JP2016138203A - 熱硬化性塗料組成物 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 比較的低コストで安定性が高く、解離効果が高いイソシアネートブロック剤の解離触媒として、アルカリ金属及びアルカリ土類金属から選ばれる金属元素を含有する金属触媒を提供するとともに、該金属触媒、アミノ基含有樹脂及びブロックイソシアネート硬化剤からなる熱硬化性塗料組成物を提供する。
【選択図】 なし
Description
しかし、有機錫化合物は、その触媒性能は非常に高いものの、近年その毒性が問題となっているため、有機錫化合物に代わる触媒が求められてきた。その代替品として、ビスマス系、チタン系、または亜鉛系の触媒が開発されている。(例えば、特許文献3、特許文献4)
しかし、それぞれ、高価であったり、触媒効果が不十分であったり、水性塗料中で不安定であるという問題があった。
項1.アミノ基含有樹脂(A)、ブロックイソシアネート硬化剤(B)、並びにアルカリ金属及びアルカリ土類金属から選ばれる金属元素を含有する金属触媒(C)を含有することを特徴とする熱硬化性塗料組成物。
項2.アミン化合物(D)を含有することを特徴とする前記項1に記載の熱硬化性塗料組成物。
項3.塗料組成物の樹脂固形分合計質量を基準として、アミン価が5mgKOH/g以上であることを特徴とする前記項1又は2に記載の熱硬化性塗料組成物。
項4.アミノ基含有樹脂(A)が、3級アミノ基を有することを特徴とする前記項1〜3のいずれか1項に記載の熱硬化性塗料組成物。
項5.金属触媒(C)が、アルカリ金属及びアルカリ土類金属から選ばれる金属と炭化水素基の炭素数が2〜12の脂肪酸との金属脂肪酸塩であることを特徴とする前記項1〜4のいずれか1項に記載の熱硬化性塗料組成物。
項6.金属触媒(C)の金属が、カルシウム、バリウム、カリウムから選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする前記項1〜5のいずれか1項に記載の熱硬化性塗料組成物。
項7.ブロックイソシアネート化合物(B)のブロック剤が、アルコール系化合物、ピラゾール系化合物、オキシム系化合物、及びラクタム系化合物から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする前記項1〜6のいずれか1項に記載の熱硬化性塗料組成物。
項8.着色顔料、防錆顔料及び/又は体質顔料を含有することを特徴とする前記項1〜7のいずれか1項に記載の熱硬化性塗料組成物。
項9.前記項1〜8のいずれか1項に記載の熱硬化性塗料組成物を被塗物に塗装し、加熱硬化させる塗膜形成方法。
項10.前記項1〜8のいずれか1項に記載の熱硬化性塗料組成物を被塗物に塗装して得られる塗装物品。
以下、詳細に述べる。
本発明の熱硬化性塗料組成物で用いることができるアミノ基含有樹脂(A)としては、アミノ基を含有し、ブロックイソシアネート硬化剤(B)と架橋できる樹脂であれば、公知のものを特に制限なく使用できる。
ブロックイソシアネートと架橋できる上記アミノ基含有樹脂の反応性官能基としては、水酸基、カルボキシル基、活性メチレン基等の活性水素を有する反応性官能基の他、エポキシ基、カルボン酸無水物基などが挙げられる。これらは1種を単独で又は2種以上を併用して用いることができるが、水酸基を含有することが好ましい。
また、アミノ基含有樹脂(A)は、アミノ基として、3級アミノ基を有することが好ましい。
本発明の熱硬化性塗料組成物に用いることができるアクリル樹脂(A1)としては、アクリルモノマーをラジカル共重合することによって製造することができる。
本発明の熱硬化性塗料組成物に用いることができるエポキシ樹脂(A2)としては、エポキシ樹脂(A2−1)と、アミン化合物(A2−2)と、さらに必要に応じて変性剤(A2−3)とを反応させて得ることができる。
