JP3841498B2 - PCa型枠及びこのPCa型枠を用いた橋脚の施工方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、鉄筋コンクリートの橋脚を、プレキャストコンクリート(以下、PCaと略称する)型枠を用いて構築する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
鉄筋コンクリートからなる橋脚の施工は、従来、例えば図19乃至図22に示すような方法で行われている。すなわち従来工法においては、まず地盤に基礎部(フーチング)101を施工し、その上に、橋脚102を所定の施工高さずつ第一リフト1021 から第nリフト102n まで順次施工して行く。各リフトの施工においては、図20に示すように、施工高さに対応して仮設足場103を延長構築し、当該リフトにおける橋脚施工空間に主筋、剪断補強筋及び帯筋等の鉄筋102aをクレーン104で揚重して組み立てた後、図21に示すように、前記橋脚施工空間を取り囲むように型枠102bを組み立て、この型枠102b内にコンクリートを打設するといった手順で行われる。図22に示すように、第nリフト102n までの施工によって橋脚102が構築されたら、その上に橋桁を架設するための梁部105を施工する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来工法によれば、次のような問題が指摘される。
(1)主筋、剪断補強筋、帯筋等の鉄筋102bの組み立てや型枠102bの組み立て等の煩雑な作業が殆どが高所作業となるので、時間がかかるばかりでなく、危険である。
(2)型枠102bの組み立てにあたっては、コンクリート打設時の側圧に対抗するためにこの型枠102bを多数のセパレータ(図示省略)で締結する必要があり、したがって施工が煩雑であり、時間がかかる。
(3)コンクリートに所要の強度が発現されるのを待って、型枠102bの解体・撤去作業が必要である。
(4)仮設足場103は橋脚施工空間の全周を取り囲むように構築しなければならないため、多くの仮設材や労力、時間が必要である。
【0004】
本発明は、上記のような事情のもとになされたもので、その技術的課題とするところは、鉄筋コンクリートからなる橋脚の施工において、現場での省力化、省人化及び工期短縮を図ると共に、橋脚の耐久性を向上させることにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上述した技術的課題を有効に解決するため、本発明は、PCa型枠を用いて橋脚を施工する技術を提供するものである。この橋脚施工に用いられるPCa型枠は、コンクリートで成形されたPCa堰板と、このPCa堰板にそのコンクリート打設側の面から離れた位置を左右に延在された状態に取り付けられた複数の剪断補強筋と、前記のコンクリート打設側の面に配設されたセパレータ取付部とを備え、前記PCa堰板の左右端部近傍に達する前記剪断補強筋の両端に主筋との結合部が屈曲形成され、前記剪断補強筋がPCa堰板のコンクリート打設側の面に形成された所要数のリブを介して取り付けられ、前記セパレータ取付部がこのリブに形成されたものである。なお、「PCa」とは、先に述べたように「プレキャストコンクリート」の略称であって、すなわちPCa堰板は予め工場生産した板状のコンクリート成形品であり、「左右」とは当該PCa型枠を組み立てた状態での略水平方向となる方向をいう。
【0006】
PCa堰板は、現場打ちコンクリートによって橋脚を成形するための型枠本体であると共に、打設後経時的に硬化していく前記現場打ちコンクリートと一体化されることによって橋脚の外壁面となるものである。PCa堰板のコンクリート打設側の面に形成された所要数のリブは、PCa堰板の補強作用を有するほか、剪断補強筋の取付手段及びセパレータ取付部の配設手段として利用される。
【0007】
