JP2002349836A - 廃棄物焼却灰の溶融方法および溶融装置 - Google Patents

廃棄物焼却灰の溶融方法および溶融装置

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JP2002349836A JP2001157290A JP2001157290A JP2002349836A JP 2002349836 A JP2002349836 A JP 2002349836A JP 2001157290 A JP2001157290 A JP 2001157290A JP 2001157290 A JP2001157290 A JP 2001157290A JP 2002349836 A JP2002349836 A JP 2002349836A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 焼却灰の飛散を防いで溶融炉の壁部や天井部
の浸食を抑制し、これによって燃料の消費を削減する。 【解決手段】 溶融状態のスラグSを保持する溶融炉1
1の壁部11c,11fに、この溶融炉11内のスラグ
Sの表面に廃棄物焼却灰Aを供給する供給口24と、溶
融炉11内にバーナーフレームTを噴射するバーナー2
6とを備え、供給口24の中心を溶融炉11内における
バーナーフレームTの中心線Pの高さよりも下方に位置
させることにより、溶融炉11において溶融状態のスラ
グSを保持しつつ、溶融炉11内のスラグSの表面に廃
棄物焼却灰Aを供給し、このスラグS表面の廃棄物焼却
灰Aを避けるようにバーナーフレームTを溶融炉11内
に噴射して廃棄物焼却灰Aを溶融する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、都市ゴミや下水汚
泥、産業廃棄物等の廃棄物を焼却した廃棄物焼却灰を、
減容化、無害化、あるいは再資源化のために溶融して処
理するための廃棄物焼却灰の溶融方法および溶融装置に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】都市ゴミや下水汚泥、産業廃棄物等の廃
棄物を焼却処理した廃棄物の焼却灰については、近年の
埋め立て処分地の逼迫からその減容化を図ったり、また
埋め立てられた焼却灰からのダイオキシン類や有害重金
属の溶出を防いで無害化したりする目的で、これを溶融
して処理することが図られている。さらに、こうして溶
融した廃棄物焼却灰の溶融スラグは、これを結晶化して
石材化したりすることにより、骨材等の建築資材として
再資源化が可能となる。
【0003】ここで、図12および図13は、このよう
な廃棄物焼却灰の溶融を行うための従来の溶融装置を示
すものである。この溶融装置において溶融炉1は耐火材
2によって略箱形に形成され、その長手方向(図13に
おいて左右方向)の一端側(図13において左側)の壁
部の幅方向(図12においては左右方向、図13におい
ては上下方向)中央部には廃棄物焼却灰の供給口3が設
けられるとともに、長手方向他端側(図13において右
側)の壁部の幅方向中央部には溶融した焼却灰のスラグ
Sを排出する出滓口4が設けられている。また、この溶
融炉1の天井部には、やはりその幅方向中央部に2つの
バーナー座5,5が長手方向に間隔をあけて設けられて
おり、これらのバーナー座5,5に取り付けられた図示
されないバーナーから溶融炉1内に垂直下向きに噴射さ
せられるバーナーフレーム(火炎)により、上記供給口
3から供給されてスラグSの表面に分散した焼却灰が直
接に加熱されて溶融されるようになされている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、このような
従来の溶融炉1においては、供給口3から溶融炉1内に
供給されてスラグS表面に分散した焼却灰が、上記バー
ナーから垂直下向きに噴射させられたバーナーフレーム
によって溶融しながら飛散してしまって溶融炉1内の壁
部や天井部に付着し、かかる廃棄物焼却灰の溶融物によ
って壁部や天井部を形成する耐火材2が大きく浸食され
てしまうという問題が生じる。そこで、この従来の溶融
