JP2000038436A - 低温解離ブロックイソシアネート及びこれを含有する塗料 - Google Patents

低温解離ブロックイソシアネート及びこれを含有する塗料

Info

Publication number
JP2000038436A
JP2000038436A JP10222348A JP22234898A JP2000038436A JP 2000038436 A JP2000038436 A JP 2000038436A JP 10222348 A JP10222348 A JP 10222348A JP 22234898 A JP22234898 A JP 22234898A JP 2000038436 A JP2000038436 A JP 2000038436A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
isocyanate
diisocyanate
isocyanate group
blocked isocyanate
blocking agent
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP10222348A
Other languages
English (en)
Inventor
Mitsunari Ikemoto
満成 池本
Toshiaki Sasahara
俊昭 笹原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Polyurethane Industry Co Ltd
Original Assignee
Nippon Polyurethane Industry Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Polyurethane Industry Co Ltd filed Critical Nippon Polyurethane Industry Co Ltd
Priority to JP10222348A priority Critical patent/JP2000038436A/ja
Publication of JP2000038436A publication Critical patent/JP2000038436A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Polyurethanes Or Polyureas (AREA)
  • Paints Or Removers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 環境問題に対応するために、可塑剤や有機溶
剤を用いない加熱硬化型ウレタンシーリング材を提供す
る。 【解決手段】 (A)ブロックイソシアネート、(B)
活性水素基含有化合物、(C)解離触媒、(D)充填材
からなる加熱硬化型ウレタンシーリング材において、該
ブロックイソシアネートが、(a)芳香族ジイソシアネ
ート、(b)非芳香族ジイソシアネート及び(c)ポリ
オールを反応させて得られ、かつ、(a)と(b)の重
量比が(a):(b)=30:70〜70:30である
イソシアネート基末端プレポリマーに(d)ブロック剤
を付加させたものであることを特徴とする加熱硬化型ウ
レタンシーリング材により解決する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、低温で解離するブ
ロックイソシアネート及びこれを含有する塗料に関す
る。
【0002】
【従来の技術】ブロックイソシアネート(以下BIと略
称する)は、イソシアネート基末端前駆体の遊離のイソ
シアネート基を活性水素基含有化合物(ブロック剤)と
反応させて常温では不活性としたものであり、これを加
熱するとブロック剤が解離してイソシアネート基が再生
されるという性質を持つものである。このBIは、自動
車・航空機・家庭電器等の金属部への焼き付け塗料に広
く用いられている。BIに用いられるブロック剤として
は、フェノール系、カプロラクタム系、オキシム系、活
性メチレン化合物系等が知られている。BIの解離温度
は、ブロック剤やイソシアネートの種類等によって変わ
るが、一般的には120〜250℃程度である。(例え
ば、汎用のブロック剤であるメチルエチルケトオキシム
