JP3841950B2 - ランプボックスおよびプロジェクタ装置 - Google Patents

ランプボックスおよびプロジェクタ装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、光源の光で映像を拡大投射するプロジェクタ装置およびプロジェクタ装置に装着されて光源の光を発生するランプボックスに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来のプロジェクタ装置の光源には、メタルハライドランプ等の放電ランプが用いられている。このランプは、消耗品であるためプロジェクタ装置を使用し続けていく間に交換する必要が生じる。このランプについては従来からも様々な工夫が施されており、例えば実開平3‐62387号公報、実開平5‐38645号公報および特開平8‐314011号公報などにその一部を見ることができる。
【0003】
図15は、例えば、実開平5−38645号公報に示されている、従来のランプボックスを液晶プロジェクタから取り出す工程を示す工程図である。図15に示すように、プロジェクタ装置1の筐体200には、ランプボックス100Xを収納するための収納部220が設けられている。プロジェクタ装置1が通常使用されるときには、筐体200にランプボックス100Xが装着され、筐体200の収納部220は意匠カバー210で蓋をされている。ランプボックス100Xを空冷するために、冷却ファン270がランプボックス100Xと一緒に収納部220に格納されている。冷却ファン270から吹き出す風を外部に逃がすために、例えば意匠カバー210には排気口211が設けられている。
【0004】
ランプボックス100Xは、その交換のために、筐体200から取り外すことができるように構成されている。ランプボックス100Xを取り外すときには、図15(a)に示すように、まず意匠カバー210を取り外す。次に、図15(b)に示すように、ランプボックス100Xの取り出しの邪魔にならないように冷却ファン270を矢印230の向きに移動させて、ランプボックス100Xを矢印240の向きに引き出す。新しいランプボックス100Xの装着は上述の取り外しの手順とは逆の手順で行われる。
【0005】
図16はプロジェクタ装置の一構成概要を示す略断面図である。ランプボックス100Xには、光源としてのメタルハライドランプ2とメタルハライドランプ2から発せられた光を集光するためのリフレクタ3とが収納されている。ランプボックス100Xからでた光は、コールドミラー250で反射されてダイクロイックミラー251に導かれる。2つのダイクロイックミラー251を用いて、光源からでた光は、赤色、緑色および青色の光に分解される。分解された光は、対応する液晶パネル253を通過する。通過する際に3色の光は3枚の液晶パネル253からそれぞれに異なる映像情報が与えられる。液晶パネル253を通過した3色の光はダイクロイックミラー254によって合成される。合成された光は、投写レンズ260を通ってスクリーン(図示省略)に映像を拡大投射する。メタルハライドランプ2と投射レンズ260の間には、光路の変更のために全反射ミラー252,255なども設けられる。
ランプ点灯中には、メタルハライドランプ2を冷却するため、冷却ファン270が作動して風を発生している。この風は、メタルハライドランプ2とリフレク3の横を通ってこれらから熱を奪い、ランプボックス100Xの通風口26X(図15(b)参照)から冷却ファン270を経て排気口211よりプロジェクタ装置1の外に排出される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
従来のプロジェクタ装置の光源は上記のように内圧の高い放電ランプを含んで構成されるため、ランプボックスの取り外し作業はその取り扱いを熟知しているものに限られ、規定の取り扱いをしていれば技術的な問題は生じない。しかし、近年は高性能化のため、ランプの高輝度化が進み、ワット数も大きく、内圧も高まる傾向にある。万一規定外の取り扱いをしてランプが損傷するなどした場合、通風口から破片が飛散する可能性が生じる。
【0007】
この発明は上記の問題点を解消するためになされたもので、ランプボックスを取り外してプロジェクタ装置の外に取り出しているときにランプが損傷してもランプの破片が通風口から飛散しないランプボックスを提供することを目的とする。また、このようなランプボックスの使用に適したプロジェクタ装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
第1の発明に係るランプボックスは、プロジェクタ装置の筐体に装着されて使用されるランプボックスであって、映像を拡大表示するための光を発生するランプと、前記ランプに風を通すための通風口を有し、前記ランプを収納する箱と、前記箱の面から離れないように取り付けられていて前記面に沿って摺動し、前記筐体に前記箱が装着されているときには前記通風口を開放しかつ、前記筐体から前記箱が取り外されているときには前記通風口を塞ぐシャッターとを備えて構成される。
【0009】
第2の発明に係るランプボックスは、第1のランプボックスにおいて、前記箱は、該箱が前記筐体から取り外されているときに前記通風口を塞ぐ方向へと前記シャッターに勢いを付ける付勢手段をさらに有し、前記シャッターは、前記箱が前記筐体に装着されているときに前記付勢手段の勢いに逆らって前記通風口を開放するように前記筐体に当接する当接部を有することを特徴とする。
【0010】
第3の発明に係るランプボックスは、第2のランプボックスにおいて、前記シャッターは、前記箱が前記筐体に装着されるときに前記筐体に前記当接部を当接することによって前記箱の装着方向に対してほぼ垂直な方向に摺動することを特徴とする。
【0011】
第4の発明に係るランプボックスは、第2の発明のランプボックスにおいて、前記シャッターは、前記箱が前記筐体に装着されるときに前記筐体に前記当接部を当接することによって摺動しつつ円運動することを特徴とする。
【0012】