炉1では、このような耐火材2の浸食を抑えるために、
図12および図13に示すように焼却灰の飛散による付
着が生じることのない炉床部を除いて溶融炉1の壁部お
よび天井部の外周全体を水冷ジャケット6によって覆っ
て間接水冷構造としているが、このように溶融炉1の壁
部および天井部全体を間接水冷構造として冷却すると炉
内の温度は低下してしまうため、上記バーナーフレーム
として燃焼させられる燃料の使用量を増加させなければ
炉内に供給された焼却灰の確実な溶融を行うことができ
なくなり、エネルギーコストの増大を招く結果となって
いた。
【0005】本発明は、このような背景の下になされた
もので、焼却灰の飛散を防いで溶融炉の壁部や天井部の
浸食を抑制し、これによって燃料の消費を削減すること
が可能な低コスト・省エネルギーの廃棄物焼却灰の溶融
方法および溶融装置を提供することを提供することを目
的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決して、こ
のような目的を達成するために、本発明の溶融方法は、
溶融炉において溶融状態のスラグを保持しつつ、該溶融
炉内の上記スラグの表面に廃棄物焼却灰を供給し、この
スラグ表面の廃棄物焼却灰を避けるようにバーナーフレ
ームを上記溶融炉内に噴射して該廃棄物焼却灰を溶融す
ることを特徴とする。従って、このような溶融方法によ
れば、スラグ表面に供給された廃棄物焼却灰は、バーナ
ーフレームに直接晒されて飛散したりすることがなく、
このスラグからの伝熱と、上記バーナーフレームおよび
これによって加熱された壁部や天井部からの輻射熱によ
って溶融させられる。このため、従来のように廃棄物焼
却灰が溶融しながら飛散して壁部や天井部に付着するこ
とにより浸食が生じることがなく、従ってこれら壁部や
天井部の全体を間接水冷構造とする必要もないので、少
ない燃料使用量で炉内温度を高温に維持することができ
る。
【0007】また、本発明の溶融装置は、このような溶
融方法を可能としうるものであって、溶融状態のスラグ
を保持する溶融炉の壁部に、この溶融炉内の上記スラグ
の表面に廃棄物焼却灰を供給する供給口と、該溶融炉内
にバーナーフレームを噴射するバーナーとを備え、上記
供給口の中心が上記溶融炉内におけるバーナーフレーム
中心線の高さよりも下方に位置させられていることを特
徴とするものであり、このような構成を採ることによ
り、溶融炉内に噴射させられるバーナーフレームの中心
線は、上記供給口からスラグ表面に供給される焼却灰よ
りも常に上方に位置することとなるため、このバーナー
フレームに焼却灰が直接晒されることがなく、すなわち
バーナーフレームが焼却灰を避けるように溶融炉内に噴
射させられることとなる。しかも、焼却灰が炉内に投入
されてから溶融していく過程では、先ず投入された焼却
灰の表面部分が輻射熱により焼結した状態となって飛散
を一層防止する役割を果たし、その後にこの焼却灰が炉
内にさらに進むことにより高温部に達して溶融し、溶融
スラグ中に拡散しながら脱泡して均質化していく。ま
た、このような溶融装置においてその溶融炉の上記壁部
は、上述のようにその全体が間接水冷構造とされる必要
はなく、溶融炉内に保持された廃棄物焼却灰の溶融スラ
グのうち最も高温となって浸食性の高い上記スラグの表
面レベルに沿った部分のみが間接水冷構造とされていれ
ばよい。
【0008】
【発明の実施の形態】図1ないし図4は、本発明の溶融
装置の第1の実施形態を示すものである。このうち図1
において符号11で示すのは、廃棄物焼却灰Aを溶融し
た溶融状態のスラグSを保持する溶融炉であり、以下、
符号12で示すのは、この溶融炉11に溶融すべき上記
廃棄物焼却灰A、またはこの焼却灰Aに可燃性廃棄物や
可燃物の炭化物のような可燃性固形物Bを混合したもの
を供給するスクリュウフィーダ式の供給機であり、符号
13は、このように廃棄物焼却灰Aと可燃性固形物Bと
の混合物を供給する場合においてこれら混合する混合機
であり、符号14は溶融炉11に燃焼用の酸素含有ガス
(高酸素濃度)Cを供給するためのPSA酸素発生装置
である。一方、符号15は、溶融炉11から排出された
上記スラグAを冷却するためのスラグ冷却器であり、符
