JP3841932B2 - 生単板への液体含浸方法及び液体含浸装置 - Google Patents
生単板への液体含浸方法及び液体含浸装置 Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は,原木を切削して得た乾燥前のベニヤ単板(以下,生単板という)の内部組織へ液体を含浸させる方法及びその装置に関するもので,更に詳しく述べると,該生単板へ防腐・防虫の為の薬液を含浸させたり,或いは着色の為の染色液を含浸させたり,或いは吸湿性,寸法安定性,機械的性質などを改良すべく合成高分子などの処理液を含浸させる方法及びその装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
防虫剤や防腐剤などの薬液を単板などの木材に含浸させる方法としては,従来より接着剤混入法,単板処理法,加圧処理法などが知られていた。以下,それぞれの方法について説明する。
【0003】
[接着剤混入法]
接着剤中に薬液を混ぜて処理する接着剤混入法は,特別の設備を必要とせず,製造行程の変更も必要ない上,価格も安く,材面の汚れなども無いので,既設工場にとって技術的,能率的に最も簡便で有望な方法である。
しかし,処理する単板の板厚が厚いと,該単板への薬液の浸透が悪いので,防腐,防虫などの効果が期待できなかった。従って,比較的薄い単板(1.5〜3mm以下)に適していた。
また,単板の含水率が低いと薬液の浸透が悪いので,接着力に影響のない限り高い含水率が望ましかった。
【0004】
[単板処理法]
乾燥単板及び生単板の表面に薬液などを,塗布,スプレー,浸漬などの方法で付着させる方法である。生単板を処理する場合には,該薬液を含んだ溶液を拡散現象で木材内部に浸透させる為に,該生単板の表面に防腐剤などの濃い溶液を付着させた後,堆積し,それらをシートなどで覆って該溶液の発散を防ぎつつ含浸させていた。この方法によれば,該薬剤を単板のほぼ全体に均一に含浸させることができるので効果的であるが,例えば,生単板を10秒程度浸漬した後,乾燥しないようにシートなどで覆い,少なくとも2〜4時間程度放置して拡散時間を確保する必要があった。一方,乾燥した単板を処理した場合には,処理後再度乾燥する必要があるので,都合2回乾燥を行うことになり,生産性やコストの面でロスが生じた。
【0005】
[加圧処理法]
耐圧性の注薬缶に乾燥単板を入れて密閉し,薬液を減圧,加圧操作によって材中に注入する処理方法であり,広く行われている方法である。この方法によれば単板の内部まで薬剤が浸透するので,処理ムラが少なく,薬液効果の高い製品ができるのであるが,特別な設備や管理体制を必要としたり,従来の製造ラインに組み込めなかったり,或いは処理時間が長いことや経費が高いなどの問題があった。また,注入後,湿潤による合板表面の毛羽立ち,製品に歪みが生じるなどの問題や,再乾燥の必要があるので作業能率が悪いなどの問題があった。
【0006】
一方,上述の方法にみられた薬液の浸透性や生産性などの問題点を解決すべく以下のような方法もまた従来より行われていた。例えば,「特開昭59‐165611号公報」には,『染色液を入れた染色槽内に並列に複数個のロールコーターを配列し,該ロールコーターのロール隙間を単板の厚さよりも70%〜80%程度少なく設定したのち順次通過させることにより単板を均一に染色する方法』が開示されている。
【0007】
「特開昭48‐18403号公報」には,『生単板の表裏両面に界面活性剤を添加した濃縮薬液を吹き付けた後,一対の圧送ローラで圧送し,該生単板がロールの圧力から解放された瞬間に生じる吸引作用と毛細管作用により該薬液を生単板内部へ浸透させ,その後一定時間放置して該薬液が生単板全体にわたって均一に拡散浸透させて薬液処理を施す方法』が開示されている。
【0008】
「特開昭52‐143208号公報」には,『帯状ベニヤ単板を薬液に接触させながら周面に多数の縦溝を有する弾性部材からなる一対のロール間を通過させて多数の割れを作り,薬液を単板内部に浸透させる装置』が開示されている。
【0009】
「特開昭49‐86503号公報」には,『目割れ,裏割れを多数発生させたベニヤ単板を薬液中に浸漬しつつ,ローラプレスで圧搾と薬液浸漬を交互にかつ連続的に繰り返してベニヤ単板に薬液を浸透,拡散させる方法及び装置』が開示されている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかし,薬液の浸透性や生産性などの問題点を解決すべく行われていた上述の方法においても,以下のような問題が発生していた。
先ず「特開昭59‐165611号公報」においては,複数個のロールコーターを必要とするので設備が複雑化した。また,吸入〜排出を複数回繰り返さなければ充分に含浸しないので効率が悪く,薬液の含浸量も不安定であった。
