JP3843347B2 - 棒状化粧料繰出容器 - Google Patents

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    • A45D40/02Casings wherein movement of the lipstick or like solid is a sliding movement
    • A45D40/04Casings wherein movement of the lipstick or like solid is a sliding movement effected by a screw

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は横断面が非円形の棒状化粧料を収容する繰出容器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
横断面が非円形、例えば楕円形をなす棒状化粧料を収容する棒状化粧料繰出容器には、外筒とその内部を昇降する皿部が棒状化粧料と同様に横断面楕円形に形成されていて、外筒の下部内側には操作部材が回動可能に取り付けられ、外筒の下部に設けた窓孔から前記操作部材を回動操作できるようになっていて、皿部と操作部材との間に操作部材の回転運動を皿部の直線運動に変換する変換機構が設けられたものがある。この場合、外筒に嵌脱自在な蓋筒も横断面が楕円形である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、棒状化粧料には揮発性成分を含むものがあり、このような棒状化粧料を収容する繰出容器では気密機構が必要である。しかしながら、横断面非円形をなす棒状化粧料の場合には、前述のように外筒、皿部、蓋筒がいずれも横断面非円形であり、その非円形の摺動部分を気密状態に保持するのは極めて困難であった。
【0004】
一方、棒状化粧料の断面形状に関係のない別の問題に、棒状化粧料装填時に棒状化粧料に空洞が生じることがあった。棒状化粧料繰出容器に棒状化粧料を装填する方法には、繰出容器を組み立てた後に、溶融状態の棒状化粧料材料を充填する方法がある。この場合に、棒状化粧料材料を充填した時にその熱で繰出容器内のある空間の空気が膨張して、これが皿部内に侵入し、溶融状態の棒状化粧料材料内に気泡を生じさせることがあった。この気泡が存在したまま棒状化粧料材料が固化すると、棒状化粧料内に空洞ができるという問題があった。
【0005】
本発明はこのような従来の技術の問題点に鑑みてなされたものであり、横断面非円形の棒状化粧料を収容する繰出容器において、簡単な構造で気密性に優れ、棒状化粧料内に空洞が生じない棒状化粧料繰出容器を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は前記課題を解決するために、以下の手段を採用した。本願の第1の発明は、横断面非円形の棒状化粧料と横断面が相似形をなし基部側に窓孔を備えた外筒と、前記棒状化粧料の基部を内嵌し前記外筒の内部に配されて外筒に対して軸線方向に移動可能で周方向に回動不能に取り付けられた皿部と、前記外筒の窓孔から操作環部を露出させて外筒に周方向へ回動可能で軸線方向へ移動不能に取り付けられた操作部材と、前記皿部と操作部材との間に設けられていて操作部材の回転運動を皿部の直線運動に変換する変換機構と、前記外筒の先部側に嵌脱自在な蓋筒とを備えた棒状化粧料繰出容器において、前記外筒には、該外筒の内面に、該外筒の内側に延びる仕切り壁部と、該仕切り壁部の内端に連なり、該仕切り壁部より容器基部側に延びる円環壁部が設けられ、前記操作部材には、上部が前記円環壁部に気密、かつ摺動自在に組み付けられる有底円筒状のシール筒部が設けられ、前記蓋筒には、該蓋筒の頂部内側にシール部材が設けられ、前記円環壁部に組み付けられた前記シール筒部の内部に前記変換機構が設けられ、前記蓋筒を前記外筒に嵌着すると、前記シール部材が前記外筒に気密に組み付き、前記皿部および前記変換機構が、前記蓋筒と前記シール筒部により密封された外筒の内部に気密状態で収納され、更に、前記皿部を最下位に位置させた時に生じる、外筒と皿部との間の空間部、及び、皿部と円環壁部とシール筒部に囲まれた部位の空間部を減らすべくこれら空間部をほぼ埋める膨出部を備えていることを特徴とする棒状化粧料繰出容器である(請求項1に対応)。
