JP3840411B2 - 電子写真感光体およびそれを用いた電子写真装置 - Google Patents

電子写真感光体およびそれを用いた電子写真装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真プロセスに使用される電子写真感光体およびそれを備える電子写真装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
電子写真技術は、即時性および保存性が高く高品質な画像が得られることなどから、近年では複写機の分野に留まらず、各種プリンタおよびファクシミリなどの分野において利用されており、その応用範囲はさらに広がっている。電子写真プロセスは基本的に、電子写真感光体(以後、感光体と略称する)の均一な帯電、感光体への像露光による静電潜像の形成、トナーによる静電潜像の現像、記録媒体へのトナー像の転写(中間に転写体を経由する場合もある)、トナーの定着による画像形成という5つのプロセスから構成されている。
【0003】
電子写真プロセスを実現する上での重要な構成要素である感光体には、その光導電性材料として従来からセレン(Se)、ヒ素−セレン(As−Se)合金、硫化カドミウム(CdS)および酸化亜鉛(ZnO)などの無機系の材料が用いられている。しかしながら近年では、無公害であり、良好な成膜性および製造の容易さなどを利点とする有機系の光導電性材料を用いた感光体(以後、有機感光体と呼ぶ)が開発されている。
【0004】
有機感光体の中でも、高い電荷発生能力を持つ物質を含有する電荷発生層と高い電荷輸送能力を持つ物質を含有する電荷輸送層との2層を導電性支持体上に順次積層してなる感光層を備える積層型感光体は、電荷発生層および電荷輸送層それぞれの機能が限定されているので、各層を構成する材料の選択範囲が広く安全性の高い感光体が得られること、より高感度な感光体が得られること、塗布によって感光層を製造することが可能なため生産性が高くコスト面でも有利なことなどから、有機感光体の主流となっている。
【0005】
画像情報のデジタル化などに伴なって、従来から使用されている白色光に替わり、波長780nmの近赤外光または波長650nmの赤色光が使用されている。波長780nmの近赤外光または波長650nmの赤色光を出射する半導体レーザまたは発光ダイオードアレイが光源として使用され、光源から出射される光によって感光体が露光されて画像情報の記録が行われる。
【0006】
感光体に記録されるデジタル化された画像情報として、コンピュータから出力される文字などの画像情報を利用する場合、コンピュータから出力される画像情報が光信号に変換され、変換された光信号によって感光体に画像情報が静電潜像として形成される。また被記録部材の画像情報を利用する場合、被記録部材の画像情報が光信号として読取られ光信号が電気信号に変換された後、再度電気信号から変換された光信号によって感光体に画像情報が静電潜像として形成される。
【0007】
感光体に画像情報の静電潜像が形成されるとき、まず感光体の表面が一様に帯電され、その後光記録ヘッドまたは記録光学系などによって画像情報に基づいた光が感光体へ照射される。このことによって、電荷発生物質が光を吸収し励起されて電子および正孔であるキャリアが発生する。感光体の表面電荷と電荷発生物質の電荷輸送物質への電荷注入効率とに従って、電子または正孔が電荷発生物質から電荷輸送物質へ注入される。注入された電子または正孔は感光層内を移動し感光体表面へ達する。このことによって、感光体表面の電荷が中和されて電荷が減衰し、感光層に画像情報が静電潜像として記憶される。
【0008】
静電潜像は、光スポットが照射され感光体表面の電荷が減衰した部分にトナーが付着することによって現像される。画像は、画素と呼ばれる微小ドットの集合および配列によって表現される。光のスポット径をさらに微小にすることによって、画像情報を感光体に高密度で記録することができるので、画像を構成する画素の数を増加させて高い解像度で画像を現像することが可能になる。このように、微小な光スポットを形成し高い画像分解能を得ることのできる光学系の開発が進んでいる。
【0009】
感光体に画像情報の静電潜像を形成する光学系としては、可変スポットレーザ記録方式、マルチレーザビーム記録方式、超精密および超高速ポリゴンミラーを利用した記録方式などが開発されており、現在では、解像度1200dot/inch(以後、dpiと略称する)以上で感光層に画像情報を与えることのできる光学系が実現されている。
【0010】
しかしながら、微小な光スポットによって高い記録密度で感光層に画像情報を与えることが可能であっても、高解像度の画像情報に応じて感光層に高解像度の静電潜像を形成するためには、感度および解像度の高い感光体が必要とされる。
【0011】
感光体の感度および解像度に対しては、電荷発生物質および電荷輸送物質の特性が影響し、これらのうち電荷発生物質では光吸収による電荷発生効率、生成されたキャリアの寿命、電荷輸送物質ではキャリアの移動度などが関与している。このため、感光体に照射される光信号に対して高感度な電荷発生物質が開発されている。
【0012】
光の吸収による電荷発生能力が高いたとえばチタニルフタロシアニンは、複数存在する結晶型のうち、結晶型によっては量子効率が0.82という高い値を示すので、高感度な電荷発生物質として感光体に利用されている。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
前述したチタニルフタロシアニンのような高感度の電荷発生物質を使用した感光体には以下の問題がある。電荷発生層と電荷輸送層とからなる積層型感光体においては、高感度な電荷発生物質によって発生した大量の電荷が一度に電荷発生層と電荷輸送層との界面に蓄積し空間電荷が形成されることによって、導電性支持体から感光体表面へ向かう方向の電界強度が一時的に低下するため、導電性支持体から感光体表面へ向かう方向と直交する前記界面に沿った方向への電荷の拡散が顕著となり、画像情報の解像度を低下させるという問題がある。
【0014】
また、電荷輸送物質を含有する電荷輸送層へ電荷発生物質を分散させてなる単層型感光体においては、電荷発生物質から電荷輸送物質へのキャリア注入効率が低い場合、電荷発生物質中で発生したキャリアである電子および正孔が、電荷輸送物質へ移動することなく電荷発生物質中に蓄積して再び結合し消滅するので、感光層を高感度化することができないという問題がある。