本発明による橋脚の施工においては、まず、上述の構成を備えるPCa型枠を地上で方形枠状に配置し、互いに衝き合わされた前記各PCa型枠の端部同士を連結すると共に、互いに対向する前記PCa型枠同士をセパレータを用いて締結することによってPCa型枠組立体を組み立てる。PCa型枠組立体を構成する各PCa型枠には予め剪断補強筋が配設されているが、好ましくは、地上でPCa型枠組立体を組み立てる際に帯筋も組み込んでおく。
【0008】
次に、このPCa型枠組立体を揚重して橋脚施工位置に設置し、前記PCa型枠組立体の内側空間に所要数の主筋を組み込み、一部の主筋を前記各PCa型枠と一体の剪断補強筋の両端結合部に結合する。そして、前記各PCa型枠組立体の内側空間に現場打ちコンクリートを打設することによって、各PCa型枠のPCa堰板が前記現場打ちコンクリートに経時的に一体化され、かつ主筋、剪断補強筋、帯筋、セパレータ等が前記現場打ちコンクリートに埋設一体化される。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、図1乃至図11を参照しながら、中実の橋脚2を施工する場合の本発明の第一の実施形態について説明する。まず図1は、地盤Gに基礎部(フーチング)1を施工し、その上に、第一リフト21 の施工のための複数組のPCa型枠組立体20及び仮設足場3をクレーン4によって揚重し、順次設置している過程を示すものである。
【0010】
PCa型枠組立体20は、図2の平面図に示すように、横幅の異なる各一対のPCa型枠20A,20Bからなる。このうち、PCa型枠20Aは、図3の斜視図に示すように、長方形の板状のプレキャストコンクリート成形体であってコンクリート打設側となる内側面に3本のリブ21a〜21cが形成されたPCa堰板21と、前記内側面から適宜離間した位置に配置されて前記リブ21a〜21cを貫通した状態で取り付けられた多数の剪断補強筋22と、前記各リブ21a〜21cに所定間隔で埋設されたインサートボルト23とを備えている。またPCa堰板21はその厚さが50〜100mm 程度であって、運搬時あるいはコンリート打設時のクラック等を防止するための補強手段として鉄筋24が格子状に埋設され、あるいは引っ張り強度の大きい繊維等が混入されている。また、PCa堰板21の内側面と剪断補強筋22との間の間隔は、コンクリート打設時のコンクリート充填性を考慮して、このコンクリートの最大粗骨材寸法以上とする。
【0011】
リブ21a〜21cは、PCa型枠組立体20としての組立状態において略鉛直となる方向に延びており、したがってこれを直角に貫通した状態に取り付けられた剪断補強筋22は、前記組立状態において略水平となる方向に延びている。これら剪断補強筋22の左右両端は、前記PCa型枠組立体20の四隅部に相当する前記PCa堰板21の左右端部内側に達しており、この部分が内側へ略J字形に屈曲されることによって結合部22aが形成されている。
【0012】
PCa型枠20Bは、その横幅がPCa型枠20Aの横幅よりも大きく、4本のリブ21d〜21gが形成されているほかは、基本的には上記と同様の構造を有するものである。
【0013】
PCa型枠組立体20の組立に際しては、まず地上で図2に示すように各一対のPCa型枠20A,20Bを配置し、このPCa型枠20A,20B同士を、図4に示すように、L字形の複数の固定金具25を介して略長方形の枠状に連結する。図5は、前記固定金具25によるPCa型枠20Aと20Bの連結構造の詳細を示すもので、すなわち、固定金具25は、互いに直角をなして衝き合わされる前記PCa型枠20A,20Bの端部近傍で互いに隣接するリブ21aと21g(及びリブ21cと21d)に、これらのリブ21a,21g(21c,21d)に埋設されたインサートボルト23及びこれに螺合するナット23aによって緊結される。この連結状態においては、PCa型枠20A,20Bにおける剪断補強筋22の結合部22a同士が互いに略U字形をなすように重なり合い、この部分が後述する隅部の主筋28aと結合されるようになっている。
