JP3839153B2 - 光ピックアップ - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えばガルバノミラーを用いてトラッキング制御を行うと共に、記録媒体の記録面に対して情報の記録及び再生を行うことが可能な光ピックアップに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、例えば特開平6−274928号に開示された光ピックアップは、第1及び第2の記録媒体の記録面に沿って半径方向に移動制御されたピックアップ部と、記録用又は再生用レーザー光を発光可能であると共に、第1及び第2の記録媒体の記録面からの反射光を受光可能な発光受光部とを備えている(第1の従来技術)。
【0003】
この第1の従来技術において、ピックアップ部には、第1及び第2の記録媒体の記録面に対向してそれぞれ配置された2つの第1及び第2の対物レンズと、発光受光部からのレーザー光を第1及び第2の対物レンズのいずれか一方に向けて反射可能であると共に、第1及び第2の対物レンズを介して取り込まれた戻り光(記録面からの反射光)を発光受光部に向けて反射可能な回動式ミラーとが設けられている。
【0004】
このような構成において、まず、第1の対物レンズに向けてレーザー光を反射させるように、回動式ミラーを回動させる。そして、発光受光部から記録用又は再生用レーザー光を出射すると、この記録用又は再生用レーザー光は、光路を切り換えるための回動式ミラーから第1の対物レンズを介して第1の記録媒体の記録面に集光する。この結果、第1の記録媒体の記録面に対する情報の記録及び再生が行われる。次に、第2の対物レンズに向けてレーザー光を反射させるように、光路を切り換えるために回動式ミラーを回動させる。そして、発光受光部から記録用又は再生用レーザー光を出射すると、この記録用又は再生用レーザー光は、回動式ミラーから第2の対物レンズを介して第2の記録媒体の記録面に集光する。この結果、第2の記録媒体の記録面に対する情報の記録及び再生が行われる。
【0005】
また、例えば、小野雄三氏により発表された文献「回折光学を用いた光学系の機能設計と応用」には、発光受光部からのレーザー光を上下方向に2分割させるように、所定位置に固定した屋根型ミラーが開示されており、この屋根型ミラーによって上下2つに分割されたレーザー光を上下に配置した記録媒体に照射させることができるようになっている(第2の従来技術)。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、第1の従来技術では、記録面に対するレーザー光のトラッキング制御を行うためにピックアップ部を半径方向に移動させる駆動機構と共に、更に、光路を切り換えるためにミラーの回動機構を有する回動式ミラーを所定方向に所定量だけ回動させる更なる駆動機構が別途必要であるため、回動式ミラーの装置構成が複雑化してしまうと共に、部品点数が増加して装置が大型化してしまうだけでなく、製造コストが上昇してしまうといった問題がある。
【0007】
また、光路切換時に回動式ミラーを揺動させる必要があるため、回動式ミラーの位置精度や傾き精度が悪化して、記録特性及び再生特性が劣化してしまうといった問題がある。
【0008】
更に、例えば2つの回動式ミラーを夫々の光路に対して配置する場合には、高価で高精度な回動式ミラーが複数必要となるため、装置が重く且つ大型化してしまうといった問題がある。
【0009】
また、第2の従来技術において、屋根型ミラーは、固定されているため、このような光学系を光ピックアップに用いる場合には、トラッキング制御手段が別途必要となる。このため、上記第1の従来技術と同様に、部品点数が増加して装置が大型化してしまうといった問題が生じる。更に、第2の従来技術では、屋根型ミラーを介してレーザー光を2分割しているため、それぞれの記録媒体に照射させるレーザー光の光量が半減し、情報の記録及び再生に充分な光量を有する記録用及び再生用レーザー光を確保することが困難になってしまう場合がある。この場合、情報の記録及び再生に充分な光量を有する記録用及び再生用レーザー光を確保するためには、大きな出力を有するレーザー光源が必要となるため、その結果、装置の製造コストが上昇してしまうといった問題が生じる。
【0010】
本発明は、このような問題を解決するために成されており、その目的は、簡単な構成で記録媒体の記録面に対して充分な光量のレーザー光を集光させ、複数の光路のトラッキング制御が可能な低コストで小型の光ピックアップを提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
このような目的を達成するために、本発明は、光源と、この光源からの光を記録媒体に投射するための光路と、前記記録媒体からの戻り光を受光する受光素子と、前記光路中に位置し且つ反射光を偏向させるガルバノミラーとを有する光ピックアップにおいて、
前記ガルバノミラーは、第1の反射面及び第2の反射面を有し、前記光路は、第1の光路及び第2の光路を有すると共に、前記第1の光路は、前記第1の反射面にて反射され、前記第2の光路は、前記第2の反射面にて反射される。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の第1の実施の形態に係る光ピックアップについて、添付図面を参照して説明する。
図1には、本発明の一例として、光学式の記録媒体の記録及び/又は再生装置の光ピックアップ100の構成が概略的に示されており、図2には、光ピックアップ100がスイングアーム102上に配置されている状態が示されている。
【0013】
図1及び図2に示すように、本実施の形態の光ピックアップ100は、2枚同時にセットされた記録媒体112,112´の記録面112a,112a´に対する情報の記録及び再生を行うことができるように構成されている。
【0014】
このため、光ピックアップ100には、記録用及び再生用レーザー光を出射可能な光源(半導体レーザ)104と、この光源104から出射されたレーザー光をスイングアーム102の揺動先端方向に反射するミラー106と、このミラー106から反射されたレーザー光を記録媒体112,112´のいずれか一方の記録面112a,112a´に向けて選択的に反射し且つ記録面に対するビームスポット位置を調整(トラッキング制御)可能な反射光学系と、この反射光学系から反射されたレーザー光を記録媒体112,112´の記録面112a,112a´に夫々集光させる対物レンズ108,108´とを備えている。
【0015】
なお、対物レンズ108,108´は、夫々、スイングアーム102の揺動先端に設けられており、記録媒体112,112´の各々の記録面112a,112a´に対向配置されている。
【0016】
