JP4171156B2 - 処理液含浸装置 - Google Patents

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    • B05B12/00Arrangements for controlling delivery; Arrangements for controlling the spray area
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    • B05B12/122Arrangements for controlling delivery; Arrangements for controlling the spray area responsive to condition of liquid or other fluent material to be discharged, of ambient medium or of target ; responsive to condition of spray devices or of supply means, e.g. pipes, pumps or their drive means responsive to conditions of ambient medium or target, e.g. humidity, temperature position or movement of the target relative to the spray apparatus responsive to presence or shape of target

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、木材をその長手方向とは直交する方向に圧縮処理した後に、その木材に例えば防腐処理液などの処理液を含浸させる処理液含浸装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の処理液含浸装置は、特開平11−114916号公報に提案されているように、複数のロール列で構成された圧縮ロール機構を有する木材加圧装置を備えている。この木材加圧装置100は、図11に示すように、油圧シリンダ101により上側プレスロール102を下側プレスロール103側に下降させることにより、長尺棒状の木材である丸太104を上側プレスロール102と下側プレスロール103で上下方向から挟み込んで圧縮するようになっている。また、上側プレスロール102と下側プレスロール103は油圧モータ(図示せず)により回転駆動するようになっている。上側プレスロール102および下側プレスロール103の回転駆動により、圧縮した丸太104をその幹軸方向に搬送して処理液槽107内に導くようになっている。
【0003】
左右一対のサポートロール105は、圧縮処理後の丸太104を所定幅間隔に規制することにより丸太104に対して左右方向から圧縮処理を行うようになっている。左右一対のサポートロール105の所定幅間隔は、図示しないアジャストボルトによって調節可能になっている。このサポートロール105の幅間隔調節機能により、丸太104の過度の圧潰を抑制して木材101の破損を防止することができるようになっている。また、一対のサポートロール105は、一対の上側プレスロール102および下側プレスロール103と、次段の一対の上側プレスロール102および下側プレスロール103との間に配設されており、丸太104に対して、上側プレスロール102および下側プレスロール103による上下方向からの圧縮処理と、一対のサポートロール105による左右方向からの圧縮処理とが交互に行なわれるようになっている。これによって、丸太104は、図12に示すように上下方向A,Bおよび左右方向C,Dから面圧縮処理が為されて断面略四角形状になる。
【0004】
また、丸太104は、搬送ローラ106によって木材加圧装置100までその幹軸方向に搬送されて木材加圧装置100に受け渡されるようになっている。また、これらの搬送ローラ106および木材加圧装置100は丸太104の搬送が容易なように処理液槽107の上部開放側に下がるように傾斜している。丸太104中への処理液の含浸を行うために、木材加圧装置100は、圧縮処理後の丸太104を処理液槽107内の処理液中に投入するようになっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記従来の構成では、木材加圧装置100による圧縮処理が為された丸太104は全て、処理液槽107内の処理液中に投入され、処理液が丸太104中に注入される。このため、丸太104の含水率が高い場合には、丸太104を圧縮処理しても内部奥深くへの処理液の浸透が難しく、丸太104の外周部に沿って均一に処理液が浸透しない浸潤不良が生じると、特に、処理液が防腐処理液の場合には、浸潤不良の丸太104は、その外周部に沿った処理液の非浸透部分から早期に腐朽が進行するという問題を有していた。
【0006】
本発明は、上記従来の問題を解決するもので、高含水率の木材に対する浸潤不良を防止することができる処理液含浸装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の処理液含浸装置は、木材をその長手方向とは直交する方向に圧縮処理し、この圧縮処理した木材に処理液を加圧式注入する処理液含浸装置において、加圧式注入工程よりも上流側の工程において木材の水分量を検出する水分量検出手段と、該水分量検出手段で検出した木材の水分量が所定水分量以上であるときにこれを報知する報知手段とを有したことを特徴とするものである。
【0008】
この構成により、木材の水分量に応じた適切な処理が可能である、即ち、例えば切ったばかりの丸太など、高水分量の木材の場合には、木材を圧縮処理しても木材内奥深くへの処理液の浸透が難しく、木材外周部に沿って処理液の非浸透部分による浸潤不良が発生してしまう。これを解決するべく、本発明の処理液含浸装置では、加圧式注入工程よりも上流側の工程において木材の水分量を検出し、この検出した木材の水分量が所定水分量以上であるときにこれを報知するようにしたので、木材の外周部に沿って均一に処理液が浸透しない浸潤不良が生じ得る高水分量の木材であることが報知されれば、処理液の加圧式注入工程の上流側の工程において高水分量の木材を乾燥させるために取り除くことが可能となって、高水分量の木材に対する浸潤不良が未然に防止されることになる。
