JP3839516B2 - 湿分硬化性シリコーン感圧接着剤組成物 - Google Patents

湿分硬化性シリコーン感圧接着剤組成物 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、周囲湿分への暴露により硬化するシリコーン感圧接着剤組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
シリコーン感圧接着剤は、典型的に、少なくとも二つの主成分、すなわち線状シロキサンポリマーと、本質的にトリオルガノシロキサン(M)単位(すなわちR3 SiO1/2 単位、式中のRは一価の有機基を表す)とシリケート(Q)単位(すなわちSiO4/2 単位)から本質的になる粘着付与剤樹脂を含有する。更に、シリコーン感圧接着剤組成物には一般に、最終の接着剤製品の種々の特性を最適にするため何らかの架橋手段(例えば過酸化物又はヒドロシリル化硬化系)が含まれている。ポリマー成分により与えられる高粘度の観点から、これらの感圧接着剤組成物は典型的に、適用を容易にするため有機溶媒に分散される。
【0003】
本発明の従来技術は、一般に、ヨーロッパ特許出願公開第0529841号明細書、特開平4−81487号公報、米国特許第5470923号明細書、同第5091484号明細書及び同第4143088号明細書に代表される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
湿分硬化性シリコーン感圧接着剤組成物の高温での強度特性と接着強さは、感圧接着剤組成物において官能性MQ樹脂を使用することで驚くほど向上させることができることが分かった。
このように、本発明の目的は、高温での強度特性と接着強さが向上した湿分硬化性感圧接着剤組成物を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
従って、本発明は、次に掲げる成分を含む湿分硬化性シリコーン感圧接着剤組成物を提供する。
【0006】
(A)式−SiY2 ZNY’ZSiR1 x Y”3-x (この式のR1 は一価の炭化水素基であり、各Zは二価の結合基であり、各Yは一価の有機基、エノールオキシ基、アルコキシ基及びオキシモ基からなる群より独立に選ばれ、Y’は一価の有機基、水素原子及び−ZSiR1 x Y”3-x からなる群から選ばれ、Y”はエノールオキシ基、アルコキシ基及びオキシモ基からなる群より選ばれ、xは0又は1の値を有する)の硬化性基を含有しているオルガノポリシロキサン樹脂。
【0007】
(B)各末端基が、炭素原子数1〜4のアルコキシ基、ケトキシム基、エノールオキシ基、アミノオキシ基、アセトアミド基、N−メチルアセトアミド基及びアセトキシ基からなる群より選ばれた少なくとも一つのケイ素結合加水分解性官能基を含有していて、25℃での粘度が20〜100,000mm2 /sであるジオルガノポリシロキサンポリマー。このポリマーに対する上記樹脂の重量比は5:95から90:10までの範囲内にある。
【0008】
(C)任意的に、当該組成物の硬化を促進するのに十分な触媒。
(D)任意的に、式R2 4-ySiXy (この式のR2 は炭素原子数が1〜6の置換された又は不置換の炭化水素基から選ばれ、Xは加水分解性基であり、yは2〜4である)のシラン又はそのオリゴマー反応生成物。
(E)任意的に、充填剤。
【0009】
本発明の成分(A)は、式−SiY2 ZNY’ZSiR1 x Y”3-x (この式のR1 は一価の炭化水素基であり、各Zは二価の結合基であり、各Yは一価の有機基、エノールオキシ基、アルコキシ基及びオキシモ基からなる群より独立に選ばれ、Y’は一価の有機基、水素原子及び−ZSiR1 x Y”3-x からなる群より選ばれ、Y”はエノールオキシ基、アルコキシ基及びオキシモ基からなる群より選ばれ、xは0又は1の値を有する)の硬化性基を含有しているオルガノポリシロキサン樹脂である。
【0010】
成分(A)は、R3 SiO1/2 シロキサン単位(M単位)がSiO4/2 シロキサン単位(Q単位)に結合していて、これらのおのおのが少なくとも一つの他のSiO4/2 シロキサン単位に結合している樹脂状部分を含み、上記の式のRは炭化水素基又はハロゲン化炭化水素基から選ばれる。一部のSiO4/2 シロキサン単位はヒドロキシル基に結合してHOSiO3/2 単位(すなわちTOH単位)になり、それによりオルガノポリシロキサン樹脂のいくらかのケイ素結合ヒドロキシル含有量の原因になることがある。更に、成分(A)の樹脂状部分は、式−SiY2 ZNY’ZSiR1 x Y”3-x の硬化性基を、典型的にはY”3-x 1 x SiZNY’ZSiY2 OSiO3/2 単位の形で含有する。成分(A)は、樹脂状部分のほかに、式(R3 SiO)4 Siを有するネオペンタマーオルガノポリシロキサンから実質的に構成される低分子量物質を少量含有し、この物質は樹脂製造時の副生物である。
【0011】
本発明について言えば、R3 SiO1/2 シロキサン単位のSiO4/2 シロキサン単位に対する比は0.5〜1.2のモル比である。(A)の全Mシロキサン単位の全Qシロキサン単位に対するモル比は、0.6と1.0の間であるのが好ましい。上記のM/Qモル比は、29Si核磁気共鳴により容易に得られ、この技術は、M(樹脂)、M(ネオペンタマー)、Q(樹脂)、Q(ネオペンタマー)及びTOHのモル含有量を定量することができる。本発明の目的のためには、次式のM/Q比、すなわち(M(樹脂)+M(ネオペンタマー))/(Q(樹脂)+Q(ネオペンタマー))は、(A)の樹脂状部分及びネオペンタマー部分のトリオルガノシロキシ基の総数の(A)の樹脂状部分及びネオペンタマー部分のシリケート基の総数に対する比を表す。もちろんながら、上記のM/Qモル比の定義は、樹脂(A)の調製に由来するネオペンタマーを計算に入れ、ネオペンタマーの意図的な追加はいずれも計算に入れないことが理解されよう。
【0012】
成分(A)についての式において、Rは、好ましくは炭素原子数が20未満の、最も好ましくは炭素原子数が1〜10の、炭化水素基又はハロゲン化炭化水素基から選ばれた一価の基を表す。適当なR基の例には、アルキル基、例としてメチル基、エチル基、プロピル基、ペンチル基、オクチル基、ウンデシル基及びオクタデシル基といったようなものや、脂環式基、例えばシクロヘキシル基のようなものや、アリール基、例としてフェニル基、トリル基、キシリル基、ベンジル基、α−メチルスチリル基及び2−フェニルエチル基のようなものや、アルケニル基、例としてビニル基の如きものや、塩素化炭化水素基、例えば3−クロロプロピル基及びジクロロフェニル基のようなものが含まれる。
【0013】
好ましくは、成分(A)の式中の少なくとも三分の一、より好ましくは実質的に全部のR基は、メチル基である。好ましいR3 SiO1/2 シロキサン単位の例には、Me3 SiO1/2 、ViMe2 SiO1/2 、PhMe2 SiO1/2 、及びPh2 MeSiO1/2 が含まれ、以下においてMeはメチル基を表し、Phはフェニル基を表す。
【0014】
1 は、炭素原子数1〜10の、好ましくは炭素原子数1〜6の、一価の炭化水素基である。R1 の例を挙げると、メチル基、エチル基、プロピル基及びイソプロピル基といったようなアルキル基や、ビニル基のようなアルケニル基や、フェニル基のようなアリール基であるが、R1 はこれらに限定されない。R1 は、好ましくはメチル基である。
【0015】