第5の発明に係るプロジェクタ装置は、筐体と、前記筐体に装着されて使用されるランプボックスと、前記ランプボックスが前記筐体に装着されて使用されているときに前記筐体に固定されて前記ランプボックスを覆う意匠カバーとを備え、前記ランプボックスは、映像を拡大表示するための光を発生するランプと、前記ランプに風を通すための通風口を有し、前記ランプを収納する箱と、前記箱の面から離れないように取り付けられていて前記面に沿って摺動し、前記筐体に前記箱が装着されているときには前記通風口を開放しかつ、前記筐体から前記箱が取り外されているときには前記通風口を塞ぐシャッターとを備え、前記意匠カバーは、前記シャッターの被当接部に当接して前記通風口の開放を維持するための当接部を有することを特徴とする。
【0013】
第6の発明に係るプロジェクタ装置は、第5の発明のプロジェクタ装置において、前記箱は、該箱が前記筐体から取り外されている状態では前記通風口を塞ぐ方向へと前記シャッターに勢いを付ける付勢手段をさらに有し、前記シャッターの前記被当接部は、前記意匠カバーが前記筐体に装着されているときに前記付勢手段の勢いに逆らって前記通風口を開放するように前記意匠カバーの前記当接部に当接されることを特徴とする。
【0014】
第7の発明に係るプロジェクタ装置は、第6の発明のプロジェクタ装置において、前記シャッターは、前記意匠カバーが前記筐体に装着されるときに前記意匠カバーの前記当接部に前記被当接部が当接されることによって前記箱の装着方向に対してほぼ垂直な方向に摺動することを特徴とする。
【0015】
第8の発明に係るプロジェクタ装置は、第6の発明のプロジェクタ装置において、前記シャッターは、前記意匠カバーが前記筐体に装着されるときに前記筐体に前記意匠カバーの前記当接部に前記被当接部が当接されることによって摺動しつつ円運動することを特徴とする。
【0018】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1による液晶プロジェクタ装置のランプボックスの構成を示す立体分解図である。ランプボックス100は、メタルハライドランプ2とリフレクタ3と箱20とシャッター40とそれらに付属する部品を備えて構成される。箱20は、主に、内部に光源としてのメタルハライドランプ2とリフレクタ3を収納する容器21、容器21の上部開口の蓋をするトップカバー22、メタルハライドランプ2から発せられた光をランプボックス100の前面に放射するためのガラス25で構成されている。箱20はその左右側面に通風口26を有しており、通風口26は容器21の側面の一部を横長の長方形に切り取って形成されている。また、箱20の内部側面にはフック28が突出している。このフック28には、ばね27の一端が引っかかる。ばね27は、シャッター40に対してX方向に勢いを付けるための付勢手段である。容器21とトップカバー22は、鋲23で固着されて箱20を形成する。トップカバー22の上には、ハンドル24が取り付けられている。ランプボックス100を筐体200から取り外すときは、ハンドル24を持って引き抜く。
【0019】
シャッター40は箱20の左右側面に取り付けられる。ピン42は、シャッター40の四隅に一つずつ設けられ、一つのシャッター40に対して合計4つ設けられている。ピン42の頭は、その胴体よりも太くなっている。ガイド穴29の形状は幅の広い部分と幅の狭い部分を有する細長い形状をしている。ピン42の頭は、ガイド穴29の幅の広い部分を通過できるが、ガイド穴29の幅の狭い部分では引っかかるようになっている。また、ピン42の胴体はガイド穴29の幅の狭い部分よりも細くなっている。ピン42は、ガイド穴29の幅の広い部分に頭を通してガイド穴29にはめ込まれる。シャッター40は、ピン42がガイド穴29に案内されることによってXY方向に摺動できる。Y方向にシャッター40が摺動すると通風口26が開放され、X方向にシャッター40が摺動すると通風口26がシャッター40によって塞がれる。シャッター40が通風口26を塞いでいる状態のときには、ピン42の頭がガイド穴29の幅の狭いところに引っかかるため、シャッター40は箱20の側面から離れない。なお、ピン42には、ばね27の他端が引っかけられている。
また、シャッター40には、ランプボックス100が筐体200に装着されたときに筐体200に当接する当接部41が設けられる。当接部41が筐体200に当接することによってシャッター40が移動して通風口26と開口部43が重なり、通風口26が開放される。ピン42にばね27が引っかけられていて、ばね27はフック28とピン42の間に架張されて常に引き延ばされている状態になり、ばね27はシャッター40に対して通風口26を塞ぐ方向に力を加えている。
【0020】
図2は、図1に示すランプボックス100と筐体200と意匠カバー210の関係を示す部分切取斜視図である。ランプボックス100は、筐体200の収納部220に押し込まれる。ランプボックス100の箱20の後ろ側面にはプラグ50が固定されている。プラグ50が収納部220内のソケット240に挿入されることによってランプボックス100の筐体200への装着が完了する。プラグ50はソケット240からランプボックス100に供給する電力を受ける。収納部220の内側に張り出すように凸部290が設けられている。また、当接部41はシャッター40の左下隅に図面手前に向けて突出するように形成される。ランプボックス100が装着された状態で、凸部290には、図1に示す当接部41が当接し、そのため通風口26が開放される。凸部290が当接部41に当接してシャッター40が摺動することによって発生する付勢力は、ソケット240にプラグ50が結合する力よりも弱いため、ランプボックス100は筐体200に結合されている状態を保持する。ランプボックス100が筐体200に装着された後に、意匠カバー210は筐体200に固定され、筐体200と一体となってランプボックス100を覆う。
【0021】
図3は、検出スイッチ280とランプボックス100の関係を示す断面詳細図である。検出スイッチ280の可動部281は、シャッター40で通風口26が蓋されている状態ではシャッター40に押されて矢印283の向きとは反対側に倒れている。ランプボックス100が筐体200に装着されて通風口26が開放されると、検出スイッチ280の可動部281は矢印283の方向に飛び出してオン状態となる。ソケット240にプラグ50が接続されていない状態では、液晶プロジェクタ装置の電源の投入は許可されない。しかし、プラグ50とソケット240が接続されている状態でも、故障等によってシャッター40が閉じていることも考えられる。検出スイッチ280を設けることによって、通風口26が開放されるまでは確実に電源が入らないプロジェクタ装置1を提供することができる。なお、凸部290は冷却ファン270に取り付けられているが、冷却ファン270の反対側にくる通風口26の開閉を検知するために、収納部220の内壁に取り付けられてもかまわない。
