JP3843420B2 - インターホンシステム - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば共同住宅に配置され、出火等を検知するとその災害を教示する、インターホンシステムに関するものである。特にその教示メッセージのデータの通知手段として利用するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から、共同住宅等に対し、火災報知、防犯等のような機能を付加し、総合的な警備を行うシステムがある。このようなシステムは、出火を通知する際には、火災報知器を鳴動させるだけではなく、各住戸に配置された装置から合成音声等によるメッセージを発音させている。
【0003】
ここで、火災設備等に関し、消防庁が共同住宅に設置する消防設備の設置基準を定めて通知をしている。この通知に220号の通知(以下、220号通知という)というのがある。この220号通知は、共同住宅等に係る消防用設備等の技術上の基準の特例について通知したものである。この通知には、音声警報機能、メッセージ等についての基準も設けられている。この220号通知を満たそうとすれば、廊下型共同住宅等において、ある住戸から出火した場合、出火した住戸(又は共用室)及び管理人室はもとより、2階以上の階であれば、少なくとも出火した住戸(又は共用室)の階(以下、出火階という)とその1つ上の階(以下、直上階という)の住人には火災が発生した旨の警報を行うための設備を備える必要がある旨の規定がある。なぜなら、これらの住人が、火災に関して最も影響が大きいからである。また、1階で出火した場合はその直上階と地階に警報を発しなければならない。さらに、地階で出火した場合は、その出火階、直上階及び他の地階に警報を発しなければならないと規定されている。この警報、メッセージ等は、住棟受信機を介して行われている。住棟受信機とは、例えば、住民、消防隊員等が火災の詳細な状況を把握するために設けられている火災報知設備の火災受信機である。
【0004】
一方、このような総合的な警備を行うシステムとして、各住戸と管理室、集合玄関機との間で通話を行うインターホン機能に火災、防犯、その他の警報機能を付加したインターホンシステムがある。このようなインターホン機能があれば、住戸、管理室及び共同玄関との間で音声通話等が可能である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
従来のシステムでは、センサ感知時及び出火時の警報音及びそのメッセージは住棟受信機を介して行っている。住棟受信機は設置することになっているが、セキュリティ上、何らかの障害があった場合にサポート等ができるようにしておく方がより安全である。
【0006】
そこで、本発明は、災害時の警報通知を住棟受信機と併用等できるようなシステムを得ることを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明に係るインターホンシステムは、各住戸に設けられた住戸機と、集合玄関に設けられた集合玄関機と、住戸機と集合玄関機との間で通話を行うための通話信号制御を行い、また、住戸機の状態を把握するための制御データ信号の送受信処理を行う通話制御装置とを備えたインターホンシステムにおいて、通話制御装置は、一斉放送を行う場合、特定した出火住戸に基づいて、出火住戸が属する階及び少なくともその1つ上の階の住戸機に対する一斉ポーリング方式の制御データ信号を伝送すると共に、出火住戸が属する階及び少なくともその1つ上の階に対して作成した警報メッセージを通話信号として送信し、また、受信した一斉ポーリング方式の制御データ信号に基づいて、出火住戸が属する階及び少なくともその1つ上の階に設けられていると判断した住戸機は、住戸通話用スイッチを伝送路と接続するように切り替え、伝送路を使って通話を行っている場合は通話を強制的に終了させて、受信した通話信号に基づいて警報メッセージを発音するものである。
【0008】
また、本発明に係るインターホンシステムは、通話信号を伝送する通話信号伝送路は2つの伝送路を有しており、一方の伝送路に出火階用の通話信号を伝送し、他方の伝送路に直上階用の通話信号を伝送して、同時放送を行う。
【0009】
また、本発明に係るインターホンシステムでは、出火階で発音させる警報メッセージと直上階で発音させる警報メッセージは、別々のメッセージである。
【0010】
また、本発明に係るインターホンシステムは、各住戸機に一斉ポーリング方式の制御データ信号を確実に受信させるために、一斉ポーリング方式の制御データ信号を伝送路に3回伝送する。
【0019】
【発明の実施の形態】
実施形態1.
