JP3840288B2 - ユニット式建物の基礎用cadシステム - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、コンピュータを用いてユニット式建物の基礎の設計作業を支援するユニット式建物の基礎用CADシステムに関する。
【0002】
【背景技術】
従来より、工場で箱状の建物ユニットを各種製造しておき、完成した建物ユニットを建築現場で組合わせて建築されるユニット式建物が知られている。
このようなユニット式建物によれば、建物ユニットを工場で製造するので、建築現場での作業が軽減され、高品質の建物を従来建築に比べて著しく短期間で顧客に提供できるという利点がある。
ユニット式建物は、建築現場での作業を軽減するという観点から、箱形の建物ユニットを組み合わせるものが好ましい。箱形の建物ユニットとしては、図15に示されるように、四隅の柱201 の上端および下端を梁202, 203で連結した直方体状のフレームを有する建物ユニット204 が一般的である。この建物ユニット204 は、梁202, 203の長さ寸法L1, L2が異なっており、平面形状が長辺および短辺を有する長方形となっている。
このような建物ユニットでユニット式建物を建築するにあたり、その長辺の方向を一方向に揃えるとともに、その短辺の位置を揃えて、建物ユニットを配置するのが一般的である。
ここで、各建物ユニットの長辺の方向を一方向に揃えるとともに、その短辺の位置を揃えてしまうと、ユニット式建物の全体の平面形状の縦横の寸法が建物ユニットの縦横の寸法の整数倍となり、敷地の大きさに適切な対応をとるのが困難な場合がある。
このため、平面形が長方形の建物ユニットを短辺方向に複数配列するとともに、配列された建物ユニットの短辺とは直交する方向へ短辺方向を向けて長方形の建物ユニットを別途配置する、いわゆる「建物ユニットの直交配置」により、敷地の大きさに適切に対応することが考えられている。
【0003】
また、直交配置された建物ユニットの長辺方向の長さと、短辺方向に建物ユニットを複数配列した列の長さとは、必ずしも一致せず、ユニット式建物に入隅部が形成され、敷地に利用できない部分が形成される。特に、複数配列される建物ユニットと、直交配置された建物ユニットとが同一であると、正方形状の大きな入隅部が形成されることがある。
このため、長さがほぼ同一の辺からなるほぼ正方形の平面形状を有する建物ユニットや、前記短辺の長さが所定寸法以下とされた細長い極細長方形建物ユニットを採用し、平面正方形の建物ユニット、または、極細長方形建物ユニットでユニット式建物の入隅部となる部分に配置し、敷地の大きさに適切に対応することが考えられている。
【0004】
このようなユニット式建物は、建物ユニットの種類および配置に応じて基礎の平面形状が設定されることから、基礎についても、その設計作業を支援する基礎用CADシステムが利用されている。
ここで、ユニット式建物の基礎は、平面長方形の建物ユニットの対向する短辺に接する部分で当該建物ユニットの荷重を主に受けるために、鉄筋の数を増やす等により、長辺よりも短辺に接する部分に高い強度が設定される必要がある。
また、その長辺の方向を一方向に揃えて配列された平面長方形の建物ユニットに、平面正方形の建物ユニットが加わった場合には、平面正方形の建物ユニットには、短辺および長辺の区別がない。
そこで、平面長方形の建物ユニットの短辺と同じ方向に延びる辺を短辺とみなし、この辺に接する部分で建物ユニットの荷重を主に受けるように設定するようにプログラムすれば、CADシステムでも基礎の設計が行える。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前述したように平面長方形の建物ユニットを直交配置し、さらに、平面正方形の建物ユニットが加わったユニット式建物においては、短辺の延出方向が異なるように配置された複数の平面長方形の建物ユニットが存在することから、CADシステムで設計したのでは、平面正方形の建物ユニットの短辺を設定するにあたり、基準とすべき平面長方形の建物ユニットを適切に定めることができず、平面正方形の建物ユニットの短辺設定が正確に行えず、強度バランスを充分図れないおそれがあるという問題がある。
また、極細長方形建物ユニットをユニット式建物に設けると、極細長方形建物ユニットは、短辺の両側に配置された柱の間隔が狭い。
このため、基礎は、極細長方形建物ユニットの短辺と接する部分に、他の部分よりも密集して柱が配置され、建物の荷重が集中しやすくなるので、極細長方形建物ユニットを含むユニット式建物の基礎を単純にCADシステムで設計すると、極細長方形建物ユニットの短辺と接する部分およびその近傍の部分の強度が不足するおそれがあるという問題がある。
【0006】
本発明の目的は、ユニット式建物を形成する建物ユニットの種類や平面配置によらず、強度不足を生じさせないうえ、強度バランスが充分図られた基礎の設計が可能となるユニット式建物の基礎用CADシステムを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、図面をも参照して説明すると、異なる長さの長辺および短辺からなる長方形の平面形状を有する長方形建物ユニット、および、長さがほぼ同一の辺からなるほぼ正方形の平面形状を有する正方形建物ユニットのうち少なくとも前記長方形建物ユニットを含んで構成されたユニット式建物の基礎について、前記ユニット式建物を構成する各建物ユニットの短辺に沿って比較的耐力が大きい短辺用基礎を生成し、前記各建物ユニットの長辺に沿って、前記各短辺用基礎の両端を連結する長辺用基礎を生成する基礎設計手段を備えて前記基礎の設計作業を支援するユニット式建物の基礎用CADシステム1であって、前記長方形建物ユニットがその短辺方向に複数配列されたユニット列、および、前記ユニット列の長方形建物ユニットの短辺方向とは直交する方向に、その短辺が配置された長方形建物ユニットの両方が設けられているか否かの検出を行う直交配置検出手段51と、この直交配置検出手段51が前記ユニット列および前記直交する長方形建物ユニットの両方を検出すると、前記直交する長方形建物ユニットの短辺に隣接する前記正方形建物ユニットが設けられているか否かの検出を行う隣接配置検出手段52と、前記直交する長方形建物ユニットに前記正方形建物ユニットが隣接していることを前記隣接配置検出手段52が検出すると、前記正方形建物ユニットにおける前記直交する長方形建物ユニットの長辺方向に沿った辺を長辺とする設定を行う長辺設定手段55とを備えたことを特徴とする。
【0008】
以上において、前記長方形建物ユニットがその短辺方向に複数配列されたユニット列、および、前記ユニット列の長方形建物ユニットの短辺方向とは直交する方向に、その短辺が配置された長方形建物ユニットの両方が設けられていないことを前記直交配置検出手段51が検出すると、前記正方形建物ユニットにおける前記長方形建物ユニットの短辺方向に沿った辺を短辺とする設定を行う短辺設定手段56を備えていることが望ましい。
また、前記正方形建物ユニットの短辺に設定された辺と、前記ユニット列に配置された長方形建物ユニットの長辺とが同一線上にあり、かつ、前記正方形建物ユニットの短辺に設定された辺と同一線上にある前記長方形建物ユニットの長辺に沿って基礎が設定されるか否かを検出する直線配置検出手段53と、前記正方形建物ユニットの短辺に設定された辺と同一線上にある前記長方形建物ユニットの前記長辺に沿って基礎が設定されないことを前記直線配置検出手段53が検出すると、当該長方形建物ユニットの長辺に沿うとともに、前記ユニット列の周縁に沿って設定される基礎の中間部分を補強する中基礎を自動的に生成する中基礎生成手段57とを備えていることが好ましい。
【0009】
さらに、異なる長さの長辺および短辺からなる長方形の平面形状を有するとともに、前記短辺の長さが所定寸法以下とされた細長い極細長方形建物ユニットが設けられているか否かを検出する極細ユニット検出手段61と、前記極細ユニット検出手段61が極細長方形建物ユニットを検出すると、前記極細長方形建物ユニットの長辺のうち他の長方形建物ユニットに隣接する長辺に沿った補強基礎を自動的に生成する補強基礎生成手段60とを備えていることが望ましい。
