を達成することができる。
一液相酸化反応処理− 液相酸化反応処理においては、脂肪族置換芳香族化合物
が溶媒中で分子状酸素含有ガスで触媒の存在下に液相酸
化され、芳香族カルボン酸が生成する。
前記脂肪族置換芳香族化合物としては、芳香環に、脂肪
族炭化水素基を置換した構造を有する化合物である。
前記脂肪族炭化水素基としては、飽和脂肪族炭化水素基
、不飽和脂肪族炭化水素基があり、飽和脂肪族炭化水素
基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル
基、ペンチル基、イソブチル基、ネオペンチル基、ヘキ
シル基、2−メチルヘキシル基、3−メチルヘキシル基
、ヘプチル基、2−メチルペンチル基、3−メチルペン
チル基、オクチル基などを挙げることができ、不飽和脂
肪族炭化水素基としては、ビニル基、プロペニル基、ブ
テニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基、ヘプテニル基
、オクテニル基などを挙げることができる。
前記各種の脂肪族置換基の中でも、好ましいのは、炭素
数が1〜5である飽和脂肪族炭化水素基であり、さらに
好ましいのは炭素数が1〜3である飽和脂肪族炭化水素
基であり、特に好ましいのはメチル基である。
芳香環としては、ベンゼン環、ナフタレン環などを挙げ
ることができる。
好ましいのは、ベンゼン環である。
芳香環に置換する脂肪族置換基の数に制限がないのであ
るが、工業的に有用な原料と言う点から見ると、脂肪族
置換基の数として1〜4を挙げることができる。
このような脂肪族置換芳香族化合物の具体例としては、
1−メチルベンゼン(トルエン) 、 1.2−ジメチ
ルベンゼン(0−キシレン) 、 1.3−ジメチルベ
ンゼン(m−キシレン) 、 1.4−ジメチルへンゼ
ン(p−キシレン) 、 1,2.3−)リメチルベン
ゼン、!、2.4−トリメチルベンゼン(プソイドクメ
ン) 、 1,3.5−)リメチルベンゼン(メシチレ
ン)、1.2,4.5−テトラメチルベンゼン(ジュレ
ン)等が挙げられる。中でもプソイドクメンが好ましい
原料として用いられる脂肪族置換芳香族化合物は、商業
的に入手したものをそのまま用いることができるが、例
えば、プソイドクメンは、タールや石油留分の蒸留によ
り得られるものを用いても良いし、あるいはベンゼンま
たはキシレンのメチル化または不均化により得られるも
のを用いてもよい。
前記溶媒としては、この発明における脂肪族置換芳香族
化合物の分子状酸素ガスによる液相酸化反応に不活性で
あれば特に制限なく使用することができる。
そのような溶媒として、通常の場合酢酸が使用されるの
であるが、好ましい溶媒は20重量%以下の水を含有す
る水性酢酸である。
使用に供される前記酢酸(前記水性酢酸も含めて)の使
用量は、前記脂肪族置換芳香族化合物の使用量の2重量
倍以上である。、好ましくは4〜10重量倍である。前
記酢酸の使用量が前記範囲量よりも多いと、酢酸の回収
コストの増加を招くことがある。
前記分子状酸素含有ガスは、本発明の方法において酸化
剤として用いられる。
この分子状酸素含有ガスは、分子状酸素を含有するガス
であれば、特に制限がなく、空気、純酸素、酸素を含有
する工業排ガスなどを用いることもできる。
これらの中でも、工業的には空気が好ましい。
前記触媒は、液相中で、分子状酸素含有ガスにより脂肪
族置換芳香族化合物における脂肪族置換基をカルボキシ
ル基に酸化するに際して触媒作用を有するものであれば
特に制限がないのであるが、通常の場合、芳香族カルボ
ン酸の製造方法において従来より用いられている重金属
化合物と臭素化合物とからなる酸化触媒を好適に用いる
ことができる。
前記重金属化合物としては、コバルト化合物およびマン
ガン化合物が挙げられる。
このコバルト化合物およびマンガン化合物は、溶媒に可