号16〜20は溶融炉11からの排気を処理するための
設備であって、符号16は排ガス冷却塔等のガス冷却
器、符号17はバグフィルター等の集塵機、符号18は
触媒反応塔、符号19は誘引ファン、符号20は排気中
の溶融飛灰の重金属を安定化する飛灰安定化装置であ
る。
【0009】上記溶融炉11は、図2ないし図4に示す
ように炉床部11a、断面略円弧状とされた天井部11
b、および4つの壁部11c〜11fによって概略直方
体の箱形に形成されており、これらはいずれも内側が高
耐火度耐火材11Aとされるとともに外側が耐熱耐火材
11Bとされている。このうち炉床部11aには、該溶
融炉11の長手方向(図2および図3において左右方
向)の一端側(図2および図3において右側)寄りに、
堰21が当該溶融炉11の幅方向(図2では上下方向、
図3では左右方向)に亙って立設されているとともに、
この堰21の頂部の上記幅方向中央部には樋状の溶融ス
ラグ排出溝21aが上記長手方向に亙って形成されてお
り、また堰21と上記壁部11cとの間の部分では炉床
部11aが開口させられていて、この開口部が上記スラ
グ冷却器15へのスラグSの排出口22とされている。
さらに、この一端側の壁部11c下方の上記堰21の頂
部よりも低い位置には、溶融炉11内の排気を上記ガス
冷却器16に排出する排気口23が、排出口22内に開
口して上記長手方向一端側に延びるように設けられてい
る。
【0010】一方、この一端側の壁部11cに対向する
溶融炉11の長手方向他端側(図2および図3において
左側)の壁部11dには、その上記幅方向略中央部に、
上記堰21の頂部よりも高く、しかしながら溶融炉11
内に保持されるスラグSの表面よりも300mm未満の高
さとなる位置に、上記供給機12に接続されて溶融炉1
1内の上記スラグS表面に廃棄物焼却灰Aを供給する供
給口24が、本実施形態では断面円形をなしてその中心
線Oが上記長手方向に水平に延びるように形成されて開
口させられている。そして、さらにこれらの壁部11
c,11d以外の上記長手方向に延びる一対の壁部11
e,11fには、やはり断面円形をなすバーナー座25
が上記長手方向に直交する平面に沿って延びるように、
すなわち平面視において図2に示すように供給口24の
上記中心線Oに直交する方向に延びるようにそれぞれ形
成されており、これらのバーナー座25,25には、例
えば灯油のような液体燃料Dを上記PSA酸素発生装置
14において発生させられた高濃度酸素含有ガスCとと
もに噴出させて燃焼させることにより、溶融炉11内に
バーナーフレームTを噴射するバーナー26が取り付け
られていて、本実施形態では、上記供給口24の中心す
なわち上記中心線Oが、これらのバーナー26,26か
ら溶融炉11内に噴射させられる上記バーナーフレーム
T,Tの中心線P,Pよりも下方に位置させられてい
る。
【0011】ここで、本実施形態では、上記一対の壁部
11e,11fに設けられるバーナー座25,25が、
互いに等しい高さで、しかしながら溶融炉11の上記長
手方向にずらされて配置されており、すなわち図2およ
び図3に示されるように一方の壁部11eのバーナー座
25は溶融炉11の上記長手方向他端側の壁部11d寄
りに設けられるとともに、他方の壁部11fのバーナー
座25はこの壁部11dから上記堰21までの間におい
て上記長手方向他端側に設けられている。さらに、これ
らのバーナー座25,25は、図4に示すように上記幅
方向において溶融炉11の内側に向かうに従い下方に向
かうように互いに等しい角度で僅かに傾斜させられてお
り、これに伴いこれらのバーナー座25,25に取り付
けられたバーナー26,26から噴射される上記バーナ
ーフレームT,Tの中心線P,Pも同様に幅方向内側に
向かうに従い下方に向けて傾斜させられることとなる。
ただし、これらの中心線P,Pは、供給口24の上記中
心線Oを含んだ仮想垂直面Q上において、図4に示すよ
うにこの中心線Oからの距離Rが50〜500mmの範囲
内で該中心線Oの上方に位置するように設定されてい
る。
【0012】さらにまた、本実施形態では、溶融炉11
内においてスラグSの表面に接する上記壁部11d〜1