更に、本実施の形態の光ピックアップ100には、光源104からのレーザー光をミラー106に導光する導光光学系114が設けられており、この導光光学系114は、光源104からのレーザー光を平行光束に変換するコリメーターレンズ116を備えている。
【0017】
本実施の形態において、反射光学系には、光源104からのレーザー光を記録媒体112,112´のいずれか一方の記録面112a,112a´に向けて選択的に反射し且つ記録面112a,112a´に対するビームスポット位置を調整(トラッキング制御)することが可能な2つの反射面301a,301bを有する1つのガルバノミラー300と、光源104からのレーザー光をガルバノミラー300の2つの反射面301a,301bのいずれかに切り換えることが可能な切換光学素子250と、この切換光学素子250からのレーザー光をガルバノミラー300の反射面301bに向けて反射することが可能な反射光学素子252とが設けられている。
【0018】
ガルバノミラー300は、その一例として、両面に2つの反射面301a,301bが形成された平板状のミラー301を有しており、レーザー光を選択的に対物レンズ108,108´のいずれか一方に向けて反射させ且つ記録媒体112,112´の記録面112a,112a´に対するビームスポット位置を調整(トラッキング制御)することができるように、駆動機構によって回動制御されている。
【0019】
ここで、ガルバノミラー300の具体的な構造について、図3を用いて説明する。
図3(a)に示すように、ガルバノミラー300は、2つの反射面301a,301bを両面に備える平板状のミラー301と、これを支持する一対のバネ部720と、これを支持するフレーム部730とを有している。
【0020】
ミラー301とバネ部720とフレーム部730は、シリコン基板をエッチングすることにより、一体的に形成されている。
また、ガルバノミラー300は、ミラー301の周縁部を周回するコイルパターン740と、ミラー301の上下の側端面に間隔を置いて支持された一対のマグネット750を有している。
【0021】
コイルパターン740は、バネ部720を延在した後、給電用パッド742で終端している。コイルパターン740は、図3(b)に示されるように、ミラー301の両面に対して設けられている。例えば、コイルパターン740は、銅パターンであり、これは銅の薄膜をエッチングして形成される。
【0022】
2つのマグネット750は、逆極性の磁極が向き合うようにフレーム部730に固定されており、これらの間にミラー301が位置している。
このようなガルバノミラー300において、給電用パッド742を介したコイルパターン740に電流が供給されると、このコイルパターン740を流れる電流とマグネットとの相互作用によって、ミラー301の周縁部に設けられたコイルパターン740は、そのマグネット750に平行に延びる部分が、その上下で逆向きに、ミラー301の反射面301a,301bに直交する方向に力を受ける。その結果、バネ部720がねじれ、ミラー301の反射面301a,301bがR方向に傾く。
【0023】
ミラー301の反射面301a,301bが傾く量すなわち傾斜角度は、コイルパターン740を流れる電流値に依存して変化する。また、ミラー301の反射面301a,301bが傾く方向は、コイルパターン740を流れる電流の方向に対応している。
【0024】
ガルバノミラー300は、実際にはこの様な構造体であるが、図1及び図2には模式的に描かれている。また、他の実施の形態においても、ガルバノミラーはそれに関する図面には模式的に描かれているが、実際の構造は図3のガルバノミラー300と同じである。
【0025】
また、ガルバノミラー300は、2つの反射面301a,301bの中心760に対して、その全体が面対称な形状を成している。また、ミラー301とコイルパターン740とバネ部720とで構成され、R方向に傾く可動部も中心760に対して対称である。
【0026】
このような構成によれば、2つの反射面301a,301bによって偏向される光の偏向特性(微動トラッキング特性)は同じになる。このため、2つの記録媒体112,112´に対する微動トラッキング特性が等しく且つ安定したサーボ特性が得られる。また、ガルバノミラー300は、1枚のシリコン基板をエッチングすることによって、ミラー301、バネ部720、フレーム部730を一体的に形成しているため、非常に薄形で軽量にできる。
【0027】
また、図1及び図2に示すように、切換光学素子250としては、その一例として、光源104からのレーザー光の光路302をガルバノミラー300の反射面301aに向かわせる光路302aと、ガルバノミラー300から一時回避して反射面301bに向かわせる光路302bとに選択的に切り換えることが可能な回動式平行平板250が適用されており、平行平板250は、駆動機構によって図中矢印方向に回動制御されている。
【0028】
また、反射光学素子252としては、その一例として、平行平板250によってガルバノミラー300から回避する方向に向けられたレーザー光をガルバノミラー300の反射面301bに向けて反射することが可能なプリズム252(例えば、コーナーキューブプリズム、直角プリズムなど)が適用されており、プリズム252は、スイングアーム102の揺動先端に固定されている。
【0029】
このような光ピックアップ100において、コリメーターレンズ116及び対物レンズ108の中心、並びに、ガルバノミラー300及び平行平板250の回動中心は、同一光軸A上に一致している。
【0030】
なお、コリメーターレンズ116とミラー106との間の光路中には、ガルバノミラー300からの戻り光(記録媒体112,112´の記録面112a,112a´から反射した反射光)を受光することによって、トラッキングエラーと記録再生信号とを光学的に検出可能な検出器120が配置されている。
【0031】
検出器120には、ミラー106からの戻り光を反射するビームスプリッタ124と、このビームスプリッタ124から反射された戻り光を受光し、対物レンズ108,108´による光スポットと記録トラックのずれ量に対応した電気信号即ちトラッキング状態検出信号及び記録媒体112,112´からの記録再生信号を出力する受光素子126とが設けられている。
【0032】
また、対物レンズ108,108´は、夫々、スイングアーム102の揺動先端に支持された光学ヘッド128,128´に配置されており、スイングアーム102を回転軸130を中心に揺動させて、スイングアーム102の揺動先端を矢印S方向に揺動させることによって、光学ヘッド128,128´の対物レンズ108,108´を記録媒体112,112´の半径方向に沿って移動させることができるようになっている。
【0033】
