JP3843444B2 - 加熱硬化型ウレタンシーリング材 - Google Patents

加熱硬化型ウレタンシーリング材 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、加熱硬化型ウレタンシーリング材に関する。更に詳細には、最近の環境問題に対応した加熱硬化型ウレタンシーリング材に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、電着塗装後の自動車車体の鋼板接合部や鋼板エッジ部等には、気密性・水密性・防錆性等を向上させるために、仕上げ塗装に先立ち、シーリング材を塗布して被膜することが行われている。そして、このシーリング材としては、ブロックイソシアネート及び活性水素基含有化合物の併用系が広く用いられている。この併用系では、加熱焼付時の温度でブロック剤が解離し、再生されたイソシアネート基と活性水素基が反応して硬化物を生成する。
【0003】
このシーリング材用ブロックイソシアネートとしては、例えば、特開昭62−199609号公報、特開平2−6479号公報、特開平2−105887号公報、特開平8−302134号公報記載のものが挙げられる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特開昭62−199609号公報では、解離触媒として人体に有害な鉛化合物を用いているため、その取り扱いには注意を要する。また、使用しているイソシアネートは、種類を特定してなく、イソシアネートのどのような性能を利用したかが不明である。特開平2−6479号公報では、芳香族イソシアネートのイソシアヌレート変性物をベースにしたブロックイソシアネートであるため、得られる塗膜は硬すぎる傾向にある。特開平2−105887号公報では、高沸点有機溶剤を用いているために、大気汚染や水質汚濁の防止設備が必要になる。また、使用しているイソシアネートや活性水素基含有化合物の種類の具体的な記載がない。特開平8−302134号公報記載のシーリング材には、可塑剤を有している塩化ビニル系樹脂を用いているが、この可塑剤には環境ホルモンと言われているフタル酸エステルが用いられていることが多く、また、塩化ビニル系樹脂そのものは、焼却時にダイオキシンが発生する等、最近の環境問題に対応しにくくなっている。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、このような従来の問題点を解決するために鋭意検討した結果、特定組成の加熱硬化型ウレタンシーリング材が、従来の問題点を解決できることを見いだし、本発明を完成するに至った。
【0006】
すなわち本発明は、
(A)ブロックイソシアネート、(B)活性水素基含有化合物、(C)解離触媒、(D)充填材からなる加熱硬化型ウレタンシーリング材において、
(A)ブロックイソシアネートが、(a)2,4−トリレンジイソシアネート、又は2,4−トリレンジイソシアネートと2,6−トリレンジイソシアネートの混合物、(b)ヘキサメチレンジイソシアネート及び(c)ポリオールを反応させて得られ、かつ、(a)と(b)の重量比が(a):(b)=30:70〜70:30であるイソシアネート基末端プレポリマーに、(d)ブロック剤としてメチルエチルケトオキシムを付加させたものであり、
(B)活性水素基含有化合物が、数平均分子量500以下のポリオールと、数平均分子量500以下の芳香族ポリアミンの混合物であって、ポリオールと芳香族ポリアミンの混合比が重量比で10:90〜90:10である
ことを特徴とする加熱硬化型ウレタンシーリング材である。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明の加熱硬化型ウレタンシーリング材に用いられる(A)ブロックイソシアネートは、(a)芳香族ジイソシアネート、(b)非芳香族ジイソシアネート及び(c)ポリオールを反応させて得られるイソシアネート基末端プレポリマーに(d)ブロック剤を付加させたものである。
【0008】