【0009】
本発明の処理液含浸装置は、木材をその長手方向とは直交する方向に圧縮処理し、この圧縮処理した木材に処理液を加圧式注入する処理液含浸装置において、加圧式注入工程よりも上流側の工程において木材の水分量を検出する水分量検出手段と、この水分量検出手段で検出した木材の水分量に応じて、乾燥に供する木材と処理液の加圧式注入に供する木材とに仕分けする仕分け手段とを有したことを特徴とするものである。
【0010】
この構成により、木材の水分量に応じて、乾燥に供する木材と、処理液注入に供する木材とに自動的に仕分けするようにしたので、高水分量の木材に処理液を含浸させることがなくなって、高水分量の木材による浸潤不良が防止されることになる。また、圧縮処理後の高水分量の木材を乾燥させれば、乾燥効率が格段に向上する。この乾燥後の木材に処理液を加圧式注入すれば、木材全数に対して処理液を均一に加圧式注入することが可能となって、処理液の浸潤不良が防止されることになる。
【0011】
また、好ましくは、本発明の処理液含浸装置において、木材を圧縮処理する手段は、一対のプレスロールによって木材をその長手方向とは直交する方向に両側から挟み込んで圧縮すると共に、一対のプレスロールを回転させて木材を所定方向に移動させつつ、一対の規制部材によって木材を所定厚さに規制する面圧縮加工手段が所定方向に複数配列された構成となっている。
【0012】
この構成により、より簡単な構成で、木材を多面圧縮加工することが可能となる。
【0013】
さらに、好ましくは、本発明の処理液含浸装置において、木材を圧縮処理する手段は、一対のプレスロールによって木材をその長手方向とは直交する方向に両側から挟み込んで圧縮すると共に、一対のプレスロールを回転させて木材を所定方向に移動させつつ、一対の規制部材によって木材を所定厚さに規制する面圧縮加工手段が所定方向に複数配列された構成となっており、水分量検出手段は、プレスロールによる木材の圧縮時に出る水分を検出する水分検出手段を有し、仕分け手段は、水分検出手段が水分を検出した場合に乾燥に供する丸太として仕分けし、水分検出手段が水分を検出しない場合に処理液の加圧式注入に供する木材として仕分けするようにしている。
【0014】
この構成により、水分検出手段を用いて、プレスロールによる木材の圧縮時に水分が外部に出るかどうかを検出すれば、浸潤不良が発生する虞がある高水分量の木材かどうかが、より簡単な構成で検知することが可能となる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下においては、まず、全体構成として本発明に係る処理液含浸装置の実施形態について説明した後に、木材加圧装置の詳細構成について説明する。
【0016】
図1は本発明の一実施形態における処理液含浸装置の構成を示す模式図である。図1において、処理液含浸装置1は、丸棒加工材としての長尺の木材2を断面略正8角形状に8面圧縮加工する木材加圧装置10と、その圧縮加工用の木材2を木材加圧装置10に搬入する搬入装置20と、木材加圧装置10に搬入された木材2の水分量(例えば含水率または容積重kg/m3)に応じて、乾燥処理(放置処理などによる自然乾燥や、加熱処理などによる人工乾燥処理を含む)を必要とする木材2(乾燥に供する木材)と、乾燥処理が不必要な木材2(加圧式注入に供する木材)とに仕分けする仕分け装置30と、乾燥した木材2に対して処理液3を加圧式注入する加圧式注入装置40とを有している。
【0017】
まず、木材2および処理液3について説明する。木材2は、例えば防腐処理液など、用途に応じた各種処理液3が含浸されて住宅や土木用などとして用いられる。また、木材2は、本実施形態では、例えば外径が略100mm程度の間伐材を利用した長尺(例えば長さ4m)の丸太材とする。処理液3を含浸する対象の木材2の樹種としては、処理液3が比較的含浸され易いスギ材の他、処理液3が比較的含浸され難い難浸透性樹種のスプルース材、ベイマツ材(米国産の栂材や椹材、栂椹材)およびカラマツ材などがある。また、処理液3としては、上記した防腐処理液の他、例えば防蟻処理液、難燃化処理液および材質強化処理液など、各種用途に応じた薬液がある。
【0018】
木材加圧装置10には、図2および図3に示すように、木材2の外周面に対して8面圧縮加工(図7参照)するための複数段(本実施形態では5段)のロール列が配設されている。このロール列は、装置本体11に、木材2を上下方向から挟み込んで6面の圧縮を行う下側および上側のプレスロール13a,13bと、左右両側から丸太状の木材2を所定厚さ(または所定幅)に規制して2面の圧縮を行う厚さ規制手段12(幅規制手段)とが、木材2の搬送方向(幹軸方向)に交互に順次配列されて構成されている。この一対の下側プレスロール13aおよび上側プレスロール13bと厚さ規制手段12とを1段とした5段のロール列によって木材2の8面圧縮加工を連続的でかつ順次圧縮率が高くなるように行って、木材2の破損を極力抑制するようにしている。なお、木材加圧装置10の詳細構成については後述する。
【0019】
搬入装置20は、長尺の木材2を横向けに載置して木材2をその幹軸方向に搬送して、第1段目の上下一対のプレスロール13a,13b間に木材2の先端部を案内するための複数の搬送ローラ21と、搬送ローラ21を回転駆動させるモータなどの回転駆動手段(図示せず)とを有している。
【0020】
