以下、図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。
まず、図1〜9を参照して、本発明の実施形態に係る直管型LED照明100の構成について説明する。
直管型LED照明100は、例えば図1に示すような内照式看板の光源等に用いられる。
図1は、直管型LED照明100が用いられる一例としての看板装置200を示す斜視図である。
図1に示すように、看板装置200は、箱状の看板本体110と、看板本体110の内部に設けられる光源150と、看板本体110を地面(設置面)に対して支持する支柱160と、を備える。看板本体110は、情報を表示する表示部としての正面板111と、正面板111に対向する背面板112と、正面板111及び背面板112に対して水平方向に並んで設けられ両者を接続する一対の側板113,114と、正面板111、背面板112、一対の側板113,114によって形成される鉛直方向の開口を閉塞する天板115及び底板116と、を有する直方体形状の箱体である。光源150は、互いに軸方向に突き合わせられる一対の直管型LED照明100を備える。看板装置200は、看板内部の光源150からの光を照射することで、正面板111を発光させる。
次に、直管型LED照明100の全体構成について説明する。
図2は、直管型LED照明100の断面図である。
図2に示すように、直管型LED照明100は、透光性を有する円筒部材1と、発光面2aを有する複数のLED2と、複数のLED2に電力を供給する配線を備え複数のLED2が搭載されるベース部材3と、LED2に電力を供給し、円筒部材1内に配置される電源部としての電源4と、電源4を円筒部材1に支持する支持材8と、円筒部材1の一方の開口を覆うケーブル挿通キャップ9と、円筒部材1の他方の開口を覆う通気キャップ10と、通気キャップ10に設けられ気体の透過を許容する調整部材11と、を備える。なお、図2及び後述する図10,11では、紙面手前側にあるベース部材3を破線で示している。また、図2及び後述する図4,10,11では、電源4,電源ケーブル6は内部構造を省略して図示している。
本実施形態では、円筒部材1は、ガラスで構成され、両端が開口する。円筒部材1の表面には、破損時の飛散を防止する樹脂膜を形成してもよい。LED2は、平面状かつ矩形の発光面2aを有するチップ型のLEDである。
ベース部材3は可撓性を有するフレキシブル基板であり、例えば、ポリイミドなどの基材に銅箔のプリント配線が設けられて構成される。ベース部材3は帯状であり、円筒部材1の内周に円筒部材1の中心軸を中心とした螺旋状に配置される。ここで、「螺旋状に配置される」とは、円筒部材1の中心軸からベース部材3までの直線距離が一定ということである。本実施形態では、図3に示すように、螺旋状に設けられるベース部材3に搭載されるLED2は、円筒部材1の中心軸に向けて配置される。具体的に言うと、LED2は、LED2の光軸が円筒部材1の中心軸Oと直交するように配置される。平面状の発光面2aを有するLED2では、円筒部材1の径が発光面2aと直交する。なお、LED2は、LED2の光軸が円筒部材1の内周面と交差するように構成されればよい。
また、LED2は、ベース部材3の長手方向に等間隔を空けて配置される。また、複数のLED2は、円筒部材1の周方向に等間隔でベース部材3上に配置される。つまり、ベース部材3上で隣接するLED2は、円筒部材1の周方向にずれて配置されている。LED2が配置される間隔は、ベース部材3の長手方向及び円筒部材1の周方向に等間隔でなくてもよい。
このように、LED2が搭載されたベース部材3が円筒部材1に螺旋状に配置されることで、ベース部材3に搭載されたLED2が発する光を円筒部材1の周方向に満遍なく照射させることができる。
一般に、LEDの照射光は強い指向性を有するため、LEDの発光面の裏側には、そのLEDの照射光は届かない。LEDを用いた照明では、LEDの照射光の届かない死角が生じると、配光特性が低下する。
