JP3839382B2 - 車載蓄電装置の制御装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、例えば12ボルトの鉛蓄電池等の車載蓄電装置の制御装置に係るものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、例えば12ボルトの鉛蓄電池等の各種の車載電気機器を駆動するための車載バッテリの端子間電圧を検出し、この端子間電圧の低下量と、この電圧低下状態の継続時間との積の累積値に基づいてバッテリ放電量を算出し、算出したバッテリ放電量が所定放電量を超えた場合に、内燃機関により駆動されて車載バッテリを充電する発電機の発電動作を停止あるいは発電量を低下させる制御の実行を解除する車両用発電制御装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開平7−212986号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述したような従来技術の一例に係る車両用発電制御装置において、バッテリ放電量は、端子間電圧の低下量と電圧低下状態の継続時間との積の累積値に基づき算出されることから、車載バッテリの端子間電圧が低下したときに、バッテリ放電量が低下したと判断されることになる。
しかしながら、例えば12ボルトの鉛蓄電池等においては、バッテリ放電量つまり車載バッテリにおける消費電力が低下することに伴い、例えば発電機による発電動作が停止され、車載バッテリに対する充電が停止された時点以降においても、直ちに端子間電圧が低下すること無しに、適宜の時間が経過した後に端子間電圧が低下傾向に変化する場合がある。
【0005】
この場合、検出される車載バッテリの端子間電圧の時間変化と、実際の車載バッテリの放電状態の時間変化との間には適宜の時間差が生じるため、放電状態の時間変化を精度良く推定することができなくなるという問題が生じる。そして、このように車載バッテリの放電状態の時間変化に対する推定精度が低下すると、車載バッテリを充電する発電機の発電動作を適切に制御することが困難となって、例えば過剰な頻度で車載バッテリが過放電状態となることで、車載バッテリの寿命が短命化してしまったり、内燃機関の出力によって過剰に発電動作が実行されることで、車両の燃費を向上させることができなくなるという問題が生じる。本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、車載蓄電装置に劣化が生じることを抑制して、適切な充電を行うことが可能な蓄電装置の制御装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決して係る目的を達成するために、請求項1に記載の本発明の車載蓄電装置の制御装置は、車両(例えば、実施の形態での車両1)の駆動源としての内燃機関(例えば、実施の形態での内燃機関11)と、モータ(例えば、実施の形態での交流発電機14)と、蓄電装置(例えば、実施の形態でのバッテリ13)と、車両の消費電力を検出する消費電力検出手段(例えば、実施の形態での電流センサ15)と、前記消費電力検出手段により検出される前記消費電力に応じて、前記内燃機関の出力または車両の運動エネルギーの一部を前記モータにより電気エネルギーに変換し、該電気エネルギーを前記蓄電装置に蓄電させる充電モードの実行および停止を制御する充電制御手段(例えば、実施の形態でのステップS01およびステップS05およびステップS09)と、前記蓄電装置の端子間電圧(例えば、実施の形態での端子間電圧VB)を検出する端子間電圧検出手段(例えば、実施の形態での電圧センサ16)と、前記充電制御手段により前記充電モードの実行から停止へと切り替えられた時点以降において、前記端子間電圧検出手段により検出される前記端子間電圧が所定電圧(例えば、実施の形態でのモード切替判定閾電圧#VB14V)以上となる継続時間(例えば、実施の形態での時刻t1〜時刻t2)を検出する電圧継続時間検出手段(例えば、実施の形態でのステップS10)と、前記継続時間検出手段により検出される前記継続時間に応じて、前記充電モードの停止を継続させる停止継続時間(例えば、実施の形態での継続時間減算タイマTACG2のタイマ値)を設定する停止継続時間設定手段(例えば、実施の形態でのステップS11)と、前記充電モードの停止の継続時間(例えば、実施の形態での時刻t2〜時刻t3)が、前記停止継続時間設定手段により設定される前記停止継続時間に到達した時点(例えば、実施の形態での時刻t3)で、前記消費電力検出手段により検出される前記消費電力に関わらず、前記充電モードの停止から実行へと切り替える充電モード実行手段(例えば、実施の形態でのステップS08)とを備えることを特徴としている。