【0014】
次に図6に示すように、互いに対向するPCa型枠20A,20A間及びPCa型枠20B,20B間を、それぞれセパレータ26を介して連結・拘束すると共に、PCa型枠20A,20Bにおける各剪断補強筋22間に架設するようにして帯筋27を格子状に配筋する。前記セパレータ26は、図7に詳細に示すように、長手方向中央部に設けたターンバックル部26aと、PCa型枠20Aにおける中間のリブ21b又はPCa型枠20Bにおける中間のリブ21e,21fに、これら各リブ21b,21e,21fに埋設されたインサートボルト23及びこれに螺合するナット23aによって緊結される両端の金具26bとを有し、PCa型枠20A,20A間を拘束するものと、PCa型枠20B,20B間を拘束するものとは、PCa型枠20A,20Bの横幅の違いに対応して異なる長さとなっている。
【0015】
上述のようにして長方形枠状に組まれたPCa型枠組立体20を、クレーン4によって揚重し、第一リフト21 の施工高さまで順次設置して連結したら、図8及び図9に示すように、このPCa型枠組立体20によって画成されたコンクリート打設空間S内に、クレーン4によって所要数の主筋28を建て込む。主筋28の建て込み作業等においては、作業員に対して、PCa型枠組立体20が一種の安全柵として機能する。
【0016】
主筋28は、PCa型枠20A,20Bにおける剪断補強筋22の内側に配置され、PCa型枠組立体20の隅部に建て込まれる主筋28aは、前記隅部で互いに略U字形をなすように重なり合った剪断補強筋22の結合部22aに通されて結合され、これによって前記剪断補強筋22同士が互いに略長方形状に連結された状態となる。主筋28の建て込み終了後は、前記コンクリート打設空間内にコンクリートを打設し、第一リフト21 の施工が終わる。
【0017】
PCa型枠20A,20BのPCa堰板21は、先に述べたように鉄筋24を埋設したコンクリート製品であって、成形後の収縮・乾燥が完了した状態で現場に搬入されたものであるため剛性が高く、しかもリブ21a〜21c,21d〜21gによって補強されている。したがって、PCa堰板21を内側から支保するためのセパレータ26が、図6及び図9に示すように少ないものであっても、現場打ちコンクリートの打設時の側圧に対する十分な耐性を有する。
【0018】
また、PCa堰板21は、その内側面が打設後経時的に硬化していく現場打ちコンクリートと一体接合状態となることによって橋脚2の外壁面を構成するものであり、前記リブ21a〜21c,21d〜21gを貫通した状態に設けられた剪断補強筋22がジベル筋として作用するため、良好な接合状態となる。また、前記現場打ちコンクリートとの接合性を一層向上させるためには、PCa堰板21の内側面を粗面状に形成しておくことも有効である。
【0019】
第一リフト21 の施工終了後は、直ちに第二リフト22 の施工を開始する。この第二リフト22 の施工は、仮設足場3を施工高さまで延長して構築し、あとは上述の第一リフト21 の施工と同様、地上でPCa型枠20A,20B及びセパレータ26、帯筋27等によりPCa型枠組立体20を組み立て、このPCa型枠組立体20をクレーン4で揚重して第一リフト21 上に所定高さまで順次設置し、主筋28を建て込み、コンクリートを打設するといった手順で行われる。以下、このような一連の工程が第五リフト25 まで繰り返され、図11に示すような橋脚2が構築される。また、この橋脚2の天端上には橋桁を架設するための梁部5を施工する。
【0020】
先に述べたように、PCa堰板21(PCa型枠20A,20B)は、その内側に打設されたコンクリートと一体化されて橋脚2の外壁部となるものであるため、PCa型枠20A,20Bの解体・撤去作業を伴わない。また、PCa型枠組立体20は地上で組み立てられるため、仮設足場3は、橋脚施工位置の全周を取り囲むように構築する必要がなく、例えば図示のように、橋脚施工位置の片側に沿って構築するだけで良い。しかもPCa型枠組立体20の内周には予め剪断補強筋22が一体化されており、帯筋27等も組み込まれた状態で設置されるため、高所での作業は主筋28の建て込みだけであり、したがって危険を伴う高所作業が著しく減少する。
