JP3843142B2 - フレキシブル発光表示体 - Google Patents

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    • G09F13/20Illuminated signs; Luminous advertising with luminescent surfaces or parts
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、発光チップを内蔵したフレキシブル発光表示体に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、曲面に添わせて貼り付けや取り付けを行うことができ、または曲線を表示することができるLED(発光ダイオード)表示器として、図9や図10に示すようなものが知られている。
【0003】
図9に示すLED表示器101は、複数のLEDチップをモールド化してなるフラット型LEDユニット102を、柔軟性ある帯状体(ゴム等からなる)103に複数個一体的に埋め込んだものである(特開平3−61990号公報)。また、図10に示すLED表示器201は、フレキシブル印刷配線板(可撓性を有する基材に配線204を印刷したもの)203の表面に複数のLEDチップ202を搭載したものであり、湾曲した前面パネル216に枠状部材215を介して取り付けられるようになっている(特開昭63−303389号公報)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、図9に示すLED表示器101は、LEDユニット102間を配線110で接続し、LEDユニット102や配線110の配置を整えた後にそれらを帯状体103に埋め込むものとすると、作製に非常に手間がかかり量産性に欠けるという問題がある。
【0005】
一方、図10に示すLED表示器201は、量産性はあるけれども、フレキシブル印刷配線板203の表面にLEDチップ202が剥き出しになっているため、LEDチップ202が他の部材に接触して配線板203から脱落するおそれがある。また、LEDチップ202が導電体に接触して短絡し、過電流が流れて破損するおそれがある。
【0006】
そこで、この発明の目的は、所望の曲面に添わせて貼り付けや取り付けを行うことができ、また曲線を表示することができる上、容易に量産でき、しかも発光チップの脱落や破損を防止できるフレキシブル発光表示体を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、この発明のフレキシブル発光表示体は、可撓性を有するシート状基材に配線を設けてなるフレキシブル配線板に発光チップが搭載され、上記発光チップおよびフレキシブル配線板は、その全体を柔軟性を有する封止樹脂で封止され、この封止樹脂の外形は上記フレキシブル配線板に垂直な方向に関して一定の厚さを持つ板状をなし、上記封止樹脂のうち少なくとも上記フレキシブル配線板の上記発光チップが搭載された面の側に相当する部分は透光性を有することを特徴とする。
【0008】
この発明のフレキシブル発光表示体は、フレキシブル配線板が可撓性を有し、また上記発光チップおよびフレキシブル配線板の全体を封止している封止樹脂が柔軟性を有するので、表示体全体を厚さ方向に自由に曲げて湾曲させることができる。したがって、所望の曲面に添わせて貼り付けや取り付けを行うことができる。
【0009】
また、このフレキシブル発光表示体は、封止樹脂のうちフレキシブル配線板の発光チップが搭載された面の側に相当する部分が透光性を有するので、上記発光チップが発した光を、上記封止樹脂の外形をなす面のうち上記フレキシブル配線板と実質的に平行な第1および第2の面や、これらの第1および第2の面に隣り合う側面を通して外部へ出射することができる。例えば、表示体全体を湾曲させた状態で、発光チップが発した光を上記側面を通して外部へ出射させることによって、上記側面の湾曲に応じた曲線、例えば文字やキャラクタ等を表示することができる。
【0010】
また、このフレキシブル発光表示体は、上記発光チップを搭載したフレキシブル配線板の両面に熱可塑性樹脂を重ね、上記フレキシブル配線板に垂直な方向に関して外側から治具で加熱および加圧を行うことにより、量産レベルで容易に作製され得る。なお、この加熱および加圧を行う治具の面を予め所望の曲面に形成しておき、上記加熱および加圧の段階で、表示体全体を治具の面に沿って湾曲した状態に形成しても良い。
【0011】
また、このフレキシブル発光表示体の完成状態では、発光チップが封止樹脂で覆われているので、発光チップが他の部材に接触してフレキシブル配線板から脱落したり、短絡して破損したりするおそれがない。
【0012】
一実施形態のフレキシブル発光表示体は上記封止樹脂の上記第1および第2の面に、それぞれ柔軟性を有し上記発光チップが発した光を反射し得る第1および第2の反射層が設けられていることを特徴とする。
【0013】
この一実施形態のフレキシブル発光表示体では、発光チップが上記側面へ向かって発した光がそのまま上記側面を通して出射されるだけでなく、発光チップが第1、第2の面へ向かって発した光が第1、第2の反射層で反射され、封止樹脂の側面を通して出射され得る。また、上記第1の反射層と第2の反射層との間で反射を繰り返しながら封止樹脂内を伝播して、封止樹脂の側面を通して出射される光も存在する。したがって、発光チップが発した光を封止樹脂の側面を通して効率良く出射することができる。
【0014】
一実施形態のフレキシブル発光表示体は上記封止樹脂の上記第1および第2の面と隣り合う側面のうち、少なくとも上記発光チップが発した光を出射すべき特定の側面(以下「光出射面」という。)と対向する側面に、柔軟性を有し上記発光チップが発した光を反射し得る第3の反射層が設けられていることを特徴とする。
【0015】
この一実施形態のフレキシブル発光表示体では、上述のフレキシブル発光表示体における光の動きに加えてさらに、発光チップが封止樹脂の上記光出射面と対向する側面へ向かって発した光が、第3の反射層で反射され、直接または更に上記第1、第2の反射層で反射されて、上記光出射面を通して出射され得る。したがって、発光チップが発した光を上記光出射面を通してさらに効率良く出射することができる。
【0016】
一実施形態のフレキシブル発光表示体は上記封止樹脂の上記光出射面に、柔軟性を有し上記発光チップが発した光を拡散し得る光拡散層が設けられていることを特徴とする。
【0017】
この一実施形態のフレキシブル発光表示体では、上記光出射面を通して外部へ出射される光が光拡散層によって拡散されるので、出射される光の強度を上記光出射面の全域にわたって均一化することができる。例えば、上記フレキシブル配線板上で複数の発光チップが上記光出射面に沿って離散的に配置されている場合であっても、上記光出射面の各部からは略均一な強度の光が出射される。
【0018】
一実施形態のフレキシブル発光表示体では、上記封止樹脂は、上記フレキシブル配線板の両面に、上記発光チップの厚さよりも厚いシート状の熱可塑性樹脂を設けて形成されていることを特徴とする。
【0019】
この一実施形態のフレキシブル発光表示体は、量産レベルで容易に作製され得る。すなわち、予めフレキシブル配線板に発光チップを搭載する。また、上記発光チップの厚さよりも厚いシート状の熱可塑性樹脂を、フレキシブル配線板の面寸法よりも少し大きめに切断しておく。このシート状の熱可塑性樹脂を、上記フレキシブル配線板の両面に重ね、上記フレキシブル配線板に垂直な方向に関して外側から治具で加熱および加圧を行う。これにより、上記発光チップおよびフレキシブル配線板を、柔軟性を有する封止樹脂で簡単に封止することができる。このようにして、簡単な工程でもって、フレキシブル発光表示体を容易に量産することができる。また、上記シート状の熱可塑性樹脂の1枚の厚さや、重ねる枚数を変えることによって、表示体全体の厚さを容易に設定することができる。
【0020】