【0007】
上記構成の車載蓄電装置の制御装置によれば、例えば消費電力検出手段により検出される車両の消費電力が所定消費電力よりも小さくなることで、例えば12ボルトの鉛蓄電池等の蓄電装置に対する充電つまり充電モードの実行が停止されたときに、端子間電圧検出手段により検出される蓄電装置の端子間電圧が所定電圧以上となる状態においては、例えば、蓄電装置の放電状態つまり蓄電装置の残容量が所定の残容量以上であると判断して、停止継続時間設定手段は、電圧継続時間検出手段により検出される継続時間が長くなるほど、充電モードの停止を継続させる停止継続時間を長くするように設定する。
これにより、蓄電装置の放電状態に応じて、この蓄電装置を充電するモータの発電動作の実行または停止を適切に制御することができ、例えば過剰な頻度で蓄電装置が過放電状態となり、蓄電装置の寿命が短命化してしまったり、内燃機関の出力によって過剰に発電動作が実行されることで、車両の燃費が低下してしまうことを防止することができる。
上記構成の車載蓄電装置の制御装置によれば、例えば消費電力検出手段により検出される車両の消費電力が所定消費電力以上となることで、充電制御手段による充電モードが実行されることに加えて、充電モード実行手段は、消費電力検出手段により検出される消費電力に関わらず、例えば消費電力が所定消費電力よりも小さい状態であっても、充電モードの停止の継続時間が停止継続時間に到達した時点で充電モードを実行させる。
これにより、例えば消費電力が相対的に小さい状態で長時間に亘って充電モードが停止状態とされることで残容量が低下した場合であっても、適切に充電モードを実行させることができる。
【0008】
さらに、請求項2に記載の本発明の車載蓄電装置の制御装置は、車両(例えば、実施の形態でのハイブリッド車両2)の駆動源としての内燃機関(例えば、実施の形態での内燃機関11)およびモータ(例えば、実施の形態でのモータ21)と、前記内燃機関の出力または車両の運動エネルギーの一部が前記モータにより変換されてなる電気エネルギーを蓄電する主蓄電装置(例えば、実施の形態でのメインバッテリ25)と、前記主蓄電装置に接続された補助蓄電装置(例えば、実施の形態での補助バッテリ22)と、車両の消費電力を検出する消費電力検出手段(例えば、実施の形態での電流センサ15)と、前記消費電力検出手段により検出される前記消費電力に応じて、前記モータにより変換されてなる前記電気エネルギーまたは前記蓄電装置から供給される電気エネルギーを前記補助蓄電装置に蓄電させる充電モードの実行および停止を制御する充電制御手段(例えば、実施の形態でのステップS01およびステップS05およびステップS09)と、前記補助蓄電装置の端子間電圧(例えば、実施の形態での端子間電圧VB)を検出する端子間電圧検出手段(例えば、実施の形態での電圧センサ16)と、前記充電制御手段により前記充電モードの実行から停止へと切り替えられた時点以降において、前記端子間電圧検出手段により検出される前記端子間電圧が所定電圧(例えば、実施の形態でのモード切替判定閾電圧#VB14V)以上となる継続時間(例えば、実施の形態での時刻t1〜時刻t2)を検出する電圧継続時間検出手段(例えば、実施の形態でのステップS10)と、前記電圧継続時間検出手段により検出される前記継続時間に応じて、前記充電モードの停止を継続させる停止継続時間(例えば、実施の形態での継続時間減算タイマTACG2のタイマ値)を設定する停止継続時間設定手段(例えば、実施の形態でのステップS11)と、前記充電モードの停止の継続時間(例えば、実施の形態での時刻t2〜時刻t3)が、前記停止継続時間設定手段により設定される前記停止継続時間に到達した時点(例えば、実施の形態での時刻t3)で、前記消費電力検出手段により検出される前記消費電力に関わらず、前記充電モードの停止から実行へと切り替える充電モード実行手段(例えば、実施の形態でのステップS08)とを備えることを特徴としている。
【0009】
上記構成の車載蓄電装置の制御装置によれば、例えば消費電力検出手段により検出される車両の消費電力が所定消費電力よりも小さくなることで、例えば12ボルトの鉛蓄電池等の補助蓄電装置に対する充電つまり充電モードの実行が停止されたときに、端子間電圧検出手段により検出される補助蓄電装置の端子間電圧が所定電圧以上となる状態においては、例えば、補助蓄電装置の放電状態つまり補助蓄電装置の残容量が所定の残容量以上であると判断して、停止継続時間設定手段は、電圧継続時間検出手段により検出される継続時間が長くなるほど、充電モードの停止を継続させる停止継続時間を長くするように設定する。