【0011】
次に,「特開昭48‐18403号公報」においては,表裏両面に薬液を噴射ノズルで吹き付ける構成を採用している為,圧送ローラによる圧力解放後の吸引作用に見合うだけの薬液を確実に供給できる保証がなく,特に裏面からの薬液吸引効率が悪かった。この為,薬液の含浸量を一定に制御することが難しく,薬液の効果が不安定であった。また,生単板の含有水分による希釈化現象を利用して処理を行っているので,高濃度の溶液を含浸させた後,1日〜2日間の拡散浸透時間を確保して全体に均一に広げ,所望の適正濃度の含浸量にしなければならなかった。従って生産性が悪い上,含有水分にバラツキがある場合には適正濃度に制御することが困難であった。更には,高濃度溶液を使用しているので,薬液取り扱い時の安全性や吹き付け時に空気中に飛散した薬液の人体への安全性などに問題があった。
【0012】
次に,「特開昭52‐143208号公報」においては,帯状ベニヤ単板を一対の弾性部材からなるロール間を通過させて該帯状単板を搬送方向に積極的に伸ばし,繊維方向に多数の割れを生じさせ,この多数の割れから薬液を浸透させるようにしているが,割れからの浸透だけでは充分な薬液の浸透が行われにくく,実際には拡散浸透時間を確保する必要があった。
【0013】
次に,「特開昭49‐86503号公報」においては,予め目割れ,裏割れの多数発生した単板を処理することを前提条件としているので,このように割れの多い単板には,肌荒れ,厚み不良などが発生している為に,品質の良い製品を作ることができなかった。また,圧搾と浸漬を交互に繰り返して薬液を強制浸透させる為に,圧搾した際に単板の水分が割れの部分から外部へ排出されるので薬液が汚れ易く,また該水分により薬液が薄められてしまうので安定した濃度の薬液の供給が行えず,単板中の薬液含浸量を一定に制御することが難しかった。
【0014】
従って,本発明の目的とするところは,防腐・防虫などの為の薬液を単板に含浸処理する際に,簡単な設備により,割れの少ない単板でも特に割れを形成することなく,短時間で効率よく単板の内部組織全体に一定濃度の薬液を安定して含浸処理させる為の薬液処理技術を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】
そこで,請求項1の発明では,生単板を板厚方向に圧縮して脱水処理を施した後,液体中に備えた一対のロールで該生単板を板厚方向に圧縮しながら繊維方向に搬送することを特徴とする生単板への液体含浸方法とした。
【0016】
請求項2の発明では,生単板を板厚方向に圧縮率A%(但し,圧縮率A%は該生単板の空隙率以下)で圧縮して脱水処理を施した後,液体中に備えた一対のロールで該生単板を板厚方向に圧縮率B%(但し,圧縮率B%は前記圧縮率A%以下)で圧縮しながら繊維方向に搬送することを特徴とする生単板への液体含浸方法とした。
【0017】
請求項3の発明では,前記液体を防腐或いは防虫の為の薬液とした。
【0018】
請求項4の発明では 生単板へ液体を含浸させる為の装置として,該生単板を板厚方向に圧縮率A%(但し,圧縮率A%は該生単板の空隙率以下)で圧縮して脱水処理を施す脱水処理装置と,前記液体を収容する液体槽と,該液体槽中に備えて,該生単板を該液体中で板厚方向に圧縮率B%(但し,圧縮率B%は前記圧縮率A%以下)で圧縮しながら繊維方向に搬送する一対の加圧搬送ロールとを備えることを特徴とする液体含浸装置とした。
【0019】
請求項5の発明では,前記請求項4記載の発明における液体槽中に備えた一対の加圧搬送ロールを,少なくとも一方のロールの表面に複数本のスパイラル状の凸部形状を備えたロールとした。
【0020】
請求項6の発明では,前記請求項4記載の発明における液体槽中に備えた一対の加圧搬送ロールを,少なくとも一方のロールの表面に複数個の突起物を備えたロールとした。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下,本発明を,本発明の実施の形態を示す図面に基づいて詳しく説明する。
尚,以下の図面は装置の主要部のみを記載したものであり,周知の構成或いは作用等に関しては,本発明の説明に必要な部分以外は図示或いは説明を省略乃至は簡略化する。
【0022】
先ず,図1乃至図7を用いて本願発明の実施の形態について説明する。
図1は,生単板1を板厚方向に圧縮しながら搬送して脱水処理を施す為の脱水処理装置3(以下,脱水装置という)及び,該脱水処理後の生単板1a(以下,脱水生単板という)に液体5を含浸させる為の含浸処理装置7(以下,含浸装置という)の概略側面図である。
【0023】