Yは、一価の有機基、エノールオキシ基、アルコキシ基及びオキシモ基からなる群より独立に選ばれる。Yは、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基及びヘキシル基のようなアルキル基や、シクロヘキシル基のような脂環式基や、フェニル基、ベンジル基、スチリル基、トリル基及びキセニル基のようなアリール基や、メトキシ基及びエトキシ基のようなアルコキシ基や、一般式−ON=C(R3 2 (この式中の各R3 は炭素原子数が1〜6のアルキル基又はフェニル基を独立に表す)のケトキシム基や、一般式−OC(R4 )=CR5 2(この式のR4 は炭素原子数1〜4の一価の炭化水素基を表し、そして各R5 はR4 又は水素原子から独立に選ばれる)のエノールオキシ基、例としてイソプロペニルオキシ基のようなもの、でよい。好ましくは、Yはメチル基あるいはアルコキシ基である。
【0016】
Y’は、一価の有機基、水素原子、及び−ZSiR1 x Y”3-x 基からなる群から選ばれる。Y’は、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基及びヘキシル基のようなアルキル基や、シクロヘキシル基のような脂環式基や、フェニル基、ベンジル基、スチリル基、トリル基及びキセニル基のようなアリール基や、ビニル基又はアリル基及びそれらのハロゲン化誘導体のようなアルケニル基や、メトキシ基及びエトキシ基のようなアルコキシ基や、アリールオキシ基や、水素原子でよい。好ましくは、Y’はメチル基又は水素原子から選ばれる。
【0017】
Y”は、エノールオキシ基、アルコキシ基及びオキシモ基からなる群より選ばれる。Y”は、メトキシ基及びエトキシ基のようなアルコキシ基や、一般式−ON=C(R3 2 (この式中の各R3 は炭素原子数1〜6のアルキル基又はフェニル基を独立に表す)のケトキシム基や、一般式−OC(R4 )=CR5 2(この式のR4 は炭素原子数1〜4の一価の炭化水素基を表し、各R5 はR4 又は水素原子から独立に選ばれる)のエノールオキシ基、例としてイソプロペニルオキシ基のようなもの、でよい。好ましくは、Y”はアルコキシ基である。
【0018】
Zは、ケイ素原子と窒素原子を結合する二価の結合基である。Zの例を挙げると、アミン官能性基、例として−CH2 CH2 CH2 NHCH2 CH2 −、−CH2 CH(CH3 )CH2 NHCH2 CH2 −、−CH2 CH2 CH2 N(Z’SiR1 x (OCH3 3-x )CH2 CH2 −、−CH2 CH(CH3 )CH2 N(Z’SiR1 x (OCH3 3-x )CH2 CH2 −といったようなものや、アルキレン基、例として−CH2 CH2 −、−CH2 CH2 CH2 −、−CH2 CH(CH3 )CH2 −及び−(CH2 6 −といったようなものや、オキシ基、例として−OCH(CH3 )CH2 −のようなものや、エポキシ基とアミン基との反応から生成される−CH2 CH(OH)CH2 OCH2 CH2 CH2 −といったような基や、アリーレン基、例えば−C6 4 −、−CH2 6 4 −及び−CH2 6 4 CH2 −といったようなものである。Zは同じ基でもよく、あるいは異なる基でもよい。好ましくは、一方のZは−CH2 CH(CH3 )CH2 −又は−CH2 CH2 CH2 −基であり、そして他方のZは−CH2 CH(OH)CH2 OCH2 CH2 CH2 −基である。
【0019】
成分(A)の樹脂状部分は、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)で測定し、測定結果からネオペンタマーのピークを除外して、1,500〜15,000の数平均分子量(Mn)を有することが好ましい。この分子量の測定では、MQ樹脂の幅の狭いフラクションを使ってGPC装置を校正し、最初にこのフラクションの絶対的な分子量を気相浸透圧法のような手法により確認する。この分子量は、好ましくは3,000より高く、最も好ましくは3,500〜6,500の範囲内にある。
【0020】
本発明の一つの好ましい態様は、ホットメルトシリコーン感圧接着剤である組成物である。本発明の組成物がホットメルト感圧接着剤であるためには、オルガノポリシロキサン樹脂(A)は室温で固体であり、且つ周囲温度より高い、好ましくは40℃より高い軟化点を持つべきである。この条件が実現されない場合には、得られたホットメルト感圧接着剤は必要とされる不スランプ特性を示さない。「不スランプ(non−slump)」とは、材料が、60cm3 のジャーに三分の一の容量までその材料を満たしてその後室温(すなわち25℃)で横に傾けたときに20分以内に本質的に流動が認められないような固形物であるように見えることを意味する。これは、1ラジアン/secで測定したときにおおよそ2×107 〜8×107 mPa・sの範囲の最小室温動的粘度に相当する。本発明のホットメルト組成物は高温では流動し、そしてこれらの組成物は通常のホットメルトガンから容易に押出すことができる(例えば、動的粘度は200℃で好ましくは104 mPa・sのオーダーである)。
【0021】
本発明のオルガノポリシロキサン樹脂(A)は、いくつかの方法のうちの一つによって製造され、第一の方法は、(i)R3 SiO1/2 シロキサン単位、SiO4/2 シロキサン単位及びO3/2 SiOSiY2 ZNHY”’シロキサン単位を含み、R3 SiO1/2 シロキサン単位のSiO4/2 に対するモル比が0.5:1から1.2:1までの値であるアミン官能性樹脂を、(ii)式Z’SiR1 x Y”3-x を有するエポキシ化合物(これらの式のR、R1 、Y、Y”、Z及びxは先に定義したとおりであり、Y”’は一価の有機基又は水素原子から選ばれ、Z’は炭素、水素及び酸素から構成され、下式のオキシラン基
【0022】
【化1】
Figure 0003839516
【0023】
を少なくとも一つ有する有機基である)と反応させることを含む。
【0024】
Y”’の例を挙げると、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基及びヘキシル基のようなアルキル基であり、シクロヘキシル基のような脂環式基であり、フェニル基、ベンジル基、スチリル基、トリル基及びキセニル基のようなアリール基であり、そして水素原子である。
【0025】
更に、Z’の例として、下記の一般式
【0026】
【化2】
Figure 0003839516
【0027】
により表される基(この式中のR6 は、−CH2 CH2 −、−(CH2 3 −、−CH2 CH(CH3 )CH2 −、フェニレン基及びシクロヘキシレン基といったような二価の基、あるいは−CH2 CH2 OCH2 CH2 −及び−CH2 CH2 OCH(CH3 )CH2 −といったようなエーテル酸素含有基から選ばれる)を挙げることができる。γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシランが好ましいエポキシ化合物である。
【0028】
本発明のオルガノポリシロキサン樹脂(A)を製造するための二番目の方法は、(iii)R3 SiO1/2 シロキサン単位、SiO4/2 シロキサン単位及びO3/2 SiOSiY”2-x 1 x Z’シロキサン単位(ここでのR、R1 、Y”及びZ’は先に定義されたとおりである)を含み、R3 SiO1/2 シロキサン単位のSiO4/2 に対するモル比が0.5:1から1.2:1までの値のエポキシ官能性樹脂を、(iv)アミノシラン又は環式シラザンと反応させることを含む。