これにより、補助蓄電装置の放電状態に応じて、この補助蓄電装置を充電する充電モードの実行または停止を適切に制御することができ、例えば過剰な頻度で補助蓄電装置が過放電状態となり、補助蓄電装置の寿命が短命化してしまったり、内燃機関の出力によって過剰にモータの発電動作が実行されることで、車両の燃費が低下してしまうことを防止することができる。
上記構成の車載蓄電装置の制御装置によれば、例えば消費電力検出手段により検出される車両の消費電力が所定消費電力以上となることで、充電制御手段による充電モードが実行されることに加えて、充電モード実行手段は、消費電力検出手段により検出される消費電力に関わらず、例えば消費電力が所定消費電力よりも小さい状態であっても、充電モードの停止の継続時間が停止継続時間に到達した時点で充電モードを実行させる。
これにより、例えば消費電力が相対的に小さい状態で長時間に亘って充電モードが停止状態とされることで残容量が低下した場合であっても、適切に充電モードを実行させることができる。
【0012】
さらに、請求項3に記載の本発明の車載蓄電装置の制御装置では、前記停止継続時間設定手段は、前記電圧継続時間検出手段により検出される前記継続時間が所定下限閾継続時間(例えば、実施の形態での所定の第1カウンタ値C1)よりも小さい場合に前記停止継続時間をゼロに設定し、前記継続時間が所定上限閾継続時間(例えば、実施の形態での所定の第2カウンタ値C2)よりも大きい場合に前記停止継続時間を所定上限継続時間(例えば、実施の形態での所定の上限時間#TMACG2)に設定することを特徴としている。
【0013】
上記構成の車載蓄電装置の制御装置によれば、充電モードの実行が停止された時点以降において、停止継続時間設定手段は、端子間電圧検出手段により検出される端子間電圧が所定電圧以上となる状態の継続時間が所定下限閾継続時間よりも小さい場合には、例えば残容量が所定の残容量よりも小さいと判断して、充電モードの停止継続時間をゼロに設定する。
一方、端子間電圧が所定電圧以上となる状態の継続時間が所定上限閾継続時間よりも大きい場合には、例えば充電モードの停止が過剰に継続されて、過放電状態になることを防止するために、充電モードの停止継続時間を所定上限継続時間に設定する。
【0014】
さらに、請求項4に記載の本発明の車載蓄電装置の制御装置は、前記停止継続時間設定手段により設定される前記停止継続時間を、前記充電制御手段により前記充電モードの実行から停止へと切り替えられた時点以降において前記端子間電圧検出手段により検出される前記端子間電圧が所定電圧以上となる継続時間での前記消費電力検出手段により検出される前記消費電力に応じて補正する停止継続時間補正手段(例えば、実施の形態でのステップS10)を備えることを特徴としている。
【0015】
上記構成の車載蓄電装置の制御装置によれば、停止継続時間補正手段は、例えば消費電力検出手段により検出される車両の消費電力が所定消費電力よりも小さくなることで、充電モードの実行が停止されたときに、例えば、端子間電圧検出手段により検出される蓄電装置の端子間電圧が所定電圧以上となる状態での消費電力が大きいほど、蓄電装置の放電状態つまり蓄電装置の残容量が大きいと判断して、充電モードの停止を継続させる停止継続時間を長くするように補正する。
これにより、より一層、詳細な制御が可能となる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態に係る車載蓄電装置の制御装置について添付図面を参照しながら説明する。
本実施の形態による車載蓄電装置の制御装置10は、例えば図1に示すように、内燃機関11の駆動力を、例えばCVTやマニュアルトランスミッション等の変速機12を介して自車両の駆動輪W,Wに伝達する車両1に搭載され、各種補機類を駆動するための12ボルトの鉛蓄電池等のバッテリ13に対する充電動作を制御するものであって、バッテリ13と、交流発電機14と、電流センサ15と、電圧センサ16と、ECU(電子演算装置)17とを備えて構成されている。
【0017】
内燃機関11のクランク軸11aと交流発電機14の回転軸14aとは、駆動力伝達部18を介して接続されており、交流発電機14は、駆動力伝達部18を介して伝達される内燃機関11の駆動力により発電可能とされている。