先ず,脱水装置3について説明する。該脱水装置3は,上ロール31と下ロール32とからなる一対の圧縮加圧ロール(以下,脱水ロールという)を備えている。それぞれのロールの回転軸はお互いに平行で,少なくとも一方のロールは電動機(図示せず)から駆動力を受けて回転駆動される。本実施の形態における上ロール31と下ロール32は,中心部が鋼製であり,その周囲には硬度80度以上の合成ゴムが被覆されている。
【0024】
次に,前記脱水ロールは,搬入される生単板1の厚さよりも少ない間隔,即ち,生単板1を板厚方向に任意の圧縮率で圧縮するように,該脱水ロール間隔を任意に設定できるように構成されている。但し,該圧縮率(以下,脱水圧縮率という)は該生単板の空隙率以下の値に設定している。この点については後述する。
【0025】
そして,脱水ロールに被覆されている合成ゴムの厚さの合計は,前記生単板1の板厚から前記脱水ロール間の間隔を減算した値の10倍以上になるようにしている。この理由についても後述する。
【0026】
さて,生単板1は,回転駆動される搬送ロール33a及び加圧ロール34aとにより,該生単板の繊維方向に80m/分程度の速度で搬送されながら前記脱水ロール間に挿入される。このようにして生単板1が前記脱水ロール間に搬入されると,該生単板1は合成ゴムで圧縮変形されることにより,任意に設定した脱水圧縮率に応じた量の水分が該生単板1から除去されることになる。
【0027】
ここで,生単板の脱水圧縮率について図2及び図3を用いて説明する。
図2は,前記脱水ロールが生単板1を板厚方向に圧縮しながら搬送している状態を示す部分側面図である。また,図3は脱水圧縮率を説明する為に該脱水ロールの要部を更に拡大した部分側面図である。尚ここでは,板厚4mmのラジアータパインの生単板を,脱水圧縮率50%で脱水処理を行っている場合について具体的に説明する。
【0028】
先ず,上ロール31及び下ロール32は,その中心部分を成す鋼製基材31b及び32bの回りに,31a及び32aの合成ゴムが被覆されている。合成ゴムとしては,ゴム硬度98度のウレタンゴムが20mmの厚さで被覆されている。
【0029】
さて,図3からも明らかなように,前記脱水ロール間の隙間を2mmに設定した場合,板厚4mmの生単板1が該脱水ロールを通過する際には,該板厚の半分の2mm分だけ圧縮されることになる。即ち,元の板厚の50%分だけ圧縮されることになる。この時の脱水圧縮率を「設定脱水圧縮率」と呼ぶ。
従って,該脱水ロール間の隙間を3mmとした場合は,該生単板1は1mm分だけ圧縮されるので,この時の設定脱水圧縮率は25%となる。同様に,該隙間を1mmとした場合は,該生単板1は3mm分だけ圧縮されるので,設定脱水圧縮率は75%となる。
尚,実際に生単板1を脱水ロールが圧縮すると前記ウレタンゴムは変形するので,厳密には,実際の脱水圧縮率と設定脱水圧縮率とは異なることになるが,該設定脱水圧縮率を実際の脱水圧縮率とみなして,以後,単に脱水圧縮率と呼ぶことにする。
【0030】
次に,被覆されたウレタンゴムの厚さは20mmであるので,脱水ロールのウレタンゴムの厚さの合計は40mmとなる。この値は,生単板1の板厚より脱水ロールの間隔を減算した値の10倍以上の構成となっている。
ここで,合成ゴムの厚さの合計を,生単板1の板厚から脱水ロールの間隔を減算した値の10倍以上にする理由について説明する。
【0031】
先ず,脱水ロールに合成ゴムを被覆する理由について述べる。例えば,ラジアータパインのように節を多く含む生単板を前記脱水ロール間に搬入すると,該生単板中の節の部分以外のほとんどの部分は,脱水ロールにより容易に板厚方向に圧縮変形することができるのであるが,節の部分は木材の繊維方向が板厚方向に向かっている為に,板厚方向に圧縮変形させることは困難である。この為,脱水ロールに合成ゴムを被覆すれば,前記節の部分が圧縮変形されない代わりに,該節の部分に対応するウレタンゴム部分が圧縮変形された状態で該生単板を通過させることができるのである。このように,節の部分はほとんど変形せずにウレタンゴム側が変形することにより,該節の部分に必要以上に大きな力が加わることはないので,前記節の部分の破壊を極力抑えながら,該節以外の部分を十分に圧縮変形させて容易に水分を除去することができるのである。
【0032】
次に,脱水ロールにウレタンゴムを被覆して脱水処理を行った実験結果について述べる。脱水ロールにゴム硬度98度のウレタンゴムを20mmの厚さで被覆して,板厚4mmのラジアータパインの生単板に対して脱水圧縮率65%,即ち脱水ロールの隙間を1.4mmにして処理を行ったところ,平均すると初期の含水率約143%の生単板が,脱水処理後は平均して含水率が約79%となった。
【0033】
次に,ウレタンゴムの硬度を90度〜110度の範囲で実験した結果,ゴム硬度が低いほど節の部分の壊れが少ない反面,水分の除去が充分でなく,ゴム硬度が高くなるほど水分の除去が良くなる反面,節の部分の壊れが増加した。
尚,ゴム硬度が95度乃至98度の場合が水分の除去及び節の壊れに関して良好な結果が得られた。