本発明に用いられる(A)ブロックイソシアネートを構成する(a)芳香族ジイソシアネートとしては、2,4−トリレンジイソシアネート(以後2,4−TDIと略称する)、2,6−トリレンジイソシアネート(以後2,6−TDIと略称する)、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,2′−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4′−ジフェニルエ−テルジイソシアネート、2−ニトロジフェニル−4,4′−ジイソシアネート、2,2′−ジフェニルプロパン−4,4′−ジイソシアネート、3,3′−ジメチルジフェニルメタン−4,4′−ジイソシネート、4,4′−ジフェニルプロパンジイソシアネート、m−フェニレンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、ナフチレン−1,4−ジイソシアネート、ナフチレン−1,5−ジイソシアネート、3,3′−ジメトキシジフェニル−4,4′−ジイソシアネート、キシリレン−1,4−ジイソシアネート、キシリレン−1,3−ジイソシアネート等が挙げられ、これらの芳香族ジイソシアネートは、単品あるいは混合物であってもよい。本発明で好ましい芳香族ジイソシアネートは、塗膜の物性や作業性を考慮すると、2,4−TDI又は2,4−TDIと2,6−TDIの混合物である。
【0009】
本発明に用いられる(A)ブロックイソシアネートを構成する(b)非芳香族ジイソシアネートとしては、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート(以後HDIと略称する)、1,4−テトラメチレンジイソシアネート、2−メチルペンタン−1,5−ジイソシアネート、リジンジイソシアネート等の脂肪族イソシアネート、イソホロンジイソシアネート、水素添加トリレンジイソシアネート、水素添加キシレンジイソシアネート、水素添加ジフェニルメタンジイソシアネート、水素添加テトラメチルキシレンジイソシアネート等の脂環族ジイソシアネート等が挙げられ、これらの非芳香族ジイソシアネートは、単品あるいは混合物であってもよい。シーリング材の柔軟性を持たせるためにも、本発明で好ましい非芳香族ジイソシアネートは、HDIである。
【0010】
本発明では、必要に応じて、前述のジイソシアネートのアダクト変性体(多官能低分子ポリオール変性したもの)、アロファネート変性体、ウレア変性体、ビュレット変性体、カルボジイミド変性体、ウレトンイミン変性体、ウレトジオン変性体、イソシアヌレート変性体等を加えてもよい。また、クルードトリレンジイソシアネートやポリメチレンポリフェニレンポリイソシアネートを加えてもよい。
【0011】
本発明に用いられるブロックイソシアネートを構成する(c)ポリオールは、数平均分子量が500〜5,000であるものが好ましく、更には1,000〜4,000のものがより好ましい。また、好ましい平均官能基数は2〜4である。数平均分子量が下限未満の場合は、塗膜の硬度も硬くなる傾向にある。また、数平均分子量が上限を越える場合は、塗膜の強度が不十分となる傾向にある。
【0012】
前記ポリオールとしては、ポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリエーテルポリオール、及びこれらのコポリオール等がある。これらの長鎖ポリオールは単独で又は2種以上混合して使用してもよい。本発明では作業性等を考慮すると、ポリエーテルポリオールが好ましい。
【0013】
前記ポリエステルポリオールとしては、公知のコハク酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、オルソフタル酸、ヘキサヒドロテレフタル酸、ヘキサヒドロイソフタル酸、ヘキサヒドロオルソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸等のジカルボン酸、酸エステル、又は酸無水物等の1種以上と、エチレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、ジエチレングリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、あるいはビスフェノールAのエチレンオキサイド(以後EOと略称する)及び/又はプロピレンオキサイド(以後POと略称する)付加物等の多価アルコール類、ヘキサメチレンジアミン、キシレンジアミン、イソホロンジアミン、モノエタノールアミン等のポリアミン類又はアミノアルコール類等の1種以上との脱水縮合反応で得られる、ポリエステルポリオール又はポリエステルアミドポリオールが挙げられる。また、ε−カプロラクトン等の環状エステル(ラクトン)モノマーの開環重合で得られるラクトン系ポリエステルポリオールが挙げられる。
【0014】
ポリカーボネートポリオールとしては、前述の多価アルコールと、ジエチレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジフェニルカーボネート等との脱アルコール反応、脱フェノール反応等で得られるものが挙げられる。