【0029】
本発明のオルガノポリシロキサン樹脂(A)を製造するための三番目の方法は、(v)ヒドロキシル官能性シロキサン樹脂を、(vi)アミノシランとエポキシ化合物との反応生成物(すなわち一般式Y”3-x SiY2 ZNY’ZSiR1 x Y”3-x を有する化合物)と反応させることを含む。
【0030】
オルガノポリシロキサン樹脂(A)を製造するより好ましい方法は、アミン官能性樹脂(i)をエポキシ化合物(ii)と反応させることである。アミン官能性樹脂(i)は、例えば米国特許第5013577号明細書に記載されたような当該技術において知られている方法で調製される。一つの方法は、R3 SiO1/ 2 単位、SiO2 単位及びHOSiO3/2 単位から構成されたシロキサン樹脂のシラノール基を式−ZNHY”’の基を有するアミノシランと反応させることを含む。もう一つの方法は、ヒドロキシル官能性オルガノポリシロキサン樹脂を環式シラザンと反応させることを含む。
【0031】
米国特許第5013577号明細書の方法は、R3 SiO1/2 単位、SiO2 単位及びHOSiO3/2 単位から構成されたシロキサン樹脂のシラノール基を、次式
【0032】
【化3】
Figure 0003839516
【0033】
の環式シラザン又はアミノシランと反応させることを含み、これらの式のR、Y、Y”’及びZは先に定義されたとおりである。この反応は、トリフルオロ酢酸のような触媒の存在下で行うことができる。溶媒は必要とされないが、反応物と生成物を希釈するのに不反応性の溶媒を使用してもよい。典型的に、ヒドロキシル官能性オルガノポリシロキサン樹脂はそのような溶媒溶液で供給される。
【0034】
アミン官能性樹脂(i)の製造に有用なアミノシランには、アミノプロピルトリメトキシシラン、アミノエチルアミノプロピルトリメトキシシラン、アミノエチルアミノプロピルメチルジメトキシシラン、アミノエチルアミノイソブチルトリメトキシシラン及びアミノエチルアミノイソブチルメチルジメトキシシランが含まれる。
【0035】
アミノ官能性樹脂(i)を製造するために反応させるヒドロキシル官能性オルガノポリシロキサン樹脂とアミノシラン及び/又は環式シラザンの量は、特別に限定されるわけではないが、樹脂のヒドロキシル基の一部又は全部を式−OSiY2 ZNHY”’のアミン基で置換するのに十分であるべきである。樹脂のヒドロキル基の一部だけをアミン官能性に変える一方で、樹脂の残りのヒドロキシル基は未反応のままにし、非アルコキシ官能性基でキャップし、あるいは加水分解可能なシラン又は流体で処理するのが好ましい。
【0036】
アミン官能性樹脂(i)は、エポキシ化合物(ii)との反応の前にあるいは後に、更に反応させて(キャップして)ヒドロキル含有量を減らしてもよい。本発明はまた、キャップされたオルガノポリシロキサン樹脂から開始してそれからアミン官能性樹脂(i)を製造することにより実施してもよい。キャップされたオルガノポリシロキサン樹脂を製造するための方法は当該技術分野でよく知られている。キャップされたオルガノポリシロキサン樹脂は、初めに未処理の樹脂コポリマーを調製し、その後この未処理樹脂コポリマーの有機溶媒溶液を適当な末端ブロック剤で処理してケイ素に結合したヒドロキシル単位を1重量%未満、好ましくは0.7重量%未満に低下させることにより調製することができる。
【0037】
末端ブロック用のトリオルガノシリル単位を供給することができる末端ブロック剤は、シリル化剤として普通に使用されていて、様々なそのような末端ブロック剤が知られており、そして米国特許第4584355号、同第4591622号及び同第4585836号各明細書に開示されている。ヘキサメチルジシラザンのような単一の末端ブロック剤を使用してもよく、あるいはそのような末端ブロック剤の混合物を使用してもよい。樹脂コポリマーを処理するための手順は、末端ブロック剤を樹脂コポリマーの溶媒溶液と単純に混合し、そして次に副生物を除去することでよい。好ましくは、酸触媒を加え、混合物を数時間還流条件に加熱する。
【0038】
次に、アミン官能性樹脂(i)を式Z’SiR1 x Y”3-x (この式のR1 、Z’、Y”及びxは先に説明したとおりである)を有するエポキシ化合物(ii)と反応させる。
【0039】
本発明のオルガノポリシロキサン樹脂(A)を製造するために反応させるアミン官能性オルガノポリシロキサン樹脂(i)とエポキシ化合物(ii)の量は、特に限定されない。使用するエポキシ化合物(ii)の量は、最終の感圧接着剤の用途が接着剤の硬化を助けるため樹脂に存在する自由なアミンを有するように用途に依存する。とは言え、アミン官能性オルガノポリシロキサン樹脂(アミンのモル数)に対して少なくとも等モル量のエポキシ化合物(エポキシのモル数)を使用するのが好ましい。
【0040】
オルガノポリシロキサン樹脂(A)を製造するための反応は、典型的には溶媒の存在下で行われる。適当な溶媒には、ベンゼン、トルエン、キシレン及びヘプタンといったような炭化水素液体、あるいは環式及び線状のポリジオルガノシロキサンといったようなシリコーン液体が含まれる。キシレンを使用するのがより好ましい。
【0041】
一定の条件下では、アミン官能性樹脂(i)を製造するための反応の効率を最高にするために、最小量の溶媒が好ましいということが分かった。反応中には、少なくとも40重量%の溶媒が存在するのが好ましく、より好ましくは50重量%の溶媒が存在する。溶媒が40重量%未満である場合、アミノシラン又は環式シラザンは樹脂と十分に反応しないことがある。反応中に存在する溶媒の量は、より高い分子量の可溶性樹脂のために、及び/又は樹脂がより高レベルのヒドロキシル官能性を持つ場合に、より重要であるように思われる。
【0042】
本発明の成分(B)は、各末端基が、炭素原子数1〜4のアルコキシ基、ケトキシモ基、エノールオキシ基、アミノオキシ基、アセトアミド基、N−メチルアセトアミド基及びアセトキシ基からなる群より選ばれたケイ素に結合した加水分解可能な官能基を少なくとも一つ、好ましくは二つ含有している、ジオルガノポリシロキサンポリマーである。ジオルガノポリシロキサン(B)の繰り返し単位はR2 SiO2/2 シロキシ単位であり、この式のRは成分(A)について先に記載した同じ炭化水素基又はハロゲン化炭化水素基から独立に選ばれる。
【0043】
成分(B)は、単一のジオルガノポリシロキサン又は2種以上の異なるジオルガノポリシロキサンの混合物を含む。成分(B)は、25℃で20〜100,000mm2 /s、好ましくは350〜60,000mm2 /sの粘度を有するべきである。成分(B)の鎖に沿って少なくとも50%、好ましくは少なくとも85%の有機基は、メチル基であるのが好ましく、これらの基はジオルガノポリシロキサン中にどのように分配されてもよい。更に、成分(B)は、上記の粘度要件を満たすことを条件として、シロキサン枝分かれの部位を含むことができる。もちろんながら、そのような枝分かれの箇所から出てくる側鎖は、やはり上記の加水分解可能な基を含有することもできる末端単位を持つ。
【0044】
ジオルガノポリシロキサン(B)の末端単位は、炭素原子数1〜4のアルコキシ基、ケトキシム基、エノールオキシ基、アミノオキシ基、アセトアミド基、N−メチルアセトアミド基及びアセトキシ基からなる群から選ばれる。末端単位は、炭素原子数1〜4のアルコキシ基、ケトキシム基、エノールオキシ基、アセトアミド基、N−メチルアセトアミド基及びアセトキシ基からなる群から選ばれた末端基を少なくとも一つ含むことが好ましい。加水分解可能な基がアルコキシ基である場合、ジオルガノポリシロキサンは加水分解可能な末端官能基を少なくとも二つ含むことが好ましい。