【0034】
また,硬度98度のウレタンゴムで,ウレタンゴムの厚さが20mmの場合と40mmの場合とで比較すると,水分の除去は20mmの方が良いが,節の壊れは40mmの方が少なかった。
【0035】
このようにして,脱水処理する生単板の板厚,ウレタンゴムの厚さ及び圧縮脱水率を変更しながら実験した結果,ウレタンゴムの厚さの合計が単板の厚さから前記脱水ロールの間隔を減算した値の10倍以上であれば,節の壊れが少なく,しかも水分の除去が良好に行えるという結果が得られたのである。
【0036】
尚,上述した脱水ロールにおいては,該脱水ロールを構成する両方のロールともその周囲に合成ゴムを被覆した構成を採用しているが,本願発明の実施においてはこれに限ることはなく,例えば節をほとんど含まない生単板などを処理する場合には,片方のロールは鋼製ロールであっても良い。
【0037】
次に,木材の空隙率について説明する。既に述べたように,前記脱水圧縮率を設定する場合は,生単板1の空隙率以下となるように設定を行うものとした。
その理由は,空隙率とは木材中に含まれる空隙の体積割合であるところから,この空隙率を越えて圧縮を行うと生単板1の木質を破壊してしまうからである。さて,この空隙率は,木材の真比重ρと全乾比重rとから次の計算式で求めることができる。即ち,『空隙率C(%)=(1―r/ρ)×100』となる。
【0038】
従って,樹種に関係なく木材の真比重ρは約1.5であることから,脱水処理を施す生単板の全乾比重が分かれば,上記計算式により空隙率を容易に求めることができる。尚,全乾比重の求め方は,木材を100〜105℃で乾燥して水分を含まない状態で測定した重量を,該重量測定時の木材体積で除することにより簡便に求めることができる。また,該全乾比重rは樹種により特有の値となっている。
例えば,全乾比重が「0.1」,「0.5」,「1.0」の場合は,その比重に対応する空隙率を前記計算式から求めると,それぞれ「94%」,「67%」,「34%」となる。
【0039】
次に,樹種の違いによる全乾比重と空隙率の具体例を幾つか挙げると,杉の全乾比重は約0.40なので空隙率は74%,桐の全乾比重は約0.26なので空隙率は83%,バルサの全乾比重は約0.10なので,空隙率は94%である。
また,例えばラジアータパインの全乾比重は約0.43であるので,空隙率を計算すると約71%となる。従って,ラジアータパインの生単板を脱水処理する場合は,脱水圧縮率を約71%以下となるように設定を行う。
【0040】
次に,含浸装置7について,図4乃至図9を用いて説明する。図4は,液体槽4(図示せず)内に収容されている液体5を,脱水生単板1aへ含浸させる為の含浸装置7の部分側面図である。
該含浸装置7は,上ロール71と下ロール72とからなる一対の圧縮加圧ロール(以下,含浸ロールという)を備えている。該含浸ロールは鋼製で,その形状は外周面が平滑な円柱形状のロール(以下,円柱状含浸ロールという)となっている。それぞれのロールの回転軸はお互いに平行で,少なくとも一方のロールは電動機(図示せず)から駆動力を受けて回転駆動される。
【0041】
次に,該円柱状含浸ロールは,これも前記脱水ロールと同様に,搬入される脱水生単板1aの厚さよりも少ない間隔,即ち,脱水生単板1aを板厚方向に任意の圧縮率(以下,含浸圧縮率という)で圧縮できるように,脱水ロール間隔を任意に設定できるように構成されている。そして,本実施の形態においては,該含浸圧縮率は前記脱水処理を施した時の脱水圧縮率以下の値に設定している。尚,このことについては後述する。
【0042】
さて,前記脱水装置3で脱水処理を施された脱水生単板1aは,図1に示したように,回転駆動される搬送ロール33b及び加圧ロール34bとにより該含浸装置7に搬入される。この時の搬送速度は,該脱水装置3へ生単板1を搬送する時の速度,即ち,80m/分程度の速度と同期させるか,或いは多少速度を上げて搬送を行っている。従って,該円柱状含浸ロール間に挿入された該脱水生単板1aは,予め設定してある含浸圧縮率に応じた割合で該円柱状含浸ロールにより板厚方向に圧縮されながら搬送されて行く。
【0043】
このようにして該円柱状含浸ロールで圧縮変形された脱水生単板1aは,該円柱状含浸ロールを通過して圧縮状態から解放されると,一挙に元の状態に戻ろうとする。この元の状態に戻ろうとする復元作用により,液体5は脱水生単板1aの導管或いは仮導管などから強制的に該脱水生単板1aの内部に吸引されることになる。従って,このような復元作用を利用して液体5を含浸させるものであるから,設定した含浸圧縮率に応じた量の液体を該脱水生単板1aに均一に含浸させることができるのである。以下,液体5を含浸した該脱水生単板1aを含浸生単板1bという。
【0044】