【0007】
第1の発明の棒状化粧料繰出容器においては、外筒の窓孔から露出する操作環部を操作して操作部材を回転すると、操作部材の回転運動が変換機構によって皿部の直線運動に変換され、皿部は外筒内を軸線方向に沿って移動する。
【0008】
円環壁部とシール筒部によって外筒と操作部材との間がシールされており、蓋筒の嵌着時にはシール部材によって外筒と蓋筒との間がシールされるので、閉蓋時に棒状化粧料は外筒と操作部材と蓋筒とで囲まれた密閉空間内に格納されることとなる。したがって、棒状化粧料が揮発性成分を含むものであっても、揮発性成分の揮発を阻止することができる。
【0009】
又、横断面が非円形の摺動部についてはシール構造を施す必要がなく、構造が簡単になる。
この第1の発明の棒状化粧料繰出容器において、前記皿部と操作部材との間に設ける変換機構としては螺子機構を例示することができる。
【0010】
第1の発明の棒状化粧料繰出容器では、皿部を最下位に位置させた時に外筒と皿部との間に生じる空間部をほぼ埋める膨出部を備えているので、外筒と皿部との間に封入される空気の量を極力減らすことができる。
【0011】
又、第1の発明の棒状化粧料繰出容器では、皿部を最下位に位置させた時に皿部と円環壁部とシール筒部に囲まれた部位に生じる空間部をほぼ埋める膨出部を備えているので、皿部と円環壁部とシール筒部に囲まれた部位に封入される空気の量を極力減らすことができる。
【0012】
これら空間部に封入される空気の量を減らすことによって、溶融状態の棒状化粧料材料充填時に棒状化粧料内に気泡が生じるのを防止することができる。
第1の発明の棒状化粧料繰出容器において、膨出部は外筒部に設けてもよいし、皿部に設けてもよいし、操作部材に設けてもよい。
【0013】
本願の第2の発明は、横断面非円形の棒状化粧料と横断面が相似形をなし基部側に窓孔を備えた外筒と、前記棒状化粧料の基部を内嵌し前記外筒の内部に配されて外筒に対して軸線方向に移動可能で周方向に回動不能に取り付けられた皿部と、前記外筒の窓孔から操作環部を露出させて外筒に周方向へ回動可能で軸線方向へ移動不能に取り付けられた操作部材と、前記皿部と操作部材との間に設けられていて操作部材の回転運動を皿部の直線運動に変換する変換機構と、前記外筒の先部側に嵌脱自在な蓋筒とを備えた棒状化粧料繰出容器において、
前記外筒には、該外筒の内面に、該外筒の内側に延びる仕切り壁部と、該仕切り壁部の内端に連なり、該仕切り壁部より基部側に延びる円環壁部が設けられ、
前記操作部材には、上部が前記円環壁部に気密、かつ摺動自在に組み付けられる有底円筒状のシール筒部が設けられ、
前記蓋筒には、該蓋筒の頂部内側にシール部材が設けられ、
前記変換機構は、前記皿部の底部から下方に延び、外周面に螺旋突条を有する中空筒状の螺筒と、前記螺旋突条に係合する、前記操作部材に設けられた係合突起、とから構成され、前記蓋筒を前記外筒に嵌着すると、前記皿部および前記変換機構が、前記蓋筒と前記シール筒部により密封された外筒の内部に収納され、
更に前記シール筒部はその底部から起立して延び前記螺筒の内部空間に進入可能な軸部を備えていることを特徴とする棒状化粧料繰出容器である(請求項2に対応)。
【0014】
第2の発明の棒状化粧料繰出容器においては、外筒の窓孔から露出する操作環部を操作して操作部材を回転すると、螺筒の螺旋突条と係合突起との係合によって操作部材の回転運動が皿部の直線運動に変換され、皿部は外筒内を軸線方向に沿って移動する。
【0015】
円環壁部とシール筒部によって外筒と操作部材との間がシールされており、蓋筒の嵌着時にはシール部材によって外筒と蓋筒との間がシールされるので、閉蓋時に棒状化粧料は外筒と操作部材と蓋筒とで囲まれた密閉空間内に格納されることとなる。したがって、棒状化粧料が揮発性成分を含むものであっても、揮発性成分の揮発を阻止することができる。
【0016】
又、横断面が非円形の摺動部についてはシール構造を施す必要がなく、構造が簡単になる。
【0017】