上記一価アルコールとしては、例えば、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、2−ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、n−オクタノール、2−エチルヘキサノール、ドデシルアルコール、ステアリルアルコール、ベンジルアルコールなどが挙げられる。
上記酸性化合物としては、例えば、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、アクリル酸、オレイン酸、グリコール酸、乳酸、安息香酸、没食子酸、脂肪酸、二塩基酸などの酸性化合物などが挙げられる。
上記フェノール類としては、例えば、フェノール、クレゾール、エチルフェノール、パラ−tert−ブチルフェノール、ノニルフェノール、カテコール、レゾルシノール、4−tert−ブチルカテコールなどが挙げられる。
これらは、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることが出来る。
また、エポキシ樹脂(A2)の数平均分子量は、塗料安定性、仕上がり性などの観点から、通常1,000〜50,000の範囲内であり、好ましくは1,300〜20,000の範囲内であり、より好ましくは1,600〜10,000の範囲内であることが好適である。
エポキシ樹脂(A2)のアミン価は、得られる塗膜の硬化性の観点から、通常5〜300mgKOH/gであり、好ましくは15〜250mgKOH/g、さらに好ましくは30〜200mgKOH/gの範囲内であることが好適である。
エポキシ樹脂(A2)の水酸基価は、得られる塗膜の硬化性の観点から、通常10〜300mgKOH/gであり、好ましくは20〜250mgKOH/g、さらに好ましくは30〜200mgKOH/gの範囲内であることが好適である。
ブロックイソシアネート硬化剤(B)は、ポリイソシアネート化合物とイソシアネートブロック剤とのほぼ化学理論量での付加反応生成物である。ブロックイソシアネート硬化剤(B)で使用されるポリイソシアネート化合物としては、公知のものを特に制限なく使用することができ、例えば、トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、フェニレンジイソシアネート、ジフェニルメタン−2,2’−ジイソシアネート、ジフェニルメタン−2,4’−ジイソシアネート、ジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート、クルードMDI[ポリメチレンポリフェニルイソシアネート]、ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、メチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネートなどの芳香族、脂肪族又は脂環族ポリイソシアネート化合物;これらのポリイソシアネート化合物の環化重合体又はビゥレット体;又はこれらの組合せを挙げることができる。
なかでも、解離温度と塗料安定性の観点から、アルコール系化合物、ピラゾール系化合物、オキシム系化合物、及びラクタム系化合物から選ばれる少なくとも1種を用いることが好ましい。
本発明の熱硬化性塗料組成物で用いることができる金属触媒(C)としては、アルカリ金属及びアルカリ土類金属から選ばれる金属元素を含有する金属触媒である。なかでも、下記式(1)で示される金属脂肪酸塩(C1)であることが好ましい。
M{OOC−R}n・・・式(1)
(式中、nは1又は2の整数である。Rは有機基である。2個のRCOO基は同じであってもよく、異なってもよい。Mはアルカリ金属又はアルカリ土類金属から選ばれる少なくとも1種の金属元素である。)