の実用上の解離温度は130〜150℃である。)しか
しながら、焼き付け塗装時におけるコスト削減や、樹脂
部品への塗装が可能となる、更に解離温度が低い(具体
的には100℃以下)BIが要求されている。
【0003】解離温度を下げたBIの検討としては、特
開平7−304843号公報等ではブロック剤として、
ピラゾール系化合物やトリアゾール系化合物を用いたB
Iが提案されている。また、特開昭54−44670号
公報等では、環状アミジン誘導体を用いたBIが提案さ
れている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、いずれ
の公報も焼付温度(解離温度)が120〜130℃と高
く、解離温度が100℃を切るBIは、未だに市場に流
通していない。本発明の目的は、100℃以下の低温で
解離するBI及びこれを含有する塗料を提供することで
ある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、このよう
な従来の問題点を解決するために鋭意検討した結果、B
Iのブロック剤に特定の化合物を用いることにより、上
記課題が解決できることを見いだし、本発明を完成させ
るに至った。
【0006】すなわち、本発明は、(1)イソシアネー
ト基末端前駆体と、該前駆体の遊離イソシアネート基を
封鎖するブロック剤とからなるBIにおいて、該ブロッ
ク剤がN,N′−ジフェニルホルムアミジンを含有する
ことを特徴とする低温解離BIである。
【0007】また、本発明は、(2)前記(1)の低温
解離BIを含有する塗料である。
【0008】
【発明の実施の形態】以下に、本発明に用いられるイソ
シアネート基末端前駆体及びブロック剤について説明す
る。
【0009】イソシアネート基末端前駆体としては、有
機ジイソシアネート、ポリメリックタイプのポリイソシ
アネート、有機ジイソシアネートと活性水素基含有化合
物を反応させたイソシアネート基末端プレポリマー、前
述のポリイソシアネートのイソシアヌレート変性体・ウ
レトジオン変性体・カルボジイミド変性体・ウレトンイ
ミン変性体等が挙げられる。これらのイソシアネート基
末端前駆体は、単品あるいは混合物であってもよい。
【0010】有機ジイソシアネートとしては、2,4−
トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシ
アネート、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネー
ト、2,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート、
2,2′−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,
4′−ジフェニルエーテルジイソシアネート、2−ニト
ロジフェニル−4,4′−ジイソシアネート、2,2′
−ジフェニルプロパン−4,4′−ジイソシアネート、
3,3′−ジメチルジフェニルメタン−4,4′−ジイ
ソシネ−ト、4,4′−ジフェニルプロパンジイソシア
ネート、m−フェニレンジイソシアネート、p−フェニ
レンジイソシアネート、ナフチレン−1,4−ジイソシ
アネート、ナフチレン−1,5−ジイソシアネート、
3,3′−ジメトキシジフェニル−4,4′−ジイソシ
アネート等の芳香族ジイソシアネート、キシリレン−
1,4−ジイソシアネート、キシリレン−1,3−ジイ
ソシアネート、キシリレン−1,2−ジイソシアネー
ト、テトラメチルキシリレンジイソシアネート等の芳香
脂肪族ジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネ
ート(以下HDIと略称する)、テトラメチレンジイソ
シアネート、2−メチルペンタン−1,5−ジイソシア
ネート、リジンジイソシアネート等の脂肪族ジイソシア
ネート、イソホロンジイソシアネート(以下IPDIと
略称する)、水素添加トリレンジイソシアネート、水素
添加キシレンジイソシアネート(以下H6 XDIと略称
する)、水素添加ジフェニルメタンジイソシアネート、
水素添加テトラメチルキシレンジイソシアネート等の脂
環族ジイソシアネート等が挙げられる。なお、脂肪族ジ
イソシアネートと脂環族ジイソシアネートを併せて無黄
変ジイソシアネートと表記する。