【0021】
上述の第一の実施形態では中実の橋脚を施工する場合について説明したが、本発明の第二の実施形態として、中空の橋脚を施工する場合について説明する。
【0022】
この実施形態においては、PCa型枠組立体20は、図18に示すように、先の第一の実施形態と同様のPCa型枠20A,20Bからなる外側枠20’と、その内側に、横幅の異なる各一対のPCa型枠20C,20Dからなる中空部形成用の内側枠20”を有する。PCa型枠20C,20Dは、第一の実施形態において説明したPCa型枠20A,20Bと基本的には同様であって、例えばPCa型枠20Cは、図13の斜視図にも示すように、コンクリート打設側となる外側面の幅方向中央に1本のリブ21hが形成されたPCa堰板21’と、このPCa堰板21’に前記リブ21hを貫通した状態で取り付けられた多数の剪断補強筋22’と、前記リブ21h及び前記外側面の左右両端に所定間隔で埋設されたインサートボルト23’とを備えている。また、PCa堰板21’には、鉄筋24’が格子状に埋設され、あるいは引っ張り強度の大きい繊維等が混入されている。
【0023】
リブ21hは、PCa型枠組立体20としての組立状態において鉛直となる方向に延びており、したがってこれを直角に貫通した状態に取り付けられた剪断補強筋22’は、前記組立状態において水平となる方向に延びている。この剪断補強筋22’の両端は、内側枠20”の角部に相当する前記PCa堰板21’の端部内側に達しており、この部分が外側へ略J字形に屈曲されることによって、結合部22a’が形成されている。
【0024】
PCa型枠20Dは、その横幅が上述のPCa型枠20Cの横幅よりも大きく、2本のリブ21i,21jが形成されており、その他は上記PCa型枠20Cと同様の構造を有する。
【0025】
PCa型枠組立体20の組み立てに際しては、まず地上で、図12の平面図に示すように各一対のPCa型枠20C,20Dを配置し、隣接するPCa型枠20C,20Dの端部同士を、図14及び図15に示すようにL字形の複数の固定金具25’を介して略長方形の枠状に連結することによって内側枠20”を組み立てる。固定金具25’は、互いに直角をなして衝き合わされる前記PCa型枠20C,20Dの端部に埋設されたインサートボルト23’及びこれに螺合するナット23a’によって緊結される。この連結状態においては、PCa型枠20C,20Dにおける剪断補強筋22’の結合部22a’同士が互いに略U字形をなすように重なり合い、この部分が後述する角部外周の主筋28bと結合されるようになっている。
【0026】
次に、PCa型枠20C,20Dからなる内側枠20”の外側に、PCa型枠20A,20Bを配置し、第一の実施形態の場合と同様、固定金具25を介して長方形の枠状に連結することによって、外側枠20’を組み立てる。このとき、外側枠20’における横幅の小さいPCa型枠20Aは内側枠20”における横幅の小さいPCa型枠20Cと平行に、また、外側枠20’における横幅の大きいPCa型枠20Bは内側枠20”における横幅の大きいPCa型枠20Dと平行に配置する。
【0027】
上述のようにしてPCa型枠20A,20Bからなる外側枠20’及びPCa型枠20C,20Dからなる内側枠20”の双方を組み立てたら、図16に示すように、互いに対向するPCa型枠20AとPCa型枠20Cとの間及びPCa型枠20BとPCa型枠20Dとの間をそれぞれセパレータ26’を介して拘束することによって、前記外側枠20’と内側枠20”を互いに連結する。また、PCa型枠20A,20Bにおける剪断補強筋22とPCa型枠20C,20Dにおける剪断補強筋22’間に架設するようにして帯筋27を配筋する。
