JP3772765B2 - リフレッシュ充電制御装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、リフレッシュ充電制御装置に係り、特に、バッテリのリフレッシュ充電を行うリフレッシュ充電制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、バッテリが満充電状態にまで至らない中間的な充電状態で使用される事態が継続すると、その内部物質が固形化する。かかる事態が生ずると、バッテリの絶対的な容量が低下し、バッテリの寿命が低下してしまう。そこで、従来より、バッテリの寿命低下を防止する手法として、バッテリを定期的に満充電状態にリフレッシュすることが知られている。バッテリが定期的に満充電状態にされると、内部物質の固形化が抑制される。このため、上記の手法によれば、バッテリの寿命を長期間確保することが可能となる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、バッテリが例えば車両に搭載されているシステムにおいては、車両の使用頻度は使用者に応じて異なるため、バッテリが寿命低下する時期は使用者に応じて異なるものとなる。かかる事態が生ずるにもかかわらず、使用者の使用を考慮することなく、例えば車両が使用される毎に又はある一定周期(例えば1ヶ月)でバッテリがリフレッシュ充電されると、使用者による使い方によってはバッテリが常に満充電に近い状態に維持されることがあり、この場合には車両の回生エネルギをバッテリに回収することができず、燃費効果の向上を図ることができない。
【0004】
本発明は、上述の点に鑑みてなされたものであり、適当な時期にバッテリのリフレッシュ充電を行うことが可能なリフレッシュ充電制御装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記の目的は、請求項1に記載する如く、車両に搭載されたバッテリを動力源を用いてリフレッシュ充電するリフレッシュ充電制御装置であって、
車両が所定車速以上で走行するか否かを判別する高速走行判別手段と、
前記高速走行判別手段により車両が前記所定車速以上で走行すると判別される場合に、バッテリのリフレッシュ充電を行う充電制御手段と、
を備えることを特徴とするリフレッシュ充電制御装置により達成される。
【0010】
本発明において、バッテリのリフレッシュ充電は、車両が所定車速以上で走行する場合に行われる。車両が所定車速以上で走行する場合は、車両の動力源は効率よく作動するため、バッテリが動力源を用いて充電されても、車両燃費が著しく低下することはない。従って、本発明によれば、車両の著しい燃費低下を招くことのない適当な時期にバッテリのリフレッシュ充電を行うことが可能となる。
【0011】
また、車両が所定車速以上で走行する状態が長期間継続する場合は、車両が高速道路等の高速走行可能な道路を走行していると判断できるので、回生制動は行われ難く、発生する回生エネルギ量は比較的少なく、バッテリを充電する機会は少ない。
【0012】
従って、請求項に記載する如く、請求項記載のリフレッシュ充電制御装置において、前記高速走行判別手段により車両が前記所定車速以上で走行すると判別される状態が所定時間継続するか否かを判別する時間判別手段を備え、前記充電制御手段は、前記時間判別手段により前記状態が前記所定時間継続すると判別される場合に、バッテリのリフレッシュ充電を開始することとすれば、バッテリの通常充電が行われ難い状況でリフレッシュ充電が行われるので、リフレッシュ充電時に回収できない無駄なエネルギが生ずるのを防止することができる。
【0013】
尚、バッテリがあまり使用されていないにもかかわらずリフレッシュ充電が繰り返されると、バッテリの劣化が進行し、寿命が低下する。
【0014】
従って、請求項に記載する如く、請求項又は記載のリフレッシュ充電制御装置において、バッテリが前回に満充電状態になった後の該バッテリの積算電気使用量が所定量以上であるか否かを判別する積算電気使用量判別手段を備え、前記充電制御手段は、前記積算電気使用量判別手段により前記積算電気使用量が前記所定量以上であると判別される場合に、バッテリのリフレッシュ充電を開始することとすれば、バッテリの劣化を抑制することができる。
【0015】
また、請求項に記載する如く、請求項乃至の何れか一項記載のリフレッシュ充電制御装置において、バッテリが前回に満充電状態になった後の時間を計数する時間計数手段と、バッテリが前回に満充電状態になった後の該バッテリの積算電気使用量を計数する積算電気使用量計数手段と、を備え、前記充電制御手段は、前記時間計数手段により計数された前記時間と前記積算電気使用量計数手段により計数された前記積算電気使用量とが所定の関係を満たす場合に、バッテリのリフレッシュ充電を開始することとすれば、車両の著しい燃費低下を招くことなくかつバッテリの使用状態に応じた適当な時期にバッテリのリフレッシュ充電を行うことが可能となる。
【0016】
ところで、バッテリのリフレッシュ充電を車両が上記の所定車速以上で走行する場合に行う構成において、車速がその所定車速以下に低下した際に直ちにリフレッシュ充電が中止されるものとすると、その充電時間が確保されず、リフレッシュ充電を完了させることが困難となる。
【0017】
従って、請求項に記載する如く、請求項記載のリフレッシュ充電制御装置において、前記充電制御手段は、バッテリのリフレッシュ充電を開始した後、前記高速走行判別手段により車両が前記所定車速以上で走行すると判別されなくなった場合にも、所定の条件が成立するまで該リフレッシュ充電を継続することとすれば、リフレッシュ充電を完了させ易くすることができる。
【0018】
この場合、請求項に記載する如く、請求項記載のリフレッシュ充電制御装置において、前記所定の条件は、バッテリの放電要求がなされることであることとしてもよい。
【0019】
また、請求項に記載する如く、請求項記載のリフレッシュ充電制御装置において、前記所定の条件は、車両が前記所定車速よりも所定値だけ小さい車速以下で走行することであることとすれば、車両の燃費悪化を必要最小限に抑制しつつ、リフレッシュ充電を完了させ易くすることができる。
【0020】
ところで、バッテリがリフレッシュ充電されている過程においては放電が不可能となるため、電気負荷を作動させるべくバッテリに放電要求がなされているにもかかわらずリフレッシュ充電が継続するものとすると、電気負荷の作動を確保できないこととなる。
【0021】
従って、請求項に記載する如く、請求項1乃至の何れか一項記載のリフレッシュ充電制御装置において、前記充電制御手段は、バッテリのリフレッシュ充電を開始した後、放電要求がなされる場合に該リフレッシュ充電を中断すると共に、放電要求が解除される場合に該リフレッシュ充電を再開することとすれば、リフレッシュ充電が開始された後でもバッテリを適切に放電させることができ、電気負荷の作動を確保することができる。
【0022】
この場合、請求項に記載する如く、請求項記載のリフレッシュ充電制御装置において、バッテリのリフレッシュ充電が開始された後の該リフレッシュ充電が行われる積算時間が所定時間以上であるか否かを判別する充電積算時間判別手段を備え、前記充電制御手段は、バッテリのリフレッシュ充電を開始した後、前記充電積算時間判別手段により前記積算時間が前記所定時間以上であると判別される場合に、該リフレッシュ充電を終了することとしてもよい。
【0023】
ところで、バッテリのリフレッシュ充電が例えば回生制動等による通常の充電と同等の充電電圧を用いて行われるものとすると、バッテリを満充電にするうえでその充電時間が長くなり、リフレッシュ充電の効果を速やかに確保できないこととなる。一方、リフレッシュ充電の実行頻度は通常充電のものに比して少ないため、リフレッシュ充電時に高電圧の印加によりバッテリが過充電されても、その過充電によるバッテリの劣化は生じ難い。
【0024】