一実施形態のフレキシブル発光表示体は上記フレキシブル配線板に、上記発光チップに通電するための上記配線につながる端子部が設けられており、上記端子部は上記封止樹脂の側面から外部に突出していることを特徴とする。
【0021】
この一実施形態のフレキシブル発光表示体では、上記封止樹脂の側面から外部に突出している端子部に、直接またはリード線やコネクタ等を介して外部電源が接続され得る。したがって、外部電源から上記発光チップに容易に電流を供給することができ、上記発光チップを発光させることができる。
【0022】
一実施形態のフレキシブル発光表示体は上記フレキシブル配線板に、上記発光チップに通電するための上記配線につながる端子部が設けられており、上記端子部にリード線の一端が接続され、上記リード線の他端が上記封止樹脂の側面から外部に突出していることを特徴とする。
【0023】
この一実施形態のフレキシブル発光表示体では、上記封止樹脂の側面から外部に突出しているリード線の他端に、直接またはコネクタ等を介して外部電源が接続され得る。したがって、外部電源から上記発光チップに容易に電流を供給することができ、上記発光チップを発光させることができる。
【0024】
一実施形態のフレキシブル配線板は上記フレキシブル配線板の長手方向に沿って、一定数の発光チップと電流制限用抵抗とが上記配線によって直列接続されて単位回路を構成し、かつ上記単位回路が互いに隙間をもって複数配列されていると共に上記単位回路が並列接続されていることを特徴とする。
【0025】
この一実施形態のフレキシブル発光表示体では、上記単位回路と単位回路との間の隙間を上記フレキシブル配線板に垂直な方向に切断したとしても、単位回路が個々に独立して動作し、発光に関する機能が損なわれることがない。したがって、例えば上記フレキシブル発光表示体の長手方向の長さが十分に長いものを作製してストックしておき、受注に応じて上記フレキシブル発光表示体を必要な長さに切断して出荷することができる。また、使用時に、ユーザーがこのフレキシブル発光表示体を上記単位回路の長さ単位で切断することにより、必要な長さのフレキシブル発光表示体を得ることができる。
【0026】
一実施形態のフレキシブル発光表示体では、上記封止樹脂の外形は上記フレキシブル配線板と実質的に平行な第1および第2の面を有し、上記発光チップは、上記第1および第2の面と隣り合う側面のうち特定の側面へ向けて光を発することを特徴とする。
【0027】
この一実施形態のフレキシブル発光表示体では、特定の側面を通して光が出射されるので、本発光表示体を所望の曲面に添わせて貼り付けや取り付けを行うだけで、容易に曲線を表示できる。
【0028】
【発明の実施の形態】
以下、この発明のフレキシブル発光表示体の実施の形態を詳細に説明する。
【0029】
図1(c)は、この発明を具体化したフレキシブル発光表示体を示している。
【0030】
このフレキシブル発光表示体は、フレキシブル配線板1の片面に発光チップとしての面実装対応のチップ型LED2と、抵抗3とを搭載し、上記LED2、抵抗3およびフレキシブル配線板1を、柔軟性を有する封止樹脂4で封止したものである。
【0031】
上記フレキシブル配線板1は、図1(a)に示すように、ポリイミドからなり、可撓性を有する矩形のシート状基材10を有している。この基材10の片面に、図において左から順に5個のLED2と、1個の電流制限用抵抗3とが搭載され、それらをつなぐ配線5A,5B,5Cが形成されている。各配線5Cは基材10の長手方向に対して斜めに延びて、LED2,2,…,2と抵抗3とを直列に接続している。配線5Bは抵抗3の一端から基材10の右端まで延びている。また、配線5Aは、左端のLED2から基材10の手前の辺に沿って基材10の右端まで延びている。配線5A,5Bの右端には外部電源から電流を供給するための端子部6A,6Bが形成されている。
【0032】