【0022】
次にシャッター40の動作について図4に基づいて説明する。図4(a)に示すように、筐体200にランプボックス100が装着されていない状態ではシャッター40に外力は作用せず、ばね27によってシャッター40がY方向へ付勢されているため、シャッター40によって通風口26は塞がれている。この状態で図1に示しているメタルハライドランプ2がランプボックス100の中で損傷しても、メタルハライドランプ2の破片はシャッター40で遮られ、メタルハライドランプ2の破片がランプボックス100の通風口26を通って外部へ飛散することはない。ランプボックス100の内部からランプボックス100の外部に向かう力がシャッター40に加わっても、シャッター40は箱20の側面から離れないようにピン42によって箱20につなぎ止められる。箱20の前面にはガラス25がはめ込まれているため、箱20の前面にメタルハライドランプ2の破片が飛散することもない。
【0023】
ランプボックス100の収納部220への装着が開始されると、図4(b)に示すように、装着動作の途中で、ソケット240にシャッター40の当接部41が当接してシャッター40はそれ以上Y方向へは下がらなくなる。ランプボックス100はY方向へ挿入されるので、シャッター40はばね27の付勢力に逆らってランプボックス100に対して相対的にX方向に移動する。
【0024】
このままさらに所定の位置までランプボックス100の挿入が続くと、シャッター40はランプボックス100の側面に沿ってX方向への摺動を続け、通風口26と開口部43が重なり、また通風口26がシャッター40の外に完全にはみ出して通風口26が開放されることとなる。図4(c)の状態までランプボックス100を挿入して意匠カバー210を筐体200に固定する。意匠カバー210の固定は、凹部201に突起212をはめ込み、ビス213をねじ穴202にねじ込むことによって行う。
【0025】
ランプボックス100の取り外し動作は、図4に示す動作と全く逆の動作となる。意匠カバー210が筐体200から取り外され、ランプボックス100が収納部220から引き出される。シャッター40はばね27によって付勢されているので、ランプボックス100が引き出されるのにつれてシャッター40は通風口26を塞ぎ始める。シャッター40のピン42がガイド穴29の終端に達するまでに、当接部41と凸部290が離間して、シャッター40は完全に通風口26を塞ぐ。シャッター40が通風口26を完全に塞いだ状態で、ランプボックス100が収納部220から取り出される。
【0026】
図4(c)の状態では、ランプボックス100が筐体200に結合されているため、ランプボックス100の中のメタルハライドランプ2が損傷する可能性は小さくなる。図4(c)の状態に比べれば、図4(a)の状態では、ランプボックス100が収納部220の側壁に激突してランプボックス100内のメタルハライドランプ2に衝撃が伝わるなどしてメタルハライドランプ2が破損する可能性がある。また、図4(c)の状態では通風口26が開放されているが、ランプボックス100は筐体200と意匠カバー210に取り囲まれているため、メタルハライドランプ2の破損があったとしても筐体200の外部にメタルハライドランプ2の破片が飛散する可能性は小さい。このように、シャッター40が通風口26を塞いでいる限り、ランプボックス100の装着や取り外しの段階で通風口26からメタルハライドランプ2の破片が飛散することは完全に防止される。このシャッター40の開閉は、シャッター40に設けた当接部41と箱20に設けたばね27という簡単な構成によって確実に行われる。
【0027】
図5は、通風口26が開放されてメタルハライドランプ2が使用されている状態におけるメタルハライドランプ2の冷却状況を示す断面図である。映像を投射するためにメタルハライドランプ2が点灯すると、メタルハライドランプ2は熱を発生する。風400は、図2に示す冷却ファン270によって発生され、一方の通風口26から入ってメタルハライドランプ2とリフレクタ3の冷却を行い、他方の通風口26からでて行くことができる。そのため、メタルハライドランプ2が点灯しているときには従来と同様に冷却ファン270によってメタルハライドランプ2の冷却を行うことができる。
【0028】
実施の形態2.
図6はこの発明の実施の形態2による液晶プロジェクタ装置のランプボックスの一構成を示す斜視図である。実施の形態2のランプボックスと実施の形態1のランプボックスとの違いはシャッターの開閉方向にある。実施の形態1によるランプボックスでは図6のXY方向にシャッターが摺動したのに対し、実施の形態2によるランプボックスでは図6のPQ方向にシャッターが摺動する。装着および取り外しの時にランプボックス100はXY方向に移動するため、図4に示す当接部41が凸部290以外のところに引っかかると通風口26が開放される可能性がある。装着や取り外しの時にランプボックスが移動する方向とシャッターの摺動方向をほぼ直交させることによってこのような可能性をさらに小さくすることができる。
【0029】
図6に示すように、ランプボックス100Aの箱20Aは、縦長の長方形の通風口26Aを有している。シャッター40Aは箱20Aの左右側面(図6のランプボックス100Aの手前側と奥側)に設けられており、シャッター40Aの開口部43Aの形も通風口26Aと同じ縦長の長方形である。ランプボックス100Aの装着および取り外しの時にシャッター40Aが行う動作はPQ方向の摺動である。シャッター40Aについても実施の形態1のシャッター40と同様に、シャッター40Aの四隅に設けられているピン42Aと、箱20の一側面の四隅に設けられているガイド穴29Aとによって摺動だけに限定される。フック28Aは例えば箱20Aの底面に設けられ、ばね27AはPQ方向に架張される。また、当接部41Aは、XY方向へのランプボックス100Aの動きをシャッター40AのPQ方向への動力に変換するために、PQ方向に対して斜めの案内を有している。
【0030】