【0045】
アルコキシ基の例は、式−ZSiR1 x (OR7 3-x (この式のR1 、Z及びxは先に定義されたとおりであり、R7 はアルキル基又はアルコキシアルキル基から選ばれる)で表される基である。R7 には、メチル基、エチル基、イソプロピル基、メトキシエチル基及びエトキシエチル基が含まれる。R7 は好ましくはメチル基である。
【0046】
そのようなアルコキシ末端基を持つジオルガノポリシロキサンポリマーの調製は、適当な調製方法を教示しているヨーロッパ特許出願公開第0529841号明細書に詳しく記載されている。代表的な式(MeO)3 SiO−及びMe(MeO)2 SiO−を有するアルコキシ官能基は、当該技術分野でよく知られているように、それぞれ式(MeO)4 Si及びMe(MeO)3 Siを有する化合物によりシラノール基を末端基とするジオルガノポリシロキサンに導入される。
【0047】
ケトキシム基の例としては、一般式−ON=C(R3 2 のものが挙げられ、この式の各R3 は炭素原子数1〜6のアルキル基又はフェニル基を独立に表す。ケトキシム基を有するジオルガノポリシロキサンを製造するための方法は、当該技術分野において知られている。ケトキシム基の例を更に挙げると、ジメチルケトキシム基、メチルエチルケトキシム基及びシクロヘキサンオキシム基である。
【0048】
エノールオキシ基の例を挙げると、一般式−OC(R4 )=CR5 2(この式のR4 は炭素原子数1〜4の一価の炭化水素基を表し、各R5 はR4 又は水素原子から独立に選ばれる)の基である。好ましくは、エノールオキシ基はイソプロペニルオキシ基である。
【0049】
このほかの加水分解性官能基の例を挙げると、アミノキシ基、アセトアミド基、N−メチルアセトアミド基及びアセトキシ基である。
【0050】
本発明の好ましいジオルガノポリシロキサン(B)は、(MeO)3 SiCH2 CH2 Si(Me2 )OSi(Me2 )CH2 CH2 −、(MeO)3 SiO−、Me(MeO)2 SiO−又は(MeO)3 SiCH2 CH2 Si(Me2 )O−の構造を持つ基を末端に有するポリジメチルシロキサンである。
【0051】
加水分解可能な官能性ジオルガノポリシロキサン(B)を調製するためのもう一つの方法は、ヒドロキシル官能性ジオルガノポリシロキサンを加水分解可能な官能性シランと反応させることである。この反応は、典型的にはアルキルチタネートのような適当な触媒の存在下で行われる。反応を実用的な速度で進行させるために、混合物を加熱することが必要とされることがある。あるいはまた、ヒドロキシル官能性ジオルガノポリシロキサンは、樹脂(A)の溶液の存在下で、且つ好ましくはやはりプロセス触媒の存在下で、それを加水分解性の官能性シランと反応させて、その場でキャップされる。適当なプロセス触媒は、オクタン酸第一スズ、塩基又はテトラブチルチタネートである。常に必要とは限らないながらも、反応が完了したらプロセス触媒を中和することが必要なことがある。プロセス触媒がSn(II)塩である場合には、更に処理する前に、触媒は熱で、あるいは適当な薬剤で失活させられる。同様に、プロセス触媒が例えば炭酸カリウムのような塩基である場合、この塩基は更に処理を行う前に中和される。
【0052】
本発明の感圧接着剤組成物は、樹脂(A)のジオルガノポリシロキサンポリマー(B)に対する重量比が5:95から90:10まで、好ましくは40;60から70:30まで、より好ましくは55:45から70:30まで、最も好ましくは55:45から65:35までである場合に得られる。これらの系を作るのに必要とされる正確な比率は、ここに記載された開示に基づいて日常的な実験により、所定の樹脂とポリマーとの組み合わせについて確定することができる。
【0053】
湿分へさらすことにより本発明の組成物が硬化するのを促進するために使用される、任意的な触媒(C)は、ケイ素に結合した加水分解性基の加水分解とその後の縮合を促進するための当該技術分野で知られた化合物から選ばれる。適当な硬化触媒は、カルボン酸のスズ(IV)塩、例えばジブチルスズジラウレートのようなものや、有機チタン化合物、例えばテトラブチルチタネートの如きものや、これらの塩類をキレート化剤、例えばアセト酢酸エステル類及びβ−ジケトン類のようなもの、で部分的にキレート化した誘導体である。
【0054】
感圧接着剤組成物の硬化を促進するために十分な量の触媒(C)を加える。この量は、熟練技術者により日常的な実験によって容易に決定され、典型的には樹脂固形分とポリマー固形分を一緒にした重量を基にして0.01〜3%である。
【0055】
本発明の任意的なシラン(D)は、式R2 4-ySiXy のモノマーとそのオリゴマーの反応生成物で代表され、この式のR2 は炭素原子数が1〜6の不置換の又は置換された炭化水素基から選ばれる。Xは加水分解性の基であって、好ましくは、炭素原子数1〜4のアルコキシ基、ケトキシム基、エノールオキシ基、アミノオキシ基、アセトアミド基、N−メチルアセトアミド基又はアセトキシ基から選ばれ、yは2〜4、好ましくは3〜4である。
【0056】
好ましいシランの具体的な例には、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、プロピルトリメトキシシラン、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、アミノプロピルトリメトキシシラン、アミノエチルアミノプロピルトリメトキシシラン、メチルトリアセトキシシラン、エチルトリアセトキシシラン、テトラ(メチルエチルケトキシモ)シラン、メチルトリス(メチルエチルケトキシモ)シラン、ビニルトリス(メチルエチルケトキシモ)シラン及びメチルビニルビス(n−メチルアセトアミド)シランが含まれる。
【0057】
典型的には、シラン(D)は、(A)及び(B)の重量を基にして0.01〜10重量%、好ましくは0.3〜5重量%の範囲の量で加えられる。このシランは、組成物に安定性を与えること、オルガノポリシロキサン樹脂(A)及び/又はジオルガノポリシロキサンポリマー(B)の未反応ヒドロキシル基をキャップすること、感圧接着剤を製造する際に生じることがある水を消費すること、及び/又は接着促進剤として機能することを含めて、いくつかの目的のために加えることができる。ヒドロキシル官能性ポリジオルガノシロキサンを(B)を製造するためのその場での処理において加水分解性官能性シランでキャップする場合には、加えられるべきシラン(D)の量はヒドロキシル官能性の全部をキャップするのに必要とされる加水分解性シランの量より多いことが理解されよう。
【0058】
