JP3842948B2 - 廃棄物の分解装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、施設で発生する廃棄物を分解処理する方法および装置に係り、特に原子力発電所等の原子力施設で発生する放射性物質を含む固体廃棄物を、一つの系内で処理できるようにした廃棄物の分解方法および装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から、例えば原子力発電所等の原子力施設で発生する放射性物質を含む固体廃棄物は、その処理のし易さの観点から、可燃性廃棄物、難燃性廃棄物、不燃性廃棄物に分類されている。
【0003】
図22は、この種の従来の固体廃棄物の処理方法の流れを示す概要図である。
【0004】
図22において、可燃性廃棄物および難燃性廃棄物1と分類される廃棄物、すなわち有機物は、焼却設備2で焼却処理された後に、焼却灰3として施設内に保管4されている。
【0005】
一方、不燃性廃棄物5と分類される廃棄物、すなわち無機物は、溶融設備6により溶融処理されて体積が低減(減容)された後に、廃棄体7に形成され、最終処分8されるようになっている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述したような従来の固体廃棄物の処理方法においては、次のような問題点がある。
【0007】
すなわち、可燃性廃棄物および難燃性廃棄物1は焼却設備2で焼却処理し、また不燃性廃棄物5は溶融設備6で溶融処理する必要がある。このため、原子力施設で発生する固体廃棄物を前述のようにあらかじめ分別した上で、それぞれの廃棄物の性質に応じた処理能力を持った処理設備で処理する必要がある。
【0008】
また、従来の方法では、可燃性廃棄物および難燃性廃棄物1を焼却処理した後の焼却灰3を保管4しているだけで、最終処分10のためには何らかの安定化処理9が必要となっている。
【0009】
従って、従来では、原子力施設の固体廃棄物処理において、設備コスト、運転コストの低減、ならびに設置スペースの低減を図る上で支障があった。
【0010】
本発明は上記のような問題点を解消するために成されたもので、その目的は、設備コスト、運転コストの低減、ならびに設置スペースの低減を図ることが可能な廃棄物の分解方法および装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明の観点に従った廃棄物の分解装置は、施設で発生する廃棄物を分解処理する装置において、加熱手段により加熱された金属製容器の内部に、前記廃棄物のうち無機酸化物となる不燃性廃棄物を溶解して形成させた溶融浴を保有してなる分解処理炉と、前記金属製容器の内部の無機酸化物の溶融浴を攪拌させる攪拌手段と、前記廃棄物のうち有機物である可燃性廃棄物および難燃性廃棄物を供給媒体と共に前記分解処理炉に供給して、前記金属製容器の底部から無機酸化物の溶融浴内に導入する供給手段とを備え、前記分解処理炉で無機酸化物と有機物とを混合接触させることにより、前記無機酸化物の溶融浴の熱を利用して前記有機物を熱分解するように構成されてものである
【0037】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
【0038】
(第1の実施の形態:請求項17に対応)
図1は、本実施の形態による廃棄物の分解方法を適用した分解装置の構成例を示す概要図である。
【0039】
図1において、原子力発電所等の原子力施設で発生する放射性物質を含む固体廃棄物のうち、有機物である可燃性廃棄物および難燃性廃棄物11をホッパに収容している。
【0040】
このホッパに収容された可燃性廃棄物および難燃性廃棄物11は、細断・破砕機12により所定の大きさに細断・破砕させた後、空気供給設備13から供給される供給媒体である空気と共に、供給設備14により分解処理炉15に供給するようにしている。
【0041】
一方、分解処理炉15は、加熱手段である高周波電源16により加熱された金属製容器(以下、単に金属製容器と称する)17の内部に、原子力発電所等の原子力施設で発生する放射性物質を含む固体廃棄物のうち、無機酸化物18となる不燃性廃棄物を溶解して形成させた溶融浴を保有している。
【0042】
ここで、上記可燃性廃棄物および難燃性廃棄物11は、金属製容器17の底部から無機酸化物18の溶融浴内に空気と共に導入し、無機酸化物18と可燃性廃棄物および難燃性廃棄物11とを接触させることにより、無機酸化物18の溶融浴の熱を利用して可燃性廃棄物および難燃性廃棄物11を熱分解するようにしている。
【0043】
また、分解処理炉15は、可燃性廃棄物および難燃性廃棄物11の熱分解によって無機酸化物18の溶融浴から放出される可燃性ガスを、バーナ19により燃焼室20内で燃焼させ、燃焼後の放射性物質等の不純物を浄化設備21により浄化し、放出筒22を介して大気中に放出させるようにしている。
【0044】
さらに、分解処理炉15の金属製容器17の下方には、有機物である可燃性廃棄物および難燃性廃棄物11の熱分解が終了した後に金属製容器17の内部から外部に排出される無機酸化物18を収容するセラミック容器23を備えている。
【0045】
次に、以上のように構成した本実施の形態による廃棄物の分解装置の作用について説明する。
【0046】
図1において、ホッパに収容された処理しようとする可燃性廃棄物および難燃性廃棄物11は、細断・破砕機12により所定の大きさに細断・破砕された後、空気供給設備13から供給される空気と共に、供給設備14により分解処理炉15に供給される。
【0047】
一方、分解処理炉15では、高周波電源16により加熱された金属製容器17の内部で、無機酸化物18となる不燃性廃棄物を溶解して溶融浴が形成されている。
【0048】
供給設備14により分解処理炉15に供給された可燃性廃棄物および難燃性廃棄物11は、金属製容器17の底部から無機酸化物18の溶融浴内に、空気と共に導入される。すると、無機酸化物18の溶融浴内に放出された可燃性廃棄物および難燃性廃棄物11は、湯面に向かって上昇する。
【0049】
そして、この湯面に向かって上昇する間に、可燃性廃棄物および難燃性廃棄物11は、摂氏約1200度の温度を有する無機酸化物18の溶融浴と接触して、溶融浴の熱により熱分解される。
【0050】
次に、分解処理炉15における可燃性廃棄物および難燃性廃棄物11の熱分解によって無機酸化物18の溶融浴から放出される可燃性ガスは、燃焼室20内でバーナ19により燃焼される。
【0051】
そして、燃焼後の放射性物質等の不純物は、浄化設備21により浄化され、放出筒22により大気中に放出される。
【0052】
さらに、処理しようとする可燃性廃棄物および難燃性廃棄物11の供給、分解処理が終了すると、金属製容器17内部の無機酸化物18は、分解処理炉15からセラミック容器23に排出される。
【0053】
図2は、本実施の形態による廃棄物の分解処理性能を確認するために実施した試験設備の構成例を示す概要図であり、図1と同一要素には同一符号を付して示している。
【0054】
図2において、ホッパ24に収容された有機廃棄物11は、流量計25で空気供給量を計測しながら、空気供給設備13から供給される空気と共に、導入配管26を通して分解処理炉15内の金属製容器17の底部に導かれる。
【0055】
一方、金属製容器17は高周波電源である誘導コイル16により加熱されており、内部に無機酸化物18の溶融浴が形成されている。
【0056】
導入配管26を通して導かれた有機廃棄物27は、金属製容器17の底部から無機酸化物18の溶融浴内に放出され、湯面に向かって上昇する。
【0057】
そして、この間に、有機廃棄物27は、無機酸化物18の溶融浴と接触して、溶融浴の熱により熱分解される。
【0058】
この熱分解によって無機酸化物18の溶融浴から放出される可燃性ガスは、浄化設備21に導かれて浄化される。
【0059】
この場合、浄化設備21に導かれる途中で、ガス分析計(例えば、COモニター、HCモニター)28により、ガス中の成分分析が行なわれる。
【0060】
図3は、図2に示した試験設備により実施した試験結果の一例を示す特性図である。
【0061】
なお、図3では、有機廃棄物11の供給速度Gに対して、排ガス中に含まれる有機廃棄物27の分解ガス(CO+HC)濃度Pの関係を示している。