図1は本発明の第1の実施の形態に係るインターホンシステムのブロック図である。このシステムは、共同住宅等で用いられている住宅情報に用いるシステムである。図において、100は各種制御を行う通話制御装置、2001〜200nは各住戸に備えられた住戸機、300は管理室に備えられた管理室機及び400は共同玄関に備えられた玄関機である。
【0020】
LC1、LC2及びLC3は制御データ信号伝送路である。住戸機2001〜200n、管理室機300及び玄関機400と通話制御装置100とは、それぞれ制御データ信号伝送路LC1、制御データ信号伝送路LC2、制御データ信号伝送路LC3により接続されている。またLT1、LT2及びLT3は通話信号を伝送するための通話信号伝送路である。通話信号伝送路LT1、LT2及びLT3はそれぞれ2つの伝送路(伝送路1及び伝送路2)を有しており通話制御装置100の制御により、別の2通話(例えばある住戸機と管理室機、別の住戸機と玄関機の通話)を同時に行うことができる。
【0021】
図2は通話制御装置100の構成を表すブロック図である。図において、101は通話制御装置制御部である。通話制御装置制御部101は、例えばマイコンを中心に構成され、通話制御装置100を構成する各部の処理を制御する。102は通話制御装置記憶部である。通話制御装置記憶部102は、通話制御装置制御部101が行う処理や、その処理の際に用いるデータ等を記憶する。103は通話制御装置制御データ信号送受信制御部である。通話制御装置制御データ信号送受信制御部103は、通話制御装置制御部101が制御データ信号伝送路LC1、LC2及びLC3を介して、住戸機2001〜200n、管理室機300又は玄関機400の制御部と通話、災害特定等を行う際に用いる各種制御データ信号のやりとりをするための送受信の制御を行う。104は通話信号制御部である。通話信号送受信制御部104は、例えば通話信号伝送路LT1、LT2及びLT3間を電気的に接続する等、伝送路上の通話信号の伝送を制御する。105は通話制御装置音声合成部である。通話制御装置音声合成部105は、通話制御装置制御部101からの指示に基づいた音信号を作成し、通話信号送受信制御部104に送信する。
【0022】
図3は住戸機2001〜200n(以下、特に限定しない限り、住戸機2001をこれらの代表とする)の構成を表すブロック図である。住戸機2001において、2011は、例えばマイコンを中心として構成される住戸制御部である。住戸制御部2011は、住戸機2001を構成する各部の処理を制御する。2021は住戸記憶部である。住戸記憶部2021は、住戸制御部2011が行う処理や、その処理の際に用いるデータ等を記憶する。2031は住戸制御データ信号送受信制御部である。住戸制御データ信号送受信制御部2031は、住戸制御部2011が制御データ信号伝送路LC1を介して行う通話制御装置制御部101との制御データ信号の送受信の制御をする。2041は住戸通話信号送受信制御部である。住戸通話信号送受信制御部2041は、通話信号伝送路LT1を例えば電気的に接続等を行い、通話信号として送信される音信号を制御する。2051は住戸音声合成部である。住戸音声合成部2051は、住戸制御部2011からの指示に基づいた音信号を作成し、住戸外部スピーカ部2091に送信する。
【0023】
2061は住戸操作部である。住戸操作部2061は、住戸機2001の盤面上に設けられ、オペレータ(居住者)の指示に基づいた入力信号を住戸制御部2011に送信する。2071は住戸マイク部である。住戸マイク部2071は、音を電気信号である音信号に変換する。2081は住戸スピーカ部である。住戸スピーカ部2081は、送信された音信号を音に変換する。これら、住戸マイク部2071及び住戸スピーカ部2081により住戸ハンドセット部2121の一部を構成する。2091は住戸外部スピーカ部である。住戸外部スピーカ部2091は、住戸機2001の盤内に内蔵され、送信された音信号を音に変換する。2101は住戸通話用スイッチである。住戸通話用スイッチ2101は、住戸制御部2011からの指示に基づいてスイッチを切り替える。住戸通話用スイッチ2101を切り替えることにより、通話信号伝送路LT1の伝送路1又は伝送路2上の通話信号が住戸通話信号送受信制御部2041に入力される。住戸表示部2111は、住戸機2001の盤面上に設けられ、住戸制御部2011から送信される表示指示信号に基づいて、警報時に表示灯の点灯又は点滅、モニタがある場合にはモニタ表示等を行う。なお、住戸外部スピーカ部として第2のスピーカ部を住戸外部スピーカ部2091から分岐させて設け、住戸機2001の設置箇所と異なる場所に配置するようにしてもよい。
【0024】