本発明の感圧接着剤は、本発明の加水分解可能な官能性ポリジオルガノシロキサン(B)を樹脂(A)の有機溶媒溶液と混合して製造される。使用される溶媒は、好ましくは,樹脂成分を調製するのに用いられるのと同じものであり、例えば、炭化水素液体、例としてベンゼン、トルエン、キシレン及びヘプタンのようなもの、あるいはシリコーン液体、例として環式又は線状のポリジオルガノシロキサンのようなものである。シラン(D)を使用する場合には、最初にそれを樹脂(A)の溶液とブレンドし、次いでその混合物をジオルガノポリシロキサン(B)に加えるのが好ましい。必要というわけではないながらも、(A)と(B)の混合物を20〜110℃の温度に1〜24時間加熱してもよい。感圧接着剤組成物は、溶媒から適用してもよく、あるいは次いで溶媒を除去して本質的に溶媒のない組成物を提供してもよい。溶媒の除去(脱揮発分)は、混合物を減圧下で加熱して、例えば90〜150℃及び1.3kPa未満(<10mmHg)でバッチ操作で加熱して、効果的になされる。溶媒の除去はまた、既知の手法、例えば不活性ガスの流れとの接触、蒸発、蒸留、薄膜ストリッピング等、のうちのいずれによってもなされる。成分の全てを脱揮発分する場合には、過度に高い温度は避けるべきである。200℃の温度、好ましくは150℃の温度を越えるべきでない。触媒(C)は、所望ならばこの時点で加えることができ、あるいは触媒(C)は樹脂(A)とポリジオルガノシロキサン(B)の混合物に加えてもよい。
【0059】
もちろんながら、上記の手順は組成物の余りにも早い硬化を防ぐため湿分の不存在下で行われることが理解される。これはまた、その後の組成物の貯蔵にも当てはまる。
【0060】
一般に、本発明の組成物には少量の追加成分を加えてもよい。ここに明記された要件を実質的に変えない限り、例えば、酸化防止剤、顔料、安定剤、充填剤その他を加えてもよい。
【0061】
更に、本発明の組成物には随意に充填剤を加えてもよい。充填剤は、最高50重量%まで、好ましくは最高25重量%までの量で加えることができる。本発明において有効な充填剤の例を挙げると、無機充填剤、例えば熱分解法シリカ、沈降シリカ、ケイソウ土シリカ、石英粉末、ケイ酸アルミニウム、マイカ粉末、炭酸カルシウム、ガラス粉末、ガラス繊維、熱分解酸化物及びルチルタイプのチタン酸化物、ジルコン酸バリウム、硫酸バリウム、メタホウ酸バリウム、窒化ホウ素、リトポン、鉄、亜鉛、クロム、ジルコニウム及びマグネシウムの酸化物、種々の形態のアルミナ(水和及び無水)、グラファイト、ランプブラック、アスベスト並びに焼成クレーといったようなもの、あるいは有機材料、例えばフタロシアニン、コルク粉末、おが屑、合成繊維及び合成ポリマー(ポリテトラフルオロエチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン及びポリ塩化ビニル)といったようなものである。充填剤は、単一種類のものでもよく、あるいはいくつかの種類の混合物でもよい。
【0062】
本発明の感圧接着剤組成物は、当該技術でよく知られている手法によって様々な基材へ適用される。例えば、粘度が十分に低いか又は溶媒で調節される場合には、これらの系を基材へ塗布して接着剤かあるいはコーティング組成物として使用することができる。
【0063】
本発明の組成物がホットメルト感圧接着剤である場合には、これらの配合物は、有機のホットメルト配合物を小出し供給(dispensing)するために現在使用されている手法(例えばホットメルトガン、吹きつけ、押出し、あるいは加熱したドローダウンバー、ドクターブレード又はカレンダーロールによる塗布)により、種々の基材へ適用される。これらの方法における共通の要素(ファクター)は、適用前に流動を誘発するのに十分な温度に組成物を加熱することである。周囲条件まで冷却すると、本発明の組成物は、構成要素又は基材を互いに結合させるのに使用することができる粘着性の不スランプ感圧接着剤になる。あるいはまた、接着剤がまだ温かいうちに結合を行ってもよいが、もちろんこの接着剤はこれらの条件下ではたくさんの応力を支持しない。
【0064】
本発明の感圧接着剤を用いて所望の構成要素を結合させてから、この組み合わせを周囲空気に暴露して感圧接着剤を硬化させ、本質的に不粘着性のエラストマーにする。「本質的に不粘着性」というのは、表面が測定できるほどの粘着性(タック)を示さず、手触りが乾いた又はほとんど乾いた感じがすることを表す。この硬化プロセスを完了するために要する時間は、触媒の種類、触媒の量、温度及び湿度に応じて、1日から1カ月より長い期間までの範囲である。この硬化の結果として、本発明の組成物の接着強さは非常に増大する。
【0065】
本発明の組成物は、シリコーン感圧接着剤及び/又は有機ホットメルト接着剤により現在かなえられている同じ用途の多くにおいて、特に自動車、電子、建設、宇宙及び医療のような産業において、有用である。これらの用途分野において、本発明の感圧接着剤は熱や湿分のような不利な環境に耐える結合をもたらす。
【0066】
【実施例】
以下に掲げる例は、当業者がここに教示された発明をよりよく理解し且つ認識できるように提供されるものである。相反する指示がない限り、これらの例における全ての部数と百分率は重量を基にしており、また全ての測定値は25℃で得られた。
これらの例では下記の成分を使用した。
【0067】
樹脂1は、Mn がおよそ5,000であり,およそ1:1のモル比のトリメチルシロキサン単位とSiO4/2 単位から本質的になる固形MQ樹脂の62%キシレン溶液であって、この樹脂はFTIRを基にして溶液中での残留ケイ素結合ヒドロキシル含有量を0.58重量%とするようトリメチルシロキシ基でキャップされた。
【0068】
樹脂2は、Mn がおよそ2,600であり、およそ1:1のモル比の(CH3 3 SiO1/2 単位とSiO4/2 単位から本質的になり、そしてFTIRを基にして溶液中でのヒドロキシル含有量がおよそ2.6重量%である、シロキサン樹脂コポリマーの70%キシレン溶液である。
【0069】
樹脂3は、0.63:1のモル比のトリメチルシロキサン単位とSiO4/2 単位から本質的になる固形MQ樹脂の62.5%キシレン溶液であって、この樹脂は滴定を基にして溶液中での残留ケイ素結合ヒドロキシル含有量を0.21重量%とするようトリメチルシロキシ基でキャップされた。
【0070】
樹脂4は、0.8:1のモル比のトリメチルシロキサン単位とSiO4/2 単位から本質的になり、FTIRにより測定して溶液中でのケイ素結合ヒドロキシル含有量が2.6重量%である、固形MQ樹脂の74%キシレン溶液である。
【0071】
流体Aは、粘度がおよそ450mm2 /sであって、式−CH2 CH2 Si(Me)2 OSi(Me)2 CH2 CH2 Si(OMe)3 の単位を末端に持つポリジメチルシロキサン流体である。
【0072】
流体Bは、重合度が880、そして粘度が55,000mm2 /sの、末端をヒドロキシ基でブロックされたポリジメチルシロキサン流体である。
【0073】
流体Cは、粘度がおよそ2,000mm2 /sであり、式−CH2 CH2 Si(Me)2 OSi(Me)2 CH2 CH2 Si(OMe)3 の単位を末端に持つポリジメチルシロキサン流体である。
【0074】
流体Dは、可塑度が1.5mm(60ミル)であり、ビニル含有量が1.1%であるジメチルメチルビニルシロキサン流体である。
【0075】
流体Eは、粘度がおよそ65,000mm2 /sであり、式−CH2 CH2 Si(Me)2 OSi(Me)2 CH2 CH2 Si(OMe)3 の単位を末端に持つポリジメチルシロキサン流体である。
【0076】
HMDZは、メキサメチルジシラザンである。
TBTは、テトラn−ブチルチタネートである。
TDIDEは、2,5−ジ−イソプロポキシ−ビス(エチルアセテート)チタンである。
DBTDLは、ジブチルスズジラウレートである。
TFAAは、トリフルオロ酢酸である。
接着促進剤は、グリシドキシプロピルトリメトキシシランとアミノプロピルトリメトキシシランの反応生成物である。
【0077】
上記の樹脂のトリメチルシロキシ/SiO4/2 比は、29Si NMRで測定した。この場合に、報告される結果には樹脂中の存在するネオペンタマー成分が含まれる。