【0028】
前記セパレータ26’は、図17に示すように、ターンバックル部26cの両端に取付金具26dを設けたものであって、第一の実施形態で用いたものよりも短尺である。すなわちこのセパレータ26’は、両端の取付金具26dが、PCa型枠20A,20Bのリブ21b,21e又は21fとPCa型枠20C,20Dのリブ21h〜21jに、これら各リブに埋設されたインサートボルト23,23’及びこれに螺合するナット23a,23bで緊結されることによって、外側のPCa型枠20A,20Bと内側のPCa型枠20C,20Dとを橋絡して互いに支保するものである。
【0029】
上記のようにして二重長方形枠状に組まれたPCa型枠組立体20を、図1に示すように橋脚施工位置へ第一リフト21 の施工高さまで設置したら、図18に示すように、前記PCa型枠組立体20のPCa型枠20A,20Bからなる外側枠20’とPCa型枠20C,20Dからなる内側枠20”との間のコンクリート打設空間Sに、所要数の主筋28を建て込む。これらの主筋28は、図18に示すように、前記外側枠20’の内周及び前記内側枠20”の外周に沿って一定間隔で建て込まれる。そして、外側枠20’の隅部内周に建て込まれる主筋28aは、互いに略U字形をなすように重なり合った剪断補強筋22の結合部22aに通され、内側枠20”の角部外周に建て込まれる主筋28bは、互いに円をなすように重なり合った剪断補強筋22’の結合部22a’に通され、これによって外側の剪断補強筋22同士及び内側の剪断補強筋22’同士が主筋28a又は28bを介して互いに略長方形状に連結された状態となる。主筋28の建て込み終了後は、前記コンクリート打設空間S内にコンクリートを打設し、第一リフト21 の施工が終わる。
【0030】
第一リフト21 の施工終了後は、直ちに第二リフト22 の施工を開始し、上述と同様の一連の作業を繰り返すことによって、中空の橋脚が所定の高さまで順次施工されて行く。この実施形態においては、外側枠20’におけるPCa型枠20A,20BのPCa堰板21は、その内側面が経時的に硬化して行く現場打ちコンクリートと一体接合状態となることによって橋脚2の外壁面を構成し、内側枠20”におけるPCa型枠20C,20DのPCa堰板21’は、その外側面が経時的に硬化して行く現場打ちコンクリートと一体接合状態となることによって橋脚2の中空部壁面を構成する。
【0031】
なお、本発明は、図示の実施形態によって限定的に解釈されるものではない。例えば、PCa堰板21,21’におけるリブの本数は、橋脚の断面積や形状、現場打ちコンクリートの打設高さ、コンクリート温度、打設速度、その他の設計条件に応じて適宜に決定されるものであり、主筋28の建て込み位置や帯筋27の配置等も前記諸条件によって適宜に決定される。また、橋脚の外壁面となるPCa型枠20A,20BのPCa堰板21の外側面には、工場での成形過程で適当な浮き出し模様等を形成しておくことによって、橋脚の美観を向上させることができる。
【0032】
【発明の効果】
本発明によると、次のような効果が実現される。
(1) 現場打ちコンクリートと一体化されて橋脚の壁面部となるPCa型枠を使用することによって、型枠解体や撤去作業が不要となる。
(2) 現場打ちコンクリートと一体化されて橋脚の壁面部となるPCa型枠を使用することによって、精度良く施工することができる。
(3) PCa型枠は剛性の高いものとすることができるので、コンクリート打設時の側圧に対抗するために設けるセパレータの数を減少させ、型枠の組み立てを容易に行うことができる。
(4) PCa型枠によるPCa型枠組立体の組立作業を地上で行い、しかもこのPCa型枠組立体は、セパレータや、剪断補強筋及び帯筋等が組み込まれた状態で橋脚施工空間へ設置されるため、高所作業が著しく減少し、安全性が向上すると共に、仮設足場も縮小することができる。