ここで、前記直交配置検出手段51が前記ユニット列および前記直交する長方形建物ユニットの両方を検出するとともに、前記極細ユニット検出手段61が極細長方形建物ユニットを検出すると、前記ユニット列に含まれる長方形建物ユニットおよび前記直交する長方形建物ユニットの両方に前記極細長方形建物ユニットが隣接しているか否かの検出を行う二辺隣接検出手段63と、前記二辺隣接検出手段63が前記ユニット列に含まれる長方形建物ユニットおよび前記直交する長方形建物ユニットの両方に前記極細長方形建物ユニットが隣接していることを検出すると、前記極細長方形建物ユニットにおける前記長方形建物ユニットに隣接配置された長辺に沿って生成された前記補強基礎の延出方向に延びるとともに、当該極細長方形建物ユニットの短辺側に隣接する長方形建物ユニットを横断する基礎を自動的に生成する横断基礎生成手段64とを備えていることが好ましい。
【0010】
このような本発明では、正方形建物ユニットが建物に設けられ、かつ、短辺の延出方向が異なるように配置された複数の長方形建物ユニットが建物に設けられている、言い換えれば、長方形建物ユニットの直交配置が建物に存在している場合には、隣接配置検出手段が長方形建物ユニットに隣接する正方形建物ユニットを検出するとともに、直交配置検出手段が長方形建物ユニットの直交配置を検出するので、単に一の長方形建物ユニットの短辺の延出方向を基準にして正方形建物ユニットの短辺を設定することにより、設計される基礎に不具合が発生するおそれがあることが判別可能となる。
そして、隣接配置検出手段が正方形建物ユニットを検出し、かつ、直交配置検出手段が直交配置を検出することにより、正方形建物ユニットの長辺を設定する長辺設定手段が起動される。この長辺設定手段は、正方形建物ユニットにおいて、ユニット列に含まれない長方形建物ユニットの長辺方向に沿った辺を長辺とするアルゴニズムにより、強度バランスを充分確保した建物の基礎を設計するようになる。
【0011】
なお、直交配置検出手段が長方形建物ユニットの直交配置を検出しない場合には、単に一の長方形建物ユニットの短辺の延出方向を基準にして正方形建物ユニットの短辺を設定すればよいので、正方形建物ユニットにおける前記長方形建物ユニットの短辺方向に沿った辺を短辺とする設定を行う短辺設定手段を設ければ、建物の基礎を設計することが可能となる。
また、正方形建物ユニットの短辺に設定された辺と、ユニット列に配置された長方形建物ユニットの長辺とが同一線上にある場合には、正方形建物ユニットの短辺に設定された辺と同一線上にある長方形建物ユニットの長辺に沿って基礎が設定されていないと、基礎の強度が不足するおそれがあるが、前述の場合を検出する直線配置検出手段と、この直線配置検出手段の検出により、長方形建物ユニットの長辺に沿う中基礎を自動的に生成する中基礎生成手段とを設ければ、ユニット列の周縁に沿って設定される基礎の中間部分を補強する中基礎が設定されるので、基礎の強度不足が未然に防止される。
【0012】
さらに、短辺の長さが所定寸法以下とされた細長い極細長方形建物ユニットが設けられているか否かを検出する極細ユニット検出手段と、この極細ユニット検出手段が極細長方形建物ユニットを検出することにより、極細長方形建物ユニットの長辺のうち他の長方形建物ユニットに隣接する長辺に沿った補強基礎を自動的に生成する補強基礎生成手段とを設ければ、基礎における極細長方形建物ユニットの短辺に接する部分を補強する補強基礎が設定され、基礎の強度不足が未然に防止される。
ここで、直交配置検出手段がユニット列および前述の直交する長方形建物ユニットの両方を検出するとともに、極細ユニット検出手段が極細長方形建物ユニットを検出することにより、ユニット列に含まれる長方形建物ユニットおよび前記直交する長方形建物ユニットの両方に極細長方形建物ユニットが隣接しているか否かの検出を行う二辺隣接検出手段と、この二辺隣接検出手段が前述の極細長方形建物ユニットを検出することにより、前述の補強基礎生成手段が自動生成した補強基礎の延出方向に延びるとともに、当該極細長方形建物ユニットの短辺側に隣接する長方形建物ユニットを横断する基礎を自動的に生成する横断基礎生成手段とを設ければ、基礎における極細長方形建物ユニットの短辺の近傍の部分を補強する基礎が設定され、この点にからも基礎の強度不足が未然に防止される。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の一形態を図面に基づいて説明する。
図1には、本実施形態に係るCADシステム1の概略構成が示されている。このCADシステム1は、顧客の要求に応じてユニット式建物を設計するにあたり、設計の支援を行うものである。
ここで、ユニット式建物は、異なる長さの長辺および短辺からなる長方形の平面形状を有する箱状の長方形建物ユニット、長さがほぼ同一の辺からなるほぼ正方形の平面形状を有する箱状の正方形建物ユニット、および、長方形建物ユニットの短辺を長さが所定寸法以下にした細長い極細長方形建物ユニットのうち、少なくとも長方形建物ユニットを含んで構成されたものとなっている。
CADシステム1には、本システム1の核となるコンピュータ本体10と、設計している階の平面図等を表示するCRT表示装置2と、CPU10等の操作を行う入力装置3と、設計した平面図等を作図するX−Yプロッタ装置4と、設計した建物についてのデータ等を印字するプリンタ5とが設けられている。
【0014】
コンピュータ本体10は、記憶装置であるハードディスク装置20と、各種の処理を行う演算装置であるCPU30とを含んで構成されたものである。
このうち、ハードディスク装置20は、記憶される情報の属性毎に複数のハードディスクを有するものとなっている。これらのハードディスク装置20には、ユニット式建物を構築するための部品に関する部品データが蓄積された部品情報蓄積手段21と、ユニット式建物の基礎を形成する部位の要素に関する部位データが蓄積された基礎情報蓄積手段22と、設計されたユニット式建物の積算を行うために、ユニット式建物や基礎の部品、部材および工賃の価格等に関する価格データが蓄積された積算情報蓄積手段23とが設けられている。
CPU30は、各種のソフトウェアがインストールされ、これらのソフトウェアを並列処理するマルチタスク機能を有するものである。
CPU30には、ソフトウェアにより、ハードディスク装置20の部品情報蓄積手段21から入力された部品データを用いてユニット式建物の平面図を設計する平面図設計手段31と、ハードディスク装置20の基礎情報蓄積手段22から入力された部位データを用いてユニット式建物の基礎伏図を設計する基礎伏図設計手段32と、ハードディスク装置20の部品情報蓄積手段21から入力された部品データを用いてユニット式建物の屋根伏図を設計する屋根伏図設計手段33と、ハードディスク装置20の積算情報蓄積手段23から入力された価格データを用いて、設計したユニット式建物を積算する積算手段34とが設けられている。
また、CPU30には、以上の手段31〜34の他に、部品情報蓄積手段21、基礎情報蓄積手段22、および、積算情報蓄積手段23に蓄積されたデータの入出力を管理するとともに、ユニット式建物の部品のうち、基礎の構造および形状に関連する部品の部品データを平面図設計手段31へ入力させる際に、当該部品と関連する基礎の部位に関する部位データを基礎伏図設計手段32へ入力させる情報管理手段35が設けられている。
これらの手段31〜35は、共通のデータバスライン36に接続され、設計作業により作製した図面データ等のデータを互いに送信・受信可能となっている。
【0015】
基礎伏図設計手段32は、平面図設計手段31で設計したユニット式建物の平面図に応じた基礎を設計するものであり、データバスライン36を介して平面図設計手段31から当該設計手段31が設計した平面図データが入力可能となっている。
基礎伏図設計手段32には、図2に示されるように、平面図設計手段31からの平面図データに基づいて、基礎の全体的な設計を行う基礎設計手段40と、設計されたユニット式建物に設けられた正方形建物ユニットに応じて、基礎の部分的な設計を行う正方形ユニット対応部50と、設計されたユニット式建物に設けられた極細建物ユニットに応じて、基礎の部分的な設計を行う極細建物ユニット対応部60とが設けられている。
【0016】
基礎設計手段40は、平面図設計手段31が決定した建物ユニットの配列から、布基礎の全体的な平面図データを設定するとともに、正方形建物ユニットおよび極細長方形建物ユニットが載置される部分については、正方形ユニット対応部50および極細建物ユニット対応部60が設定した部分的な平面図データを前述の全体的な平面図データに取り込むようになっている。