【0062】
図3に示すように、有機廃棄物11の供給速度Gの増加と共に、有機廃棄物27の分解ガス濃度Pは上昇するが、有機廃棄物11の供給速度Gが一定値を超えると(本例の場合、約50kg/h程度)、分解ガス濃度Pは飽和傾向にある。従って、本例では、50kg/h程度が有機廃棄物分解能力の限界となる。
【0063】
このように、本実施の形態では、高周波電源16により加熱された金属製容器17内で、無機酸化物18を溶解することができる。従って、原子力発電所等の原子力施設で発生する放射性物質を含む固体廃棄物のうち、無機酸化物18となる不燃性廃棄物は、金属製容器17内で溶融することができる。
【0064】
また、本実施の形態では、溶解した無機酸化物18の溶融浴内に、有機廃棄物を金属製容器17の底部から導入することによって熱分解することができるため、原子力発電所等の原子力施設で発生する放射性物質を含む固体廃棄物のうち、可燃性廃棄物および難燃性廃棄物11に分類される有機廃棄物も処理することができる。
【0065】
さらに、有機廃棄物は、無機酸化物18中に取り込まれてセラミック容器22に排出されて冷却して固化されるため、安定化処理される。
【0066】
以上により、無機酸化物18の減容処理と、有機物の処理と、有機廃棄物の安定化処理を、一つの装置内で達成することができる。このため、前述した従来のように、固体廃棄物を分別して、それぞれの廃棄物の性質に応じた処理設備を別個に設置する必要がなく、また有機廃棄物の安定化処理設備の増設も必要ない。
【0067】
従って、設備コスト、運転コストの低減、ならびに設置スペースの低減を図ることができる。
【0068】
上述したように、本実施の形態による廃棄物の分解方法および装置では、原子力発電所等の原子力施設で発生する放射性物質を含む固体廃棄物のうち、無機酸化物18となる不燃性廃棄物を溶解して形成させた溶融浴内に、原子力発電所等の原子力施設で発生する放射性物質を含む固体廃棄物のうち、有機物である可燃性廃棄物および難燃性廃棄物11を供給して無機酸化物と有機物とを接触させるようにしているので、無機酸化物18の溶解熱を有効に利用して有機物の熱分解を行なうことが可能となる。
【0069】
また、無機酸化物18と有機物の処理を一つの系内で行なうようにしているので、複数の処理機能を統合させることが可能となる。
【0070】
さらに、無機酸化物18内で有機物の処理を行なうようにしているので、有機物の安定化処理も同時に実現させることが可能となる。
【0071】
以上により、設備コスト、運転コストの低減、ならびに設置スペースの低減を図ることができる。
【0072】
(第2の実施の形態:請求項18に対応)
図4は、本実施の形態による廃棄物の分解方法を適用した分解装置の構成例を示す概要図であり、図1と同一要素には同一符号を付して示している。
【0073】
図4において、原子力発電所等の原子力施設で発生する放射性物質を含む固体廃棄物のうち、有機物である可燃性廃棄物および難燃性廃棄物11をホッパに収容している。
【0074】
このホッパに収容された可燃性廃棄物および難燃性廃棄物11は、細断・破砕機12により所定の大きさに細断・破砕させた後、供給設備14により分解処理炉15に供給するようにしている。
【0075】
一方、分解処理炉15は、加熱手段である高周波電源16により加熱された金属製容器17の内部に、原子力発電所等の原子力施設で発生する放射性物質を含む固体廃棄物のうち、無機酸化物18となる不燃性廃棄物を溶解して形成させた溶融浴を保有している。
【0076】
また、金属製容器17内で溶解している無機酸化物18の溶融浴には、攪拌手段である空気供給設備13から供給される供給媒体である空気を、金属製容器17の底部から供給することにより、金属製容器17内部の無機酸化物18の溶融浴を攪拌させるようにしている。
【0077】
ここで、上記可燃性廃棄物および難燃性廃棄物11は、金属製容器17の上部から無機酸化物18の溶融浴内に供給設備14により投入し、無機酸化物18と可燃性廃棄物および難燃性廃棄物11とを混合接触させることにより、無機酸化物18の溶融浴の熱を利用して可燃性廃棄物および難燃性廃棄物11を熱分解するようにしている。
【0078】
また、分解処理炉15は、可燃性廃棄物および難燃性廃棄物11の熱分解によって無機酸化物18の溶融浴から放出される可燃性ガスを、バーナ19により燃焼室20内で燃焼させ、燃焼後の放射性物質等の不純物を浄化設備21により浄化し、放出筒22を介して大気中に放出させるようにしている。
【0079】
さらに、分解処理炉15の金属製容器17の下方には、有機物である可燃性廃棄物および難燃性廃棄物11の熱分解が終了した後に金属製容器17の内部から外部に排出される無機酸化物18を収容するセラミック容器23を備えている。
【0080】
次に、以上のように構成した本実施の形態による廃棄物の分解装置の作用について説明する。
【0081】
図4において、ホッパに収容された処理しようとする可燃性廃棄物および難燃性廃棄物11は、細断・破砕機12により所定の大きさに細断・破砕された後、供給設備14により分解処理炉15に供給される。
【0082】
一方、分解処理炉15では、高周波電源16により加熱された金属製容器17の内部で、無機酸化物18となる不燃性廃棄物を溶解して溶融浴が形成されている。
【0083】
また、金属製容器17内で溶解している無機酸化物18の溶融浴には、金属製容器17の底部から、空気供給設備13から空気が吹き込まれて、金属製容器17内部の無機酸化物18の溶融浴が攪拌されている。
【0084】
供給設備14により分解処理炉15に供給された可燃性廃棄物および難燃性廃棄物11は、金属製容器17の上部から無機酸化物18の溶融浴内に投入される。すると、無機酸化物18の溶融浴内に投入された可燃性廃棄物および難燃性廃棄物11は、無機酸化物18の溶融浴と共に攪拌混合される。
【0085】
そして、この攪拌混合される間に、可燃性廃棄物および難燃性廃棄物11は、摂氏約1200度の温度を有する無機酸化物18の溶融浴と接触して、溶融浴の熱により熱分解される。
【0086】
次に、分解処理炉15における可燃性廃棄物および難燃性廃棄物11の熱分解によって無機酸化物18の溶融浴から放出される可燃性ガスは、燃焼室20内でバーナ19により燃焼される。
【0087】
そして、燃焼後の放射性物質等の不純物は、浄化設備21により浄化され、放出筒22により大気中に放出される。
【0088】
さらに、処理しようとする可燃性廃棄物および難燃性廃棄物11の供給、分解処理が終了すると、金属製容器17内部の無機酸化物18は、分解処理炉15からセラミック容器23に排出される。
【0089】
図5は、本実施の形態による廃棄物の分解処理性能を確認するために実施した試験設備の構成例を示す概要図であり、図4と同一要素には同一符号を付して示している。
【0090】
図5において、ホッパに収容された有機廃棄物11は、分解処理炉15内の金属製容器17の上部から投入される。
【0091】
一方、金属製容器17は高周波電源である誘導コイル16により加熱されており、内部に無機酸化物18の溶融浴が形成されている。
【0092】
無機酸化物18の溶融浴には、空気供給設備13から空気が供給され、無機酸化物18の溶融浴が攪拌されている。
【0093】
金属製容器17内に投入された有機廃棄物27は、無機酸化物18の溶融浴と接触して、溶融浴の熱により熱分解される。
【0094】
この熱分解によって無機酸化物18の溶融浴から放出される可燃性ガスは、前述した第1の実施の形態の場合と同様に、図示しない浄化設備に導かれて浄化される。
【0095】
この場合、浄化設備に導かれる途中で、図示しないガス分析計(例えば、COモニター、HCモニター)により、ガス中の成分分析が行なわれる。
【0096】
図5に示した試験設備により実施した試験では、前述した第1の実施の形態の場合と同様に、前記図3に示したような試験結果が得られ、有機廃棄物27の分解ガス濃度Pは、有機廃棄物11の供給速度Gが、本例の場合約30kg/h程度で飽和する傾向を示した。従って、本例では、30kg/h程度が有機廃棄物分解能力の限界となる。
【0097】