これに対し、本実施形態の直管型LED照明100は、LED2が搭載されるベース部材3が螺旋状に配置されることで、あるLED2から死角となる領域にも、当該LED2とは周方向に離れた位置にある周辺のLED2から光が照射される。よって、死角がなくなることにより、円筒部材1の周方向における光の強度が略均一となり、直管型LED照明100の配光特性が改善される。
さらに、LED2が発光面2aを円筒部材1の中心軸に向けて配置され、LED2が搭載されるベース部材3が円筒部材1の内周に配置されるため、LED2が円筒部材1の中心付近に配置される場合と比較すると、LED2から対向する円筒部材1の内周までの距離が長い。つまり、LED2の照射光がより広がった状態で円筒部材1内で反射される。そのため、円筒部材1外のより広角にわたってLED2の照射光が散乱される。よって、円筒部材1外への光の散乱が広角となることにより、直管型LED照明100の配光特性が改善される。
また、ベース部材3が円筒部材1に螺旋状に配置されるため、円筒部材1の中心軸に垂直な断面において、ベース部材3同士が円筒部材1内で対向しない。よって、LED2の照射光がベース部材3によって遮蔽されることが抑制され、直管型LED照明100の配光特性が改善される。
これらの構成により、光を拡散させるレンズ等の部材を追加で設けなくても、直管型LED照明100の配光特性が改善される。
また、直管型LED照明100は、照明として異方性が低いため、例えば、内照式看板の光源へ適用する際は、取り付け時に向きを考える必要がなく、既存の蛍光灯から直管型LED照明100への置換が容易となる。
図4は、電源4周辺の構成を示す断面図である。
図2,4に示すように、電源4は、曲面状の角部を有する円柱型の構成を有する。電源4の表面は、LED2からの照射光を反射する例えば金属などの光反射部材で構成される。
電源4は、直管型LED照明100を軸方向に複数突き合わせて使用できるように、円筒部材1内に配置される。
一般に、電源が円筒部材内に配置される構成では、電源によりLEDからの照射光が遮蔽されるため、直管型LED照明の配光特性が低下するおそれがある。
これに対し、直管型LED照明100は、電源4の表面が光反射部材で構成されるため、電源4によりLED2からの照射光が反射される。これにより、電源4が円筒部材1内に配置される構成でも、直管型LED照明100の配光特性の低下が抑制される。
電源4は、電源固定台座5に固定される。電源固定台座5は、直径よりも高さが低い円盤状に形成される。電源固定台座5は、一端面である平面部5aと、他端面に形成され電源4が嵌合する凹部5bと、凹部5bの底面に形成され電源固定台座5を貫通する孔5cと、を有する。電源4は、電源固定台座5の凹部5bに圧入されることにより、電源固定台座5に固定される。
図2,4に示すように、電源4には、円筒部材1の外部から電源4及びLED2に電力を供給する電源ケーブル6が接続される。電源ケーブル6が、特許請求の範囲におけるケーブルに相当する。電源ケーブル6は、電源固定台座5の孔5cを通じて電源4に接続される。つまり、孔5cは、電源4の電源ケーブル6との接続位置に面し、電源ケーブル6が挿通可能に構成される。電源ケーブル6によって外部の電源(図示省略)から電源4に電力が供給され、電源4から延びる電源線7がベース部材3の配線と電気的に接続されることによって、LED2に電力が供給される。電源ケーブル6は、平型ケーブル等、電源ケーブル6からの放熱が容易な構成であることが望ましい。
図2に示すように、電源固定台座5は、外周部5dが円筒部材1の内周と嵌合するように構成される。電源固定台座5は、円筒部材1の内周に圧入されることで、円筒部材1に固定される。よって、電源4は、電源固定台座5を介して円筒部材1に固定される。
