JP6561377B2 - 廃棄物処理システム - Google Patents
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Description
この際、ガス冷却設備に堆積する灰や、排ガス処理設備にて除かれた灰は、放射性物質を含む廃棄物として、例えば、公共の水域及び地下水と完全に遮断される遮断型処分場などに送られる(例えば、特許文献1参照)。
高いコストが必要であるため、処理量の低減が望まれている。
即ち、第二の微粒子と同じコストの高い処理を行うことなく、第一の微粒子の処理を行うことができるため、廃棄物の処理コストを低減することができる。
以下、本発明の第一実施形態の廃棄物処理プラント(廃棄物処理システム)について図面を参照して詳細に説明する。本実施形態の廃棄物処理プラントは、放射性セシウムなどの放射性物質を含む廃棄物を処理するシステムである。
焼却設備2とガス冷却設備3とは、第一排ガスライン9によって接続されている。第一排ガスライン9には、焼却設備2にて発生した排ガスE1及び排ガスE1に含まれる灰(以下、飛灰)が導入される。
ガス冷却設備3と排ガス処理設備4とは第二排ガスライン10(接続ライン)によって接続されている。第二排ガスライン10には、ガス冷却設備3から排出される排ガスE2及び排ガスE2に含まれる飛灰が導入される。
上述したように、本実施形態の廃棄物処理プラント1にて処理される廃棄物Wは、放射性セシウムを含む廃棄物である。高温処理によって、放射性セシウムは、主灰Aに残留する形態と、排ガスE1に含まれる飛灰に付着する形態があり、飛灰側の放射性物質濃度が高くなる傾向がある。
焼却設備2と主灰回収設備6とは、主灰搬送ライン11によって接続されている。即ち、焼却設備2より排出される主灰A1は、主灰搬送ライン11を介して主灰回収設備6に導入される。主灰搬送ライン11は、例えば、コンベアである。
主灰A1には、排ガスE1側に移動しなかった放射性セシウムが含まれる。しかしながら、上述のとおり、高温処理によって、放射性セシウムは排ガスE1とともに焼却設備2から排出された結果、主灰A1の放射性物質濃度は低く、かつ溶出し難い形態になるため、主灰回収設備6にて処理することができる。
噴霧ノズル13は、噴霧された液体が完全に蒸発するように、最適化されている。
なお、上記液体は、基本的には水であるが、廃棄用の液体(水以外)が容易に入手可能であって当該液体として利用可能な場合は、これを用いてもよい。また、放射性物質濃度の調整を意図して水以外の液体を用いることもありうる。
排ガス処理設備4にて除かれた飛灰A3は、飛灰回収設備7に送られる。飛灰回収設備7は、例えば、遮断型の埋め立て処分場などで構成される、国が指定する中間貯蔵施設であり、放射性セシウムが含まれている飛灰A3を、放射性セシウムが漏れ出ないように埋め立てる設備である。遮断型処分場は、公共の水域及び地下水と完全に遮断される処分場であり、主灰A1が回収される主灰回収設備6と比較して処理に高い費用が必要となる。
発明者らは、廃棄物高温処理設備における灰の放射性物質濃度には分布があり、図2に示すように、粒径が大きい灰(主に主灰)は放射性物質濃度が低く、粒径が小さい灰(主に飛灰)は放射性物質濃度が高い特徴を見出した。
図2から明らかなように、主灰A1は粒径の大きい灰であり、排ガス処理設備4にて回収される飛灰A3は、粒径が小さい。ガス冷却灰A2は、主灰A1よりも粒径は小さいが、排ガス処理設備4にて回収される飛灰A3よりも粒径は大きい。
閾値Xは、例えば、国によって定められた廃棄物の処理基準によって決められている。閾値Xは、例えば、10万ベクレル/kgである。閾値Xの灰を低放射性物質廃棄物として処理すべきか、又は、高放射性物質廃棄物として処理すべきかは、当該処理基準によって定められる。