図4は管理室機300の構成を表すブロック図である。管理室機300において、管理室記憶部302、管理室制御データ信号送受信制御部303、管理室通話信号送受信制御部304、管理室マイク部307、管理室スピーカ部308、管理室外部スピーカ部309、管理室通話用スイッチ310、管理室表示部311及び管理室ハンドセット部312に関しては、住戸機2001のそれぞれに対応する各部と同様の処理を行うので、説明を省略する。
【0025】
管理室音声合成回路部305は、管理室制御部301からの指示に基づいて、管理室通話信号送受信制御部304にも作成した音信号を送信する。また、管理室操作部306は、管理室機300の盤面上に設けられ、住戸操作部2061が有する入力信号の他に、全住戸機、各階単位の住戸機への一斉放送等を管理人等のオペレータが指示できるような例えばボタン等を有している。管理室制御部301は、そのボタンが押されると、各階単位の住戸機への一斉放送等を通話制御装置100に指示できるような制御データ信号を送信する。なお、管理室機300の盤面上に設けられている管理室表示部311には、管理室操作部306に対応する表示機能が追加されている。
【0026】
玄関機400についてはその構成及び機能は、住戸機2001とほぼ同じである。ただ、通話を行うために、操作者(来客者や居住者等)のテンキー等の操作による指示に基づいて、住戸機2001〜200n又は管理室機300に対して呼び出しを行うことができる。また、玄関機400は、データの異常等を検出する機能等はあるが、火災等、警備に関する機能は有していない。
【0027】
次に制御データ信号について説明する。通話制御装置制御部101は、例えば、管理室制御部301からの指示で一斉放送を行う場合、ある住戸に障害が発生したものと判断した場合等に、制御データ信号伝送路LC1上に、ポーリング方式による制御データ信号(以下、ポーリングデータという)を伝送する。ポーリングデータは、通話制御装置制御部101だけが作成することができる、送信先のアドレスを特定しない制御データ信号である。
【0028】
ここで、一斉放送を行う場合のポーリングデータ伝送について説明する。管理室機300から一斉放送のポーリングデータ(以下、このようなポーリングデータを一斉ポーリングデータという)の指示が入力されると、通話制御装置制御部101は、一斉ポーリングのための特別のアドレス、コマンド等を含めた制御データ信号を制御データ信号伝送路LC1上に3回伝送する。3回伝送するのは、住戸制御部2001〜200nが制御データ信号伝送路LC1上の制御データ信号を1回でも確実に受信できるようにするためである。その制御信号をそれぞれの制御データ信号送受信制御部2031〜203nを介して受信した住戸制御部2011〜201nは、例えば伝送路を切り替える。管理室機300から伝送される放送用の通話信号が、通話信号伝送路LT1を介してそれぞれ住戸通話信号送受信制御回路部2041〜204nに入力されて音信号に変換される。さらにその音信号は、外部スピーカ部2091〜209nを介して音に変換されて放送される。
【0029】
また、ある住戸に障害が発生した場合のポーリングデータ伝送について説明する。火災等の障害が発生すると、例えば、居住者の指示又は障害を感知したセンサの判断に基づいて、ある住戸機が、ポーリングデータ伝送を要求するための制御データ信号を制御データ伝送路LC1上に伝送する。その制御データ信号を受信した通話制御装置100は、ポーリングデータを伝送路LC1上に伝送する(以下、このようなポーリングデータを緊急ポーリングデータという)。全ての住戸機がその緊急ポーリングデータを受信し、データの内容を判断する。データの内容を判断した各住戸機は、自分がデータを提供すべき事項(障害内容、階、部屋番号等)にあらかじめ割り当てられたタイムスロットに合わせて応答の制御データ信号を制御データ伝送路LC1上に伝送する(ほとんどの場合、応答するのは緊急ポーリングデータ伝送を要求した住戸機だけである)。応答の制御データ信号を受信した通話制御装置100は、障害内容等を特定し、その後の処理を行う。この緊急ポーリングデータ伝送は、住戸機2001〜200nだけでなく、管理室機300に対しても行われる。また、火災等の警備に関する機能を有していない玄関機400に対しても、異常検出等に行われる。
【0030】
ここで、通話制御装置制御部101は、ポーリングデータを示すための特別の送信元アドレスのデータを用いた制御データ信号を伝送する。したがって、制御データ信号送受信制御部103を介して制御データ信号を送信された各制御部2011、301等は、その制御データ信号がポーリングデータかどうかを即座に判断することができる。緊急ポーリングデータ伝送を要求するための制御データ信号を特別なものとし、ポーリングデータ伝送を他の制御データ信号より優先させることで、データの衝突を防ぎ、確実に状態を収拾することができる。
【0031】