【0017】
正方形ユニット対応部50には、長方形建物ユニットの直交配置を検出する直交配置検出手段51と、正方形建物ユニットについての検出を行う隣接配置検出手段52および直線配置検出手段53と、これらの検出手段51〜53の検出結果に応じて部分的な平面図データの設定処理を行う設定処理部54とが設けられている。
このうち、直交配置検出手段51は、長方形建物ユニットがその短辺方向に複数配列されたユニット列、および、このユニット列の長方形建物ユニットの短辺方向とは直交する方向に、その短辺が配置された長方形建物ユニット(以下、「直交建物ユニット」という。)の両方が設けられているか否かの検出を行うものである。
隣接配置検出手段52は、設計されたユニット式建物に、ユニット列および直交建物ユニットの両方を直交配置検出手段51が検出する起動し、直交建物ユニットに隣接する正方形建物ユニットが当該ユニット式建物に設けられているか否かの検出を行うものである。
【0018】
設定処理部54は、直交建物ユニットに正方形建物ユニットが隣接していることを隣接配置検出手段52が検出することにより起動する長辺設定手段55と、ユニット列および直交建物ユニットの両方が設けられていないことを直交配置検出手段51が検出することにより起動する短辺設定手段56とを含んで構成されたものである。
長辺設定手段55は、基礎の設計の便宜を図るために、正方形建物ユニットの長さが同じ辺についても、長辺および短辺を強制的に設定するためのものである。長辺設定手段55が起動すると、直交建物ユニットの長辺方向に沿った一辺を長辺とするとともに、直交建物ユニットの短辺方向に沿った他辺を短辺とする設定を行うようになっている。
短辺設定手段56は、長辺設定手段55が起動しない場合に、基礎の設計の便宜を図るために、正方形建物ユニットの辺について長辺および短辺を強制設定するためのものである。短辺設定手段56が起動すると、設計されたユニット式建物に方向を揃えて配列された長方形建物ユニットの短辺方向に沿った一辺を短辺とするとともに、長方形建物ユニットの長辺方向に沿った他辺を長辺とする設定を行うようになっている。
【0019】
また、設定処理部54には、直線配置検出手段53の検出結果により起動する中基礎生成手段57が設けられいる。
ここで、直線配置検出手段53は、長辺設定手段55により設定された正方形建物ユニットの短辺と、ユニット列に配置された長方形建物ユニットの長辺とが同一線上にあり、かつ、当該正方形建物ユニットの短辺に設定された辺と同一線上にある長方形建物ユニットの長辺に沿った基礎が、基礎設計手段40によって設定されるか否かの検出を行うものである。
そして、中基礎生成手段57は、設定された正方形建物ユニットの短辺と、ユニット列に配置された長方形建物ユニットの長辺とが同一線上にあり、かつ、当該正方形建物ユニットの短辺と同一線上にある長方形建物ユニットの長辺に沿って基礎が設定されないことを、直線配置検出手段53が検出することにより、起動するように設定されたものである。起動された中基礎生成手段57は、前述の長方形建物ユニットの長辺に沿うとともに、ユニット列の周縁に沿って設定される基礎の中間部分を補強する中基礎を自動的に生成するようになっている。
【0020】
極細建物ユニット対応部60には、極細長方形建物ユニットについての検出を行う極細ユニット検出手段61と、極細長方形建物ユニットの近傍に設けられる補強基礎を生成するための補強基礎生成手段62と、極細長方形建物ユニットの配置についての検出を行う二辺隣接検出手段63と、細長方形建物ユニットに隣接する長方形建物ユニットを横断する基礎を生成するための横断基礎生成手段64とを備えたものである。
このうち、極細ユニット検出手段61は、設計されたユニット式建物に、異なる長さの長辺および短辺からなる長方形の平面形状を有するとともに、その短辺の長さが所定寸法以下とされた細長い極細長方形建物ユニットが設けられているか否かを検出するものである。
補強基礎生成手段62は、極細ユニット検出手段61が極細長方形建物ユニットを検出することにより起動するものである。補強基礎生成手段62が起動すると、極細長方形建物ユニットの長辺のうち他の長方形建物ユニットに隣接する長辺に沿った補強基礎を自動的に生成するようになっている。
二辺隣接検出手段63は、設計されたユニット式建物に、ユニット列および直交建物ユニットの両方が設けられていることを直交配置検出手段51が検出するとともに、極細長方形建物ユニットが設けられていることを極細ユニット検出手段61が検出することにより起動するものである。二辺隣接検出手段63が起動すると、ユニット列に含まれる長方形建物ユニットおよび直交建物ユニットの両方に極細長方形建物ユニットが隣接しているか否かの検出を行うようになっている。
横断基礎生成手段64は、ユニット列に含まれる長方形建物ユニットおよび直交建物ユニットの両方に極細長方形建物ユニットが隣接していることを二辺隣接検出手段63が検出することにより起動するものである。横断基礎生成手段64が起動すると、極細長方形建物ユニットの長辺のうち、長方形建物ユニットに隣接配置された長辺に沿って補強基礎生成手段62が生成した補強基礎の延出方向に延びるとともに、極細長方形建物ユニットの短辺側に隣接する長方形建物ユニットを横断する基礎が自動的に生成されるようになっている。
【0021】
一方、ハードディスク装置20に設けられた基礎情報蓄積手段22は、基礎自動生成情報データベース24、基礎仕様情報データベース25、および、基礎寸法情報データベース26を含んで構成されたものとなっている。
基礎自動生成情報データベース24は、上方に載置される複数の建物ユニットの組合せおよび大きさに応じて基礎の形状を自動生成するためのデータが収納されたものである。
基礎仕様情報データベース25は、基礎自動生成情報データベース24が生成した基礎形状の仕様を設定するためのデータが収納されたものである。具体的には、載置されるユニット式建物の階数や、敷地の地耐力に応じて予め設定された多種類の基礎部品をそれぞれ示す型番が収納されている。
基礎寸法情報データベース26は、基礎仕様情報データベース25に収納された型番が示す各基礎部品の寸法が収納されている。
ここで、平面図設計手段31によりユニット式建物が設計されると、基礎伏図設計手段32は、データベース24のデータに基づきユニット式建物の一階平面に応じた基礎形状を設定され、データベース25のデータに基づき基礎形状の各部を構成する基礎部品の型番を設定し、データベース26のデータに基づき基礎各部の寸法を設定し、基礎伏図を設計するようになっている。
【0022】
また、ハードディスク装置20の積算情報蓄積手段23は、積算仕様情報データベース27、および、基礎材料情報データベース28を含んで構成されたものとなっている。
積算仕様情報データベース27は、基礎自動生成情報データベース24が生成した基礎形状の仕様、特に、基礎の施工費用に関する仕様を設定するためのデータが収納されたものである。具体的には、載置されるユニット式建物の階数や、敷地の地耐力に応じて必要となる部材に関するデータが収納されている。
基礎材料情報データベース28は、積算仕様情報データベース27が設定した基礎部材の単価等の価格に関するデータが収納されている。
ここで、基礎伏図設計手段32により基礎伏図が設計されると、積算手段34は、データベース27のデータに基づき、設計された基礎を構成する部材を設定し、基礎伏図に基づいて設定された部材の拾い作業を行い、データベース28のデータに基づき基礎の施工費用を算出するようになっている。
【0023】
次に、ユニット式建物の基礎の設計についての具体的な例を用いて、本実施形態の動作を説明する。
〔設計例1〕
まず、図5(A)に示されるように、直交配置された長方形建物ユニット71A, 72Aおよび正方形建物ユニット73A の両方を含むユニット式建物70A の基礎を設計する場合について説明する。
ユニット式建物70A は、三個の長方形建物ユニット71A が、その短辺方向に配列されたユニット列74A を有し、かつ、ユニット列74A の図中右端縁に正方形建物ユニット73A が配置されるとともに、ユニット列74A の図中上端縁に沿って、長方形建物ユニット71A とは直交する二個の直交建物ユニット72A が、ユニット列74A の配列方向に沿って並べられたものとなっている。
【0024】