1fの内側と上記堰21には、上記溶融スラグ排出溝2
1aも含めてこのスラグSの表面レベルに沿った部分す
なわち上記排出溝21aの高さのレベルに沿った部分
に、電鋳レンガ等の耐食性耐火材11Cが配設されてお
り、さらにこの耐蝕性耐火材11Cの外周側には、やは
り上記スラグSの表面レベルに沿って周回するように、
冷却水供給口27Aと排出口27Bとに連通させられた
水冷ジャケット27が形成されて、このスラグSの表面
レベルに沿った部分のみが間接水冷構造とされている。
なお、本実施形態では、スラグSの表面レベルから上方
の気相部Uに向けては10〜50mmの範囲が、反対にこ
のスラグSの表面レベルから下方の該スラグS内に向け
ては50〜200mmの範囲が、上記耐食性耐火材11C
が配設されて間接水冷構造とされている。また、この溶
融炉11には、当該溶融炉11に保持された上記スラグ
Sの温度を測定する図示されない温度測定センサが備え
られている。
【0013】次に、このような溶融炉11を備えた第1
の実施形態の溶融装置によって廃棄物焼却灰Aを溶融さ
せる場合の、本発明の溶融方法の一実施形態について説
明する。まず、この溶融装置の運転当初においては、供
給機12によって焼却灰Aを供給口24から溶融炉11
内に供給するとともに、バーナー26,26から噴射さ
せられたバーナーフレームT,Tによってこれを加熱し
て溶融し、1300〜1400℃の溶融スラグSを溶融
炉11内に形成して保持する。なお、このとき、上述の
ように混合機13によってこの焼却灰Aに、下水処理汚
泥等の可燃性廃棄物や都市ゴミ等の廃棄物を熱分解設備
において熱分解した残渣等の可燃物の炭化物のような可
燃性固形物Bを混合し、これを溶融炉11に供給するよ
うにしてもよい。また、バーナー26,26からは、上
述のように灯油等の液体燃料DとPSA酸素発生装置1
4で発生させられた望ましくは濃度90%以上の高濃度
酸素含有ガスCとが噴出させられて燃焼させられること
により、上記バーナー座25,25に沿って傾斜させら
れた中心線P,Pを中心として上記バーナーフレーム
T,Tが溶融炉11内に噴射させられ、これによって溶
融炉11内における上記スラグSの上部には、スラグS
の温度よりも50℃以上、望ましくは100°℃以上高
温の気相部Uが形成される。
【0014】そして、このように溶融されて溶融炉11
内に保持されたスラグSの表面レベルが上記排出溝21
aの高さにまで達すると、溶融したスラグSはこの排出
溝21aから溢流して上記排出口22に落下し、スラグ
冷却器15において冷却させられることにより、当初の
焼却灰Aに含有されていたダイオキシン類が分解された
り有害な重金属が安定化させられたりした状態の固化し
たスラグEとされ、石材や建築資材などの資源として再
利用可能となる。一方、この溶融炉11から上記排気口
23を経て排出させられた排ガスは、ガス冷却器16に
おいて水を噴霧して180〜200℃程度に冷却された
後、消石灰Fを供給することによって塩化水素や硫黄酸
化物等の酸性ガスが除去され、さらに集塵機17におい
て、焼却灰Aに含まれて溶融炉11で揮散する低沸点物
質(塩類や有害重金属)が塩として固定されたものが溶
融飛灰として捕集され、こうして飛灰が除去された排気
は触媒反応塔18に通過させられてさらにダイオキシン
類と窒素酸化物とが同時に処理され、より清浄な排気G
として誘引ファン19によって大気に排出される。ま
た、集塵機17で捕集された飛灰は、飛灰安定化装置2
0においてキレート薬品等の安定化薬品Hが添加されて
安定化処理され、安定化処理飛灰Iとして処理される。
【0015】一方、上述のように溶融炉11内に溶融し
たスラグSが所定の表面レベルに達するように保持され
た後、上記供給口24からこのスラグSの表面に供給さ
れる焼却灰Aは、スラグSとの比重の差によって該スラ
グSの表面に浮遊しながらスラグSの流動により緩やか
に拡散してゆく。そして、上記構成の溶融装置では、そ
の溶融炉11において上記供給口24の中心線Oがこの
溶融炉11内に噴射させられるバーナーフレームTの中
心線Pの高さよりも下方に位置させられており、従って
供給口24の中心もバーナーフレームTの中心線Pより