【0015】
ポリエーテルポリオールとしては、前述の多価アルコールを開始剤として、EO、PO、テトラヒドロフラン等を開環重合させたポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコール等、及びこれらを共重合したポリエーテルポリオール、更に、前述のポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオールを開始剤としたポリエステルエーテルポリオールが挙げられる。
【0016】
なお、本発明の(A)ブロックイソシアネートには、必要により、数平均分子量1,000未満の鎖延長剤を加えたものでもよい。このような鎖延長剤としては、前述の多価アルコール、ポリアミン、アミノアルコール等が挙げられる。上記の化合物は単独で又はその2種以上を混合して使用することができる。
【0017】
本発明に用いられるブロックイソシアネートを構成する(d)ブロック剤としては、フェノール系、アルコール系、活性メチレン系、メルカプタン系、酸アミド系、酸イミド系、イミダゾール系、尿素系、オキシム系、アミン系、イミド系化合物、ピラゾール系化合物、トリアゾール系化合物等が使用できる。例えば、フェノール、クレゾール、エチルフェノール、ブチルフェノール、2−ヒドロキシピリジン、ブチルセロソルブ、プロピレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコール、ベンジルアルコール、メタノール、エタノール、n−ブタノール、イソブタノール、2−エチルヘキサノール、マロン酸ジメチル、マロン酸ジエチル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、アセチルアセトン、ブチルメルカプタン、ドデシルメルカプタン、アセトアニリド、酢酸アミド、ε−カプロラクタム、δ−バレロラクタム、γ−ブチロラクタム、コハク酸イミド、マレイン酸イミド、イミダゾール、2−メチルイミダゾール、尿素、チオ尿素、エチレン尿素、ホルムアルドオキシム、アセトアルドオキシム、アセトンオキシム、メチルエチルケトオキシム、メチルイソブチルケトオキシム、シクロヘキサノンオキシム、ジフェニルアニリン、アニリン、カルバゾール、エチレンイミン、ポリエチレンイミン、3,5−ジメチルピラゾール、1,2,4−トリアゾ−ル等が挙げられる。解離温度等考慮すると、本発明で好ましいブロック剤はオキシム系化合物であり、特に好ましいものはメチルエチルケトオキシムである。
【0018】
本発明に用いられる(A)ブロックイソシアネートの製造方法は、公知の方法が用いられ、例えば、
(1) (a)芳香族ジイソシアネートと(b)非芳香族ジイソシアネートの混合物に(c)ポリオールを反応させて得られたイソシアネート基末端プレポリマーに(d)ブロック剤を付加させる。
(2) (a)芳香族ジイソシアネートに(c)ポリオールを反応させて得られたイソシアネート基末端プレポリマーに(d)ブロック剤を付加させたもの(A1)と、(b)非芳香族ジイソシアネートに(c)ポリオールを反応させて得られたイソシアネート基末端プレポリマーに(d)ブロック剤を付加させたもの(A2)とを混合する。
等が挙げられる。
【0019】
本発明に用いられるブロックイソシアネートにおいて、(a)芳香族ジイソシアネートと(b)非芳香族ジイソシアネートの最終的な含有重量比は、(a):(b)=30:70〜70:30であり、好ましくは(a):(b)=35:65〜65:35である。(a)芳香族ジイソシアネートが下限未満の場合は、被膜強度が不十分となりやすい。また、(a)芳香族ジイソシアネートが上限を越える場合は、塗膜の柔軟性に欠けたものとなりやすい。
【0020】
(A)ブロックイソシアネートの前駆体であるイソシアネート基末端プレポリマーの製造時において、最終的なイソシアネート基と水酸基の仕込みの割合は、1<イソシアネート基/水酸基≦3、好ましくは1.1≦イソシアネート基/水酸基≦2である。イソシアネート基/水酸基が下限未満の場合は、目的とする(A)ブロックイソシアネートそのものが得られない。また、上限を越える場合は、得られる塗膜が脆くなりやすい。
【0021】
イソシアネート基末端プレポリマーの製造において、プレポリマー化反応は、通常のウレタン化反応の条件で行うことができる。反応温度は20〜150℃の範囲が適当であり、好ましくは40〜100℃である。このとき、必要に応じて、公知のウレタン化触媒を用いてもよい。