このように、本実施の形態では、高周波電源16により加熱された金属製容器17内で、無機酸化物18を溶解することができる。従って、原子力発電所等の原子力施設で発生する放射性物質を含む固体廃棄物のうち、無機酸化物18となる不燃性廃棄物は、金属製容器17内で溶融することができる。
【0098】
また、本実施の形態では、空気の導入によって攪拌されている溶解した無機酸化物18の溶融浴内に、有機廃棄物を金属製容器17の上部から投入することによって熱分解することができるため、原子力発電所等の原子力施設で発生する放射性物質を含む固体廃棄物のうち、可燃性廃棄物および難燃性廃棄物11に分類される有機廃棄物も処理することができる。
【0099】
さらに、有機廃棄物は、無機酸化物18中に取り込まれてセラミック容器22に排出されて冷却して固化されるため、安定化処理される。
【0100】
以上により、無機酸化物18の減容処理と、有機物の処理と、有機廃棄物の安定化処理を、一つの装置内で達成することができる。このため、前述した従来のように、固体廃棄物を分別して、それぞれの廃棄物の性質に応じた処理設備を別個に設置する必要がなく、また有機廃棄物の安定化処理設備の増設も必要ない。
【0101】
従って、設備コスト、運転コストの低減、ならびに設置スペースの低減を図ることができる。
【0102】
上述したように、本実施の形態による廃棄物の分解方法および装置では、原子力発電所等の原子力施設で発生する放射性物質を含む固体廃棄物のうち、無機酸化物18となる不燃性廃棄物を溶解して形成させかつ攪拌させた溶融浴内に、原子力発電所等の原子力施設で発生する放射性物質を含む固体廃棄物のうち、有機物である可燃性廃棄物および難燃性廃棄物11を供給して無機酸化物と有機物とを混合接触させるようにしているので、無機酸化物18の溶解熱を有効に利用して有機物の熱分解を行なうことが可能となる。
【0103】
また、無機酸化物18と有機物の処理を一つの系内で行なうようにしているので、複数の処理機能を統合させることが可能となる。
【0104】
さらに、無機酸化物18内で有機物の処理を行なうようにしているので、有機物の安定化処理も同時に実現させることが可能となる。
【0105】
以上により、設備コスト、運転コストの低減、ならびに設置スペースの低減を図ることができる。
【0106】
(第3の実施の形態:請求項1に対応)
図6は、本実施の形態による廃棄物の分解装置を一部含む要部構成例を示す概要図であり、図1および図2、図4および図5と同一要素には同一符号を付してその説明を省略し、ここでは異なる部分についてのみ述べる。
【0107】
すなわち、本実施の形態では、前述した第1または第2の実施の形態において、図6に示すように、有機物の熱分解によって無機酸化物18の溶融浴から放出される可燃性ガスを燃焼させる燃焼室20の内壁面を、鉄系の金属板(例えば、SUS板)30で覆った構成としている。
【0108】
次に、以上のように構成した本実施の形態の廃棄物の分解装置においては、燃焼室20の内壁面を、鉄系の金属板(SUS板)30で覆っていることにより、放射性元素(Cs,Sr,U,Pu等)、ダイオキシン等が、周囲の耐火材に浸透して付着するのを防止することができる。
これにより、放射性元素、ダイオキシン等の有害物質を除去することができる。
なお、鉄系の金属板(SUS板)30は、改修時にせん断し、金属溶融時に溶融するようにする。
(第4の実施の形態:請求項2に対応)
図7および図8は、本実施の形態による廃棄物の分解装置の要部構成例を示す概要図であり、図1および図2、図4および図5と同一要素には同一符号を付してその説明を省略し、ここでは異なる部分についてのみ述べる。
【0109】
すなわち、本実施の形態では、前述した第1または第2の実施の形態において、図7に示すように、金属製容器17の内部に、無機酸化物18の溶融浴内の Co,Mn等の放射性物質を捕集する放射性物質捕集手段であるメッシュ31を少なくとも1つ(図では2つ)設けるか、もしくは図8に示すように、金属製容器17の内部に、無機酸化物18の溶融浴内のCo,Mn等の放射性物質を捕集する放射性物質捕集手段であるフィン32を同一円周方向に多数個(図では8個)1段もしくは複数段(図では2段)設けた構成としている。
【0110】
次に、以上のように構成した本実施の形態の廃棄物の分解装置においては、金属製容器17の内部に、無機酸化物18の溶融浴内のCo,Mn等の放射性物質を捕集するメッシュ31またはフィン32からなる放射性物質捕集手段を少なくとも1つ設けていることにより、金属製容器17の実質的な面積を増やして、無機酸化物18の溶融浴内のCo,Mn等の金属と反応する放射性物質を金属製容器17に付着させ、放射性物質が気相中に飛散するのを抑制することができる。
【0111】
これにより、放射性物質等の有害物質を除去することができる。
(第5の実施の形態:請求項3に対応)
本実施の形態による廃棄物の分解装置は、前述した第1または第2の実施の形態において、金属製容器17内部の無機酸化物18の溶融浴内に、CaO,Na等の脱塩剤を投入する脱塩剤投入手段を備えた構成としている。
次に、以上のように構成した本実施の形態の廃棄物の分解装置においては、金属製容器17内部の無機酸化物18の溶融浴内に、CaO,Na等の脱塩剤を投入することにより、無機酸化物18の溶融浴内の成分としてCaO,Naを多くして、H Cl,ダイオキシン等の脱塩を促進することができる。
これにより、ダイオキシン等の有害物質を除去することができる。
(第6の実施の形態:請求項4に対応)
本実施の形態による廃棄物の分解装置は、前述した第1または第2の実施の形態において、金属製容器17内部の無機酸化物18の溶融浴内に、SiO2等の酸性酸化物を投入する酸性酸化物投入手段を備えた構成としている。
【0112】
次に、以上のように構成した本実施の形態の廃棄物の分解装置においては、金属製容器17内部の無機酸化物18の溶融浴内に、SiO2等の酸性酸化物を投入することにより、無機酸化物18の溶融浴中のSiO2を多くして酸化度を上げ、酸化され易い放射性元素(Cs,Sr,U,Pu等)を無機酸化物18の溶融浴内に拘束して、放射性物質が気相中に飛散するのを抑制することができる。
【0113】
これにより、放射性物質等の有害物質を除去することができる。
なお、本実施の形態において、無機酸化物18の溶融浴内に、有機物を金属製容器17の底部から供給することにより、無機酸化物18の溶融浴内における有機物の分解速度を向上し、揮発性のCs等の気相中への拡散を防止し、ダイオキシン等の分解促進を図ることができる。
【0114】
(第7の実施の形態:請求項5、請求項6に対応)
図9は、本実施の形態による廃棄物の分解装置を一部含む全体構成例を示す概要図であり、図1および図2、図4および図5と同一要素には同一符号を付してその説明を省略し、ここでは異なる部分についてのみ述べる。
【0115】
すなわち、本実施の形態では、前述した第1または第2の実施の形態において、図9に示すように、有機物の熱分解によって無機酸化物18の溶融浴から放出される可燃性ガスを燃焼させる燃焼室20の下流側に、燃焼室20からの燃焼排ガスを急冷する減温器33を設けた構成としている。
【0116】
ここで、減温器33としては、弁33bを介して冷却水が導入される水スプレー33aにて、燃焼室20からの燃焼排ガスを急冷するものとし、さらに必要に応じて、水スプレー33a中に苛性ソーダ,生石灰等の脱硫・脱塩剤を加えるようにしている。
【0117】
次に、以上のように構成した本実施の形態の廃棄物の分解装置においては、燃焼室20の下流側に、燃焼室20からの燃焼排ガスを急冷する水スプレー33aによる減温器33を設けていることにより、燃焼室20からの燃焼排ガスを摂氏850度〜1500度以下に急冷して、ダイオキシンの再合成を抑制することができる。
これにより、ダイオキシン等の有害物質を除去することができる。
また、必要に応じて、水スプレー33a中に苛性ソーダ,生石灰等の脱硫・脱塩剤を加えることにより、脱塩、脱硫を行なうことができる。
【0118】
(第8の実施の形態:請求項7に対応)
図6は、本実施の形態による廃棄物の分解装置を一部含む要部構成例を示す概要図であり、図1および図2、図4および図5と同一要素には同一符号を付してその説明を省略し、ここでは異なる部分についてのみ述べる。