尚,先に述べたように,該脱水生単板1aは前記脱水装置3により既に脱水処理が施されている上,該含浸圧縮率は前記脱水処理を施した時の脱水圧縮率以下の値に設定しているので,該円柱状含浸ロールによる圧縮中に該脱水生単板1aから水分が漏れ出ることはない。従って漏れ出た水分により液体5の濃度が低下する恐れがないので,常に一定の濃度の液体を含浸させることができる。
【0045】
次に,脱水生単板1aに含浸させる液体5の種類について述べる。本発明の目的は,防腐・防虫などの薬液を単板の内部組織全体にわたって安定して含浸させる為の薬液処理技術を提供することにあるので,脱水生単板1aに含浸させる液体5としては防腐剤,防虫剤,防カビ剤などの薬液が用いられることになる。
しかし薬液としてはこれに限ることはなく,単板を着色する為に染色液を含浸させたり,或いは防火性,吸湿性,寸法安定性及び機械的性質などを改良すべく合成高分子などの薬液を用いて処理を行うこともできる。勿論,上述した薬液を二種類以上組み合わせて適用しても良い。
【0046】
防腐剤,防カビ剤としては,通常木材の処理に使用されている防腐剤,防カビ剤等であり,例えば,ニトリル系抗菌剤,ピリジン系抗菌剤,ハロアルキルチオ系抗菌剤,有機ヨード系抗菌剤及びチアゾール系抗菌剤からなる群から選ばれる1種類以上の抗菌剤を有効成分として含有する抗菌組成物などである。また,該抗菌組成物には,所望によっては更にベンゾイミダゾール系抗菌剤を含有することもできる。
【0047】
次に,防虫剤としては,ホキシム,フェニトロチオン,ジクロロフェンホス,クロルピリホスなどを挙げることができる。
【0048】
防火剤としては,ホウ素系難燃剤,リン窒素系難燃剤などを挙げることができる。
【0049】
一方,木材の寸法安定性及び機械的強度を改良する為の薬剤としては,ビニル重合型のモノマー,フェノール樹脂,ポリエチレングリコール(PEG)樹脂などを挙げることができる。また,これらの樹脂に防腐剤,防虫剤,防カビ剤及び単板を着色する為の染色液などの上述した薬液と組み合わせて適用しても良い。
【0050】
次に,含浸ロールの外周面形状について図5乃至図9に基づいて詳しく説明する。既に述べたように,図4に示した含浸ロールは円柱状含浸ロールであるが,含浸ロールの外周面形状についてはこの形状に限ることはない。
即ち,図6は,他の外周面形状を有する含浸ロールにより脱水生単板1aに液体(図示せず)を含浸させる状態を示す為の概略図であるが,このように含浸ロールの外周面に複数本のスパイラル状の凸部形状を備えた含浸ロール(以下,スパイラル含浸ロールという)であってもよい。
【0051】
図6において,搬送方向(図中,矢印で表示)下手側に示した液体含浸処理後の脱水生単板1aの表面(上側の面)と裏面(下側の面)に表示した模様は,スパイラル含浸ロールにより該脱水生単板1aが圧縮される際に生じる圧縮痕を便宜的に表示したものであるが,薄い実線で示したAは上ロール73による圧縮痕を表し,破線で示したBは下ロール74による圧縮痕を表している。尚,これらの圧縮痕は,液体含浸処理後,時間の経過とともに復元するので,製品となった場合に特に支障を来すことはない。
【0052】
次に,図5,図7及び図8を用いてスパイラル含浸ロールによる該脱水生単板1aへの液体含浸作用について説明する。該スパイラル含浸ロールは鋼製で,該スパイラル含浸ロールの外周面には複数本のスパイラル状の凸部形状(以下,スパイラル凸部という)が備えられている。図7及び図8は,スパイラル凸部により該脱水生単板1aがどのように圧縮され,該液体5がどのように含浸されるのかを説明する為の平面図であり,該脱水生単板1aの一部分を表示したものである。また,図中A及びBは,既に図6を用いて説明したように,スパイラル凸部により該脱水生単板1aが圧縮される際に生じる圧縮痕を便宜的に示すものである。図中,実線で示した左上がりの圧縮痕Aは該脱水生単板1aの表面に生じる上ロール73による圧縮痕を表し,破線で示した右上がりの圧縮痕Bは裏面に生じる下ロール74による圧縮痕を表している。
【0053】
さて,スパイラル凸部の形状については,本来ならば含浸ロールの図を用いて記載すべきであるが,該スパイラル凸部は該脱水生単板1aを圧縮するものであるから,該脱水生単板1aに生じる該スパイラル凸部に対応した圧縮痕の寸法をもって代用して述べることとする。
【0054】
先ず,図7について説明する。図に示したように,該スパイラル凸部は,該脱水生単板1aの搬送方向と直交する方向,即ちスパイラル含浸ロールの回転軸方向に対して15度傾斜しており,該スパイラル凸部の幅は3mmで,該スパイラル凸部は7mmピッチの間隔で備えられている。そして,この形状のスパイラル含浸ロールを仮に「aタイプ」と呼ぶことにする。
尚,図において,圧縮痕の寸法をスパイラル凸部の寸法として表示したが,生単板は弾性体であることから,実際に圧縮する際には,スパイラル凸部の寸法以上の幅の圧縮痕が生じることになる。