上記式(1)のRの有機基としては、飽和、不飽和、直鎖、分岐、環状のものを好適に使用することができる。上記金属脂肪酸塩(C1)の脂肪酸としては、例えば、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、カプロン酸、エナント酸、カプリル酸、2−エチルヘキサン酸、ペラルゴン酸、カプリン酸、ウンデカン酸、ラウリン酸、トリデシル酸、オクチル酸、ミリスチン酸、ペンタデシル酸、パルミチン酸、ヘプタデシル酸、ステアリン酸、ノナデカン酸、アラキン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸、セロチン酸、モンタン酸、メリシン酸、ラクセル酸などの直鎖飽和脂肪酸類;ウンデシレン酸、リンデル酸、ツズ酸、フィゼテリン酸、ミリストレイン酸、2−ヘキサデセン酸、6−ヘキサデセン酸、7−ヘキサデセン酸、パルミトレイン酸、ペトロセリン酸、オレイン酸、エライジン酸、アスクレピン酸、バクセン酸、ガドレイン酸、ゴンドイン酸、セトレイン酸、エルカ酸、ブラシジン酸、セラコレイン酸、キシメン酸、ルメクエン酸、アクリル酸、メタクリル酸、アンゲリカ酸、クロトン酸、イソクロトン酸、10−ウンデセン酸などのモノエン不飽和脂肪酸類;リノエライジン酸、リノール酸、10,12−オクタデカジエン酸、ヒラゴ酸、α−エレオステアリン酸、β−エレオステアリン酸、プニカ酸、リノレン酸、8,11,14−エイコサトリエン酸、7,10,13−ドコサトリエン酸、4,8,11,14−ヘキサデカテトラエン酸、モロクチ酸、ステアリドン酸、アラキドン酸、8,12,16,19−ドコサテトラエン酸、4,8,12,15,18−エイコサペンタエン酸、イワシ酸、ニシン酸、ドコサヘキサエン酸などのポリエン不飽和脂肪酸類;1−メチル酪酸、イソ酪酸、2−エチル酪酸、イソ吉草酸、ツベルクロステアリン酸、ピバル酸、ネオデカン酸などの枝分れ脂肪酸類;プロピオール酸、タリリン酸、ステアロール酸、クレペニン酸、キシメニン酸、7−ヘキサデシン酸などの三重結合をもつ脂肪酸類;ナフテン酸、マルバリン酸、ステルクリン酸、ヒドノカルビン酸、ショールムーグリン酸、ゴルリン酸などの脂環式カルボン酸類;アセト酢酸、エトキシ酢酸、グリオキシル酸、グリコール酸、グルコン酸、サビニン酸、2−ヒドロキシテトラデカン酸、イプロール酸、2−ヒドロキシヘキサデカン酸、ヤラピノール酸、ユニペリン酸、アンブレットール酸、アリューリット酸、2−ヒドロキシオクタデカン酸、12−ヒドロキシオクタデカン酸、18−ヒドロキシオクタデカン酸、9,10−ジヒドロキシオクタデカン酸、リシノール酸、カムロレン酸、リカン酸、フェロン酸、セレブロン酸などの含酸素脂肪酸類;安息香酸、9−アントラセンカルボン酸、アトロラクチン酸、アニス酸、イソプロピル安息香酸、サリチル酸、トルイル酸などの芳香族モノカルボン酸などが挙げられ、これらは1種を単独で又は2種以上を併用して用いることができる。また、特に入手が容易で安価である観点から、上記脂肪酸としては、2−エチルヘキサン酸、オクチル酸、ネオデカン酸、オレイン酸、ナフテン酸、ラウリン酸などが好ましい。
本発明の熱硬化性塗料組成物で用いることができるアミン化合物(D)としては、少なくとも1個以上のアミノ基を含有しているアミン化合物であれば公知のものを特に制限なく使用することができる。具体的には、例えば、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリブチルアミン、ジメチルエチルアミン、ジメチルエタノールアミン、トリエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、トリアリルアミン、N−メチルジアリルアミン、N−メチルモルホリン、N,N,N´,N´−テトラメチル−1,2−ジアミノエタン、N−メチルピペリジン、ピリジン、4−エチルピリジンなどの3級アミン;ジメチレントリアミン、ジエチレントリアミン、ジプロピレントリアミン、ジブチレントリアミン、ビス(ヘキサメチレン)トリアミンなどのジアルキレントリアミン;トリエチレンテトラミン、トリプロピレンテトラミンなどのトリアルキレンテトラミン;テトラエチレンペンタミン、テトラプロピルペンタミンなどのテトラアルキレンペンタミン;ペンタアルキレンヘキサミン;ヘキサアルキレンヘプタミン;モノメチルアミン、ジメチルアミン、モノエチルアミン、ジエチルアミン、ジプロピルアミン、ジブチルアミン、ジヘキシルアミン、ジオクチルアミン、モノイソプロピルアミン、ジイソプロピルアミン、モノブチルアミン、モノオクチルアミン、メチルブチルアミン、ジブチルアミンなどのモノ−アルキルアミン又はジ−アルキルアミン;モノエタノールアミン、N−メチルエタノールアミン、N−エチルエタノールアミン、ジエタノールアミン、モノ(2−ヒドロキシプロピル)アミン、ジ(2−ヒドロキシプロピル)アミン、N−ブチルエタノールアミン、ジプロパノールアミン、モノメチルアミノエタノール、N−(2−ヒドロキシプロピル)エチレンジアミン、3−メチルアミン−1,2−プロパンジオール、3−tert−ブチルアミノ−1,2−プロパンジオール、N−メチルグルカミン、N−オクチルグルカミンなどのアルカノールアミン;ポリメチレンジアミン、ポリエーテルジアミン、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ブチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、トリメチルヘキサメチレンジアミン、ジメチルアミノプロピルアミン、ジエチルアミノプロピルアミン、ビス(4−アミノブチル)アミンなどのアルキレンポリアミン;メンセンジアミン、イソホロンジアミン、ビス(4−アミノ−3−メチルシクロヘキシル)メタン、メタキシリレンジアミン、メタフェニレンジアミン、ナフチレンジアミン、ジメチルアミノメチルベンゼンなどの芳香族又は脂環族ポリアミン;ピペラジン、1−メチルピペラジン、3−ピロリジノール、3−ピぺリジノール、4−ピロリジノールなどの複素環を有するポリアミン;上記ポリアミン1モルに対しエポキシ基含有化合物を1〜30モル付加させることによって得られるエポキシ付加ポリアミン;上記ポリアミンと芳香族酸無水物、環状脂肪族酸無水物、脂肪族酸無水物、ハロゲン化酸無水物及び/又はダイマー酸との縮合によって生成するポリアミド樹脂の分子中に1個以上の1級又は2級アミンを含有するポリアミドポリアミン;上記ポリアミン中の1個以上の1級又は2級アミンとケトン化合物とを反応せしめたケチミン化アミン;などが挙げられ、これらは1種を単独でまたは2種以上を併用して用いることができる。なかでも、硬化性の観点から、3級アミノ基を有するアミン化合物(D1)が好ましい。
本発明の熱硬化性塗料組成物におけるアミノ基含有樹脂(A)及びブロックイソシアネート硬化剤(B)の配合割合としては、樹脂固形分の合計質量を基準にして、成分(A)が、通常10〜90質量%、好ましくは20〜80質量%、成分(B)が、通常10〜60質量%、好ましくは15〜55質量%の範囲内であることが、仕上がり性、硬化性に優れた塗装物品を得る為にも好ましい。上記範囲を外れると、塗料特性及び塗膜性能のいずれかを損うことがあり、好ましくない。
また、金属触媒(C)及びアミン化合物(D)の含有量としては、熱硬化性塗料の樹脂固形分の合計質量を基準にして、成分(C)が、通常0.1〜4質量%、好ましくは0.2〜3質量%、成分(D)が、通常0〜10質量%、好ましくは0.5〜5質量%の範囲内であることが、硬化性の観点から好適である。
本発明で用いる塗膜形成方法としては、刷毛塗り、ローラー塗装、ディッピング塗装、バーコーダー塗装、アプリケーター塗装、カーテン塗装、スプレー塗装、回転霧化塗装、電着塗装など、公知の塗装方法を特に制限なく用いることができる。
製造例1