上記フレキシブル発光表示体を作製する場合、予め、封止樹脂4の材料として、上記LED2の厚さよりも厚い板状で上記フレキシブル配線板1の面寸法よりも少し大きい面寸法の、柔軟性および透光性を有する熱可塑性樹脂、例えばエチレン−酢酸ビニル共重合樹脂4A,4Bを用意する。特に、架橋性を有するエチレン−酢酸ビニル共重合樹脂は、接着力が強いので望ましい。図1(b)に示すように、フレキシブル配線板1の両面にこのエチレン−酢酸ビニル共重合樹脂4A,4Bを重ね、その上下から平坦なテフロンコーティング面90a,91aを持つヒータ治具90,91で加熱(温度150℃)および加圧を行う。これにより、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂4A,4Bを軟化させる。この結果、図1(c)に示すように、上記LED2、抵抗3が搭載されたフレキシブル配線板1を、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂4A,4Bからなる封止樹脂4で簡単に封止することができる。この封止樹脂4の外形はフレキシブル配線板1に垂直な方向に関して一定の厚さを持つ板状に仕上がる。このようにして、簡単な工程でもって、フレキシブル発光表示体を容易に量産することができる。
【0033】
このフレキシブル発光表示体は、フレキシブル配線板1が可撓性を有し、またそれを封止している封止樹脂4が柔軟性を有するので、表示体全体を厚さ方向に自由に曲げて湾曲させることができる。したがって、所望の曲面に添わせて貼り付けや取り付けを行うことができる。
【0034】
このフレキシブル発光表示体の使用段階では、封止樹脂4を通して端子部6(6Aおよび6B)にピン状のコネクタ7を突き立てて、外部電源からコネクタ7、配線5A,5Bを通してLED2に通電する。封止樹脂4が透光性を有するので、通電により上記LED2が発した光を、上記封止樹脂4の外形をなす面のうちフレキシブル配線板1と平行な第1および第2の面4a,4bや、これらの第1および第2の面4a,4bに隣り合う側面(図1(c)において奥手前の面)を通して外部へ出射することができる。例えば、表示体全体を湾曲させた状態で、LED2が発した光を上記側面を通して外部へ出射させることによって、上記側面の湾曲に応じた曲線、例えば文字やキャラクタ等を表示することができる。
【0035】
また、このフレキシブル発光表示体の完成状態では、LED2が封止樹脂4で覆われているので、LED2が他の部材に接触してフレキシブル配線板1から脱落したり、短絡して破損したりするおそれを無くすことができる。
【0036】
なお、加熱および加圧を行う治具90,91の面90a,91aを予め所望の曲面に形成しておき、上記加熱および加圧の段階で、表示体全体を治具の面90a,91aに沿って湾曲した状態に形成しても良い。
【0037】
図2に示すフレキシブル発光表示体は、上記封止樹脂4の外形をなす面のうちフレキシブル配線板1と平行な第1および第2の面4a,4bに、それぞれ柔軟性を有しLED2が発した光を反射し得る第1および第2の反射層8A,8Bを設けたものである。この第1および第2の反射層8A,8Bを設けるには、例えばエチレン−酢酸ビニル共重合樹脂に酸化チタンの粉末を数%の割合で混入したもの(以下「反射層材料」という。簡単のため反射層と同一符号で表す。)8A,8Bを用意する。そして、この反射層材料8A,8Bをそれぞれ上記封止樹脂4の上記第1および第2の面4a,4bに重ね、図1(b)に示したのと同一のヒータ治具90,91で加熱および加圧を行う。これにより、上記反射層材料8A,8Bを軟化させて、それぞれ封止樹脂4の第1および第2の面4a,4bに接合する。このようにして上記第1および第2の反射層8A,8Bを形成することができる。なお、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂4A,4Bに対する加熱および加圧の工程で、そのエチレン−酢酸ビニル共重合樹脂4A,4Bの上下に上記反射層材料を重ねて、封止樹脂4と反射層8A,8Bとを同時に形成するようにしても良い。これにより、このフレキシブル発光表示体の作製工程を簡単化することができる。
【0038】