仕分け装置30は、加圧式注入装置40への搬送手段として、木材2をその幹軸方向に搬送するための複数の搬送ローラ31と、搬送ローラ31を回転駆動させるモータなどの回転駆動手段(図示せず)とを有している。また、仕分け装置30は、木材2の水分量検知手段として、最も高い圧縮率(最終的に20パーセント圧縮する場合に15パーセント)に設定された第2段目の下側プレスロール13aの下方位置に配設され、水分を集めるためのホッパー32と、ホッパー32の出口部321の下方位置に配設された水分検知素子33とを有している。さらに、仕分け装置30は、搬送されてきた木材2の仕分け駆動手段として、搬送ローラ31間に配設された2本のレバー341を移動させることによって搬送ローラ31上の木材2をその幹軸方向(搬送方向)とは直交する方向に移動させる移動駆動手段34と、水分検知素子33による水分検知情報に応じて、搬送ローラ31上の木材2を、移動駆動手段34を制御して、乾燥処理に供する木材と処理液加圧式注入に供する木材とに仕分けする仕分け制御手段35とを有している。
【0021】
移動駆動手段34としては、2本のレバー341を木材2の搬送方向とは直交する方向に駆動する例えば空気圧シリンダやモータおよび減速機構などで構成されている。
【0022】
仕分け制御手段35は、木材加圧装置10による圧縮処理工程において木材2から出た水分を検知したかどうかを記憶するメモリ(図示せず)を有している。また、仕分け制御手段35は、木材2が搬送ローラ31上の所定位置に搬送されてきたことを検知するリミットスイッチ(検出器)や光センサなどの木材検知手段(図示せず)を有している。さらに、仕分け制御手段35は、木材2が搬送ローラ31上の所定位置に搬送されてきたことを、木材検知手段(図示せず)が検知したときに搬送ローラ31用の回転駆動手段(図示せず)の駆動を一旦停止制御する(本実施形態では、回転駆動手段の駆動を一旦停止制御するようにしたが、回転駆動手段が駆動したままであってもよい。)と共に、メモリ(図示せず)内から水分検知情報を読み出し、水分を検知している場合(含水率が約80パーセント以上に相当)にレバー341を駆動するようになっている。このレバー341の駆動によって、高含水率の木材2は、処理液加圧式注入装置40への搬送路上から乾燥処理エリア側の搬送路上に移し変えられ、下記のような乾燥処理が施されるようになっている。
【0023】
加圧式注入装置40は、長尺の丸太状木材2および処理液3を収容かつ密閉可能とする注入タンク41と、注入タンク41内に連通(内部上方位置に連通)する処理液貯留タンク42と、注入タンク41内の圧力を上方から加減制御する圧力制御手段43とを有している。注入タンク41はその長手方向一方端側の入口に蓋部材411を有し、蓋部材411は入口を開口可能にしている。また、圧力制御手段43は、注入タンク41内に処理液3を充填した後に注入タンク41内を加圧(所定の処理液注入用圧力)または減圧(大気圧)するようになっている。また、圧力制御手段43による大気圧への減圧後に、注入タンク41内の処理液3が排出可能になり、その排出された処理液はポンプなどによって処理液貯留タンク42内に回収されるようになっている。
【0024】
ここで、本発明に係る木材加圧装置10の詳細な構成について説明する。図5は図1の厚さ規制手段12の詳細構成を示す正面図である。図5において、厚さ規制手段12は、丸太状の木材2の左右両側を所定間隔(例えばW1〜W2)で規制可能とする一対の各規制ロール121と、4角形状に枠組みされて木材加圧装置10の側壁14にボルト141で固定された枠部122と、枠部122に取り付けられ、両側の規制ロール121を接近または離間させる移動機構123とを有している。
【0025】
規制ロール121は、長手方向を上下に配設した円柱形状の固定軸121aと、固定軸121aの上下部でベアリング121bを介して回転自在に支持された筒部材121cとを有している。
【0026】
枠部122は、前面板122aと、前面板122aの奥側で前面板122aに対向して平行に配設されると共に側壁14に固定された後面板122bと、前面板122aおよび後面板122bの上端部間に掛け渡されて固定された上板122cと、前面板122aおよび後面板122bの下端部間に上板122cと平行に掛け渡されて固定された下板122dとを有している。
【0027】
規制ロール移動部123は、前面板122aの中央部に回転自在に立設されたハンドル用軸123aと、ハンドル用軸123aに固定された中央歯車123bおよびハンドル123cとを有している。また、規制ロール移動部123は、上板122cと下板122dとの間の上下位置にそれぞれ、前面板122aと後面板122bとの間に掛け渡されて回転自在に軸支された長尺の各ボールねじ123dと、上下一対のボールねじ123dの前面板122aからの各突出部にそれぞれ固定されると共に中央歯車123bにその上下位置でそれぞれ噛合する各ボールねじ用歯車123eとを有している。さらに、規制ロール移動部123は、上下に位置した各ボールねじ123dにそれぞれ螺合した上下一対の移動部材123fを左右位置に2組有している。このボールねじ123dには左右の2個所にねじ部が形成されているが、これらのねじ部は互いに逆方向のねじである。左側の固定軸121aの上下端部はそれぞれ、左側上下一対の移動部材123fにそれぞれ固定され、また、右側の固定軸121aの上下端部はそれぞれ、右側上下一対の移動部材123fにそれぞれ固定されている。これによって、規制ロール移動部123は、ハンドル123cを回すことにより各ボールねじ用歯車123eをそれぞれ介して上下一対のボールねじ123dをそれぞれ回転させ、各移動部材123fと共に左右一対の規制ロール121を接近または離間させて、規制ロール121の幅間隔(例えばW1〜W2)を調整できるようになっている。
【0028】
