JP2001129358A

JP2001129358A - 廃棄物処理方法及び装置

Info

Publication number: JP2001129358A
Application number: JP31766299A
Authority: JP
Inventors: Minoru Yoshimoto; 實芳本; Akiyoshi Yoshimoto; 映美芳本; Yasuhiro Yamada; 康博山田
Original assignee: KONPURASU KK
Current assignee: KONPURASU KK
Priority date: 1999-11-09
Filing date: 1999-11-09
Publication date: 2001-05-15

Abstract

(57)【要約】【課題】廃棄物処理方法及び装置であって、有害成分
を簡単に無害化でき、設備費も軽減できる装置を提供す
る。【解決手段】炭化炉の出側ガスを溶融したガラス液中
に導入し、その熱とガラス液によって該出側ガス中の有
毒成分を無害化する方法、粉粒状廃棄物を圧縮エアーに
同伴させ、溶融したガラス液中に導入し、その熱とガラ
ス液によって廃棄物中の有毒成分を無害化する方法、及
び気密性を有するガラス溶融槽、炭化炉出側ガス供給源
及び炭化炉出側ガスをガラス溶融液に導入するノズルか
らなるものであって、該ガラス溶融槽にはオーバーフロ
ー配管、ガラス質を補給するガラス導入口、ガラス溶融
液上方の気体を排出する排出口及びヒーターが設けられ
た廃棄物処理装置。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、廃棄物の処理方法
及び装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】産業廃棄物や一般廃棄物は、その容積を
減少させるため、腐敗を防止するため、また毒性をなく
するため、燃焼可能なものは燃焼させるのが普通であ
る。燃焼により、ほとんどが二酸化炭素と水になり、不
燃物や未燃物が固形分として残り、また窒素酸化物やイ
オウ酸化物が気体としてわずかに発生する。

【０００３】通常、窒素酸化物やイオウ酸化物は少ない
ためそのまま放出されるか、スクラバー等で水洗され除
去される。また、不燃物や未燃物の固形分はそのまま埋
め立てられる。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この従
来の方法では、最近騒がれているダイオキシン類の発生
と処理の問題がある。即ち、燃焼炉の燃焼廃ガスや炭化
炉の出側ガス等には、燃焼時や炭化時に発生した、又は
排ガス冷却時に生成したダイオキシン類が含まれてお
り、これをそのまま埋め立てることはできない。また、
固形分ではなく気体にも含まれているため、これをその
まま放出することもできない。

【０００５】燃焼を高温で行ない、冷却も瞬時に行なう
こと等によってほとんどのダイオキシン類の発生を抑え
ることができるが、この方法はランニングコストが非常
に大きくなり、中小の廃棄物処理業者や地方公共団体で
は難しいことが多い。また、このような高温焼却炉は設
備自体が非常に大きいもので、そもそも建設から困難で
ある。

【０００６】更に、このような大規模設備であっても、
ダイオキシン類の発生を完全に０にできることはなく、
ピコ単位で問題になる環境への影響についてはまだ問題
がある。よって、設備費やランニングコストをできるだ
け軽減した、且つダイオキシン類その他の有害物質をほ
ぼ完全に処理できる処理方法及び処理装置が待望されて
いた。

【０００７】

【課題を解決するための手段】このような現状に鑑み、
本発明者は鋭意研究の結果本発明処理方法及び処理装置
を完成したものであり、その特徴とするところは、方法
にあっては炭化炉の出側ガスを溶融したガラス液中に導
入し、その熱とガラス液によって該出側ガス中の有毒成
分を無害化する点、他の態様では、粉粒状廃棄物を圧縮
エアーに同伴させ、溶融したガラス液中に導入し、その
熱とガラス液によって廃棄物中の有毒成分を無害化する
点にあり、装置にあっては、気密性を有するガラス溶融
槽、炭化炉出側ガス供給源及び炭化炉出側ガスをガラス
溶融液に導入するノズルからなるものであって、該ガラ
ス溶融槽にはオーバーフロー配管、ガラス質を補給する
ガラス導入口、ガラス溶融液上方の気体を排出する排出
口及びヒーターが設けられた点、他の態様では、気密性
を有するガラス溶融槽、圧縮エアー供給源、圧縮エアー
をガラス溶融液に導入する圧縮エアーノズル及び粉粒状
廃棄物導入部からなるものであって、該ガラス溶融槽に
はオーバーフロー配管、ガラス質を補給するガラス導入
口、ガラス溶融液上方の気体を排出する排出口及びヒー
ターが設けられた点、更に他の態様では、気密性を有す
るガラスガラス溶融槽、燃焼排ガス供給源及び燃焼排ガ
ス導入配管からなるものであって、該ガラス溶融槽には
オーバーフロー配管、ガラス質を補給するガラス導入
口、ガラス溶融液上方の気体を排出する排出口及びヒー
ターが設けられ、且つ該ガラス溶融槽上部に垂直に設け
た多数のパイプを設け、ガラス液面上方近傍に燃焼排ガ
ス導入ノズルを設けた点にある。