下方に位置することになるため、この供給口24から供
給されてスラグS表面に拡散する焼却灰Aがバーナーフ
レームTに直接晒されることがない。すなわち、かかる
溶融装置を用いた本実施形態の溶融方法では、バーナー
フレームTはスラグS表面の廃棄物焼却灰Aを避けるよ
うに溶融炉11内に噴射させられることとなり、焼却灰
Aは、このバーナーフレームTによる輻射熱とバーナー
フレームTによって加熱された溶融炉11の天井部11
bや壁部11c〜11fからの輻射熱、および溶融スラ
グSからの伝熱によって加熱されて溶融させられる。ま
た、焼却灰Aに可燃性固形物Bが混合されている場合
は、これが燃焼する際の燃焼熱によっても加熱されて溶
融させられる。なお、こうして焼却灰Aが溶融させられ
て生じたスラグSは、一定時間溶融炉11内に滞留して
脱泡や成分の均一化がなされ、安定した品質のスラグS
となり上述のように排出溝21aから溢流してスラグ冷
却器15に出滓させられる。
【0016】従って、このような焼却灰Aの溶融方法お
よび溶融装置によれば、従来のバーナーフレームによっ
て焼却灰を直接加熱して溶融させる場合のように焼却灰
Aが溶融しながら飛散して溶融炉11の天井部11bや
壁部11c〜11fに付着することによりこれら天井部
11bや壁部11c〜11fを被覆する耐火材が浸食さ
れたりすることがなく、このため溶融炉11自体の寿命
の延長を図ることができるのは勿論、これら天井部11
bや壁部11c〜11f全体を間接水冷構造として浸食
を抑える必要もなくなり、本実施形態の溶融装置のよう
に溶融したスラグSに接する部分のうちスラグSが最も
高温となるその表面レベルに沿った部分のみを間接水冷
構造とすれば十分となる。このため、溶融炉11内に保
持されるスラグSの温度や溶融炉11内においてこのス
ラグSの上に形成される気相部Uの温度を、この溶融炉
11への液体燃料Dの供給量などを抑えながらも高温に
維持することができ、低コストかつ省エネルギーを図り
つつ確実な焼却灰Aの溶融を促すことが可能となる。
【0017】また、特に本実施形態の溶融装置では、上
述のようにスラグSが最も高温となってその浸食性も高
くなる該スラグSの表面レベルに沿った部分のみが間接
水冷構造とされており、これによりかかる間接水冷構造
を採ることによる溶融炉11内の温度低下を極力抑えな
がらも、浸食による溶融炉11の寿命短縮は確実に抑え
ることが可能となる。しかも、本実施形態では、このス
ラグSの表面レベルに沿った部分の溶融炉11の壁部1
1d〜11fおよび堰21が、電鋳レンガ等の耐食性耐
火材11Cによって形成されており、これによってもよ
り確実に溶融スラグSによる溶融炉11の浸食を防い
で、その寿命の一層の延長を図ることが可能となる。な
お、この耐食性耐火材11Cとして定形の電鋳レンガを
採用すれば、浸食の激しい部分のみを補修時に取り替え
ることができるので、より効率的である。
【0018】さらに、本実施形態では、望ましくは90
%以上の高濃度の酸素含有ガスCを溶融炉11に供給し
ており、これにより、排気口23から排出される排ガス
による溶融炉11から持ち出す熱量が小さくなり、また
特に焼却灰Aを可燃性固形物Bと混合して供給した場合
には、可燃性固形物Bは浮遊しながらガスとチャーにな
り、高濃度酸素で燃焼され、その燃焼熱が溶融熱に利用
できるので、液体燃料Dとして供給される灯油等の化石
燃料の使用量を一層少なくできる。従って、このように
焼却灰Aに、汚泥(炭化物)等からなる可燃性固形物B
を混合することによってエネルギーコストの一層の低減
を図ることができ、場合によってはバーナー26から灯
油等の液体燃料Dを供給してバーナーフレームTを形成
する代わりに、廃棄物等から発生する消化ガスを利用し
たりすることにより、エネルギーコストのさらなる低減
を図ることも可能である。
【0019】次に、図5および図6は本発明の溶融装置
の第2の実施形態を示すものであり、上述した第1の実
施形態と共通する要素には同一の符号を配して説明を簡
略化する。すなわち、この第2の実施形態においては、
図示のように概略直方体の箱形をなす溶融炉11の排出
口22とは反対側の他端側の壁部11dの幅方向中央部