ここで、駆動力伝達部18は、例えば、内燃機関11のクランク軸11aと一体に設けられたクランク軸プーリ18aと、このクランク軸プーリ18aと対をなし、交流発電機14の回転軸14aと一体に設けられた駆動軸プーリ18bと、クランク軸プーリ18aおよび駆動軸プーリ18b間に掛け渡されたベルト18cとを備えて構成されている。
すなわち、クランク軸プーリ18aおよび駆動軸プーリ18b間においては、ベルト18cを介して内燃機関11の駆動力が交流発電機14へと伝達される。
【0018】
バッテリ13は交流発電機14に接続されており、交流発電機14はECU17からの制御指令を受けて内燃機関11の駆動力により発電して得た交流電力を直流電力に整流し、バッテリ13を充電する。
ECU17は、後述するように、車両の消費電力、例えば各種ランプや空調装置のコンプレッサ等の車載電気機器からなる負荷18の平均消費電流ELAVEと、バッテリ13の端子間電圧VBとに応じて、バッテリ13に対する充電、つまり交流発電機14の発電動作を制御する。
【0019】
例えば、ECU17は、バッテリ13に対する充電を行う際に、交流発電機14の発電により得られる直流電圧が14.5Vとなるような充電モードを設定し、バッテリ13に対する充電を行わない場合に、交流発電機14の発電により得られる直流電圧が12.5Vとなるような充電停止モードを設定する。
なお、交流発電機14に対しては、例えば、通常状態において充電モードが設定され、ECU17からの制御指令に応じて充電停止モードが設定されるようにされており、交流発電機14に対する制御を実行するか否かを示す制御指令ACGC・DVCがOFFとされることで充電モードが設定され、制御指令ACGC・DVCがONとされることで充電停止モードが設定される。
【0020】
このため、ECU17には、電流センサ15から出力されるバッテリ13から負荷18への電流つまり負荷18の平均消費電流ELAVEの検出信号と、電圧センサ16から出力されるバッテリ13の端子間電圧の検出信号等とが入力されている。
【0021】
本実施形態による車載蓄電装置の制御装置10は上記構成を備えており、次に、この車載蓄電装置の制御装置10の動作、特に、バッテリ13を充電する交流発電機14の動作制御について添付図面を参照しながら説明する。
なお、以下の処理は、例えば所定時間毎(例えば、200ms毎等)に繰り返し実行されるように設定されている。
【0022】
先ず、図2に示すステップS01においては、負荷18の平均消費電流ELAVEが所定電流値#EL1(例えば、所定のヒステリシスを有するハイ側21A、ロー側17A程度の値)以上か否かを判定する。
この判定結果が「YES」の場合には、ステップS02に進む。
一方、この判定結果が「NO」の場合には、後述するステップS06に進む。なお、所定電流値#EL1は、例えば所定のヒステリシスを有する値とされている。
ステップS02においては、充電モードから充電停止モードへの移行に対する遅延時間を設定する移行遅延時間減算タイマTACG1のタイマ値に所定の移行遅延タイマ値#TMACG1(例えば、4.0s程度の値)を設定する。
【0023】
次に、ステップS03においては、充電停止モードの継続時間を設定する継続時間減算タイマTACG2のタイマ値にゼロを設定する。
そして、ステップS04においては、充電モードから充電停止モードへの移行以後において、バッテリ13の端子間電圧VBが所定のモード切替判定閾電圧#VB14V(例えば、所定のヒステリシスを有するハイ側13.0V、ロー側12.8V程度の値)以上となる継続時間を設定する高電圧維持計測カウンタCVB14Vのカウンタ値にゼロを設定する。
そして、ステップS05においては、制御指令ACGC・DVCにOFFを設定して充電モードとし、12ボルト系の負荷18の消費電力が相対的に高いことを示すフラグF_DVのフラグ値に「1」を設定して、一連の処理を終了する。
【0024】
また、ステップS06においては、移行遅延時間減算タイマTACG1のタイマ値がゼロか否かを判定する。
この判定結果が「NO」の場合には、上述したステップS03に進む。
一方、この判定結果が「YES」の場合には、ステップS07に進む。
【0025】
ステップS07においては、端子間電圧VBが、所定のモード切替判定閾電圧#VB14V(例えば、所定のヒステリシスを有するハイ側13.0V、ロー側12.8V程度の値)以上か否かを判定する。
ステップS07での判定結果が「NO」の場合には、ステップS08に進む。一方、ステップS07での判定結果が「YES」の場合には、ステップS10に進む。