【０００８】本発明方法は、炭化炉の出側ガス又は粉粒
状廃棄物をガラス溶融液中に導入して有害物質を無害化
するものである。即ち、燃焼炉からの未燃物や不燃物、
その他の固形物の処理、又、廃棄物を炭化させる炭化炉
の出側のガスを同伴される固形分も含めて処理する方法
である。

【０００９】ガラス溶融液とは、ガラスを高温にして液
状にしたもので、６００〜１３００℃である。実際上
は、８５０〜１０００℃が好適である。高温にする方法
は、バーナーや電気ヒーターでよい。

【００１０】炭化炉とは、廃棄物を蒸し焼きにするもの
であって、空気を送って燃焼させる燃焼炉とは異なる。
この炭化炉に熱風を送り乾燥や炭化を促進するため、炉
から高温の気体が発生する。この気体が炭化炉出側ガス
である。このガスは高圧にしてそのまま溶融ガラス内に
導入すればよい。

【００１１】導入の方法は、ノズル先端をガラス液中深
く差込み、ガラス液の底部から吹き込むか、液面上部近
傍に先端を位置させて液面上方から吹き込む方法とがあ
る。液面上方から吹き込む場合には圧は少なくて済む
が、ガスがガラス液底部にまで達しないため効果が小さ
くなる恐れがある。深部から吹き込む方法では、ガスが
ガラス液と接触する時間が長いため効果は大きいが、吹
き込み圧が、ガラス液面上方の気体圧と液面深さによる
圧との合計以上必要となる。

【００１２】この吹き込み圧を小さくするため、ガラス
溶融槽を多段にして、比較的浅い槽に次々と繰り返して
導入する方法もある。

【００１３】また、炭化炉出側ガスの圧が不足する場合
には、コンプレッサーで昇圧してもよいが、高温である
ため、配管の途中に圧縮エアーを吹き込んで、それに同
伴させて導入してもよい。

【００１４】また、既に粉粒状になっている廃棄物はそ
のままでは、溶融ガラス液内には入らないため、圧縮エ
アーに同伴させて導入する。吹き込み圧の問題は、前記
した炭化炉出側ガスと同様に解決すればよい。

【００１５】また、本発明方法では、炭化炉出側ガスと
粉粒状廃棄物の両方を溶融ガラスに導入してもよい。更
に、圧縮エアーを共用してもよい。勿論、その他の排ガ
スも同じ溶融ガラスに導入しても問題はない。

【００１６】本発明方法において、溶融ガラス内に廃棄
物が取り込まれるため、溶融ガラスの容積が当然増加す
るため、その分はオーバーフローとして槽外に排出する
必要がある。廃棄物と共に槽外に排出されたガラス分は
補う必要がある。槽外に排出された溶融ガラスは、その
中の有害物質は既に無害化されているため、そのままガ
ラス製品に再生しても、冷却して破砕して埋め立てて
も、また骨材として利用してもよい。

【００１７】次に本発明装置について説明する。本発明
装置は、３つの態様がある。まず第１に、請求項３記載
の装置について説明する。これは、炭化炉出側ガスを処
理の対象とするものである。ガラス溶融槽とは、ガラス
質を高温で融解させる炉であり、温度は通常は方法にお
いて説明した６００〜１３００℃である。実際上は、８
５０〜１０００℃が好適である。よって、耐熱レンガ等
で断熱することも当然である。これは、ガラス製造にお
いて用いられる炉と同様でもよく、公知の技術である。

【００１８】本発明においては、微量の有害物質の除去
を問題としているものであり、当然大気開放ではなく気
密性を保持し、溶融ガラス液面上方の気体をそのまま放
出しないようにしている。この部分には、排出口を設け
て、そこからその高温気体を他の工程に送る。例えば、
放出するための洗浄工程、高温を利用するため熱交換工
程、また炭化炉での炭化工程等である。要するにどのよ
うに利用しても、放出してもよい。