溶なものであれば特に制限はない。
溶媒として酢酸を使用する場合、コバルト化合物および
マンガン化合物として、酢酸塩、プロピオン酸塩、ナフ
テン酸塩、オクテン酸塩等の有機酸塩ニアセチルアセト
ナート錯体、カルボニル錯体、アンミン錯体、オキソ錯
体等の有機錯体:塩化物、臭化物等のハロゲン化物;水
酸化物;ホウ酸塩、硝酸塩、炭酸塩等の無機酸塩iを挙
げることができる。これらの中でも、好ましいのは、酢
酸塩、臭化物、水酸化物、炭酸塩である。
前記臭素化合物としては、例えば臭素、臭化水素、臭化
アンモニウム、臭化ナトリウム、臭化リチウム、臭化カ
リウム、臭化セシウム等のアルカリ金属臭化物;臭化コ
バルト、臭化マンガン、臭化セリウム等の無機臭素化合
物:テトラブロモエタン、ブロモ酢酸、臭化ベンジル等
の有機臭素化合物等を挙げることができる。これらの中
でも、臭化ナトリウム、臭化コバルト、臭化マンガン、
臭化アンモニウム等が好ましく、特に、臭化ナトリウム
が好ましい。
前記重金属化合物および臭素化合物は、それぞれ1種単
独で使用しても良いし、2種以上を組み合わせて使用し
ても良い。
前記重金属化合物を使用する場合の使用量は、前記溶媒
特に溶媒としての酢酸に対し、通常、0.01〜1.0
重量%である。この使用量が0.01重量%未満では、
反応速度が低下して生産効率が悪化したり、充分な触媒
活性が得られなかったりすることがある。一方、1.0
重量%を超えると、金属触媒と芳香族カルボン酸との塩
の形成が無視できなくなり、製品収率の低下を招くこと
がある。
なお、前記重金属化合物として前記コバルト化合物とマ
ンガン化合物とを使用する場合、コバルト金属とマンガ
ン金属との原子比(GO:Mn)が5=1〜l:10、
好ましくは4:1〜1:4となる割合の使用量であると
、触媒活性および触媒の回収操作のうえで好適である。
前記臭素化合物の使用量は前記溶媒特に酢酸に対して、
臭素原子としての使用量で0.01〜2.0重量%であ
り、重金属化合物がコバルト化合物とマンガン化合物と
である場合、そのコバルト化合物とマンガン化合物との
合計量に対して原子比(Br/Co+Mn)で2.51
〜2.99、好ましくは2.8〜2.9 テある。
この比が2.51未満であると、充分な触媒活性が得ら
れないことがある。一方、2.98を超えると、触媒活
性は高まるものの芳香族カルボン酸中への臭素成分の混
入が無視できなくなって、精製コストや触媒コストの増
加を招くことがある。
前記回分式反応器内で行なわれる液相酸化反応処理の反
応としては、通常、次の通りである。
すなわち、反応温度は、通常、110〜250℃、好ま
しくは130〜230℃である。この反応温度が110
℃未満であると、芳香族カルボン酸の精製に要する反応
時間が著しく長くなって生産効率の低下を招くことがあ
る。一方、250℃より高くすると、トリメリット酸の
製造に望ましくない完全酸化反応や熱分解反応の増加を
招いたり、着色性不純物の副生の増加を招いたりするこ
とがある。
反応圧力は、通常、 4〜50kg/cm2G 、好ま
しくは、4〜30kg/cm2Gである。反応圧力がこ
の範囲より低いと、前記反応温度下において前記酢酸が
液相を保てなくなることがある。また1反応系の分子状
酸素の分圧は反応器からの排ガス中の酸素濃度が1〜8
容量%の範囲になるように前記空気の導入量を制御する
ことが好ましい。
反応時間は、原料等の仕込量、前記反応温度および反応
圧力により異なるので一層に決定することはできないが
、通常は3〜10時間程度で充分である。
一晶析装置および晶析処理− 第1図に示すように、晶析槽4では、前記回分式反応器
l、2から移送されてきた反応生成液と晶析槽4から抜
き出されたスラリーの一部との混合物が、前記回分式反
応器l、2における温度および圧力よりも低い温度およ
び圧力の下で処理されて、芳香族カルボン酸が結晶化す
る。