【0026】
ステップS08においては、継続時間減算タイマTACG2のタイマ値がゼロか否かを判定する。
この判定結果が「YES」の場合には、上述したステップS04に進む。
一方、この判定結果が「NO」の場合には、ステップS09に進む。
ステップS09においては、制御指令ACGC・DVCにONを設定して充電停止モードとし、12ボルト系の負荷18の消費電力が相対的に低いことを示すフラグF_DVのフラグ値に「0」を設定して、一連の処理を終了する。
【0027】
また、ステップS10においては、高電圧維持計測カウンタCVB14Vのカウンタ値に1を加算して得たカウンタ値を、新たに高電圧維持計測カウンタCVB14Vのカウンタ値に設定する。
そして、ステップS11においては、例えば図3に示すように、所定の第1カウンタ値C1(>0)から所定の第2カウンタ値C2(>C1)の範囲において、高電圧維持計測カウンタCVB14Vのカウンタ値の増大に伴って、例えばゼロから所定の上限時間#TMACG2(例えば、60s程度の値)まで増加傾向に変化するように設定された継続時間減算タイマTACG2のタイマ値のテーブルを、高電圧維持計測カウンタCVB14Vのカウンタ値に基づいてテーブル検索し、継続時間減算タイマTACG2のタイマ値を設定し、上述したステップS09に進む。
【0028】
例えば図4(a)に示すように、例えば電流センサ15から出力される検出信号に基づく平均消費電流ELAVEが所定電流値#EL1よりも小さくなる等によって、車両1の消費電力が所定電力#WC以下となる時刻t1においては、例えば図4(d)に示すように、交流発電機14の動作モードが充電モードから充電停止モードへと切り替えられる。
このとき、例えば図4(b)に示すように、バッテリ13の端子間電圧VBは、例えば充電モードの停止に同期して低下傾向に変化するのではなく、所定のモード切替判定閾電圧#VB14V以上となる状態が適宜の期間に亘って維持される。
ここで、例えば図4(c)に示すように、時刻t1以降において、バッテリ13の端子間電圧VBが所定のモード切替判定閾電圧#VB14V以上となる継続時間に亘って、高電圧維持計測カウンタCVB14Vのカウンタ値が加算されることで、このカウンタ値に応じた継続時間減算タイマTACG2のタイマ値が増加傾向に更新される。
【0029】
そして、例えば図4(b)に示すように、バッテリ13の端子間電圧VBが所定のモード切替判定閾電圧#VB14V以下となる時刻t2において、例えば図4(c)に示すように、高電圧維持計測カウンタCVB14Vのカウンタ値の加算処理が停止され、これに伴い、継続時間減算タイマTACG2のタイマ値の更新処理が停止され、この時点で設定されているタイマ値が継続時間減算タイマTACG2のタイマ値に設定される。
これにより、時刻t2以降において継続時間減算タイマTACG2のタイマ値が減算され、ゼロに到達する時刻t3において、例えば図4(d)に示すように、充電停止モードの継続が停止され、充電停止モードから充電モードへと切り替えられる。そして、この切替処理に伴い、例えば図4(b)に示すように、バッテリ13の端子間電圧VBが所定のモード切替判定閾電圧#VB14V以上となる。
【0030】
本実施の形態による車載蓄電装置の制御装置10によれば、充電モードから充電停止モードへの切替以後における充電停止モードの継続時間は、この切替以後においてバッテリ13の端子間電圧VBが所定のモード切替判定閾電圧#VB14V以上となる継続時間に応じて設定されており、この継続時間はバッテリ13の残容量に応じて変化することから、バッテリ13の残容量に応じて充電停止モードの継続時間を適切に設定することができる。これにより、例えば過剰な頻度でバッテリ13が過放電状態となり、バッテリ13の寿命が短命化してしまったり、内燃機関11の出力によって過剰に発電動作が実行されることで、車両1の燃費が低下してしまうことを防止することができる。
【0031】
しかも、高電圧維持計測カウンタCVB14Vのカウンタ値に対して、継続時間減算タイマTACG2のタイマ値をテーブル等において適宜に設定可能であり、例えば高電圧維持計測カウンタCVB14Vのカウンタ値が所定の第1カウンタ値C1以下の場合に、継続時間減算タイマTACG2のタイマ値をゼロに設定することによって、過剰に短い時間間隔で頻繁に充電モードと充電停止モードとの切替が実行されてしまうことを防止することができる。