撹拌装置、温度計、冷却管、窒素ガス導入口を備えた四ツ口フラスコにプロピレングリコールモノメチルエーテル31部を仕込み、窒素ガス通気下で115℃に昇温した。115℃に達した後、窒素ガスの通気を止め、2−ヒドロキシエチルアクリレート22部、メチルメタクリレート22部、2−エチルへキシルアクリレート22部、スチレン25部、アクリル酸1部、N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート8部、及び2,2´−アゾビス(イソブチロニトリル)4部からなる混合物を4時間かけて滴下した。ついで、115℃で窒素ガスを通気しながら2時間熟成させた後、プロピレングリコールモノメチルエーテルで希釈することにより、固形分60%のアミノ基含有アクリル樹脂(A−1)溶液を得た。
アミノ基含有アクリル樹脂(A−1)は、重量平均分子量14,000、水酸基価106mgKOH/g、アミン価28.5mgKOH/gであった。
下記表1で示される以外は製造例1と同様にして、固形分60%のアミノ基含有アクリル樹脂(A−2)〜(A−3)及びアクリル樹脂(A−4)を得た。樹脂の特数値を下記表1に示す。
製造例5 アミノ基含有エポキシ樹脂(A−5)の製造
攪拌機、温度計、窒素導入管および還流冷却器を取りつけたフラスコに、jER828EL 1200部、ビスフェノールA 500部及びジメチルベンジルアミン0.2部を加え、130℃でエポキシ当量850になるまで反応させた。次に、1,6−ヘキサンジオール118部及びジエタノールアミン84部を加え、120℃で4時間反応させた後、エチレングリコールモノブチルエーテルで調整して固形分80%の水酸基含有エポキシ樹脂(A−5)溶液を得た。アミノ基含有エポキシ樹脂(A−5)の数平均分子量は2,500、アミン価は24mgKOH/g、であった。
攪拌機、温度計、窒素導入管および還流冷却器を取りつけたフラスコに、jER1001(商品名、三菱化学社製、エポキシ樹脂、エポキシ当量475、数平均分子量900)950部、モノメチルエタノールアミン150部、ジメチルベンジルアミン0.2gを加え、200℃でエポキシ当量が30,000以上になるまで反応させ、更にエチレングリコールモノブチルエーテルを加え、固形分80%のアミノ基含有エポキシ樹脂(A−6)溶液を得た。アミノ基含有エポキシ樹脂(A−6)の数平均分子量は2,300、アミン価は51mgKOH/gであった。
攪拌機、温度計、窒素導入管および還流冷却器を取りつけたフラスコに、jER1001(商品名、三菱化学社製、エポキシ樹脂、エポキシ当量475、数平均分子量900)950部、1,6−ヘキサンジオール236部、ジメチルベンジルアミン0.2gを加え、200℃でエポキシ当量が30,000以上になるまで反応させ、更にエチレングリコールモノブチルエーテルを加え、固形分80%の変性エポキシ樹脂(A−7)溶液を得た。変性エポキシ樹脂(A−7)の数平均分子量は2,500、アミン価は0mgKOH/gであった。
製造例8 ブロックイソシアネート硬化剤(B−1)
反応容器中に、コスモネートM−200(商品名、三井化学社製、クルードMDI)270部及びメチルイソブチルケトン127部を加え70℃に昇温した。この中にエチレングリコールモノブチルエーテル236部を1時間かけて滴下して加え、その後、100℃に昇温し、この温度を保ちながら、経時でサンプリングし、赤外線吸収スペクトル測定にて未反応のイソシアネート基の吸収がなくなったことを確認し、更にメチルイソブチルケトンを加えて樹脂固形分70%のブロックイソシアネート硬化剤(B−1)を得た。得られたブロックイソシアネート硬化剤(B−1)のNCO量は16.7%であった。
なお、本明細書において、NCO量は樹脂固形分100質量部に対するNCO基の量(%)を意味する
製造例9 ブロックイソシアネート硬化剤(B−2)