図6は図2の上下プレスロール13a,13bのMM線縦断面図である。図6において、下側のプレスロール13aは、装置本体11の側壁14に固定された下側円筒15a内で回転自在に支持された中心軸131aと、この中心軸131aに外嵌固定された円形ロール132aと、円形ロール132aの外周面側に固定された円環状の外周部133aとを有している。また、上側のプレスロール13bは、装置本体11の側壁14に形成された上下円弧状の長穴141に沿って上下動可能に位置した上側円筒15b内で回転自在に支持された中心軸131bと、この中心軸131bに外嵌固定された円形ロール132bと、円形ロール132bの外周面側に固定された円環状の外周部133bとを有している。これらの円環状の外周部133a,133bはそれぞれ、丸太状木材2の断面略円形の外周部に対して3面で圧接する凹状部134a,134bを有している。この凹状部134a,134bはそれぞれ、円環状の底面部134cの幅方向両側から両側面部134dが外方に開いた凹状に構成され、木材2の外周部に対して底面134cおよび両側面134dで圧接するようになっている。つまり、長尺丸太状の木材2は、図7に示すように、上記上側の外周部133bの凹状部134bで3面圧縮(圧縮方向A,E,F)されると共に、上記下側の外周部133aの凹状部134aで3面圧縮(圧縮方向B,H,G)され、かつ上記一対の規制ロール121で左右から2面圧縮(圧縮方向C,D)されることにより、木材2の外周部に沿って非圧縮部を残すことなく断面略正8角形状に8面圧縮加工されるようになっている。
【0029】
図8は図2のNN線断面図、図9は図2の上側プレスロール13bの平面図、図10は図2の下側プレスロール13aの平面図である。図2および図8〜図10において、木材加圧装置10は、上下一対のプレスロール13a,13bを持つロール列5段分を回転駆動させる回転駆動手段16と、上下一対のプレスロール13a,13bの上下間隔を調整可能とする間隔調整手段17とを備えている。
【0030】
回転駆動手段16は、図2および図8〜図10に示すように、上側プレスロール13bと連動する上側連動歯車手段161と、下側プレスロール13aと連動すると共に上側連動歯車手段161と連動する下側連動歯車手段162と、回転駆動回路(図示せず)およびモータ163と、モータ163の駆動力を、各ロール列毎に対応した上側連動歯車手段161および下側連動歯車手段162の何れかに伝達するチェーン164と、チェーン164を張架するためのテンショナー165およびアイドラー166とを有している。
【0031】
上側連動歯車手段161は、図8に示すように、装置本体11の側壁14と後方の側壁18との間に水平方向に掛け渡された固定軸161aと、固定軸161aに回転自在に支持された上側プレスロール連動歯車161bおよび上下連動歯車161cおよびスプロケット161fとを有している。プレスロール連動歯車161bは、図9に示すように、上側プレスロール13bの歯車135bに噛合している。また、上側プレスロール13bの上側円筒15bには上側プレスロール13bの上下移動用のレバー部材19が、上側円筒15bの長手方向とは直交する方向に突出して設けられている。
【0032】
また、固定軸161aには筒状部材161dが、図示しないベアリングなどを介して回転自在に設けられている。筒状部材161dの両端部にはアーム部材161eの一端部がそれぞれ固定されている。また、各アーム部材161eの他端部は上側プレスロール13bの上側円筒15bに連結されている。よって、上側プレスロール13bは、固定軸161aの軸心CL1を回動中心として筒状部材161dおよび各アーム部材161eと共に回動するように構成されている。この場合、側壁14には、軸心CL1を中心とした上下円弧状の長穴141が形成されており、この長穴141に上側円筒15bが貫通した状態で、上側プレスロール13bが長穴141に沿って円弧状に上下動可能になっている。
【0033】
このようにして、歯車161b、135bの噛合状態を維持しつつ、上側プレスロール13bが上下方向に位置変更可能となり、これにより、上下プレスロール間隔の調節が可能となっている。
【0034】
下側連動歯車手段162は、図8に示すように、装置本体11の側壁14と後方の側壁18との間に水平方向に掛け渡された固定軸162aと、固定軸162aに回転自在に支持された下側プレスロール連動歯車162bおよび上下連動歯車162cとを有している。プレスロール連動歯車162bは、図10に示すように、下側プレスロール13aの歯車135aに噛合している。また、上下連動歯車162cは、上側の上下連動歯車161cに噛合している。
【0035】
チェーン164は、図2に示すように、モータ163の固定軸163aに固定された歯車163fからロール列第1段目の上側連動歯車手段161のスプロケット161f、ロール列第2段目の下側連動歯車手段162のチェーン用歯車162f、ロール列第3段目の上側連動歯車手段161のスプロケット161f、ロール列第4段目の下側連動歯車手段162のチェーン用歯車162f、ロール列第5段目の上側連動歯車手段161のスプロケット161f、さらに従動歯車165,166を介して巻回されている。モータ163の回転駆動力は、チェーン164および各歯車を介してロール列第1段目〜ロール列第5段目の上側プレスロール13bと下側プレスロール13aにそれぞれ伝達されるようになっている。これにより、上側プレスロール13bと下側プレスロール13aを互いに逆の回転方向に回転させて、ロール列第1段目からロール列第5段目への方向に木材2を搬送するようになっている。
【0036】
間隔調整手段17は、図2および図8に示すように、装置本体11の上面に配設された軸支持部171と、軸支持部171に上端部分が螺合した連結棒172と、軸支持部171から上方に突出した連結棒172の上端に固定されたハンドル173とを有している。軸支持部171は、揺動軸心CL2を中心に揺動自在に支持されている。また、連結棒172は、その下端部がレバー部材19(図9参照)の先端部に連結されている。軸支持部171に螺合した連結棒172は、ハンドル173の回転操作によって回転することで、連結棒172の下端部がレバー部材19と共に上下動するようになっている。軸支持部171は、連結棒172およびレバー部材19の上下動に伴って、揺動軸心CL2を中心に揺動しつつ、上側プレスロール13bは、固定軸161aの軸心CL1を回動中心として回動して上下動するようになっている。また、上下一対の上側プレスロール13bと下側プレスロール13aの間の側壁14には下側プレスロール13aの円形上端部を基準とした目盛が上下方向に表示されている。圧縮率設定時に、ユーザは、ハンドル173を回転させることにより上側プレスロール13bを上下動させて、上記目盛を参照しつつ下側プレスロール13aと上側プレスロール13bとの上下間隔を設定するようになっている。