一方、例えば高電圧維持計測カウンタCVB14Vのカウンタ値が所定の第2カウンタ値C2以上の場合に、継続時間減算タイマTACG2のタイマ値を所定の上限時間#TMACG2に設定することによって、例えば専用の装置等を設けること無しに、適宜のタイミングで充電停止モードの継続を終了させることができる。
【0032】
なお、上述した本実施の形態においては、ステップS10において、高電圧維持計測カウンタCVB14Vのカウンタ値に1を加算するとしたが、これに限定されず、例えば図5に示す本実施形態の変形例に係るステップS10のように、高電圧維持計測カウンタCVB14Vのカウンタ値に、例えば車両1の消費電力に応じて設定される加算値CVBWCを加算して得たカウンタ値を、新たに高電圧維持計測カウンタCVB14Vのカウンタ値に設定してもよい。
ここで、加算値CVBWCは、例えば図6に示すように、車両1の消費電力WCの増加に伴い、増加傾向に変化するように設定される。
【0033】
例えば、図7(a)に示すように、時刻t1以降において、車両1の消費電力が所定電力#WC以下となり、例えば通常時の消費電力#WC1(図7(a)の破線)よりも大きな消費電力#WC2(図7(a)の実線)となった場合には、例えば図7(b)に示すように、時刻t1以降において、バッテリ13の端子間電圧VBが所定のモード切替判定閾電圧#VB14V以上となる継続時間(時刻t1〜時刻t2)に亘って、高電圧維持計測カウンタCVB14Vのカウンタ値が、通常時の加算値(例えば、1等)よりも大きな加算値CVBWCによって加算される。
これにより、例えば図7(c)に示すように、高電圧維持計測カウンタCVB14Vのカウンタ値に応じた継続時間減算タイマTACG2のタイマ値が、通常時(図7(c)の破線)よりも大きな増大率で増加傾向に更新され(図7(c)の実線)、バッテリ13の端子間電圧VBが所定のモード切替判定閾電圧#VB14V以下となる時刻t2において、継続時間減算タイマTACG2のタイマ値に、通常時におけるタイマ値#TA1よりも大きな値のタイマ値#TA2が設定される。
これにより、時刻t2以降において継続時間減算タイマTACG2のタイマ値が減算され、ゼロに到達する時刻は、通常時の時刻t3よりも遅延した時刻t4となり、この時刻t4において、例えば図7(d)に示すように、充電停止モードの継続が停止され、充電停止モードから充電モードへと切り替えられる。そして、この切替処理に伴い、例えば図7(b)に示すように、バッテリ13の端子間電圧VBが所定のモード切替判定閾電圧#VB14V以上となる。
この場合には、消費電力WCの値に応じて継続時間減算タイマTACG2のタイマ値が変更されることから、より一層、詳細な制御が可能となる。
【0034】
なお、上述した本実施の形態においては、車載蓄電装置の制御装置10は内燃機関11を動力源とする車両1に搭載されるとしたが、これに限定されず、例えば図8に示す本実施形態の変形例に係る車載蓄電装置の制御装置20のように、少なくとも内燃機関11またはモータ21の何れか一方の駆動力を、変速機12を介して自車両の駆動輪W,Wに伝達するハイブリッド車両2に搭載されてもよい。
この場合、本実施形態の変形例に係る車載蓄電装置の制御装置20は、各種補機類を駆動するための12ボルトの鉛蓄電池等の補助バッテリ22に対する充電を制御するものであって、補助バッテリ22と、ダウンバータ23と、電流センサ15と、電圧センサ16と、ECU17とを備えて構成されている。
【0035】
この本実施形態の変形例に係るハイブリッド車両2は、例えば内燃機関11と、モータ21と、変速機12とを直列に直結した構造のパラレルハイブリッド車両をなし、内燃機関11およびモータ21の両方の駆動力は、CVTやマニュアルトランスミッション等の変速機12を介して駆動輪W,Wに伝達される。また、ハイブリッド車両2の減速時に駆動輪W,W側からモータ21側に駆動力が伝達されると、モータ21は発電機として機能していわゆる回生制動力を発生し、車体の運動エネルギーを電気エネルギーとして回収する。
【0036】
モータ21の駆動および回生作動は、ECU17からの制御指令を受けてパワードライブユニット(PDU)24により行われる。パワードライブユニット24にはモータ21と電気エネルギーの授受を行う高圧系のニッケル−水素(Ni−MH)バッテリ等のメインバッテリ25が接続され、メインバッテリ25は、例えば、複数のセルを直列に接続したモジュールを1単位として更に複数個のモジュールを直列に接続したものである。
補助バッテリ22は、メインバッテリ25に対して、DC−DCコンバータ等からなるダウンバータ23を介して接続され、ダウンバータ23は、ECU17からの制御指令を受けてメインバッテリ25の電圧、あるいは、パワードライブユニット24によるモータ21の発電により発生する電圧を降圧して補助バッテリ22を充電する。