晶析槽4の構造としては、特に制限がなく1通常の場合
、攪拌装置を備えると共に、内部に邪魔板を備えて攪拌
効率の向上が図られており、晶析槽内で発生する溶媒蒸
気等は槽外の凝縮器などに導かれて回収されるようにな
っている。
この発明において、晶析処理の好ましい態様として、複
数たとえば2基の晶析槽を直列に結合することが挙げら
れる。
前記酸化反応処理の条件下にあっては、前記第1の晶析
槽4では、その操作圧力を、通常、1気圧とするのが良
く、また操作温度は、通常、110〜120℃とし、滞
留時間は、通常、1〜5時間とするのが良い。
このような条件下で第1の晶析槽4で生成した芳香族カ
ルボン酸含有のスラリーには、30〜35重量%の芳香
族カルボン酸が含まれている。
また第2の晶析槽6では、前記第1の晶析槽4の操作圧
力および操作温度は前記第1の晶析槽4の操作圧力、操
作温度よりも低く設定される。通常の場合、第2の晶析
槽6の操作圧力は、30〜220 Torr 、操作温
度は40〜70℃である。また第2の晶析槽6での滞留
時間は1〜5時間である。
晶析槽をこのような二段にするこ、とにより、微粒子の
生成をより一層抑制し、触媒成分である臭素化合物の、
生成した芳香族カルボン酸中への混入量を低減すること
ができる。
なお、前記第2晶析槽6で晶析処理されて得られたスラ
リーは、濾過器8に送られる。
濾過器8では、導入されたスラリーが芳香族カルボン酸
含有ケーキと濾液とに分離され、濾液は低温晶析槽9に
導入される。
一低温晶析槽および低温晶析処理− 低温晶析槽9内では、濾液は通常、温度5〜60℃、滞
留時間1〜5時間で比較的低温で晶析されてスラリーが
生成する。このスラリーは芳香族カルボン酸濃度が35
〜45z、スラリー濃度が30〜402になるように回
収する。
なお、回収された溶媒および水は蒸留塔に送られて回収
される。
得られたスラリーは次いで、濾過器11に移送され濾過
されて芳香族カルボン酸含有ケーキと濾液に分離される
。芳香族カルボン酸ケーキは洗浄後溶解されて次工程の
再結晶槽14に送られ、濾液は濃縮工程に送られる。
洗浄済ケーキの溶解は通常溶解槽12で行ない、例えば
、熱酢酸水溶液等で溶解させる。
−再結晶槽および再結晶処理− 再結晶槽14では、通常、温度30〜140℃、圧力3
0〜780Torrで滞留時間3〜5時間で再結晶が行
なわれ、溶媒の一部がフラッシュ蒸発して芳香族カルボ
ン酸の一部が析出して結晶のスラリーとなる。
得られたスラリーは濾過器16に送られて濾過され、再
結晶ケーキと濾液に分離され、次いで、再結晶ケーキは
洗浄され、溶融、無水化、蒸発処理されて芳香族カルボ
ン酸無水物が得られ、一方、再結晶濾液は濃縮工程に送
られる。
なお、再結晶槽14の塔頂には凝縮器が連結されており
、蒸発した溶媒は凝縮されて蒸留塔に送られる。
一無水化工程一 コンベアなどの適宜の移送手段により送られてきた再結
晶ケーキは溶融槽で溶融、無水化、蒸発処理される。溶
融槽内の温度は、通常、220〜240℃、圧力は通常
、500〜900Torrであり、滞留時間は1〜3時
間である。
一濃縮工程一 低温晶析後に濾過されて得られた濾液と再結晶後に濾過
されて得られた再結晶濾液とは移送管17.18によっ
て残渣濃縮器19に送られる。
この濃縮器18では、圧力1気圧、温度140℃程度に
保持され、溶媒と水を蒸発して回収し、蒸留塔に送る。
このとき、濃縮液の濃度は酢酸濃度が30%程度になる
ように行なう。
次に、濃縮液は、薄膜蒸発器21に導入され、圧力1気
圧、温度200℃程度で溶媒と水を蒸発させて蒸留塔に
送る。このとき、残渣中には溶媒の濃度が1重量%以下
になるように行なう。
低温晶析槽9、再結晶槽14、濃縮器19および薄膜蒸
発器21から回収された溶媒は、蒸留塔に送られ、蒸留
される。
この蒸留塔から回収される溶媒は、臭素化合物等不純物
の混入が非常に少ないものである。