このような構成によれば、切換光学素子250の回転角度を切り換えることによって、光路302a又は302bを選択して反射面301a又は301bを選択し、レーザー光を選択的に記録媒体112,112´のいずれか一方の記録面112a,112a´に集光させた状態において、スイングアーム102を回転軸130を中心に揺動させ、光学ヘッド128,128´を記録媒体112,112´の半径方向に沿って移動させることによって、記録媒体112,112´のいずれか一方の記録面に対するレーザー光のスポット位置が粗動調整(粗動トラッキング制御)される。同時に、ガルバノミラー300をR方向に微動回動させることによって、いずれか一方の記録媒体112,112´の記録面に対するレーザー光のスポット位置が微動調整(微動トラッキング制御)される。
【0034】
そして、このような粗動及び微動トラッキング制御が行われている間、光源104から出射されたレーザー光は、導光光学系114を介してミラー106から反射光学系に導光された後、この反射光学系のガルバノミラー300を介して選択的に光学ヘッド128,128´の対物レンズ108,108´に向けられることによって、いずれか一方の記録媒体112,112´の記録面112a,112a´に形成されたトラックに集光する。この結果、いずれか一方の記録媒体112,112´の記録面112a,112a´に対する情報の光学的記録又は光学的再生が選択的に行われる。
【0035】
具体的には、記録媒体112の記録面112aに対する情報の光学的記録又は光学的再生を行う場合、光源104からのレーザー光を光路302aに向かわせるように平行平板250を光路302に対して垂直に位置付けて、平行平板250からのレーザー光がガルバノミラー300の反射面301aに対面するようにする。この結果、光源104からのレーザー光は、平行平板250によってガルバノミラー300の反射面301aに照射された後、垂直に反射し、対物レンズ108を介して記録媒体112の記録面112aに集光される。
【0036】
一方、記録媒体112´の記録面112a´に対する情報の光学的記録又は光学的再生を行う場合、光源104からのレーザー光を光路302bに向かわせてガルバノミラー300の側方を通過するように、平行平板250を光路302b側に傾けると共に、ガルバノミラー300の反射面301bがプリズム252に対面するようにガルバノミラー300を回動制御する。この結果、光源104からのレーザー光は、平行平板250によってガルバノミラー300の側方を通る光路302bを進んだ後、プリズム252により180°向きを変えられ、ガルバノミラー300の反射面301bに照射される。そして、レーザー光は、この反射面301bから垂直に反射した後、対物レンズ108´を介して記録媒体112´の記録面112a´に集光される。
【0037】
そして、上記いずれの状態においても、更に、ガルバノミラー300のミラー301を軸Rの回りに微動回動することによって、各々の記録媒体112,112´の記録面112a,112a´に対するビームスポット位置の調整(微動トラッキング制御)が行われ、この結果、記録面に形成されたトラックに対してレーザー光が正確に集光する。
【0038】
本実施の形態によれば、平行平板250を回動制御することによって光路302a又は302bを選択し、その状態でガルバノミラー300のミラー301を軸Rの回りに微動回動させるだけで、レーザー光を選択的にいずれか一方の対物レンズ108,108´を介して記録媒体112,112´の記録面112a,112a´に集光させると共に、その記録面に対するビームスポット位置の調整(トラッキング制御)を行うことができる。
【0039】
このような2つの光路302a,302bの選択は、平行平板250を傾けることによって行われ、傾いた平行平板250に入射する光は、平行平板250の傾き角度や屈折率及び長さにより決まる値だけ平行移動して平行平板250から出射する。
【0040】
この場合、平行平板250を2つの値に傾けるだけなので、高帯域のサーボ特性が必要なガルバノミラー300に比べて、平行平板250は低い特性で良い。また、平行平板250の傾き誤差は、光路302bの平行移動量に影響するだけであり、光路302bの傾きには影響を与えないため、光学特性に与える影響は小さい。
【0041】
ここで、平行平板250を傾けるための駆動機構について、図4を参照して説明する。
図4に示すように、平行平板250は、光源104(図1及び図2参照)からの光路302中に常時位置付けられるように、図4(b)中矢印方向に弾性変形自在な弾性部材802を介してフレーム800に支持されている。そして、この平行平板250の下方側には、この平行平板250の回動中心M(図4(a)参照)に対して略扇形状に延出したコイル804と、このコイル804に隣接して配置された一対の磁石806,808とが設けられている。なお、一対の磁石806,808は、コイル804に対面する磁極が相互に逆極になっている。
【0042】
このような駆動機構において、コイル804に流す電流の向きを変えることによって、平行平板250を光路302に対して水平方向両側に所定角度α,α´だけ選択的に傾けることができる(図4(b)参照)。
【0043】
例えば、光源104からの光路302に対して、平行平板250及びプリズム252やガルバノミラー300が、図4(a)に示すような位置関係に配置されているとする。
【0044】
この場合において、コイル804に流す電流の向きを変えることによって、平行平板250に入射した光路302は、平行平板250の傾き角度α,α´や屈折率及び長さLに対応して、光路302に対して例えば距離dだけ平行移動した光路302a,302bとなって平行平板250から出射する。
【0045】
このとき、傾いた平行平板250によって光路302が光路302aに切り換えられた場合、光路302aは、ガルバノミラー300の反射面301a(図1及び図2参照)に対面する。この結果、上述したように(図1及び図2参照)、光路302aを進んだレーザー光は、ガルバノミラー300の反射面301aから対物レンズ108を介して記録媒体112の記録面112aに集光される。
【0046】
一方、傾いた平行平板250によって光路302が光路302bに切り換えられた場合、光路302bは、ガルバノミラー300の側方を通過した後、プリズム252を介してガルバノミラー300の反射面301b(図1及び図2参照)に対面する。この結果、上述したように(図1及び図2参照)、光路302bを進んだレーザー光は、ガルバノミラー300の側方を通過した後、プリズム252を介してガルバノミラー300の反射面301bに照射され、この反射面301bから対物レンズ108´を介して記録媒体112´の記録面112a´に集光される。
【0047】