このようなユニット式建物70A に対して、基礎伏図設計手段34を作動させると、ユニット式建物70A を構成する建物ユニット71A,72A,73A の配列から、基礎設計手段40は、予め設けられた基本生成ルールに則って布基礎の設計を行う。
すなわち、建物ユニットの荷重を主に負担するために、各建物ユニットの短辺に沿って比較的耐力が大きい短辺用基礎を生成し、ユニット式建物を構成する各建物ユニットの長辺に沿って、各短辺用基礎の両端を連結する長辺用基礎を生成するとともに、ユニット列がある場合には、ユニット列の中間部分に平行に配列された複数の長辺用基礎を一つ置きに間引いた布基礎を生成する。
このような基礎設計手段40の布基礎生成動作に伴い、直交配置検出手段51の直交配置検出動作と、隣接配置検出手段52の正方形建物ユニットの隣接配置検出動作とが行われ、これらの手段51, 52の検出結果に基づいて、正方形建物ユニットについて短辺および長辺が設定される。
ここでは、直交配置検出手段51が直交配置が存在することを検出するとともに、隣接配置検出手段52が正方形建物ユニット73A が直交建物ユニット72A の短辺に隣接していないことを検出するので、正方形建物ユニット73A の図中左右の辺が長辺とみなされる。
【0025】
すると、図5(B)に示されるように、建物ユニット71A,72A,73A の各々の短辺および長辺に沿って短辺用基礎80A および長辺用基礎90A が生成され、これにより、ユニット式建物70A に応じた布基礎100Aが形成される。なお、図中、短辺用基礎80A または、短辺用基礎80A および長辺用基礎90A を合体した基礎は、太線で表示され、長辺用基礎90A は、細線で表示されている。
ここで、布基礎100Aの図中上方の辺には、直交建物ユニット72A の長辺に沿った長辺用基礎90A としての外周基礎91A が生成される。
布基礎100Aの図中左方の辺には、直交建物ユニット72A の短辺に沿った短辺用基礎80A としての外周基礎81A と、長方形建物ユニット71A の長辺に沿った長辺用基礎90A としての外周基礎91A とが上下に連結されて生成される。
布基礎100Aの図中下方の辺には、長方形建物ユニット71A の短辺に沿った短辺用基礎80A である複数の外周基礎81A が左右に連結されて生成される。
布基礎100Aの図中右方の辺には、直交建物ユニット72A の短辺に沿った短辺用基礎80A である外周基礎81A と、正方形建物ユニット73A の設定長辺に沿った長辺用基礎90A である外周基礎92A とが上下に連結されて生成される。
布基礎100Aの図中右方の辺の端部と下方の辺の端部との間には、正方形建物ユニット73A の設定短辺に沿った短辺用基礎80A である外周基礎82A と長方形建物ユニット71A の長辺に沿った長辺用基礎90A である外周基礎91A がL字状に連結されて生成される。
【0026】
布基礎100Aの図中上方の辺の中間部と下方の辺の中間部との間には、二つの直交建物ユニット72A の短辺に沿った短辺用基礎80A が合体した中基礎83A と、二つの長方形建物ユニット71A の長辺に沿った長辺用基礎90A が合体した中基礎93A とが上下に連結されて生成される。
布基礎100Aの図中左方の辺の中間部と右方の辺の中間部との間には、直交建物ユニット72A の長辺に沿った長辺用基礎90A および長方形建物ユニット71A の短辺に沿った短辺用基礎80A が相互に合体した中基礎101Aと、直交建物ユニット72A の長辺に沿った長辺用基礎90A および正方形建物ユニット73A の設定短辺に沿った短辺用基礎80A が相互に合体した中基礎102Aとが左右に連結されて生成される。
布基礎100Aの図中右下の入隅の上方には、長方形建物ユニット71A の長辺に沿った長辺用基礎90A および正方形建物ユニット73A の設定長辺に沿った長辺用基礎90A が相互に合体した中基礎94A が生成される。
【0027】
〔設計例2〕
続いて、図6(A)に示されるように、直交配置された長方形建物ユニット71B, 72Bで二つのユニット列74B, 75Bを形成するとともに、正方形建物ユニット73B を備えたユニット式建物70B の基礎を設計する場合について説明する。
ユニット式建物70B は、当該建物70B の図中左下の部分に三個の長方形建物ユニット71B を短辺方向に配列したユニット列74B を有したものとなっている。このユニット列74B の図中上方の端縁に沿って、三個の直交建物ユニット72B がその長辺方向に配列されている。これらのうち、右端の直交建物ユニット72B の図中下方には、他の直交建物ユニット72B が短辺方向に配列され、これらの直交建物ユニット72B によりユニット列75B が形成されている。
ユニット列74B の長方形建物ユニット71B およびユニット列75B の直交建物ユニット72B の間には、正方形建物ユニット73B が配置されている。
【0028】
このようなユニット式建物70B に対して、基礎伏図設計手段34を作動させると、ユニット式建物70B の建物ユニット71B,72B,73B の配列から、基礎設計手段40ムは、図6(B)に示されるように、各建物ユニット71B,72B,73B の短辺に沿って短辺用基礎80B を生成し、各建物ユニット71B,72B,73B の長辺に沿って長辺用基礎90B を生成するとともに、ユニット列74B の中間部分に平行に配列された複数の長辺用基礎を一つ置きに間引いた布基礎100Bを生成する。
なお、正方形建物ユニット73B については、直交配置検出手段51および隣接配置検出手段52により、図中左右の辺が長辺に設定されている。
【0029】
すなわち、生成された布基礎100Bの外周部分には、以下のような基礎が生成される。
布基礎100Bの図中上方の辺には、直交建物ユニット72B の長辺に沿った長辺用基礎90B としての外周基礎91B が生成される。
布基礎100Bの図中左方の辺には、直交建物ユニット72B の短辺に沿った短辺用基礎80B としての外周基礎81B と、長方形建物ユニット71B の長辺に沿った長辺用基礎90B である複数の外周基礎91B とが上下に連結されて生成される。
布基礎100Bの図中下方の辺には、長方形建物ユニット71B の短辺に沿った短辺用基礎80B である複数の外周基礎81B が左右に連結されて生成される。
布基礎100Bの図中右方の辺には、複数の直交建物ユニット72B の短辺に沿った短辺用基礎80B が上下に連結されて生成される。
布基礎100Bの図中右方の辺の端部と下方の辺の端部との間には、直交建物ユニット72B の長辺に沿った長辺用基礎90B としての外周基礎91B と、正方形建物ユニット73B の設定短辺に沿った短辺用基礎80B である外周基礎82B と、長方形建物ユニット71B の長辺に沿った長辺用基礎90B である外周基礎91B とがL字状に連結されて生成される。
【0030】
すなわち、布基礎100Bの外周部分の内側には、以下のような中基礎が生成される。
布基礎100Bの図中上方の辺の中間部と下方の辺の中間部との間には、二つの直交建物ユニット72B の短辺に沿った短辺用基礎80B が合体した中基礎83B と、二つの長方形建物ユニット71B の長辺に沿った長辺用基礎90B が合体した中基礎93B とが上下に連結されて生成される。
ユニット列74B の図中上方の端縁には、長方形建物ユニット71B の短辺に沿った短辺用基礎80B および直交建物ユニット72B の長辺に沿った長辺用基礎90B が相互に合体した中基礎101Bと、正方形建物ユニット73B の設定短辺に沿った短辺用基礎80B および直交建物ユニット72B の長辺に沿った長辺用基礎90B が相互に合体した中基礎102Bとが左右に連結されて生成される。
布基礎100Bの図中右方の入隅の上方には、長方形建物ユニット71B の長辺に沿った長辺用基礎90B および正方形建物ユニット73B の設定長辺に沿った長辺用基礎90B が相互に合体した中基礎94B が生成される。
ユニット列75B の図中左方の端縁には、二つの長方形建物ユニット71B の短辺に沿った短辺用基礎80B が相互に合体した中基礎83B と、直交建物ユニット72B の短辺に沿った短辺用基礎80B および正方形建物ユニット73B の長辺に沿った長辺用基礎90B が相互に合体した中基礎103Bとが上下に連結されて生成される。
【0031】
〔設計例3〕