【0022】
(d)ブロック剤とイソシアネート基末端プレポリマーの反応は20〜200℃の通常のブロック化反応条件に従って行う。(d)ブロック剤の仕込量は遊離のイソシアネート基に対して1.0〜1.5倍モル量が適している。ブロック化反応は溶剤の存在の有無にかかわらず行うことができるが、必要に応じて、ウレタン工業では常用の不活性溶剤、触媒等を使用することもできる。このとき、必要に応じて、公知のウレタン化触媒を用いてもよい。
【0023】
本発明に用いられる(B)活性水素基含有化合物は、活性水素基を有するもので、平均官能基数が2以上のものであれば特に制限はないが、シーリング材の塗工性や塗膜の物性を考慮すると、数平均分子量500以下、平均官能基数2〜4、活性水素基が水酸基及び/又はアミノ基であるものが好ましい。具体的な好ましい活性水素基含有化合物としては、前述の多価アルコール、ポリアミン、アミノアルコールの他に、これらにEO又はPOを付加させたもの等が挙げられ、より好ましくは、数平均分子量500以下のポリオールと、数平均分子量500以下のポリアミンの混合物であり、もっとも好ましいものは、数平均分子量500以下のポリオールと、数平均分子量500以下の芳香族ポリアミンの混合物である。ポリオールとポリアミンの混合比は、重量比で10:90〜90:10が好ましい。
【0024】
本発明に用いられる(C)解離触媒としては、例えば、ジブチルチンジクロライド、ジブチルチンジラウレート、ジオクチルチンジラウレート等のスズ系触媒、アセチルアセトン金属塩類、カプリン酸カリウム等のカルボン酸金属塩化合物、トリエチレンジアミン、トリエチルアミン、N,N,N′,N′−テトラメチルプロピレンジアミン、N,N,N′,N′−テトラキス(2−ヒドロキシプロピル)エチレンジアミン、N−メチルモルホリン、1,2−ジメチルイミダゾール、1,5−ジアザ−ビシクロ(4,3,0)ノネン−5、1,8−ジアザ−ビシクロ(5,4,0)−ウンデセン−7(以下DBUと略称する)等のアミン系触媒、これらアミン系触媒のボラン塩、DBUフェノール塩、DBUオクチル酸塩、DBU炭酸塩等のアミン塩系触媒、ナフテン酸マグネシウム、酢酸カリウム等のカルボン酸塩系触媒、トリエチルホスフィン、トリベンジルホスフィン等のホスフィン系触媒、ナトリウムメトキシド等のアルコキシド系触媒等が挙げられる。
【0025】
本発明に用いられる(D)充填材としては、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、タルク、マイカ、カオリン、炭酸マグネシウム、エアロジル、ヒル石、グラファイト、アルミナ、シリカ、ゴム、亜鉛等の粉末が挙げられる。本発明では耐薬品性、塗布時のタレ防止等を考慮すると、炭酸カルシウムが好ましい。
【0026】
更に本発明では、必要に応じて他の添加剤、例えば、顔料、染料、分散安定剤、粘度調節剤、レベリング剤、ゲル化防止剤、光安定剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、耐熱性向上剤、滑剤、帯電防止剤等を添加することができる。
【0027】
本発明の加熱硬化型ウレタンシーリング材において、(A)ブロックイソシアネートと(B)活性水素基含有化合物の配合比は、解離後のイソシアネート基と活性水素基とのモル比換算で、イソシアネート基/活性水素基=10/20〜10/5、好ましくは10/18〜10/8である。この範囲外の場合は、硬化時における塗膜の架橋が不十分となる。
(A)と(C)の配合比は重量比で、(A)/(C)=100/1〜100/10、好ましくは(A)/(C)=100/2〜100/8である。(C)の配合比が少ない場合は、硬化反応が不十分となったり、硬化に要するエネルギーが増大しやすい。多い場合は、塗膜の物性低下を引き起こしやすい。
加熱硬化型ウレタンシーリング材における(D)の含有量は10〜50重量%が好ましく、更には15〜45重量%が好ましい。(D)の含有量が少ない場合は、塗布時に液のタレが起こりやすい。多い場合は、塗膜の物性低下を引き起こしやすい。
【0028】
本発明の加熱硬化型ウレタンシーリング材の硬化条件としては、120〜200℃・10〜60分であり、好ましくは、120〜160℃・20〜40分程度で十分硬化する。
【0029】
本発明の加熱硬化型ウレタンシーリング材の塗装工程は、電着塗装後直ちに塗装したり、中塗り後の焼き付けの前後を問うことなく自由に選定することができる。塗装部位も特に限定することはなく、例えば自動車ボディーの合わせ目、エンジンルームの合わせ目、テールゲート等が好適である。