また、ガルバノミラー300によって光源104からのレーザー光を2方向に振り分けるように構成したため、光源104からのレーザー光をそのまま用いた情報の記録及び再生を行うことができる。このため、従来のようにレーザー光の光量が半減してしまうようなことは無く、例えば低い出力の光源を用いた場合でも、常に、充分な光量を有する記録用及び再生用レーザー光を確保することが可能となる。更に、光源104の出力が低くても良いため、光源104の寿命が長く且つ信頼性を得ることができる。
【0048】
また、ガルバノミラー300は、微動トラッキング制御のために高いサーボ帯域特性と高い駆動感度が必要であり高価であるが、本実施の形態のように、1つのガルバノミラー300に2つの反射面301a,301bを設けて2つの光路302a,302bに対応できるように構成したことによって、高価なガルバノミラー300が1つで良くなるため、低価格な光ピックアップが得られる。
【0049】
更に、スイングアーム102は、粗動トラッキング制御を効率良く円滑に行うために、その慣性モーメントが小さく且つ共振周波数が高いことが好ましい。このため、特にスイングアーム102の先端部にある対物レンズ108,108´付近の質量を小さくすることが必要である。
【0050】
本実施の形態では、対物レンズ108,108´付近には、1つのガルバノミラー300だけが配置されており、このガルバノミラー300自体を回転させるための駆動機構が不要となっている。このため、スイングアーム102の先端部にある対物レンズ108,108´付近の質量を小さくすることができる。
【0051】
このように本実施の形態によれば、簡単な構成で複数の記録媒体112,112´の記録面に対して充分な光量のレーザー光を集光させることが可能な低コストで小型の光ピックアップ100を提供することができる。
【0052】
また、光学ヘッド128,128´に半球型レンズ(固体浸漬レンズ)及び磁気コイルを夫々増設し、対物レンズ108,108´からの集束光を半球型レンズで更に絞り込むことによって、記録媒体(例えば、光磁気ディスク)112,112´の記録面112a,112a´に集光するレーザー光のスポット径を更に小さくすると共に、回転させた記録媒体112,112´と光学ヘッド128,128´の間に作用する空力的揚力によって、光学ヘッド128,128´を記録媒体112,112´の記録面から僅かに浮かせるように構成しても良い。このような技術の組み合わせによって、フォーカス制御を行うこと無く、レーザー光のスポット径を更に小さくでき、記録媒体112,112´の記録面に対する記録密度を向上させることが可能となる。
【0053】
なお、本発明は、上述した実施の形態に限定されることはなく、以下のように種々変更することが可能である。
第1の変形例として、例えば図5(a)に示すように、ガルバノミラー300の回動方向を図1及び図2に示された方向に対して直交する方向に設定しても上記実施の形態と同様の作用効果を実現することができる。この場合には、キャリッジ310は、トラッキング方向Dtにリニア駆動される。
【0054】
第2の変形例として、例えば図5(b)に示すように、透明部材の一方の面に反射面301aのみが形成されたガルバノミラー300を適用しても良い。
この場合、平行平板250によってガルバノミラー300に向けられたレーザー光は、その反射面301aから反射した後、対物レンズ108を介して記録媒体112の記録面に集光される。一方、平行平板250によってガルバノミラー300から回避する方向に射出されたレーザー光は、プリズム252を介してガルバノミラー300の他方の面301bから透明部材内に導入された後、反射面301aから透明部材を介して対物レンズ108´方向へ反射する。そして、この対物レンズ108´を介して記録媒体112の記録面に集光される。
【0055】
更に、第3の変形例として、両面に反射面が形成されたガルバノミラー300を適用しても上記実施の形態並びに第1及び第2の変形例と同様の作用効果を実現することができる。
【0056】
また、上記実施の形態では、光ピックアップ100をスイングアーム102上に配置した例について説明したが、これに限定されることは無く、例えば、プリズム252並びにガルバノミラー300及び光学ヘッド128,128´を記録媒体112,112´の半径方向に沿って移動させるように構成すると共に、これら以外の光学系構成品を固定しても良い。
【0057】
この変形例によれば、プリズム252並びにガルバノミラー300及び光学ヘッド128,128´を記録媒体112,112´の半径方向に沿って移動させることによって、記録媒体112,112´のいずれか一方の記録面に対するレーザー光のスポット位置が粗動調整(粗動トラッキング制御)され、同時に、ガルバノミラー300を微動回動させることによって、いずれか一方の記録媒体112,112´の記録面に対するレーザー光のスポット位置が微動調整(微動トラッキング制御)される。
【0058】
次に、本発明の第2の実施の形態に係る光ピックアップについて、図6を参照して説明する。なお、本実施の形態の説明に際し、第1の実施の形態と同一の構成には、同一符号を付して、その説明を省略する。
【0059】
図6に示すように、本実施の形態の光ピックアップは、スイングアーム102の回転軸130近傍に配置した薄板状の回動ミラー401によって、光源104からの光路302を2つの光路302a,302bに選択的に切り換えるように構成されている。
【0060】
具体的には、回動ミラー401の軸P回りの回転角度を2通りに変化させることによって、回動ミラー401からの反射光を傾けて光路302a又は302bへ選択的に反射する。
【0061】
本実施の形態に適用した回動ミラー401は、その傾きを2通りに切り換える機能を有していれば良く、高いサーボ特性や高い駆動感度は不要である。
また、本実施の形態の光ピックアップには、ガルバノミラー300に対面し、且つ、トラッキング方向(記録媒体112,112´(図1及び図2参照)の半径方向)に沿って位置付けられた一対のミラー310,310´が設けられている。
【0062】
このような構成において、回動ミラー401から反射されたレーザー光は、ミラー310,310´のいずれか一方に選択的に入射する。
具体的には、回動ミラー401から反射して光路302aを進んだレーザー光は、ミラー310´から反射した後、ガルバノミラー300の反射面301aから対物レンズ108を介して記録媒体112の記録面112aに集光する。
【0063】
一方、回動ミラー401から反射して光路302bを進んだレーザー光は、ミラー310から反射した後、ガルバノミラー300の反射面301bから対物レンズ108´を介して記録媒体112´の記録面112a´に集光する。
【0064】
そして、夫々の記録面112a,112a´にレーザー光を集光した状態において、ガルバノミラー300のミラー301をR方向に微動回動させることによって、第1の実施の形態と同様の微動トラッキング制御が行われる。
【0065】