電源4は、内部に樹脂が充填される。そのため、電源4の内部の熱は電源4の表面に伝達される。また、電源4は、電源4の表面の熱を円筒部材1に伝達可能な支持材8を介して、円筒部材1に支持される。これらの構成により、電源4で生じた熱は、電源4内の樹脂,電源4の表面,支持材8,及び円筒部材1を通じて、円筒部材1外に放熱される。これにより、熱による円筒部材1の破損や、LED2の劣化が防止される。
支持材8は、LED2の直接の照射光ができるだけ遮蔽されない位置に配置されることが望ましい。支持材8は、例えば、円筒部材1の中心軸に垂直な断面において、電源4を挟んでLED2と対向する位置に配置される。これにより、支持材8によるLED2の照射光の遮蔽が低減され、直管型LED照明100の配光特性の低下が抑制される。なお、支持材8は設けられなくてもよい。
図5は、ケーブル挿通キャップ9を図2におけるB方向から見た図である。図6は、ケーブル挿通キャップ9の図5におけるD−D線断面図である。図7は、通気キャップ10を図2におけるC方向から見た図である。図8は、通気キャップ10の図7におけるE−E線断面図である。
図5,6に示すように、ケーブル挿通キャップ9は、透光性を有し、直径よりも高さが低い円盤状に形成される。ケーブル挿通キャップ9は、一端面である平面部9aと、他端面に形成され円筒部材1と嵌合する凹部9bと、凹部9bの底面に形成される孔9cと、孔9cから円盤の径方向に延びケーブル挿通キャップ9を貫通する溝9dと、を有する。ケーブル挿通キャップ9は、円筒部材1が凹部9bに圧入されることで円筒部材1に取り付けられる。ケーブル挿通キャップ9によって、円筒部材1内からの電源4及び電源固定台座5の脱落が防止される。ケーブル挿通キャップ9が円筒部材1に取り付けられた状態では、凹部9b,孔9c,及び溝9dが、円筒部材1の内部と外部とを連通する。孔9c及び溝9dには、電源ケーブル6が挿通される。孔9cが、特許請求の範囲における第1挿通路に相当し、溝9dが、特許請求の範囲における第2挿通路に相当する。
孔9cは、電源固定台座5及びケーブル挿通キャップ9が円筒部材1に取り付けられた状態で、電源固定台座5の孔5cと連通し、電源ケーブル6が挿通される。溝9dは、電源ケーブル6を収容可能に構成され、電源ケーブル6が折り曲げられて挿通される。溝9dは、電源ケーブル6が収容された際、電源ケーブル6の一部が溝9dから平面部9aを越えて露出しない深さに構成される。
図7,8に示すように、通気キャップ10は、ケーブル挿通キャップ9と同様に、透光性を有し、直径よりも高さが低い円盤状に形成される。通気キャップ10は、一端面である平面部10aと、他端面に形成され円筒部材1が嵌合する凹部10bと、凹部10bの底面に形成される孔10cと、通気キャップ10の径方向に延びるように平面部10aに形成される複数(本実施形態では4つ)の溝10dと、平面部10aに形成され孔10cに連通する孔10eと、を有する。溝10dは、孔10eに連通し、通気キャップ10の外周面に開口する。孔10eは、孔10cと同軸的であり、孔10cよりも大径に形成される。通気キャップ10は、円筒部材1が凹部10bに圧入されることで円筒部材1に取り付けられる。通気キャップ10が円筒部材1に取り付けられた状態では、凹部10b,孔10c,孔10e,及び溝10dが、円筒部材1の内部と外部とを連通する。孔10cが、特許請求の範囲における第1通路に相当し、溝10dが、特許請求の範囲における第2通路に相当する。
通気キャップ10の孔10e内には、気体の透過を許容し塵や水等の異物の侵入を防ぐ調整部材11が孔10cを覆うように設けられる。調整部材11には、フィルタ等の多孔質材が用いられる。なお、調整部材11は、孔10cを開閉するバルブであってもよい。調整部材11がバルブの場合には、円筒部材1の内部圧力の増加に伴い開弁することで、円筒部材1の内部圧力を減少させる。調整部材11をバルブとする場合、公知のバルブを採用できるため、詳細な説明は省略する。