次にシャッター40Aの動作を図7にもとづいて説明する。ランプボックス100Aを筐体200に装着するときには、図7(a)に示すように、ランプボックス100AがY方向へ向かって収納部220に挿入される。このとき、シャッター40Aはばね27AによってQ方向に付勢されており、通風口26Aはシャッター40Aで塞がれている。この状態で図6に示しているメタルハライドランプ2がランプボックス100Aの中で損傷しても、メタルハライドランプ2の破片はシャッター40Aで遮られ、メタルハライドランプ2の破片がランプボックス100Aの通風口26Aを通って外部へ飛散することはない。ランプボックス100Aの内部からランプボックス100Aの外部に向かう力がシャッター40Aに加わっても、シャッター40Aは箱20Aの側面から離れないようにピン42Aによって箱20Aにつなぎ止められる。箱20Aの前面にはガラス25がはめ込まれているため、箱20Aの前面にメタルハライドランプ2の破片が飛散することはない。このとき、筐体200の側に突出している検出スイッチ280Aの可動部281Aには、何も接触しておらず、検出スイッチ280はオフ状態になっている。また、筐体200から突出している凸部290Aもランプボックス100Aには接触していない。
【0031】
ランプボックス100Aの収納部220への装着が開始されると、この装着の動作の途中でシャッター40Aの当接部41Aが凸部290Aに当接する。このまま、ランプボックス100AがY方向へ押し下げられると、凸部290Aは当接部41Aによってシャッター40Aに対して斜めに案内される。凸部290Aとランプボックス100Aの位置関係がXY方向の相対移動のみで変化することを想定する、そのような想定の下で、シャッター40Aは、図7(b)に示すように、凸部290Aに押されるためにばね27Aの付勢力に逆らって箱20Aに対してP方向に移動する。シャッター40AがP方向に摺動するため、通風口26Aと開口部43Aとが重なって、通風口26Aの一部が開放されている。シャッター40Aの右下隅には、図面手前に向かって突出している凸部45Aが設けられている。図7(b)に示す状態では、P方向に向かうシャッター40Aの摺動距離が小さいため、凸部45Aは可動部281Aにはまだ接触していない。
【0032】
このままさらに所定の位置までランプボックス100Aの挿入が続くと、シャッター40Aはランプボックス100Aの側面に沿ってP方向への摺動を続け、通風口26Aと開口部43Aが重なり、また通風口26Aがシャッター40Aから完全にはみ出して通風口26Aが開放される。図7(c)の状態までランプボックス100Aを挿入して意匠カバー210を図4(c)の場合と同様に筐体200に固定する。このとき、検出スイッチ280Aの可動部281Aは、凸部45Aに当接しており、検出スイッチ280Aはオン状態となっている。検出スイッチ280Aが動作すると、制御回路(図示せず)によって液晶プロジェクタ装置の電源の投入が許可される状態となる。このように、凸部45Aを設けるという簡単な構成で確実にシャッター40Aの開閉を検出できる。
【0033】
ランプボックス100Aの取り外し動作は、図7に示す動作と全く逆の動作になる。意匠カバー210が筐体200から取り外され、ランプボックス100Aが収納部220から引き出される。シャッター40Aはばね27Aによって付勢されているので、ランプボックス100Aが引き出されるのにつれて、シャッター40AはQ方向に摺動して通風口26Aを塞ぎ始める。当接部41Aと凸部290Aが離間するまでに、シャッター40Aのピン42Aがガイド穴29Aの終端に達して、シャッター40Aは完全に通風口26Aを塞ぐ。シャッター40Aが通風口26Aを完全に塞いだ状態で、ランプボックス100Aが収納部220から取り出される。
【0034】
図7(c)の状態でメタルハライドランプ2の損傷する可能性が小さいのは、図4(c)の場合と同様である。図7(a)の状態でメタルハライドランプ2が損傷しても、シャッター40Aが通風口26Aを塞いでいる限り、ランプボックス100Aの装着や取り外しの段階で通風口26Aからメタルハライドランプ2の破片が飛散することは完全に防止される。なお、映像の投射やメタルハライドランプ2の冷却については実施の形態1による液晶プロジェクタ装置と同様であるので、説明を省略する。
【0035】
実施の形態3.
図8はこの発明の実施の形態3による液晶プロジェクタ装置のランプボックスの一構成を示す斜視図である。実施の形態3のランプボックスと実施の形態1のランプボックスの違いはシャッターの開閉方向にある。実施の形態1によるランプボックスでは図6のXY方向にシャッターが摺動したのに対し、実施の形態3によるランプボックスでは図8のRS方向にシャッターが摺動しつつ正逆方向に円運動する。装着および取り外す時にランプボックスが移動する方向とシャッターが摺動する方向を異ならせることによって、装着の途中でシャッターが誤って通風口を開放する可能性を小さくすることができるのは、実施の形態2と同様である。
【0036】
ランプボックス100Bは、メタルハライドランプ2と箱20Bとシャッター40Bとを備えて構成される。ランプボックス100Bは、メタルハライドランプ2の光を集光するためのリフレクタも備えているが、図8にはリフレクタは表されていない。図8に示すように、ランプボックス100Bの箱20Bは、その側面の一部を扇形に切り取られて形成された通風口26Bを有している。シャッター40Bは、箱20Bの左右側面(図8のランプボックス100Bの手前側と奥側)に設けられており、通風口26Bと同様の扇形をしている。ランプボックス100Bの装着および取り外しの時にシャッター40Bが行う動作はSR方向の回転運動を伴う摺動である。実施の形態1のシャッター40と同様にピン42Bによって摺動に限定される。つまり、40Bはピン42Bによって箱20Bに沿って正逆方向に円運動できるように軸支されている。フック28Bは例えば箱20Bの左右側面に固定され、ばね27Bはフック28Bと当接部41Bとの間に架張される。また、当接部41Bは、ランプボックス100BがXY方向への動きをシャッター40BのRS方向への動力に変換するために、筐体200Bの一部に当接することになる。
【0037】