次に、図7(A)に示されるように、直交建物ユニット72C 、正方形建物ユニット73C および極細長方形建物ユニット76C, 77Cを備えたユニット式建物70C の基礎を設計する場合について説明する。
ユニット式建物70C は、当該建物70C の図中左端の部分に三個の長方形建物ユニット71C を短辺方向に配列したユニット列74C を有したものとなっている。このユニット列74C の図中左方には、直交建物ユニット72C がその長辺を二つの長方形建物ユニット71C の短辺に隣接させて配置されるとともに、正方形建物ユニット73C がその一辺を残りの長方形建物ユニット71C の短辺に隣接させて配置されている。これらの直交建物ユニット72C および正方形建物ユニット73C の図中左方には、それぞれ極細長方形建物ユニット76C, 77Cが隣接配置されている。
【0032】
このようなユニット式建物70C に対して、基礎伏図設計手段34を作動させると、ユニット式建物70C の建物ユニット71C,72C,73C,76C,77C の配列から、基礎設計手段40は、図7(B)に示されるように、各建物ユニット71C,72C,73C,76C,77C の短辺に沿って短辺用基礎80C を生成し、各建物ユニット71C,72C,73C,76C,77C の長辺に沿って長辺用基礎90C を生成するとともに、ユニット列74C の中間部分に平行に配列された複数の長辺用基礎を一つ置きに間引いた布基礎100Cを生成する。
ここで、正方形建物ユニット73C については、直交配置検出手段51および隣接配置検出手段52により、図中左右の辺が長辺に設定される。
これにより、直交建物ユニット72C および極細長方形建物ユニット76C 、並びに、正方形建物ユニット73C および極細長方形建物ユニット77C は、ユニット列とみなされる。このため、これらのユニットの相互に隣接する長辺に沿った長辺用基礎は、間引き操作の対象となり、基本的に生成されない。
ただし、極細ユニット検出手段61が極細長方形建物ユニット76C, 77Cを検出すると、補強基礎生成手段62が起動されるので、補強基礎生成手段62により、当該長辺に沿って補強基礎110Cが生成される。
また、正方形建物ユニット73C の短辺と長方形建物ユニット71C の長辺とが同一線上にあることを直線配置検出手段53が検出するので、中基礎生成手段57が図中下側に配列された二つの長方形建物ユニット71C の間に長辺用基礎90C を生成し、図中上側に配列された二つの長方形建物ユニット71C の間の長辺用基礎90C は間引かれる。
【0033】
生成された布基礎100Cの外周部分には、以下のような基礎が生成される。
すなわち、布基礎100Cの図中上方の辺には、長方形建物ユニット71C の長辺に沿った長辺用基礎90C としての外周基礎91C と、直交建物ユニット72C の短辺に沿った短辺用基礎80C としての外周基礎81C と、極細長方形建物ユニット76C の短辺に沿った短辺用基礎80C としての外周基礎84C とが図中左右に連結されて生成される。
布基礎100Cの図中右方の辺には、長方形建物ユニット71C の短辺に沿った短辺用基礎80C である複数の外周基礎81C とが上下に連結されて生成される。
布基礎100Cの図中下方の辺には、長方形建物ユニット71C の長辺に沿った長辺用基礎90C である外周基礎91C と、正方形建物ユニット73C の短辺に沿った短辺用基礎80C である外周基礎82C と、極細長方形建物ユニット77C の短辺に沿った短辺用基礎80C である外周基礎84C とが図中左右に連結されて生成される。
布基礎100Cの図中左方の辺には、極細長方形建物ユニット76C, 77Cの長辺に沿った長辺用基礎90C である外周基礎95C, 96Cが上下に連結されて生成される。
【0034】
すなわち、布基礎100Cの外周部分の内側には、以下のような中基礎が生成される。
布基礎100Cの図中上方の辺の中間部と下方の辺の中間部との間には、ユニット列74C の図中左方の端縁に沿って、中基礎101C, 103Cが生成されるとともに、この中基礎101C, 103Cと平行して補強基礎111C, 112Cが生成される。
このうち、中基礎101Cは、二つの長方形建物ユニット71C の短辺に沿った短辺用基礎80C および直交建物ユニット72C の長辺に沿った長辺用基礎90C が相互に合体したものである。
中基礎103Cは、長方形建物ユニット71C の短辺に沿った短辺用基礎80C および正方形建物ユニット73C の長辺に沿った長辺用基礎90C が相互に合体したものである。
補強基礎111Cは、直交建物ユニット72C の長辺部分および極細長方形建物ユニット76C の長辺部分の両方の荷重を受ける基礎である。
補強基礎112Cは、正方形建物ユニット73C の長辺部分および極細長方形建物ユニット77C の長辺部分の両方の荷重を受ける基礎である。
布基礎100Cの図中右方の辺の中間部と左方の辺の中間部との間には、中基礎93C,85C,86C が左右に連結されて生成される。
このうち、中基礎93C は、二つ長方形建物ユニット71C の長辺に沿った長辺用基礎90C が相互に合体したものである。
中基礎85C は、直交建物ユニット72C の短辺に沿った短辺用基礎80C と、正方形建物ユニット73C の短辺に沿った短辺用基礎80C とが合体したものである。
中基礎86C は、二つ極細長方形建物ユニット76C, 77Cの長辺に沿った長辺用基礎80C が相互に合体したものである。
【0035】
〔設計例4〕
次いで、図8(A)に示されるように、複数並んだ長方形ユニット71D の端部に極細長方形ユニット76D を配置したユニット列74D, 75Dの間に、直交建物ユニット72D 、正方形建物ユニット73D を配置したユニット式建物70D の基礎を設計する場合について説明する。
上述のユニット式建物70D に対して、基礎伏図設計手段34を作動させると、ユニット式建物70D の建物ユニット71D,72D,73D,76D の配列から、基礎設計手段40は、図8(B)に示されるように、各建物ユニット71D,72D,73D,76D の短辺に沿って短辺用基礎80D を生成し、各建物ユニット71D,72D,73D,76D の長辺に沿って長辺用基礎90D を生成するとともに、ユニット列74D の中間部分に平行に配列された複数の長辺用基礎を一つ置きに間引いた布基礎100Dを生成する。
ここで、正方形建物ユニット73D については、直交配置検出手段51および隣接配置検出手段52により、図中左右の辺が長辺に設定される。
また、極細ユニット検出手段61が極細長方形建物ユニット76D を検出すると、補強基礎生成手段62が起動されるので、補強基礎生成手段62により、当該長辺に沿って補強基礎110Dが生成される。
さらに、直線配置検出手段53および中基礎生成手段57により、ユニット列74D, 75Dの中間部分に設けられる長辺用基礎90C の生成位置が、図中上側の二つの長方形建物ユニット71D の間の位置に決定される。
また、極細長方形建物ユニット76D が長方形建物ユニット71D および直交建物ユニット72D の両方に隣接していることを二辺隣接検出手段63が検出するので、横断基礎生成手段64が起動され、横断基礎生成手段64により、極細長方形建物ユニット76D の短辺側に接する直交建物ユニット72D を横断する横断基礎120Dが生成される。
【0036】
すなわち、生成された布基礎100Dの外周部分には、以下のような基礎が生成される。
布基礎100Dの図中上方の辺には、両側の長方形建物ユニット71D の長辺に沿った長辺用基礎90D としての外周基礎91D と、その間の正方形建物ユニット73D の短辺に沿った短辺用基礎80D としての外周基礎82D とが図中左右に連結されて生成される。
布基礎100Dの図中左右の各辺には、上側三個の長方形建物ユニット71D の短辺に沿った短辺用基礎80D である複数の外周基礎81D と、極細長方形建物ユニット76D の短辺に沿った短辺用基礎80D である外周基礎84D とが上下に連結されて生成される。
布基礎100Dの図中下方の辺には、両側の極細長方形建物ユニット76D の長辺に沿った長辺用基礎90D である外周基礎95D と、直交建物ユニット72D の短辺に沿った短辺用基礎80D である外周基礎81D とが左右に連結されて生成される。
【0037】
布基礎100Dの外周部分の内側には、以下のような中基礎が生成される。