従って、請求項10に記載する如く、請求項1乃至の何れか一項記載のリフレッシュ充電制御装置において、バッテリのリフレッシュ充電時における充電電圧を、通常充電時におけるものに比して高くする充電電圧変更手段を備えることとすれば、リフレッシュ充電時における充電電圧を通常充電時におけるものに比して高くするので、バッテリの過充電による劣化を最小限に抑制しつつ、リフレッシュ充電の効果を短時間で確保することができる。
【0025】
また、バッテリは温度が低いほど充電し難く、温度が高いほど充電し易い。
【0026】
従って、請求項11に記載する如く、請求項10記載のリフレッシュ充電制御装置において、前記充電電圧変更手段は、また、バッテリのリフレッシュ充電時における充電電圧を該バッテリの温度に応じて変更することとすれば、バッテリ温度の影響を受けることなく、リフレッシュ充電の効果を常に短時間で実現することができる。
【0027】
また、請求項12に記載する如く、請求項1乃至11の何れか一項記載のリフレッシュ充電制御装置において、バッテリの温度が所定温度以下であるか否かを判別するバッテリ温度判別手段と、前記バッテリ温度判別手段によりバッテリの温度が前記所定温度以下であると判別される場合には、リフレッシュ充電の開始前に該バッテリの暖機を行うバッテリ昇温手段と、を備えることとすれば、バッテリの温度が低い場合には、そのバッテリが暖機された後にリフレッシュ充電が行われるので、リフレッシュ充電を効率的に行うことができる。
【0028】
この場合、請求項13に記載する如く、請求項12記載のリフレッシュ充電制御装置において、前記バッテリ昇温手段は、バッテリを昇温させる加熱手段を作動させることにより或いはバッテリの充放電を繰り返すことにより、該バッテリの暖機を行うこととしてもよい。
【0029】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の一実施例であるリフレッシュ充電制御装置を搭載するシステムの構成図を示す。本実施例のシステムは、車両用電源として機能するバッテリ10を備えている。バッテリ10は、直列に接続された複数のバッテリセルから構成されており、例えば36V程度の出力電圧を有する鉛酸バッテリである。
【0030】
バッテリ10には、インバータ12を介してモータ・ジェネレータ(以下、M/Gと称す)14が接続されている。インバータ12は、モータ用パワートランジスタを内蔵しており、そのモータ用パワートランジスタのスイッチング動作に応じてバッテリ10の直流電力をM/G14の交流電力に変換する。M/G14は、インバータ12のモータ用パワートランジスタがオン状態にある場合に、バッテリ10から電力が供給されることによりバッテリ10を電源にして駆動し、車輪を回転させる所定のトルクを発生する。すなわち、バッテリ10は、インバータ12のモータ用パワートランジスタがオン状態にある場合に、M/G14に対して電力を供給する。
【0031】
また、M/G14は、車両の回生制動時に車両の運動エネルギを電気エネルギに変換すると共に、バッテリ10の後述するリフレッシュ充電時に車両エンジンの動力を電気エネルギに変換する発電機として機能する。インバータ12は、また、ジェネレータ用パワートランジスタを内蔵しており、そのジェネレータ用パワートランジスタのスイッチング動作に応じてM/G14で生じた交流電力をバッテリ10の直流電力に変換する。すなわち、バッテリ10は、インバータ12のジェネレータ用パワートランジスタがオン状態にある状況下において、車両の回生制動又はエンジン動力によりM/G14が発電することにより電力の供給を受け、充電される。
【0032】
インバータ12には、マイクロコンピュータにより構成された電子制御ユニット(以下、ECUと称す)16が接続されている。ECU16は、バッテリ10からM/G14への電力供給が必要であると判断される場合、バッテリ10が放電するようにインバータ12のモータ用パワートランジスタに対して指令信号を供給する。また、M/G14からバッテリ10への電力供給が必要であると判断される場合、バッテリ10が充電されるようにジェネレータ用パワートランジスタに対して指令信号を供給する。
【0033】
ECU16には、バッテリ10の正負端子間に配設された電圧センサ20が接続されている。電圧センサ20は、バッテリ10の端子間電圧(以下、バッテリ電圧Vと称す)に応じた信号を出力する。電圧センサ20の出力信号はECU16に供給されている。ECU16は、電圧センサ20の出力信号に基づいてバッテリ10のバッテリ電圧Vを検出する。
【0034】
ECU16には、また、バッテリ10とインバータ12との間に配設された電流センサ22が接続されている。電流センサ22は、バッテリ10とインバータ12との間を流れる充放電電流(以下、バッテリ電流Iと称す)に応じた信号を出力する。電流センサ22の出力信号はECU16に供給されている。ECU16は、電流センサ22の出力信号に基づいてバッテリ10を流れるバッテリ電流Iを検出する。
【0035】
一般に、バッテリ10の端子間における開放電圧とその充電状態との間には相関関係が認められる。従って、ECU16は、まず、無負荷時に電圧センサ20を用いて検出されるバッテリ電圧Vに基づいてバッテリ10の充電状態(State Of Charge;以下、バッテリ容量SOCと称す)を判定し、その後は、そのバッテリ容量SOCを基準にして、電流センサ22を用いて検出されるバッテリ電流Iの加減算値に基づいてバッテリ容量SOCを把握する。また、ECU16は、通常時は、バッテリ10のバッテリ容量SOCが所望の容量(例えば75%;以下、目標容量と称す)に維持されるようなバッテリ10の充放電要求に従ってインバータ12を駆動する。
【0036】
ECU16には、また、車速センサ24が接続されている。車速センサ24は、車両の速度(以下、車速SPDと称す)に応じた信号を出力する。車速センサ24の出力信号はECU16に供給されている。ECU16は、車速センサ24の出力信号に基づいて車速SPDを検出する。
【0037】
ECU16には、また、バッテリ10近傍又はその中に配設された温度センサ26が接続されている。温度センサ26は、バッテリ10の温度(以下、バッテリ温度THと称す)に応じた信号を出力する。温度センサ26の出力信号はECU16に供給されている。ECU16は、温度センサ26の出力信号に基づいてバッテリ10のバッテリ温度THを検出する。
【0038】
ECU16には、更に、加熱装置30が接続されている。加熱装置30は、ECU16からの指令に従って、バッテリ10を例えばM/G14で生ずる電力を用いて暖機する機能を有する。ECU16は、バッテリ10を暖機すべき時期に加熱装置30に指令信号を供給し、加熱装置30を加熱させる。
【0039】
ところで、バッテリ10が満充電状態にまで至らない中間的な充電状態で使用される事態が繰り返されると、その内部物質が固形化することがある。かかる固形化が生ずると、バッテリ10の絶対的な容量が低下し、バッテリ寿命が低下してしまう。従って、バッテリ10の寿命を長期間確保するためには、内部物質の固形化を防止する必要がある。かかる手法としては、バッテリ10を満充電状態にリフレッシュすること(以下、リフレッシュ充電と称す)が有効である。本実施例のシステムは、以下に示す第1〜第4の条件の何れかが成立する場合にバッテリ10のリフレッシュ充電を開始し実行することとしている。以下、図2を参照して、本実施例の特徴部であるバッテリ10をリフレッシュ充電するための条件について説明する。
【0040】
バッテリ10の内部物質の固形化は、上述の如く満充電状態に至らない中間的な充電状態での使用が繰り返されることにより生ずる。前回リフレッシュ充電により満充電状態が実現された後、バッテリ10の充放電電流の積算値がある程度大きくなれば、その使用が繰り返されていると判断できる。従って、バッテリ10のリフレッシュ充電は、前回リフレッシュ充電により満充電状態が実現された後、バッテリ10を流れる充放電電流の積算値がある程度大きくなった場合に行うことが適切である。