【0011】ポリメリックタイプのポリイソシアネート
としては、ポリメチレンポリフェニレンポリイソシアネ
ート、クルードトリレンジイソシアネート等が挙げられ
る。
【0012】活性水素基含有化合物としては、数平均分
子量が500以下であるポリオール、ポリアミン、アミ
ノアルコール等が挙げられる。ポリオールとしては、エ
チレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3
−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3
−ブタンジオール、、1,4−ブタンジオール、1,5
−ペンタンジオール、2−メチル−1,5−ペンタンジ
オール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,
6−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジオール、
1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、
ネオペンチルグリコール、2,2−ジエチル−1,3−
プロパンジオール、2−n−ブチル−2−エチル−1,
3−プロパンジオール、2,2,4−トリメチル−1,
3−ペンタンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサン
ジオール、2−n−ヘキサデカン−1,2−エチレング
リコール、2−n−エイコサン−1,2−エチレングリ
コール、2−n−オクタコサン−1,2−エチレングリ
コール、水素添加ビスフェノールA、ビスフェノールA
のエチレンオキサイドやプロピレンオキサイド等のアル
キレンオキサイド付加物、水素添加ビスフェノールAの
アルキレンオキサイド付加物、ジエチレングリコール、
ジプロピレングリコール、3−ヒドロキシ−2,2−ジ
メチルプロピル−3−ヒドロキシ−2,2−ジメチルプ
ロピオネ−ト、グリセリン、トリメチロールプロパン、
ペンタエリスリトール等が挙げられる。ポリアミンとし
ては、エチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、キ
シレンジアミン、イソホロンジアミン等が挙げられる。
アミノアルコールとしては、モノエタノールアミン、ジ
エタノールアミン、トリエタノールアミン、アニリンの
アルキレンオキサイド付加物等が挙げられる。これらの
活性水素基含有化合物は、単品あるいは混合物であって
もよい。
【0013】本発明で好ましいイソシアネート末端前駆
体は、無黄変ジイソシアネートと活性水素基含有化合物
とを反応させたイソシアネート基末端プレポリマー、及
び、該イソシアネート基末端プレポリマーを更にイソシ
アヌレート変性したものであり、特に好ましいものは、
HDI、H6 XDI、IPDIから選択される無黄変ジ
イソシアートと、1,2−プロパンジオール、1,2−
ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、ネオペンチ
ルグリコール、2−n−ブチル−2−エチル−1,3−
プロパンジオール、トリメチロールプロパン等の側鎖を
有するポリオールから選択される活性水素基含有化合物
とを反応させたイソシアネート基末端プレポリマー、及
び、該イソシアネート基末端プレポリマーを更にイソシ
アヌレート変性したものである。無黄変ジイソシアネー
トが好ましい理由は、耐光性に優れているためである。
側鎖を有するポリオールを用いることが特に好ましくな
るのは、以下に示す要因が考えられる。 ・側鎖は、BIと主剤との相溶性を向上させる効果があ
る。このため、側鎖を導入することにより塗膜外観や光
沢等が向上する。 ・側鎖は、結晶性を阻害させる効果がある。このため、
BIが液状となり、又は有機溶剤への溶解性が向上する
ため、作業性が向上する。 そして、更にイソシアヌレート変性すると、塗膜に耐光
性や耐熱性等の耐久性を付与し、また、BIの平均官能
基数が上げられるので、より架橋性が増し、塗膜の強度
が向上するのでより好ましなる。
【0014】なお、本発明の用いられるイソシアネート
基末端前駆体において、相溶性改善や貧溶剤への溶解性
向上等のため、イソシアネート基の一部を一価の活性水
素基含有化合物と反応させてもよい。この一価の活性水