攪拌機、加熱装置、冷却装置、減圧装置を備えた4つ口フラスコにヘキサメチレンジイソシアネート272部及びメチルエチルケトン214部を仕込み、60℃に加熱した。次いで、メチルエチルケトオキシム169部を攪拌しながら1時間かけて徐々に添加した。その後、60℃で2時間反応させた後、トリメチロールプロパン59部を温度が70℃以上にならないように徐々に添加した。攪拌下、その反応混合物を赤外分光法によって、遊離のイソシアネート基が検出されなくなるまで60℃にて反応させた。反応終了後、固形分70%のブロックイソシアネート硬化剤(B−2)を得た。得られたブロックイソシアネート硬化剤(B−2)のNCO量は16.4%であった。
攪拌機、加熱装置、冷却装置、減圧装置を備えた4つ口フラスコに、「スミジュールN3300」(住化バイエルウレタン社製、商品名、ヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート体)250部及びメチルエチルケトン125部を仕込み、30℃に加熱した。次いで、3,5−ジメチルピラゾール126部を攪拌しながら2時間かけて徐々に添加し、攪拌下、その反応混合物を赤外分光法によって、遊離のイソシアネート基が検出されなくなるまで30℃にて反応させた。反応終了後、固形分70%のピラゾールブロックのブロックイソシアネート硬化剤(B−3)を得た。得られたピラゾールブロックのブロックイソシアネート硬化剤(B−3)のNCO量は14.4%であった。
製造例11 顔料分散ペースト
撹拌機、温度計、滴下ロートおよび還流冷却器を取り付けたフラスコに、jER828EL 1010部、ビスフェノールA 390部、プラクセル212(商品名、ポリカプロラクトンジオール、ダイセル化学工業株式会社、重量平均分子量約1,250)240部及びジメチルベンジルアミン 0.2部を加え、130℃でエポキシ当量が約1,090になるまで反応させた。次に、ジメチルエタノールアミン134部及び90%の乳酸水溶液150部を加え、120℃で4時間反応させた。次いで、メチルイソブチルケトンを加えて固形分を調整し、固形分60%の4級アンモニウム塩型顔料分散用樹脂溶液を得た。
続いて、上記顔料分散用樹脂溶液8.3部(固形分5部)、酸化チタン14.5部、精製クレー8.0部、カーボンブラック0.3部及びプロピレングリコールモノメチルエーテル24.5部を加え、ボールミルにて20時間分散し、固形分50%の顔料分散ペーストを得た。
実施例1 熱硬化性塗料(X−1)
製造例2で得られたアミノ基含有アクリル樹脂(A−2)溶液を80.3部(固形分48.2部)、デスモジュールBL1265/1 MPA/X(商品名、住化バイエルウレタン社製、TDIのε−カプロラクタムブロック、固形分65%、NCO量4.8%)を79.7部(固形分51.8部)、オクチル酸カリウム0.57部を配合して均一に攪拌し、さらにプロピレングリコールモノメチルエーテルを添加して固形分50%の熱硬化性塗料(X−1)を製造した。
下記表2で示される以外は実施例1と同様にして、固形分50%の熱硬化性塗料(X−2)〜(X−28)を製造した。
また、後述する方法で評価試験(ゲル分率)を行った。表中に評価結果を示す。
また、表中の「アミン価(塗料中)」は、塗料組成物中の樹脂固形分合計質量を基準とした数値である。
製造例2で得られたアクリル樹脂(A−2)溶液を72部(固形分43.2部)、デスモジュールBL1265/1 MPA/X(商品名、住化バイエルウレタン社製、TDIのε−カプロラクタムブロック、固形分65%、NCO量4.8%)を79.7部(固形分51.8部)、製造例11で得られた顔料分散ペーストを55.6部(固形分27.8部、樹脂固形分5部)、オクチル酸カリウム0.57部を配合して均一に攪拌し、さらにプロピレングリコールモノメチルエーテルを添加して固形分50%の熱硬化性塗料(X−29)を製造した。
下記表3で示される以外は実施例25と同様にして、固形分50%の熱硬化性塗料(X−30)〜(X−56)を製造した。
また、後述する方法で評価試験〔耐水性(光沢保持率)〕を行った。表中に評価結果を示す。
また、表中の「アミン価(塗料中)」は、塗料組成物中の樹脂固形分合計質量を基準とした数値である。
<ゲル分率>