【0015】
本発明の目的は、電荷発生物質と電荷輸送物質との最適な組合せを決定し、解像度、感度および耐久性に優れる電子写真感光体およびそれを用いた電子写真装置を提供することである。
【0016】
【課題を解決するための手段】
本発明は、導電性素材からなる導電性支持体上に設けられ、電荷発生物質と電荷輸送物質とを含有する感光層を備える電子写真感光体において、
前記感光層に含有される電荷発生物質はオキソチタニルフタロシアニンであり、電荷輸送物質は下記一般式(1)で示されるベンゾフラン−環状ヒドラゾン化合物であることを特徴とする電子写真感光体である。
【0017】
【化4】
Figure 0003840411
【0018】
(式中、Ar1は、置換基を含んでもよいアリレン基を示す。Ar2は、置換基を含んでもよいアリール基を示す。A3およびAr4は、互いに原子、原子団、置換基を含んでもよいアルキレン基、置換基を含んでもよいビニレン基または2価の連結基により環構造を形成する。aは、置換基を含んでもよい炭素数1〜3のアルキル基、置換基を含んでもよい炭素数が1〜5のフルオロアルキル基、置換基を含んでもよい炭素数1〜5のパーフルオロアルキル基、炭素数1〜3のアルコキシ基、炭素数1〜3のジアルキルアミノ基、ハロゲン原子または水素原子を示し、nは1〜4の整数を示す。ただしnが2以上のとき、複数のaは同一でも異なってもよい。)
【0019】
本発明に従えば、感光層には、電荷発生物質であるオキソチタニルフタロシアニンと、電荷輸送物質である一般式(1)で示されるベンゾフラン−環状ヒドラゾン化合物が含有される。オキソチタニルフタロシアニンは、高い電荷発生効率と電荷注入効率とを有する電荷発生物質であり、光吸収により多量のキャリアが生成されるとともに、生成されたキャリアをその内部に蓄積することなく電荷輸送物質であるベンゾフラン−環状ヒドラゾン化合物に効率よく注入する。したがって、光吸収によって電荷発生物質で発生する電荷が、電荷輸送物質に効率的に注入されて円滑に輸送されるので、高感度かつ高解像度の電子写真感光体を提供することができる。
【0020】
また本発明は、導電性素材からなる導電性支持体上に設けられ、電荷発生物質と電荷輸送物質とを含有する感光層を備える電子写真感光体において、
前記感光層に含有される電荷発生物質はオキソチタニルフタロシアニンであり、電荷輸送物質は下記一般式(2)で示されるベンゾフラン−環状ヒドラゾン化合物であることを特徴とする電子写真感光体である。
【0021】
【化5】
Figure 0003840411
【0022】
(式中、bは置換基を含んでもよい炭素数1〜5のアルキル基、置換基を含んでもよい炭素数1〜5のフルオロアルキル基、置換基を含んでもよい炭素数1〜5のパーフルオロアルキル基、炭素数1〜3のアルコキシ基、炭素数1〜3のジアルキルアミノ基、ハロゲン原子または水素原子を示し、mは1〜4の整数を示す。ただしmが2以上のとき、複数のbは同一でも異なってもよい。Ar2,Ar3,Ar4,aおよびnは、一般式(1)において示したものと同義とする。)
【0023】
本発明に従えば、一般式(2)で示されるベンゾフラン−環状ヒドラゾン化合物は、一般式(1)で示されるベンゾフラン−環状ヒドラゾン化合物と同様の電荷輸送特性を有するので、感光層に一般式(2)で示されるベンゾフラン−環状ヒドラゾン化合物を含有させることによって、高解像度かつ高感度な電子写真感光体を提供することができる。
また本発明は、上記一般式(1)および一般式(2)において、AおよびArが結合する窒素原子とともに形成する1価の基が、下記の基のいずれかであることを特徴とする。
【化6】
Figure 0003840411
本発明に従えば、一般式(1)および一般式(2)で示されるベンゾフラン−環状ヒドラゾン化合物の中でも、ArおよびArが結合する窒素原子がArおよびArとともに形成する1価の基が上記[化6]に挙げられる1価の基である化合物が好ましい。
【0024】
また本発明は、前記感光層は、
電荷発生物質を含有する電荷発生層と、電荷輸送物質を含有する電荷輸送層との積層構造からなり、
前記電荷発生層に含有される電荷発生物質はオキソチタニルフタロシアニンであり、
前記電荷輸送層に含有される電荷輸送物質は前記一般式(1)または前記一般式(2)で示されるベンゾフラン−環状ヒドラゾン化合物であることを特徴とする。
【0025】
本発明に従えば、電荷発生層と電荷輸送層との積層構造からなり、電荷発生層にはオキソチタニルフタロシアニンが含有され、電荷輸送層にはベンゾフラン−環状ヒドラゾン化合物が含有される。このように、感光層を2層の積層構造とすることによって、感光層を塗布などの容易な方法によって導電性支持体に設けることが可能になるので、生産性が高く製造コストを安価に抑制することができる。また電荷発生物質がオキソチタニルフタロシアニンであり、電荷輸送物質がベンゾフラン−環状ヒドラゾン化合物であるので、光吸収によって電荷発生物質で発生する電荷が、局部的に集中し蓄積されて空間電荷を形成することがなく、電荷輸送物質に効率的に注入されて円滑に輸送される。このことによって、高感度かつ高解像度の電子写真感光体を提供することができる。
【0026】
また本発明は、前記オキソチタニルフタロシアニンは、
CuKα特性X線(波長:1.54Å)に対するX線回折スペクトルにおいて、ブラッグ角(2θ±0.2°)9.4°の回折線と9.6°の回折線とが重なった回折線束が最大回折線であり、かつ27.2°の回折線が2番目の強度を示す回折線である結晶構造を有するオキソチタニルフタロシアニンであることを特徴とする。
【0027】
本発明に従えば、電荷発生効率と電荷輸送物質への注入効率とに優れた好適な結晶構造を有するオキソチタニルフタロシアニンを選択して電荷発生物質として用いるので、高感度かつ高解像度の電子写真感光体を提供することができる。
【0028】
また本発明は、前記感光層は、
前記ベンゾフラン−環状ヒドラゾン化合物とともに酸化防止剤を含有することを特徴とする。
【0029】
本発明に従えば、酸化防止剤が感光層に含有されることによって、成膜性、可撓性および塗布性が向上し、製造が容易で耐久性に優れる電子写真感光体を提供することができる。
【0030】
また本発明は、前記酸化防止剤は、
ヒンダードアミン化合物および/またはヒンダードフェノール化合物であることを特徴とする。
【0031】