布基礎100Dの図中上方の辺の中間部と下方の辺の中間部との間には、ユニット列74D の図中左方の端縁およびユニット列75D の図中右方の端縁に沿って、中基礎101D, 103D, 104Dが生成される。
このうち、中基礎101Dは、二つの長方形建物ユニット71D の短辺に沿った短辺用基礎80D および直交建物ユニット72D の長辺に沿った長辺用基礎90D が相互に合体したものである。
中基礎103Dは、長方形建物ユニット71D の短辺に沿った短辺用基礎80D および正方形建物ユニット73D の長辺に沿った長辺用基礎90D が相互に合体したものである。
中基礎104Dは、直交建物ユニット72D の長辺に沿った長辺用基礎90D および極細長方形建物ユニット76D の短辺に沿った短辺用基礎80D が相互に合体したものである。
布基礎100Dの図中右方の辺の中間部と左方の辺の中間部との間には、中基礎93D,85D が生成されるとともに、これらの中基礎93D,85D と平行に補強基礎111Dおよび前述の横断基礎120Dが生成される。
このうち、中基礎93D は、二つ長方形建物ユニット71D の長辺に沿った長辺用基礎90D が相互に合体したものである。
中基礎85D は、直交建物ユニット72D の短辺に沿った短辺用基礎80D と、正方形建物ユニット73D の短辺に沿った短辺用基礎80D とが合体したものである。
中基礎111Dは、長方形建物ユニット71D の長辺部分および極細長方形建物ユニット76D の長辺部分の両方の荷重を受ける基礎であり、長方形建物ユニット71D および極細長方形建物ユニット76D の各々の長辺に沿って生成される補強基礎110Dが合体したものである。
【0038】
〔設計例5〕
次いで、図9(A)に示されるように、複数の長方形ユニット71E からなるユニット列74E の図中左端に配置された長方形建物ユニット78E が、ユニット列74E の配列から上方にオフセットされているユニット式建物70E の基礎を設計する場合について説明する。
なお、このユニット式建物70E は、ユニット列74E の図中上方に、直交建物ユニット72E が配置され、さらに、直交建物ユニット72E の図中上方に極細長方形建物ユニット76E が配置されたものである。
上述のユニット式建物70E に対して、基礎伏図設計手段34を作動させると、ユニット式建物70E の建物ユニット71E,72E,76E,78E の配列から、基礎設計手段40は、図9(B)に示されるように、各建物ユニット71E,72E,76E,78E の短辺に沿って短辺用基礎80E を生成し、各建物ユニット71E,72E,76E,78E の長辺に沿って長辺用基礎90E を生成するとともに、ユニット列74E の中間部分に平行に配列された複数の長辺用基礎を一つ置きに間引いた布基礎100Eを生成する。
ここで、基礎伏図設計手段34は、オフセットされている長方形建物ユニット78E および長方形建物ユニット71E の互いに隣接している長辺に沿って後述する中基礎91E を強制的に生成する。そして、この中基礎91E の生成に伴い、ユニット列74E の中間部分に設けられる長辺用基礎90E の生成位置が、図中右側の二つの長方形建物ユニット71E の間の位置に決定される。
また、極細ユニット検出手段61が極細長方形建物ユニット76E を検出すると、補強基礎生成手段62が起動されるので、補強基礎生成手段62により、当該長辺に沿って補強基礎110Eが生成される。
さらに、極細長方形建物ユニット76E が長方形建物ユニット71E および直交建物ユニット72E の両方に隣接していることを二辺隣接検出手段63が検出するので、横断基礎生成手段64が起動され、横断基礎生成手段64により、極細長方形建物ユニット76E の短辺側に接する直交建物ユニット72E を横断する横断基礎120Eが生成される。
【0039】
すなわち、生成された布基礎100Eの外周部分には、以下のような基礎が生成される。
布基礎100Eの図中上方の辺には、長方形建物ユニット78E の短辺に沿った短辺用基礎80E としての外周基礎81E と、極細長方形建物ユニット76E の長辺に沿った長辺用基礎90E としての外周基礎95E とが左右に連結されて生成される。
布基礎100Eの図中左方の辺には、長方形建物ユニット78E の長辺に沿った長辺用基礎90E である外周基礎91E が生成される。
布基礎100Eの図中右方の辺には、長方形建物ユニット71E の長辺に沿った長辺用基礎90E である外周基礎91E が生成される。
布基礎100Eの図中下方の辺には、複数の長方形建物ユニット71E の短辺に沿った短辺用基礎80E である外周基礎81E が左右に連結されて生成される。
布基礎100Eの図中左下方の入隅には、長方形建物ユニット78E の短辺に沿った短辺用基礎80E である外周基礎81E と、ユニット列74E の長方形建物ユニット71E の長辺に沿った長辺用基礎90E である外周基礎91E とがL字形状に連結されて生成される。
布基礎100Eの図中右上方の入隅には、極細長方形建物ユニット76E の短辺に沿った短辺用基礎80E である外周基礎84E と、直交建物ユニット72E の短辺に沿った短辺用基礎80E である外周基礎81E とが上下に連結されて生成され、さらに、、ユニット列74E の長方形建物ユニット71E の短辺に沿った短辺用基礎80E である外周基礎81E が、外周基礎84E および外周基礎81E にL字形状に連結されて生成される。
【0040】
布基礎100Eの外周部分の内側には、以下のような中基礎が生成される。
布基礎100Eの図中左下方の入隅の上方には、長方形建物ユニット78E の図中右方の長辺に沿って中基礎104E,101E,93E が生成される。
このうち、中基礎104Eは、極細長方形建物ユニット76E の短辺に沿った短辺用基礎80E および長方形建物ユニット78E の長辺に沿った長辺用基礎90E が相互に合体したものである。
中基礎101Eは、直交建物ユニット72E の短辺に沿った短辺用基礎80E および長方形建物ユニット78E の長辺に沿った長辺用基礎90E が相互に合体したものである。
中基礎93E は、長方形建物ユニット78E の長辺に沿った長辺用基礎90E および長方形建物ユニット71E の長辺に沿った長辺用基礎90E が相互に合体したものである。
布基礎100Eの図中右上方の入隅の下方には、長方形建物ユニット78E の長辺に沿って中基礎93E が生成される。この中基礎93E は、長方形建物ユニット78E の長辺に沿って長辺用基礎90E が二個相互に合体したものである。
一方、布基礎100Eの外周基礎81E,104Eの下方には、当該外周基礎81E,104Eと平行に、中基礎111Eと横断基礎120Eとが生成される。
中基礎111Eは、長方形建物ユニット71E の長辺部分および極細長方形建物ユニット76E の長辺部分の両方の荷重を受ける基礎であり、長方形建物ユニット71E および極細長方形建物ユニット76E の各々の長辺に沿って生成される補強基礎110Eが合体したものである。
横断基礎120Eは、極細長方形建物ユニット76E の短辺側に接する長方形建物ユニット78E を横断する位置に形成され、当該長方形建物ユニット78E を支持する中基礎101Eを補強するものである。
【0041】
次に、ユニット式建物の玄関回りの基礎の設計作業について説明する。
玄関回りの基礎は、ユニット式建物の玄関に設けられる玄関ポーチ用土間および玄関土間を設定することにより形状が決定される。
この際、ユニット式建物の玄関は、ユニット式建物の平面図の設計作業で必要なデータの設定が行われる。このため、平面図設計手段31で平面図を設計するために操作を行う際に、玄関ポーチ用土間および玄関土間の設定を行い、基礎設計時には、基礎の設計に必要とするデータが、平面図設計手段31から基礎伏図設計手段32へ転送される。
ここでは、平面図設計手段31で玄関ポーチ用土間および玄関土間を設定するための操作について説明を行う。
まず、ユニット式建物の玄関ポーチとすべき領域を設定する。この玄関ポーチ領域の設定操作は、図10に示されるように、ユニット式建物の一階部分を設計するための画面S1で行われる。