また、各制御部101、2011、301等は、通話の呼び出しの場合等には、制御データ信号伝送路LC1、LC2又はLC3上に、セレクティング方式による制御データ信号(以下、セレクティングデータという)を伝送する。セレクティングデータとは、送信先のアドレスを特定する制御データ信号である。本実施の形態では、通話を行う際の呼び出し、障害住戸を確定した後のより詳細なデータの収集等を行う際の制御データ信号としてこの方式を用いる。ここで、通話制御装置制御部101ではセレクティングデータよりもポーリングデータを優先させるようにしておく。
【0032】
さらに、通話制御装置制御部101及び住戸制御部2011〜201nは、それぞれ通話制御装置制御データ信号送受信制御部103及び通話制御装置制御データ信号送受信制御部2031〜203nを介して、自らが伝送した制御データ信号も含め、制御データ信号伝送路LC1上の制御データ信号を受信する。そして、通話制御装置制御部101及び住戸制御部2011〜201nは、伝送された制御データ信号が自らが処理すべきものであると判断した場合に、その制御データ信号の処理を行う。また、これは管理室制御部301及び玄関制御部401に関しても同様である。
【0033】
本実施の形態は、火災が生じた場合に通常用いる住棟受信機ではなく、共同住宅のインターホン機能を併用又は単独で用いて出火階及び直上階若しくは直下階、また、出火階が1階の場合は地下階全部、出火階が地下階の場合は地下部全部と1階等の少なくとも1つの別の階に対して警報通知を行う。緊急ポーリングにより出火した住戸を特定し、そのデータに基づいて、管理室制御部301が管理室音声合成部305に音信号を作成させ、一斉ポーリングで出火階と直上階に警報音及びメッセージで警報通知するものである。
【0034】
図5は第1の実施の形態に係る制御データ信号の流れを示す図である。図5に基づいて、本実施の形態におけるインターホンシステムについて説明する。ある住戸機(ここでは、住戸機2001とする)と連動した火災感知器等が作動すると、住戸制御部2011は、住戸音声合成部2051に、例えば「ピンポン、火災感知器が作動しました。確認して下さい。」という音信号を送信させる。その音信号は、住戸外部スピーカ部2091により警報音及びメッセージとして発音される。また、住戸制御部2011は、住戸表示部2111にも表示指示信号を送信し、表示灯の表示等を行わせる。220号通知ではこの情報は管理室機300にも伝送され、管理室機300においても、同様の処理が行われる。
【0035】
警報音及びメッセージが発音され、出火していないことを確認した住居人が、住戸操作部2061の警報停止復旧ボタンを押したものとすると特に問題はない。ここで、一定時間、警報停止復旧ボタンが押されなかったものと判断した場合又は住戸操作部2061の非常ボタンが押されたものと判断した場合、住戸制御部2011は、緊急ポーリングデータを要求する制御データ信号を、制御データ信号伝送路LC1上に伝送する。
【0036】
通話制御装置制御部101は、緊急ポーリングデータを要求する制御データ信号を受信すると、緊急ポーリングデータを制御データ信号伝送路LC1上に伝送する。緊急ポーリングデータを受信した住戸制御部2011は、おおまかな障害内容(例えば火災関係、伝送異常関係等の同レベルに扱うおおまかな区分)、階、号室を、自らに割り当てられている緊急ポーリングデータのタイムスロットに合わせて応答のデータを伝送する。
【0037】
通話制御装置制御部101は、応答のデータが伝送されたタイミングに基づいて、おおまかな障害内容、階、号室を特定する。そして、特定した住戸機2001に対して障害内容の詳細(例えば出火かガス漏れか)を要求するためのセレクティングデータ(端末状態要求)を伝送する。そのセレクティングデータを受信した住戸制御部2011は、出火を示すデータを含んだセレクティングデータ(端末状態)を伝送する。
【0038】
通話制御装置制御部101は、出火を示すデータを含んだセレクティングデータ(端末状態)を制御データ信号伝送路LC2を介して管理室機300に伝送する。管理室機300では、管理室制御部301がそのセレクティングデータを受信したことを示す返答のセレクティングデータ(端末状態返答)を伝送する。
【0039】
管理室制御部301は、受信したセレクティングデータに基づいて管理室合成音声部305に、例えば「フォン・フォン・フォン・フォン、○○号室で火災です。」という音信号を送信させる。その音信号は、管理室外部スピーカ部309によりメッセージとして発音される。また、管理室制御部301は、管理室表示部311にも表示指示信号を送信し、表示灯の表示等を行わせる。その処理と共に、受信したセレクティングデータに基づいて、出火した住戸の属する階(以下、出火階という)の住戸機に警報通知を行うために、出火階での放送を要求するセレクティングデータ(出火階放送要求)を制御データ信号伝送路LC2を介して通話制御装置100に伝送する。通話制御装置100では、通話制御装置制御部101がそのセレクティングデータを受信したことを示すセレクティングデータ(出火階放送要求返答)を管理室制御部301に伝送する。その処理と共に、管理室制御部301は、管理室通話用スイッチ310を通話信号伝送路LT1の伝送路1に切り替える。また同様に、出火階の1階上の階である直上階での放送を要求するセレクティングデータ(直上階放送要求返答)を制御データ信号伝送路LC2を介して通話制御装置100に伝送する。