本発明に従えば、ヒンダードアミン化合物およびヒンダードフェノール化合物は、電荷輸送物質であるベンゾフラン−環状ヒドラゾン化合物の酸化による性能劣化を抑制し、またその電荷輸送特性を損なうことがないので、周期的な帯状の濃度ムラであるいわゆるモアレなどの画像欠陥を生じることがなく耐久性に優れる電子写真感光体を提供することができる。
【0032】
また本発明は、前記導電性支持体と感光層との間には、
酸化チタンを含有する中間層が設けられることを特徴する。
【0033】
本発明に従えば、酸化チタンを含有する中間層が設けられることによって、繰返し感光体を使用することによって起こる感光層の導電性支持体からの剥離および感光層の絶縁破壊を抑制し、耐久性に優れる電子写真感光体を提供することができる。
【0034】
また本発明は、前記電子写真感光体と、
電子写真感光体に設けられる感光層に画像情報を露光する露光手段とを備え、画像情報を露光するべく露光手段によって出力される光の前記感光層におけるスポットの解像度が1200dot/inch以上であることを特徴とする電子写真装置である。
【0035】
本発明に従えば、露光手段によって出力される高解像度の光スポットに応じた高感度、高解像度を有する電子写真感光体が備えられるので、高精細の画像を形成することができる複写機、プリンタおよびファクシミリなどの電子写真装置を提供することができる。
【0036】
【発明の実施の形態】
図1は本発明の第1の実施の形態である感光体1の構成を簡略化して示す側面図であり、図2は図1の要部拡大断面図である。感光体1は、導電性素材からなる無端状ベルト状に形成された導電性支持体2上に電荷発生物質3と電荷輸送物質4とを含有する感光層5を備える。感光層5は、電荷発生物質3と、電荷輸送物質4と、電荷輸送物質4を結着させるバインダ樹脂6とからなる。
【0037】
導電性支持体2を構成する導電性素材には、たとえば、アルミニウム、アルミニウム合金、ステンレス鋼、鉄、金、銀、銅、亜鉛、ニッケルまたはチタンなどの金属材料、アルミニウム、金、銀、銅、ニッケル、酸化インジウムまたは酸化錫などを蒸着したプラスチック基体、ポリエステルフィルムまたは紙、導電性粒子を含有したプラスチックまたは紙、導電性ポリマーを含有したプラスチックなどを用いることができる。
【0038】
バインダ樹脂6には、たとえばポリカーボネート樹脂、ポリメチルメタクリレート樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂などのビニル重合体またはその共重合体、ポリエステル樹脂、ポリエステルカーボネート樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリイミド樹脂、フェノキシ樹脂、エポキシ樹脂またはシリコン樹脂などを用いることができる。また、前述した樹脂の部分的架橋硬化物も使用される。
【0039】
電荷輸送物質4には、下記一般式(1)に示されるベンゾフラン−環状ヒドラゾン化合物が好適に用いられる。
【0040】
【化7】
Figure 0003840411
【0041】
一般式(1)中、Ar1は置換基を含んでもよいアリレン基を示す。Ar2は置換基を含んでもよいアリール基を示す。A3およびAr4は互いに原子、原子団、置換基を含んでもよいアルキレン基、置換基を含んでもよいビニレン基または2価の連結基により環構造を形成する。aは、置換基を含んでもよい炭素数1〜3のアルキル基、置換基を含んでもよい炭素数が1〜5のフルオロアルキル基、置換基を含んでもよい炭素数1〜5のパーフルオロアルキル基、炭素数1〜3のアルコキシ基、炭素数1〜3のジアルキルアミノ基、ハロゲン原子または水素原子を示し、nは1〜4の整数を示す。ただしnが2以上のとき、複数のaは同一でも異なってもよい。
【0042】
また電荷輸送物質4は、下記一般式(2)で示されるベンゾフラン−環状ヒドラゾン化合物であってもよい。下記一般式(2)で示されるベンゾフラン−環状ヒドラゾン化合物は、前記一般式(1)で示されるベンゾフラン−環状ヒドラゾン化合物と同様の電荷輸送特性を有するからである。
【0043】
【化8】
Figure 0003840411
【0044】
一般式(2)中、bは置換基を含んでもよい炭素数1〜5のアルキル基、置換基を含んでもよい炭素数1〜5のフルオロアルキル基、置換基を含んでもよい炭素数1〜5のパーフルオロアルキル基、炭素数1〜3のアルコキシ基、炭素数1〜3のジアルキルアミノ基、ハロゲン原子または水素原子を示し、mは1〜4の整数を示す。ただしmが2以上のとき、複数のbは同一でも異なってもよい。Ar2,Ar3,Ar4,aおよびnは、一般式(1)において示したものと同義とする。
【0045】
前記一般式(1)で示される本発明によるベンゾフラン−環状ヒドラゾン化合物の具体例としては、たとえば以下の表1〜表3に示す構造を有するベンゾフラン−環状ヒドラゾン化合物が挙げられるけれども、これによって本発明によるベンゾフラン−環状ヒドラゾン化合物が限定されるものではない。
【0046】
【表1】
Figure 0003840411
【0047】
【表2】
Figure 0003840411
【0048】
【表3】
Figure 0003840411
【0049】
前記ベンゾフラン−環状ヒドラゾン化合物は、表1〜表3に示す例示化合物群から選ばれる1種が単独でまたは2種以上が混合されて使用される。2種以上が混合されて使用される場合、表1〜表3に示す例示化合物群以外にも類似のベンゾフラン−環状ヒドラゾン化合物、カルバゾール、インドール、イミダゾール、オキサゾール、ピラゾール、オキサジアゾール、ピラゾリン、チアジアゾールなどの複素環化合物、アニリン化合物、ヒドラゾン化合物、芳香族アミン化合物、スチリル化合物、エナミン化合物またはこれらの化合物からなる基を主鎖もしくは側鎖に有する重合体などの電子供与性物質と混合してもよい。好ましくはベンゾフラン−環状ヒドラゾン化合物が主成分として含有される混合物を調製して用いる。電荷輸送物質4は、バインダ樹脂100重量部に対して30〜200重量部、好ましくは40〜150重量部の範囲で使用される。
【0050】
電荷発生物質3には、下記一般式(3)で示されるオキソチタニルフタロシアニンが好適に用いられる。
【0051】
【化9】
Figure 0003840411
【0052】
一般式(3)中、R1,R2,R3およびR4は水素原子、ハロゲン原子、アルキル基またはアルコキシ基を表し、s,t,uおよびvは、0〜4の整数を示す。
【0053】