素基含有化合物としては、モノアルコール、モノアミ
ン、エステルモノオール、ポリエーテルモノオールが挙
げられる。モノアルコールとしては、メタノール、エタ
ノール、プロパノール、ブタノール、ペンタノール、ヘ
プタノール、ヘプチルアルコール、ベンジルアルコー
ル、オクチルアルコール、2−エチル−ヘキサノール、
メチルベンジルアルコール、カプリルアルコール、ノニ
ルアルコール、デシルアルコール、ウンデシルアルコー
ル、ラウリルアルコール、トリデシルアルコール、ミリ
スチルアルコール、ペンタデシルアルコール、セチルア
ルコール、シンナミルアルコール等が挙げられる。モノ
アミンとしては、ヘプチルアミン、オクチルアミン、ベ
ンジルアミン、2−エチル−ヘキシルアミン、メチルベ
ンジルアミン、カプリルアミン、ノニルアミン、デシル
アミン、ウンデシルアミン、ラウリルアミン、トリデシ
ルアミン、ミリスチルアミン、ペンタデシルアミン、セ
チルアミン、シンナミルアミン、N−メチルヘプチルア
ミン、N−メチルオクチルアミン、N−メチルベンジル
アミン等が挙げられる。エステルモノオールとしては、
α−オキシプロピオン酸、オキシコハク酸、ジオキシコ
ハク酸、ε−オキシプロパン−1,2,3−トリカルボ
ン酸、ヒドロキシ酢酸、α−ヒドロキシ酪酸、ヒドロキ
システアリン酸、リシノール酸、リシノエライジン酸、
リシノステアロール酸、サリチル酸、マンデル酸等のオ
キシカルボン酸と前述のモノアルコールを脱水反応させ
て得られる化合物が挙げられる。ポリエーテルモノオー
ルとしては、前述のモノアルコールやモノアミンにアル
キレンオキサイドを付加重合させて得られるものが挙げ
られる。
【0015】本発明に用いられるイソシアネート基末端
前駆体の平均官能基数は、2.0〜10.0が好まし
く、更に好ましくは2.2〜8.0である。平均官能基
数が2.0未満の場合は、架橋効率が悪くなる。逆に1
0.0を越える場合は、官能基が多すぎるために、主剤
の樹脂の分子間に架橋するのではなく、分子内で架橋し
てしまうため、やはり架橋効率が低下する。
【0016】本発明で用いられるブロック剤は、N,
N′−ジフェニルホルムアミジンを含有する。このブロ
ック剤を用いることにより、解離温度が100℃以下と
いうこれまでにないBIが得られた。
【0017】また、解離温度の微調整等、必要に応じて
他の従来公知のブロック剤、例えばフェノール、クレゾ
ール、エチルフェノール、ブチルフェノール、2−ヒド
ロキシピリジン、マロン酸ジメチル、マロン酸ジエチ
ル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、アセチルア
セトン、ブチルメルカプタン、ドデシルメルカプタン、
アセトアニリド、酢酸アミド、ε−カプロラクタム、δ
−バレロラクタム、γ−ブチロラクタム、コハク酸イミ
ド、マレイン酸イミド、イミダゾール、2−メチルイミ
ダゾール、尿素、チオ尿素、エチレン尿素、ホルムアル
ドオキシム、アセトアルドオキシム、アセトンオキシ
ム、メチルエチルケトオキシム、メチルイソブチルケト
オキシム、シクロヘキサノンオキシム、カルバゾール、
ジメチルピラゾール、トリアゾール等を用いてもよい。
【0018】本発明のBIの好ましい有効イソシアネー
ト含量(解離後のイソシアネート含量)は、固形分10
0%で5〜30重量%であり、更に好ましくは10〜2
5重量%である。有効イソシアネート含量が範囲外の場
合は、塗膜強度が不十分となりやすい。
【0019】本発明のBIの好ましい粘度は、25℃、
固形分60%の塗料に汎用の有機溶剤(例えば酢酸エチ
ル、酢酸ブチル、プロピレングリコールモノメチルエー
テルアセテート、トルエン、キシレン、メチルエチルケ
トン、メチルイソブチルケトン等)の溶液で、100〜
5,000mPa・s、更に好ましくは200〜4,5
00mPa・sである。粘度が下限未満の場合は、イソ
シアネート基末端前駆体の平均官能基数が小さい場合が
多く、塗膜強度が不十分となりやすい。また、上限を越
える場合は、作業性が悪くなりやすい。
【0020】イソシアネート基末端前駆体を得るための
製造方法として、例えば、イソシアヌレート変性する場
合は、 (A)有機イソシアネートに活性水素基含有化合物を付
加させて得られるイソシアネート基末端プレポリマー
に、イソシアヌレート化触媒を加えイソシアヌレート反