【００１９】炭化炉出側ガス供給源とは、前記した炭化
炉は勿論、クッションタンクや途中に加圧ポンプがあれ
ばそれでもよい。要するに炭化炉出側ガスを上記ガラス
溶融槽に供給するものである。

【００２０】炭化炉出側ガスをガラス溶融液に導入する
ノズルは、単に炭化炉出側ガス配管の先端という意味で
ある。勿論、特別なノズルを取りつけてもよい。このノ
ズルは、ガラス液内に位置しても液面上方でもよい。

【００２１】オーバーフロー配管は、前記したオーバー
フローとして槽外に排出するための配管である。通常は
冷却しつつ破砕する容器に接続されているが、他の工程
に導いてもよい。

【００２２】ガラス質を補給するガラス導入口は、ガラ
ス溶融槽の上部の開口であってもよい。この場合、その
からガラス質を投入するだけでよい。しかし、液表面は
オーバーフローで排出されるため、新しいガラス質はで
きるだけ深部に投入したい場合、深部にパイプを挿入
し、そこに圧縮エアーによって強制的に押し込む方法が
ある。この場合のパイプもここでいう導入口である。

【００２３】ヒーターは、電気ヒーターでもバーナーで
もよい。しかし、構造的にはガラス溶融槽の周囲に電気
ヒーターを備える方法が簡単である。

【００２４】このガラス溶融槽には、メッシュのような
ものを１段又は多段設けてもよい。これは、気体が深部
から上昇する時に、気泡を細かくし高温ガラスとの接触
面積を大きくするためである。メッシュ以外には、セラ
ミックの充填材でも、金属繊維等の層でもよい。要する
に前記した目的に叶えばよい。

【００２５】次に請求項４記載の装置について説明す
る。これも基本的には請求項３の装置と同様であるが、
処理する対象が粉粒状廃棄物である。よって、特別に指
示しない限り請求項３と同じである。

【００２６】圧縮エアー供給源は、通常はエアーコンプ
レッサーであるが、系内に圧縮エアー配管があればそこ
から導入してもよい。この時にはその配管が供給源であ
る。勿論、クッションタンク等であってもよい。

【００２７】圧縮エアーノズルは前記した炭化炉出側ガ
スをガラス溶融液に導入するノズルと同様である。しか
し、後述する粉粒状廃棄物もこのノズルから排出される
ためその点において異なる。例えば、系や形状である。
勿論、粉粒状廃棄物のサイズや量によっても異なる。

【００２８】粉粒状廃棄物導入部とは、上記した圧縮エ
アーにこれを同伴させるため、そのラインの途中に開口
又は開口付き容器を設けて、その開口からこの廃棄物を
投入する。この開口が導入である。

【００２９】次に請求項５記載の装置について説明す
る。これも基本的には請求項３の装置と同様であるが、
処理する対象が燃焼排ガスである。よって、特別に指示
しない限り請求項３と同じである。

【００３０】燃焼排ガス供給源は、基本的には燃焼炉で
あるが、フレア配管やフレアスタック、クッションタン
ク等どのようなものでもよい。要するに、燃焼排ガスが
供給できるものである。

【００３１】この装置では燃焼排ガス導入ノズルは、液
面上方に位置している。また、ガラス溶融槽上部には垂
直に設けた多数のパイプを有している。これは、燃焼排
ガスを深部にまで供給するためと、気体が上昇してくる
時に、気泡を細かくして接触面積を大きくするためであ
る。

【００３２】

【発明の実施の形態】次に本発明を図面に示す実施の形
態に基づき本発明をより詳細に説明するが、これらに限
定されるものではない。図１は、本発明方法を実施する
装置の１例を示す概略断面図である。処理するガスは炭
化炉出側ガスである。装置１は、ガラス溶融槽２と、炭
化炉出側ガス供給源３からなり、炭化炉出側ガス供給源
３からのノズル４がガラス溶融槽２の深部に位置してい
る。この図ではノズルは１つのみ描いているが、複数で
もよく、且つ先端付近に多数のノズルを設けたタイプで
もよい。ノズル４の先端には逆流防止弁５が設けられ、
ノズル４に吐出圧がなくなった時溶融ガラスが逆流しな
いよう構成されている。