一般式(3)で示されるオキソチタニルフタロシアニンは、たとえばモーザおよびトーマスの「フタロシアニン化合物」(Moser and Thomas “Phthalocyanine Compounds”)に記載されている方法などによって合成することができる。
【0054】
図3は、本発明のオキソチタニルフタロシアニンのX線回折スペクトルを示す図である。第1ライン7は、本発明のオキソチタニルフタロシアニンに関するCuKα特性X線の回折角とX線強度の関係を示す。本発明のオキソチタニルフタロシアニンは、ブラッグ角(2θ±0.2°)9.4°の回折線と9.6°の回折線とが重なった回折線束が最大強度の回折線であり、かつ27.2°の回折線が2番目の強度を示す回折線であるX線回折スペクトルで示される結晶構造を有する。
【0055】
このような結晶構造を有するオキソチタニルフタロシアニンは、たとえば特開平10−237347号公報開示の合成法によって合成することができる。前記結晶構造を有するオキソチタニルフタロシアニンは、電荷発生効率と電荷輸送物質4への注入効率とに優れた特性を有する。
【0056】
オキソチタニルフタロシアニンの粒子径は、充分小さいことが必要であり、好ましくは粒子径が1μm以下のオキソチタニルフタロシアニンが用いられる。オキソチタニルフタロシアニンは、バインダ樹脂100重量部に対して0.5〜50重量部、好ましくは1〜20重量部の範囲で使用される。感光層5中の含有量が、過少では感光層5の感度が不足し、過多では帯電性および感度低下を引起こす恐れがあるので、0.5〜50重量部の範囲とした。
【0057】
また感光層用塗布液には、成膜性、可撓性、塗布性および機械的強度などを向上させるために可逆剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤およびレベリング剤などの添加剤を含有させてもよい。前述した添加剤の中でも酸化防止剤を用いることが好ましい。酸化防止剤には、好ましくはヒンダードアミン化合物および/またはヒンダードフェノール化合物が用いられる。ヒンダードアミン化合物およびヒンダードフェノール化合物は、電荷輸送物質4であるベンゾフラン−環状ヒドラゾン化合物の特性を損なうことがないので、酸化防止剤には好適である。
【0058】
ヒンダードアミン化合物としては、下記一般式(4)で示される化合物が用いられる。
【0059】
【化10】
Figure 0003840411
【0060】
一般式(4)中、X,YおよびZは水素原子または一価の有機残基を表し、R5,R6,R7およびR8はそれぞれ水素原子または置換基を含んでもよいアルキル基を示し、R9およびR10は水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシル基または置換基を含んでもよいアルキル基を示す。
【0061】
前記一般式(4)で示される本発明によるヒンダードアミン化合物の具体例としては、たとえば以下の表4および表5に示す構造を有するヒンダードアミン化合物が挙げられるけれども、これによって本発明によるヒンダードアミン化合物が限定されるものではない。
【0062】
【表4】
Figure 0003840411
【0063】
【表5】
Figure 0003840411
【0064】
またヒンダードフェノール化合物としては、下記一般式(5)で示される化合物が用いられる。
【0065】
【化11】
Figure 0003840411
【0066】
一般式(5)中、R11は水素原子、アルキル基またはアリール基を示し、R12は分枝状アルキル基を示し、R13,R14,R15およびR16は水素原子、置換基を含んでもよいアルキル基または置換基を含んでもよいアラルキル基または置換基を含んでもよい複素環基である。
【0067】
前記一般式(5)で示される本発明によるヒンダードフェノール化合物の具体例としては、たとえば以下の表6および表7に示す構造を有するヒンダードフェノール化合物が挙げられるけれども、これによって本発明によるヒンダードフェノール化合物が限定されるものではない。
【0068】
【表6】
Figure 0003840411
【0069】
【表7】
Figure 0003840411
【0070】
ヒンダードアミン化合物およびヒンダードフェノール化合物は、バインダ樹脂100重量部に対して0.05〜20重量部の範囲で使用される。
【0071】
さらに、残留電位を抑制するための添加剤、分散安定性向上のための分散補助剤、塗布性を改善するための界面活性剤、シリコンオイルまたはフッ素系オイルなどのその他の添加剤を感光層用塗布液に添加してもよい。
【0072】
調製された感光層用塗布液は、導電性支持体2がシート状の場合、たとえばベータアプリケータ、バーコータ、キャスティングまたはスピンコートなどによって導電性支持体2上に塗布される。本実施の形態とは異なるけれどもたとえば導電性支持体2がドラム状の場合、感光層用塗布液はスプレイ法、垂直リング法または浸漬塗工法などによって導電性支持体2上に塗布され、感光層5が形成される。感光層5の膜厚は、5〜40μm、好ましくは15〜30μmの範囲で形成される。
【0073】
さらに感光層5表面を保護するために感光層5に接して外方に保護層を設けてもよい。保護層には、たとえば熱可逆性樹脂、光硬化性樹脂または熱硬化性樹脂などが使用される。
【0074】
このような感光層5では、光吸収によって電荷発生物質3で発生する電荷が、電荷輸送物質4に効率的に注入されて円滑に輸送されるので、高感度かつ高解像度の感光体を提供することができる。
【0075】
図4は、本発明の第2の実施の形態である感光体の要部拡大断面図である。本実施の形態の感光体は、第1の実施の形態の感光体1に類似し、対応する部分には同一の参照符号を付して説明を省略する。注目すべきは、感光層8が電荷発生物質3を含有する電荷発生層9と、電荷輸送物質4を含有する電荷輸送層10とが導電性支持体2から外方に向かってこの順序で積層されてなる積層構造からなることである。
【0076】
電荷発生層9は、一般式(3)で示されるオキソチタニルフタロシアニンの微粒子にたとえばメチルエチルケトンなどの有機溶媒を加え、たとえばボールミル、サンドグライダ、ペイントシェーカまたは超音波分散機などによって粉砕および分散して得られる溶液を導電性支持体2上に塗布することによって形成される。電荷発生物質3は、有機溶媒100重量部に対して0.1〜50重量部、好ましくは2.5〜25重量部の範囲で使用される。