応させる方法。 (B)有機イソシアネートに活性水素基含有化合物を付
加させると同時に、イソシアヌレート化触媒を加えイソ
シアヌレート反応させる方法。 等が挙げられる。ただし、BIの粘度が低いほうが好ま
しい場合、例えば組み合わせる主剤の粘度が低く、BI
の粘度が高いと混合性が悪くなり作業性に悪影響を及ぼ
す等の場合は、(A)の方法のように使用する全ての活
性水素化合物を有機イソシアネートに反応させた後、イ
ソシアヌレート環構造を導入するほうが粘度が低くなる
ため望ましい。
【0021】イソシアネート基末端プレポリマーを得る
際の、イソシアネート基と活性水素基含有化合物の反応
は、通常のウレタン化反応の条件で行うことができる。
反応温度は20〜150℃の範囲が適当である。
【0022】イソシアヌレート化反応は、例えば、イソ
シアヌレート化触媒である第3級アミン類、アルキル置
換エチレンイミン類、トリアルキルホスフィン類、アセ
チルアセトン金属塩類、各種有機酸の金属塩類等を単独
使用あるいは併用し、必要に応じて助触媒、例えばフェ
ノール性ヒドロキシル基含有化合物、アルコール性ヒド
ロキシル基含有化合物等を用い、通常0〜90℃の反応
温度で溶剤不存在下又はポリウレタン工業に常用の不活
性溶剤、例えばトルエン、キシレン等の芳香族系、メチ
ルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン
系、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル系、プロピレ
ングリコールメチルエーテルアセテート、ジエチレング
リコールブチルエーテルアセテート、エチル−3−エト
キシプロピオネート等のグリコールエーテルエステル系
の存在下及び場合によっては反応温度で液状のポリオー
ル又はジオクチルフタレート(DOP)等の可塑剤中に
おいて行われる。反応後、停止剤である例えばリン酸、
パラトルエンスルホン酸エステル、硫黄等を使用するこ
とにより、触媒を不活性化し反応停止させることができ
る。その後、遊離のイソシアネートモノマーを除去する
と、臭気等の点で好ましい。
【0023】ブロック剤とイソシアネート基末端前駆体
の反応は、20〜200℃の通常のブロック化反応条件
に従って行う。ブロック剤の仕込量は遊離のイソシアネ
ート基に対して1.0〜1.5倍モル量が適している。
ブロック化反応は溶剤の存在の有無にかかわらず行うこ
とが可能であり、また必要に応じて、ウレタン工業では
常用の不活性溶剤、触媒等を使用することもできる。
【0024】本発明では、更に必要に応じて得られたB
Iに、添加剤、例えば顔料、分散安定剤、粘度調節剤、
レベリング剤、ゲル化防止剤、光安定剤、酸化防止剤、
紫外線吸収剤、耐熱性向上剤、無機及び有機充填剤、可
塑剤、滑剤、帯電防止剤、補強材、触媒等を添加するこ
とができる。
【0025】本発明の塗料は、前述のBIを用いたもの
である。なお、塗料の主剤に用いられる樹脂は、活性水
素基を有しているものが好ましく、具体的には、ポリウ
レタン樹脂、ポリアミド樹脂、飽和又は不飽和ポリエス
テル樹脂、飽和脂肪酸又は不飽和脂肪酸で変性したアル
キッド樹脂、アクリル樹脂、フッ素樹脂、エポキシ樹
脂、セルロース樹脂等が挙げられる。更には、光沢、肉
持感、硬度、耐久性、柔軟性、乾燥性等の塗膜性能やコ
ストを考慮すると、飽和又は不飽和ポリエステル樹脂、
飽和脂肪酸又は不飽和脂肪酸で変性したアルキッド樹
脂、アクリル樹脂が好ましい。
【0026】本発明の塗料にブロックイソシアネート解
離触媒(以下BI解離触媒と略称する)を添加すると、
解離温度が更に低下するので好ましくなる。このBI解
離触媒しては、具体的には、ジブチルチンジラウレー
ト、ジオクチルチンジラウレート、スタナスオクトエー
ト等の錫系触媒、トリエチレンジアミン、トリエチルア
ミン、N,N,N′,N′−テトラメチルプロピレンジ
アミン、N,N,N′,N′−テトラキス(2−ヒドロ
キシプロピル)エチレンジアミン、N−メチルモルホリ
ン、1,2−ジメチルイミダゾール、1,5−ジアザ−
ビシクロ(4,3,0)ノネン−5、1,8−ジアザビ
シクロ(5,4,0)−ウンデセン−7(以下DBUと
略称する)、これらアミン系触媒のボラン塩、DBUフ
ェノール塩、DBUオクチル酸塩、DBU炭酸塩等の各
種アミン塩系触媒、ナフテン酸マグネシウム、ナフテン