【0119】
すなわち、本実施の形態では、前述した第1または第2の実施の形態において、図6に示すように、有機物の熱分解によって無機酸化物18の溶融浴から放出される可燃性ガスを燃焼させる燃焼室20の内部に、可燃性ガスおよび可燃性微粒子34の流れを特定方向に偏向する偏向手段であるグラフボディ35を設けた構成としている。
次に、以上のように構成した本実施の形態の廃棄物の分解装置においては、燃焼室20の内部に、可燃性ガスおよび可燃性微粒子34の流れを特定方向に偏向するグラフボディ35を設けていることにより、分解した可燃性ガスおよび可燃性微粒子(タール、チャー等)34の燃焼を促進させて、完全燃焼させることができる。
【0120】
すなわち、燃焼室20の燃焼部20aは旋回流場になっており、周辺は下降気流、中心は上昇気流になり、この上昇気流によって、可燃性ガスおよび可燃性微粒子34の燃焼室20内の滞留時間が短くならないようにする。そして、グラフボディ35により、可燃性ガスおよび可燃性微粒子34の流れが周辺部に向かい、下降気流との間で再び燃焼反応が促進する。
【0121】
これにより、可燃性ガスおよび可燃性微粒子34を完全燃焼させることができる。
【0122】
(第9の実施の形態:請求項8に対応)
図10は、本実施の形態による廃棄物の分解装置を一部含む要部構成例を示す概要図であり、図1および図2、図4および図5と同一要素には同一符号を付してその説明を省略し、ここでは異なる部分についてのみ述べる。
【0123】
すなわち、本実施の形態では、前述した第1または第2の実施の形態において、図10に示すように、金属製容器17の上部の直径を小さくした構成としている。
【0124】
次に、以上のように構成した本実施の形態の廃棄物の分解装置においては、金属製容器17の上部の直径を小さくしていることにより、金属製容器17の上部が抵抗となって、より一定に分解ガスが発生するようにすることができる。そして、分解ガスの発生が一定になると、バーナー19に対する燃焼用空気の供給時間変化が小さくなり、完全燃焼がより一層促進する。
これにより、可燃性ガスおよび可燃性微粒子34を完全燃焼させることができる。
【0125】
(第10の実施の形態:請求項9乃至請求項13に対応)
図9は、本実施の形態による廃棄物の分解装置を一部含む全体構成例を示す概要図であり、図1および図2、図4および図5と同一要素には同一符号を付してその説明を省略し、ここでは異なる部分についてのみ述べる。
【0126】
すなわち、本実施の形態では、前述した第1または第2の実施の形態において、図9に示すように、有機物の熱分解によって無機酸化物18の溶融浴から放出される可燃性ガスを燃焼させる燃焼室20に設けられ、弁36を介して燃料ガスが供給されて、弁37を介して供給される燃焼用空気と共に燃焼を行なうバーナー19と、燃焼室20の室内温度を計測する室内温度計38と、減温器33の下流側に設けられたバグフィルター39および送風機40と、減温器33からバグフィルター39に導入されるガス温度を計測するガス温度計41と、弁37を介してバーナー19に供給される燃焼用空気を加熱する加熱ヒータ42と、燃焼室20からの燃焼排ガス中のCO等の未燃ガス濃度を計測する未燃ガス濃度計43と、燃焼室20の室内圧力を計測する室内圧力計44と、制御手段であるパソコン等のコンピュータ45とを備えた構成としている。
【0127】
コンピュータ45は、室内温度計38により計測された室内温度が所定温度となるように、弁36を開閉してバーナー19の燃料量を制御する制御機能と、ガス温度計41により計測されたガス温度がバグフィルター39の耐熱温度を上回らないように、弁36を開閉して減温器33の水スプレー33a流量を制御する制御機能と、未燃ガス濃度計43により計測された未燃ガス濃度に基づいて、弁37,および弁36を開閉して燃焼用空気量およびバーナー19の燃料量を制御すると共に、加熱ヒータ42への供給電力を調整してその加熱量を制御する制御機能と、室内圧力計44により計測された室内圧力が負圧となるように、送風機40の流量を制御する制御機能とを有する。
【0128】
次に、以上のように構成した本実施の形態の廃棄物の分解装置の作用について説明する。
【0129】
なお、前述した第1または第2の実施の形態と同一部分の作用についてはその説明を省略し、ここでは異なる部分の作用についてのみ述べる。
【0130】
図9において、コンピュータ45からの制御信号により、温度制御、燃焼制御、圧力制御をそれぞれ行なう。
【0131】
すなわち、室内温度計38により計測された室内温度が、所定温度(より完全燃焼させるのに必要なあらかじめ設定された温度)を維持するように、弁36を開閉してバーナー19の燃料量を調整することにより、燃焼室20内の温度制御を行なう。
【0132】
室内温度が、所定温度よりも低い場合には、バーナー19への燃料ガスの供給量を増加し、所定温度よりも高い場合には、バーナー19への燃料ガスの供給量を減少する。
【0133】
具体的には、例えばバーナー19の出力を6万kcal/hで、燃焼用空気を200Nm3/h程度で、燃焼室20内の温度を摂氏850度〜1500度とするように、弁36を開閉してバーナー19の燃料量を調整することにより、燃焼室20内の温度制御を行なう。
【0134】
一方、ガス温度計41により計測されたガス温度が、バグフィルター39の耐熱温度を上回らないように、弁36を開閉して減温器33の水スプレー33aへ供給する冷却水流量を調整することにより、燃焼室20からの燃焼排ガスの温度制御を行なう。
【0135】
この場合、DXN再合成を抑制するために、例えば摂氏200度以下にする。また、零点以下にならないようにする。
【0136】
これらは、減温器33からバグフィルター39に導入されるガス温度を計測し、減温器33の水スプレー33a流量を調整して行なう。
【0137】
一方、未燃ガス濃度計43により計測された未燃ガス濃度を基に、弁37,および弁36を開閉して燃焼用空気量およびバーナー19の燃料量を調整し、さらに加熱ヒータ42の加熱量を調整することにより、燃焼制御を行なう。
【0138】
この場合、分解物である有機物の供給と共に、バーナー19への燃料ガスの供給量を減少させてバーナー19の燃焼を停止し、燃焼用空気量を増加する。燃焼用空気量は、有機物の熱分解により発生する分解ガスに対して、空気過剰率2〜2.5とする。
【0139】
また、燃焼用空気は、あらかじめ摂氏600度程度に加熱しておく。
【0140】
さらに、未燃ガス濃度計43により計測された未燃ガス濃度が減少すると、バーナー19への燃料ガスの供給量を増加させてバーナー19を再燃焼する。
【0141】
一方、室内圧力計44により計測された室内圧力が負圧を維持するように、送風機40の回転数を調整して送風機40の流量を調整することにより、燃焼室20内の圧力制御を行なう。
【0142】
以上により、可燃性ガスおよび可燃性微粒子34を完全燃焼させることができる。
【0143】
なお、本実施の形態において、燃焼用空気中の酸素濃度を高くすることにより、燃焼速度を促進することができる。
【0144】
(第11の実施の形態:請求項21に対応)
図11および図12は、本実施の形態による廃棄物の分解装置の要部構成例を示す概要図であり、図4および図5と同一要素には同一符号を付してその説明を省略し、ここでは異なる部分についてのみ述べる。
【0145】
すなわち、本実施の形態では、前述した第2の実施の形態において、攪拌手段として、空気供給設備13から供給される供給媒体である攪拌用空気を、図11に示すように、1個のノズル46により金属製容器17の底部から供給して、金属製容器17内部の無機酸化物18の溶融浴を攪拌させるか、もしくは図12に示すように、3個のノズル46により金属製容器17の底部から供給して、金属製容器17内部の無機酸化物18の溶融浴を攪拌させる構成としている。
【0146】
次に、以上のように構成した本実施の形態の廃棄物の分解装置においては、攪拌用空気を、1個のノズル46により金属製容器17の底部から供給して、無機酸化物18の溶融浴を攪拌させることにより、ここに有機物を投入することで、ノズル46が1つのシンプルな構成で、有機物の温度、有機物拡散を促進することができる。
【0147】