なお、第1の実施の形態に対して本実施の形態では、ガルバノミラー300の向きが90°異なっており、ガルバノミラー300の2つの反射面301a,301bには、トラッキング方向からレーザー光が入射するようになっている。また、ガルバノミラー300の回転軸は、記録媒体112,112´と平行方向に延出し且つ向きR方向に回動する。
【0066】
このように本実施の形態によれば、光路切換が回動ミラー401で行われるため、高速の切換が可能になると共に、薄板でコンパクトな回動ミラー401を適用することもできるため、スイングアーム102の厚さ寸法を小さくすることができる。
【0067】
また、回動ミラー401をスイングアーム102の回転軸130の近くに配置したことによって、スイングアーム102の慣性モーメントを小さくでき、スイングアーム102の駆動感度を高くすることができる。
【0068】
また、光源104から2つの対物レンズ108,108´までの光路長を等しくすることができるため、記録媒体112,112´の記録再生特性を等しくすることができる。
【0069】
更に、ガルバノミラー300は、通常、そのバネ等の支持部材が回転軸方向に延在するため、回転軸方向の寸法が大きくなるが、本実施の形態では、ガルバノミラー300の回転軸を記録媒体112,112´と平行方向に配置した。この結果、光ピックアップの厚さ寸法を薄くすることができるため、記録再生装置全体を薄型に構成することが可能となる。
【0070】
なお、本明細書中には、以下の発明が含まれる。
1. 光源と、この光源からの光を記録媒体に投射するための光路と、前記記録媒体からの戻り光を受光する受光素子と、前記光路中に位置し且つ反射光を偏向させるガルバノミラーとを有する光ピックアップにおいて、
前記ガルバノミラーは、第1の反射面及び第2の反射面を有し、前記光路は、第1の光路及び第2の光路を有すると共に、前記第1の光路は、前記第1の反射面にて反射され、前記第2の光路は、前記第2の反射面にて反射されることを特徴とする光ピックアップ。
(作用効果)
ガルバノミラーに反射面を2面設けて、夫々の反射面に別の光を反射させて偏向するように構成したため、ガルバノミラーが1つでも2つの光路の偏向が可能となり、ガルバノミラーの数を少なくした小型で軽量の光ピックアップを実現することができる。また、2つの光路に対して1つのガルバノミラーを回転移動させるための構成が不要となるため、ガルバノミラーの周辺部の構成を軽量化することができる。
【0071】
2. 前記ガルバノミラーは、平板状のミラーを有し、このミラーの両面に前記第1の反射面と前記第2の反射面とが形成されていることを特徴とする上記1に記載の光ピックアップ。
(作用効果)
平板状のミラーの両面に反射面を形成したことによって、ミラーが薄くでき、この結果、ガルバノミラーの可動部を薄型に構成することができる。
【0072】
3. 前記ガルバノミラーは、前記第1の反射面及び前記第2の反射面の中心に対して、略面対称な形状であることを特徴とする上記1に記載の光ピックアップ。
(作用効果)
ガルバノミラーを2つの反射面に対して略面対称な形状にしたことによって、2つの反射面に対するガルバノミラーの特性や構成を等しくできる。
【0073】
4. 前記記録媒体は、第1の記録面及び第2の記録面を有し、前記第1の光路は、前記第1の記録面に光を投射するための光路であり、前記第2の光路は、前記第2の記録面に光を投射するための光路であることを特徴とする上記1に記載の光ピックアップ。
(作用効果)
1つのガルバノミラーで複数の記録面に対応できるため、小型で軽量の光ピックアップを実現することができる。
【0074】
5. 前記第1の光路と前記第2の光路を選択する選択手段を備えていることを特徴とする上記4に記載の光ピックアップ。
(作用効果)
光路を分割するのでは無く、いずれか一方の光路を選択するようにしたことによって、光量損失が無く、光源の出射光が少なくて済むため光源の寿命が長く且つ信頼性の高い光ピックアップを実現することができる。
【0075】
6. 前記第1の反射面と前記第2の反射面は、夫々、前記記録媒体の記録トラック方向に向いていることを特徴とする上記1に記載の光ピックアップ。
7. 前記第1の反射面と前記第2の反射面は、夫々、前記記録媒体の記録トラックと略直交する方向に向いていることを特徴とする上記1に記載の光ピックアップ。
【0076】
【発明の効果】
本発明によれば、簡単な構成で記録媒体の記録面に対して充分な光量のレーザー光を集光させ、複数の光路のトラッキング制御が可能な低コストで小型の光ピックアップを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る光ピックアップの構成を示す図。
【図2】本発明の光ピックアップがスイングアーム上に配置されている状態を示す斜視図。
【図3】(a)は、本発明の光ピックアップに設けられたガルバノミラーの構成を示す斜視図、(b)は、同図(a)のb−b線に沿う断面図。
【図4】(a)は、本発明の光ピックアップに設けられた平行平板を回動させることによって、光路を切り換えている状態を示す図、(b)は、平行平板の駆動機構の構成を示す斜視図。
【図5】(a)は、本発明の第1の変形例に適用したガルバノミラーの回動状態を示す斜視図、(b)は、本発明の第2の変形例に適用したガルバノミラーの回動状態を示す斜視図。
【図6】本発明の第2の実施の形態に係る光ピックアップの構成を示す斜視図。
【符号の説明】
104 光源
112,112´ 記録媒体
300 ガルバノミラー
301a,301b ガルバノミラーの反射面
302a、302b 光路
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えばガルバノミラーを用いてトラッキング制御を行うと共に、記録媒体の記録面に対して情報の記録及び再生を行うことが可能な光ピックアップに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、例えば特開平6−274928号に開示された光ピックアップは、第1及び第2の記録媒体の記録面に沿って半径方向に移動制御されたピックアップ部と、記録用又は再生用レーザー光を発光可能であると共に、第1及び第2の記録媒体の記録面からの反射光を受光可能な発光受光部とを備えている(第1の従来技術)。
【0003】
この第1の従来技術において、ピックアップ部には、第1及び第2の記録媒体の記録面に対向してそれぞれ配置された2つの第1及び第2の対物レンズと、発光受光部からのレーザー光を第1及び第2の対物レンズのいずれか一方に向けて反射可能であると共に、第1及び第2の対物レンズを介して取り込まれた戻り光(記録面からの反射光)を発光受光部に向けて反射可能な回動式ミラーとが設けられている。
【0004】