【0040】
通話制御装置制御部101は、出火階での放送を要求するセレクティングデータを受信すると、制御データ信号伝送路LC1にそのデータを含んだ一斉ポーリングデータ(出火階放送一斉ポーリングデータ)を3回伝送する。前述したように、全ての住戸制御部2011〜201nは制御データ信号伝送路LC1上の制御データ信号を受信する。したがって、出火階の住戸機では、一斉ポーリングデータを1回でも受信すると、住戸通話用スイッチを通話信号伝送路LT1の伝送路1と接続するように切り替える。また、一斉ポーリングデータ中には、伝送路1を用いて通話するようなデータも含めておく。したがって、一斉ポーリングデータが伝送されると、通話信号伝送路LT1の伝送路1を使って通話を行っている住戸機があれば、その住戸機は通話を強制的に終了させる。ここで、出火した住戸の住戸制御部2011については、住戸操作部2061の非常信号が押されたことを認識しているので、伝送路1には切り替えず、住戸合成音声部2051に、例えば「火事です。火事です。火災が発生しました。安全を確認の上避難して下さい」という音信号を送信させる。その音信号は、住戸外部スピーカ部2091によりメッセージとして発音される。また、住戸制御部2011は、住戸表示部2111にも表示指示信号を送信し、表示灯の表示等を行わせる。また、通話制御装置制御部101は、直上階での放送を要求するセレクティングデータを受信すると、制御データ信号伝送路LC1にそのデータを含んだ一斉ポーリングデータ(直上階放送一斉ポーリングデータ)を3回伝送し、直上階の住戸機に通話信号伝送路LT1の伝送路1の通話信号を受信させるようにする。
【0041】
管理室制御部301は、管理室合成音声部305に、例えば「火事です。火事です。この近所で火災が発生しました。安全を確認の上避難して下さい。」という音信号を作成させ、管理室通話信号送受信制御部304に送信させる。この音信号は、管理室通話信号送受信制御部304により通話信号として通話信号伝送路LT1の伝送路1に伝送される。通話信号伝送路LT1の伝送路1に伝送された通話信号は、住戸通話信号送受信制御部2041により音信号に変換され、音信号は住戸外部スピーカ部2091により音として警報音及びメッセージ通知として発音される。
【0042】
警報音及びメッセージ通知がされた各住戸機及び管理室機において、例えば管理室操作部306の警報停止復旧ボタンが押されたものと判断すると、警報音及びメッセージの発音を停止し、管理室表示部311の表示を中止し、通話制御装置100に対して、その状態を示すセレクティングデータ(スイッチ状態)を伝送する。通話制御装置100の通話制御装置制御部101は、そのセレクティングデータ(スイッチ状態返答)を受信したことを示す返答のセレクティングデータを、伝送した管理室機300に伝送する。また、通話制御装置制御部101は、そのセレクティングデータを受信すると、制御データ信号伝送路LC1にそのセレクティングデータ(スイッチ状態)を3回伝送し、出火階及び直上階の住戸機に警報音及びメッセージの発音を停止させる。
【0043】
以上のように第1の実施の形態によれば、通話制御装置制御部101が、緊急ポーリングデータを伝送して出火住戸を特定し、その内容を管理室制御部301にセレクティングデータとして伝送する。そのセレクティングデータを受信した管理室制御部301は、管理室外部スピーカ部309を介して、管理室音声合成部305が作成した音信号に基づいて、管理室に警報音及びメッセージを発音させる一方、出火階と直上階に対して、警報音及びメッセージを発音させるために、出火階及び直上階(出火階が1階の場合は地下階全部、出火階が地下階の場合は地下階全部と1階)での放送を要求するセレクティングデータを通話制御装置100に伝送する。通話制御装置100の通話制御装置制御部101は、そのセレクティングデータを受けて、出火階と直上階の住戸機に対して一斉ポーリングデータを送信し、通話信号伝送路LT1の伝送路1に切り替えさせ、管理室機300と出火階及び直上階の住戸機との音のやりとりができるようにする。そして、管理室音声合成部305が作成して伝送した放送用の通話信号に基づいて出火階及び直上階の住戸機の外部スピーカ部から警報音及びメッセージを発音させるようにしたので、住棟受信機と併用又はシステム単独で火災警報音及びメッセージ通知を行うことができる。また、住戸機とは違い、設置数の少ない管理室機300に備えるので、住戸機分の記憶部を用意するより経済的である。
【0044】
実施形態2.