【0037】
ここで、ECU17は、車両の消費電力、例えば各種ランプや空調装置のコンプレッサ等の車載電気機器からなる負荷18の平均消費電流ELAVEと、バッテリ13の端子間電圧VBとに応じて、補助バッテリ22に対する充電、つまりダウンバータ23の動作を制御する。
【0038】
例えば、ECU17は、補助バッテリ22に対する充電を行う際に、ダウンバータ23の降圧動作により得られる直流電圧が14.5Vとなるような充電モードを設定し、補助バッテリ22に対する充電を行わない場合に、ダウンバータ23の降圧動作により得られる直流電圧が12.5Vとなるような充電停止モードを設定する。
なお、ダウンバータ23に対しては、例えば、通常状態において充電モードが設定され、ECU17からの制御指令に応じて充電停止モードが設定されるようにされており、ダウンバータ23に対する制御を実行するか否かを示す制御指令ACGC・DVCがOFFとされることで充電モードが設定され、制御指令ACGC・DVCがONとされることで充電停止モードが設定される。
【0039】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1に記載の本発明の車載蓄電装置の制御装置によれば、蓄電装置の放電状態に応じて、この蓄電装置を充電するモータの発電動作の実行または停止を適切に制御することができ、例えば過剰な頻度で蓄電装置が過放電状態となり、蓄電装置の寿命が短命化してしまったり、内燃機関の出力によって過剰に発電動作が実行されることで、車両の燃費が低下してしまうことを防止することができる。
さらに、請求項1に記載の本発明の車載蓄電装置の制御装置によれば、例えば消費電力が相対的に小さい状態で長時間に亘って充電モードが停止状態とされることで残容量が低下した場合であっても、適切にモータの発電動作を実行させることができる。
また、請求項2に記載の本発明の車載蓄電装置の制御装置によれば、補助蓄電装置の放電状態に応じて、この補助蓄電装置を充電するモータの発電動作の実行または停止を適切に制御することができ、例えば過剰な頻度で補助蓄電装置が過放電状態となり、補助蓄電装置の寿命が短命化してしまったり、内燃機関の出力によって過剰に発電動作が実行されることで、車両の燃費が低下してしまうことを防止することができる。
さらに、請求項2に記載の本発明の車載蓄電装置の制御装置によれば、例えば消費電力が相対的に小さい状態で長時間に亘って充電モードが停止状態とされることで残容量が低下した場合であっても、適切にモータの発電動作を実行させることができる。
【0040】
らに、請求項3に記載の本発明の車載蓄電装置の制御装置によれば、充電モードの停止が継続される停止継続時間を、電圧継続時間検出手段により検出される継続時間に応じて適宜に設定することができ、特に、停止継続時間に対して所定継続時間つまり上限値を容易に設定することができ、例えば専用の装置等を設けること無しに、適宜のタイミングで充電モードの停止制御を終了させることができる。
さらに、請求項4に記載の本発明の車載蓄電装置の制御装置によれば、消費電力の値に応じて停止継続時間が補正されることから、より一層、詳細な制御が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態による車載蓄電装置の制御装置を備える車両の構成図である。
【図2】 図1に示す車載蓄電装置の制御装置の動作を示すフローチャート図である。
【図3】 高電圧維持計測カウンタCVB14Vのカウンタ値と継続時間減算タイマTACG2のタイマ値との関係の一例を示すグラフ図である。
【図4】 図4(a)は車両の消費電力の一例を示すグラフ図であり、図4(b)はバッテリの端子間電圧VBの時間変化の一例を示すグラフ図であり、図4(c)は継続時間減算タイマTACG2のタイマ値の時間変化の一例を示すグラフ図であり、図4(d)は交流発電機の動作モードの時間変化の一例を示すグラフ図である。
【図5】 本実施形態の変形例に係る車載蓄電装置の制御装置の動作を示すフローチャート図である。
【図6】 本実施形態の変形例に係る消費電力WCとの関係の一例を示すグラフ図である。
【図7】 図7(a)は本実施形態の変形例に係る車両の消費電力の一例を示すグラフ図であり、図7(b)は本実施形態の変形例に係るバッテリの端子間電圧VBの時間変化の一例を示すグラフ図であり、図7(c)は本実施形態の変形例に係る継続時間減算タイマTACG2のタイマ値の時間変化の一例を示すグラフ図であり、図7(d)は本実施形態の変形例に係る交流発電機の動作モードの時間変化の一例を示すグラフ図である。