このフレキシブル発光表示体では、LED2が側面4c,4dへ向かって発した光がそのまま上記側面4c,4dを通して出射されるだけでなく、LED2が第1、第2の面4a,4bへ向かって発した光が第1、第2の反射層8A,8Bで反射され、上記側面4c,4dを通して出射される。また、上記第1の反射層8Aと第2の反射層8Bとの間で反射を繰り返しながら封止樹脂4内を伝播して、上記側面4c,4dを通して出射される光も存在する。したがって、LED2が発した光を封止樹脂4の側面4c,4dを通して効率良く出射することができる。
【0039】
図3に示すフレキシブル発光表示体は、図2に示したフレキシブル発光表示体において、上記封止樹脂4の第1および第2の面4a,4bと隣り合う側面のうち、LED2が発した光を出射すべき側面(光出射面)4dと対向する側面4cに、柔軟性を有しLED2が発した光を反射し得る第3の反射層8Cを設けたものである。この第3の反射層8Cを設けるには、例えば第1および第2の反射層8A,8Bの材料と同一の反射層材料8Cを用意する。そして、この反射層材料8Cを上記封止樹脂4の上記側面4cに重ね、図1(b)に示したのと同一のヒータ治具90,91で加熱および加圧を行う。これにより、上記反射層材料8Cを軟化させて、封止樹脂4の上記側面4cに接合する。このようにして上記第3の反射層8Cを形成することができる。
【0040】
このフレキシブル発光表示体では、図2のフレキシブル発光表示体における光の動きに加えてさらに、LED2が封止樹脂4の側面4cへ向かって発した光が、第3の反射層8Cで反射され、直接または更に上記第1、第2の反射層8A,8Bで反射されて、上記光出射面4dを通して出射される。したがって、LED2が発した光を上記光出射面4dを通してさらに効率良く出射することができる。
【0041】
図4に示すフレキシブル発光表示体は、図3に示したフレキシブル発光表示体において、上記封止樹脂4の上記光出射面4dに、柔軟性を有しLED2が発した光を拡散し得る光拡散層9を設けたものである。この光拡散層9を設けるには、例えばエチレン−酢酸ビニル共重合樹脂に酸化ケイ素の粉末を数%の割合で混入したもの(以下「光拡散層材料」という。簡単のため光拡散層と同一符号で表す。)9を用意する。そして、この光拡散層材料9を上記封止樹脂4の上記光出射面4dに重ね、図1(b)に示したのと同一のヒータ治具90,91で加熱および加圧を行う。これにより、上記光拡散層材料9を軟化させて、封止樹脂4の上記光出射面4dに接合する。このようにして上記光拡散層9を形成することができる。
【0042】
このフレキシブル発光表示体では、上記光出射面4dを通して外部へ出射される光が光拡散層9によって拡散されるので、出射される光の強度を上記光出射面4dの全域にわたって均一化することができる。例えば、フレキシブル配線板1上で複数のLED2が上記光出射面4dに沿って離散的に配置されている場合(図1参照)であっても、上記光出射面4dの各部から略均一な強度の光を出射できる。
【0043】
図5(b)に示すフレキシブル発光表示体は、図1に示したフレキシブル発光表示体において、封止樹脂4が、上記フレキシブル配線板1の両面に、上記LED2の厚さよりも厚い各2枚のシート状の熱可塑性樹脂4A,4A;4B,4Bを設けて形成されたものを示している。また、上記封止樹脂4の外形をなす面のうちフレキシブル配線板1と平行な第1および第2の面4a,4bに、それぞれ柔軟性を有しLED2が発した光を反射し得る第1および第2の反射層8A,8Bが設けられている。
【0044】