[実施例] 以下、実施例を掲げて本発明をさらに詳細に説明する。
(実施例1) ■ 酸化反応 2基の回分式反応器を用いて下記の酸化反応を行なった
まず、回分式反応器に溶媒として酢酸4kg 。
原料としてプソイドクメン1kg、触媒として臭化コバ
ル)l1g、臭化マンガン21g、臭化ナトリウム8g
を加え、溶媒、触媒、原料等の供給開始から1時間後に
空気の供給を開始して反応を開始させた。温度は140
℃とし、反応開始から3時間15分後に空気の供給を停
止し、反応を終了させた。
回分式反応器の溶媒、原料、触媒等の供給開始から4時
間経過した時点で、他の回分式反応器に上述した回分式
反応器と同様に、溶媒原料、触媒等を供給し、同様の反
応条件で反応させた。
溶媒、原料、触媒等の供給開始時点を4時間ずらして、
2基の回分式反応器でそれぞれ繰返し反応させた。
■ 晶析 (1)  上記酸化反応で得られた20kg/c璽2G
、200℃の反応終了液を止め弁3Cおよび調節弁3b
または止め弁3dおよび調節弁3dを通して、4時間に
1回45分で第1晶析槽に全量抜き出す。この操作を行
なう前の第1晶析槽の操作圧力1気圧でフラッシュして
残る量を保有しているようにする。
(2)  第1晶析槽のスラリーは、30〜33重量%
のトリメリット酸を有し、調節弁5bを通して連統帥に
第24析槽に抜き出される。第2晶析槽は50Torr
で操作され、ここに保有するスラリーは調節弁を通って
連続的に抜き出される。第2晶析槽のスラリーは33〜
38重量%のトリメリット酸を有し、滞留時間は3〜5
時間とする。ここで得られる平均結晶粒径は40〜50
μである。上記(1)、(2)2段階で晶析することに
より、微粒子の生成を抑え、製品無水トリメリット酸中
への臭素化合物の混入を抑えることができる。
■ 濾過 調節弁を通ってきたスラリーは、連続的に真空濾過器で
ケーキと濾液に分離し、ケーキは酢酸852水溶液の洗
浄液で洗浄することにより、含液率25zの洗浄済みケ
ーキが得られる。このとき使用する洗浄液量は、固液分
離時に得られる湿ケーキ中に含まれる液の重量に対して
2倍でよい。洗浄済みケーキは、無水化工程へ送られ、
濾液は洗浄済液と合流し、濾液処理晶析槽に導入される
。洗浄済ケーキを単独で溶融、無水化、蒸発処理して得
られる無水トリメリット酸の臭素分濃度は80ppmで
あった。ここで無水トリメリット酸の9割が回収された
■ 濾液処理 低温晶析槽は圧力100Torr ’、温度60℃で操
作し、水蒸気などの加熱源を用いて酢酸、水を蒸発させ
、回収し、ボトムスラリー液中のトリメリット酸濃度が
35〜40%になるように回収する。このとき濾液と洗
浄液に含まれる臭素分の5%が酢酸、水とともに蒸発す
る。ボトムスラリー液のスラリー濃度は30〜35%と
なり、回収した酢酸、水は酢酸蒸留塔へ導く。このスラ
リーを濾過器に導き、トリメリット酸含有ケーキと濾液
に分離する。トリメリット酸含有ケーキは洗浄液によっ
て洗浄し、洗浄済ケーキとなって溶解槽に送られる。
■ 再結晶 溶解槽へは、導入されるトリメリット酸を溶解させるに
必要な量だけ熱酢酸水溶液を導入し、トリメリット酸を
溶解させる。100〜110℃であるトリメリット酸溶
解液は、調節弁13bを介して5゜Torrで操作され
る再結晶槽に導入される。
再結晶槽では、酢酸、水が一部フラッシュ蒸発し、トリ
メリット酸の一部が析出し、スラリーとなる。ここでス
ラリーの滞留時間は3〜5時間とする。
スラリーは濾過器に送られ、再結晶ケーキと濾液に分離
され再結晶ケーキは洗浄液によって洗浄され、洗浄済再
結晶ケーキとなり、上記濾過工程で得られた洗浄済ケー
キと共に無水化工程に送られる。
洗浄済再結晶ケーキを単独で、溶融、無水化、蒸発処理
を行なって得られた無水トリメリット酸中の臭素分濃度
は300〜400ppmであった。ここで残りの1割の