酸鉛、酢酸カリウム等のカルボキシレート類、トリエチ
ルホスフィン、トリベンジルホスフィン等のトリアルキ
ルホスフィン類、ナトリウムメトキシド等のアルカリ金
属のアルコキシド類、亜鉛系有機金属触媒等が挙げられ
る。
【0027】このBI解離触媒の添加量は、BIに対し
て1重量%以下、好ましくは0.8重量%以下である。
触媒添加量が多すぎる場合は、長期保存時において、ブ
ロック剤が解離するため、塗料の経時安定性が悪くな
る。
【0028】本発明の塗料における主剤とBIの好まし
い配合比は、主剤中の活性水素基/有効イソシアネート
基=1/9〜9/1(モル比)、更に好ましくは2/8
〜8/2(モル比)となる量である。この範囲外の場合
は、塗膜の硬化が困難になりやすい。
【0029】得られた塗料は、エアレススプレー機、エ
アスプレー機、静電塗装機、浸漬、ロール塗装機、刷毛
等公知の塗装機を用いて塗装される。その後、加熱して
硬化させる。塗膜の硬化条件は、例えば70〜100℃
・30分で十分硬化する。
【0030】
【発明の効果】本発明のBIは、特定のブロック剤を用
いることにより、解離温度を従来のものより下げること
が可能となった。このため、このBIを用いた塗料は、
硬化条件がマイルドであるため、加熱硬化時のエネルギ
ーが少なく、環境やコスト的に有利なものとなった。ま
た、熱膨張の大きい樹脂部品への塗装も可能となった。
【0031】
【実施例】次に、本発明の実施例及び比較例について詳
細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるも
のではない。また、特に断りのない限り、実施例中の
「部」及び「%」は、それぞれ「重量部」及び「重量
%」を意味する。また、比率は重量比を示す。
【0032】〔イソシアネート基末端前駆体の合成〕 合成例1 攪拌機、温度計、窒素シール管、冷却器のついた反応器
に、HDI300部、1,3−ブタンジオール2.8部
を入れ、反応器内を窒素置換して、攪拌しながら反応温
度80℃に加温し、同温度で2時間反応させた。この反
応液のイソシアネート基含量を測定したところ、48.
6%であった。次に触媒としてカプリン酸カリウム0.
06部、助触媒としてフェノール0.3部を加え、60
℃で6時間イソシアヌレート化反応を行った。この反応
液に停止剤としてリン酸を0.042部加え、反応温度
で1時間攪拌後、未反応のHDIを、130℃・26.
7Paで薄膜蒸留により除去して、イソシアネート末端
前駆体P−1を得た。P−1は淡黄色透明液体、イソシ
アネート含量は20.8%、粘度は2500mPa・s
(25℃)、遊離HDI含有量は0.3%、平均官能基
数は3.8であり、FT−IR及び13C−NMRからイ
ソシアネート基、イソシアヌレート基及びウレタン基の
存在が確認された。
【0033】合成例2 合成例1と同様な反応器に、HDI300部を仕込み、
反応器内を窒素置換して、攪拌しながら反応温度80℃
に加温した。次いで、トリメチロールプロパン10.6
部を2時間かけて仕込み、全量仕込んでから更に同温度
で2時間反応させた。この反応液のイソシアネート基含
量を測定したところ、45.1%であった。未反応のH
DIを130℃・26.7Paで薄膜蒸留により除去し
て、更に酢酸エチルで固形分75%になるように希釈し
て、イソシアネート基末端前駆体P−2を得た。P−2
は淡黄色透明液体、イソシアネート含量は14.8%、
粘度は350mPa・s(25℃)、遊離HDI含有量
は0.5%、平均官能基数は3.0であり、FT−IR
及び13C−NMRからイソシアネート基及びウレタン基
の存在が確認された。
【0034】〔BIの合成〕 実施例1 合成例1と同様な反応器に、表1に示す配合で酢酸ブチ
ル中でP−1とDPFAを80℃で2時間反応させて、
ブロックイソシアネートBI−1を得た。
【0035】実施例2、比較例1 実施例1と同様にして、表1に示す原料を用いてブロッ
クイソシアネートBI−2、3を得た。なお、比較例1
のMEKOは、汎用ブロック剤である。
【0036】
【表1】
【0037】実施例1、2、比較例1、表1において DPFA:ジフェニルホルムアミジン(試薬:Aidrich
Chemical Company製) MEKO:メチルエチルケトオキシム(試薬特級:和光
純薬工業製)