孔10cは、孔10eによって平面部10aから露出する。そのため、調整部材11を通気キャップ10に容易に取り付けることができる。円筒部材1がケーブル挿通キャップ9及び通気キャップ10によって封止された状態でも、円筒部材1の内部圧力は、孔10c,溝10d及び調整部材11を通じて円筒部材1の外部へ逃がすことができるため、円筒部材1の内部圧力の増加による円筒部材1の破損が防止される。また、調整部材11は通気キャップ10に設けられるため、調整部材11によりLED2の照射光が遮蔽されることがなく、直管型LED照明100の配光特性の低下が抑制される。
円筒部材1にケーブル挿通キャップ9及び通気キャップ10が取り付けられた状態では、電源ケーブル6はケーブル挿通キャップ9の溝9dに収容され、電源ケーブル6の一部が溝9dから平面部9aを越えて露出しない。また、通気キャップ10の溝10dは円筒部材1の中心軸に対して垂直方向に延びる。この構成では、直管型LED照明100を円筒部材1の軸方向に複数突き合わせても、電源ケーブル6によってケーブル挿通キャップ9と通気キャップ10の端面同士の突き合わせが阻害されることがなく、通気キャップ10の溝10dが塞がれることもない。よって、直管型LED照明100を円筒部材1の軸方向に複数突き合わせて使用することができる。
次に、直管型LED照明100の製造方法について説明する。
図9はベース部材3を円筒部材1内に螺旋状に固定する固定方法を示すベース部材3の平面図及び円筒部材1の断面図である。
円筒部材1内にLED2及びベース部材3を固定するには、まず、可撓性を有するフレキシブル基板であるベース部材3に、発光面2aを有する複数のLED2を搭載する。
次に、ベース部材3のLED2が搭載された搭載面3aとは反対側の裏面3b、または、円筒部材1の内周面に接着剤を配置する。この工程は、特許請求の範囲における接着部材配置工程に相当する。接着剤は、ベース部材3の熱を円筒部材1に伝達可能であることが望ましい。
次に、図9中の(A)に示すように、ベース部材3を、LED2の搭載面3aを内側にして捻回し螺旋状とする。その状態で、図9中の(B)に示すように、ベース部材3の両端を引っ張り、円筒部材1に挿入可能な径の大きさとなるまでベース部材3を伸長させる。この工程は、特許請求の範囲における捻回伸長工程に相当する。
そして、ベース部材3を伸長させた状態を保持し、図9中の(C)に示すように、ベース部材3を円筒部材1に挿入する。この工程は、特許請求の範囲における挿入工程に相当する。
その後、図9中の(D)に示すように、円筒部材1内の任意の固定位置でベース部材3を伸長する力を弱める。すると、復元力によりベース部材3の径が増加し、ベース部材3が円筒部材1の内周に接触する。この工程は、特許請求の範囲における固定工程に相当する。
そして、円筒部材1を、ベース部材3とともに円筒部材1の中心軸を中心として回転させながら加熱し、接着剤を溶融させる。その後、円筒部材1を放冷することで、ベース部材3が接着剤を介して円筒部材1内に固定される。この工程は、特許請求の範囲における加熱固定工程に相当する。
このようにして、ベース部材3を螺旋状に円筒部材1内に固定し、LED2を発光面2aを円筒部材1の中心軸に向けて取り付けられる。そして、円筒部材1内に電源4が取り付けられた電源固定台座5が取り付けられ、円筒部材1にケーブル挿通キャップ9及び通気キャップ10が取り付けられることで、直管型LED照明100が組み立てられる。
なお、ベース部材3を伸長させずに、円筒部材1に挿入可能な径の大きさとなるまで捻回し、捻回させた状態を保持してベース部材3を円筒部材1に挿入してもよい。この工程は、特許請求の範囲における捻回工程及び挿入工程に相当する。この場合は、円筒部材1内の任意の固定位置でフレキシブル基板を捻回した状態を保持する力を弱めることで、復元力によりベース部材3の径が増加し、ベース部材3が円筒部材1の内周に接触する。この工程は、特許請求の範囲における固定工程に相当する。
以上の実施形態によれば、以下に示す効果を奏する。