【0041】
一方、バッテリ10の満充電状態が実現された後、あまりにも長い時間が経過すると、バッテリ10の充放電電流の積算値があまり大きくなくても、バッテリ10の内部物質が固定化することがある。従って、バッテリ10のリフレッシュ充電は、前回リフレッシュ充電により満充電状態が実現された後の時間が長時間になる場合にも行うことが適切である。
【0042】
そこで、本実施例のシステムは、バッテリ10のリフレッシュ充電を行うための第1の条件として、前回リフレッシュ充電により満充電状態が実現された後の時間T1と、バッテリ10を流れたバッテリ電流Iの積算値Σ|I|との関係を例えば以下の▲1▼〜▲4▼に示す如く複数定め、それらの▲1▼〜▲4▼の関係のうち何れか一の関係が成立するか否かを判定する。そして、何れか一の関係が成立する場合にバッテリ10のリフレッシュ充電を行うこととしている。かかる構成によれば、バッテリ10の使用状態に応じた内部物質の固形化が生ずる前の適当な時期に、バッテリ10のリフレッシュ充電を行うことが可能となる。
【0043】
▲1▼ Σ|I|≧I1(例えばI1=6,000,000Asec)
▲2▼ T1≧TM(例えばTM=1ヶ月)、かつ、Σ|I|≧I1−α(αはI1より小さい正数であり、例えば2,000,000Asecに設定される。)
▲3▼ T1≧TM+1、かつ、Σ|I|≧I1−α−β(βはI1−αより小さい正数であり、例えば1,000,000Asecに設定される。)
▲4▼ T1≧TM+2
また、本実施例においてバッテリ10をリフレッシュ充電するためには、車両のエンジンを駆動させることによりM/G14を発電させる必要がある。このため、車両の燃費効率が悪い低速走行時においてバッテリ10のリフレッシュ充電が行われるものとすると、燃費の悪化を招くこととなる。従って、バッテリ10のリフレッシュ充電は、燃費への影響が少ない車両が高速走行を継続する際に行うことが適切となる。
【0044】
尚、高速走行時に常にバッテリ10がリフレッシュ充電されるものとすると、バッテリ10があまり使用されていない状況下でもリフレッシュ充電が繰り返されるおそれがあり、この場合にはバッテリの劣化が進行し、寿命が低下してしまう。従って、高速走行時にバッテリ10のリフレッシュ充電を行うのは効率の面から言えば望ましいものではあるが、高速走行時に常に行うとするのはバッテリ10の劣化の面から言えば妥当でない。
【0045】
そこで、本実施例のシステムは、バッテリ10のリフレッシュ充電を行うための第2の条件として、前回リフレッシュ充電により満充電状態が実現された後の充放電電流Iの積算値Σ|I|および車両の車速SPDを以下の▲5▼に示す如く定め、充放電電流Iの積算値Σ|I|が所定値I2(例えば200,000Asec)以上であり、かつ、車両が所定車速SPD0(例えば60km/h)以上で走行する状態が所定時間TSH(例えば3分)継続するか否かを判定する。そして、その条件が成立する場合にエンジンの駆動量を増大させ、バッテリ10のリフレッシュ充電を行うこととしている。かかる構成によれば、車両の燃費を著しく低下させることのない適当な時期にバッテリ10のリフレッシュ充電を行うことが可能となる。
【0046】
▲5▼ T(SPD≧SPD0)≧TSH、かつ、Σ|I|≧I2
また、バッテリ10のバッテリ電圧Vが通常使用時において所望の値からかなり低下した場合には、バッテリ容量SOCが著しく低下していると判断でき、バッテリ上がりが生ずる可能性が高く、かかる不都合を回避するうえではバッテリ10を満充電状態に一旦リフレッシュすることが適切となる。
【0047】
そこで、本実施例のシステムは、バッテリ10のリフレッシュ充電を行うための第3の条件として、エンジン始動時においてバッテリ電圧Vが所望の値を下回っているか否かを判別する。そして、バッテリ電圧Vが所望の値を下回る場合にバッテリ10のリフレッシュ充電を行うこととしている。かかる構成によれば、バッテリ電圧Vが小さくなった際に強制的にバッテリ10が満充電状態にリフレッシュされるので、バッテリ上がりの発生を確実に防止することが可能となる。
【0048】
更に、バッテリ10の充放電をバランスよく行ううえでは、バッテリ容量SOCを目標容量に制御することが望ましい。しかしながら、バッテリ容量SOCが通常生ずることがない程度に目標容量に対してかなり小さい場合には、バッテリ上がりが生ずる可能性が高く、かかる事態を回避するうえではバッテリ10を満充電状態に一旦リフレッシュすることが適切となる。
【0049】
そこで、本実施例のシステムは、バッテリ10のリフレッシュ充電を行うための第4の条件として、バッテリ容量SOCが所望の目標容量に対して所定値(例えば20%)以上下回っているか否かを判別する。そして、バッテリ容量SOC≦(目標容量−20)が成立する場合にバッテリ10のリフレッシュ充電を行うこととしている。かかる構成によれば、通常生じ得ないバッテリ容量SOCが生じた際に強制的にバッテリ10が満充電状態にリフレッシュされるので、バッテリ上がりの発生を確実に防止することが可能となる。
【0050】
図2は、バッテリ10のリフレッシュ充電を行うべく、本実施例においてECU16が実行する制御ルーチンの一例のフローチャートを示す。図2に示すルーチンは、その処理が終了するごとに繰り返し起動されるルーチンである。図2に示すルーチンが起動されると、まずステップ100の処理が実行される。
【0051】
ステップ100では、上記した第1〜第4の条件のうち何れか一の条件が成立するか否かが判別される。その結果、否定判定がなされた場合、すなわち、第1〜第4の条件の何れの条件も成立しないと判別された場合は、以後、何らの処理も進められることなく今回のルーチンは終了される。一方、肯定判定がなされた場合、すなわち、第1〜第4の条件のうち少なくとも一の条件が成立すると判別された場合は、次にステップ102の処理が実行される。
【0052】
ステップ102では、バッテリ10のリフレッシュ充電を行う処理が実行される。具体的には、バッテリ10を満充電状態にすべく、エンジンの出力を増大させることによりM/G14を発電機として作動させ、インバータ12を適当に駆動することによりM/G14からバッテリ10へ充電電流を供給する処理が実行される。本ステップ102の処理が実行されると、以後、バッテリ10は満充電状態に向けてリフレッシュ充電されることとなる。そして、本ステップ102の処理が終了すると、今回のルーチンは終了される。
【0053】
上記図2に示すルーチンによれば、上記した第1〜第4の条件のうち何れか一の条件が成立した場合に、バッテリ10のリフレッシュ充電を開始し実行することができる。具体的には、前回リフレッシュ充電により満充電状態が実現された後の時間T1とバッテリ電流Iの積算値Σ|I|とが所定の関係を有する場合に、リフレッシュ充電を行うことができる。かかる構成においては、前回リフレッシュ充電によりバッテリ10が満充電状態になった後に中間的な充電状態での使用が継続すると、或いは、その使用があまり継続しなくてもその満充電後に所定時間が経過すると、リフレッシュ充電が行われることとなるので、満充電後のバッテリ10の使用状態に対応してその内部物質の固形化を確実に防止することが可能となる。従って、本実施例のリフレッシュ充電制御装置によれば、バッテリ10の内部物質の固形化が生ずる前の適当な時期にバッテリ10のリフレッシュ充電を行うことができる。
【0054】
また、前回リフレッシュ充電により満充電状態が実現された後のバッテリ電流Iの積算値Σ|I|が所定値I2以上であり、かつ、車両が所定車速SPD0以上で走行する状態が所定時間TSH継続する場合にも、リフレッシュ充電を開始し実行することができる。かかる構成においては、エンジンが効率よく作動する高速走行時にバッテリ10をリフレッシュ充電すべくエンジン出力が増大されるため、燃費への影響が小さく抑制される。従って、本実施例のリフレッシュ充電制御装置によれば、バッテリ10のリフレッシュ充電を、車両の燃費を著しく低下させることのない、すなわち、燃費効率のよい適当な時期に行うことが可能となっている。