画面S1は、ユニット式建物の玄関部分を拡大して表示するものである。画面S1には、ユニット式建物を構成する建物ユニット150 の柱150 と、建物ユニット150 に取付けられる外壁面材の中心線を示す外壁グリッドG151と、一の建物ユニット150 の境界線を示すユニットグリッドG152と、建物ユニット150 に取付可能となる間仕切壁の中心線を示すモジュールグリッドG153とが示されている。
このような画面S1に対して、玄関ポーチとなる平面長方形状の領域R1の奥行きDおよび間口Wを、マウスを用いて設定する。
すなわち、領域R1の屋外部分との境界となる、ユニット式建物の外壁部分のユニットグリッドG152と、領域R1の室内部分との境界となる、ユニットグリッドG152と直交するモジュールグリッドG153との交点に十字カーソルK1を移動し、領域R1の対角線の端部となる一点を決定する。この後、領域R1の室内部分との境界となるとともに、互いに直交する一対のモジュールグリッドG153の交点に十字カーソルK1を移動し、領域R1の対角線の反対側の端部となる他点を決定し、これにより、ユニット式建物の角部に玄関ポーチ領域R1を設定する。
【0042】
領域R1の設定が完了すると、図11に示されるように、建物ユニット150 の長辺および短辺の中間部分に、外壁面材を支持するための間柱152 が生成されるとともに、玄関ポーチの角部の柱151 がポーチ柱151Aに変換される。また、ユニット式建物の外周ぶ沿って、内壁の室内側の表面の位置を示す補助線H154が表示される。
次に、この状態で、玄関の土間となる平面長方形状の領域R2を、マウスを用いて設定する。
玄関土間の領域R2は、玄関ポーチ領域R1の設定と同様に、領域R2の領域R1との境界となるモジュールグリッドG153と、室内部分の境界となるとともに、前述のモジュールグリッドG153と直交するモジュールグリッドG153との交点に十字カーソルK1を移動し、領域R2の対角線の端部となる一点を決定する。この後、領域R2の居室部分との境界となるとともに、互いに直交する一対のモジュールグリッドG153の交点に十字カーソルK1を移動し、領域R2の対角線の反対側の端部となる他点を決定し、これにより、玄関土間領域R2を設定する。
領域R2の設定が完了すると、図12に示されるように、玄関ポーチ領域R1および玄関土間領域R2が他の部分とは異なる表示色(図中では漢字で各領域が表示されている)で示され、玄関ポーチ領域R1および玄関土間領域R2の設定に正しいことをオペレータに確認させる。
玄関ポーチ領域R1および玄関土間領域R2の設定が正しいことを確認する操作が完了すると、図13に示されるように、ユニット建物の外壁部分に沿って外壁面材155 が生成される。この後、玄関ドア等の建具の入力を行うことにより、玄関の設計は完了する。
そして、平面図設計手段31により設定された玄関ポーチおよび玄関のデータを用いて基礎伏図設計手段32は、玄関に打設される玄関ポーチ土間および玄関土間等の玄関部分の基礎を生成する。
【0043】
一方、建物ユニットの中間部分に玄関を設定する場合も、前述の設定手順で設定操作を行えばよい。すなわち、図14に示されるように、建物ユニットの屋外側の辺の中間部分に十字カーソルK1を移動して、ユニットグリッドG152とモジュールグリッドG153との交点を指定した後、室内側へ十字カーソルK1を移動して、互いに直交する一対のモジュールグリッドG153の交点を指定し、これにより、玄関ポーチ領域R1を設定する。この後、同様にして、十字カーソルK1で対角線の端部の点となるように、モジュールグリッドG153の交点を指定することで、玄関土間領域R2を設定する。
ここで、玄関ポーチ領域R1をユニット式建物の屋外側へ拡張したい場合がある。この場合には、予め玄関ポーチ土間の表面に貼付けられる仕上げ部材である正方形のピース面材の種類を選択しておくと、玄関の屋外側に選択したピース面材に応じた寸法の拡張ポーチ部を示す補助線H155が表示される。
例えば、ピース面材として、300mm ×300mm の御影石、150mm ×150mm の玄昌石、および、100mm ×100mm の磁器タイルの三種類が用意され、このうちの一つを選択すると、選択された整数枚のピース面材が縦横に丁度貼付けられることが可能な寸法の拡張ポーチ部が補助線H155で表示される。
この補助線H155をマウス等で指定することにより、玄関ポーチ領域R1がユニット式建物の屋外側へ拡張される。
【0044】
前述のような本実施形態によれば、次のような効果がある。
すなわち、長方形建物ユニットおよび直交建物ユニットの両方に正方形建物ユニットが隣接していることから、正方形建物ユニットの長辺および短辺の設定が困難なユニット式建物であっても、直交配置検出手段51および隣接配置検出手段52により、正方形建物ユニットの配置が的確に認識され、正方形建物ユニットの配置に応じて長辺設定手段55および短辺設定手段56により、正方形建物ユニットの長辺および短辺が適切に設定されるようになるので、設計されたユニット式建物に応じた基礎を自動的かつ確実に設計できるうえ、基礎の強度バランスを充分確保することができる。
【0045】
また、正方形建物ユニットの短辺に設定された辺と、ユニット列に配置された長方形建物ユニットの長辺とが同一線上にあり、正方形建物ユニットの短辺に設定された辺と同一線上にある長方形建物ユニットの長辺に沿って基礎を設定する必要がある場合には、このような基礎が必要であることが直線配置検出手段53の動作により認識され、中基礎生成手段57が前述の長方形建物ユニットの長辺に沿う中基礎を自動的に生成するので、基礎の強度不足を未然に防止できる。
【0046】
さらに、短辺の長さが所定寸法以下とされた細長い極細長方形建物ユニットが設けられている場合には、極細ユニット検出手段61により、極細長方形建物ユニットが検出され、かつ、補強基礎生成手段60により、極細長方形建物ユニットの長辺のうち他の長方形建物ユニットに隣接する長辺に沿った補強基礎を自動的に生成するようにしたので、極細長方形建物ユニットがあっても、基礎の強度不足を未然に防止できる。
【0047】
しかも、二辺隣接検出手段63により、ユニット列に含まれる長方形建物ユニットおよび前記直交する長方形建物ユニットの両方に極細長方形建物ユニットがが隣接していることが検出され、横断基礎生成手段64により、補強基礎の延出方向に延びるとともに、当該極細長方形建物ユニットの短辺側に隣接する長方形建物ユニットを横断する基礎が生成するようにしたので、建物ユニットの柱が密集する極細長方形建物ユニットの短辺近傍に補強を行う新たな基礎が設定され、この点にからも基礎の強度不足を未然に防止することができる。
【0048】
また、ユニット列の長方形建物ユニットとは、長辺方向に位置がずれて、オフセット配置されている長方形建物ユニットがユニット式建物に設けられている場合には、基礎伏図設計手段34が、オフセットされた長方形建物ユニットおよびユニット列の長方形建物ユニットの互いに隣接する長辺に沿って中基礎を生成するので、この中基礎が、外周基礎の入隅部分の一辺と連続し、入隅部分に加わる水平荷重を分散するようになり、この点にからも基礎の強度不足を未然に防止することができる。
【0049】
さらに、一階の平面図の生成操作において、玄関ポーチ領域R1または玄関土間領域R2となる長方形領域の対角線の両端を十字カーソルで指定するとともに、対角線の両端を十字カーソルで指定する際に、ユニットグリッドG152およびモジュールグリッドG153を示す補助線を表示し、ユニットグリッドG152とモジュールグリッドG153との交点、または、モジュールグリッドG153の交点を指定するようにしたので、玄関ポーチ領域R1または玄関土間領域R2を正確かつ容易に設定することができ、これらの領域R1,領域R2に応じて基礎を自動的かつ適切に生成することができる。
【0050】
また、玄関ポーチ領域R1をユニット式建物の屋外側へ拡張したい場合には、予め玄関ポーチ仕上げ部材となるピース面材の種類を選択しておけば、選択された整数枚のピース面材が縦横に丁度貼付けられることが可能な寸法の拡張ポーチ部が補助線H155で表示され、この点からも、玄関ポーチ領域R1を正確かつ容易に設定することができ、領域R1に応じて基礎を自動的かつ適切に生成することができる。
【0051】
さらに、基礎を設計するためのデータが収納された基礎情報蓄積手段22を、基礎自動生成情報データベース24、基礎仕様情報データベース25、および、基礎寸法情報データベース26に分割し、かつ、積算を行うためのデータが収納された積算情報蓄積手段23を、積算仕様情報データベース27、および、基礎材料情報データベース28に分割したので、データを増減や更新等の対応は、取扱が煩雑な大きなデータベースに対して行うのと異なり、データベース24〜28の個々に行えばよいことから、データベースの保守管理を容易とすることができる。