図6は本発明の第2の実施の形態に係る制御データ信号の流れを示す図である。本実施の形態は、第1の実施の形態のように出火階及び直上階への警報音及びメッセージの音信号を管理室機300の管理室音声合成部305で作成するのではなく、通話制御装置音声合成部105で作成し、出火階及び直上階に通話信号として伝送するものである。
【0045】
本実施の形態の各制御部の処理は、第1の実施の形態で説明したものとほとんど同じである。ただ、第1の実施の形態と異なるのは、管理室制御部301においては、出火階及び直上階に対して放送を要求するセレクティングデータを制御データ信号伝送路LC2を介して通話制御装置100に伝送する処理を行わない。また管理室音声合成部305で音信号を作成して管理室通話信号送受信制御部304から通話信号として伝送しないので、管理室通話用スイッチ310は通話信号伝送路LT1の伝送路1との切替を行わない。すなわち、通話制御装置100は、出火住戸の住戸機から出火を示すデータを含むセレクティングデータ(端末状態)を受信すると、そのセレクティングデータ(端末状態)を管理室300に伝送し、管理室300からセレクティングデータ受信の返答セレクティングデータ(端末状態返答)を受信すると、住戸機からのセレクティングデータに基づいて出火階の住戸機と直上階の住戸機に対して一斉ポーリングデータを制御データ信号伝送路LC1に伝送するとともに、通話制御装置音声合成部105を制御して、出火階の放送用の通話信号と直上階の放送用の通話信号とを通話信号伝送路LT1に伝送する。このとき、例えば制御データ信号伝送路LC1の伝送路1に出火階用の通話信号を伝送し、また伝送路2に直上階用の通話信号を伝送するようにすると、同時放送が可能となる。
【0046】
以上のように第2の実施の形態によれば、通話制御装置100に備えた通話制御装置音声合成部105に基づいて警報音及びメッセージを作成し、通話信号伝送路LT1に伝送するようにしたので、第1の実施の形態と同じように、住棟受信機と併用又は単独で火災警報音及びメッセージ通知を行うことができる。また、住戸機とは違い、設置数の少ない通話制御装置100に備えるので、住戸機分の記憶部を用意するより経済的である。なお、本実施の形態において、通話制御装置100は、出火住戸の住戸機から出火を示すデータを含むセレクティングデータ(端末状態)を受信したときに、直ちに住戸機からのセレクティングデータに基づいて出火階の住戸機と直上階の住戸機とに対して一斉ポーリングデータを制御データ信号伝送路LC1に伝送するように構成すると、管理室がなく、通話制御装置100に管理室機300が接続されていなくても、火災警報音及びメッセージの通知を行うことができる。
【0047】
実施形態3.
図7は本発明の第3の実施の形態に係る制御データ信号の流れを示す図である。本実施の形態は、第1の実施の形態のように出火階及び直上階への警報音及びメッセージの音信号を管理室機300の管理室音声合成部305で作成するのではなく、出火階及び直上階の各住戸機の住戸音声合成部2051で作成し、住戸外部スピーカ2091で発音させるものである。
【0048】
本実施の形態の各制御部の処理は、第2の実施の形態で説明したものとほとんど同じである。ただ、第2の実施の形態と異なるのは、伝送路LC1に伝送する一斉ポーリングデータ中のデータにより、住戸通話用スイッチ2101を通話信号伝送路LT1の伝送路1に切り替えて各住戸機が通話信号を受信可能な状態にするのではなく、出火階及び直上階の住戸制御部2011に対して、その住戸音声合成部2051に出火階又は直上階用の警報音及びメッセージを作成させ、住戸外部スピーカ2091に出力するようにしたものである。したがって、通話信号伝送路LT1を使わなくても警報音及びメッセージの通知が可能である。すなわち、通話制御装置100は、出火住戸の住戸機から出火を示すデータを含むセレクティングデータ(端末状態)を受信すると、住戸機からのセレクティングデータに基づいて出火階の住戸機と直上階の住戸機に対して一斉ポーリングデータを制御データ信号伝送路LC1に伝送するとともに、通話制御装置音声合成部105を制御して出火階の放送用の通話信号と直上階の放送用の通話信号とを通話信号伝送路LT1に伝送する。このとき、例えば制御データ信号伝送路LC1の伝送路1に出火階用の通話信号を伝送し、また伝送路2に直上階用の通話信号を伝送するようにすると、同時放送が可能となる。
【0049】
以上のように第3の実施の形態によれば、出火した際に、出火階及び直上階の各住戸音声合成部で作成し、住戸外部スピーカで発音させるようにしたので、通話信号を介することがなく、警報音及びメッセージの通知を伝送の信頼性の高い制御データ信号伝送路LC1だけで行うことが可能である。なお、本実施の形態においても、第2の実施の形態と同様に、通話制御装置100は、出火住戸の住戸機から出火を示すデータを含むセレクティングデータ(端末状態)を受信したときに、直ちに住戸機からのセレクティングデータに基づいて出火階の住戸機と直上階の住戸機とに対して一斉ポーリングデータを伝送路LC1に伝送するように構成すると、管理室がなく、通話制御装置100に管理室機300が接続されていなくても、火災警報音及びメッセージの通知を行うことができる。
【0050】
実施形態4.