【0055】
また、高速走行時は、車両が制動することは少なく、回生制動により生ずる回生エネルギ量は少ないため、バッテリ10を満充電状態にリフレッシュ充電することとしても、バッテリ10に回収できないエネルギが増加することはない。従って、本実施例においては、バッテリ10の回生制動による通常充電が行われ難い状況でリフレッシュ充電を行うので、リフレッシュ充電時に回収できない無駄なエネルギが発生するのを防止することができる。すなわち、本実施例のリフレッシュ充電制御装置によれば、回収できない無駄なエネルギが生ずることのない適当な時期にバッテリのリフレッシュ充電を行うことが可能となっている。
【0056】
尚、本実施例においては、車両が高速走行しても、前回リフレッシュ充電によりバッテリ10が満充電状態になった後に中間的な充電状態での使用がある程度繰り返し継続しなければ、リフレッシュ充電は行われない。このため、リフレッシュ充電が頻繁に行われることに起因してバッテリ10の劣化が促進される事態は防止され、これにより、バッテリ10の寿命低下の防止が図られている。従って、本実施例によれば、バッテリ10の劣化を防止しつつ、適当な時期にリフレッシュ充電を行うことが可能となっている。
【0057】
また、本実施例において、バッテリ10の容量SOCは、上述の如く、電流センサ22の出力信号に基づくバッテリ電流Iの積算値に基づいて判定されるが、バッテリ10の使用が継続すると、電流センサ22によるバッテリ電流Iの積算値と実際の電流の積算値とのずれが大きくなることがあり、バッテリ容量SOCが誤判定されるおそれがある。本実施例においては、前回リフレッシュ充電によりバッテリ10が満充電状態になった後、中間的な充電状態での使用がある程度継続した後に、リフレッシュ充電が行われる。このため、リフレッシュ充電が完了した時点で、バッテリ容量SOCを100%にすると共に、電流センサ22によるバッテリ電流Iの積算値をリセットすることとすれば、バッテリ容量SOCの電流センサ22による誤差の拡大を防止することが可能となっている。
【0058】
更に、本実施例においては、バッテリ電圧Vが所望の値を下回る場合、及び、バッテリ容量SOCが所望の目標容量に対して所定値以上下回る場合にも、バッテリ10のリフレッシュ充電を開始し実行することができる。かかる構成においては、バッテリ上がりが生ずる前にバッテリ10がリフレッシュ充電されるため、バッテリ上がりが確実に防止される。従って、本実施例によれば、バッテリ上がりが生じない適当な時期にバッテリ10のリフレッシュ充電を行うことが可能となっている。
【0059】
ところで、バッテリ10のリフレッシュ充電は、上記の如くエンジンの燃費効率がよい高速走行時に行うことが望ましく、その燃費効率の悪い低速走行時に行うことは望ましくない。すなわち、一旦バッテリ10のリフレッシュ充電が開始された後、車速SPDがその開始条件である所定車速SPD0を下回る場合には、エンジンの燃費効率を考慮すると、リフレッシュ充電を行わないことが適切である。しかしながら、リフレッシュ充電の実行条件がしきい値(=所定車速SPD0)以上であるものとすると、すなわち、車速SPDが所定車速SPD0を下回る場合にはリフレッシュ充電を中止するものとすると、リフレッシュ充電の充電時間を十分に確保できる機会は少なくなる。このため、かかる構成では、リフレッシュ充電によりバッテリ10を満充電状態にすることができない、すなわち、リフレッシュ充電を完了させることができない可能性が高くなり、その結果、リフレッシュ充電の効果を確保することが困難となる。
【0060】
そこで、本実施例のシステムは、車速SPDが所定車速SPD0以上となり上記▲5▼の条件(第2の条件)が成立することによりバッテリ10のリフレッシュ充電が開始された後、車速SPDが所定車速SPDを下回る場合にもそのリフレッシュ充電を継続することとしている。かかる構成によれば、車速SPDが所定車速SPD0以上である場合にのみリフレッシュ充電が行われる構成と比べて、リフレッシュ充電が開始された後にその充電時間を確保し易くなるので、リフレッシュ充電を完了させ易くすることが可能となる。
【0061】
図3は、バッテリ10のリフレッシュ充電の実行・終了を制御すべく、本実施例においてECU16がリフレッシュ充電の開始条件(上記した第1〜第4の条件)が成立した後に実行する制御ルーチンの一例のフローチャートを示す。図3に示すルーチンは、その処理が終了するごとに繰り返し起動されるルーチンである。図3に示すルーチンが起動されると、まずステップ200の処理が実行される。
【0062】
ステップ200では、上記した第2の条件が成立しているか否か、具体的には、充放電電流Iの積算値Σ|I|が所定値I2以上であり、かつ、車両が所定車速SPD0以上で走行する状態が所定時間TSH継続しているか否かが判別される。本ステップ200の処理は、肯定判定がなされるまで繰り返し実行される。その結果、肯定判定がなされた場合は、次にステップ202の処理が実行される。
【0063】
ステップ202では、バッテリ10のリフレッシュ充電を開始する処理が実行される。具体的には、リフレッシュ充電によりバッテリ10を満充電にすべく、エンジン出力を増大させ、そのエンジン出力の増大分をM/G14において電気エネルギに変換させると共に、インバータ12を適当に駆動することによりM/G14からバッテリ10への充電電流の供給を開始する処理が実行される。本ステップ202の処理が実行されると、以後、バッテリ10は満充電状態に向けてリフレッシュ充電されることとなる。
【0064】
ステップ204では、車速センサ24を用いて検出される車速SPDがリフレッシュ充電の開始条件である所定車速SPD0未満となったか否かが判別される。その結果、SPD<SPD0が成立し、肯定判定がなされた場合は、次にステップ206の処理が実行される。一方、SPD<SPD0が成立しない場合は、車両が比較的高速で走行していると判断できるので、リフレッシュ充電を継続することとしても、燃費効率が低下することもない。従って、かかる否定判定がなされた場合は、ステップ206及び208の処理はジャンプされて、次にステップ210の処理が実行される。
【0065】
ステップ206では、バッテリ10に対する放電要求がなされている否かが判別される。放電要求がなされていない場合は、リフレッシュ充電に起因してエアコンやライト等の電気負荷の作動が確保されない事態が生ずることはなく、リフレッシュ充電を継続することとしても不都合はない。従って、かかる否定判定がなされる場合は、次にステップ208の処理が実行される。一方、放電要求がなされている場合は、リフレッシュ充電が継続するものとすると、電気負荷の作動を確保できない事態が生ずるので、リフレッシュ充電を継続することは適切でない。従って、かかる肯定判定がなされた場合は、ステップ208及び210の処理はジャンプされて、次にステップ212の処理が実行される。
【0066】
ステップ208では、車速SPDが上記した所定車速SPD0よりも小さな車速SPD1(例えば40km/h)以下であるか否かが判別される。その結果、SPD≦SPD1が成立しないと判別される場合は、車両はSPD1とSPD0との間の車速で走行していると判断でき、次にステップ210の処理が実行される。一方、SPD≦SPD1が成立すると判別される場合は、ステップ210の処理はジャンプされて、ステップ212の処理が実行される。
【0067】
ステップ210では、リフレッシュ充電の終了条件が成立するか否かが判別される。本ステップ210のリフレッシュ充電の終了条件としては、バッテリ容量SOCが100%近傍になったこと、リフレッシュ充電が開始された後の時間がバッテリ10が満充電状態になると判断できる程度の時間に達したこと、或いは、バッテリ10の放電が要求されたこと等がある。その結果、リフレッシュ充電の終了条件が成立しないと判別される場合は、上記ステップ204以降の処理が繰り返し実行される。一方、リフレッシュ充電の終了条件が成立すると判別される場合は、次にステップ212の処理が実行される。