【0052】
以上、本発明について好適な実施形態を挙げて説明したが、本発明は、この実施形態に限られるものでなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の改良並びに設計の変更が可能である。
例えば、基礎を設計するためのデータが収納された基礎情報蓄積手段22は、基礎自動生成情報データベース24、基礎仕様情報データベース25、および、基礎寸法情報データベース26に分割されたものに限らず、一つに統合されたデータベースでもよい。
また、積算を行うためのデータが収納された積算情報蓄積手段23も同様に、積算仕様情報データベース27、および、基礎材料情報データベース28に分割されたものに限らず、一つに統合されたデータベースでもよい。
ただし、前記実施形態のように分割すれば、データを増減や更新等の対応等の保守管理を容易とできるという効果が得られる。
【0053】
また、前記実施形態では、部品情報蓄積手段21等の情報蓄積手段、平面図設計手段31等の設計手段、積算手段34、および、情報管理手段35を一つのコンピュータ本体10の集約したが、これらの手段を、設計・積算業務の組織形態に応じて複数のコンピュータに分散して設けてもよい。この場合、これらのコンピュータをオンライン接続等により有機的に結合することが望ましい。
【0054】
【発明の効果】
前述のように本発明によれば、ユニット式建物を形成する建物ユニットの種類や平面配置によらず、強度不足を生じさせないうえ、強度バランスが充分図られた基礎の設計を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係るCADシステムの全体を示すブロック図である。
【図2】前記実施形態のCADシステムの要部を示すブロック図である。
【図3】前記実施形態の基礎情報蓄積手段を説明するためのブロック図である。
【図4】前記実施形態の積算情報蓄積手段を説明するためのブロック図である。
【図5】前記実施形態で設計される設計例1を説明するための平面図である。
【図6】前記実施形態で設計される設計例2を説明するための平面図である。
【図7】前記実施形態で設計される設計例3を説明するための平面図である。
【図8】前記実施形態で設計される設計例4を説明するための平面図である。
【図9】前記実施形態で設計される設計例5を説明するための平面図である。
【図10】前記実施形態で玄関を設計するための手順を説明するための図である。
【図11】図10の次の手順を説明するための図である。
【図12】図11の次の手順を説明するための図である。
【図13】図12の次の手順を説明するための図である。
【図14】前記実施形態で玄関ポーチを拡張する操作を説明するための図である。
【図15】本発明に係るユニット式建物建物ユニットの骨組みを示す斜視図である。
【符号の説明】
1 CADシステム
51 直交配置検出手段
52 隣接配置検出手段
53 直線配置検出手段
55 長辺設定手段
56 短辺設定手段
57 中基礎生成手段
60 補強基礎生成手段
61 極細ユニット検出手段
63 二辺隣接検出手段
64 横断基礎生成手段
71A 〜71E 長方形建物ユニット
72A 〜72E 直交建物ユニット
73A 〜73D 正方形建物ユニット
74A 〜74E,75B,75D ユニット列
76C 〜76E, 77C 極細長方形建物ユニット

Claims (5)

  1. 異なる長さの長辺および短辺からなる長方形の平面形状を有する長方形建物ユニット、および、長さがほぼ同一の辺からなるほぼ正方形の平面形状を有する正方形建物ユニットのうち少なくとも前記長方形建物ユニットを含んで構成されたユニット式建物の基礎について、前記ユニット式建物を構成する各建物ユニットの短辺に沿って比較的耐力が大きい短辺用基礎を生成し、前記各建物ユニットの長辺に沿って、前記各短辺用基礎の両端を連結する長辺用基礎を生成する基礎設計手段を備えて前記基礎の設計作業を支援するユニット式建物の基礎用CADシステムであって、
    前記長方形建物ユニットがその短辺方向に複数配列されたユニット列、および、前記ユニット列の長方形建物ユニットの短辺方向とは直交する方向に、その短辺が配置された長方形建物ユニットの両方が設けられているか否かの検出を行う直交配置検出手段と、
    この直交配置検出手段が前記ユニット列および前記直交する長方形建物ユニットの両方を検出すると、前記直交する長方形建物ユニットの短辺に隣接する前記正方形建物ユニットが設けられているか否かの検出を行う隣接配置検出手段と、前記直交する長方形建物ユニットに前記正方形建物ユニットが隣接していることを前記隣接配置検出手段が検出すると、前記正方形建物ユニットにおける前記直交する長方形建物ユニットの長辺方向に沿った辺を長辺とする設定を行う長辺設定手段と、
    を備えていることを特徴とするユニット式建物の基礎用CADシステム。
  2. 請求項1に記載のユニット式建物の基礎用CADシステムにおいて、
    前記長方形建物ユニットがその短辺方向に複数配列されたユニット列、および、前記ユニット列の長方形建物ユニットの短辺方向とは直交する方向に、その短辺が配置された長方形建物ユニットの両方が設けられていないことを前記直交配置検出手段が検出すると、前記正方形建物ユニットにおける前記長方形建物ユニットの短辺方向に沿った辺を短辺とする設定を行う短辺設定手段、
    を備えていることを特徴とするユニット式建物の基礎用CADシステム。
  3. 請求項1または請求項2に記載のユニット式建物の基礎用CADシステムにおいて、
    前記正方形建物ユニットの短辺に設定された辺と、前記ユニット列に配置された長方形建物ユニットの長辺とが同一線上にあり、かつ、前記正方形建物ユニットの短辺に設定された辺と同一線上にある前記長方形建物ユニットの長辺に沿って基礎が設定されるか否かを検出する直線配置検出手段と、
    前記正方形建物ユニットの短辺に設定された辺と同一線上にある前記長方形建物ユニットの前記長辺に沿って基礎が設定されないことを前記直線配置検出手段が検出すると、当該長方形建物ユニットの長辺に沿うとともに、前記ユニット列の周縁に沿って設定される基礎の中間部分を補強する中基礎を自動的に生成する中基礎生成手段と、
    を備えていることを特徴とするユニット式建物の基礎用CADシステム。
  4. 請求項1から請求項3までのいずれかに記載のユニット式建物の基礎用CADシステムにおいて、
    異なる長さの長辺および短辺からなる長方形の平面形状を有するとともに、前記短辺の長さが所定寸法以下とされた細長い極細長方形建物ユニットが設けられているか否かを検出する極細ユニット検出手段と、
    前記極細ユニット検出手段が極細長方形建物ユニットを検出すると、前記極細長方形建物ユニットの長辺のうち他の長方形建物ユニットに隣接する長辺に沿った補強基礎を自動的に生成する補強基礎生成手段と、
    を備えていることを特徴とするユニット式建物の基礎用CADシステム。
  5. 請求項4に記載のユニット式建物の基礎用CADシステムにおいて、
    前記直交配置検出手段が、前記ユニット列および前記直交する長方形建物ユニットの両方を検出するとともに、前記極細ユニット検出手段が極細長方形建物ユニットを検出すると、前記ユニット列に含まれる長方形建物ユニットおよび前記直交する長方形建物ユニットの両方に前記極細長方形建物ユニットが隣接しているか否かの検出を行う二辺隣接検出手段と、
    前記二辺隣接検出手段が前記ユニット列に含まれる長方形建物ユニットおよび前記直交する長方形建物ユニットの両方に前記極細長方形建物ユニットが隣接していることを検出すると、前記極細長方形建物ユニットにおける前記長方形建物ユニットに隣接配置された長辺に沿って生成された前記補強基礎の延出方向に延びるとともに、当該極細長方形建物ユニットの短辺側に隣接する長方形建物ユニットを横断する基礎を自動的に生成する横断基礎生成手段と、
    を備えていることを特徴とするユニット式建物の基礎用CADシステム。
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