【0078】
感圧接着剤組成物の接着強さを、プラスチック箱の構造体を利用して周囲条件下での硬化時間の関数として測定した。この箱の構造体は、四つの一体に成形された側壁と、取り外しのできる、形状固定用の底プレートから構成されていた。この箱は、幅が3.5cmで長さが6cmの一般に長方形の断面を持ち、そして壁の高さが1.5cmで壁の厚さは5mmであった。各側壁には、底プレートを受け入れるための幅3mmのくぼんだ段がその底の内側の端部に沿ってあって、底プレートの外面がこの段に位置するとそれらの端部と同じ高さになるようにされていた。
【0079】
典型的な接着強さの評価においては、プレートを外して、上記の幅3mmの段に沿って加熱された金属カートリッジ(およそ150℃)から溶融した感圧接着剤の薄いビードを押し出した。底プレートをその箇所へ押し込んで段の接着剤と接触させ、それにより上部の開放した箱にした。更に、この箱の相対する壁の二つには、特別なジグに押し込めるとともに、適用された力を測定するために改造されているアーバープレス装置のラムで底プレートを押すのを可能にする外部突起があった。壁部分から底プレートを押し出すのに必要な力を記録し、そして試験を、接着強さと硬化によるその向上を評価するため周囲条件でいろいろな貯蔵時間で同じ箱の構造体について繰り返した。
【0080】
〔例1〕
およそ5.95gの1,1,2,4−テトラメチル−1−シラ−2−アザシクロペンタンを245.9gの樹脂1と一緒にし、続いて4.78gのグリシドキシプロピルトリメトキシシランを加えてアミン−アルコキシ樹脂(樹脂AA)を作った。
【0081】
101.5gの樹脂AAと40gの流体Aを一緒にして、よくブレンドした。ポット温度を130℃の最高温度まで上昇させながら真空引きして、混合物の揮発分を除去した。この系を、揮発性成分が装置の上部から出てくる目に見えるしるしがもはや観測されなくなるまで、130℃のポット温度及び1.3kPa未満(<10mmHg)の最高真空で10分間維持した。次に、1gのTBTをこの溶融した材料に加えて、生成物を上記のように箱の構造体へ適用するために回収した。
【0082】
〔例2〕
およそ5.8gの1,1,2,4−テトラメチル−1−シラ−2−アザシクロペンタンを250.0gの樹脂1と一緒にし、続いて9.3gのグリシドキシプロピルトリメトキシシランを加えた。この混合物を60℃に加熱して、その温度で4時間維持した。この樹脂生成物を室温まで冷却して、アミン−アルコキシ樹脂(樹脂BB)を作った。
【0083】
103.3gの樹脂BBと40gの流体Aを一緒にして、よくブレンドした。例1におけるように混合物の揮発分を除去した。次に、溶融した材料に1gのTBTを加えて、生成物を上記のように箱の構造体へ適用するために回収した。
【0084】
〔例3〕
例2で製造した樹脂BBの103.3gと40gの流体Aを一緒にして、よくブレンドした。例1におけるように混合物の揮発分を除去した。生成物を上記のように箱の構造体へ適用するために回収した。
【0085】
〔例4〕
23.3gの1,1,2,4−テトラメチル−1−シラ−2−アザシクロペンタンを1000.0gの樹脂1と一緒にした。この混合物を60℃で1時間加熱した。次に、37.2gのグリシドキシプロピルトリメトキシシランと100gのイソプロパノールを樹脂に加えた。この混合物を60℃に加熱して、その温度で4時間維持した。樹脂生成物を室温まで冷却して、アミン−アルコキシ樹脂(樹脂CC)を作った。
【0086】
80gの流体Bと6.05gのメチルトリ(エチルメチルケトキシム)シランを一緒にして、60℃で30分間よくブレンドした。この混合物に214.4gの樹脂CCを加えて、60℃で30分間ブレンドした。この混合物の揮発分を例1におけるように除去した。2.0gのTBTをこの溶融した材料に加えて、生成物を上記のように箱の構造体へ適用するために回収した。
【0087】
〔例5〕
例4で製造した樹脂CCの107.2gと40gの流体Cを一緒にして、60℃で30分間ブレンドした。例1におけるように混合物の揮発分を除去した。1gのTBTを溶融した材料に加えて、生成物を上記のように箱の構造体へ適用するために回収した。
【0088】
〔例6〕
例4で製造した樹脂CCの107.2gと3.8gのメチルビニルビス(n−メチルアセトアミド)シランを一緒にして、60℃で30分間ブレンドした。この樹脂混合物に40gの流体Aを加えて、15分間ブレンドした。この混合物の揮発分を例1におけるように除去した。この溶融した材料に1gのTBTを加えて、生成物を上記のように箱の構造体へ適用するために回収した。
【0089】
〔例7〕
例4で製造した樹脂CCの107.2gと40gの流体Aを一緒にして、60℃で30分間ブレンドした。例1におけるように混合物の揮発分を除去した。1gのTBTを溶融した材料に加えて、生成物を上記のように箱の構造体へ適用するために回収した。
【0090】
〔例8〕
24.6gの1,1,2,4−テトラメチル−1−シラ−2−アザシクロペンタンを487gの樹脂1と一緒にした。この混合物を60℃で30分間加熱した。およそ100gのヘプタンを加え、続いて1時間還流させて水を除去した。このアミン官能性樹脂の102.4g分に、グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(表1に示した量)と10.0gのイソプロパノールを加えた。この混合物を60℃に加熱して、その温度で4時間維持した。樹脂生成物を室温まで冷却して、アミン−アルコキシ樹脂(樹脂DD〜GG)を作った。
【0091】
40gの流体Aを各樹脂DD〜GGに加えて、混合物を均一になるまでおよそ15分間ブレンドした。混合物の揮発分を例1におけるように除去した。1.0gのTBTをこの溶融した材料に加えて、生成物を上記のように箱の構造体へ適用するために回収した。
【0092】
【表1】
Figure 0003839516
【0093】
〔比較例1〕
24.6gの1,1,2,4−テトラメチル−1−シラ−2−アザシクロペンタンを487gの樹脂1と一緒にした。この混合物を60℃で30分間加熱した。100gのヘプタンを加え、続いて1時間還流させて水を除去した。この樹脂の53.1gの試料に5.2gのイソプロパノールを加え、この混合物を60℃に加熱してその温度で4時間保持した。樹脂生成物を室温まで冷却して、アミン官能性樹脂(樹脂A’)を作った。
【0094】
20.7gの流体Aを樹脂A’に加えて、混合物を均一になるまで15分間ブレンドした。混合物の揮発分を例1におけるように除去した。0.5gのTBTをこの溶融した材料に加えて、生成物を上記のように箱の構造体へ適用するために回収した。
【0095】
〔例9〕
例1〜8と比較例1で製造した接着剤組成物をアルミニウムカートリッジ内で貯蔵して、上記のようにプラスチック(PBT)の箱の内側リムへ適用した。この張り合わせ構造体(laminate)を室温で、その最高の強さに至るまで、湿分硬化機構により硬化させた。接着結合の強さを室温での硬化時間の関数として監視した。室温で少なくとも1カ月の硬化後に、張り合わせたPBT試料をオーブンで目標の高温(130℃又は150℃)まで加熱した。オーブンから取り出したなら即座に、試料を接着強さについて試験した。室温及び高温での接着強さ(N)についての結果を表2に示す。
【0096】
【表2】
Figure 0003839516
【0097】
〔例10〕