次にシャッター40Bの動作を図9に基づいて説明する。ランプボックス100Bが筐体200に装着されるときには、図9(a)に示すように、ランプボックス100BはY方向へ向かって収納部220に挿入される。このとき、シャッター40Bはばね27Bによって付勢されており、通風口26Bはシャッター40Bで塞がれている。この状態で図6に示しているメタルハライドランプ2がランプボックス100Bの中で損傷しても、メタルハライドランプ2の破片はシャッター40Bで遮られ、メタルハライドランプ2の破片がランプボックス100Bの通風口26Bを通って外部へ飛散することはない。ランプボックス100Bの内部からランプボックス100Bの外部に向かう力がシャッター40Bに加わっても、シャッター40Bは箱20Bの側面から離れないようにピン42Bによって箱20Bにつなぎ止められる。ピン42Bはシャッター40Bを回転させるが、箱20Bの側面に垂直な方向へはシャッター40Bを移動させない構造になっている。箱20Bの前面にはガラス25がはめ込まれているため、箱20Bの前面にメタルハライドランプ2の破片が飛散することはない。このとき、筐体200の側にある検出スイッチ280Bの可動部281Bには、何も接触しておらず、検出スイッチ280はオフ状態になっている。また、筐体200から突出している凸部290Bもランプボックス100Bには接触していない。
【0038】
ランプボックス100Bの収納部220への装着が開始されると、この装着の動作の途中でシャッター40Bの当接部41Bが凸部290Bに当接する。このまま、ランプボックス100BがY方向へ押し下げられると、当接部41Bは凸部290Bによって上に持ち上げられる。シャッター40Bの扇形の部分はピン42Bに対して当接部41Bの反対側にあるため、ばね27Bの付勢力に逆らって箱20Bに対してS方向に円運動する(図9(b)参照)。シャッター40BがS方向に摺動するため、通風口26Bの位置と開口部43Bの位置がずれることによって、通風口26Bが開放されている。
【0039】
ランプボックス100Bが所定の位置まで挿入されている図9(b)の状態では、シャッター40Bはランプボックス100Bの側面に沿ってS方向への摺動が完了している。装着が完了することによって、シャッター40Bに設けられた凸部45Bが検出スイッチ280Bの可動部281Bに当接し、そのため筐体200に設けられている検出スイッチ280Bが動作する。この凸部45Bは、扇形をしたシャッター40の円弧の部分に図面手前に突出するように設けられている。検出スイッチ280Bが動作すると、制御回路(図示せず)によって液晶プロジェクタ装置の電源の投入が許可される状態となる。通風口26Bとシャッター40Bがずれて26Bが開放される図9(b)の状態で、図4(c)の場合と同様に意匠カバー210が筐体200に固定される。
【0040】
ランプボックス100Bの取り外し動作は、図9に示す動作とは全く逆の動作になる。意匠カバー210が筐体200から取り外され、ランプボックス100Bが収納部220から引き出される。シャッター40Bはばね27Bによって付勢されているので、ランプボックス100Bが引き出されるのにつれて、シャッター40BはR方向に摺動して通風口26Bを塞ぎ始める。シャッター40Bのピン42Bが円運動の終端(例えばストッパーを設けておいてそのストッパーに当接する位置など)に達するまでに、当接部41Bと凸部290Bが離間して、シャッター40Bは完全に通風口26Bを塞ぐ。シャッター40Bが通風口26Bを完全に塞いだ状態で、ランプボックス100Bが収納部220から取り出される。
【0041】
図9(b)の状態でメタルハライドランプ2の損傷する可能性が小さいのは、図4(c)の場合と同様である。図9(a)の状態でメタルハライドランプ2が損傷しても、シャッター40Bが通風口26Bを塞いでいる限り、ランプボックス100Bの装着や取り外しの段階で通風口26Bからメタルハライドランプ2の破片が飛散することは完全に防止される。
なお、映像の投射やメタルハライドランプ2の冷却については実施の形態1による液晶プロジェクタ装置と同様であるので、説明を省略する。
【0042】
実施の形態4.
図10は、この発明の実施の形態4によるランプボックスの液晶プロジェクタ装置への装着工程を示す工程図である。図10に示すランプボックス100Cは、図1のメタルハライドランプ2やリフレクタ3(図10では図示省略)を箱20Cの内部に収納している。箱20Cの左右側面の一部が横長の長方形に切り取られて通風口26Cが形成されている。またランプボックス100Cの左右側面(図10のランプボックス100Cの手前側と奥側)にシャッター40Cが摺動できるように取り付けられている。シャッター40Cにも通風口26Cと同じ形状の開口部43Cが設けられている。シャッター40Cは箱20Cの側面から離れないようにピン42Cで箱20Cに取り付けられている。箱20Cの一側面の四隅に設けられているガイド穴29Cと、シャッター40Cの四隅に設けられているピン42Cとの関係は、実施の形態1のガイド穴29とピン42の関係と同様である。箱20Cの内部側面には、フック28Cが突出している。このフック28Cには、ばね27Cの一端が引っかかっている。ばね27Cの他端はピン42Cに引っかかっており、ばね27Cはフック28Cとピン42Cとの間に架張されている。このばね27Cによって、シャッター40CがX方向に付勢されている。
意匠カバー216は、筐体200の収納部220の蓋である。意匠カバー216には、シャッター40Cを押し下げるための当接部215が設けられている。一方、シャッター40Cの上部左隅には、当接部215に対応する被当接部46Cが図面手前に向けて突出している。
また、収納部220の底面側には、検出スイッチ280Cが固定されている。検出スイッチ280Cの可動部281Cに対応して、シャッター40Cの下部左側には凸部45Cが図面手前に向けて突出している。
【0043】
図10(a)に示すように、ランプボックス100Cが筐体200に装着されるときには、ランプボックス100CはY方向へ向かって移動して収納部220に挿入される。このとき、シャッター40Cはばね27Cによって付勢され、ピン42Cがガイド穴29Cの上端に当たる位置までシャッター40Cが持ち上げられている。そのため、シャッター40Cによって通風口26Cが塞がれており、ランプボックス100Cの中で図1に示すようなメタルハライドランプ2が損傷しても、メタルハライドランプ2の破片が通風口26Cを通ってランプボックス100Cの外部へ飛散することはない。たとえランプボックス100Cの内部から外部へ向かう力がシャッター40Cに加わっても、シャッター40Cが箱20Cの側面から離れないのは実施の形態1のシャッター40と箱20の場合と同様である。