【0055】
次に図7に示した菱形状の部分Cは,図5及び図6に示した上ロール73のスパイラル凸部73aと下ロール74のスパイラル凸部74aが交差する部分を表したものである。以下,この菱形状の部分をスパイラル凸部交点Cという。このように,該脱水生単板1aがスパイラル含浸ロールにより圧縮される時は,該スパイラル凸部交点Cにより圧縮を受けることになる。
【0056】
ところで,該スパイラル含浸ロールと前記円柱状含浸ロールとを較べた場合,該円柱状含浸ロールを用いて圧縮すると,該脱水生単板1aは,搬送方向と直交する方向,即ち円柱状含浸ロールの回転軸方向の全幅にわたってある圧縮幅をもって圧縮されることになるが,該スパイラル含浸ロールを用いて圧縮する場合には,該脱水生単板1aは前記スパイラル凸部交点Cにより主に圧縮されることになる。このように,スパイラル含浸ロールで圧縮する場合は,前記円柱状含浸ロールで圧縮する場合と比べると,該脱水生単板1aを圧縮する総面積が少ないので,該脱水生単板1aに対して加える総圧縮力は,スパイラル含浸ロールを使用した方が,総圧縮面積が少ない分だけ総圧縮力も少なくて済むことになる。
【0057】
次に図8について説明する。図に示したように,該スパイラル凸部は該スパイラル含浸ロールの回転軸方向に対して30度傾斜しており,該スパイラル凸部の幅は2mmで,該スパイラル凸部は14mmピッチの間隔で備えられている。この形状のスパイラル含浸ロールを仮に「bタイプ」と呼ぶことにする。
【0058】
さて,上述の「aタイプ」と「bタイプ」を比較してみると,図からも分かるように,スパイラル凸部交点Cの総面積は,スパイラル凸部の傾斜角度,スパイラル凸部の幅或いはスパイラル凸部のピッチを変えることによって変化することがわかる。そして,このようにスパイラル凸部交点Cの総面積を変えることにより,液体5の脱水生単板1aへの含浸量や含浸状態を変化させることができる。また,既に述べたことであるが,含浸圧縮率を変化させることにより液体5の脱水生単板1aへの含浸量を変化させることができる。従って,含浸圧縮率を一定にした場合は,当然のことながら,該脱水生単板1aに対する総圧縮面積が広くなればなるほど液体5をより多く含浸させることができるのである。
更にまた,図からも明らかなように,スパイラル凸部交点Cの総面積が広い方が液体の含浸する面積は広くなるので,脱水生単板1aに対して均一な含浸処理を行うことができる。
【0059】
以上述べてきたように,同じスパイラル含浸ロールであっても,「aタイプ」の場合は「bタイプ」の場合よりも総圧縮面積が広いので,その分,脱水生単板1aに対して液体5を広範囲に渡って均一に含浸させることができるが,その反面,含浸圧縮率を同じ設定にした場合は,「aタイプ」のスパイラル含浸ロールの方が「bタイプ」よりも圧縮面積が広い分,当然総加圧力も大きくなるので,該「aタイプ」のスパイラル含浸ロールを備える装置は,該加圧力を出すだけの加圧装置と,またその加圧力に耐え得るだけの充分な強度を備えた装置でなければならない。即ち,例えば圧縮面積が3倍広くなれば,加圧力を3倍大きくしなければ同じ含浸圧縮率にならないことになる。
【0060】
一方,「bタイプ」の場合は,総圧縮面積が狭い分,液体5の脱水生単板1aへの含浸量が少なくなるという傾向にある。この為,液体5が均一に含浸される必要のある防腐などよりも,比較的含浸が不均一でも効果が得られる防虫などを目的とする含浸に採用することができる。また,とりわけ「bタイプ」のように圧縮面積が狭い場合には,前記円柱状含浸ロールと較べると加圧力が少なくて済むので,装置自体の機械的強度が強くなくても良く,結果的に装置が大型化するのを防ぐことができる。
【0061】
このように,脱水生単板1aへの含浸量は,含浸圧縮率と圧縮面積とにより決定されるので,含浸させる単板の材質,含浸させた単板の用途など,目的に応じてスパイラル凸部の形状を決める必要がある。
尚,スパイラル凸部による総圧縮面積を変える方法としては,上述した「aタイプ」及び「bタイプ」のスパイラル凸部形状に限るものではなく,要はスパイラル凸部交点Cの面積が変化するように,スパイラル凸部の傾斜角度,幅,ピッチを任意に変更することにより行えばよい。
【0062】
次に,スパイラル含浸ロールによる脱水生単板1aへの含浸作用について,図5を用いて説明する。尚,理解を助ける為に,前記円柱状含浸ロールによる含浸作用(図4)と比較しながら説明を行うことにする。図5は,該スパイラル含浸ロールを使用して脱水生単板1aへ液体5を含浸させる為の含浸装置7の部分側面図である。該スパイラル含浸ロールは,上ロール73と下ロール74とからなる一対の圧縮加圧ロールであり,それぞれのロールの外周面には,スパイラル凸部73a,74a及びスパイラル状溝部73b,74bが形成されている。そして,これらのスパイラル凸部は,既に述べたように含浸ロールの回転軸方向に対して任意の角度で傾斜している。