2 スイープ下において、およそ4.5gの1,1,2,4−テトラメチル−1−シラ−2−アザシクロペンタンを400gの樹脂2に一滴ずつ加えた。添加後に10分間この混合物をブレンドさせた。次に、この反応フラスコに46.6gのHMDZを加えてブレンドさせ、均一な溶液を作った。次いで、系を通してのN2 スイープを一時的に停止させ、続いてこの反応器へ0.8gのTFAAを加えた。次に、系を加熱して100℃で1時間保持した。その後、系を冷却し、続いて160gのイソプロパノールと7.1gのグリシドキシプロピルトリメトキシシランを加えた。この系を60℃で4時間反応させた。最後に、混合物をストリッピングして159gの揮発分を除去した。残りの樹脂生成物を後に使用するために回収した(樹脂HH)。
【0098】
樹脂HHと表3に示した流体を組み合わせて、感圧接着剤組成物(10−1、10−2及び10−3)を製造した。この混合物を触媒するために過酸化ベンゾイルの10%溶液を使用した。各配合物の一部分を0.051mm(2ミル)のマイラー(Mylar、商標)基材上へ0.076mm(3ミル)の未乾燥フィルム厚さで流延し、続いて70℃で1分間そして178℃で4分間硬化させた。次に、その結果得られたマイラー(商標)を支持材とする接着剤フィルムをカイル(Keil、商標)試験機により180°剥離接着力について、ステンレス鋼のプローブを使ってプローブタックについて、そして最後にステンレス鋼パネルから剥がしたときの破壊様式について評価した。配合と試験結果とを表3で報告する。
【0099】
【表3】
Figure 0003839516
【0100】
〔例11〕
221.9gの樹脂3を1,1,2,4−テトラメチル−1−シラ−2−アザシクロペンタンの8.9%キシレン溶液48.02gと一緒にした。この混合物を60℃に加熱し、この温度に30分間保持してから、4.6gのグリシドキシプロピルトリメトキシシランと26.3gの無水エタノール(200プルーフ)を加えた。次に、この混合物を80℃に加熱して4時間反応させた。この工程を完了後に、反応器内容物におよそ92.3gの流体Eを加え、それに完全に分散させた。次いで、この混合物の揮発分を真空と加熱を利用して除去した。最高の温度及び真空条件(145℃及び11.4kPa(86mmHg))に達したなら、系をこれらの条件下で更に30分間維持した。次いで、N2 を使って系を大気圧に戻した。
【0101】
なお溶融していて流動性である間に、TBTの67%接着促進剤溶液3.5gを加え、混合物に分散させた。次いで、溶融した生成物を回収して室温まで冷却させた。
【0102】
先の例において説明したように接着剤を適用して評価した。各結合した部分を剥離させるのに要する力を時間の関数として調べた。これらの力は次に掲げられたとおりである。
【0103】
Figure 0003839516
【0104】
〔例12〕
251.2gの樹脂3を1,1,2,4−テトラメチル−1−シラ−2−アザシクロペンタンの11.3%キシレン溶液56.0gと一緒にした。この混合物を60℃に加熱し、この温度に30分間保持してから、6.8gのグリシドキシプロピルトリメトキシシランと29.8gの無水エタノール(200プルーフ)を加えた。次に、この混合物を80℃に加熱して5.5時間反応させた。この工程の完了後に、反応器内容物におよそ92.3gの流体Eを加え、それに完全に分散させた。次いで、この混合物の揮発分を真空と加熱を利用して除去した。最高の温度及び真空条件(148℃及び13.0kPa(98mmHg))に達したなら、系をこれらの条件下で更に30分間維持した。次いで、N2 を使って系を大気圧に戻した。
【0105】
なお溶融していて流動性である間に、TBTの67%接着促進剤溶液3.8gを加え、混合物に分散させた。次いで、溶融した生成物を回収して室温まで冷却させた。
【0106】
先の例において説明したように接着剤を適用して評価した。各結合した部分を剥離させるのに要する力を時間の関数として調べた。これらの力は次に掲げられたとおりである。
【0107】
Figure 0003839516
【0108】
〔例13〕
11.1gの1,1,2,4−テトラメチル−1−シラ−2−アザシクロペンタンと393gのヘキサンを1000gの樹脂4と一緒にした。この混合物を完全にブレンドし、還流温度まで加熱して凝縮水を除去した。次に、この樹脂溶液を周囲温度まで冷却して回収した。この樹脂溶液のおよそ689.4gに、102.2gのメチルトリメトキシシランと4.9gのTBTを加えた。この混合物を71℃に加熱してこの温度で1時間保持し、続いて8.71gのグリシドキシプロピルトリメトキシシランと69gのイソプロパノールを加えた。この系を65〜70℃で4時間維持し、その時点で系への加熱を停止し、系を冷却して生成物を回収した(樹脂II)。
【0109】
樹脂IIの327gを96gの流体Eと一緒にし、続いて0.03gのUvitex(商標) OB(米国ニューヨーク州HawthorneのCiba Geigy社)とカーボンブラックの20%流体E分散液5gを加えた。次に、この混合物を加熱して60℃で30分間ブレンドし、次いで熱(最高140℃まで)と真空(8.8kPa(66mmHg))を利用して揮発分を除去した。それから、圧力を大気圧まで戻し、溶融した生成物へ1部の接着促進剤と2部のTBTのプレミックス3.75gを分散させた。
【0110】
得られた溶融生成物を、まだ溶融して流動可能である間にアルミニウムカートリッジ内へ回収し、そして後日小出し供給するために乾燥した冷所に保管した。先の例で説明したように接着剤を適用して評価した。各結合した部分を剥離するのに要する力を時間の関数として調べた。これらの値は次のとおり報告される。
【0111】
Figure 0003839516
【0112】
〔例14〕
1000gの樹脂3を29.24gの1,1,2,4−テトラメチル−1−シラ−2−アザシクロペンタンと一緒にした。この混合物を60℃に加熱して、その温度で45分間保持してから、31.3gのグリシドキシプロピルトリメトキシシランと200.3gのイソプロパノールを加えた。次に、この混合物を80℃に加熱して6.5時間反応させた。(樹脂JJ)
【0113】
70.8gの流体E、カーボンブラックの20%流体E分散液4g、及び0.02gのUvitex(商標) OBを、254gの樹脂JJ溶液と一緒にした。次に、真空と加熱を使用してこの混合物から揮発分を除去した。最高の温度及び真空条件(145℃及び2.4kPa(18mmHg))に達したなら、系をこれらの条件下で更に30分間保持した。次いで、N2 を使って系を大気圧に戻した。
【0114】
まだ溶融して流動性である間に、この混合物に1部の接着促進剤と2部のTBTのプレミックスを3.0g加えて分散させた。次いで、溶融生成物を回収し、室温まで冷却させた。
【0115】
この接着剤を先の例で説明したように適用して評価した。各結合した部分を剥離するのに要する力を時間の関数として調べた。これらの値は次に掲げるとおりである。
【0116】
Figure 0003839516
【0117】
〔例15〕
150gの樹脂1を、7.6gの1,1,2,4−テトラメチル−1−シラ−2−アザシクロペンタン及び0.08gのDBTDLを一緒にし、そして60℃で30分間反応させた。次に、12.3gのグリシドキシプロピルトリメトキシシランと50gのイソプロパノールを加えて、この系を60℃で更に4時間反応させた。この系に54.2gの流体Eを完全にブレンドし、続いて先の例において説明した手順を使用して生成物混合物から揮発分を除去した。溶融している生成物に1部の接着促進剤と2部のTBTのプレミックスを2g分散させ、続いて回収しそして後日に評価した。