【0030】
【発明の効果】
本発明のシーリング材用ブロックイソシアネートは、人体に有害な成分や可塑剤等を用いていないため、環境に優しいものとなった。また、芳香族ジイソシアネートと非芳香族ジイソシアネートをバランスよく用いているため、被膜の硬度と柔軟性のバランスも兼ね備えているものであった。
【0031】
【実施例】
次に、本発明の実施例及び比較例について詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。また、特にことわりのない限り、実施例中の「部」及び「%」は、それぞれ「重量部」及び「重量%」を意味する。
【0032】
〔ブロックイソシアネートの製造〕
合成例1
攪拌機、温度計、窒素シール管、冷却器のついた反応器に、ポリオールAを333.0部、ポリオールBを333.0部仕込み、攪拌しながら50℃に加熱した。次いで、TDIを196.0部仕込み、70℃で5時間反応させて、イソシアネート基末端プレポリマーを製造した。その後、MEKOを138.0部仕込み、70℃で反応させ、赤外線吸光分析のイソシアネート基の吸収ピークが消失したところで、製造終了して、ブロックイソシアネートBI−1を得た。BI−1の有効イソシアネート含量は、6.7%であった。なお、有効イソシアネート含量とは、ブロックイソシアネートにおいて、ブロック剤を解離させた後のイソシアネート含量のことである。
【0033】
合成例2
合成例1と同様な反応器に、ポリオールBを751.0部仕込み、攪拌しながら50℃に加熱した。次いで、HDIを155.0部仕込み、70℃で5時間反応させて、イソシアネート基末端プレポリマーを製造した。その後、MEKOを94.0部仕込み、70℃で反応させ、赤外線吸光分析のイソシアネート基の吸収ピークが消失したところで、製造終了して、ブロックイソシアネートBI−2を得た。BI−2の有効イソシアネート含量は、4.6%であった。
【0034】
合成例3
合成例1と同様な反応器に、ポリオールAを166.5部、ポリオールBを542.0部仕込み、攪拌しながら50℃に加熱した。次いで、TDIを98部、HDIを77.5部仕込み、70℃で5時間反応させて、イソシアネート基末端プレポリマーを製造した。その後、MEKOを116.0部仕込み、70℃で反応させ、赤外線吸光分析のイソシアネート基の吸収ピークが消失したところで、製造終了して、ブロックイソシアネートBI−3を得た。BI−3の有効イソシアネート含量は、5.6%であった。
【0035】
合成例1〜3において
Figure 0003843444
【0036】
〔加熱硬化型ウレタンシーリング材の評価〕
実施例1〜2、比較例1〜2
表1に示す配合で、加熱硬化型ウレタンシーリング材を調製した。このシーリング材を140℃・30分の条件で硬化させ、JIS K6301(1995)にて引張物性を測定した。また、JIS K6830(1996)に規定する方法で、硬度、水密性を測定した。(硬化条件:140℃・30分)結果を表1に示す。
【0037】
【表1】
Figure 0003843444
【0038】
表1において
Figure 0003843444
水密性について
○:水もれが確認されない ×:水もれが確認された
【0039】
表1に示す通り、本発明の加熱硬化型ウレタンシーリング材は、芳香族ジイソシアネートと非芳香族ジイソシアネートをバランスよく用いているので、柔軟性であるにも関わらず、塗膜の硬度や強度も良好であった。

Claims (1)

  1. (A)ブロックイソシアネート、(B)活性水素基含有化合物、(C)解離触媒、(D)充填材からなる加熱硬化型ウレタンシーリング材において、
    (A)ブロックイソシアネートが、(a)2,4−トリレンジイソシアネート、又は2,4−トリレンジイソシアネートと2,6−トリレンジイソシアネートの混合物、(b)ヘキサメチレンジイソシアネート及び(c)ポリオールを反応させて得られ、かつ、(a)と(b)の重量比が(a):(b)=30:70〜70:30であるイソシアネート基末端プレポリマーに、(d)ブロック剤としてメチルエチルケトオキシムを付加させたものであり、
    (B)活性水素基含有化合物が、数平均分子量500以下のポリオールと、数平均分子量500以下の芳香族ポリアミンの混合物であって、ポリオールと芳香族ポリアミンの混合比が重量比で10:90〜90:10である
    ことを特徴とする加熱硬化型ウレタンシーリング材。
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