【0063】
先ず,図4を用いて,該円柱状含浸ロールによる含浸作用について述べる。脱水生単板1aは,該円柱状含浸ロールにより圧縮変形されて最大圧縮を受ける地点を通過すると,今度は圧縮が解放されるので元の状態に戻ろうとする復元作用が働くことになる。そして,脱水生単板1aが円柱状含浸ロールとの接触から解放されて液体5に触れると,該復元作用により液体5は脱水生単板1aの導管或いは仮導管などから強制的に該脱水生単板1aの内部に吸引されることになる。
このように,円柱状含浸ロールの場合には,該脱水生単板1aが円柱状含浸ロールとの接触から解放された時点から,液体5の含浸が始まると考えられる。
尚,該円柱状含浸ロールによる圧縮中に該脱水生単板1aから水分が漏れ出ることがないように,この時の含浸圧縮率は,前述した脱水装置3による脱水圧縮率以下の設定としている。
【0064】
一方,スパイラル含浸ロールの場合は,該円柱状含浸ロールの場合とは違い,ロール外周に溝部73b及び74bが形成されている為に,該脱水生単板1aがスパイラル凸部により最大圧縮を受ける地点を通過すると,該スパイラル凸部交点C周辺の溝部分に存在している液体5がすぐに含浸されることになるので,効率よく含浸させることができるのである。これは,図7及び図8からも分かるように,該スパイラル凸部交点Cの周りには溝部があるので,該溝部分に液体5が絶えず存在しているからである。このように前記円柱状含浸ロールで含浸させる場合よりも,該脱水生単板1aの復元力が強い段階で含浸が始まることになるので,効率よく含浸させることができる。
【0065】
尚,液体5の含浸の均一性という点においては,該スパイラル含浸ロールよりも前記円柱状含浸ロールの方が優れているのであるが,該スパイラル含浸ロールの場合であっても,単板の材質の違いによる液体5の含浸特性や含浸処理した材料の用途,或いは最高含浸圧縮率などの諸条件に対応したスパイラル凸部形状を決めることにより,該円柱状含浸ロールに近い含浸処理を行うこともできる。
また,該スパイラル含浸ロールは,少なくとも一方のロールがスパイラル含浸ロールであってもよい。
【0066】
次に,含浸ロールの他の形状について述べる。図9は,他の形状の含浸ロールを備えた含浸装置7を簡略化して図示したものであり,少なくとも一方のロールの表面に複数個の突起物77aを備えた含浸ロール77(以下,突起状含浸ロールという)となっている。該突起状含浸ロール77は,前記スパイラル含浸ロールのスパイラル凸部73aが非連続状態の突起物として構成されたものである。
これは,前記スパイラル含浸ロールによる圧縮において,実際に単板を圧縮する部分は主にスパイラル凸部交点C及びその周辺部分であることから,該スパイラル凸部交点C以外のスパイラル凸部を取り去った形状となっている。このような突起物77aを備えた含浸ロールを使用すると,特に,板厚の厚い単板を圧縮する際に使用すると,前記スパイラル含浸ロールを使用して含浸を行うよりも少ない加圧力で含浸させることができる。即ち,同じ含浸圧縮率であっても,板厚の厚い単板を圧縮すると,スパイラル凸部交点Cの面積が広くなるからである。
また,突起物77aの形状としては,特に上述した形状に限定するものではなく,要は脱水生単板1aを圧縮できる形状であれば足りる。
【0067】
次に含浸ロールの材質について述べる。既に述べたように,図4における含浸装置7では,鋼製の円柱状含浸ロールを採用しており,また,図6においても同様に鋼製のスパイラル含浸ロールを採用している。しかし,これらの含浸ロールは鋼製に限ることはなく,例えば,先記脱水装置3の上ロールと下ロールで採用したような合成ゴムのロールで行っても良い。これは,含浸させる単板がラジアータパインのように節が多い場合には,該節の破損を防止する為にウレタンゴムなどの合成ゴムを使用するのが望ましいからである。
【0068】
【発明の効果】
本発明は,上述のとおり構成されているので,以下に記載されるような効果を奏する。先ず,生単板を板厚方向に圧縮して脱水処理を施した後,液体中に備えた一対のロールで該生単板を板厚方向に圧縮しながら繊維方向に搬送して生単板へ液体を含浸させるので,該生単板の含水率,板厚,割れの有無などに影響されることなく,該液体を瞬時に該生単板の内部組織へ均一にしかも安定した量の液体を効率よく含浸定着させることができる。
【0069】
特に,前記液体が防腐或いは防虫の為の薬液である場合には,該生単板の内部組織全体に該薬液を均一に浸透定着させることができるので,安価で確実な防腐処理製品或いは防虫処理製品を提供することができる。