【0038】〔有効NCO含量の測定方法〕 (1)有効NCO含量を測定すべき試料約1.0〜2.
0gを、「摺り合わせ」開口を有する三角フラスコに精
秤する。 (2)上記三角フラスコに、0.5mol/lのジブチ
ルアミン−モノクロルベンゼン溶液25mlを加え、オ
ルト−ジクロロベンゼンと沸石を入れた後、該フラスコ
の開口に適合する「摺り合わせ」球管冷却器を取り付け
る。 (3)あらかじめ用意した加熱板上に、上記三角フラス
コを乗せて、該フラスコ中の溶剤が沸騰を始めてから3
0分間反応させる。 (4)その後、三角フラスコを加熱板上から外し、室温
まで冷却した後、摺り合わせ球管冷却器の上から20〜
30mlのメタノールを注ぎ、該冷却器の内壁部を該メ
タノールで洗い流す。 (5)上記冷却器を三角フラスコから外した後、該三角
フラスコにメタノール100mlと、ブロモフェノール
・ブルー指示薬1滴とを入れ、フラスコの内容物に対し
て、0.5mol/lの塩酸標準液を用いた逆滴定を行
う。この際、試料の滴定に要した上記の塩酸標準液の滴
定量をA(ml)とする。 (6)上記した加熱を行わない以外は、上記(1)〜
(4)と同様の操作を行って、「ブランク」試料を得
る。該ブランクは、上記(5)と同様に滴定する。この
際、ブランクの滴定に要した上記の塩酸標準液の滴定量
をB(ml)とする。 (7)滴定の終点は、ブロモフェノール・ブルー指示薬
の藍色が黄色に変わる点とする。 (8)下記の計算式を用いて、有効NCO含量を算出す
る。
【0039】
【式1】
【0040】上記式中、 A:試料の滴定に要した0.5mol/lの塩酸標準液
の滴定量(ml) B:ブランクの滴定に要した0.5mol/lの塩酸標
準液の滴定量(ml) f:0.5mol/lの塩酸標準液のファクター S:試料採取量(g)を、それぞれ示す。
【0041】[塗膜硬化温度の確認] 実施例3 BI−1、アクリル樹脂、メチルエチルケトン(ME
K)を配合し、全固形分=50%の塗料を調製し、これ
を鋼板に約100μm(wet)になるように塗布し
た。塗布後、70〜150℃にて30分硬化させた後、
MEKラビングテストにて塗膜硬化温度を確認した。結
果を表2に示す。 塗料配合条件 アクリル樹脂:アクリディック(登録商標)A−801
(水酸基含有、固形分=50%、大日本インキ化学工業
製) アクリル樹脂とBIの配合比:水酸基と有効イソシアネ
ート基が当量となる比MEKラビングテスト MEKをしみ込ませた脱脂綿を塗膜に擦り付け、塗膜に
「荒れ」が現れるまでの回数を測定する。
【0042】実施例4、比較例2 BI−1をそれぞれBI−2、3に変える以外は、実施
例3と同様に塗料を調製し、同様に評価した。結果を表
2に示す。
【0043】実施例5、6、比較例3 解離触媒を用いる以外は実施例3、4及び比較例2と同
様にして塗料を調製し、同様に評価した。結果を表2に
示す。 BI解離触媒 :ジブチルチンジラウレート BI解離触媒添加量 :樹脂分の1%
【0044】
【表2】
【0045】表2に示されるように、本発明のBIを用
いた塗料は、触媒未添加系で100℃、触媒添加系で8
0℃という、これまでにない低い温度で、硬化が開始し
ていることが分かる。
フロントページの続き Fターム(参考) 4J034 AA04 AA06 CA02 CA03 CA04 CA05 CA13 CA15 CA17 CB01 CB03 CB04 CB05 CB07 CB08 CC03 CC08 CC09 CC12 CC23 CC26 CC45 CC52 CC61 CC62 CC65 CC67 CD01 CD04 CD06 DA01 DB01 DG02 DG14 DG16 DG22 FA01 FB01 FB03 FB04 FC01 FD03 HA01 HA02 HA06 HA07 HB05 HB11 HB12 HC03 HC09 HC12 HC13 HC17 HC22 HC26 HC35 HC46 HC52 HC61 HC63 HC64 HC67 HC70 HC71 HC73 HD03 HD04 HD05 HD06 HD07 HD08 HD12 HD15 JA01 JA02 JA14 JA42 KA01 KA02 KB03 KB07 KC02 KC07 KC08 KC17 KC18 KD02 KD04 KD08 KD12 KD17 KD21 KD22 KE01 KE02 RA07 4J038 DG291 DG301