第2の発明の棒状化粧料繰出容器では、皿部を最下位に位置させた時にシール筒部の軸部が螺筒の内部空間に進入してこの内部空間をほぼ埋めるので、螺筒の内部空間に封入される空気の量を極力減らすことができる。これによって、溶融状態の棒状化粧料材料充填時に棒状化粧料内に気泡が生じるのを防止することができる。
【0018】
前記第1の発明と第2の発明において横断面非円形とは真円以外の形状のことであり、例えば、長方形や正方形等の四角形、あるいは楕円形等である。
前記第1の発明と第2の発明において、前記外筒の円環壁部と前記操作部材のシール筒部の位置関係は、円環壁部をシール筒部の外側あるいは内側のいずれに配しても構わない。
【0019】
シール部材は蓋筒から脱落しないように取り付けられていればよく、その取付構造には特に限定はない。
【0020】
前記第1の発明あるいは第2の発明の棒状化粧料繰出容器においては、シール部材の形状に特に限定はないが、次のようにするとシール性が非常によくなり、具合いがよい。
【0021】
即ち、シール部材は非嵌着時に蓋筒の内周面から離間して位置する弾性筒部を備えており、この弾性筒部が嵌着時に外筒の外周面に圧接し且つ外方に弾性変形せしめられて蓋筒の内周面に圧接するようにする(請求項3に対応)。
【0022】
前記第1の発明あるいは第2の発明の棒状化粧料繰出容器において、前記シール部材には前記弾性筒部よりも蓋筒の頂部側に空気抜き孔を形成することも可能である。(請求項4に対応)。このようにすると、蓋筒の嵌着時に内部の空気を排気することができ、蓋筒を確実且つスムーズに嵌着せしめることができる。
【0023】
本発明の棒状化粧料繰出容器における各構成に材料の限定はないが、その全てをプラスチックで形成することも可能である。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の一形態を図1から図5の図面に基いて説明する。
図1は本発明の棒状化粧料繰出容器を正面から見た縦断面図であり、図2は側面から見た縦断面図であり、図3は図2の要部拡大図であり、図4、図5は蓋筒を取り外した状態の平面図及び正面図である。
【0025】
棒状化粧料繰出容器は、外筒10と、ホルダ30と、操作部材50と、蓋筒70とを備えている。
外筒10はポリプロピレン製で、横断面が棒状化粧料(図示せず)と相似形の楕円形をなし、下から順に大径部11,中径部12,小径部13になっていて上にいくにしたがって横断面寸法が小さくなっている。
【0026】
外筒10は大径部11の底部に嵌着固定された底蓋14によって閉塞されている。大径部11には短軸方向に対向する部位に一対の窓孔15が開口している。
中径部12の外周面には、長軸方向に対向する部位に一対の縦条の係合突起16が設けられており、短軸方向に対向する部位に一対の横長の係合突起17が設けられている。
【0027】
外筒10の内周面であって小径部13の基部からは仕切り壁部18が内方へ水平に延びている。仕切り壁部18の内端からは円筒状の円環壁部19が下方に延び、円環壁部19の途中から環板部22が内方へ水平に延び、環板部22の内縁が円環状の係合部23になっていて、環板部22の係合部23近傍から起立環部24が上方に延びている。
【0028】
小径部13の内周面には長軸方向に対向する部位に一対の縦条の案内突起20が設けられている。
【0029】
操作部材50は外筒10の内部に取り付けられており、操作部材50は、内筒部51と、外筒部(シール筒部)52と、操作環部53とを備えている。
内筒部51はポリアセタール樹脂製で、中空円筒状をなし、その先端が前記外筒10の係合部23内側を貫通するとともに、係合部23に回動可能で且つ上下動不能に係合している。内筒部51の上部内周面には、後述するホルダ30の螺筒32の螺溝35に係合する一対の係合突起54が内向きに設けられている。
【0030】
この内筒部51の外側に外筒部52が固定されている。外筒部52は低密度ポリエチレン製で、有底円筒状をなし、その底部57を底蓋14の環状突部21の内側に回動可能に挿入し、外筒部52の内部に前記内筒部51を嵌着固定している。
【0031】
底部57の中央からは軸部(膨出部)58が起立して上方に延びている。この軸部58は後述するホルダ30の螺筒32の中空部(内部空間)36内に進入可能な位置に形成されており、ホルダ30が最下位に位置した時に先端が皿部31の近傍に達する長さを有している。