このような構成において、まず、第1の対物レンズに向けてレーザー光を反射させるように、回動式ミラーを回動させる。そして、発光受光部から記録用又は再生用レーザー光を出射すると、この記録用又は再生用レーザー光は、光路を切り換えるための回動式ミラーから第1の対物レンズを介して第1の記録媒体の記録面に集光する。この結果、第1の記録媒体の記録面に対する情報の記録及び再生が行われる。次に、第2の対物レンズに向けてレーザー光を反射させるように、光路を切り換えるために回動式ミラーを回動させる。そして、発光受光部から記録用又は再生用レーザー光を出射すると、この記録用又は再生用レーザー光は、回動式ミラーから第2の対物レンズを介して第2の記録媒体の記録面に集光する。この結果、第2の記録媒体の記録面に対する情報の記録及び再生が行われる。
【0005】
また、例えば、小野雄三氏により発表された文献「回折光学を用いた光学系の機能設計と応用」には、発光受光部からのレーザー光を上下方向に2分割させるように、所定位置に固定した屋根型ミラーが開示されており、この屋根型ミラーによって上下2つに分割されたレーザー光を上下に配置した記録媒体に照射させることができるようになっている(第2の従来技術)。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、第1の従来技術では、記録面に対するレーザー光のトラッキング制御を行うためにピックアップ部を半径方向に移動させる駆動機構と共に、更に、光路を切り換えるためにミラーの回動機構を有する回動式ミラーを所定方向に所定量だけ回動させる更なる駆動機構が別途必要であるため、回動式ミラーの装置構成が複雑化してしまうと共に、部品点数が増加して装置が大型化してしまうだけでなく、製造コストが上昇してしまうといった問題がある。
【0007】
また、光路切換時に回動式ミラーを揺動させる必要があるため、回動式ミラーの位置精度や傾き精度が悪化して、記録特性及び再生特性が劣化してしまうといった問題がある。
【0008】
更に、例えば2つの回動式ミラーを夫々の光路に対して配置する場合には、高価で高精度な回動式ミラーが複数必要となるため、装置が重く且つ大型化してしまうといった問題がある。
【0009】
また、第2の従来技術において、屋根型ミラーは、固定されているため、このような光学系を光ピックアップに用いる場合には、トラッキング制御手段が別途必要となる。このため、上記第1の従来技術と同様に、部品点数が増加して装置が大型化してしまうといった問題が生じる。更に、第2の従来技術では、屋根型ミラーを介してレーザー光を2分割しているため、それぞれの記録媒体に照射させるレーザー光の光量が半減し、情報の記録及び再生に充分な光量を有する記録用及び再生用レーザー光を確保することが困難になってしまう場合がある。この場合、情報の記録及び再生に充分な光量を有する記録用及び再生用レーザー光を確保するためには、大きな出力を有するレーザー光源が必要となるため、その結果、装置の製造コストが上昇してしまうといった問題が生じる。
【0010】
本発明は、このような問題を解決するために成されており、その目的は、簡単な構成で記録媒体の記録面に対して充分な光量のレーザー光を集光させ、複数の光路のトラッキング制御が可能な低コストで小型の光ピックアップを提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
このような目的を達成するために、本発明は、光源と、この光源からの光を記録媒体に投射するための光路と、前記記録媒体からの戻り光を受光する受光素子と、前記光路中に位置し且つ反射光を偏向させるガルバノミラーとを有する光ピックアップにおいて、
前記ガルバノミラーは、第1の反射面及び第2の反射面を有し、前記光路は、第1の光路及び第2の光路を有すると共に、前記第1の光路は、前記第1の反射面にて反射され、前記第2の光路は、前記第2の反射面にて反射される。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の第1の実施の形態に係る光ピックアップについて、添付図面を参照して説明する。
図1には、本発明の一例として、光学式の記録媒体の記録及び/又は再生装置の光ピックアップ100の構成が概略的に示されており、図2には、光ピックアップ100がスイングアーム102上に配置されている状態が示されている。
【0013】
図1及び図2に示すように、本実施の形態の光ピックアップ100は、2枚同時にセットされた記録媒体112,112´の記録面112a,112a´に対する情報の記録及び再生を行うことができるように構成されている。
【0014】
このため、光ピックアップ100には、記録用及び再生用レーザー光を出射可能な光源(半導体レーザ)104と、この光源104から出射されたレーザー光をスイングアーム102の揺動先端方向に反射するミラー106と、このミラー106から反射されたレーザー光を記録媒体112,112´のいずれか一方の記録面112a,112a´に向けて選択的に反射し且つ記録面に対するビームスポット位置を調整(トラッキング制御)可能な反射光学系と、この反射光学系から反射されたレーザー光を記録媒体112,112´の記録面112a,112a´に夫々集光させる対物レンズ108,108´とを備えている。
【0015】
なお、対物レンズ108,108´は、夫々、スイングアーム102の揺動先端に設けられており、記録媒体112,112´の各々の記録面112a,112a´に対向配置されている。
【0016】
更に、本実施の形態の光ピックアップ100には、光源104からのレーザー光をミラー106に導光する導光光学系114が設けられており、この導光光学系114は、光源104からのレーザー光を平行光束に変換するコリメーターレンズ116を備えている。
【0017】
本実施の形態において、反射光学系には、光源104からのレーザー光を記録媒体112,112´のいずれか一方の記録面112a,112a´に向けて選択的に反射し且つ記録面112a,112a´に対するビームスポット位置を調整(トラッキング制御)することが可能な2つの反射面301a,301bを有する1つのガルバノミラー300と、光源104からのレーザー光をガルバノミラー300の2つの反射面301a,301bのいずれかに切り換えることが可能な切換光学素子250と、この切換光学素子250からのレーザー光をガルバノミラー300の反射面301bに向けて反射することが可能な反射光学素子252とが設けられている。
【0018】
ガルバノミラー300は、その一例として、両面に2つの反射面301a,301bが形成された平板状のミラー301を有しており、レーザー光を選択的に対物レンズ108,108´のいずれか一方に向けて反射させ且つ記録媒体112,112´の記録面112a,112a´に対するビームスポット位置を調整(トラッキング制御)することができるように、駆動機構によって回動制御されている。
【0019】