なおこのとき、検出スイッチ280Cの可動部281Cには、ランプボックス100Cのいずれの部分も接触しておらず、検出スイッチ280Cはオフ状態になっている。また、意匠カバー216から突出している当接部215もランプボックス100Cには接触していない。
【0044】
収納部220に対するランプボックス100Cの装着は、ソケット240にプラグ50を挿入して完了する。このときにはまだ、当接部215は被当接部46Cに当接しておらず、シャッター40Cがばね27Cによって付勢されているため、シャッター40CはX方向に持ち上げられたままになっている。従って、この段階でも、メタルハライドランプ2が破損した場合のメタルハライドランプ2の破片の飛散はシャッター40Cで防止されている。また、収納部220に対するランプボックス100Cの装着が完了しても、シャッター40Cの凸部45Cは可動部281Cに接触しない。そのため、収納部220に対するランプボックス100Cの装着が完了した段階でも、液晶プロジェクタ装置は電源の投入が許可されない状態を維持している。
【0045】
筐体200に対する意匠カバー216の取り付けが始まると、この取り付け動作の途中から意匠カバー216の当接部215がシャッター40Cの被当接部46Cに接触して被当接部46Cを押し下げ始める。当接部215が被当接部46Cを押し下げ、意匠カバー216と筐体200の上面をほぼ同じ高さにして、突起212を凹部201に差し込む。そして、意匠カバー216の右端にあるビス213をねじ穴202にねじ込んで、意匠カバー216を筐体200に固定する。意匠カバー216を筐体200に固定した状態が、図10(b)に示されている。このとき、シャッター40Cの被当接部46Cが当接部215に当接しており、シャッター40Cは箱20Cに対して相対的に下側へ下がっている。そのため、シャッター40Cの開口部43Cと箱20Cの通風口26Cとが重なり、通風口26Cが開放される。また、シャッター40Cが下に押し下げられることによって、凸部45Cが検出スイッチ280Cの可動部281を下に押し下げる。そのため、検出スイッチ280Cがオンして制御回路(図示せず)によって液晶プロジェクタ装置の電源の投入が許可される。
【0046】
なお、ランプボックス100の取り外し動作は、図10に示す動作と全く逆の動作になる。まず、意匠カバー216が筐体200から取り外される。意匠カバー216を筐体200から取り外すと、当接部215で押し下げられていたシャッター40Cがばね27Cの付勢力によってX方向に摺動する。シャッター40Cの摺動によって、通風口26Cがシャッター40Cに塞がれるとともに検出スイッチ280Cがオフする。その後にランプボックス100Cを収納部220から引き抜くため、ランプボックス100Cは、シャッター40Cで通風口26Cが塞がれた状態で収納部220から取り出される。
【0047】
図10(b)の状態でメタルハライドランプ2の損傷する可能性が小さいのは、図4(c)の場合と同様である。図10(a)の状態でメタルハライドランプ2が損傷しても、シャッター40Cが通風口26Cを塞いでいる限り、ランプボックス100Cの装着や取り外しの段階で通風口26Cからメタルハライドランプ2の破片が飛散することは完全に防止される。なお、映像の投射やメタルハライドランプ2の冷却については実施の形態1による液晶プロジェクタ装置と同様であるので説明を省略する。
【0048】
実施の形態5.
図11は、この発明の実施の形態5によるランプボックスの装着工程を示す工程図である。図11に示す工程を経て、ランプボックス100Dが液晶プロジェクタ装置の筐体200に装着される。図11に示すランプボックス100Dは、図1のメタルハライドランプ2やリフレクタ3(図10では図示省略)を箱20Dの内部に収納している。箱20Dは、その左右側面の一部を縦長の長方形に切り取って形成された通風口26Dを有している。また、箱20Dの表面に沿って摺動できるシャッター40Dが、ランプボックス100Dの左右側面(図11のランプボックス100Dの手前側と奥側)に取り付けられている。シャッター40Dにも、通風口26Dと同じ形状の開口部43Dが設けられている。シャッター40Dは、箱20Dの側面から離れないようにピン42Dで箱20Dに取り付けられている。シャッター40Dが箱20Dの側面から離れないようにするために、ガイド穴29Dとピン42Dとが有する関係は、実施の形態1のガイド穴29とピン42の関係と同様である。箱20Dの内部側面に突出しているフック28Dには、ばね27Dの一端が引っかけられている。ばね27Dの他端は、ピン42Dに引っかかっており、ばね27Dはフック28Dとピン42Dとの間に架張されている。このばね27Dによって、シャッター40DがQ方向に付勢されている。図11に示す意匠カバー216は、図10に示されている意匠カバー216と同じ構成を有している。図面手前に向けて突出している被当接部46Dは、意匠カバー216の当接部215に対応してシャッター40Dの上部左隅に設けられている。また、検出スイッチ280Dは、収納部220のP方向にある側面に固定されている。検出スイッチ280Dの可動部281DがQ方向を向けて張り出しており、シャッター40Dの下部右隅には、図面手前に向けて突出している凸部45Dが、この可動部281Dに対応して設けられている。
【0049】
実施の形態4によるランプボックス100Cと実施の形態5によるランプボックス100Dとは、意匠カバー216の当接部215によって被当接部46Cや46Dが押されてシャッター40Cやシャッター40Dが摺動させられる点については同じである。しかし、筐体200への装着や筐体200からの取り外し時に、ランプボックス100Cではシャッター40CがXY方向に摺動するのに対し、ランプボックス100Dではシャッター40DがPQ方向に摺動する点が異なっている。そのため、100Dは、X方向に移動して筐体200から取り外される際に、シャッター40Dが筐体200に引っかかるなどしてY方向に摺動する可能性を小さくすることができる。
【0050】
その他、シャッター40Dを有する実施の形態5によるランプボックスが奏する効果は、シャッター40Cを有する実施の形態4によるランプボックスが奏する効果と同様であり、また、検出スイッチ280Dを有する実施の形態5による液晶プロジェクタ装置が奏する効果は、検出スイッチ280Cを有する実施の形態4による液晶プロジェクタ装置が奏する効果と同様である。
【0051】
実施の形態6.