【0037】
上記構成により、まず、ユーザは、所定の圧縮率になるように、上記した目盛を確認しつつハンドル173を回転して上側プレスロール13bを上下動させ、上側プレスロール13bと下側プレスロール13aとの上下間隔を所定間隔に設定する。具体的には、ロール列の第1段目の上側プレスロール13bと下側プレスロール13aでは、木材2を容易に受け入れることができるようにするために圧縮率は0パーセント(丸太状木材2の直径と略同等の上下間隔に設定)とし、木材2の破損を抑制するために第2段目では圧縮率を15パーセント(丸太状木材2の直径に対して15パーセントだけ小さい上下間隔に設定)に設定する。さらに、ロール列の第3段目〜第5段目では安定した圧縮率が得られるようにするために、木材2の圧縮率を15パーセントから徐々に大きく設定して第5段目で最終圧縮率が20パーセントになるように設定する。
【0038】
また、ユーザが厚さ規制手段12のハンドル123cを回転することにより、丸太状木材2が通過する左右の幅間隔(例えばW1)を設定する。この場合にも、上側プレスロール13bと下側プレスロール13aとの上下間隔の設定と同様に、ロール列第1段目では木材2の圧縮率0パーセント、第2段目では圧縮率15パーセント、第3段目〜第5段目では圧縮率15パーセントから徐々に圧縮率を大きく設定して第5段目で最終圧縮率が20パーセントになるように設定する。
【0039】
次に、搬入装置20により、木材2の木材加圧装置10への搬入工程を実施する。即ち、複数の搬送ローラ21上に長尺の木材2を横倒しにして載置した状態で、搬送ローラ21を回転させて木材2をその幹軸方向に搬送し、第1段目の上下一対のプレスロール13a,13b間に木材2の先端部を案内する。
【0040】
さらに、木材加圧装置10では、上下間隔が所定の圧縮率になるように設定された上下一対のプレスロール13a,13bが長尺の木材2を引き込むように回転しており、プレスロール13a,13bで木材2を上下から挟み込んで6面圧縮加工した後に、厚さ規制手段12により左右両側から木材2を所定幅(所定の圧縮率になる間隔)に規制して2面圧縮加工する工程を5段階繰り返して、図7に示すように、木材2の外周部に沿って非圧縮部分を残すことなく断面略正8角形状に8面圧縮加工する。
【0041】
このとき、最も高い圧縮率15パーセントに設定された第2段目のプレスロール13a,13bで圧縮される木材2からは、切ったばかりの丸太材など、含水率が80パーセント以上の場合、外部に水分が出る。この水分は、ホッパー32で集められてその出口部321から落下する。この落下する水分を水分検知素子33で検知して仕分け制御手段35のメモリ内に水分検知情報として記憶しておく。
【0042】
さらに、仕分け装置30では、圧縮処理後の木材2が搬送ローラ31上の所定位置に到達したことをリミットスイッチや光センサなどで検出すると、搬送ローラ31の回転を一旦停止制御すると共に、メモリ内から水分検知情報を読み出し、水分を検知している場合(含水率が約80パーセント以上)に2本のレバー341を駆動する。2本のレバー341の駆動によって、高含水率の木材2は、処理液加圧式注入装置40への搬送路上から乾燥処理エリア側の搬送路上に移し変えられる。乾燥処理エリア側の搬送路上に載置された高含水率の木材2は、乾燥処理が効果的に為される。この乾燥処理を終えた木材2は、再び処理液加圧式注入装置40への搬送路上に戻される。
【0043】
このようにして、乾燥処理を終えた木材2の他、所定の高含水率未満(含水率が約80パーセント未満)の乾燥木材は、処理液加圧式注入装置40にて処理液3の加圧式注入処理が行なわれる。
【0044】
加圧式注入装置40では、注入タンク41内に長尺の丸太状木材2が収容された後に蓋部材411が閉じられ、注入タンク41内に処理液3が充填される。さらに、注入タンク41内は圧力制御手段43によって注入用の所定圧力に加圧される。この加圧状態が所定時間維持される。この含浸処理終了後は、圧力制御手段43によって注入タンク41内の圧力を減圧する。さらに、注入タンク41内の処理液3を排出した後に処理液貯留タンク42内に回収する。さらに、蓋部材411を開いて、注入タンク41内から、処理液含浸済みの木材2を回収することになる。
【0045】
以上のような本実施形態の処理液含浸装置1によると、木材加圧装置10による圧縮処理後の丸太状木材2に対して加圧式注入処理を行うようにしているため、処理液3が木材2に格段に含浸され易くなる。例えば難浸透性樹種において、木材2に対して圧縮処理しない場合には含浸量(容積重Kg/m3)が100のところ、木材2に対して20パーセント圧縮処理した場合には含浸量(容積重Kg/m3)が200〜300となる。木材2への処理液の含浸量が多いことによって、処理液3が防腐処理液の場合には、木材2が腐り難いという効果を奏する。木材2を圧縮処理した場合に処理液3の含浸量が格段に増える理由は、木材2の圧縮によりピットを開かせ、圧縮後の復元力により管(導管や師管など)内に処理液3を導くと共に、木材2の隣接細胞間の連結部(壁孔)を強制的に開口させて細胞内の奥深くまで処理液3を容易に浸透させることができるためである。つまり、処理液3の含浸方向は、木が水分を吸引する管の長手方向(幹軸方向)であり、木材2の細胞内奥深くまで処理液3を浸透させるためには、隣接する細胞間の連結部(壁孔)内に樹脂が溜まって閉塞している場合に、その連結部を加圧することにより連結部を変形させ、連結部を開口させて細胞内奥深くまで貫通させる必要がある。
【0046】
特に、木材加圧装置10においては、一対の規制ロール121によって両側の2方向から丸太状木材2を規制して圧縮しつつ、上下のプレスロール13a,13bの各凹状外周部で、木材2の外周部を上側3方向と下側3方向から木材2の中心軸に向かう方向で圧縮するようにしたため、従来の4面圧縮加工に比べて、上下左右の4つの圧縮方向にそれらの間への圧縮方向を加えて、木材2の外周部に沿って8方向からの8面圧縮加工を行うことができるものである。このため、木材2の外周部に沿って非圧縮部分が発生するのを防止することができる。したがって、木材2の外周部に沿った8方向からの各圧縮部分を中心に処理液3が浸透するようになる。特に、処理液3が防腐処理液の場合には、木材2の外周部分に、処理液3が浸透していない非浸透部分が無くなって、腐朽を防止することができるものである。