また、攪拌用空気を、3個のノズル46により金属製容器17の底部から供給して、無機酸化物18の溶融浴を攪拌させることにより、ここに有機物を投入することで、ノズル46が3つで周方向の均一性をよくして(水平断面の空気のムラを少なくして)、有機物の温度、有機物拡散を促進することができる。
【0148】
これにより、有機物の分解速度を向上することができる。
【0149】
(第12の実施の形態:請求項22に対応)
図13は、本実施の形態による廃棄物の分解装置の要部構成例を示す概要図であり、図12と同一要素には同一符号を付してその説明を省略し、ここでは異なる部分についてのみ述べる。
【0150】
すなわち、本実施の形態では、前述した第11の実施の形態において、図13に示すように、3個のノズル46を、金属製容器17の軸線を中心としてほぼ対称となるように配置し、旋回方式で旋回流(遠心力場)を形成する構成としている。
【0151】
次に、以上のように構成した本実施の形態の廃棄物の分解装置においては、攪拌用空気を、3個のノズル46により金属製容器17の底部から供給して、旋回方式で旋回流(遠心力場)を形成させて、無機酸化物18の溶融浴を攪拌させることにより、ここに有機物を投入することで、有機物と気泡との分離を促進すると共に、中心部の液位を下げ周囲の液位を高くして波高を高くし、有機物をより巻き込み易くして、有機物の温度、有機物拡散を促進することができる。
【0152】
これにより、有機物の分解速度をより一層向上することができる。
【0153】
(第13の実施の形態:請求項23に対応)
図14は、本実施の形態による廃棄物の分解装置の要部構成例を示す概要図であり、図4および図5と同一要素には同一符号を付してその説明を省略し、ここでは異なる部分についてのみ述べる。
【0154】
すなわち、本実施の形態では、前述した第2の実施の形態において、攪拌手段として、空気供給設備13から供給される供給媒体である攪拌用空気を、図14に示すように、1個のノズル46により金属製容器17の上部中心部から供給して、金属製容器17内部の無機酸化物18の溶融浴を攪拌させる構成としている。
【0155】
次に、以上のように構成した本実施の形態の廃棄物の分解装置においては、攪拌用空気を、1個のノズル46により金属製容器17の上部中心部から供給して、無機酸化物18の溶融浴を攪拌させることにより、ここに有機物を投入することで、中心部の液位を下げ周囲の液位を高くして波高を高くし、有機物をより巻き込み易くして、有機物の温度、有機物拡散を促進することができる。
【0156】
これにより、有機物の分解速度をより一層向上することができる。
【0157】
(第14の実施の形態:請求項23に対応)
図15は、本実施の形態による廃棄物の分解装置の要部構成例を示す概要図であり、図4および図5と同一要素には同一符号を付してその説明を省略し、ここでは異なる部分についてのみ述べる。
【0158】
すなわち、本実施の形態では、前述した第2の実施の形態において、攪拌手段として、空気供給設備13から供給される供給媒体である攪拌用空気を、図15に示すように、3個のノズル46により金属製容器17の上部周辺部から供給して、金属製容器17内部の無機酸化物18の溶融浴を攪拌させる構成としている。
【0159】
次に、以上のように構成した本実施の形態の廃棄物の分解装置においては、攪拌用空気を、3個のノズル46により金属製容器17の上部周辺部から供給して、無機酸化物18の溶融浴を攪拌させることにより、ここに有機物を投入することで、ノズル46が3つで周方向の均一性をよくして(水平断面の空気のムラを少なくして)、有機物の温度、有機物拡散を促進することができる。
【0160】
これにより、有機物の分解速度を向上することができる。
【0161】
(第15の実施の形態:請求項24に対応)
図16は、本実施の形態による廃棄物の分解装置の要部構成例を示す概要図であり、図11と同一要素には同一符号を付してその説明を省略し、ここでは異なる部分についてのみ述べる。
【0162】
すなわち、本実施の形態では、前述した第11の実施の形態において、攪拌手段として、燃焼用空気供給設備29から供給される燃焼用空気を、図15に示すように、1個のノズル46により金属製容器17の上部周辺部から攪拌用空気を兼ねて供給して、攪拌用空気を金属製容器17の底部および上部の両方から供給して、金属製容器17内部の無機酸化物18の溶融浴を攪拌させる構成としている。
【0163】
次に、以上のように構成した本実施の形態の廃棄物の分解装置においては、攪拌用空気を、金属製容器17の底部および上部の両方から供給して、無機酸化物18の溶融浴を攪拌させることにより、ここに有機物を投入することで、有機物をより巻き込み易くして、有機物の温度、有機物拡散を促進することができる。
【0164】
これにより、有機物の分解速度をより一層向上することができる。
【0165】
(第16の実施の形態:請求項25に対応)
図7は、本実施の形態による廃棄物の分解装置の要部構成例を示す概要図であり、図4および図5と同一要素には同一符号を付してその説明を省略し、ここでは異なる部分についてのみ述べる。
【0166】
すなわち、本実施の形態では、前述した第2の実施の形態において、図7に示すように、金属製容器17の内部に、空気供給設備13から供給される供給媒体である攪拌用空気を、1個のノズル46により金属製容器17の底部から供給して、これにより発生する気泡を小さくするメッシュ31を、少なくとも1つ(図では2つ)設けた構成としている。
【0167】
次に、以上のように構成した本実施の形態の廃棄物の分解装置においては、金属製容器17の内部に、攪拌用空気により発生する気泡を小さくするメッシュ31を設けていることにより、気泡を小さくして無機酸化物18の溶融浴と有機物との接触を促進することができる。
【0168】
これにより、有機物の分解速度をより一層向上することができる。
【0169】
(第17の実施の形態:請求項26に対応)
図17は、本実施の形態による廃棄物の分解装置を一部含む要部構成例を示す概要図であり、図1および図2、図4および図5と同一要素には同一符号を付してその説明を省略し、ここでは異なる部分についてのみ述べる。
【0170】
すなわち、本実施の形態では、前述した第1または第2の実施の形態において、図17に示すように、金属製容器17の上部を複数に分割(図では3分割)した構成としている。
【0171】
次に、以上のように構成した本実施の形態の廃棄物の分解装置においては、金属製容器17の上部を3分割していることにより、波高を高くして有機物を巻き込み易くして、有機物の温度、有機物拡散を促進することができる。
【0172】
これにより、有機物の分解速度をより一層向上することができる。
【0173】
(第18の実施の形態)
図18は、本実施の形態による廃棄物の分解装置の要部構成例を示す概要図であり、図4および図5と同一要素には同一符号を付してその説明を省略し、ここでは異なる部分についてのみ述べる。
【0174】
すなわち、本実施の形態では、前述した第2の実施の形態において、図18に示すように、金属製容器17の底部に、空気供給設備13から供給される供給媒体である攪拌用空気を、噴出し径を小さくした(例えば1mm)複数個の噴出し孔を有する1個の噴出し体47により、金属製容器17の底部から供給して、攪拌用空気を複数供給する構成としている。
【0175】
次に、以上のように構成した本実施の形態の廃棄物の分解装置においては、攪拌用空気を、噴出し径を小さくした複数個の噴出し孔を有する噴出し体47で供給することにより、金属製容器17内部の無機酸化物18の溶融浴内に攪拌用空気を供給する場合に、攪拌用空気を複数供給して、気泡を小さくして無機酸化物18の溶融浴と有機物との接触を促進することができる。
【0176】
これにより、有機物の分解速度をより一層向上することができる。
【0177】
(第19の実施の形態:請求項14に対応)
図17は、本実施の形態による廃棄物の分解装置を一部含む要部構成例を示す概要図であり、図1および図2、図4および図5と同一要素には同一符号を付してその説明を省略し、ここでは異なる部分についてのみ述べる。
【0178】