【0077】
また電荷発生層9の結着性を増すために、バインダ樹脂として、たとえばポリエステル樹脂、ポリビニルアセテート樹脂、ポリアクリル酸エステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリビニルアセトアセタール樹脂、ポリビニルプロピオナール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、フェノキシ樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、メラミン樹脂、シリコン樹脂、アクリル樹脂、セルロースエステル、セルロースエーテルまたは塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂などをさらに加えてもよい。
【0078】
調製された電荷発生層用塗布液は、第1の実施の形態の感光体1において感光層用塗布液を導電性支持体2に接して外方に塗布した場合と同様の方法によって、導電性支持体2に接して外方に塗布される。電荷発生層9の膜厚は、0.05〜5μm、好ましくは0.1〜1μmの範囲で形成される。また電荷発生層9には、塗布性を改善するためにレベリング剤、酸化防止剤または増感剤などの各種添加剤が含まれてもよい。
【0079】
電荷輸送層10は、一般式(1)または(2)で示されるベンゾフラン−環状ヒドラゾン化合物とバインダ樹脂6との混合液が前述した混合比で調製された後、混合液を電荷発生層9を形成する場合と同じ方法で電荷発生層9に接して外方に膜厚が5〜50μm、好ましくは10〜45μmの範囲に塗布して形成される。
【0080】
また電荷輸送層10には、成膜性、可撓性、塗布性などを向上させるために可逆剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、レベリング剤などの添加剤を含有させてもよい。前述した添加剤の中で酸化防止剤を含有させることが好ましい。酸化防止剤には、好ましくは前述した一般式(4)で示されるヒンダードアミン化合物および/または一般式(5)で示されるヒンダードフェノール化合物が用いられる。
【0081】
また感光層8は、以下のような構成であってもよい。図5は、本発明の第3の実施の形態である感光体の要部拡大断面図である。本実施の形態の感光体は、第2の実施の形態の感光体に類似し、対応する部分には同一の参照符号を付して説明を省略する。注目すべきは、感光層11は、導電性支持体2に接して外方に電荷輸送層10が形成され、さらに電荷輸送層10に接して外方に電荷発生層9が形成される積層構造からなることである。
【0082】
このように第2および第3の実施の形態の感光体に設けられる感光層8,11は積層構造であるので、感光層8,11を塗布などの容易な方法によって導電性支持体2に形成することが可能になり、生産性が高く製造コストを安価に抑制することができる。
【0083】
図6は、本発明の第4の実施の形態である感光体の要部拡大断面図である。本実施の形態の感光体は、第1の実施の形態の感光体1に類似し、対応する部分には同一の参照符号を付して説明を省略する。注目すべきは、導電性支持体2と感光層5との間に中間層12が設けられることである。この中間層12は下引き層とも呼ばれ、以後中間層12を下引き層12と呼ぶことがある。
【0084】
下引き層12は、導電性支持体2に接して外方に感光層5を設けた場合に生じやすくなる感光層5の導電性支持体2からの剥離と、感光体が繰返しコロナ帯電を受けることによって感光層5が絶縁破壊されて生じる恐れのある画像の白斑などを抑制する。
【0085】
下引き層12には、たとえばアルミニウム陽極酸化被膜、酸化アルミニウム、水酸化アルミニウムなどの無機層、ポリビニルアルコール、カゼイン、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸、セルロール類、ゼラチン、デンプン、ポリウレタン、ポリイミドまたはポリアミドなどの有機層が使用される。また、これらの下引き層12には、アルミニウム、銅、錫、亜鉛、チタンなどの金属または金属酸化物などの導電性微粒子もしくは半導電性微粒子を含んでいてもよい。
【0086】
前述の微粒子群の中でも酸化チタンが好適に用いられる。酸化チタンを含有する下引き層12を形成することによって、繰返し感光体を使用することによって起こる感光層5の導電性支持体2からの剥離および感光層5の絶縁破壊を抑制するからである。酸化チタンは、たとえばポリウレタン100重量部に対して10〜200重量部の範囲で使用される。また下引き層12の膜厚は、0.1〜50μm、好ましくは0.5〜20μmの範囲で形成される。このことによって、耐久性に優れる感光体を提供することができる。
【0087】
また図7は、本発明の第5の実施の形態である感光体の要部拡大断面図である。本実施の形態の感光体は、積層構造からなる感光層8および感光層8と導電性支持体2との間に下引き層12を備える構成であり、第2および第4の実施の形態の感光体に類似するので、対応する部分には同一の参照符号を付して説明を省略する。
【0088】
(実施例)
以下本発明の実施例を説明する。オキソチタニルフタロシアニン製造例および感光体作製例は例示であって、これに限定されるものではない。
【0089】
(製造例1)
o−フタロジニトリル40g、四塩化チタン18g、α−クロロナフタレン500mlを窒素雰囲気下において200〜250℃で3時間加熱攪拌して反応させ、100〜130℃に低下するまで放置後熱時濾過し、100℃に加熱したα−クロロナフタレン200mlで洗浄してジクロロチタニルフタロシアニン粗生成物を得た。この粗生成物を室温下でα−クロロナフタレン200ml、ついでメタノール200mlで洗浄後、さらにメタノール500ml中で1時間熱懸洗を行なった。その後濾過し、得られた粗生成物を、イオン交換水500ml中でpHが6〜7になるまで熱懸洗をイオン交換水を交換して繰返した。その後乾燥し、オキソチタニルフタロシアニンの結晶を得た。
【0090】
得られたオキソチタニルフタロシアニンの結晶構造をX線回折スペクトルによって分析した。X線回折は、波長1.54ÅであるCuKα特性X線を用い、管電圧40kV、管電流50mA、スタート角度5.0°、ストップ角度30.0°、ステップ角度0.02°、走査時間0.5°/secの条件下でθ/2θスキャン法にて行なった。
【0091】