にバーナー座25が水平に設けられるとともに、この壁
部11dに交差して溶融炉11の長手方向に延びる一方
の壁部11eには、上記他端側の壁部11d寄りに焼却
灰Aの供給口24がやはり水平に設けられており、この
供給口24の中心線Oすなわち該供給口24の中心が、
バーナー座25に取り付けられた図示されていないバー
ナーから溶融炉11内に上記長手方向に沿って水平に噴
射されるバーナーフレームTの中心線Pよりも下方に位
置させられている。従って、このような第2の実施形態
の溶融装置を用いた焼却灰Aの溶融方法においても、焼
却灰Aの供給口24の中心がバーナーフレームTの中心
線Pより低い位置にあるため、この供給口24から供給
されて高さを減じながら溶融スラグS表面に拡散する焼
却灰AにバーナーフレームTが接することがなく、この
バーナーフレームTが焼却灰Aを避けるように噴射させ
られるため、第1の実施形態と同様の効果を得ることが
できる。
【0020】
【実施例】以下、本発明の溶融方法の実施例について説
明する。本実施例では、図5および図6に示した第2の
実施形態の溶融装置により、3種類(A,B,C)の高
分子系下水焼却灰を用いて、表1に示す条件で溶融を行
った。また、それぞれの焼却灰の軟化点、融点、溶流点
と出滓スラグの主要成分を表2に示す。
【0021】
【表1】
【0022】
【表2】
【0023】まず、溶融炉へ焼却灰を供給しない無負荷
運転時の溶融炉内温度と燃料消費量との関係を図7に示
す。なお、この実施例で用いた燃料は灯油である。この
図7に示すように、通常の溶融運転温度となる1450
℃では無負荷時の灯油使用量は18l/hrとなった。
【0024】次に、A,B,Cそれぞれの焼却灰溶融運
転時における溶融炉熱収支より算出した出熱割合を図8
〜10に示す。図8〜10に示すように、溶融炉の放熱
はほぼ一定になるので、負荷の増大とともにスラグ(灰
溶融)の受熱割合も増加する。溶融炉の定格値である灰
供給量205kg/hr(=5t/日)では、45%〜50
%の高い溶融熱効率を示した。図12および図13に示
した従来の溶融装置の溶融炉では、溶融熱効率は約30
%であったので、本実施例によればこれよりも溶融熱効
率が大幅に向上した結果が得られた。
【0025】上記実施形態のようなスラグバス式の溶融
炉においては、スラグは一定時間炉内に滞留することに
よって灰への伝熱とスラグ組成の均質化が行われる。そ
こで、B焼却灰の溶融時の各処理負荷における炉内温
度、スラグ温度(上層および下層)、スラグ融液の深さ
を測定した。その結果を表3に示す。ただし、この時の
運転は耐火材のスラグ浸食テストの目的もあり、溶融運
転温度は通常より高い温度で実施した。
【0026】
【表3】
【0027】表3に示すように、スラグ融液が実際に流
動性をもっている深さは融液表面より約100mm前後
で、このスラグ層はほぼ計画値に合致しており、これか
ら計算されるスラグの滞留時間は約2時間である。本実
施例では、後工程において溶融スラグの高品質化として
結晶化(石材化)炉が設置されており、上述のようにこ
の滞留時間内に結晶化スラグとして必要とされる脱泡お
よび成分の均一化を行い、安定した品質で出滓される。
【0028】本実施例では、5ton−灰/日の溶融設備
における燃料使用量は灰1ton当たり灯油150lにな
ることが確認できた。この結果をもとに試算した15t
/日規模の溶融設備エネルギーコストを、従来の溶融設
備と比較して図11に示す(灯油¥40/l、電力¥1
5/kWhで算出。)。図11より実施例では、エネル
ギーコストで約60%、燃料コストで約58%へと縮減
できることとなり、熱効率の高い省エネルギー型の溶融
装置および溶融方法であることが分かる。
【0029】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
例えば溶融炉への廃棄物焼却灰の供給口の中心を、この
溶融炉内に噴射されるバーナーフレームの中心線よりも
下方に位置させたりすることによって、この焼却灰を避
けるようにバーナーフレームを溶融炉内に噴射すること
により、焼却灰の飛散によって溶融炉の天井部や壁部に