【図8】 本実施形態の変形例に係る車載蓄電装置の制御装置を備えるハイブリッド車両の構成図である。
【符号の説明】
1 車両
2 ハイブリッド車両
11 内燃機関
13 バッテリ(蓄電装置)
14 交流発電機(モータ)
15 電流センサ(消費電力検出手段)
16 電圧センサ(端子間電圧検出手段)
21 モータ
22 補助バッテリ(補助蓄電装置)
25 メインバッテリ(主蓄電装置)
ステップS01およびステップS05およびステップS09 充電制御手段
ステップS08 充電モード実行手段
ステップS10 電圧継続時間検出手段、停止継続時間補正手段
ステップS11 停止継続時間設定手段

Claims (4)

  1. 車両の駆動源としての内燃機関と、モータと、蓄電装置と、
    車両の消費電力を検出する消費電力検出手段と、
    前記消費電力検出手段により検出される前記消費電力に応じて、前記内燃機関の出力または車両の運動エネルギーの一部を前記モータにより電気エネルギーに変換し、該電気エネルギーを前記蓄電装置に蓄電させる充電モードの実行および停止を制御する充電制御手段と、
    前記蓄電装置の端子間電圧を検出する端子間電圧検出手段と、
    前記充電制御手段により前記充電モードの実行から停止へと切り替えられた時点以降において、前記端子間電圧検出手段により検出される前記端子間電圧が所定電圧以上となる継続時間を検出する電圧継続時間検出手段と、
    前記電圧継続時間検出手段により検出される前記継続時間に応じて、前記充電モードの停止を継続させる停止継続時間を設定する停止継続時間設定手段と
    前記充電モードの停止の継続時間が、前記停止継続時間設定手段により設定される前記停止継続時間に到達した時点で、前記消費電力検出手段により検出される前記消費電力に関わらず、前記充電モードの停止から実行へと切り替える充電モード実行手段とを備えることを特徴とする車載蓄電装置の制御装置。
  2. 車両の駆動源としての内燃機関およびモータと、前記内燃機関の出力または車両の運動エネルギーの一部が前記モータにより変換されてなる電気エネルギーを蓄電する主蓄電装置と、前記主蓄電装置に接続された補助蓄電装置と、
    車両の消費電力を検出する消費電力検出手段と、
    前記消費電力検出手段により検出される前記消費電力に応じて、前記モータにより変換されてなる前記電気エネルギーまたは前記蓄電装置から供給される電気エネルギーを前記補助蓄電装置に蓄電させる充電モードの実行および停止を制御する充電制御手段と、
    前記補助蓄電装置の端子間電圧を検出する端子間電圧検出手段と、
    前記充電制御手段により前記充電モードの実行から停止へと切り替えられた時点以降において、前記端子間電圧検出手段により検出される前記端子間電圧が所定電圧以上となる継続時間を検出する電圧継続時間検出手段と、
    前記電圧継続時間検出手段により検出される前記継続時間に応じて、前記充電モードの停止を継続させる停止継続時間を設定する停止継続時間設定手段と
    前記充電モードの停止の継続時間が、前記停止継続時間設定手段により設定される前記停止継続時間に到達した時点で、前記消費電力検出手段により検出される前記消費電力に関わらず、前記充電モードの停止から実行へと切り替える充電モード実行手段とを備えることを特徴とする車載蓄電装置の制御装置。
  3. 前記停止継続時間設定手段は、前記電圧継続時間検出手段により検出される前記継続時間が所定下限閾継続時間よりも小さい場合に前記停止継続時間をゼロに設定し、前記継続時間が所定上限閾継続時間よりも大きい場合に前記停止継続時間を所定上限継続時間に設定することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の車載蓄電装置の制御装置。
  4. 前記停止継続時間設定手段により設定される前記停止継続時間を、前記充電制御手段により前記充電モードの実行から停止へと切り替えられた時点以降において前記端子間電圧検出手段により検出される前記端子間電圧が所定電圧以上となる継続時間での前記消費電力検出手段により検出される前記消費電力に応じて補正する停止継続時間補正手段を備えることを特徴とする請求項1から請求項3の何れか一項に記載の車載蓄電装置の制御装置。
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