【0068】
ステップ212では、バッテリ10のリフレッシュ充電を終了する処理が実行される。具体的には、エンジン出力の増大を解除し、インバータ12の駆動を停止することによりM/G14からバッテリ10への充電電流の供給を停止する処理が実行される。本ステップ212の処理が実行されると、以後、バッテリ10のリフレッシュ充電は終了される。本ステップ212の処理が終了すると、今回のルーチンは終了される。
【0069】
上記図3に示すルーチンによれば、高速走行を成立条件としてバッテリ10のリフレッシュ充電が開始された後、車両が高速で走行しなくなった場合にも、ある車速まで或いはバッテリ10の放電要求がなされるまでは、そのリフレッシュ充電を継続することができる。かかる構成においては、車速がリフレッシュ充電の開始条件である車速を下回った場合にもリフレッシュ充電が行われることとなるので、車両が高速で走行しなくなった際に直ちにリフレッシュ充電を中止する構成に比して、リフレッシュ充電が継続される時間は長くなる。
【0070】
従って、本実施例によれば、車両の高速走行によりリフレッシュ充電が開始された状況下、リフレッシュ充電の充電時間を確保し易くでき、リフレッシュ充電を完了させ易くすることができる。このため、本実施例のリフレッシュ充電制御装置によれば、リフレッシュ充電の効果、具体的には、バッテリ10の内部物質の固形化を防止し、バッテリ寿命の長期化を図り、バッテリ10の耐久性を向上させるという効果を確実に確保することが可能となっている。
【0071】
特に、上記の構成においては、リフレッシュ充電の終了条件としての車速がその開始条件としての車速よりも小さいため、車両が高速で走行しなくなった後、燃費効率の比較的悪い車速までリフレッシュ充電が継続することとなるが、リフレッシュ充電の実行頻度はあまり多くないため、車両燃費の悪化が最小限に抑えられる。従って、本実施例のリフレッシュ充電制御装置によれば、車両燃費の悪化を最小限に抑えつつリフレッシュ充電を完了させ易くすることができるので、リフレッシュ充電の効果を燃費悪化を抑制しつつ確実に確保することが可能となっている。
【0072】
上述の如く、バッテリ10の放電要求がなされているにもかかわらずその後もリフレッシュ充電が継続するものとすると、バッテリ10の放電を行うことができず、エアコン等の電気負荷を作動できない事態が生ずる。これに対して、上記図3に示すルーチンによれば、高速走行(すなわち、上記した第2の条件)を成立条件としてバッテリ10のリフレッシュ充電が開始された後、その放電要求がなされた場合に、リフレッシュ充電が終了される。このため、本実施例によれば、バッテリ10の放電要求に従ってリフレッシュ充電を終了し、バッテリ10を適切に放電させることができるので、電気負荷の作動を確実に確保することが可能となっている。
【0073】
ここで、バッテリ10のリフレッシュ充電が、上記した第2の条件以外の第1、第3、又は第4の条件が成立したことにより開始された状況下においても、放電要求がなされる場合は、電気負荷の作動を確保すべく、そのリフレッシュ充電を停止することが望ましい。そこで、本実施例のシステムは、上記した第1、第3、又は第4の条件が成立することによりバッテリ10のリフレッシュ充電が開始された後、放電要求がなされる場合にはそのリフレッシュ充電を停止することとし、電気負荷の作動を確保することとしている。
【0074】
図4は、バッテリ10のリフレッシュ充電の実行・終了を制御すべく、本実施例においてECU16がリフレッシュ充電の開始条件(上記した第1〜第4の条件)が成立した後に実行する制御ルーチンの一例のフローチャートを示す。図4に示すルーチンは、その処理が終了するごとに繰り返し起動されるルーチンである。図4に示すルーチンが起動されると、まずステップ300の処理が実行される。
【0075】
ステップ300では、上記した第1、第3、及び第4の条件の何れかが成立しているか否かが判別される。本ステップ300の処理は、肯定判定がなされるまで繰り返し実行される。その結果、肯定判定がなされた場合は、次にステップ302の処理が実行される。ステップ302では、バッテリ10のリフレッシュ充電を開始する処理が実行される。本ステップ302の処理が実行されると、以後、バッテリ10は満充電に向けてリフレッシュ充電されることとなる。本ステップ302においてリフレッシュ充電が開始されると、それに伴ってリフレッシュ充電の行われる積算時間(以下、リフレッシュ時間と称す)TRFの計時が開始されることとなる。
【0076】
ステップ304では、バッテリ10に対する放電要求がなされているか否かが判別される。その結果、放電要求がなされていないと判別される場合は、次にステップ306の処理が実行される。一方、放電要求がなされていると判別される場合は、次にステップ307の処理が実行される。
【0077】
ステップ307では、バッテリ10のリフレッシュ充電の中断を禁止すべき状態にあるか否かが判別される。尚、リフレッシュ充電の中断を禁止すべき条件としては、バッテリ10の放電が一定時間を超えて継続していること、バッテリ10の放電が開始された後の放電電気量積算値が一定量を超えていること、車両のトリップ数が所定回数を超えてもリフレッシュ充電が一度も完了しないこと等がある。その結果、リフレッシュ充電の中断を禁止すべき状態にあると判別される場合は、次にステップ306の処理が実行される。
【0078】
ステップ306では、リフレッシュ充電の終了条件が成立するか否かが判別される。本ステップ306のリフレッシュ充電の終了条件としては、バッテリ容量SOCが100%近傍になったこと、リフレッシュ時間TRFがバッテリ10が満充電状態になると判断できる程度の時間に達したこと等がある。その結果、かかる終了条件が成立しないと判別される場合は、上記ステップ304以降の処理が実行される。一方、かかる終了条件が成立すると判別される場合は、次にステップ308の処理が実行される。
【0079】
ステップ308では、バッテリ10のリフレッシュ充電を終了する処理が実行される。本ステップ308の処理が実行されると、以後、バッテリ10のリフレッシュ充電は終了される。本ステップ308の処理が終了すると、今回のルーチンは終了される。
【0080】
また、上記ステップ307においてリフレッシュ充電の中断を許可すべき状態にあると判別される場合は、次にステップ310の処理が実行される。ステップ310では、開始されているリフレッシュ充電を中断する処理が実行される。この際、リフレッシュ時間TRFの計時も中断される。本ステップ310の処理が実行されると、以後、リフレッシュ充電が停止され、バッテリ10の放電が許可されることとなる。
【0081】
ステップ312では、バッテリ10の放電要求が解除されたか否か、或いは、リフレッシュ充電の中断を中止すべき状態にあるか否かが判別される。尚、リフレッシュ充電の中断を中止すべき条件としては、バッテリ10の放電が一定時間を超えて継続していること、バッテリ10の放電が開始された後の放電電気量積算値が一定量を超えていること等がある。本ステップ312の処理は、肯定判定がなされるまで繰り返し実行される。その結果、放電要求が解除されたと判別される場合またはリフレッシュ充電の中断を中止すべき状態にあると判別される場合は、次に、ステップ314の処理が実行される。
【0082】
ステップ314では、中断されていたリフレッシュ充電を再開する処理が実行される。この際、リフレッシュ時間TRFの計時も再開される。本ステップ314の処理が実行されると、以後、バッテリ10は再び満充電に向けてリフレッシュ充電されることとなる。本ステップ314の処理が終了すると、上記したステップ304以降の処理が実行される。