(5) 上記(1)(3)(4) の理由から、現場での省力化・省人化が可能であり、かつ工期を著しく短縮することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一の実施形態において、基礎部の上に、第一リフトの施工のためのPCa型枠組立体及び仮設足場を組み立てる過程を示す説明図である。
【図2】上記第一の実施形態におけるPCa型枠の連結過程を示す平面図である。
【図3】上記PCa型枠を示す斜視図である。
【図4】上記第一の実施形態におけるPCa型枠の連結状態を示す平面図である。
【図5】上記PCa型枠の連結構造を示す説明図である。
【図6】上記第一の実施形態におけるPCa型枠組立体の組立完了状態を示す平面図である。
【図7】セパレータによる上記PCa型枠組立体の支保構造を示す説明図である。
【図8】上記第一の実施形態において、設置したPCa型枠組立体に主筋を建て込む過程を示す説明図である。
【図9】上記PCa型枠組立体に主筋を建て込んだ状態を示す平面図である。
【図10】上記第一の実施形態において、第二リフトの施工のためのPCa型枠組立体及び仮設足場を組み立てる過程を示す説明図である。
【図11】上記第一の実施形態による橋脚の施工完了状態を示す説明図である。
【図12】本発明の第二の実施形態において、PCa型枠を連結してPCa型枠組立体の内側枠を形成する過程を示す平面図である。
【図13】上記内側枠として用いるPCa型枠を示す斜視図である。
【図14】上記内側枠の連結部を拡大して示す説明図である。
【図15】上記PCa型枠組立体の内側枠及び外側枠の配置状態を示す平面図である。
【図16】上記第二の実施形態におけるPCa型枠組立体の組立完了状態を示す平面図である。
【図17】セパレータによる上記PCa型枠組立体の内側枠と外側枠の支保構造を示す説明図である。
【図18】上記PCa型枠組立体に主筋を建て込んだ状態を示す平面図である。
【図19】従来技術において、基礎部の上に、第一リフトを施工している過程を示す説明図である。
【図20】従来技術において、第二リフトの配筋過程を示す説明図である。
【図21】従来技術において、第二リフトの型枠施工状態を示す説明図である。
【図22】従来技術による橋脚の施工完了状態を示す説明図である。
【符号の説明】
2 橋脚
20 PCa型枠組立体
20A〜20D PCa型枠
21 PCa堰板
21a〜21k リブ
22,22’ 剪断補強筋
22a,22a’ 結合部
26 セパレータ
27 帯筋
28,28’ 主筋
Claims (3)
- コンクリートで成形されたPCa堰板と、
このPCa堰板のコンクリート打設側の面から離れた位置を左右に延在された状態に取り付けられた複数の剪断補強筋と、
前記コンクリート打設側の面に配設されたセパレータ取付部とを備え、
前記PCa堰板の左右端部近傍に達する前記剪断補強筋の両端に主筋との結合部が屈曲形成され、
前記剪断補強筋がPCa堰板のコンクリート打設側の面に形成された所要数のリブを介して取り付けられ、
前記セパレータ取付部がこのリブに形成されたことを特徴とするPCa型枠。 - 請求項1に記載のPCa型枠を地上で方形枠状に配置して互いに衝き合わされた前記各PCa型枠の端部同士を連結すると共に互いに対向する前記PCa型枠同士をセパレータを用いて締結することによりPCa型枠組立体を組み立てる工程と、
橋脚施工位置に前記PCa型枠組立体を揚重・設置する工程と、
設置された前記PCa型枠組立体の内側空間に所要数の主筋を組み込むと共に一部の主筋を前記各PCa型枠と一体の剪断補強筋の両端結合部に結合する工程と、
前記PCa型枠組立体の内側空間にコンクリートを打設する工程と、からなることを特徴とするPCa型枠を用いた橋脚の施工方法。 - 請求項2に記載された構成において、
PCa型枠組立体の組立時にPCa型枠組立体に所要数の帯筋を配設することを特徴とするPCa型枠を用いた橋脚の施工方法。
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