【0032】
外筒部52の上部はシール環部55になっていて、シール環部55はその全周を外筒10の円環壁部19の内周面に圧接させ、シール状態に密接摺動するようになっている。
【0033】
外筒部52は外方に張り出す環体部56を有しており、この環体部56の外側に操作環部53が嵌合固定されている。操作環部53はポリプロピレン製で、その外周面の一部を外筒10の窓孔15に挿入して若干外方に突出させている。操作環部53の外周面には滑り止め用の縦突条が多数平行に形成されている。
【0034】
以上のように、操作部材50は外筒10に上下方向に移動不能に取り付けられており、窓孔15から露出する操作環部53を操作することによって回動することができるようになっている。
【0035】
ホルダ30はポリプロピレン製で、、外筒10の小径部13内に収納された有底の皿部31と、この皿部31の底面中央から下方に延びる螺筒32とから構成されている。
【0036】
皿部31は横断面を棒状化粧料と相似形の楕円形に形成されていて、その底部上面からは抜け防止用の突片37が斜め上方に突き出ている。棒状化粧料はその基部をこの皿部31内に内嵌させて支持される。皿部31の外周面には前記外筒10の案内突起20に係合する縦溝33が設けられている。又、皿部31の上部外周縁には外筒10の小径部13の内周面にほぼ当接する鍔34が周設されている。
【0037】
一方、ホルダ30の螺筒32は円筒状をなし、内部に中空部36を備え、下部を開口させていて、外周面には螺溝35が螺旋状に形成されている。この螺溝35には前記操作部材50の係合突起54が係合しており、これによって、操作部材50を回動するとホルダ30が小径部13内を上下動し、棒状化粧料が外筒10から突没するようになっている。即ち、この実施の形態では、ホルダ30の螺溝35と操作部材50の係合突起54によって、変換機構が構成されている。
【0038】
尚、図1の右半分はホルダ30を最下位に位置せしめた状態を示し、図1の左半分はホルダ30を最上位に位置せしめた状態を示している。
【0039】
蓋筒70はポリプロピレン製で、横断面を外筒10と相似形の楕円形に形成されていて、嵌着時には下部が外筒10の中径部12に外嵌し、下縁が大径部11の上縁に突き当たるようになっている。又、蓋筒70の内周面下部には、嵌着時に前記外筒10の係合突起16が係合する縦溝71と、嵌着時に外筒10の係合突起17が係合する横溝72が設けられている。
【0040】
蓋筒70の上部内側には、シール部材80が嵌合固定されている。シール部材80は低密度ポリエチレン製で弾性を有し、横断面が楕円形の有頂筒状をなし、上部が小径部81、下部が大径部(弾性筒部)82になっていて、小径部81の上部が蓋筒70に嵌着されている。小径部81の下部には空気抜き孔86が設けられている。
【0041】
大径部82は下方に末広がりな形状をなし、その内周面の途中には内方に突出する環状の突出部83が設けられ、外周面の下縁には外方へ突出する環状のシール突部84が設けられている。
【0042】
図3において二点鎖線で示すように、蓋筒70の非嵌着時において、突出部83の内面はその全周を外筒10の小径部13の先部外周面よりも若干小さく形成されており、シール突部84の外周面はその全周を蓋筒70の周壁部内周面よりも若干小さく形成されている。
【0043】
そして、蓋筒70を外筒10に嵌着した時に、外筒10の小径部13が突出部83を外方に押し広げながら突出部83の内側に嵌入し、その結果、外径部82の先部も外方へ押し広げられて、シール突部84の外周面の全周が蓋筒70の周壁部内周面に圧接するようになっている。
【0044】
即ち、シール部材80の大径部82は蓋筒70の嵌着時に外筒10の小径部13と蓋筒70の周壁部との間に挟装されるとともに弾性変形せしめられるようになっていて、その弾性復元力によって、突出部83が全周的に外筒10の小径部13の外周面を強く圧接してこの間をシールし、シール突部84が全周的に蓋筒70の内周面を強く圧接してこの間をシールするようになっている。
【0045】
前記シール部材80の空気抜き孔86は、蓋筒70の嵌着操作時にシール部材80内に閉じ込められて加圧された空気を外部に逃がすためのものである。