無水トリメリット酸が回収された。
■ 無水化 洗浄済ケーキと洗浄済再結晶ケーキを合流させて、溶融
、無水化、蒸発処理して得られた無水トリメリット酸中
の臭素分濃度は120PP腸であった。
■ 濃縮 低温晶析槽からの濾液(洗浄液を含む)と、再結晶濾液
(洗浄済液を含む)とは、合流して第1残渣濃縮器に導
入される。第1残渣濃縮器は圧力1気圧、温度140℃
で操作され、水蒸気などの加熱源で酢酸、水を蒸発して
回収し、ボトム濃縮液中の酢酸濃度が30%位になるよ
うにする。 濃縮液は、薄膜蒸発器に導入され、圧力1
気圧の条件下で残渣の温度が200℃になるように加熱
し、酢酸、水を蒸発させる。この条件下で残液中の酢酸
水濃度を1重量%以下にする。
■ 酢酸蒸留 低温晶析槽、再結晶槽、第1残渣濃縮器、および薄膜蒸
発器のそれぞれの塔頂凝縮器で凝縮した酢酸は、酢酸蒸
留塔に送られる。酢酸蒸留塔出口における酢酸中の臭素
分濃度は90pp璽であり、回収酢酸を回分式反応器に
供給しても反応系には全く影響がなかった。
(比較例1) 実施例と同様に、濾液低温晶析槽を操作し、ここで得ら
れたスラリーを濾過器で処理し、得られた湿ったケーキ
を洗浄液で洗浄し、洗浄済ケーキを得た。このケーキを
溶融、無水化、蒸発処理して得られた無水トリメリット
酸中の臭素分濃度は、1.000〜1.5oopp肩で
あった。
(比較例2) 第2晶析槽を出たスラリーから得られた第2晶析槽濾液
(洗浄液を含む)を1気圧、240℃の条件下で酢酸、
水を蒸発させると、第2晶析槽濾液(洗浄液を含む)に
含まれる臭素化合物の約50%が酢酸、水と共に蒸発し
、塔頂凝縮器で凝縮した酢酸は酢酸蒸留塔に送られる。
酢酸蒸留塔出口における酢酸中の臭素分濃度は2,80
0ppmであった。回収酢酸を回分式反応器に供給する
と臭素化合物が触媒として、触媒組成中の臭素化合物量
を増加させ、最終生成物である無水トリメリット酸への
臭素化合物の混入量が増加した。
[発明の効果] 以上説明したように、本発明の方法によれば、反応生成
液を晶析して濾過した濾液を、低温晶析槽にて比較的低
温で晶析、濾過し、得られたケーキを溶解、再結晶した
後、濾過して得た芳香族カルボン酸含有ケーキを溶融、
無水化、蒸発して無水物を得ることによって、不純物の
混入が大幅に減少された芳香族カルボン酸無水物を得る
ことができ、また、低温晶析後の濾液および再結晶後の
濾液を濃縮、蒸発することによって溶媒を回収している
ので溶媒への不純物の混入も大幅に減少されるなどの利
点を有するものである。
【図面の簡単な説明】
第1図および第2図は本発明の方法の一実施例を実施す
るために用いられる反応装置を示す図である。 1.2・・回分式反応器  4・・第1晶析槽6・・第
2晶析槽  9拳・低温晶析槽14・拳再結晶槽

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 脂肪族置換芳香族化合物を、触媒の存在下、溶媒中で分
    子状酸素によって液相酸化して得られた反応生成液を、
    晶析槽に導入して晶析し、得られたスラリーを濾過し、 (a)得られた濾液を低温晶析槽に導入して晶析した後
    、濾過して芳香族カルボン酸含有ケーキと濾液とを得、 (b)前記(a)工程で得られた芳香族カルボン酸含有
    ケーキを溶解し、再結晶した後、濾過して再結晶ケーキ
    と再結晶濾液とを得、 (c)前記(b)工程で得られた再結晶ケーキを溶融、
    無水化、蒸発させて芳香族カルボン酸無水物を得ると共
    に、 (d)前記(a)工程で得られた濾液と前記(b)工程
    で得られた再結晶濾液とを濃縮、蒸発させて溶媒を回収
    することを特徴とする芳香族カルボン酸を含有する濾液
    の処理方法。
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