図12は、この発明の実施の形態6によるランプボックスの装着工程を示す工程図である。図12に示す工程を経て、ランプボックス100Eが液晶プロジェクタ装置の筐体200に装着される。図12に示すランプボックス100Eは、図1に示すメタルハライドランプ2やリフレクタ3(図12では図示省略している。)を箱20Eの内部に収納している。箱20Eは、その左右両側の一部を扇形に切り取って形成された通風口26Dを有している。また、箱20Eの表面に沿って摺動するシャッター40Eが、ランプボックス100Eの左右側面(図12のランプボックス100Eの手前側と奥側)に取り付けられている。シャッター40Eは、通風口26Eの開閉を効率よく行うために、通風口26Eと同じ形状をしている。シャッター40Eは、箱20Eの側面から離れないようにシャッター40Eにピン42Eで取り付けられている。シャッター40Eが箱20Eから離れないようにするために、ピン42Eは図面と垂直な方向に作用する力によっては抜けないように構成されている。箱20Eの外部側面に突き出しているフック28Eには、ばね27Eの一端が当接している。ばね27Eは、ピン42を支点として凸部48に他端を当接している。ばね27Eはシャッター40EをS方向に付勢している。ただし、シャッター40Eは、例えば図面の手前の側面の場合には、箱20Eの側面のY方向の左隅に設けられたストッパー30によって止まっている。箱20Eよりも図面の左側にはみ出している被当接部46Eが、意匠カバー216の当接部215によって押されて、シャッター40Eが箱20の表面に沿って摺動しつつR方向に円運動する。検出スイッチ280Eは、収納部220の右側面の上方に固定されている。検出スイッチ280Eの可動部281Eが左側に向けて張り出しており、シャッター40Eの扇の弧の部分におけるR方向の隅には、図面手前に向けて突出している凸部45Eが、この可動部281Eに対応して設けられている。そのため、シャッター40EがR方向に移動して通風口26Eが開ききったところで、可動部281Eに凸部45Eが接触して検出スイッチ280がオンする。
【0052】
実施の形態4によるランプボックス100Cと実施の形態6によるランプボックス100Eとは、意匠カバー216の当接部215によって被当接部46Cや46Eが押されてシャッター40Cやシャッター40Eが摺動させられる点については同じである。しかし、筐体200への装着や筐体200からの取り外し時に、ランプボックス100Cではシャッター40CがXY方向に摺動するのに対し、ランプボックス100Dではシャッター40DがRS方向に摺動する点が異なっている。そのため、100Eは、X方向に移動して筐体200から取り外される際に、シャッター40Eが筐体200に引っかかるなどしてY方向に摺動する可能性を小さくすることができる。
ただし、その他、シャッター40Eを有する実施の形態6によるランプボックスが奏する効果は、シャッター40Cを有する実施の形態4によるランプボックスが奏する効果と同様であり、また、検出スイッチ280Eを有する実施の形態6による液晶プロジェクタ装置が奏する効果は、検出スイッチ280Cを有する実施の形態4による液晶プロジェクタ装置が奏する効果と同様である。
【0053】
ところで、上記各実施の形態では、シャッターをランプボックスの2つの対向する面に設けているが、これに限らず1面でも、或いはさらに多くの面に設けてもよいことはいうまでもない。
なお、上記実施の形態を組み合わせてもよく、その場合でも上記実施の形態が奏するのと同じ効果を奏する。例えば、図13に示すように、異なる実施の形態で説明した機構で摺動する複数枚のシャッター40,40Dを重ねて通風口26Fを塞ぐために設けても組み合わせる各実施の形態と同様の効果を奏する。さらにこの場合には、2つの方向から別々の力をシャッター40,40Dに加えなければならず、ランプボックスが装着されていないときに通風口26Fが開放されることを防ぐことについての確実性が向上する。また、図14に示すように、異なる実施の形態で説明した機構の摺動動作を組み合わせたような動作を行うシャッター40Gで、通風口26Gを塞いでもよい。シャッター40Gは、凸部290Gから当接部41Gが受ける力と、当接部215から当接部41Dが受ける力によって順次異なる方向に摺動するため、ランプボックスが装着されていないときに通風口26Gが開放されるのを防ぐことについての確実性が向上する。
【0054】
また、上記各実施の形態では、付勢手段としてばね27〜27Gに限定して説明したが、磁石の反発力などの他の付勢手段を用いてもよく上記実施の形態と同様の効果を奏する。
また、シャッター40〜40Gが収納部220の一部または意匠カバー216の当接部215に直接当接することによって開閉する構成について説明したが、シャッター40等を摺動させるための構成は、例えばリンク機構を用いてシャッター40〜40G以外の部分が収納部220の一部等と当接してそこから間接的に力が加えられてもよく、そのような構成にしても上記実施の形態と同様の効果を奏する。
また、シャッター40〜40Gと収納部220の一部等の当接によって生じる力以外の力を箱20〜20Gの内部で発生させるようにしてもよく、例えばアクチュエータを箱20〜20Gの内部に設けて、箱20〜20Gが収納部220に装着されている状態を検出して動作させるようにしてもよく、装着時にシャッター40〜40Gが通風口26〜通風口26Gを開放し、取り外されているときに塞ぐような力を発生するものであれば、上記実施の形態と同様の効果を奏する。
【0055】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1に記載のランプボックスまたは請求項5に記載のプロジェクタ装置によれば、ランプボックスをプロジェクタ装置から取り外しているときに万一ランプが損傷しても、シャッターによって通風口が蓋されているので、ランプの破片が通風口を通り抜けて箱の外に飛び出すことを防止することができるという効果がある。
【0056】