【0047】
また、丸太状木材2は外径が例えば100mmを中心としてばらついて一定化しておらず(例えば外径80〜120mm)、従来は、上下一対のプレスロール13a,13bの上下間隔を、その都度、ノギスなどで測定しつつ所定の上下間隔になるように調整していたが、これでは作業者の手間と工数がかかり過ぎる。本実施形態においては、ハンドル173の回転操作による間隔調整であるため、ノギスなどで測定しつつ目標圧縮率に相当する上下間隔に調整する場合に比べて大幅に作業者の手間と工数を少なくすることができる。また、従来において、上下一対のプレスロール13a,13bによる圧縮処理は油圧モータおよび油圧シリンダーを用いて行っていたが、この場合には、その圧縮処理機構が複雑になると共にコストがかかり過ぎる。これに対して、本実施形態の装置では、ハンドル173の回転操作によるねじ機構によって上下のプレスロール13a,13bの圧縮間隔を調整した後に、その調整した上下一対のプレスロール13a,13bを電動モータ163によって回転させるようにすることで、その間隔内に長尺の木材2を引き込んで圧縮するように構成したので、その圧縮処理機構が簡単な構成になると共にコスト的にも大幅に有利になる。
【0048】
また、木材加圧装置10の下流側に仕分け装置30を備え、処理液3の浸透が難しい所定の高含水率(例えば80パーセント)以上の木材2に対しては、乾燥に供する丸太材として仕分け装置30にて仕分けして所定の乾燥処理を行い、その乾燥処理後の木材2に対して処理液3を加圧式注入し、または、その所定の含水率未満の木材2に対しては、処理液注入に供する丸太材として仕分け装置30にて仕分せずに処理液加圧式注入装置40にて処理液3を加圧式注入するようにしている。このため、高含水率の木材2による処理液含浸不良を防止することができる。
【0049】
即ち、含水率が極端に多くない木材2では、所定の含浸量(例えば200Kg/m3)以上に処理液3を容易に含浸できるが、高含水率(例えば80パーセント以上)の木材2では、処理液3の所定の含浸量を容易に含浸できない。特に、切ったばかりの高含水率の木材2では、処理液3の含浸が困難で、木材2の断面円形外周部に沿って不均一な含浸状態(浸潤不良)になってしまう。この不均一な含浸状態とは、処理液3が含浸されている部分と処理液3が含浸されていない部分とが生じた状態である。よって、処理液3が防腐処理液の場合には、処理液3が含浸されていない未処理部分から腐朽が生じてしまう。このような不均一な含浸状態を防止するために、高含水率(例えば80パーセント以上)の木材2は、処理液3の含浸処理(加圧式注入処理)を行う前に、一旦乾燥処理を行うようにしている。この乾燥処理後の木材2は、再び処理液加圧式注入装置40への搬送路上に戻され、処理液加圧式注入装置40にて処理液3の均一な加圧式注入が行なわれることになる。また、水分検出素子33を用いて、第2段目の上下プレスロール13aによる木材2の圧縮時に出た水分を検出するようにすれば、処理液3の含浸不良が発生する虞がある高含水率の木材2かどうかが、より簡単な構成で検出することができる。なお、比較的乾燥した所定の高含水率未満の木材(例えば含水率が80パーセント未満の木材;圧縮時に水分が外部に出なかった木材)は、処理液3の均一な含浸が可能であることから、圧縮加工後に上記乾燥処理を行う必要がなく、処理液加圧式注入装置40で処理液3の加圧式注入処理を行うものである。
【0050】
木材2の圧縮加工後の乾燥処理について説明する。切った時期や外径が同等のスギ丸太(スギ丸棒加工材)を用いて、スギ丸太1本当たりの重量変化により乾燥試験を実施した。その乾燥試験の結果は、図4に示すように、自然放置乾燥経過日数8日間後のスギ丸太1本当たりの平均減少重量(Kg)は、20パーセント圧縮加工した木材2で3.5Kgであったのに対して、圧縮加工していない木材では1.5Kgであることが確認された。これによって、圧縮加工後の木材2の方が、圧縮加工をしていない木材よりも乾燥促進効果が高いことが判った。これは、圧縮加工によって、木材2の隣接細胞間の連結部(壁孔)を強制的に開口させて細胞内の奥深くまで連通させたことと、圧縮加工時に多少の水分を外部に放出したことなどの理由によるものと思われる。
【0051】
次に、本実施形態の装置による効果を確認するために行った試験とその結果について説明する。
【0052】
水分量(含水率または容積重)および心材率(丸太状木材の円形断面にはその中央部の心材部とその周りの辺材部とがあり、その断面全体における心材部の占める割合)などの丸太状木材2の素材情報が、処理液(薬液)の浸透性に及ぼす影響について評価試験を行った。含水率(高周波式測定、容積重)や産地の異なる試験木材(丸太)に対して、20パーセントの圧縮加工を試験木材の半径方向に施し、これに処理液(商品名;マイトレックACQ、(株)コシイプレザービング製)を加圧式注入処理したものである。
【0053】
無圧縮加工材では、乾燥状態(水分量が高周波式測定による含水率で39.18パーセント、容積重が550kg/m3以下=丸太1本当たりの重量が7kg以下)である木材産地が異なる試験木材において、処理液の加圧式注入試験を実施したところ、処理液注入量(kg/m3)は、例えば九州産材では最小値271.13〜最大値485.92で平均値が387.2であり、上記4地区とも平均注入量が容積重として350kg/m3を越えており、これはJAS規格の容積重200kg/m3以上を全数クリアしている。ところが、JAS規格の処理液注入量としての容積重が200kg/m3以上であっても、不良な木材の断面の処理液浸透状態を確認したところ、心材部の形状や位置にも影響があるが、心材周りの辺材部分で非浸透部が存在する浸潤不良(丸太の外周部に沿って均一に処理液が浸透していない)が生じていた。その浸潤不良率(処理液注入不良率)としては、関西産材では20パーセント、四国産材では30.6パーセント、九州産材では30.23パーセント、東北産材では41.38パーセントであった。