直管型LED照明100は、ベース部材3が螺旋状に配置される。そのため、ベース部材3に搭載されたLED2が発する光を円筒部材1の周方向に満遍なく照射させることができる。また、螺旋状であることで、あるLED2から死角となる領域にも、当該LED2とは周方向に離れた位置にある周辺のLED2から光が照射される。よって、死角がなくなることにより、円筒部材1の周方向における光の強度が略均一となり、直管型LED照明100の配光特性が改善される。
さらに、直管型LED照明100は、LED2は発光面を円筒部材1の中心軸に向けて配置され、LED2が搭載されるベース部材3が円筒部材1の内周に配置される。そのため、LED2が円筒部材1の中央付近に配置される場合と比較すると、LED2から対向する円筒部材1の内周までの距離が長く、照射光がより広がった状態で円筒部材1内で反射される。よって、円筒部材1外への光の散乱が広角となることにより、直管型LED照明100の配光特性が改善される。
さらに、ベース部材3が円筒部材1に螺旋状に配置されるため、円筒部材1の中心軸に垂直な断面において、ベース部材3同士が円筒部材1内で対向しない。よって、LED2の照射光がベース部材3によって遮蔽されることが抑制され、直管型LED照明100の配光特性が改善される。
さらに、直管型LED照明100は、照明として異方性が低いため、例えば、内照式看板の光源へ適用する際は、取り付け時に向きを考える必要がなく、既存の蛍光灯から直管型LED照明100への置換が容易となる。
さらに、電源4の表面は、LED2からの照射光を反射する例えば金属などの光反射部材で構成される。そのため、電源4によりLED2からの照射光が反射される。よって、電源4が円筒部材1内に配置される構成でも、直管型LED照明100の配光特性の低下が抑制される。
さらに、電源4は、内部に樹脂が充填され、支持材8を介して、円筒部材1に支持される。そのため、電源4で生じた熱は、電源4内の樹脂,電源4表面,支持材8,及び円筒部材1を通じて、直管型LED照明100外部に放熱される。よって、円筒部材1内に熱がこもることによる円筒部材1の破損やLED2の劣化が防止される。
さらに、支持材8は、LED2からの直接の照射光ができるだけ遮蔽されない位置に配置される。そのため、支持材8によるLED2からの照射光の遮蔽が低減される。よって、直管型LED照明100の配光特性の低下が抑制される。
さらに、通気キャップ10の孔10cには、気体の透過を許容し塵や水等の異物の侵入を防ぐ調整部材11が設けられる。そのため、円筒部材1がケーブル挿通キャップ9及び通気キャップ10によって封止された状態でも、円筒部材1の内部圧力は、孔10c,溝10d及び調整部材11を通じて円筒部材1の外部へ逃がすことができる。よって、LED2や電源4の熱に起因する円筒部材1の内部圧力の増加による円筒部材1の破損が防止される。
さらに、調整部材11は円筒部材1の内部ではなく、通気キャップ10に設けられる。そのため、調整部材11によりLED2からの照射光が遮蔽されることがない。よって、直管型LED照明100の配光特性の低下が抑制される。
さらに、円筒部材1にケーブル挿通キャップ9及び通気キャップ10が取り付けられた状態では、電源ケーブル6はケーブル挿通キャップ9の溝9dに収容され、電源ケーブル6の一部が溝9dから平面部9aを越えて露出しない。また、通気キャップ10の溝10dは円筒部材1の中心軸に対して垂直方向に延びる。そのため、直管型LED照明100を円筒部材1の軸方向に複数突き合わせても、電源ケーブル6によって端面同士の突き合わせが阻害されることがなく、通気キャップ10の溝10dが塞がれることもない。よって、直管型LED照明100を円筒部材1の軸方向に複数突き合わせて使用することができる。
次に、本実施形態の変形例について、説明する。以下のような変形例も本発明の範囲内であり、以下の変形例と上記実施形態の各構成とを組み合わせたり、以下の変形例同士を組み合わせたりすることも可能である。