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 イソシアネート基末端前駆体と、該前駆
    体の遊離イソシアネート基を封鎖するブロック剤とから
    なるブロックイソシアネートにおいて、該ブロック剤が
    N,N′−ジフェニルホルムアミジンを含有することを
    特徴とする低温解離ブロックイソシアネート。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の低温解離ブロックイソ
    シアネートを含有する塗料。
JP10222348A 1998-07-22 1998-07-22 低温解離ブロックイソシアネート及びこれを含有する塗料 Pending JP2000038436A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10222348A JP2000038436A (ja) 1998-07-22 1998-07-22 低温解離ブロックイソシアネート及びこれを含有する塗料

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10222348A JP2000038436A (ja) 1998-07-22 1998-07-22 低温解離ブロックイソシアネート及びこれを含有する塗料

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2000038436A true JP2000038436A (ja) 2000-02-08

Family

ID=16780941

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP10222348A Pending JP2000038436A (ja) 1998-07-22 1998-07-22 低温解離ブロックイソシアネート及びこれを含有する塗料

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2000038436A (ja)

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004263146A (ja) * 2003-03-04 2004-09-24 Sanyo Chem Ind Ltd 低温硬化型水分散粉体スラリー塗料
JP5345072B2 (ja) * 2007-12-12 2013-11-20 旭化成ケミカルズ株式会社 新規なブロックポリイソシアネート及びこれを含むウレタン組成物
JP2014091768A (ja) * 2012-11-01 2014-05-19 Mitsui Chemicals Inc ブロックイソシアネートおよび塗料組成物
JP2016138203A (ja) * 2015-01-28 2016-08-04 関西ペイント株式会社 熱硬化性塗料組成物
JP2016138202A (ja) * 2015-01-28 2016-08-04 関西ペイント株式会社 熱硬化性塗料組成物
CN112680979A (zh) * 2020-12-17 2021-04-20 上海绘兰材料科技有限公司 一种单组分耐水洗烫布电化铝涂层材料及其制备方法和应用
JP2021091789A (ja) * 2019-12-10 2021-06-17 大日精化工業株式会社 ブロックイソシアネート解離触媒、熱硬化性組成物、接着剤、塗工剤、物品

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004263146A (ja) * 2003-03-04 2004-09-24 Sanyo Chem Ind Ltd 低温硬化型水分散粉体スラリー塗料
JP5345072B2 (ja) * 2007-12-12 2013-11-20 旭化成ケミカルズ株式会社 新規なブロックポリイソシアネート及びこれを含むウレタン組成物
JP2014091768A (ja) * 2012-11-01 2014-05-19 Mitsui Chemicals Inc ブロックイソシアネートおよび塗料組成物
JP2016138203A (ja) * 2015-01-28 2016-08-04 関西ペイント株式会社 熱硬化性塗料組成物
JP2016138202A (ja) * 2015-01-28 2016-08-04 関西ペイント株式会社 熱硬化性塗料組成物
JP2021091789A (ja) * 2019-12-10 2021-06-17 大日精化工業株式会社 ブロックイソシアネート解離触媒、熱硬化性組成物、接着剤、塗工剤、物品
CN112680979A (zh) * 2020-12-17 2021-04-20 上海绘兰材料科技有限公司 一种单组分耐水洗烫布电化铝涂层材料及其制备方法和应用
CN112680979B (zh) * 2020-12-17 2023-04-07 上海绘兰材料科技有限公司 一种单组分耐水洗烫布电化铝涂层材料及其制备方法和应用

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5183206B2 (ja) ポリイソシアネート組成物及びそれを含む塗料組成物
US5747629A (en) Low surface energy polyisocyanates and their use in one-or two-component coating compositions
US5861193A (en) Low viscosity polyuretidione polyurethanes and their use as curatives for solvent and water borne coatings
CN112204068B (zh) 封端异氰酸酯
US20070270543A1 (en) Water-Dispersible Highly Functional polyisocyanates
JP5356300B2 (ja) アロファネート基含有ブロックポリイソシアネート
EP3529291B1 (en) Production of plastics by catalytic crosslinking of blocked polyisocyanates
JP2000038436A (ja) 低温解離ブロックイソシアネート及びこれを含有する塗料
US6515097B2 (en) Blocked polyisocyanates based on HDI
JP3843444B2 (ja) 加熱硬化型ウレタンシーリング材
JP2000178505A (ja) 一液熱硬化塗料及び塗装方法
US20210388153A1 (en) Coating of wires with catalytically crosslinked blocked polyisocyanates
MXPA04010113A (es) Poliisocianatos con estructura de biuret, bloqueados con aminas secundarias.
US6538096B2 (en) Storage-stable polyisocyanates
JPH08239447A (ja) ブロックトポリイソシアネート、その製造方法、およびそれからなるないしはそれを含有するラッカー、被覆系、焼付ラッカーおよび接着剤
JP5539281B2 (ja) 水分散性イソシアネート組成物および水性ポリウレタン樹脂組成物
JPH06312969A (ja) ポリイソシアナートおよびそれから誘導されたブロックポリイソシアナート
JPH0953043A (ja) 低温硬化性1液型ウレタン系塗料組成物
JP7334875B1 (ja) ブロックイソシアネート組成物及びその製造方法、塗料用硬化剤、塗料組成物、並びに、塗膜
EP3693403B1 (en) Squarate compositions
JPH10176031A (ja) 硬化剤組成物及びそれを含む塗料組成物
JP4161360B2 (ja) 水性一液コーティング剤及びそれを用いたコーティング方法
JPH072753A (ja) ハーフブロックジイソシアネート化合物の製造方法
US20190292305A1 (en) Uretdione based polyurethane compositions
CA2205629A1 (en) Heat-curable compositions based on cyclic isocyanate addition products

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20041028

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20041108

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20050107

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20050131