【0054】
このように、無圧縮加工材では、乾燥材を対象に浸透性の確認を行い、浸潤不良率の検討を目的に評価試験を実施した結果、心材部だけではなく辺材部でも浸透不良が生じており、処理液3の浸透には含水率以外に圧縮加工が不可欠であることが判る。
【0055】
圧縮加工材(従来の4面圧縮加工)では、処理液注入量としての容積重(kg/m3)は、例えば九州産材では最小値352.11〜最大値560.56で平均値が465.96であり、高周波式測定による含水率が85.33パーセントであり、無圧縮加工材に比べて処理液3の注入量(浸透量)が格段に増加していた。ところが、木材の切断試験において、浸潤不良率(処理液注入不良率)が、関西産材では0パーセント、九州産材でも0パーセントであったものの、四国産材では11.1パーセント、東北産材では11.1パーセントであった。不良木材の状態を確認したところ、4面圧縮部分のみの処理液の浸透が確認され、面圧縮部分間の非圧縮部分には処理液の非浸透部分が存在していた。
【0056】
これに対して、圧縮加工材(本発明の8面圧縮加工)では、処理液注入不良率(浸潤不良率)が、四国産材であっても0パーセント、東北産材であっても0パーセントとなり、全木材産地の試験木材において処理液注入不良率(浸潤不良率)が0パーセントとなった。したがって、試験木材の素材重量が1本当たり8.25kg以下の乾燥状態(容積重650kg/m3以下、含水率80パーセント未満)に調整し、本発明の8面圧縮加工を行えば、木材断面において浸潤不良の全くない処理液3の良好な深浸潤状態を達成することができるものである。また、高含水率(80パーセント以上)の木材2の場合には、圧縮処理後の一定期間の乾燥処理を実施し、その後、処理液3を加圧式注入することで、浸潤不良の全くない処理液3の深浸潤状態を達成することができるものである。このように、1本当たりの素材重量(水分量:容積重や含水率)が処理液3の浸透性(処理液注入量や深浸潤状態)への目安となることが判る。
【0057】
例えば容積重で650kg/m3以上の木材2では、その圧縮時に水分の流出があり、かなり含水率(80パーセント以上)が高いことが考えられる。この場合、本発明の8面圧縮加工による浸潤不良の低減効果が薄れ、浸潤不良が例えば12.5パーセント程度であった。この場合には、圧縮加工後に、一定の放置乾燥時間をおいて木材の含水率(または容積重)を下げることが必要である。また、容積重が650kg/m3未満の乾燥木材2では、処理液3の浸透としては十分な結果(断面60パーセント浸潤)が得られた。
【0058】
なお、本実施形態では、圧縮処理工程において木材2から出た水分の有無を水分検知素子で検知することにより、その木材2の水分量が、浸潤不良となる虞のある所定水分量以上であるかどうを検出するように構成し、水分を水分検知素子で検知した場合に、その木材2の含水率が略80パーセント以上で、浸潤不良となる虞がある含水率に対応させたが、これに限らず、木材2の所定水分量(閾値)以上であるかどうを検出するのに、高周波測定式の含水率測定手段を用いるなどして、所定含水率以上であるかどうかを直に検出してもよく、また、所定容積重kg/m3以上であるかどうかを直に測定してもよく、さらに、例えば木材2の直径と長さを略同等にし、木材1本当たりの重量が所定重量以上であるかどうかを検出するようにしてもよい。木材1本当たりの重量は重量測定手段(例えば重量計など)を用いて測定し、その側定重量が閾値としての所定重量以上かどうかを比較手段などで検出するようにすれば、その検出出力に応じて、仕分け制御手段35がレバー341の駆動を制御することができるものである。
【0059】
また、本実施形態では、木材2の水分量(または含水率、容積重、木材1本当たりの重量)に応じて、乾燥に供する木材と処理液注入に供する木材とに自動的に仕分けするように構成したが、自動的に仕分けする代わりに、木材2の水分量が所定水分量(含水率80パーセントまたは容積重650kg/m3)以上であるときにこれを、例えばランプなどの警報表示や、ブザー音などの警報音などで報知することにより、作業者が、水分を多く含む木材2を、乾燥処理を行うべく、加圧式注入装置40への搬送路から取り除くようにしてもよい。この場合、レバー341を手動で動かして、その高水分量(高含水率または高容積重)の木材2は、処理液加圧式注入装置40への搬送路上から乾燥処理エリア側の搬送路上に移し変えるようにしてもよい。
【0060】
さらに、本実施形態では、上下一対のプレスロール13a,13bの各凹状外周部で木材2の外周部を挟み込んで、木材2の長手方向に直交する圧縮方向、即ち上側からの3圧縮方向と下側からの3圧縮方向に左右からの2圧縮方向を加えた合計8圧縮方向による8面圧縮加工を施すように構成したが、この8面圧縮加工は、従来のものが4面圧縮加工であるのでそれ以上の5面圧縮加工〜7面圧縮加工、さらには9面以上の多面圧縮加工であってもよい。また、上側プレスロール13bと下側プレスロール13aの凹状外周部を、木材2の外周部に沿った断面円弧状の曲面で構成し、これを用いた曲面圧縮加工を行ってもよい。これらの場合には、断面略円形の木材2を従来のように4方向から圧縮していた場合に比べて、木材2の外周部に沿った、より多くの圧縮面を形成できて処理液3を木材2の外周部に沿って、より均一に浸透させることができる。このため、木材2の外周部に沿って処理液3の非浸透部分が発生するのを防止することができる。特に、処理液3が防腐処理液の場合には、防腐処理液の非浸透部分からの早期腐蝕を防止することができるものである。
【0061】
さらに、本実施形態では、丸太中心部に向かう圧縮方向で、丸太外周部に沿って略均等な正8面圧縮加工(図7参照)を行って、処理液3の非浸透部分の発生を防止することができるように構成したが、この正8面圧縮加工は、正5面圧縮加工〜正7面圧縮加工、さらには9面以上の正多面圧縮加工であってもよい。
【0062】