この知見に基づき、本実施形態の廃棄物処理プラント1は、ガス冷却設備3から排出されるガス冷却灰A2を主灰回収設備6に送るガス冷却灰搬送ライン12を備えている。即ち、ガス冷却設備3にて回収されるガス冷却灰A2は、ガス冷却灰搬送ライン12を介して、主灰回収設備6に導入されて、主灰A1に合流して主灰回収設備6で処理される。
以下、本発明の第二実施形態の廃棄物処理プラントについて図面を参照して詳細に説明する。なお、本実施形態では、上述した第一実施形態との相違点を中心に述べ、同様の部分についてはその説明を省略する。
図3に示すように、本実施形態の廃棄物処理プラントのガス冷却設備3Bは、ケーシング16と、ケーシング16の上部に設けられている排ガス導入口19と、ケーシング16の下部に設けられている排ガス排出口20と、排ガスE1に液体(例えば、水)を噴霧して冷却する噴霧ノズル13と、ケーシング16の内部の下部に設けられて液体(例えば、水)を噴出する洗浄ノズル21と、を有している。これら液体は、基本的には水であるが、第一実施形態で述べたと同様の液体を用いてもよい。
排ガス導入口19は、ケーシング本体部17の上端近傍に形成されている。排ガス導入口19は、第一排ガスライン9のガス冷却設備3側の開口である。排ガス排出口20は、ケーシング本体部17の下端近傍に形成されている。排ガス排出口20は、第二排ガスライン10のガス冷却設備3側の開口である。
洗浄ノズル21は、洗浄ノズル21から噴出された水が排ガスE1にかからないように指向されている。洗浄ノズル21は、ガス冷却設備3のケーシング16内に導入されて第二排ガスライン10に排出される排ガスE1の冷却には影響を与えない高さに設置されている。洗浄ノズル21から噴出される水は、霧状ではなく、液状である。
ガス冷却設備3は、第一排ガスライン9を介してケーシング16に導入された排ガスE1には、噴霧ノズル13から噴霧される水粒子がかかるものの、洗浄ノズル21から噴出される液滴はかからないように構成されている。
ガス冷却設備3のケーシング16に導入された飛灰を含む排ガスE1は、噴霧ノズル13から噴霧された水粒子によって冷却される。一方、排ガスE1に含まれる比較的粒径の大きい灰は、第二排ガスライン10に導入されることなく、ガス冷却灰A2として下方に落下する。
ここで、ガス冷却灰A2には、洗浄ノズル21から噴出された水がかけられる。洗浄ノズル21から噴出された液滴によって、ガス冷却灰A2がガス冷却設備3の下方に配置された灰排出部14へ落とされる。落とされたガス冷却灰A2は、洗浄ノズル21から噴出された液滴によって、灰排出部14からガス冷却灰搬送ライン12への排出が促される。
また、ガス冷却灰A2に含まれる放射性セシウムの一部は、水側に移行する。
以下、本発明の第三実施形態の廃棄物処理プラントについて図面を参照して詳細に説明する。なお、本実施形態では、上述した第二実施形態との相違点を中心に述べ、同様の部分についてはその説明を省略する。
図4に示すように、本実施形態のガス冷却設備3Cは、灰貯留部18に貯留された灰の放射性物質濃度を測定する放射性物質濃度測定装置23と、ガス冷却灰搬送ライン12から分岐する分岐ライン24と、分岐ライン24の下流側に接続された飛灰回収装置25と、を備えている。
飛灰回収装置25は、放射性物質濃度が高い灰を回収可能なコンテナであり、飛灰回収設備7まで搬送することによって、飛灰を高い放射性物質濃度である特別な廃棄物として処理することができる。
制御装置22は、例えば上述した国の処理基準において閾値Xの灰を高放射線量廃棄物として処理すべきと定めている場合、ガス冷却灰A2の放射性物質濃度が、閾値X以上か、閾値Xより小さいかによって分岐装置27を制御する。