このフレキシブル発光表示体は、量産レベルで容易に作製することができる。すなわち、図5(a)に示すように、予めフレキシブル配線板1にLED2を搭載する。また、上記LED2の厚さよりも厚いシート状の熱可塑性樹脂4A,4A;4B,4Bと、シート状の反射層材料8A,8Bとを、フレキシブル配線板1の面寸法よりも少し大きめに切断しておく。上記フレキシブル配線板1の両面に、上記シート状の熱可塑性樹脂4A,4A;4B,4Bをそれぞれ重ね、さらにその上下にそれぞれ上記反射層材料8A,8Bを重ねる。そして、その上下から図1(b)に示したのと同一のヒータ治具90,91で加熱および加圧を行う。これにより、図5(b)に示すように、上記LED2、抵抗3が搭載されたフレキシブル配線板1を、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂4A,4A;4B,4Bからなる封止樹脂4で簡単に封止することができる。この封止樹脂4の外形はフレキシブル配線板1に垂直な方向に関して一定の厚さを持つ板状に仕上がる。同時に、上記封止樹脂4の外形をなす面のうちフレキシブル配線板1と平行な第1および第2の面4a,4bに、上記第1および第2の反射層8A,8Bを形成することができる。
【0045】
このようにして、簡単な工程でもって、フレキシブル発光表示体を容易に量産することができる。また、上記シート状の熱可塑性樹脂の1枚の厚さや、重ねる枚数を変えることによって、表示体全体の厚さを容易に設定することができる。
【0046】
図6に示すフレキシブル発光表示体は、図1に示したフレキシブル発光表示体において、フレキシブル配線板1を変形したものである。すなわち、図6に示すフレキシブル発光表示体のフレキシブル配線板11は、ポリイミドからなり、可撓性を有するL字状のシート状基材20を有している。図において基材20左端近傍が屈曲して、封止樹脂4の側面から外部に突出している。以下、この突出した部分を突出部20aという。この基材20の片面に、図において左から順に5個のLED2と、1個の電流制限用抵抗3とが搭載され、それらをつなぐ配線15A,15B,15Cが形成されている。各配線15Cは基材20の長手方向に対して斜めに延びて、LED2,2,…,2と抵抗3とを直列に接続している。配線15Bは抵抗3の一端から基材20の奥の辺に沿って基材20の左端まで延び、そこで屈曲して突出部20aの先端まで延びている。また、配線15Aは、左端のLED2から少し左に延びて屈曲し、配線15Aと平行になって突出部20aの先端まで延びている。配線15A,15Bの先端、すなわち突出部20a上の部分には、外部電源から電流を供給するための端子部16A,16Bが形成されている。
【0047】
このフレキシブル発光表示体は、図1に示したフレキシブル発光表示体と同様に、フレキシブル配線板11の両面にエチレン−酢酸ビニル共重合樹脂4A,4Bを重ね、その上下からヒータ治具で加熱および加圧を行うことにより、容易に量産することができる。
【0048】
このフレキシブル発光表示体では、使用時に、上記封止樹脂4の側面から外部に突出している端子部16A,16Bに、直接またはリード線やコネクタ等を介して外部電源を接続できる。したがって、外部電源から各LED2に容易に電流を供給することができ、各LED2を発光させることができる。
【0049】
図7に示すフレキシブル発光表示体は、図1中のフレキシブル配線板1を変形し、さらにリード線27A,27Bを設けたものである。すなわち、図7に示すフレキシブル発光表示体のフレキシブル配線板21は、ポリイミドからなり、可撓性を有する矩形状のシート状基材30を有している。この基材30の片面に、図において左から順に5個のLED2と、1個の電流制限用抵抗3とが搭載され、それらをつなぐ配線25A,25B,25Cが形成されている。各配線25Cは基材30の長手方向に対して斜めに延びて、LED2,2,…,2と抵抗3とを直列に接続している。配線25Bは抵抗3の一端から基材30の奥の辺に沿って基材30の左端まで延び、そこで屈曲して基材30の手前の辺近傍まで延びている。また、配線25Aは、左端のLED2から少し左に延びて屈曲し、配線25Aと平行になって基材30の手前の辺近傍まで延びている。配線25A,25Bの先端には、外部電源から電流を供給するための端子部26A,26Bが形成され、これらの端子部26A,26Bにリード線27A,27Bの一端が接続されている。
【0050】