ガラス板に実施例又は比較例の熱硬化塗料を硬化膜厚約30μmとなるようにアプリケーターを用いて塗装し、表1に記した温度で30分間加熱硬化させ、ガラス板から塗膜を剥離した。次に金網の中に入れた塗膜をセパレート型丸底フラスコの中に設置し、塗膜1gに対してアセトン100gを加え5時間還流した。取り出した塗膜を105℃×1時間で乾燥後、塗膜重量を測定し、以下の式によりゲル分率を算出した。
ゲル分率(%)=還流後の塗膜重量/還流前の塗膜重量×100
ゲル分率は高い数値であるほど硬化性が優れており、70%未満が不合格である。
「パルボンド#3020」(日本パーカライジング社製、りん酸亜鉛処理)を施した冷延鋼板(大きさ400×300×0.8mm)に、「エレクロンGT−10」(関西ペイント社製、熱硬化性エポキシ樹脂系カチオン電着塗料)を膜厚20μmとなるように電着塗装し、170℃で30分間加熱して硬化させ、該塗膜上に「TP−65」(関西ペイント社製、商品名、ポリエステル・メラミン樹脂系自動車中塗塗料)を乾燥膜厚35μmとなるようにエアスプレー塗装し、140℃で30分間加熱硬化させた。
次いでその上に、実施例又は比較例の熱硬化塗料を硬化塗膜約20μmとなるようにアプリケーターを用いて塗装し、表2に記した温度で30分間加熱硬化させた。
光沢保持率は、その表面(試験面)をJIS Z 8741−1997に基づく方法で、鏡面光沢度を入射角60度で測定した値に基づいて、光沢保持率を以下の式により算出したものである。
光沢保持率(%)=(耐水試験後の光沢度/初期光沢度)×100
尚、以下の基準で評価を行なった。S〜Bが合格、Cが不合格である。
S:光沢保持率が90%以上であり、非常に優れている。
A:光沢保持率が80%以上且つ90%未満であり、優れている。
B:光沢保持率が70%以上且つ80%未満であり、普通である。
C:光沢保持率が70%未満であり、劣っている。
Claims (10)
- アミノ基含有樹脂(A)、ブロックイソシアネート硬化剤(B)、並びにアルカリ金属及びアルカリ土類金属から選ばれる金属元素を含有する金属触媒(C)を含有することを特徴とする熱硬化性塗料組成物。
- アミン化合物(D)を含有することを特徴とする請求項1に記載の熱硬化性塗料組成物。
- 塗料組成物の樹脂固形分合計質量を基準として、アミン価が5mgKOH/g以上であることを特徴とする請求項1又は2に記載の熱硬化性塗料組成物。
- アミノ基含有樹脂(A)が、3級アミノ基を有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の熱硬化性塗料組成物。
- 金属触媒(C)が、アルカリ金属及びアルカリ土類金属から選ばれる金属と炭化水素基の炭素数が2〜12の脂肪酸との金属脂肪酸塩であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の熱硬化性塗料組成物。
- 金属触媒(C)の金属が、カルシウム、バリウム、カリウムから選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の熱硬化性塗料組成物。
- ブロックイソシアネート化合物(B)のブロック剤が、アルコール系化合物、ピラゾール系化合物、オキシム系化合物、及びラクタム系化合物から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の熱硬化性塗料組成物。
- 着色顔料、防錆顔料及び/又は体質顔料を含有することを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の熱硬化性塗料組成物。
- 請求項1〜8のいずれか1項に記載の熱硬化性塗料組成物を被塗物に塗装し、加熱硬化させる塗膜形成方法。
- 請求項1〜8のいずれか1項に記載の熱硬化性塗料組成物を被塗物に塗装して得られる塗装物品。
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