(1)上記実施形態では、ベース部材3は、LED2の発光面を円筒部材1の中心軸に向けて、円筒部材1に螺旋状に一列配置される。これに代えて、ベース部材3は、図10に示すように、螺旋状に複数列配置されてもよい。図10に示す構成では、ベース部材3は位相が180度異なり、ベース部材3同士の回転方向は同じである。ベース部材3の配置は図10に示す構成に限られず、例えば、複数列のベース部材3同士の回転方向が異なる構成であってもよい。また、ベース部材3には列ごとに異なった間隔でLED2が配置されてもよい。この構成では、ベース部材3が電源4に電気的に並列に接続される。そのため、ベース部材3の配線の寄生抵抗による電圧への影響が低減される。
(2)上記実施形態では、配線を備えるフレキシブル基板であるベース部材3にLED2が搭載される。これに対し、LED2とベース部材3は、ともにシリコン等の樹脂で覆われていてもよい。つまり、図11に示すように、発光面22aを有する複数のLED22と、複数のLED22に電力を供給する配線を有し、複数のLED22が搭載されるベース部材23と、をシリコン等の樹脂で一体化したLEDテープライト24を円筒部材1に取り付けて、直管型LED照明100を構成してもよい。また、上記変形例と同様、LEDテープライト24は、螺旋状に複数列配置されてもよい。また、図11に示すように、樹脂で一体化されることでLEDテープライト24は防水性を有するため、円筒部材21の外周面に配置することができる。よって、LEDテープライト24の円筒部材21への取り付けが容易となる。なお、この場合には、円筒部材21は樹脂で構成され、LED22と面する位置に開口部21aを設けることが望ましい。
また、上記実施形態では、プリント配線が設けられるフレキシブル基板であるベース部材3に複数のLED2が搭載される。これに対し、LED2に電力を供給する配線は、ワイヤ状の配線であってもよい。この場合には、リジット基板上にLEDを搭載し、各LEDのリジット基板同士をワイヤ状の配線により電気的に接続すればく、リジット基板及びワイヤ状の配線がベース部材に相当する。また、この場合であっても、図11に示すように、ベース部材を構成するリジット基板及びワイヤ状の配線と、各LEDとを樹脂により一体化してLEDテープライト24を構成してもよい。
以下、本発明の各実施形態の構成、作用、及び効果をまとめて説明する。
直管型LED照明100は、透光性を有する円筒部材1,21と、複数のLED2,22と、複数のLED2,22に電力を供給する配線を有し、複数のLED2,22が搭載されるベース部材3,23と、を備え、ベース部材3,23は、円筒部材1,21に螺旋状に配置され、複数のLED2,22は、円筒部材1,21の中心軸に向けて配置される。
この構成では、LED2,22が搭載されたベース部材3,23が螺旋状に配置されることで、ベース部材3,23に搭載されたLED2,22が発する光を円筒部材1,21の周方向に満遍なく照射させることができる。さらに、LED2,22が円筒部材1,21の中心軸に向けて配置され、LED2,22が搭載されるベース部材3,23が円筒部材1,21に配置されるため、LED2,22が円筒部材1,21の中央付近に配置される場合と比較すると、LED2,22から円筒部材1,21内周までの距離が長い。これにより、LED2,22の照射光がより広がった状態で円筒部材1,21内で反射され、円筒部材1,21外のより広角にわたってLED2,22からの光を散乱させることができる。よって、円筒部材1,21外への光の散乱が広角となることにより、直管型LED照明100の配光特性が改善される。以上より、LED2,22の光を円筒部材1,21の周方向に満遍なく照射させるとともに、円筒部材1,21外のより広角へ散乱させることができるため、レンズ等の部材を追加で設けなくても、直管型LED照明100の配光特性が改善される。
また、直管型LED照明100は、配線を通じて複数のLED2,22に電力を供給し、円筒部材1,21及び複数のLED2,22と接触しないように離間して円筒部材1,21内に配置される電源4をさらに備え、電源4の表面は、複数のLED2,22からの照射光を反射する光反射部材で構成される。