このフレキシブル発光表示体は、図1に示したフレキシブル発光表示体と同様に、フレキシブル配線板21の両面にエチレン−酢酸ビニル共重合樹脂4A,4Bを重ね、その上下からヒータ治具で加熱および加圧を行うことにより、容易に量産することができる。完成状態では、上記リード線27A,27Bの他端が封止樹脂4の側面から外部に突出した状態となる。
【0051】
このフレキシブル発光表示体では、使用時に、封止樹脂4の側面から外部に突出しているリード線27A,27Bの他端に、直接またはコネクタを介して外部電源を接続できる。この外部電源から各LED2に容易に電流を供給することができ、各LED2を発光させることができる。
【0052】
図8(a)は、さらに量産に適したフレキシブル発光表示体の樹脂封止前の状態を示している。このフレキシブル発光表示体のフレキシブル配線板31は、図において左右方向に延びるシート状基材40を有している。この基材40は、上記各基材と同様に、ポリイミドからなり、可撓性を有するものである。この基材40の片面に、奥手前の辺に沿って平行に配線32,33が設けられている。そして、これらの配線32,33の間に、左から順に同一構成の単位回路U1,U2,U3,…が設けられている。例えば単位回路U1に関して説明すると、単位回路U1は、図において左から順に4個のLED2と、1個の電流制限用抵抗3とを有している。各配線35Cが、それぞれ基材40の長手方向に対して斜めに延びて、LED2,2,…,2と抵抗3とを直列に接続している。また、配線35Dが抵抗3の一端と配線32とを接続する一方、配線35Aが左端のLED2と配線33とを接続している。この配線35AのLED2側には、外部電源から電流を供給するための端子部36Aが形成されている。また、配線32から左端のLED2の左側を通り配線33の近傍まで配線35Bが延び、この配線35Bの先端に端子部36Bが形成されている。また、これらの端子部36A,36Bにリード線37A,37Bの一端が接続されている。各単位回路U1,U2,U3,…の間には、フレキシブル配線板31を長手方向に垂直な方向(破線Lで示す)に切断するための若干の隙間が設けられている。
【0053】
このフレキシブル発光表示体は、図1に示したフレキシブル発光表示体と同様に、フレキシブル配線板21の両面にエチレン−酢酸ビニル共重合樹脂4A,4Bを重ね、その上下からヒータ治具で加熱および加圧を行うことにより、容易に量産することができる。完成状態では、上記リード線27A,27Bの他端が封止樹脂4の側面から外部に突出した状態となり、そこに直接またはコネクタを介して外部電源が接続される。この外部電源から各LED2に電流を供給することができ、各LED2を発光させることができる。
【0054】
このフレキシブル発光表示体の等価回路は図8(b)に示すようなものとなる。この等価回路から分かるように、単位回路U1,U2,U3,…の間の隙間を破線Lに沿って切断したとしても、単位回路U1,U2,U3,…が個々に独立して動作し、発光に関する機能が損なわれることがない。したがって、例えばこのフレキシブル発光表示体の長手方向の長さが十分に長いものを作製してストックしておき、受注に応じてこのフレキシブル発光表示体を必要な長さに切断して出荷することもできる。また、使用時に、ユーザーがこのフレキシブル発光表示体を上記単位回路の長さ単位で切断することにより、ほぼ必要な長さのフレキシブル発光表示体を得ることができる。
【0055】
なお、上記各フレキシブル発光表示体のフレキシブル配線板1,11,21,31の両面に配線を設け、各フレキシブル配線板の両面にLED2や抵抗3を搭載することもできる。このようにした場合、LED2の搭載密度を高めることができ、各フレキシブル発光表示体の発光輝度を高めることができる。
【0056】
【発明の効果】
以上より明らかなように、この発明のフレキシブル発光表示体は、所望の曲面に添わせて貼り付けや取り付けを行うことができ、また、曲線を表示することができる上、容易に量産でき、しかも発光チップの脱落や破損を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明を具体化したフレキシブル発光表示体の構成要素、作製工程および完成状態を示す図である。