すなわち、本実施の形態では、前述した第1または第2の実施の形態において、図17に示すように、金属製容器17の内壁に、当該金属製容器17を吊るための複数(図では4つ)のストッパー48を、金属製容器17の軸線を中心としてほぼ対称に設け、容器吊具49により、金属製容器17を吊り下げた状態で、金属製容器17を分解処理炉への投入、または取り出しを行なう構成としている。
【0179】
図19は、容器吊具49の詳細な構成例を示す概要図である。
【0180】
すなわち、容器吊具49は、図19に示すように、支点となる基材49aに、2つを1対とする2対の脚部49bをボルトで取付け、かつ基材49aを中心として回動により開脚自在に構成され、それぞれの脚部49bの一端側にストッパー48に当接する爪部49cが形成されると共に、それぞれの脚部49bの他端側に引張りワイヤ49dが繋がれた構成としている。
【0181】
これにより、容器吊具49の爪部49cを金属製容器17のストッパー48に引っ掛けて金属製容器17を吊り下げた状態で、金属製容器17を分解処理炉への投入、または取り出しを行なうようにしている。
【0182】
次に、以上のように構成した本実施の形態の廃棄物の分解装置においては、金属製容器17の内壁に金属製容器17を吊るための複数のストッパー48を設け、支点49aを中心として回動により開脚自在に構成され、それぞれの脚部49bの一端側にストッパー48に当接する爪部49cが形成されると共に、それぞれの脚部49bの他端側に引張りワイヤ49dが繋がれた容器吊具49を備え、容器吊具49の爪部49cを金属製容器17のストッパー48に引っ掛けて金属製容器17を吊り下げた状態で、金属製容器17を分解処理炉への投入、または取り出しを行なうようにしていることにより、例えば有機物の供給、分解処理が終了して、金属製容器17内部の無機酸化物18を分解処理炉15からセラミック容器23に排出した後に、金属製容器17を分解処理炉への投入、または取り出しを容易にしかも安全に行なうことができ、メインテナンス性、および金属製容器17の投入、取り出し作業の安全性を向上することができる。
【0183】
(第20の実施の形態:請求項19、請求項20に対応)
図20は、本実施の形態による廃棄物の分解装置の要部構成例を示す概要図であり、図1および図2と同一要素には同一符号を付してその説明を省略し、ここでは異なる部分についてのみ述べる。
【0184】
すなわち、本実施の形態では、前述した第1の実施の形態において、供給設備14として、図20に示すように、有機物27をプッシャー50により所定の大きさのほぼ球体とし、所定の投入間隔で無機酸化物18の溶融浴内に供給する構成としている。
【0185】
ここで、所定の投入間隔としては、Co,Mn等の放射性物質を発生しないような間隔、すなわちプッシャーで30ストローク/min、50〜250kg/hを処理する場合に、1.5〜2.5cmの球体を1分間に30個程度供給するようにしている。
【0186】
次に、以上のように構成した本実施の形態の廃棄物の分解装置においては、有機物27をプッシャー50により所定の大きさのほぼ球体とし、所定の投入間隔で無機酸化物18の溶融浴内に供給することにより、有機物27の熱分解により発生する分解ガスの発生量の一様化を図ると共に、分解速度の向上を図ることができる。
【0187】
(第21の実施の形態:請求項15、請求項16に対応)
図21は、本実施の形態による廃棄物の分解装置を一部含む要部構成例を示す概要図であり、図1および図2、図4および図5と同一要素には同一符号を付してその説明を省略し、ここでは異なる部分についてのみ述べる。
【0188】
すなわち、本実施の形態では、前述した第1または第2の実施の形態において、図21に示すように、金属製容器17として、金属製容器17内部の固化状態の無機酸化物18を再溶融するための再溶融手段である図示構成の熱体51を、上部から挿入可能な構成としている。
【0189】
ここで、再溶融手段の熱体51としては、鉄系の金属板(例えば、SUS板)を用いている。
【0190】
次に、以上のように構成した本実施の形態の廃棄物の分解装置においては、金属製容器17内部の固化状態の無機酸化物18を、再溶融手段である熱体51で再溶融することにより、金属製容器17内部の固化状態の無機酸化物18を再溶融することができる。
【0191】
これにより、例えば有機物の供給、分解処理が終了するまでに長い時間がかかって、金属製容器17内部の無機酸化物18が万が一固化状態となったような場合等に、極めて有効に対処することができる。
【0192】
(その他の実施の形態)
(a)前記各実施の形態では、原子力発電所等の原子力施設で発生する放射性物質を含む固体廃棄物を分解処理する場合について説明したが、これに限らず、その他の施設で発生する産業廃棄物を分解処理(例えば、PCB,DXN,薬物汚染物質を分解処理)する場合についても、本発明を前述の場合と同様に適用して同様の効果を得ることが可能である。
【0193】
(b)前記第1または第2の実施の形態に、前記第3乃至第21の各実施の形態の構成を適宜選択的に組み合わせて、トータルシステムとして本発明を実施することも可能である。
【0194】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の廃棄物の分解方法および装置によれば、廃棄物のうち無機酸化物となる不燃性廃棄物を溶解して形成させた溶融浴内に、廃棄物のうち有機物である可燃性廃棄物および難燃性廃棄物を供給して、無機酸化物と有機物とを混合接触させるようにしているので、無機酸化物の溶解熱を有効に利用して有機物の熱分解を行なうことが可能となる。
【0195】
また、無機酸化物と有機物の処理を一つの系内で行なうようにしているので、複数の処理機能を統合させることが可能となる。
【0196】
さらに、無機酸化物内で有機物の処理を行なうようにしているので、有機物の安定化処理も同時に実現させることが可能となる。
【0197】
以上により、設備コスト、運転コストの低減、ならびに設置スペースの低減を図ることができる。
【0198】
さらにまた、本発明の廃棄物の分解装置によれば、廃棄物の分解速度を向上させ、分解ガスを完全燃焼させて、廃棄物を1つの系内で効率よく分解・燃焼処理すると共に、有害物質の除去も行なうことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による廃棄物の分解方法および装置の第1の実施の形態を示す概要図。
【図2】同第1の実施の形態における廃棄物の分解処理性能を確認するために実施した試験設備の構成例を示す概要図。
【図3】図2に示した試験設備により実施した試験結果の一例を示す特性図。
【図4】本発明による廃棄物の分解方法および装置の第2の実施の形態を示す概要図。
【図5】同第2の実施の形態における廃棄物の分解処理性能を確認するために実施した試験設備の構成例を示す概要図。
【図6】本発明による廃棄物の分解装置の第3および第8の実施の形態を示す概要図。
【図7】本発明による廃棄物の分解装置の第4および第16の実施の形態を示す概要図。
【図8】本発明による廃棄物の分解装置の第4の実施の形態を示す概要図。
【図9】本発明による廃棄物の分解装置の第7および第10の実施の形態を示す概要図。
【図10】本発明による廃棄物の分解装置の第9の実施の形態を示す概要図。
【図11】本発明による廃棄物の分解装置の第11の実施の形態を示す概要図。
【図12】本発明による廃棄物の分解装置の第11の実施の形態を示す概要図。
【図13】本発明による廃棄物の分解装置の第12の実施の形態を示す概要図。
【図14】本発明による廃棄物の分解装置の第13の実施の形態を示す概要図。
【図15】本発明による廃棄物の分解装置の第14の実施の形態を示す概要図。
【図16】本発明による廃棄物の分解装置の第15の実施の形態を示す概要図。
【図17】本発明による廃棄物の分解装置の第17および第19の実施の形態を示す概要図。
【図18】本発明による廃棄物の分解装置の第18の実施の形態を示す概要図。
【図19】本発明による廃棄物の分解装置の第19の実施の形態を示す概要図。
【図20】本発明による廃棄物の分解装置の第20の実施の形態を示す概要図。
【図21】本発明による廃棄物の分解装置の第21の実施の形態を示す概要図。
【図22】従来の固体廃棄物の処理方法の流れを示す概要図。
【符号の説明】
11…可燃性廃棄物および難燃性廃棄物
12…細断・破砕機