【0083】
上記図4に示すルーチンによれば、バッテリ10のリフレッシュ充電が開始された後、その放電要求がなされた場合にそのリフレッシュ充電を中断すると共に、その後放電要求が解除された場合にそのリフレッシュ充電を再開することができる。すなわち、バッテリ10が放電すべき状況下においてリフレッシュ充電を停止することができる。このため、本実施例によれば、リフレッシュ充電が開始された後にもバッテリ10を適切に放電させることができ、これにより、電気負荷の作動を確実に確保することが可能となっている。
【0084】
尚、本実施例においては、バッテリ10のリフレッシュ充電が開始された後、その放電要求がなされても、リフレッシュ充電の中断を禁止すべき状況にある場合はその中断が行われず、また、リフレッシュ充電が中断されている状況下その放電要求が解除されなくても、その中断を中止すべき状態になるとリフレッシュ充電が再開される。従って、本実施例によれば、バッテリ10の放電要求が際限なく継続すること等に起因してリフレッシュ充電が行われ難くなるのを回避することができ、リフレッシュ充電が長期間にわたって完了しない事態を回避することが可能となっている。
【0085】
また、上記図4に示すルーチンにおいては、リフレッシュ充電の終了条件としてのリフレッシュ時間TRFの計時がリフレッシュ充電の中断・再開に伴って中断・再開される。すなわち、リフレッシュ充電が中断された場合にも、リフレッシュ充電を行うべき充電時間がその中断分だけ少なくなることはなく、中断されない場合と同等の時間だけ確保される。このため、本実施例によれば、バッテリ10の放電によりリフレッシュ充電が中断されても、リフレッシュ充電の効果を確実に確保することが可能となっている。
【0086】
尚、上記の第1実施例においては、バッテリ10が前回リフレッシュ充電により満充電状態になった後の時間T1が特許請求の範囲に記載された「時間」に、電流センサ22の出力信号に基づいて検出されたバッテリ10を流れる充放電電流Iの積算値Σ|I|が特許請求の範囲に記載された「積算電気使用量」に、上記した第1の条件に示す(1)〜(4)の関係が特許請求の範囲に記載された「所定の関係」に、車両のエンジンが特許請求の範囲に記載された「動力源」に、それぞれ相当している。
【0087】
また、上記の第1実施例においては、ECU16が、バッテリ10が前回リフレッシュ充電により満充電状態になった後の時間T1を計数することにより特許請求の範囲に記載された「時間計数手段」が、電流センサ22の出力信号に基づいて検出されたバッテリ電流Iの絶対値を積算することにより特許請求の範囲に記載された「積算電気使用量計数手段」が、図2に示すルーチンのステップ100及び102の処理を実行することにより特許請求の範囲に記載された「充電制御手段」が、車速センサ24の出力信号に基づいて検出された車速SPDが所定車速SPD0以上であるか否かを判別することにより特許請求の範囲に記載された「高速走行判別手段」が、車速SPDが所定車速SPD0以上である状態が所定時間TSH継続するか否かを判別することにより特許請求の範囲に記載された「時間判別手段」が、電流センサ22の出力信号に基づいて検出された充放電電流Iの積算値Σ|I|がI2以上であるか否かを判別することにより特許請求の範囲に記載された「積算電気使用量判別手段」が、それぞれ実現されている。
【0088】
更に、上記の第1実施例においては、図3に示すルーチン中ステップ206又は208に示す条件が特許請求の範囲に記載された「所定の条件」に相当していると共に、ECU16が、リフレッシュ時間TRFがバッテリ10が満充電状態になると判断できる程度の時間以上であるか否かを判別することにより特許請求の範囲に記載された「充電積算時間判別手段」が実現されている。
【0089】
ところで、上記の第1実施例においては、バッテリ10として鉛酸バッテリを用いたシステムに適用しているが、鉛酸バッテリに代えてニッケル水素バッテリ等の他の蓄電池を用いたシステムに適用することも可能である。
【0090】
また、上記の第1実施例においては、車両が所定車速以上で走行するか否かを車速センサ24の出力信号に基づいて判定することとしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば車両の位置を検知し得るナビゲーション装置を用いて車両が高速道路等の高速走行可能な道路に進入したか否かを判定することにより、車両の所定車速以上の走行を判定することとしてもよい。この場合には、ECU16がナビゲーション装置を用いて車両が高速道路へ進入したか否かを判別することにより特許請求の範囲に記載された「高速走行判別手段」及び「時間判別手段」が実現される。
【0091】
また、上記の第1実施例においては、上記した第1及び第2の条件は、何れか一の条件が成立すればリフレッシュ充電を行うOR条件を構成しているが、それらの条件の内容を組み合わせリフレッシュ充電を行うAND条件を構成するものとしてもよい。
【0092】
更に、上記の第1実施例においては、図3に示すルーチン中ステップ206又は208に示す条件が成立する場合に直ちにリフレッシュ充電を終了することとしているが、ステップ204に示す条件(すなわち、SPD≦SPD0)が成立する状態が所定時間継続したことを条件にリフレッシュ充電を終了することとしてもよい。この場合には、車速が低下した後に直ちにリフレッシュ充電が終了することはないので、リフレッシュ充電の充電時間をできるだけ確保することができ、リフレッシュ充電を更に一層完了させ易くすることが可能となる。
【0093】
次に、上記図1と共に図5を参照して、本発明の第2実施例について説明する。本実施例のシステムは、上記図1に示す構成において、ECU16に図5に示すルーチンを実行させることにより実現される。
【0094】
ところで、バッテリ10のリフレッシュ充電時において、インバータ12からバッテリ10へ印加される電圧(以下、充電電圧と称す)が回生制動による通常充電時と同等の電圧であるものとすると、リフレッシュ充電はバッテリ10を満充電にする必要があるため、リフレッシュ充電を完了させるうえで相当多くの充電時間が必要となる。このため、かかる構成では、リフレッシュ充電が速やかに完了せず、リフレッシュ充電の効果が短時間で確保されないこととなる。
【0095】
そこで、本実施例のシステムは、インバータ12からバッテリ10へ印加する充電電圧を、リフレッシュ充電時には通常充電時に比べ高圧側にすることとしている。かかる構成によれば、リフレッシュ充電時にインバータ12からバッテリ10へ比較的多量の充電電流が短時間で流れることとなるので、リフレッシュ充電を速やかに完了させることが可能となる。
【0096】
図5は、バッテリ10のリフレッシュ充電と通常充電との間で充電電圧を変更すべく、本実施例においてECU16が実行する制御ルーチンの一例のフローチャートを示す。図5に示すルーチンは、その処理が終了するごとに繰り返し起動されるルーチンである。図5に示すルーチンが起動されると、まずステップ400の処理が実行される。
【0097】
ステップ400では、電流センサ22を用いて検出されるバッテリ電流Iの流れる向きやインバータ12への駆動状態等に基づいて、バッテリ10が充電中であるか否かが判別される。本ステップ400の処理は、バッテリ10が充電中であると判別されるまで繰り返し実行される。その結果、バッテリ10が充電中であると判別される場合は、次にステップ402の処理が実行される。
【0098】
ステップ402では、バッテリ10の充電がリフレッシュ充電および通常充電のうちリフレッシュ充電であるか否かが判別される。その結果、通常充電と判別される場合は、次にステップ404の処理が実行される。一方、リフレッシュ充電と判別される場合は、次にステップ406の処理が実行される。
【0099】