上述の実施の形態では、出火階及び直上階に警報音及びメッセージ通知を行うようにしたが、本発明ではそれに限定されるものではなく、例えば「火事です。火事です。○○階で火災が発生しました。安全を確認の上避難して下さい。」のように、出火階を特定したメッセージを出火階及び直上階又は全住戸に発音させてもよい。この場合、音信号を作成する音声合成部105、305又は2051では、全ての階の音信号に対応させた音声メッセージデータを記憶しておく必要があるが、出火階及び直上階又は全住戸に対して、より詳細な情報を提供することができ、災害安全の面から有用である。
【0051】
実施形態5.
また、上述の実施の形態では、出火階及び直上階に警報音及びメッセージ通知を行うようにしたが、本発明ではそれに限定されるものではなく、例えば「火事です。火事です。○○号室で火災が発生しました。安全を確認の上避難して下さい。」のように、出火住戸を特定したメッセージを出火階及び直上階又は全住戸に発音させてもよい。この場合、音信号を作成する音声合成部105、305又は2051では、全ての住戸の音信号に対応させた音声メッセージデータを記憶しておく必要があるが、出火階、直上階又は全住戸に対して、より詳細な情報を提供することができ、災害安全の面から有用である。
【0052】
実施形態6.
また、上述の実施の形態では、出火階及び直上階で発音させる警報音及びメッセージは同じものとしたが、本発明ではそれに限定されるものではなく、出火階では、例えば「火事です。火事です。この階で火災が発生しました。安全を確認の上避難して下さい。」とし、直上階では、例えば「火事です。火事です。すぐ下の階で火災が発生しました。安全を確認の上避難して下さい。」のように、別々の警報音及びメッセージを通知させるようにしてもよい。その際、伝送路1を用いて出火階の住戸機に警報音及びメッセージの通話信号を伝送した後、再度直上階の住戸機に対して一斉ポーリングデータを伝送し、伝送路1を用いて直上階の住戸機に警報音(例えば音色の異なる警報音)及びメッセージの通話信号を伝送してもよいが、直上階の住戸に対しては、通話信号伝送路LT1の伝送路2に切り替えるようなデータを有する一斉ポーリングデータを伝送して、通話信号の伝送路を別々にして伝送することも可能である。
【0053】
実施形態7.
また、上述の実施の形態においては、2階以上の住戸から出火した際の警報音及びメッセージの通知に対して説明を行ったが、本発明ではそれに限定されるものではなく、220号通知の規定では、1階で出火した場合はその直上階と地階に警報通知しなければならないし、地階で出火した場合は、その出火階、直上階及び他の地階に警報通知しなければならないとされているので、その規定の区域に合わせて警報音及びメッセージの通知を行うように制御データ信号を対応させる方がよい。また、2階以上の住戸から出火した場合にも、その直上階とその直下階の少なくとも一方に警報通知するようにしてもよい。
【0054】
実施形態8.
また、メッセージの内容は、上述の実施の形態で記載したものに限定されるものではなく、220号通知の規定に基づいた内容であればよい。また、階段室型共同住宅等の場合にも適用できる。
【0055】
実施形態9.
また、上述の実施の形態では、警報音及びメッセージの発音を住戸外部スピーカ部又は管理室外部スピーカ部とした。本発明ではそれに限定されるものではなく、例えば、各住戸の玄関部に設けたドアホンと連動させ、住戸内だけの通知だけでなく、ドアホンからも戸外に警報音及びメッセージの通知をするようにしてもよい。
【0056】
実施形態10.