【図2】 図1のフレキシブル発光表示体に第1および第2の反射層を設けた形態を示す図である。
【図3】 図2のフレキシブル発光表示体にさらに第3の反射層を設けた形態を示す図である。
【図4】 図3のフレキシブル発光表示体にさらに光拡散層を設けた形態を示す図である。
【図5】 この発明を具体化した別のフレキシブル発光表示体の構成要素および完成状態を示す図である。
【図6】 図1のフレキシブル発光表示体のフレキシブル配線板を変形した形態を示す図である。
【図7】 図1のフレキシブル発光表示体のフレキシブル配線板を変形した形態を示す図である。
【図8】 この発明を具体化したさらに別のフレキシブル発光表示体の構成要素および完成状態を示す図である。
【図9】 従来のLED表示器を示す図である。
【図10】 従来のLED表示器を示す図である。
【符号の説明】
1,11,21,31 フレキシブル配線板
2 LED
3 電流制限用抵抗
4 封止樹脂
8A 第1の反射層
8B 第2の反射層
8C 第3の反射層
9 光拡散層

Claims (7)

  1. 可撓性を有するシート状基材に配線を設けてなるフレキシブル配線板に発光チップが搭載され、
    上記発光チップおよびフレキシブル配線板は、その全体を柔軟性を有する封止樹脂で封止され、この封止樹脂の外形は上記フレキシブル配線板に垂直な方向に関して一定の厚さを持つ板状をなし、
    上記封止樹脂のうち少なくとも上記フレキシブル配線板の上記発光チップが搭載された面の側に相当する部分は透光性を有し、
    上記封止樹脂の外形をなす面のうち上記フレキシブル配線板と実質的に平行な第1および第2の面に、それぞれ柔軟性を有し上記発光チップが発した光を反射し得る第1および第2の反射層が設けられていることを特徴とするフレキシブル発光表示体。
  2. 請求項に記載のフレキシブル発光表示体において、
    上記封止樹脂の上記第1および第2の面と隣り合う側面のうち、少なくとも上記発光チップが発した光を出射すべき特定の側面と対向する側面に、柔軟性を有し上記発光チップが発した光を反射し得る第3の反射層が設けられていることを特徴とするフレキシブル発光表示体。
  3. 請求項1または2に記載のフレキシブル発光表示体において、
    上記封止樹脂の上記第1および第2の面と隣り合う側面のうち、上記発光チップが発した光を出射すべき特定の側面に、柔軟性を有し上記発光チップが発した光を拡散し得る光拡散層が設けられていることを特徴とするフレキシブル発光表示体。
  4. 請求項1乃至のいずれか一つに記載のフレキシブル発光表示体において、
    上記封止樹脂は、上記フレキシブル配線板の両面に、上記発光チップの厚さよりも厚いシート状の熱可塑性樹脂を設けて形成されていることを特徴とするフレキシブル発光表示体。
  5. 請求項1乃至のいずれか一つに記載のフレキシブル発光表示体において、
    上記フレキシブル配線板に、上記発光チップに通電するための上記配線につながる端子部が設けられており、
    上記端子部は上記封止樹脂の側面から外部に突出していることを特徴とするフレキシブル発光表示体。
  6. 請求項1乃至のいずれか一つに記載のフレキシブル発光表示体において、
    上記フレキシブル配線板に、上記発光チップに通電するための上記配線につながる端子部が設けられており、
    上記端子部にリード線の一端が接続され、上記リード線の他端が上記封止樹脂の側面から外部に突出していることを特徴とするフレキシブル発光表示体。
  7. 請求項1乃至のいずれか一つに記載のフレキシブル発光表示体において、
    上記フレキシブル配線板の長手方向に沿って、一定数の発光チップと電流制限用抵抗とが上記配線によって直列接続されて単位回路を構成し、かつ上記単位回路が互いに隙間をもって複数配列されていると共に上記単位回路が並列接続されていることを特徴とするフレキシブル発光表示体。
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