【００３３】ガラス溶融液の液面付近にオーバーフロー
配管６が設けられている。このオーバーフロー配管６の
下流側はどのようなものでもよく、図示していない。ガ
ラス溶融槽２の上部には、排出口７が設けられ液面上方
の気体を排出する。また、ガラス質導入口８が、ガラス
溶融槽２の深部に位置しており、ノズル４と同様逆流防
止弁５が設けられている。このガラス質導入口８から、
固形のガラス質が圧縮エアーに同伴されて導入される。

【００３４】ガラス溶融槽２のほぼ全体に加熱用電気ヒ
ーター９が設けられている。その外側は、断熱材や保温
材を設けている。ガラス溶融槽２の中間部分に網状体１
０が２段設けられている。これは、ガラス溶融層を通過
する時、気泡をできるだけ小さくするためのもので、金
属繊維をタワシ状にしたものや、ラシヒリング等を充填
した層でも、どうようなものでもよい。

【００３５】この例では、炭化炉出側ガス供給源３から
の炭化炉出側ガスが、高温（通常、８００℃以上）の溶
融ガラス内に吹き込まれ、そこでガス自体が高温になり
有害物質が分解され無害化される。液化しない気体はそ
のまま液面上方に出て、排出口７から次の工程に送られ
る。炭化炉出側ガス中に含まれる固形分等によって、溶
融ガラス全体の容積は増加してくるため、オーバーフロ
ー配管から排出される。また、そのままでは溶融ガラス
内に汚染物質や固形分が増加してくる。この濃度を下げ
るため、ガラス質を補充する。

【００３６】

【発明の効果】以上詳細に説明した本発明では、下記の
ような効果がある。（１）本発明方法では、廃棄物が非常な高温に曝され
るため短時間で有害物質（ダイオキシン類でも）が無害
化される。（２）無害化されたものは、ガラス質と共にオーバー
フロー配管から排出され無害であるため、そのまま埋め
立てることも、破砕してガラス骨材としても、またビン
等のガラス製品としても使用できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明方法を実施する装置の１例を示す概略断
面図である。

【符号の説明】

１処理装置２ガラス溶融槽３炭化炉出側ガス供給源４ノズル５逆流防止弁６オーバーフロー配管７排出口８ガラス質導入口９加熱用電気ヒーター１０網状体

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者山田康博大阪市浪速区大国２丁目11番２号Ｆターム(参考） 4D002 AA21 AA40 AC04 BA05 DA70 4D004 AA18 AA46 AB07 CA26 CA29 CC13 DA02 DA03 DA06

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】炭化炉の出側ガスを溶融したガラス液中
に導入し、その熱とガラス液によって該出側ガス中の有
毒成分を無害化することを特徴とする廃棄物処理方法。
【請求項２】粉粒状廃棄物を圧縮エアーに同伴させ、
溶融したガラス液中に導入し、その熱とガラス液によっ
て廃棄物中の有毒成分を無害化することを特徴とする廃
棄物処理方法。
【請求項３】気密性を有するガラス溶融槽、炭化炉出
側ガス供給源及び炭化炉出側ガスをガラス溶融液に導入
するノズルからなるものであって、該ガラス溶融槽には
オーバーフロー配管、ガラス質を補給するガラス導入
口、ガラス溶融液上方の気体を排出する排出口及びヒー
ターが設けられたことを特徴とする廃棄物処理装置。
【請求項４】気密性を有するガラス溶融槽、圧縮エア
ー供給源、圧縮エアーをガラス溶融液に導入する圧縮エ
アーノズル及び粉粒状廃棄物導入部からなるものであっ
て、該ガラス溶融槽にはオーバーフロー配管、ガラス質
を補給するガラス導入口、ガラス溶融液上方の気体を排
出する排出口及びヒーターが設けられたことを特徴とす
る廃棄物処理装置。
【請求項５】気密性を有するガラスガラス溶融槽、燃
焼排ガス供給源及び燃焼排ガス導入配管からなるもので
あって、該ガラス溶融槽にはオーバーフロー配管、ガラ
ス質を補給するガラス導入口、ガラス溶融液上方の気体
を排出する排出口及びヒーターが設けられ、且つ該ガラ
ス溶融槽上部に垂直に設けた多数のパイプを設け、ガラ
ス液面上方近傍に燃焼排ガス導入ノズルを設けたことを
特徴とする廃棄物処理装置。