図8は、製造例1で得られたオキソチタニルフタロシアニンのX線回折スペクトルを示す図である。第2ライン13は、製造例1で得られたオキソチタニルフタロシアニンに関するCuKα特性X線の回折角とX線強度との関係を示す。製造例1で得られたオキソチタニルフタロシアニンのX線回折スペクトルは、ブラッグ角(2θ±0.2°)27.3°の回折線が最大強度の回折線であり、かつ7.4°、9.7°に回折線を示しているので、特開平2−8256号公報および特開平7−271073号公報に開示されているY型結晶構造のオキソチタニルフタロシアニンであることが判る。
【0092】
(製造例2)
製造例1で得られたY型結晶構造のオキソチタニルフタロシアニンをシクロヘキサノンに混合し、ペイントコンディショナ装置(レッドレベル社製)によって直径2mmのガラスビーズとともに結晶を粉末化するミリング処理をし、メタノールで洗浄した後、乾燥させてオキソチタニルフタロシアニンの結晶を得た。結晶構造の分析は、製造例1の条件と同じ設定で行なった。その結果、製造例2によって合成されたオキソチタニルフタロシアニンの結晶構造は、前述した図3のX線回折スペクトルと同じX線回折スペクトルを示したので、同じ結晶構造であることが判る。
【0093】
製造例1および製造例2で得られたオキソチタニルフタロシアニンを用いて、以下のように感光体を作製した。
【0094】
(実施例1)
酸化チタン(石原産業社製:TTO55A)7重量部および共重合ナイロン(東レ社製:CM8000)13重量部を、メチルアルコール159重量部と1,3−ジオキソラン106重量部との混合溶剤に加え、ペイントシェーカにて8時間分散処理し下引き層用塗布液を調製した。この塗布液を塗布槽に満たし、直径30mm、全長326.3mmのアルミニウム製のドラム状導電性支持体2を塗布槽に浸漬後引上げ、自然乾燥させて膜厚1μmの下引き層12を形成した。
【0095】
電荷発生物質3である製造例2で製造した図3のX線回折スペクトルで示される結晶構造を有するオキソチタニルフタロシアニン3重量部と、ブチラール樹脂(積水化学社製:BL−1)2重量部とをメチルエチルケトン245重量部に混合し、ペイントシェーカにて分散して得られた電荷発生層用塗布液を下引き層12に接して外方に塗布後、自然乾燥させて膜厚0.4μmの電荷発生層9を形成した。
【0096】
次に電荷輸送物質4である例示化合物No.1−1のベンゾフラン−環状ヒドラゾン化合物5重量部、ポリカーボネート樹脂(三菱ガス化学社製:PCZ400)8重量部を混合し、テトラヒドロフラン49重量部を溶剤として電荷輸送層用塗布液を調製し、電荷発生層9に接して外方に塗布後、110℃にて1時間乾燥させて膜厚21μmの電荷輸送層10を形成し、図7に示す構成の感光層8を備える積層型感光体を作製した。
【0097】
(実施例2)
電荷輸送物質4に例示化合物No.1−5のベンゾフラン−環状ヒドラゾン化合物を用いる以外は、実施例1と同様にして積層型感光体を作製した。
【0098】
(実施例3)
電荷輸送物質4に例示化合物No.1−18のベンゾフラン−環状ヒドラゾン化合物を用いる以外は、実施例1と同様にして積層型感光体を作製した。
【0099】
(実施例4)
酸化チタン(石原産業社製:TTO55A)7重量部および共重合ナイロン(東レ社製:CM8000)13重量部を、メチルアルコール159重量部と1,3−ジオキソラン106重量部との混合溶剤に加え、ペイントシェーカにて8時間分散処理し下引き層用塗布液を調製した。この塗布液を塗布槽に満たし、直径30mm、全長326.3mmのアルミニウム製のドラム状導電性支持体2を塗布槽に浸漬後引上げ、自然乾燥して膜厚1μmの下引き層12を形成した。
【0100】
電荷発生物質3である製造例2で合成した図3のX線回折スペクトルで示される結晶構造を有するオキソチタニルフタロシアニン8重量部をテトラヒドロフラン100重量部に混合し、ペイントシェーカにて分散処理後、電荷輸送物質4である例示化合物No.1−1のベンゾフラン−環状ヒドラゾン化合物100重量部、ポリカーボネート樹脂(三菱ガス化学社製:PCZ400)100重量部、テトラヒドロフラン680重量部を混合し攪拌して感光層用塗布液を調製した。この塗布液を塗布槽に満たし、下引き層12が形成されたドラム状導電性支持体2を塗布槽に浸漬し引上げ、110℃で1時間乾燥させ膜厚20μmの感光層5を形成し、図6に示す構成の単層型感光体を作製した。
【0101】
(実施例5)
電荷発生物質3に製造例1で合成したY型結晶構造のオキソチタニルフタロシアニンを用いる以外は、実施例1と同様にして積層型感光体を作製した。
【0102】
(実施例6)
電荷輸送層用塗布液に酸化防止剤である例示化合物NO.4−7のヒンダードアミン化合物(三共社製:サノールLS440)0.1重量部をさらに加える以外は、実施例1と同様にして積層型感光体を作製した。
【0103】
(実施例7)
電荷輸送層用塗布液に酸化防止剤である例示化合物NO.5−1のヒンダードフェノール化合物(住友化学社製:スミライザーBHT)0.5重量部をさらに加える以外は、実施例1と同様にして積層型感光体を作製した。
【0104】
(実施例8)
電荷輸送物質4に例示化合物No.1−19のベンゾフラン−環状ヒドラゾン化合物を用いる以外は、実施例1と同様にして積層型感光体を作製した。
【0105】
(比較例1)
電荷発生物質にX型無金属フタロシアニン(大日本インキ化学工業社製:ファストゲンブル−8120BS)を用いる以外は、実施例1と同様にして積層型感光体を作製した。
【0106】
(比較例2)
電荷輸送物質に4−ジベンジルアミノ−2−メチルベンズアルデヒド−1,1−ジフェニルヒドラゾンを用いる以外は、実施例1と同様にして積層型感光体を作製した。
【0107】
(比較例3)
電荷輸送物質に4−ジベンジルアミノー2−メチルベンズアルデヒド−1,1−ジフェニルヒドラゾンを用いる以外は、実施例4と同様にして単層型感光体を作製した。
【0108】
各感光体の感度、解像度および耐久性の評価は以下のように行なった。感光体表面をスコロトロンチャージャでマイナス(−)600Vに帯電させこれを初期の帯電電位V0(V)とし、露光光源であるハロゲンランプの白色光をバンドパスフィルタを透過させることによって得られた780nmの近赤外光によって感光体表面を露光した。このとき、感光体の表面電位を初期の帯電電位の2分の1にするために必要なエネルギを半減露光量E1/2(μJ/cm2)とし、露光開始から5秒間経過したときの感光体表面電位を残留電位Vr(V)として測定し、半減露光量E1/2および残留電位Vrを感光体の感度を評価する指標とした。実施例4および比較例3の単層型感光体においては、感光体表面を600Vに帯電させて初期の帯電電位V0とし、半減露光量E1/2および残留電位Vrを測定した。表8に測定結果を示す。