【0118】
得られた溶融生成物は、まだ溶融して流動可能である間にアルミニウムカートリッジ内へ回収し、そして後日小出し供給するために乾燥した冷所に保管した。先の例で説明したように接着剤を適用して評価した。各結合した部分を剥離するのに要する力を時間の関数として調べた。これらの値は次のとおり報告される。
【0119】
Figure 0003839516
【0120】
〔例16〕
63.2gのメチルトリメトキシシラン、98gのヘプタン、4.6gの1,1,2,4−テトラメチル−1−シラ−2−アザシクロペンタン、及び2.03gのTBTを、200.1gの樹脂4が入っている反応フラスコに加えた。この混合物を80℃に加熱して、80℃で1時間反応させた。Dean Starkトラップで集められた20.07gの揮発分を系から除去した。混合物に4.7gのグリシドキシプロピルトリメトキシシランと21.6gのイソプロパノールを加え、そして80℃で5.5時間反応させた。次に、得られた樹脂溶液を室温まで冷却して回収した。(樹脂KK)
【0121】
翌日、樹脂KKに99.6gの流体Eを完全に分散させた。次いで、先に説明した手順に従ってこの混合物の揮発分を除去した。揮発分を除去したなら、1部の接着促進剤と2部のTBTのプレミックス3.8gを溶融している生成物に分散させた。
【0122】
得られた溶融生成物を、まだ溶融して流動可能である間にアルミニウムカートリッジ内へ回収し、そして後日小出し供給するために乾燥した冷所に保管した。先の例で説明したように接着剤を適用して評価した。各結合した部分を剥離するのに要する力を時間の関数として調べた。これらの値は次のとおり報告される。
【0123】
Figure 0003839516
【0124】
〔例17〕
200gの樹脂3を6.4gの3−アミノプロピルトリメトキシシランと一緒にして、80℃に加熱し、そして1時間反応させた。次に、この反応混合物に5.4gのグリシドキシプロピルトリメトキシシランと23.9gのイソプロパノールを加えて、80℃で4.5時間更に反応させた。
【0125】
次に、72.3gの流体Dを上記の樹脂溶液と完全にブレンドし、揮発分を除去し、そして1部の接着促進剤と2部のTBTのプレミックス3.0gと混合して、先に例において説明した典型的手順によりアルミニウムカートリッジに回収した。
【0126】
回収した接着剤を、やはり先に説明した方法を使って短期の接着強さについて同じように評価した。試験結果を下記に示す。
【0127】
Figure 0003839516

Claims (4)

  1. (A)SiO4/2 シロキサン単位に結合したR3 SiO1/2 シロキサン単位(この式のRは炭化水素基又はハロゲン化炭化水素基から選ばれる)を含み、且つ、式−SiY2 ZNY’ZSiR1 x Y”3-x (この式のR1 は一価の炭化水素基であり、各Zは二価の結合基であり、各Yは一価の有機基、エノールオキシ基、アルコキシ基及びオキシモ基からなる群より独立に選ばれ、Y’は一価の有機基、水素原子及び−ZSiR1 x Y”3-x からなる群から選ばれ、Y”はエノールオキシ基、アルコキシ基及びオキシモ基からなる群より選ばれ、xは0又は1の値を有する)の硬化性基を含んでいるオルガノポリシロキサン樹脂、
    (B)各末端基が、炭素原子数1〜4のアルコキシ基、ケトキシム基、エノールオキシ基、アミノオキシ基、アセトアミド基、N−メチルアセトアミド基及びアセトキシ基からなる群より選ばれた少なくとも一つのケイ素結合加水分解性官能基を含有していて、25℃での粘度が20〜100,000mm2 /sであるジオルガノポリシロキサンポリマー、
    を含み、上記樹脂の上記ポリマーに対する重量比が5:95から90:10までの範囲内にある、湿分硬化性シリコーン組成物。
  2. (A)SiO4/2 シロキサン単位に結合したR3 SiO1/2 シロキサン単位(この式のRは炭化水素基又はハロゲン化炭化水素基から選ばれる)を含み、且つ、式−SiY2 ZNY’ZSiR1 x Y”3-x (この式のR1 は一価の炭化水素基であり、各Zは二価の結合基であり、各Yは一価の有機基、エノールオキシ基、アルコキシ基及びオキシモ基からなる群より独立に選ばれ、Y’は一価の有機基、水素原子及び−ZSiR1 x Y”3-x からなる群から選ばれ、Y”はエノールオキシ基、アルコキシ基及びオキシモ基からなる群より選ばれ、xは0又は1の値を有する)の硬化性基を含んでいるオルガノポリシロキサン樹脂、
    (B)各末端基が、炭素原子数1〜4のアルコキシ基、ケトキシム基、エノールオキシ基、アミノオキシ基、アセトアミド基、N−メチルアセトアミド基及びアセトキシ基からなる群より選ばれた少なくとも一つのケイ素結合加水分解性官能基を含有していて、25℃での粘度が20〜<100,000mm2 /sであるジオルガノポリシロキサンポリマー、
    を含む組成物であって、上記樹脂の上記ポリマーに対する重量比が55:45から70:30までの範囲内にあり、当該組成物が湿分への暴露により硬化してエラストマーになる室温で本質的に溶媒を含まない不スランプ固形物である、湿分硬化性のシリコーンホットメルト感圧接着剤組成物。
  3. SiO4/2 シロキサン単位に結合したR3 SiO1/2 シロキサン単位(この式のRは炭化水素基又はハロゲン化炭化水素基から選ばれる)を含み、且つ、式−SiY2 ZNY’ZSiR1 x Y”3-x (この式のR1 は一価の炭化水素基であり、各Zは二価の結合基であり、各Yは一価の有機基、エノールオキシ基、アルコキシ基及びオキシモ基からなる群より独立に選ばれ、Y’は一価の有機基、水素原子及び−ZSiR1 x Y”3-x からなる群から選ばれ、Y”はエノールオキシ基、アルコキシ基及びオキシモ基からなる群より選ばれ、xは0又は1の値を有する)の硬化性基を含んでいるオルガノポリシロキサン樹脂。
  4. (I)R3SiO1/2シロキサン単位、SiO4/2シロキサン単位及びO3/2SiOSiY2ZNHY”’シロキサン単位(これらの式のRは炭化水素基及びハロゲン化炭化水素基からなる群より選ばれ、各Zは二価の結合基であり、各Yは一価の有機基、エノールオキシ基、アルコキシ基及びオキシモ基からなる群より独立に選ばれ、Y”’は一価の有機基及び水素原子からなる群より選ばれ)を含み、R3SiO1/2シロキサン単位のSiO4/2に対するモル比が0.5/1から1.2/1までの値であるアミン官能性樹脂を、(ii)式Z’SiR1 xY”3-x(この式のZ’は少なくとも一つのオキシラン基を有する、炭素、水素及び酸素から構成された有機基であり、R1 は一価の炭化水素基であり、Y”はエノールオキシ基、アルコキシ基及びオキシモ基からなる群より選ばれ、xは0又は1の値を有する)を有するエポキシ化合物と反応させる工程、
    (II)(I)の反応生成物を、各末端基が炭素原子数1〜4のアルコキシ基、ケトキシム基、エノールオキシ基、アミノオキシ基、アセトアミド基、N−メチルアセトアミド基及びアセトキシ基からなる群より選ばれた少なくとも一つのケイ素結合加水分解性官能基を含有しているジオルガノポリシロキサンポリマーと一緒にする工程、
    を含み、(I)の反応生成物の上記ジオルガノポリシロキサンポリマーに対する重量比が5:95から90:10までの範囲内にある、湿分で硬化する感圧接着剤組成物の製造方法。
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