この構成では、電源4によりLED2,22からの照射光が反射される。よって、電源4が円筒部材1,21内に配置される構成でも、直管型LED照明100の配光特性の低下が抑制される。
また、直管型LED照明100は、円筒部材1,21の端部に取り付けられ、円筒部材1,21外部から複数のLED2,22に電力を供給するための電源ケーブル6が挿通される孔9c,溝9dを有するケーブル挿通キャップ9をさらに備え、孔9c,溝9dは、円筒部材1,21内に開口する孔9cと、孔9cから円筒部材1,21の中心軸に対して垂直方向に延びケーブル挿通キャップ9の表面に開口する溝9dと、を有する。
また、直管型LED照明100は、気体の透過を許容する調整部材11と、円筒部材1,21の端部に取り付けられ、調整部材11が設けられる孔10c,溝10dを有する通気キャップ10と、をさらに備え、孔10c,溝10dは、円筒部材1,21内に開口する孔10cと、孔10cから円筒部材1,21の中心軸に対して垂直方向に延び通気キャップ10の表面に開口する溝10dと、を有する。
この構成では、通気キャップ10の孔10cには、気体の透過を許容する調整部材11が設けられる。そのため、円筒部材1,21がケーブル挿通キャップ9及び通気キャップ10によって封止された状態でも、円筒部材1,21の内部圧力は、孔10c,溝10d及び調整部材11を通じて円筒部材1,21の外部へ逃がすことができる。よって、LED2,22や電源4の熱に起因する円筒部材1,21の内部圧力の増加による円筒部材1,21の破損が防止される。さらに、円筒部材1,21にケーブル挿通キャップ9及び通気キャップ10が取り付けられた状態では、電源ケーブル6はケーブル挿通キャップ9の溝9dに収容され、電源ケーブル6の一部が溝9dから平面部9aを越えて露出しない。また、通気キャップ10の溝10dは円筒部材1,21の中心軸に対して垂直方向に延びる。そのため、直管型LED照明100を円筒部材1,21の軸方向に複数突き合わせても、電源ケーブル6によってケーブル挿通キャップ9と通気キャップ10の端面同士の突き合わせが阻害されることがなく、通気キャップ10の溝10dが塞がれることもない。よって、直管型LED照明100を円筒部材1,21の軸方向に複数突き合わせて使用することができる。
直管型LED照明100の製造方法は、複数のLED2が搭載されるベース部材3を、LED2が搭載された面を内側にして捻回し螺旋状とした状態で、ベース部材3の両端を引っ張り伸長させる捻回伸長工程と、両端を伸長させた状態を保持しベース部材3を円筒部材1に挿入する挿入工程と、円筒部材1内の任意の固定位置でベース部材3を伸長する力を弱め、ベース部材3を円筒部材1内に固定する固定工程と、を含む。
また、直管型LED照明100の製造方法は、複数のLED2が搭載されるベース部材3を、LED2が搭載された面を内側にして円筒部材1に挿入可能な大きさに捻回し螺旋状とする捻回工程と、捻回した状態を保持しベース部材3を円筒部材1に挿入する挿入工程と、円筒部材1内の任意の固定位置でベース部材3を捻回した状態を保持する力を弱め、ベース部材3を円筒部材1内に固定する固定工程と、を含む。
また、直管型LED照明100の製造方法は、捻回伸長工程または捻回工程の前に、ベース部材3のLED2が搭載された面とは反対側の面、または、円筒部材1の内周面に接着部材を配置する接着部材配置工程と、固定工程の後に、円筒部材1を加熱して接着部材を溶融させたのち放冷し、ベース部材3を円筒部材1内に固定する加熱固定工程と、を含む。
以上、本発明の実施形態について説明したが、上記実施形態は本発明の適用例の一部を示したに過ぎず、本発明の技術的範囲を上記実施形態の具体的構成に限定する趣旨ではない。
なお、本明細書に記載の垂直とは、必ずしも厳密な垂直を意味するものではなく、厳密な垂直から多少ずれた状態も含む。