即ち、シール部材80の内部は空気抜き孔86を介して蓋筒70とシール部材80との間の空間87に連通しており、空間87内の圧力が上昇すると、その圧力によってシール部材80の大径部82の先部が内方に弾性変形してシール突部84と蓋筒70の周壁部内周面との間に隙間ができ、この隙間から空気を逃がすのである。空気が逃げて空間87内の圧力が低下すると、大径部82の先部が再び広がってシール突部84が蓋筒70の周壁部内周面に圧接してシールする。
【0046】
上述構成の棒状化粧料繰出容器においては、操作部材50の外筒部52が有底筒状であり、外筒10の円環壁部19と操作部材50のシール環部55とがシール状態に摺動し、外筒部52及びシール環部55と円環壁部19の内側に変換機構を収容し、蓋筒70の嵌着時に外筒10と蓋筒70との間をシール部材80の大径部82によってシールしているので、棒状化粧料は外筒10と操作部材50とシール部材80と蓋筒70によって囲まれた密閉空間内に収納されることとなる。したがって、棒状化粧料が揮発性成分を含むものであっても、揮発性成分の揮発を阻止することができる。
【0047】
そして、摺動部(即ち円環壁部19とシール環部55の摺動部)におけるシール部分を円環状としたので、構造が簡単で、成形性がよく、しかもシール性のよいものにすることができる。又、完全なシール構造にするのが困難な楕円状の摺動部(即ち、皿部31と外筒10の小径部13との間)については、シール構造にする必要がなくなる。
【0048】
又、この棒状化粧料繰出容器において棒状化粧料を装填する場合には、外筒10とホルダ30と操作部材50とを組み立てた後に、図1において右半分に示すようにホルダ10を最下位に位置させて、外筒10の上部開口から溶融状態の棒状化粧料材料を充填して行うことができる。
【0049】
この時、ホルダ10の皿部31の下面が外筒10の仕切り壁部18の上面に当接するようになっていて、皿部31と仕切り壁部18との間に隙間が殆どない。又、操作部材50の軸部58がホルダ30の中空部36に進入して内部空間を埋め、空間が極めて小さくなる。
【0050】
これによって、棒状化粧料材料充填時における外筒10とホルダ30と操作部材50との間に形成される空間の容積を非常に小さくでき、溶融状態の棒状化粧料材料の熱によって前記空間内の空気が膨張したとしても、膨張による容積の増大は非常に小さく、外筒10とホルダ30との僅かな隙間を通って皿部31内に流出するほどに容積が増大することはない。したがって、充填固化後の棒状化粧料に空洞が生じることもない。
【0051】
〈発明の他の実施の形態〉
前記実施の形態では操作部材50に膨出部としての軸部58を設け、この軸部58によってホルダ30の中空部36を埋めるようにしたが、操作部材50に軸部58を設けずに、螺筒32を中実軸にしてホルダ30が中空部36を有さないように構成してもよい。この場合には、螺筒32の内部の肉部が膨出部となる。
【0052】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、蓋筒を外筒に嵌着した時に、横断面非円形の棒状化粧料を、外筒と操作部材と蓋筒によって囲まれた密閉空間内に格納することができ、棒状化粧料から揮発性成分が揮発するのを確実に防止することができるという優れた効果が奏される。しかも、非円形の摺動部にはシール構造を施す必要がないので、構造が簡単である。
【0053】
シール部材に弾性筒部を設けた場合には、シール性が非常によい。
シール部材に空気抜き孔を設けると、蓋筒の嵌着を確実に且つスムーズに行うことができる。
【0054】
更に、外筒と皿部との間に生じる空間部、及び、皿部と円環壁部とシール筒部に囲まれた部位に生じる空間部を減らすべくこれら空間部をほぼ埋める膨出部を備えているので、溶融状態の棒状化粧料材料充填時に加熱されて膨張する空気の容積を極めて小さくすることができ、充填固化後の棒状化粧料に空洞部が生じるのを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態における棒状化粧料繰出容器を正面から見た縦断面図である。
【図2】本発明の実施の一形態における棒状化粧料繰出容器を側面から見た縦断面図である。
【図3】図2の要部拡大図である。