【0109】
【表8】
Figure 0003840411
【0110】
実施例1〜3,5〜8と比較例1,2との比較から明らかなように、電荷発生物質3に製造例1および2で製造された本発明のオキソチタニルフタロシアニンを用い電荷輸送物質4にベンゾフラン−環状ヒドラゾン化合物を用いて作製した実施例1〜3,5〜8の感光体の方が、電荷発生物質にX型無金属フタロシアニンを用い、または電荷輸送物質に4−ジベンジルアミノ−2−メチルベンズアルデヒド−1,1−ジフェニルヒドラゾンを用いて作製された比較例1,2の感光体よりも、半減露光量E1/2および残留電位Vrがともに低く感度に優れる。
【0111】
また実施例4と比較例3との比較から明らかなように、正帯電させた単層型感光体においても本発明のオキソチタニルフタロシアニンとベンゾフラン−環状ヒドラゾン化合物とを用いて作製した実施例4の感光体の方が、電荷輸送物質に4−ジベンジルアミノ−2−メチルベンズアルデヒド−1,1−ジフェニルヒドラゾンを用いて作製された比較例3の感光体よりも、半減露光量E1/2および残留電位Vrがともに低く感度に優れる。
【0112】
次に画像情報を露光するべく露光手段によって出力される光の感光層におけるスポットの解像度が1200dpiとなるように市販の複写機(シャープ社製:AR−N200)を改造して得られた複写機に実施例1〜8および比較例1〜3で作製した感光体をそれぞれ搭載した。
【0113】
前記複写機に入力するデジタルデータとして、黒ドットが並ぶ中に1ドットのみ白点を含むデータ、すなわち画像情報を露光する露光手段に備わるレーザ光によって感光体上を走査するに際し、黒ドットはレーザ光で露光して感光体の表面電荷を減衰させるけれども、1ドットのみの白点はレーザ光で露光することなく表面電荷を減衰させないデータをパーソナルコンピュータによって作成し、前記データをプリンタインターフェースを介して各複写機へ送信した。各複写機によって前記データに基づいて形成された画像を目視観察し、画像中に1ドットの白点を確認することができるか否かによって画像の解像度を評価した。なお、市販の複写機は負帯電プロセスを採用しているので、実施例4および比較例3の感光体は前記複写機を正帯電プロセスに改造した複写機に搭載して試験した。表9に解像度の評価結果を示す。
【0114】
【表9】
Figure 0003840411
【0115】
実施例1〜8と比較例1〜3との比較から明らかなように、電荷発生物質3に製造例1および2で製造された本発明のオキソチタニルフタロシアニンを用い電荷輸送物質4にベンゾフラン−環状ヒドラゾン化合物を用いて作製した実施例1〜8の感光体が搭載された複写機によって形成された画像では、黒ドットが並ぶ中に1ドットの白点が確認された。このように実施例1〜8の感光体が搭載された複写機によって、電荷発生物質にX型無金属フタロシアニンを用いまたは電荷輸送物質に4−ジベンジルアミノ−2−メチルベンズアルデヒド−1,1−ジフェニルヒドラゾンを用いて作製された比較例1〜3の感光体が搭載された複写機よりも高解像度の画像形成が実現された。
【0116】
次に耐久性の評価を行なった。実施例1,6,7および比較例2で作製した感光体が搭載された複写機を用いて、白黒のドットによって画像の濃淡が階調表現されたハーフトーン画像を形成し、画像中の濃度ムラの有無などを確認後、複写機の現像部における感光体の表面電位を測定できるように表面電位計(TREK社製:Model344)を設け、負帯電プロセス直後の帯電電位V0(負電位:−V)、ハーフトーン画像を形成したときの表面電位VH(−V)および黒ドットのみの画像を形成したときの表面電位VL(−V)を測定した。これを初期の測定結果とした。画像形成を1万枚行なった後、負帯電プロセスによって感光体を帯電させたときの帯電電位V0、ハーフトーン画像を形成したときの表面電位VHおよび黒ドットのみの画像を形成したときの表面電位VLを測定し、ハーフトーン画像の画像状態を確認した。1万枚画像形成後の前記各電位V0,VH,VL測定結果および画像状態と初期の測定結果および画像状態とを比較した。画像中に濃度ムラの発生を確認することができない場合耐久性に優れるとして感光体の耐久性を評価した。表10に測定結果および画像状態の比較結果を示す。
【0117】
【表10】
Figure 0003840411
【0118】
実施例1,6,7と比較例2との比較から明らかなように、電荷輸送物質4にベンゾフラン−環状ヒドラゾン化合物を用いて作製された実施例1,6,7の感光体の方が、4−ジベンジルアミノ−2−メチルベンズアルデヒド−1,1−ジフェニルヒドラゾンを用いて作製された感光体である比較例2よりも、繰返し使用後も感度が低下することがなく、また画像の濃度ムラが少なく耐久性に優れる。
【0119】
また、実施例1と実施例6および7との比較から判るように、酸化防止剤としてヒンダードアミン化合物またはヒンダードフェノール化合物を加えた実施例6および7の感光体の方が、酸化防止剤を加えていない実施例1の感光体よりも、ハーフトーン画像にモアレなどが生じることがなく耐久性に優れる。
【0120】
以上のように、本発明のオキソチタニルフタロシアニンとベンゾフラン−環状ヒドラゾン化合物とを組合せて感光層5,8を形成することによって、解像度、感度および耐久性に優れる感光体が得られた。また、酸化防止剤としてヒンダードアミン化合物および/またはヒンダードフェノール化合物を含有させることによって、画像欠陥を生じることがなくさらに耐久性に優れる感光体を得ることができた。また前記感光体を複写機に搭載することによって、高精細の画像を形成することができる複写機が得られた。
【0121】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、感光層に含まれる電荷発生物質はオキソチタニルフタロシアニンであり、電荷輸送物質はベンゾフラン−環状ヒドラゾン化合物である。このことによって、光吸収によって電荷発生物質で発生する電荷が、電荷輸送物質に効率的に注入されて円滑に輸送されるので、高感度かつ高解像度の電子写真感光体を提供することができる。
【0122】