13…空気供給設備
14…供給設備
15…分解処理炉
16…高周波電源
17…金属製容器
18…無機酸化物
19…バーナ
20…燃焼室
21…浄化設備
22…放出筒
23…セラミック容器
24…ホッパ
25…流量計
26…導入配管
27…有機廃棄物
28…ガス分析計(COモニター、HCモニター)
29…燃焼用空気供給設備
30…鉛系の金属板(SUS板)
31…メッシュ
32…フィン
33…減温器
33a…水スプレー
33b…弁
34…可燃性微粒子
35…グラフボディ
36…弁
37…弁
38…室内温度計
39…バグフィルター
40…送風機
41…ガス温度計
42…加熱ヒータ
43…未燃ガス濃度計
44…室内圧力計
45…コンピュータ
46…ノズル
47…噴出し体
48…ストッパー
49…容器吊具
49a…基材
49b…脚部
49c…爪部
49d…引張りワイヤ
50…プッシャー
51…熱体。

Claims (24)

  1. 施設で発生する廃棄物を分解処理する装置において、
    加熱手段により加熱された金属製容器の内部に、前記廃棄物のうち無機酸化物となる不燃性廃棄物を溶解して形成させた溶融浴を保有してなる分解処理炉と、
    前記金属製容器の内部の無機酸化物の溶融浴を攪拌させる攪拌手段と、
    前記廃棄物のうち有機物である可燃性廃棄物および難燃性廃棄物を供給媒体と共に前記分解処理炉に供給して、前記金属製容器の底部から無機酸化物の溶融浴内に導入する供給手段とを備え、
    前記分解処理炉で無機酸化物と有機物とを混合接触させることにより、前記無機酸化物の溶融浴の熱を利用して前記有機物を熱分解するようにし、
    前記有機物の熱分解によって前記無機酸化物の溶融浴から放出される可燃性ガスを燃焼させる燃焼室の内壁面を、鉄系の金属板で覆ったことを特徴とする廃棄物の分解装置。
  2. 施設で発生する廃棄物を分解処理する装置において、
    加熱手段により加熱された金属製容器の内部に、前記廃棄物のうち無機酸化物となる不燃性廃棄物を溶解して形成させた溶融浴を保有してなる分解処理炉と、
    前記金属製容器の内部の無機酸化物の溶融浴を攪拌させる攪拌手段と、
    前記廃棄物のうち有機物である可燃性廃棄物および難燃性廃棄物を供給媒体と共に前記分解処理炉に供給して、前記金属製容器の底部から無機酸化物の溶融浴内に導入する供給手段とを備え、
    前記分解処理炉で無機酸化物と有機物とを混合接触させることにより、前記無機酸化物の溶融浴の熱を利用して前記有機物を熱分解するようにし、
    前記金属製容器の内部に、前記無機酸化物の溶融浴内のCo,Mn等の放射性物質を捕集するメッシュまたはフィンからなる放射性物質捕集手段を少なくとも1つ設けたことを特徴とする廃棄物の分解装置。
  3. 施設で発生する廃棄物を分解処理する装置において、
    加熱手段により加熱された金属製容器の内部に、前記廃棄物のうち無機酸化物となる不燃性廃棄物を溶解して形成させた溶融浴を保有してなる分解処理炉と、
    前記金属製容器の内部の無機酸化物の溶融浴を攪拌させる攪拌手段と、
    前記廃棄物のうち有機物である可燃性廃棄物および難燃性廃棄物を供給媒体と共に前記分解処理炉に供給して、前記金属製容器の底部から無機酸化物の溶融浴内に導入する供給手段とを備え、
    前記分解処理炉で無機酸化物と有機物とを混合接触させることにより、前記無機酸化物の溶融浴の熱を利用して前記有機物を熱分解するようにし、
    前記金属製容器内部の無機酸化物の溶融浴内にCaO,Na等の脱塩剤を投入する脱塩剤投入手段を備えたことを特徴とする廃棄物の分解装置。
  4. 施設で発生する廃棄物を分解処理する装置において、
    加熱手段により加熱された金属製容器の内部に、前記廃棄物のうち無機酸化物となる不燃性廃棄物を溶解して形成させた溶融浴を保有してなる分解処理炉と、
    前記金属製容器の内部の無機酸化物の溶融浴を攪拌させる攪拌手段と、
    前記廃棄物のうち有機物である可燃性廃棄物および難燃性廃棄物を供給媒体と共に前記分解処理炉に供給して、前記金属製容器の底部から無機酸化物の溶融浴内に導入する供給手段とを備え、
    前記分解処理炉で無機酸化物と有機物とを混合接触させることにより、前記無機酸化物の溶融浴の熱を利用して前記有機物を熱分解するようにし、
    前記金属製容器内部の無機酸化物の溶融浴内にSi0等の酸性酸化物を投入する酸性酸化物投入手段を備えたことを特徴とする廃棄物の分解装置。
  5. 施設で発生する廃棄物を分解処理する装置において、
    加熱手段により加熱された金属製容器の内部に、前記廃棄物のうち無機酸化物となる不燃性廃棄物を溶解して形成させた溶融浴を保有してなる分解処理炉と、
    前記金属製容器の内部の無機酸化物の溶融浴を攪拌させる攪拌手段と、
    前記廃棄物のうち有機物である可燃性廃棄物および難燃性廃棄物を供給媒体と共に前記分解処理炉に供給して、前記金属製容器の底部から無機酸化物の溶融浴内に導入する供給手段とを備え、
    前記分解処理炉で無機酸化物と有機物とを混合接触させることにより、前記無機酸化物の溶融浴の熱を利用して前記有機物を熱分解するようにし、
    前記有機物の熱分解によって前記無機酸化物の溶融浴から放出される可燃性ガスを燃焼させる燃焼室の下流側に、当該燃焼室からの燃焼排ガスを急冷する減温手段を設けたことを特徴とする廃棄物の分解装置。
  6. 前記請求項5に記載の廃棄物の分解装置において、
    前記減温手段としては、燃焼室からの燃焼排ガスを冷却水が導入される水スプレーにて急冷するものとし、必要に応じて前記水スプレー中に苛性ソーダ,生石灰等の脱硫・脱塩剤を加えるようにしたことを特徴とする廃棄物の分解装置。
  7. 施設で発生する廃棄物を分解処理する装置において、
    加熱手段により加熱された金属製容器の内部に、前記廃棄物のうち無機酸化物となる不燃性廃棄物を溶解して形成させた溶融浴を保有してなる分解処理炉と、
    前記金属製容器の内部の無機酸化物の溶融浴を攪拌させる攪拌手段と、
    前記廃棄物のうち有機物である可燃性廃棄物および難燃性廃棄物を供給媒体と共に前記分解処理炉に供給して、前記金属製容器の底部から無機酸化物の溶融浴内に導入する供給手段とを備え、
    前記分解処理炉で無機酸化物と有機物とを混合接触させることにより、前記無機酸化物の溶融浴の熱を利用して前記有機物を熱分解するようにし、
    前記有機物の熱分解によって前記無機酸化物の溶融浴から放出される可燃性ガスを燃焼させる燃焼室の内部に、前記可燃性ガスおよび可燃性微粒子の流れを特定方向に偏向する偏向手段を設けたことを特徴とする廃棄物の分解装置。
  8. 施設で発生する廃棄物を分解処理する装置において、
    加熱手段により加熱された金属製容器の内部に、前記廃棄物のうち無機酸化物となる不燃性廃棄物を溶解して形成させた溶融浴を保有してなる分解処理炉と、
    前記金属製容器の内部の無機酸化物の溶融浴を攪拌させる攪拌手段と、
    前記廃棄物のうち有機物である可燃性廃棄物および難燃性廃棄物を供給媒体と共に前記分解処理炉に供給して、前記金属製容器の底部から無機酸化物の溶融浴内に導入する供給手段とを備え、
    前記分解処理炉で無機酸化物と有機物とを混合接触させることにより、前記無機酸化物の溶融浴の熱を利用して前記有機物を熱分解するようにし、
    前記金属製容器の上部の直径を小さくしたことを特徴とする廃棄物の分解装置。
  9. 施設で発生する廃棄物を分解処理する装置において、
    加熱手段により加熱された金属製容器の内部に、前記廃棄物のうち無機酸化物となる不燃性廃棄物を溶解して形成させた溶融浴を保有してなる分解処理炉と、
    前記金属製容器の内部の無機酸化物の溶融浴を攪拌させる攪拌手段と、
    前記廃棄物のうち有機物である可燃性廃棄物および難燃性廃棄物を供給媒体と共に前記分解処理炉に供給して、前記金属製容器の底部から無機酸化物の溶融浴内に導入する供給手段とを備え、
    前記分解処理炉で無機酸化物と有機物とを混合接触させることにより、前記無機酸化物の溶融浴の熱を利用して前記有機物を熱分解するようにし、
    前記有機物の熱分解によって前記無機酸化物の溶融浴から放出される可燃性ガスを燃焼させる燃焼室に設けられ、燃料ガスが供給されて燃焼用空気と共に燃焼を行なうバーナーと、