ここで、ガルバノミラー300の具体的な構造について、図3を用いて説明する。
図3(a)に示すように、ガルバノミラー300は、2つの反射面301a,301bを両面に備える平板状のミラー301と、これを支持する一対のバネ部720と、これを支持するフレーム部730とを有している。
【0020】
ミラー301とバネ部720とフレーム部730は、シリコン基板をエッチングすることにより、一体的に形成されている。
また、ガルバノミラー300は、ミラー301の周縁部を周回するコイルパターン740と、ミラー301の上下の側端面に間隔を置いて支持された一対のマグネット750を有している。
【0021】
コイルパターン740は、バネ部720を延在した後、給電用パッド742で終端している。コイルパターン740は、図3(b)に示されるように、ミラー301の両面に対して設けられている。例えば、コイルパターン740は、銅パターンであり、これは銅の薄膜をエッチングして形成される。
【0022】
2つのマグネット750は、逆極性の磁極が向き合うようにフレーム部730に固定されており、これらの間にミラー301が位置している。
このようなガルバノミラー300において、給電用パッド742を介したコイルパターン740に電流が供給されると、このコイルパターン740を流れる電流とマグネットとの相互作用によって、ミラー301の周縁部に設けられたコイルパターン740は、そのマグネット750に平行に延びる部分が、その上下で逆向きに、ミラー301の反射面301a,301bに直交する方向に力を受ける。その結果、バネ部720がねじれ、ミラー301の反射面301a,301bがR方向に傾く。
【0023】
ミラー301の反射面301a,301bが傾く量すなわち傾斜角度は、コイルパターン740を流れる電流値に依存して変化する。また、ミラー301の反射面301a,301bが傾く方向は、コイルパターン740を流れる電流の方向に対応している。
【0024】
ガルバノミラー300は、実際にはこの様な構造体であるが、図1及び図2には模式的に描かれている。また、他の実施の形態においても、ガルバノミラーはそれに関する図面には模式的に描かれているが、実際の構造は図3のガルバノミラー300と同じである。
【0025】
また、ガルバノミラー300は、2つの反射面301a,301bの中心760に対して、その全体が面対称な形状を成している。また、ミラー301とコイルパターン740とバネ部720とで構成され、R方向に傾く可動部も中心760に対して対称である。
【0026】
このような構成によれば、2つの反射面301a,301bによって偏向される光の偏向特性(微動トラッキング特性)は同じになる。このため、2つの記録媒体112,112´に対する微動トラッキング特性が等しく且つ安定したサーボ特性が得られる。また、ガルバノミラー300は、1枚のシリコン基板をエッチングすることによって、ミラー301、バネ部720、フレーム部730を一体的に形成しているため、非常に薄形で軽量にできる。
【0027】
また、図1及び図2に示すように、切換光学素子250としては、その一例として、光源104からのレーザー光の光路302をガルバノミラー300の反射面301aに向かわせる光路302aと、ガルバノミラー300から一時回避して反射面301bに向かわせる光路302bとに選択的に切り換えることが可能な回動式平行平板250が適用されており、平行平板250は、駆動機構によって図中矢印方向に回動制御されている。
【0028】
また、反射光学素子252としては、その一例として、平行平板250によってガルバノミラー300から回避する方向に向けられたレーザー光をガルバノミラー300の反射面301bに向けて反射することが可能なプリズム252(例えば、コーナーキューブプリズム、直角プリズムなど)が適用されており、プリズム252は、スイングアーム102の揺動先端に固定されている。
【0029】
このような光ピックアップ100において、コリメーターレンズ116及び対物レンズ108の中心、並びに、ガルバノミラー300及び平行平板250の回動中心は、同一光軸A上に一致している。
【0030】
なお、コリメーターレンズ116とミラー106との間の光路中には、ガルバノミラー300からの戻り光(記録媒体112,112´の記録面112a,112a´から反射した反射光)を受光することによって、トラッキングエラーと記録再生信号とを光学的に検出可能な検出器120が配置されている。
【0031】
検出器120には、ミラー106からの戻り光を反射するビームスプリッタ124と、このビームスプリッタ124から反射された戻り光を受光し、対物レンズ108,108´による光スポットと記録トラックのずれ量に対応した電気信号即ちトラッキング状態検出信号及び記録媒体112,112´からの記録再生信号を出力する受光素子126とが設けられている。
【0032】
また、対物レンズ108,108´は、夫々、スイングアーム102の揺動先端に支持された光学ヘッド128,128´に配置されており、スイングアーム102を回転軸130を中心に揺動させて、スイングアーム102の揺動先端を矢印S方向に揺動させることによって、光学ヘッド128,128´の対物レンズ108,108´を記録媒体112,112´の半径方向に沿って移動させることができるようになっている。
【0033】
このような構成によれば、切換光学素子250の回転角度を切り換えることによって、光路302a又は302bを選択して反射面301a又は301bを選択し、レーザー光を選択的に記録媒体112,112´のいずれか一方の記録面112a,112a´に集光させた状態において、スイングアーム102を回転軸130を中心に揺動させ、光学ヘッド128,128´を記録媒体112,112´の半径方向に沿って移動させることによって、記録媒体112,112´のいずれか一方の記録面に対するレーザー光のスポット位置が粗動調整(粗動トラッキング制御)される。同時に、ガルバノミラー300をR方向に微動回動させることによって、いずれか一方の記録媒体112,112´の記録面に対するレーザー光のスポット位置が微動調整(微動トラッキング制御)される。
【0034】
そして、このような粗動及び微動トラッキング制御が行われている間、光源104から出射されたレーザー光は、導光光学系114を介してミラー106から反射光学系に導光された後、この反射光学系のガルバノミラー300を介して選択的に光学ヘッド128,128´の対物レンズ108,108´に向けられることによって、いずれか一方の記録媒体112,112´の記録面112a,112a´に形成されたトラックに集光する。この結果、いずれか一方の記録媒体112,112´の記録面112a,112a´に対する情報の光学的記録又は光学的再生が選択的に行われる。
【0035】