ステップ404では、インバータ12からバッテリ10へ印加する充電電圧を、通常どおり電圧V0に設定する処理が実行される。尚、この充電電圧V0は、バッテリ温度THに応じた値に設定される。本ステップ404の処理が実行されると、以後、充電電圧V0が発生するようにインバータ12がスイッチング動作され、これにより、バッテリ10が充電電圧V0を用いて充電される。本ステップ404の処理が終了すると、今回のルーチンは終了される。
【0100】
ステップ406では、温度センサ26に基づくバッテリ温度THを読み込む処理が実行される。そして、ステップ408では、インバータ12からバッテリ10へ印加する充電電圧を、通常充電における電圧V0に上記ステップ406で読み込んだバッテリ温度THに応じた値f(TH)を加算したものに設定する処理が実行される。尚、f(TH)は、バッテリ10の充電が促進されると判断できる正値の電圧であり、バッテリ温度THが小さいほど大きな値に設定される。本ステップ408の処理が実行されると、以後、充電電圧V0+f(TH)が発生するようにインバータ12がスイッチング動作され、バッテリ10が通常時の充電電圧V0に比べ高い充電電圧V0+f(TH)を用いて充電される。本ステップ408の処理が終了すると、今回のルーチンは終了される。
【0101】
上記図5に示すルーチンによれば、バッテリ10のリフレッシュ充電が行われる場合に、バッテリ10への充電電圧を、通常充電が行われる場合に比して高くすることができる。この場合には、リフレッシュ充電時に比較的多量の充電電流がバッテリ10へ流れるので、リフレッシュ充電を速やかに完了させることが可能となる。
【0102】
尚、バッテリ10への充電電圧が高くなると、バッテリ10が過充電に至る可能性が高くなり、その過充電によるバッテリ10の劣化が生じ易くなる。しかしながら、リフレッシュ充電が実行される頻度はあまり多くないため、バッテリ10が高電圧印加でリフレッシュ充電されることとしても、バッテリ10の劣化は生じ難い。従って、本実施例のリフレッシュ充電制御装置によれば、バッテリ10の過充電による劣化を最小限に抑えつつ、リフレッシュ充電を速やかに完了させることができ、リフレッシュ充電の効果を短時間で確保することが可能となっている。
【0103】
ここで、バッテリ10は、その温度が低いほど充電し難く、温度が高いほど充電し易いものである。このため、バッテリ温度THにかかわらずリフレッシュ充電時における充電電圧が一定に維持されるものとすると、バッテリ温度THが低い場合にバッテリ10のリフレッシュ充電が促進されないこととなる。
【0104】
これに対して、本実施例においては、バッテリ10のリフレッシュ充電時に印加される充電電圧が、バッテリ温度THに応じて変更される。具体的には、充電電圧は、バッテリ温度THが低いほど高くなり、バッテリ温度THが高いほど低くなる。かかる構成においては、バッテリ温度THが低くても、リフレッシュ充電時に充電電流がバッテリ10に流れ易くなるため、バッテリ10の充電が促進される。従って、本実施例のリフレッシュ充電制御装置によれば、バッテリ温度の影響を受けることなく、リフレッシュ充電の効果を常に短時間で実現することが可能となっている。
【0105】
尚、上記の第2実施例においては、ECU16が、図5に示すルーチン中ステップ404および408の処理を実行することにより特許請求の範囲に記載された「充電電圧変更手段」が実現されている。
【0106】
次に、上記図1と共に図6を参照して、本発明の第3実施例について説明する。本実施例のシステムは、上記図1に示す構成において、ECU16に図6に示すルーチンを実行させることにより実現される。
【0107】
上述の如く、バッテリ10は、その温度が低いほど充電し難く、温度が高いほど充電し易いものである。このため、バッテリ温度THにかかわらずリフレッシュ充電が行われるものとすると、バッテリ温度THが低い場合にバッテリ10のリフレッシュ充電が促進されないこととなる。
【0108】
そこで、本実施例のシステムは、バッテリ10のリフレッシュ充電が行われる際にバッテリ10が低温となっている場合には、リフレッシュ充電を開始する前に加熱装置30を用いてバッテリ10を暖機することとしている。かかる構成によれば、リフレッシュ充電が行われる時点でバッテリ10がある程度まで必ず昇温しているので、そのバッテリ10のリフレッシュ充電を常に効率的に行うことが可能となる。
【0109】
図6は、バッテリ10のリフレッシュ充電を行うべく、本実施例においてECU16が実行する制御ルーチンの一例のフローチャートを示す。図6に示すルーチンは、その処理が終了するごとに繰り返し起動されるルーチンである。図6に示すルーチンが起動されると、まずステップ500の処理が実行される。
【0110】
ステップ500では、上記した第1〜第4の条件のうち何れか一の条件が成立するか否かが判別される。本ステップ500の処理は、肯定判定がなされるまで繰り返し実行される。その結果、肯定判定がなされた場合、すなわち、第1〜第4の条件のうち少なくとも一の条件が成立すると判別された場合は、次にステップ502の処理が実行される。そして、ステップ502では、温度センサ26に基づくバッテリ温度THを読み込む処理が実行される。
【0111】
ステップ504では、上記ステップ502で読み込んだバッテリ温度THが所定温度TH0以下であるか否かが判別される。尚、所定温度TH0は、バッテリ10の充電時にその充電が促進されないと判断できる最大温度である。その結果、TH≦TH0が成立しないと判別される場合は、バッテリ10が比較的高温にあると判断できるので、次にステップ506の処理が実行される。一方、TH≦TH0が成立すると判別される場合は、バッテリ10が充電が促進されない程度の低温にあると判断できるので、次にステップ508の処理が実行される。
【0112】
ステップ506では、バッテリ10のリフレッシュ充電を行う処理が実行される。本ステップ506の処理が実行されると、以後、エンジン出力の増大によりM/G14が発電機として作動され、インバータ12の駆動によりバッテリ10へ充電電流が流れ、これにより、バッテリ10が満充電状態に向けてリフレッシュ充電されることとなる。尚、この際、バッテリ10への充電電圧を、上記した第2実施例の如くバッテリ温度THに応じて変更することとしてもよい。本ステップ506の処理が終了すると、今回のルーチンは終了される。
【0113】
ステップ508では、加熱装置30に指令信号を供給することにより加熱装置30を起動させる処理が実行される。本ステップ508の処理が実行されると、以後、加熱装置30は、加熱することによりバッテリ10の暖機を開始する。ステップ510では、バッテリ温度THが上記した所定温度TH0を上回るか否かが判別される。本ステップ510の処理は、TH>TH0が成立すると判別されるまで繰り返し実行される。その結果、TH>TH0が成立すると判別される場合は、次にステップ512の処理が実行され、加熱装置30によるバッテリ10の暖機が停止される。本ステップ512の処理が終了すると、今回のルーチンは終了される。
【0114】
上記図6に示すルーチンによれば、バッテリ10のリフレッシュ充電が行われる際にバッテリ10が充電が促進されない程度まで冷えている場合には、そのリフレッシュ充電を開始する前にバッテリ10を暖機することができる。そして、リフレッシュ充電の開始条件が成立しかつバッテリ10が暖機された場合にリフレッシュ充電を開始することができる。すなわち、本実施例においては、リフレッシュ充電が開始される時点ではバッテリ10が必ず充電の促進を妨げない程度まで昇温している。
【0115】
このため、本実施例によれば、リフレッシュ充電時に、低温に起因してバッテリ10が充電し難いものとなるのを回避することができ、常に充電し易いものとなる。従って、本実施例のリフレッシュ充電制御装置によれば、バッテリ10の温度が低い場合にはバッテリ10を暖機した後にリフレッシュ充電を行うので、リフレッシュ充電を常に効率的・効果的に行うことができ、リフレッシュ充電の効果を短時間に確保することが可能となっている。