従って,従来から行われていたような,防腐或いは防虫の為の薬液を拡散現象を利用して木材内部に浸透させた後,一定時間放置して該薬液が生単板全体にわたって均一に拡散浸透させる必要がないので,生産性が飛躍的に向上する。
【0070】
また,該薬液が空気中へ飛散する心配もないので,安全に含浸処理作業を行うことができる。
【0071】
次に,生単板を板厚方向に圧縮率A%(但し,圧縮率A%は該生単板の空隙率以下)で圧縮して脱水処理を施した後,液体中に備えた一対のロールで該生単板を板厚方向に圧縮率B%(但し,圧縮率B%は前記圧縮率A%以下)で圧縮しながら繊維方向に搬送して生単板へ液体を含浸させるので,該圧縮率A%及び該圧縮率B%を変化させることにより該生単板への液体の含浸量を容易に制御することができる。
【0072】
従って,例えば,高濃度の薬液を使用すると安全性に問題があるような場合には,低濃度の薬液を必要な量だけ含浸させるように制御することにより,より安全に含浸処理作業を行うことができる。
【0073】
また,該液体中で該生単板を圧縮しても該生単板の含有水分が液中に漏れ出ることがないので,該水分により液体が希釈されることがなく,従って安定した濃度の液体を含浸定着させることができる。
【0074】
次に,前記液体槽中に備えた一対の加圧搬送ロールの少なくとも一方のロールの表面に複数本のスパイラル状の凸部形状を備えることにより,該加圧搬送ロールによる該生単板の圧縮面積を減少させることができるので,それだけ加圧搬送ロールによる加圧力が少なくて済むことになり,従って含浸装置自体の機械的強度を高める必要がないので,装置が大型化するのを防ぐことができる。
【0075】
また,特に,前記液体槽中に備えた一対の加圧搬送ロールの少なくとも一方のロールの表面に複数個の突起物を備えることにより,板厚の厚い生単板の場合であっても,より少ない加圧力で押圧して液体を含浸定着させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】脱水装置及び含浸装置の概略側面図である。
【図2】脱水ロールによる生単板の圧縮状態を示す部分側面図である。
【図3】脱水ロールによる圧縮状態を更に拡大した部分側面図である。
【図4】含浸装置における含浸ロールの部分側面図である。
【図5】スパイラル含浸ロールの部分側面図である。
【図6】スパイラル含浸ロールによる含浸状態を説明する為の斜視図である。
【図7】スパイラル含浸ロールによる圧縮状態を説明する為の生単板平面図である。
【図8】同上
【図9】他の形状の含浸ロールによる含浸状態を説明する為の斜視図である。
【符号の説明】
1 …生単板
1a…脱水生単板
1b…含浸生単板
3 …脱水装置
4 …液体槽
5 …液体
7 …含浸装置
31 …上ロール
32 …下ロール
33a…搬送ロール
33b…搬送ロール
34a…加圧ロール
34b…加圧ロール
71 …上ロール
72 …下ロール
73 …上ロール
73a…スパイラル凸部
73b…スパイラル凹部
74 …下ロール
74a…スパイラル凸部
74b…スパイラル凹部
A …圧縮痕
B …圧縮痕
C …スパイラル凸部交点
Claims (6)
- 生単板を板厚方向に圧縮して脱水処理を施した後,液体中に備えた一対のロールで該生単板を板厚方向に圧縮しながら繊維方向に搬送することを特徴とする生単板への液体含浸方法。
- 生単板を板厚方向に圧縮率A%(但し,圧縮率A%は該生単板の空隙率以下)で圧縮して脱水処理を施した後,液体中に備えた一対のロールで該生単板を板厚方向に圧縮率B%(但し,圧縮率B%は前記圧縮率A%以下)で圧縮しながら繊維方向に搬送することを特徴とする生単板への液体含浸方法。
- 前記液体は防腐或いは防虫の為の薬液であることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の生単板への液体含浸方法。
- 生単板へ液体を含浸させる為の装置であって,該生単板を板厚方向に圧縮率A%(但し,圧縮率A%は該生単板の空隙率以下)で圧縮して脱水処理を施す脱水処理装置と,前記液体を収容する液体槽と,該液体槽中に備えて,該生単板を該液体中で板厚方向に圧縮率B%(但し,圧縮率B%は前記圧縮率A%以下)で圧縮しながら繊維方向に搬送する一対の加圧搬送ロールと,
を備えることを特徴とする生単板への液体含浸装置。 - 前記液体槽中に備えた一対の加圧搬送ロールは,少なくとも一方のロールの表面に複数本のスパイラル状の凸部形状を備えたロールであることを特徴とする請求項4記載の生単板への液体含浸装置。
- 前記液体槽中に備えた一対の加圧搬送ロールは,少なくとも一方のロールの表面に複数個の突起物を備えたロールであることを特徴とする請求項4記載の生単板への液体含浸装置。
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