浸食が生じるのを抑えることができ、これにより溶融炉
の寿命の延長を図ることができるとともに、これら天井
部や壁部の全体を間接冷却構造とする必要がなく、従っ
て溶融炉の熱効率の向上を図って低コストかつ省エネル
ギーの廃棄物焼却灰の溶融を促すことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の溶融装置の第1の実施形態を示す図
である。
【図2】 図1に示す第1の実施形態の溶融装置におけ
る溶融炉11の横断面図(図3および図4におけるXX
断面図)である。
【図3】 図1に示す第1の実施形態の溶融装置におけ
る溶融炉11の側断面図(図2および図4におけるYY
断面図)である。
【図4】 図1に示す第1の実施形態の溶融装置におけ
る溶融炉11の縦断面図(図2および図3におけるZZ
断面図)である。
【図5】 本発明の第2の実施形態の溶融装置における
溶融炉11の縦断面図である。
【図6】 本発明の第2の実施形態の溶融装置における
溶融炉11の横断面図(図5におけるXX断面図)であ
る。
【図7】 本発明の実施例において、無負荷時の炉内温
度と燃料消費量の関係を示す図である。
【図8】 本発明の実施例において、各処理量における
出熱割合(A焼却灰溶融時)を示す図である。
【図9】 本発明の実施例において、各処理量における
出熱割合(B焼却灰溶融時)を示す図である。
【図10】 本発明の実施例において、各処理量におけ
る出熱割合(C焼却灰溶融時)を示す図である。
【図11】 本発明の実施例と従来例との溶融設備エネ
ルギーコスト比較(15ton−灰/日)を示す図であ
る。
【図12】 従来の溶融装置における溶融炉1の縦断面
図である。
【図13】 従来の溶融装置における溶融炉1の横断面
図(図12におけるXX断面図)である。
【符号の説明】 11 溶融炉 11b 溶融炉11の天井部 11c〜11f 溶融炉11の壁部 11A 高耐火度耐火材 11B 断熱耐火材 11C 耐食性耐火材 21 堰 22 排出口 23 排気口 24 供給口 25 バーナー座 26 バーナー 27 水冷ジャケット A 廃棄物焼却灰 C 酸素含有ガス D 液体燃料 O 供給口24の中心線 P バーナーフレームTの中心線 S スラグ T バーナーフレーム U 気相部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F27D 1/12 B09B 3/00 303L 7/02 ZAB (72)発明者 吉原 直雄 東京都中央区佃2丁目17番15号 月島機械 株式会社内 Fターム(参考) 3K061 AA23 AB03 AC03 BA05 CA01 DB01 DB19 NB03 NB08 3K065 AA23 AB03 AC03 BA05 EA06 EA14 4D004 AA36 BA02 CA29 CA32 CB04 CB34 CB42 4K051 HA00 4K063 CA01 CA05 DA14

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 溶融炉において溶融状態のスラグを保持
    しつつ、該溶融炉内の上記スラグの表面に廃棄物焼却灰
    を供給し、このスラグ表面の廃棄物焼却灰を避けるよう
    にバーナーフレームを上記溶融炉内に噴射して該廃棄物
    焼却灰を溶融することを特徴とする廃棄物焼却灰の溶融
    方法。
  2. 【請求項2】 溶融状態のスラグを保持する溶融炉の壁
    部に、この溶融炉内の上記スラグの表面に廃棄物焼却灰
    を供給する供給口と、該溶融炉内にバーナーフレームを
    噴射するバーナーとを備え、上記供給口の中心が上記溶
    融炉内におけるバーナーフレーム中心線の高さよりも下
    方に位置させられていることを特徴とする廃棄物焼却灰
    の溶融装置。
  3. 【請求項3】 上記壁部は、上記スラグの表面レベルに
    沿った部分のみが間接水冷構造とされていることを特徴
    とする請求項2に記載の廃棄物焼却灰の溶融装置。
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