請求項2に記載のランプボックスまたは請求項6に記載のプロジェクタ装置によれば、筐体とシャッターとの当接、すなわち筐体にランプボックスが装着されることによってシャッターを通風口を開放する向きに動かすことができ、付勢手段によって筐体とシャッターとの当接が解かれたとき、すなわち筐体からランプボックスが取り外されることによってシャッターを通風口がふさがる向きに摺動させることができ、簡単な構成で確実にシャッターの開閉を行わせることができるという効果がある。
【0057】
請求項3あるいは請求項4に記載のランプボックスまたは請求項7あるいは請求項8に記載のプロジェクタ装置によれば、ランプボックスの装着や取り外しのためにランプボックスが移動する向きとシャッターの摺動方向とを異ならせているので、不必要なときにシャッターが開放される可能性を小さくでき、ランプの破片が箱の外に飛び出すことを防止する効果を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施の形態1によるランプボックスの立体分解図である。
【図2】 図1のランプボックスと筐体と意匠カバーの関係を示す部分切取斜視図である。
【図3】 図1のランプボックスと検出スイッチの関係を示す詳細断面図である。
【図4】 図1のランプボックスの筐体への装着工程を示す工程図である。
【図5】 図1のランプボックスの断面図である。
【図6】 実施の形態2によるランプボックスの斜視図である。
【図7】 図6のランプボックスの筐体への装着工程を示す工程図である。
【図8】 実施の形態3によるラップボックスの斜視図である。
【図9】 図8のランプボックスの筐体への装着工程を示す工程図である。
【図10】 実施の形態4によるランプボックスの筐体への装着工程を示す工程図である。
【図11】 実施の形態5によるランプボックスの筐体への装着工程を示す工程図である。
【図12】 実施の形態6によるランプボックスの筐体への装着工程を示す工程図である。
【図13】 筐体に装着されているランプボックスの側面の一例を示す図である。
【図14】 筐体に装着されているランプボックスの側面の他の例を示す図である。
【図15】 従来のランプボックスを筐体から取り外す工程を示す工程図である。
【図16】 従来のプロジェクタ装置の構成を示す略断面図である。
【符号の説明】
2 メタルハライドランプ、20 箱、26 通風口、27,27A〜27Gばね、40,40A〜40G シャッター、41,41A〜41G 当接部、46C〜46E 被当接部、50 プラグ、200 筐体、210,216 意匠カバー、215 当接部、220 格納部、240 ソケット、270 冷却ファン、280,280A〜280G スイッチ、290,290A〜290G凸部。

Claims (8)

  1. プロジェクタ装置の筐体に装着されて使用されるランプボックスにおいて、
    映像を拡大表示するための光を発生するランプと、
    前記ランプに風を通すための通風口を有し、前記ランプを収納する箱と、
    前記箱の面から離れないように取り付けられていて前記面に沿って摺動し、前記筐体に前記箱が装着されているときには前記通風口を開放しかつ、前記筐体から前記箱が取り外されているときには前記通風口を塞ぐシャッターと
    を備えるランプボックス。
  2. 前記箱は、該箱が前記筐体から取り外されているときに前記通風口を塞ぐ方向へと前記シャッターに勢いを付ける付勢手段をさらに有し、
    前記シャッターは、前記箱が前記筐体に装着されているときに前記付勢手段の勢いに逆らって前記通風口を開放するように前記筐体に当接する当接部を有することを特徴とする、請求項1に記載のランプボックス。
  3. 前記シャッターは、前記箱が前記筐体に装着されるときに前記筐体に前記当接部を当接することによって前記箱の装着方向に対してほぼ垂直な方向に摺動することを特徴とする、請求項2に記載のランプボックス。
  4. 前記シャッターは、前記箱が前記筐体に装着されるときに前記筐体に前記当接部を当接することによって摺動しつつ円運動することを特徴とする、請求項2に記載のランプボックス。
  5. 筐体と、
    前記筐体に装着されて使用されるランプボックスと、
    前記ランプボックスが前記筐体に装着されて使用されているときに前記筐体に固定されて前記ランプボックスを覆う意匠カバーとを備え、
    前記ランプボックスは、
    映像を拡大表示するための光を発生するランプと、
    前記ランプに風を通すための通風口を有し、前記ランプを収納する箱と、
    前記箱の面から離れないように取り付けられていて前記面に沿って摺動し、前記筐体に前記箱が装着されているときには前記通風口を開放しかつ、前記筐体から前記箱が取り外されているときには前記通風口を塞ぐシャッターとを備え、
    前記意匠カバーは、前記シャッターの被当接部に当接して前記通風口の開放を維持するための当接部を有することを特徴とするプロジェクタ装置。
  6. 前記箱は、該箱が前記筐体から取り外されている状態では前記通風口を塞ぐ方向へと前記シャッターに勢いを付ける付勢手段をさらに有し、
    前記シャッターの前記被当接部は、前記意匠カバーが前記筐体に装着されているときに前記付勢手段の勢いに逆らって前記通風口を開放するように前記意匠カバーの前記当接部に当接されることを特徴とする、請求項5に記載のプロジェクタ装置。
  7. 前記シャッターは、前記意匠カバーが前記筐体に装着されるときに前記意匠カバーの前記当接部に前記被当接部が当接されることによって前記箱の装着方向に対してほぼ垂直な方向に摺動することを特徴とする、請求項6に記載のプロジェクタ装置。
  8. 前記シャッターは、前記意匠カバーが前記筐体に装着されるときに前記筐体に前記意匠カバーの前記当接部に前記被当接部が当接されることによって摺動しつつ円運動することを特徴とする、請求項6に記載のプロジェクタ装置。
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