上述の実施の形態では、出火した際の警報音及びメッセージによる警報通知について説明したが、他の災害の際にも本発明のインターホンシステムは適用できる。
【0057】
【発明の効果】
また、本発明によれば、通話制御装置が、一斉放送を行う場合、出火した住戸が属する階及び少なくともその1つ上の階に対する警報メッセージを作成し、出火した住戸が属する階及び少なくともその1つ上の階の住戸機に、音の信号である通話信号により警報メッセージを送信して、対応する住戸が警報メッセージを発音するようにしたので、住棟受信機と併用又はシステム単独で火災警報音及びメッセージ通知を行うことができる。また、住戸機とは違い、設置数の少ない通話制御装置が、警報メッセージの通話信号を作成するので、住戸機に警報メッセージを作成させるための音データを記憶する手段を各住戸機に設ける必要がなく、経済的である。
【0058】
また、本発明によれば、通話信号を伝送する通話信号伝送路は2つの伝送路を有しており、一方の伝送路に出火階用の通話信号を伝送し、他方の伝送路に直上階用の通話信号を伝送するようにしたので、別々の警報メッセージの場合でも同時に放送を行うことができる。
【0059】
また、本発明によれば、出火階で発音させる警報メッセージと直上階で発音させる警報メッセージは、別々のメッセージにすることができる。このとき、通話信号の伝送路が2系統あれば、各系統にそれぞれのメッセージの通信信号を送信することができる。
【0060】
また、本発明によれば、一斉ポーリング方式の制御データ信号を伝送路に3回伝送するようにしたので、各住戸機に一斉ポーリング方式の制御データ信号を確実に受信させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係るインターホンシステムのブロック図である。
【図2】通話制御装置100の構成を表すブロック図である。
【図3】住戸機2001の構成を表すブロック図である。
【図4】管理室機300の構成を表すブロック図である。
【図5】第1の実施の形態に係る制御データ信号の流れを示す図である。
【図6】第2の実施の形態に係る制御データ信号の流れを示す図である。
【図7】第3の実施の形態に係る制御データ信号の流れを示す図である。
【符号の説明】
100 通話制御装置
101 通話制御装置制御部
102 通話制御装置記憶部
103 通話制御装置制御データ信号送受信制御部
104 通話制御装置通話信号送受信制御部
105 通話制御装置音声合成部
2001〜200n 住戸機
2011 住戸制御部
2021 住戸記憶部
2031 住戸制御データ信号送受信制御部
2041 住戸通話信号送受信制御部
2051 住戸音声合成部
2061 住戸操作部
2071 住戸マイク部
2081 住戸スピーカ部
2091 住戸外部スピーカ部
2101 住戸通話用スイッチ
2111 住戸表示部
2121 住戸ハンドセット部
300 管理室機
301 管理室制御部
302 管理室記憶部
303 管理室制御データ信号送受信制御部
304 管理室通話信号送受信制御部
305 管理室音声合成部
306 管理室操作部
307 管理室マイク部
308 管理室スピーカ部
309 管理室外部スピーカ部
310 管理室通話用スイッチ
311 管理室表示部
312 管理室ハンドセット部
400 玄関機
LC1、LC2、LC3 制御データ信号伝送路
LT1、LT2、LT3 通話信号伝送路

Claims (4)

  1. 各住戸に設けられた住戸機と、集合玄関に設けられた集合玄関機と、前記住戸機と前記集合玄関機との間で通話を行うための通話信号制御を行い、また、前記住戸機の状態を把握するための制御データ信号の送受信処理を行う通話制御装置とを備えたインターホンシステムにおいて、
    前記通話制御装置は、一斉放送を行う場合、特定した出火住戸に基づいて、前記出火住戸が属する階及び少なくともその1つ上の階の前記住戸機に対する一斉ポーリング方式の制御データ信号を伝送すると共に、前記出火住戸が属する階及び前記少なくともその1つ上の階に対して作成した警報メッセージを通話信号として送信し、
    また、受信した一斉ポーリング方式の制御データ信号に基づいて、前記出火住戸が属する階及び前記少なくともその1つ上の階に設けられていると判断した前記住戸機は、住戸通話用スイッチを伝送路と接続するように切り替え、前記伝送路を使って通話を行っている場合は通話を強制的に終了させて、受信した前記通話信号に基づいて前記警報メッセージを発音することを特徴とするインターホンシステム。
  2. 前記通話信号を伝送する通話信号伝送路は2つの伝送路を有しており、一方の伝送路に出火階用の通話信号を伝送し、他方の伝送路に直上階用の通話信号を伝送して、同時放送を行うことを特徴とする請求項1記載のインターホンシステム。
  3. 前記出火階で発音させる警報メッセージと前記直上階で発音させる警報メッセージは、別々のメッセージであることを特徴とする請求項2記載のインターホンシステム。
  4. 前記各住戸機に前記一斉ポーリング方式の制御データ信号を確実に受信させるために、前記一斉ポーリング方式の制御データ信号を前記伝送路に3回伝送することを特徴とする請求項1乃至3に記載のインターホンシステム。
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