本実施形態の廃棄物処理プラントの制御方法は、灰貯留部18に貯留されたガス冷却灰A2の放射性物質濃度を測定する放射性物質濃度測定ステップS1と、放射性物質濃度測定ステップS1にて測定された放射性物質濃度に応じて分岐装置27を制御する分岐装置制御ステップS2と、放射性物質濃度が閾値Xより小さい場合にガス冷却灰A2を主灰回収設備6に送る搬送ステップS3と、放射性物質濃度が閾値X以上だった場合にガス冷却灰A2を飛灰回収装置25に送る飛灰回収ステップS4と、を有する。
ガス冷却設備3Cのケーシング16に排ガスE1が導入されると、排ガスE1に含まれる比較的粒径の大きい灰は、ガス冷却灰A2として下方に落下して灰貯留部18に貯留する。
ガス冷却灰A2の放射性物質濃度が閾値X以上だった場合、飛灰回収ステップS4として、ガス冷却灰A2を主灰回収設備6に送らずに飛灰回収装置25に送るように分岐装置27を制御する。飛灰回収装置25に送られたガス冷却灰A2は、飛灰回収装置25にて適切に処理される。
例えば、廃棄物処理プラントには、上記した設備のみならず、排ガスを処理するための様々な設備を追加することができる。
2 焼却設備
3,3B,3C ガス冷却設備
4 排ガス処理設備
5 煙突
6 主灰回収設備
7 飛灰回収設備
9 第一排ガスライン
10 第二排ガスライン(接続ライン)
11 主灰搬送ライン
12 ガス冷却灰搬送ライン(搬送ライン)
13 噴霧ノズル
14 灰排出部(排出部)
16 ケーシング
17 ケーシング本体部
18 灰貯留部
19 排ガス導入口
20 排ガス排出口
21 洗浄ノズル
22 制御装置
23 放射性物質濃度測定装置
24 分岐ライン
25 飛灰回収装置
26 分岐部
27 分岐装置
A1 主灰(処理物)
A2 ガス冷却灰(第一の微粒子)
A3 飛灰(第二の微粒子)
E1,E2,E3 排ガス
W 廃棄物
Claims (3)
- 放射性セシウムを含む廃棄物を高温処理することによって、主灰と、排ガスと、前記排ガスに含まれる微粒子と、を生成する高温処理設備と、
前記高温処理設備から排出された前記排ガスに液体を噴霧することによって前記排ガスを冷却するとともに前記排ガスから第一の微粒子を分離するガス冷却設備と、
前記ガス冷却設備で冷却された前記排ガスから第二の微粒子を分離する排ガス処理設備と、
前記ガス冷却設備で前記排ガスから分離した前記第一の微粒子と前記ガス冷却設備で冷却された前記排ガスから前記排ガス処理設備で分離した前記第二の微粒子とのうち、前記第一の微粒子を前記高温処理設備の前記主灰へ合流させる搬送ラインと、
前記主灰及び前記搬送ラインを介して前記主灰に合流した前記第一の微粒子を回収する主灰回収設備と、
を備える廃棄物処理システム。 - 前記ガス冷却設備と前記排ガス処理設備とを接続する接続ラインと、
前記ガス冷却設備の内部であって前記接続ラインにおける前記ガス冷却設備側の開口と同じ高さ又は前記開口よりも下側の位置に設けられ、前記排ガス中の前記第一の微粒子の排出を促す液体を噴出する洗浄ノズルと、
を備える請求項1に記載の廃棄物処理システム。 - 前記ガス冷却設備にて分離された前記第一の微粒子の放射性物質濃度を測定する放射性物質濃度測定装置と、
前記第一の微粒子を回収可能な回収装置と、
前記第一の微粒子を前記搬送ラインに導く第一形態と、前記第一の微粒子を前記回収装置に導く第二形態とを選択することができる分岐装置と、
前記放射性物質濃度が閾値よりも高い場合に前記第一の微粒子を前記回収装置に導き、前記放射性物質濃度が閾値よりも低い場合に前記第一の微粒子を前記搬送ラインに導くように前記分岐装置を制御する制御装置と、
を備える請求項2に記載の廃棄物処理システム。
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