さらに、本実施形態では、特に説明しなかったが、ロール列の第1段目の上側プレスロール13bと下側プレスロール13aには、長尺の木材2が滑らないように滑り止め用のエンボス加工処理を施しておいてもよい。
【0063】
なお、本実施形態では、上下の上記凹状部134b,134aと左右の規制ロール121とによる正8面圧縮加工について説明したが、これに限らず、上下の平ローラと左右の規制ロール121とによる従来の4面圧縮加工(正8面圧縮加工を含む)であってもよい。また、本実施形態では、木材として丸太について説明したが、これに限らず、角材や板材であってもよい。さらに、本実施形態では、圧縮時に出る水分の有無について検知したが、これに代えて、木材表面の水分を検知するようにしてもよい。
【0064】
【発明の効果】
以上のように請求項1によれば、加圧式注入工程よりも上流側の工程において木材の水分量を検出し、この検出した水分量が所定水分量以上であるときにこれを報知するようにしたため、木材の外周部に沿って均一に処理液が浸透しない浸潤不良が生じ得る高水分量の木材であることが加圧式注入工程よりも上流側の工程で判り、高水分量の木材を乾燥させるために取り除くことができるものである。これによって、高水分量の木材に対する浸潤不良を未然に防止することができる。
【0065】
また、請求項2によれば、木材の水分量に応じて、乾燥に供する木材と処理液注入に供する木材とに自動的に仕分けするようにしたため、高水分量の木材に処理液を含浸させることがなくなって、高水分量の木材による浸潤不良を防止することができる。また、圧縮処理後の高水分量の木材を乾燥処理すれば、乾燥効率を格段に向上させることができる。この乾燥後の木材に処理液を加圧式注入すれば、処理液の浸潤不良を防止できる。
【0066】
さらに、請求項3によれば、一対の規制部材によって両側から所定幅に木材を規制しつつ、この規制方向とは異なる方向から一対のプレスロールによって挟み込んで圧縮すると共に、プレスロールを回転させて木材を所定方向に案内する複数のロール列が所定方向に順次配列されているため、より簡単な構成で、木材を容易に多面圧縮加工することができるものである。
【0067】
さらに、請求項4によれば、水分検出手段を用いて、プレスロールによる木材の圧縮時に水分が外部に出るかどうかを検出すれば、浸潤不良の虞がある高水分量の木材かどうかが、より簡単な構成で検知することができるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態における処理液含浸装置の構成を示す模式図である。
【図2】図1の木材加圧装置の側面図である。
【図3】図1の木材加圧装置の正面図である。
【図4】圧縮加工したスギ丸太と圧縮加工しないスギ丸太1本当たりの、自然放置乾燥経過日数に対する重量変化を示すグラフである。
【図5】図1の幅規制手段の詳細構成を示す正面図である。
【図6】図2の上下一対のプレスロールにおけるMM線縦断面図である。
【図7】図1の木材加圧装置で8面圧縮加工した木材の断面図である。
【図8】図2のNN線要部断面図である。
【図9】図2の上側プレスロールの平面図である。
【図10】図2の下側プレスロールの平面図である。
【図11】従来の処理液含浸装置の構成を示す側面図である。
【図12】図11の木材加圧装置による4面圧縮加工を施した丸太の断面図である。
【符号の説明】
1 処理液含浸装置
2 木材
3 処理液
10 木材加圧装置
12 厚さ規制手段
121 規制ロール
123 移動機構
13a 下側プレスロール
13b 上側プレスロール
133a,133b 外周部
134a,134b 凹状部
134c 底面部
134d 側面部
16 回転駆動手段
161 上側連動歯車手段
162 下側連動歯車手段
163 モータ
164 チェーン
17 間隔調整手段
171 軸支持部
172 連結棒
173 ハンドル
19 レバー部材
20 搬入装置
30 仕分け装置
32 ホッパー
33 水分検知素子
34 移動駆動手段
341 レバー
35 仕分け制御手段
40 加圧式注入装置

Claims (4)

  1. 長尺の木材をその長手方向とは直交する方向に圧縮処理し、該圧縮処理した木材に処理液を加圧式注入する処理液含浸装置において、前記加圧式注入工程よりも上流側の工程において前記木材の水分量を検出する水分量検出手段と、該水分量検出手段で検出した前記木材の水分量が所定水分量以上であるときにこれを報知する報知手段とを有したことを特徴とする処理液含浸装置。
  2. 長尺の木材をその長手方向とは直交する方向に圧縮処理し、該圧縮処理した木材に処理液を加圧式注入する処理液含浸装置において、前記加圧式注入工程よりも上流側の工程において前記木材の水分量を検出する水分量検出手段と、該水分量検出手段で検出した前記木材の水分量に応じて、乾燥に供する木材と処理液の加圧式注入に供する木材とに仕分けする仕分け手段とを有したことを特徴とする処理液含浸装置。
  3. 木材を圧縮処理する手段は、一対のプレスロールによって木材をその長手方向とは直交する方向に両側から挟み込んで圧縮すると共に、前記一対のプレスロールを回転させて前記木材を所定方向に移動させつつ、一対の規制部材によって前記木材を所定厚さに規制する面圧縮加工手段が前記所定方向に複数配列された構成となっていることを特徴とする請求項1または2記載の処理液含浸装置。
  4. 木材を圧縮処理する手段は、一対のプレスロールによって木材をその長手方向とは直交する方向に両側から挟み込んで圧縮すると共に、前記一対のプレスロールを回転させて前記木材を所定方向に移動させつつ、一対の規制部材によって前記木材を所定厚さに規制する面圧縮加工手段が前記所定方向に複数配列された構成となっており、前記水分量検出手段は、前記プレスロールによる前記木材の圧縮時に出る水分を検出する水分検出手段を有し、前記仕分け手段は、前記水分検出手段が水分を検出した場合に乾燥に供する木材として仕分けし、前記水分検出手段が水分を検出しない場合に前記処理液の加圧式注入に供する木材として仕分けするようにしたことを特徴とする請求項2記載の処理液含浸装置。
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