【図4】本発明の実施の一形態における棒状化粧料繰出容器において蓋筒を取り外した状態の平面図である。
【図5】本発明の実施の一形態における棒状化粧料繰出容器において蓋筒を取り外した状態の正面図である。
【符号の説明】
10 外筒
15 窓孔
19 円環壁部
31 皿部
35 螺溝(変換機構)
36 中空部(内部空間)
50 操作部材
52 外筒部(シール筒部)
53 操作環部
54 係合突起(変換機構)
58 軸部(膨出部)
70 蓋筒
80 シール部材
82 大径部(弾性筒部)
86 空気抜き孔

Claims (4)

  1. 横断面非円形の棒状化粧料と横断面が相似形をなし基部側に窓孔を備えた外筒と、前記棒状化粧料の基部を内嵌し前記外筒の内部に配されて外筒に対して軸線方向に移動可能で周方向に回動不能に取り付けられた皿部と、前記外筒の窓孔から操作環部を露出させて外筒に周方向へ回動可能で軸線方向へ移動不能に取り付けられた操作部材と、前記皿部と操作部材との間に設けられていて操作部材の回転運動を皿部の直線運動に変換する変換機構と、前記外筒の先部側に嵌脱自在な蓋筒とを備えた棒状化粧料繰出容器において、
    前記外筒には、該外筒の内面に、該外筒の内側に延びる仕切り壁部と、該仕切り壁部の内端に連なり、該仕切り壁部より容器基部側に延びる円環壁部が設けられ、
    前記操作部材には、上部が前記円環壁部に気密、かつ摺動自在に組み付けられる有底円筒状のシール筒部が設けられ、
    前記蓋筒には、該蓋筒の頂部内側にシール部材が設けられ、
    前記円環壁部に組み付けられた前記シール筒部の内部に前記変換機構が設けられ、前記蓋筒を前記外筒に嵌着すると、前記シール部材が前記外筒に気密に組み付き、前記皿部および前記変換機構が、前記蓋筒と前記シール筒部により密封された外筒の内部に気密状態で収納され、更に、前記皿部を最下位に位置させた時に生じる、外筒と皿部との間の空間部、及び、皿部と円環壁部とシール筒部に囲まれた部位の空間部を減らすべくこれら空間部をほぼ埋める膨出部を備えていることを特徴とする棒状化粧料繰出容器。
  2. 横断面非円形の棒状化粧料と横断面が相似形をなし基部側に窓孔を備えた外筒と、前記棒状化粧料の基部を内嵌し前記外筒の内部に配されて外筒に対して軸線方向に移動可能で周方向に回動不能に取り付けられた皿部と、前記外筒の窓孔から操作環部を露出させて外筒に周方向へ回動可能で軸線方向へ移動不能に取り付けられた操作部材と、前記皿部と操作部材との間に設けられていて操作部材の回転運動を皿部の直線運動に変換する変換機構と、前記外筒の先部側に嵌脱自在な蓋筒とを備えた棒状化粧料繰出容器において、
    前記外筒には、該外筒の内面に、該外筒の内側に延びる仕切り壁部と、該仕切り壁部の内端に連なり、該仕切り壁部より基部側に延びる円環壁部が設けられ、
    前記操作部材には、上部が前記円環壁部に気密、かつ摺動自在に組み付けられる有底円筒状のシール筒部が設けられ、
    前記蓋筒には、該蓋筒の頂部内側にシール部材が設けられ、
    前記変換機構は、前記皿部の底部から下方に延び、外周面に螺旋突条を有する中空筒状の螺筒と、前記螺旋突条に係合する、前記操作部材に設けられた係合突起、とから構成され、前記蓋筒を前記外筒に嵌着すると、前記皿部および前記変換機構が、前記蓋筒と前記シール筒部により密封された外筒の内部に収納され、
    更に前記シール筒部はその底部から起立して延び前記螺筒の内部空間に進入可能な軸部を備えていることを特徴とする棒状化粧料繰出容器。
  3. 前記シール部材は非嵌着時に蓋筒の内周面から離間して位置する弾性筒部を備えており、この弾性筒部は嵌着時に外筒の外周面に圧接し且つ外方に弾性変形せしめられて蓋筒の内周面に圧接するように形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の棒状化粧料繰出容器。
  4. 前記シール部材には前記弾性筒部よりも蓋筒の頂部側に空気抜き孔が形成されていることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の棒状化粧料繰出容器。
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