    前記燃焼室の室内温度を計測する室内温度計測手段と、
    前記室内温度計測手段により計測された室内温度が所定温度となるように、前記バーナーの燃焼量を制御する制御手段と、
    を備えたことを特徴とする廃棄物の分解装置。
  10. 前記請求項5または請求項6に記載の廃棄物の分解装置において、
    前記減温手段の下流側に設けられたバグフィルターおよび送風機と、
    前記減温手段から前記バグフィルターに導入されるガス温度を計測するガス温度計測手段と、
    前記ガス温度計測手段により計測されたガス温度が前記バグフィルターの耐熱温度を上回らないように、前記減温手段の水スプレー流量を制御する制御手段と、
    を備えたことを特徴とする廃棄物の分解装置。
  11. 施設で発生する廃棄物を分解処理する装置において、
    加熱手段により加熱された金属製容器の内部に、前記廃棄物のうち無機酸化物となる不燃性廃棄物を溶解して形成させた溶融浴を保有してなる分解処理炉と、
    前記金属製容器の内部の無機酸化物の溶融浴を攪拌させる攪拌手段と、
    前記廃棄物のうち有機物である可燃性廃棄物および難燃性廃棄物を供給媒体と共に前記分解処理炉に供給して、前記金属製容器の底部から無機酸化物の溶融浴内に導入する供給手段とを備え、
    前記分解処理炉で無機酸化物と有機物とを混合接触させることにより、前記無機酸化物の溶融浴の熱を利用して前記有機物を熱分解するようにし、
    前記有機物の熱分解によって前記無機酸化物の溶融浴から放出される可燃性ガスを燃焼させる燃焼室に設けられ、燃料ガスが供給されて燃焼用空気と共に燃焼を行なうバーナーと、
    前記燃焼用空気を加熱する加熱ヒータと、
    前記燃焼室からの燃焼排ガス中のCO等の未燃ガス濃度を計測する未燃ガス濃度計測手段と、
    前記未燃ガス濃度計測手段により計測された未燃ガス濃度に基づいて、前記燃焼用空気量、前記バーナーの燃焼量、前記加熱ヒータの加熱量をそれぞれ制御する制御手段と、
    を備えたことを特徴とする廃棄物の分解装置。
  12. 施設で発生する廃棄物を分解処理する装置において、
    加熱手段により加熱された金属製容器の内部に、前記廃棄物のうち無機酸化物となる不燃性廃棄物を溶解して形成させた溶融浴を保有してなる分解処理炉と、
    前記金属製容器の内部の無機酸化物の溶融浴を攪拌させる攪拌手段と、
    前記廃棄物のうち有機物である可燃性廃棄物および難燃性廃棄物を供給媒体と共に前記分解処理炉に供給して、前記金属製容器の底部から無機酸化物の溶融浴内に導入する供給手段とを備え、
    前記分解処理炉で無機酸化物と有機物とを混合接触させることにより、前記無機酸化物の溶融浴の熱を利用して前記有機物を熱分解するようにし、
    前記減温手段の下流側に設けられたバグフィルターおよび送風機と、
    前記燃焼室の室内圧力を計測する室内圧力計測手段と、
    前記室内圧力計測手段により計測された室内圧力が負圧となるように、前記送風機の流量を制御する制御手段と、
    を備えたことを特徴とする廃棄物の分解装置。
  13. 前記請求項9または請求項11に記載の廃棄物の分解装置において、
    前記燃焼用空気中の酸素濃度を高くしたことを特徴とする廃棄物の分解装置。
  14. 施設で発生する廃棄物を分解処理する装置において、
    加熱手段により加熱された金属製容器の内部に、前記廃棄物のうち無機酸化物となる不燃性廃棄物を溶解して形成させた溶融浴を保有してなる分解処理炉と、
    前記金属製容器の内部の無機酸化物の溶融浴を攪拌させる攪拌手段と、
    前記廃棄物のうち有機物である可燃性廃棄物および難燃性廃棄物を供給媒体と共に前記分解処理炉に供給して、前記金属製容器の底部から無機酸化物の溶融浴内に導入する供給手段とを備え、
    前記分解処理炉で無機酸化物と有機物とを混合接触させることにより、前記無機酸化物の溶融浴の熱を利用して前記有機物を熱分解するようにし、
    前記金属製容器としては、その内壁に当該金属製容器を吊るための複数のストッパーを設けたものとし、
    支点を中心として回動により開脚自在に構成され、それぞれの脚部の一端側に前記ストッパーに当接する爪部が形成されると共に、それぞれの脚部の他端側に引張りワイヤが繋がれた容器吊具を備え、
    前記容器吊具の爪部を前記金属製容器のストッパーに引っ掛けて当該金属製容器を吊り下げた状態で、前記金属製容器を分解処理炉への投入、または取り出しを行なうようにしたことを特徴とする廃棄物の分解装置。
  15. 施設で発生する廃棄物を分解処理する装置において、
    加熱手段により加熱された金属製容器の内部に、前記廃棄物のうち無機酸化物となる不燃性廃棄物を溶解して形成させた溶融浴を保有してなる分解処理炉と、
    前記金属製容器の内部の無機酸化物の溶融浴を攪拌させる攪拌手段と、
    前記廃棄物のうち有機物である可燃性廃棄物および難燃性廃棄物を供給媒体と共に前記分解処理炉に供給して、前記金属製容器の底部から無機酸化物の溶融浴内に導入する供給手段とを備え、
    前記分解処理炉で無機酸化物と有機物とを混合接触させることにより、前記無機酸化物の溶融浴の熱を利用して前記有機物を熱分解するようにし、
    前記金属製容器としては、当該金属製容器内部の固化状態の無機酸化物を再溶融するための熱体からなる再溶融手段を上部から挿入可能な構成としたことを特徴とする廃棄物の分解装置。
  16. 前記請求項15に記載の廃棄物の分解装置において、
    前記再溶融手段の熱体としては、鉄系の金属板を用いたことを特徴とする廃棄物の分解装置。
  17. 前記請求項1から請求項16のいずれか1項に記載の廃棄物の分解装置において、
    前記供給手段としては、有機物である可燃性廃棄物および難燃性廃棄物をプッシャーにより所定の大きさのほぼ球体とし、所定の投入間隔で前記無機酸化物の溶融浴内に供給するようにしたことを特徴とする廃棄物の分解装置。
  18. 前記請求項17に記載の廃棄物の分解装置において、
    前記所定の投入間隔としては、Co,Mn等の放射性物質を発生しないような間隔としたことを特徴とする廃棄物の分解装置。
  19. 前記請求項1から請求項16のいずれか1項に記載の廃棄物の分解装置において、
    前記攪拌手段としては、前記金属製容器内部の無機酸化物の溶融浴に少なくとも1個のノズルにより攪拌用空気を前記金属製容器の底部から供給して溶融浴を攪拌させるものとしたことを特徴とする廃棄物の分解装置。
  20. 前記請求項1から請求項16のいずれか1項に記載の廃棄物の分解装置において、
    前記攪拌手段としては、3個のノズルを前記金属製容器の軸線を中心としてほぼ対称となるように配置し、旋回方式で旋回流(遠心力場)を形成させるものとしたことを特徴とする廃棄物の分解装置。
  21. 前記請求項1から請求項16のいずれか1項に記載の廃棄物の分解装置において、
    前記攪拌手段としては、前記金属製容器内部の無機酸化物の溶融浴に攪拌用空気を前記金属製容器の上部から供給して溶融浴を攪拌させるものとしたことを特徴とする廃棄物の分解装置。
  22. 前記請求項1から請求項16のいずれか1項に記載の廃棄物の分解装置において、
    前記攪拌手段としては、前記金属製容器内部の無機酸化物の溶融浴に別のノズルにより 攪拌用空気を前記金属製容器の上部からも供給して溶融浴を攪拌させるものとしたことを特徴とする廃棄物の分解装置。
  23. 前記請求項1から請求項16のいずれか1項に記載の廃棄物の分解装置において、
    前記攪拌手段としては、前記金属製容器内部の無機酸化物の溶融浴に攪拌用空気を供給して溶融浴を攪拌させるものとし、
    前記金属製容器の内部に、前記攪拌手段により発生する気泡を小さくするメッシュを設けたことを特徴とする廃棄物の分解装置。
  24. 前記請求項1から請求項16のいずれか1項に記載の廃棄物の分解装置において、
    前記金属製容器としては、その上部を複数に分割したものとしたことを特徴とする廃棄物の分解装置。
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