また本発明によれば、感光層を2層の積層構造とすることによって、感光層を塗布などの容易な方法によって導電性支持体に設けることが可能になるので、生産性が高く製造コストを安価に抑制することができる。
【0123】
また本発明によれば、感光層が酸化防止剤を含有することによって、成膜性、可撓性および塗布性が向上し、製造が容易で耐久性に優れる電子写真感光体を提供することができる。
【0124】
また本発明によれば、ヒンダードアミン化合物およびヒンダードフェノール化合物は、電荷輸送物質であるベンゾフラン−環状ヒドラゾン化合物の酸化による性能劣化を抑制し、またその電荷輸送特性を損なうことがないので、周期的な帯状の濃度ムラであるいわゆるモアレなどの画像欠陥を生じることがなく耐久性に優れる電子写真感光体を提供することができる。
【0125】
また本発明によれば、酸化チタンを含有する中間層が設けられることによって、感光体の繰返し使用に起因する感光層の導電性支持体からの剥離および感光層の絶縁破壊を抑制し、耐久性に優れる電子写真感光体を提供することができる。
【0126】
また本発明によれば、露光手段によって出力される高解像度の光スポットに応じた高感度、高解像度を有する電子写真感光体が備えられるので、高精細の画像を形成することができる複写機、プリンタおよびファクシミリなどの電子写真装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態である感光体1の構成を簡略化して示す側面図である。
【図2】図1の要部拡大断面図である。
【図3】本発明のオキソチタニルフタロシアニンのX線回折スペクトルを示す図である。
【図4】本発明の第2の実施の形態である感光体の要部拡大断面図である。
【図5】本発明の第3の実施の形態である感光体の要部拡大断面図である。
【図6】本発明の第4の実施の形態である感光体の要部拡大断面図である。
【図7】本発明の第5の実施の形態である感光体の要部拡大断面図である。
【図8】製造例1で得られたオキソチタニルフタロシアニンのX線回折スペクトルを示す図である。
【符号の説明】
1 感光体
2 導電性支持体
3 電荷発生物質
4 電荷輸送物質
5 感光層
6 バインダ樹脂

Claims (9)

  1. 導電性素材からなる導電性支持体上に設けられ、電荷発生物質と電荷輸送物質とを含有する感光層を備える電子写真感光体において、
    前記感光層に含有される電荷発生物質はオキソチタニルフタロシアニンであり、電荷輸送物質は下記一般式(1)で示されるベンゾフラン−環状ヒドラゾン化合物であることを特徴とする電子写真感光体。
    Figure 0003840411
    (式中、Ar1は、置換基を含んでもよいアリレン基を示す。Ar2は、置換基を含んでもよいアリール基を示す。A3およびAr4は、互いに原子、原子団、置換基を含んでもよいアルキレン基、置換基を含んでもよいビニレン基または2価の連結基により環構造を形成する。aは、置換基を含んでもよい炭素数1〜3のアルキル基、置換基を含んでもよい炭素数が1〜5のフルオロアルキル基、置換基を含んでもよい炭素数1〜5のパーフルオロアルキル基、炭素数1〜3のアルコキシ基、炭素数1〜3のジアルキルアミノ基、ハロゲン原子または水素原子を示し、nは1〜4の整数を示す。ただしnが2以上のとき、複数のaは同一でも異なってもよい。)
  2. 導電性素材からなる導電性支持体上に設けられ、電荷発生物質と電荷輸送物質とを含有する感光層を備える電子写真感光体において、
    前記感光層に含有される電荷発生物質はオキソチタニルフタロシアニンであり、電荷輸送物質は下記一般式(2)で示されるベンゾフラン−環状ヒドラゾン化合物であることを特徴とする電子写真感光体。
    Figure 0003840411
    (式中、bは置換基を含んでもよい炭素数1〜5のアルキル基、置換基を含んでもよい炭素数1〜5のフルオロアルキル基、置換基を含んでもよい炭素数1〜5のパーフルオロアルキル基、炭素数1〜3のアルコキシ基、炭素数1〜3のジアルキルアミノ基、ハロゲン原子または水素原子を示し、mは1〜4の整数を示す。ただしmが2以上のとき、複数のbは同一でも異なってもよい。Ar2,Ar3,Ar4,aおよびnは、一般式(1)において示したものと同義とする。)
  3. およびArが結合する窒素原子とともに形成する1価の基が、下記の基のいずれかであることを特徴とする請求項1または2記載の電子写真感光体。
    Figure 0003840411
  4. 前記感光層は、電荷発生物質を含有する電荷発生層と、電荷輸送物質を含有する電荷輸送層との積層構造からなり、前記電荷発生層に含有される電荷発生物質はオキソチタニルフタロシアニンであり、前記電荷輸送層に含有される電荷輸送物質は前記一般式(1)または前記一般式(2)で示されるベンゾフラン−環状ヒドラゾン化合物であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の電子写真感光体。
  5. 前記オキソチタニルフタロシアニンは、CuKα特性X線(波長:1.54Å)に対するX線回折スペクトルにおいて、ブラッグ角(2θ±0.2°)9.4°の回折線と9.6°の回折線とが重なった回折線束が最大回折線であり、かつ27.2°の回折線が2番目の強度を示す回折線である結晶構造を有するオキソチタニルフタロシアニンであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載の電子写真感光体。
  6. 前記感光層は、前記ベンゾフラン−環状ヒドラゾン化合物とともに酸化防止剤を含有することを特徴とする請求項1〜のいずれか1つに記載の電子写真感光体。
  7. 前記酸化防止剤は、ヒンダードアミン化合物および/またはヒンダードフェノール化合物であることを特徴とする請求項6記載の電子写真感光体。
  8. 前記導電性支持体と感光層との間には、酸化チタンを含有する中間層が設けられることを特徴する請求項1〜7のいずれか1つに記載の電子写真感光体。
  9. 請求項1〜8のいずれか1つに記載の電子写真感光体と、電子写真感光体に設けられる感光層に画像情報を露光する露光手段とを備え、画像情報を露光するべく露光手段によって出力される光の前記感光層におけるスポットの解像度が1200dot/inch以上であることを特徴とする電子写真装置。
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