【0116】
尚、上記の第3実施例においては、ECU16が、上記図6に示すルーチン中ステップ504の処理を実行することにより特許請求の範囲に記載された「バッテリ温度判別手段」が、ステップ508の処理を実行することにより特許請求の範囲に記載された「バッテリ昇温手段」が、それぞれ実現されていると共に、加熱装置30が特許請求の範囲に記載された「加熱手段」に相当している。
【0117】
ところで、上記の第3実施例においては、バッテリ10のリフレッシュ充電が行われる際にバッテリ10が冷えている場合に、リフレッシュ充電の開始に先立ってバッテリ10を暖機することとしているが、リフレッシュ充電が行われる時点に関係なく、バッテリ10が冷えている場合にはその暖機を図ることとしてもよい。
【0118】
また、上記の第3実施例においては、バッテリ10の暖機を加熱装置30を用いて行うこととしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、バッテリ10の充放電を複数回繰り返すことによりバッテリ10の暖機を行うこととしてもよい。
【発明の効果】
上述の如く、請求項1乃至記載の発明によれば、適当な時期にバッテリのリフレッシュ充電を行うことができる。
【0122】
請求項5乃至7記載の発明によれば、リフレッシュ充電を完了させ易くすることができる。
【0124】
請求項及び記載の発明によれば、リフレッシュ充電が開始された後でもバッテリを放電させることができ、バッテリによる電気負荷の作動を確保することができる。
【0125】
請求項10及び11記載の発明によれば、リフレッシュ充電の効果を短時間で確保することができる。
【0127】
また、請求項12及び13記載の発明によれば、温度の低いバッテリを暖機した後にリフレッシュ充電を行うので、リフレッシュ充電を効率的に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例であるバッテリの満充電を判定するシステムの構成図である。
【図2】本実施例においてバッテリのリフレッシュ充電を行うべく実行される制御ルーチンのフローチャートである。
【図3】本実施例においてバッテリのリフレッシュ充電の実行・終了を制御すべく実行される制御ルーチンのフローチャートである。
【図4】本実施例においてバッテリのリフレッシュ充電の実行・終了を制御すべく実行される制御ルーチンのフローチャートである。
【図5】本発明の第2実施例においてバッテリのリフレッシュ充電と通常充電との間で充電電圧を変更すべく実行される制御ルーチンのフローチャートである。
【図6】本発明の第3実施例においてバッテリのリフレッシュ充電を行うべく実行される制御ルーチンのフローチャートである。
【符号の説明】
10 バッテリ
12 インバータ
14 モータ・ジェネレータ(M/G)
16 電子制御ユニット(ECU)
22 電流センサ
24 車速センサ
26 温度センサ
30 加熱装置

Claims (13)

  1. 車両に搭載されたバッテリを動力源を用いてリフレッシュ充電するリフレッシュ充電制御装置であって、
    車両が所定車速以上で走行するか否かを判別する高速走行判別手段と、
    前記高速走行判別手段により車両が前記所定車速以上で走行すると判別される場合に、バッテリのリフレッシュ充電を行う充電制御手段と、
    を備えることを特徴とするリフレッシュ充電制御装置。
  2. 請求項1記載のリフレッシュ充電制御装置において、
    前記高速走行判別手段により車両が前記所定車速以上で走行すると判別される状態が所定時間継続するか否かを判別する時間判別手段を備え、
    前記充電制御手段は、前記時間判別手段により前記状態が前記所定時間継続すると判別される場合に、バッテリのリフレッシュ充電を開始することを特徴とするリフレッシュ充電制御装置。
  3. 請求項1又は2記載のリフレッシュ充電制御装置において、
    バッテリが前回に満充電状態になった後の該バッテリの積算電気使用量が所定量以上であるか否かを判別する積算電気使用量判別手段を備え、
    前記充電制御手段は、前記積算電気使用量判別手段により前記積算電気使用量が前記所定量以上であると判別される場合に、バッテリのリフレッシュ充電を開始することを特徴とするリフレッシュ充電制御装置。
  4. 請求項1乃至3の何れか一項記載のリフレッシュ充電制御装置において、
    バッテリが前回に満充電状態になった後の時間を計数する時間計数手段と、
    バッテリが前回に満充電状態になった後の該バッテリの積算電気使用量を計数する積算電気使用量計数手段と、を備え、
    前記充電制御手段は、前記時間計数手段により計数された前記時間と前記積算電気使用量計数手段により計数された前記積算電気使用量とが所定の関係を満たす場合に、バッテリのリフレッシュ充電を開始することを特徴とするリフレッシュ充電制御装置。
  5. 請求項記載のリフレッシュ充電制御装置において、
    前記充電制御手段は、バッテリのリフレッシュ充電を開始した後、前記高速走行判別手段により車両が前記所定車速以上で走行すると判別されなくなった場合にも、所定の条件が成立するまで該リフレッシュ充電を継続することを特徴とするリフレッシュ充電制御装置。
  6. 請求項記載のリフレッシュ充電制御装置において、
    前記所定の条件は、バッテリの放電要求がなされることであることを特徴とするリフレッシュ充電制御装置。
  7. 請求項記載のリフレッシュ充電制御装置において、
    前記所定の条件は、車両が前記所定車速よりも所定値だけ小さい車速以下で走行することであることを特徴とするリフレッシュ充電制御装置。
  8. 請求項1乃至7の何れか一項記載のリフレッシュ充電制御装置において、
    前記充電制御手段は、バッテリのリフレッシュ充電を開始した後、放電要求がなされる場合に該リフレッシュ充電を中断すると共に、放電要求が解除される場合に該リフレッシュ充電を再開することを特徴とするリフレッシュ充電制御装置。
  9. 請求項8記載のリフレッシュ充電制御装置において、
    バッテリのリフレッシュ充電が開始された後の該リフレッシュ充電が行われる積算時間が所定時間以上であるか否かを判別する充電積算時間判別手段を備え、
    前記充電制御手段は、バッテリのリフレッシュ充電を開始した後、前記充電積算時間判別手段により前記積算時間が前記所定時間以上であると判別される場合に、該リフレッシュ充電を終了することを特徴とするリフレッシュ充電制御装置。
  10. 請求項1乃至9の何れか一項記載のリフレッシュ充電制御装置において、
    バッテリのリフレッシュ充電時における充電電圧を、通常充電時におけるものに比して高くする充電電圧変更手段を備えることを特徴とするリフレッシュ充電制御装置。
  11. 請求項10記載のリフレッシュ充電制御装置において、
    前記充電電圧変更手段は、また、バッテリのリフレッシュ充電時における充電電圧を該バッテリの温度に応じて変更することを特徴とするリフレッシュ充電制御装置。
  12. 請求項1乃至11の何れか一項記載のリフレッシュ充電制御装置において、
    バッテリの温度が所定温度以下であるか否かを判別するバッテリ温度判別手段と、
    前記バッテリ温度判別手段によりバッテリの温度が前記所定温度以下であると判別される場合には、リフレッシュ充電の開始前に該バッテリの暖機を行うバッテリ昇温手段と、
    を備えることを特徴とするリフレッシュ充電制御装置。
  13. 請求項12記載のリフレッシュ充電制御装置において、
    前記バッテリ昇温手段は、バッテリを昇温させる加熱手段を作動させることにより或いはバッテリの充放電を繰り返すことにより、該バッテリの暖機を行うことを特徴とするリフレッシュ充電制御装置。
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