具体的には、記録媒体112の記録面112aに対する情報の光学的記録又は光学的再生を行う場合、光源104からのレーザー光を光路302aに向かわせるように平行平板250を光路302に対して垂直に位置付けて、平行平板250からのレーザー光がガルバノミラー300の反射面301aに対面するようにする。この結果、光源104からのレーザー光は、平行平板250によってガルバノミラー300の反射面301aに照射された後、垂直に反射し、対物レンズ108を介して記録媒体112の記録面112aに集光される。
【0036】
一方、記録媒体112´の記録面112a´に対する情報の光学的記録又は光学的再生を行う場合、光源104からのレーザー光を光路302bに向かわせてガルバノミラー300の側方を通過するように、平行平板250を光路302b側に傾けると共に、ガルバノミラー300の反射面301bがプリズム252に対面するようにガルバノミラー300を回動制御する。この結果、光源104からのレーザー光は、平行平板250によってガルバノミラー300の側方を通る光路302bを進んだ後、プリズム252により180°向きを変えられ、ガルバノミラー300の反射面301bに照射される。そして、レーザー光は、この反射面301bから垂直に反射した後、対物レンズ108´を介して記録媒体112´の記録面112a´に集光される。
【0037】
そして、上記いずれの状態においても、更に、ガルバノミラー300のミラー301を軸Rの回りに微動回動することによって、各々の記録媒体112,112´の記録面112a,112a´に対するビームスポット位置の調整(微動トラッキング制御)が行われ、この結果、記録面に形成されたトラックに対してレーザー光が正確に集光する。
【0038】
本実施の形態によれば、平行平板250を回動制御することによって光路302a又は302bを選択し、その状態でガルバノミラー300のミラー301を軸Rの回りに微動回動させるだけで、レーザー光を選択的にいずれか一方の対物レンズ108,108´を介して記録媒体112,112´の記録面112a,112a´に集光させると共に、その記録面に対するビームスポット位置の調整(トラッキング制御)を行うことができる。
【0039】
このような2つの光路302a,302bの選択は、平行平板250を傾けることによって行われ、傾いた平行平板250に入射する光は、平行平板250の傾き角度や屈折率及び長さにより決まる値だけ平行移動して平行平板250から出射する。
【0040】
この場合、平行平板250を2つの値に傾けるだけなので、高帯域のサーボ特性が必要なガルバノミラー300に比べて、平行平板250は低い特性で良い。また、平行平板250の傾き誤差は、光路302bの平行移動量に影響するだけであり、光路302bの傾きには影響を与えないため、光学特性に与える影響は小さい。
【0041】
ここで、平行平板250を傾けるための駆動機構について、図4を参照して説明する。
図4に示すように、平行平板250は、光源104(図1及び図2参照)からの光路302中に常時位置付けられるように、図4(b)中矢印方向に弾性変形自在な弾性部材802を介してフレーム800に支持されている。そして、この平行平板250の下方側には、この平行平板250の回動中心M(図4(a)参照)に対して略扇形状に延出したコイル804と、このコイル804に隣接して配置された一対の磁石806,808とが設けられている。なお、一対の磁石806,808は、コイル804に対面する磁極が相互に逆極になっている。
【0042】
このような駆動機構において、コイル804に流す電流の向きを変えることによって、平行平板250を光路302に対して水平方向両側に所定角度α,α´だけ選択的に傾けることができる(図4(b)参照)。
【0043】
例えば、光源104からの光路302に対して、平行平板250及びプリズム252やガルバノミラー300が、図4(a)に示すような位置関係に配置されているとする。
【0044】
この場合において、コイル804に流す電流の向きを変えることによって、平行平板250に入射した光路302は、平行平板250の傾き角度α,α´や屈折率及び長さLに対応して、光路302に対して例えば距離dだけ平行移動した光路302a,302bとなって平行平板250から出射する。
【0045】
このとき、傾いた平行平板250によって光路302が光路302aに切り換えられた場合、光路302aは、ガルバノミラー300の反射面301a(図1及び図2参照)に対面する。この結果、上述したように(図1及び図2参照)、光路302aを進んだレーザー光は、ガルバノミラー300の反射面301aから対物レンズ108を介して記録媒体112の記録面112aに集光される。
【0046】
一方、傾いた平行平板250によって光路302が光路302bに切り換えられた場合、光路302bは、ガルバノミラー300の側方を通過した後、プリズム252を介してガルバノミラー300の反射面301b(図1及び図2参照)に対面する。この結果、上述したように(図1及び図2参照)、光路302bを進んだレーザー光は、ガルバノミラー300の側方を通過した後、プリズム252を介してガルバノミラー300の反射面301bに照射され、この反射面301bから対物レンズ108´を介して記録媒体112´の記録面112a´に集光される。
【0047】
また、ガルバノミラー300によって光源104からのレーザー光を2方向に振り分けるように構成したため、光源104からのレーザー光をそのまま用いた情報の記録及び再生を行うことができる。このため、従来のようにレーザー光の光量が半減してしまうようなことは無く、例えば低い出力の光源を用いた場合でも、常に、充分な光量を有する記録用及び再生用レーザー光を確保することが可能となる。更に、光源104の出力が低くても良いため、光源104の寿命が長く且つ信頼性を得ることができる。
【0048】
また、ガルバノミラー300は、微動トラッキング制御のために高いサーボ帯域特性と高い駆動感度が必要であり高価であるが、本実施の形態のように、1つのガルバノミラー300に2つの反射面301a,301bを設けて2つの光路302a,302bに対応できるように構成したことによって、高価なガルバノミラー300が1つで良くなるため、低価格な光ピックアップが得られる。
【0049】
更に、スイングアーム102は、粗動トラッキング制御を効率良く円滑に行うために、その慣性モーメントが小さく且つ共振周波数が高いことが好ましい。このため、特にスイングアーム102の先端部にある対物レンズ108,108´付近の質量を小さくすることが必要である。
【0050】
本実施の形態では、対物レンズ108,108´付近には、1つのガルバノミラー300だけが配置されており、このガルバノミラー300自体を回転させるための駆動機構が不要となっている。このため、スイングアーム102の先端部にある対物レンズ108,108´付近の質量を小さくすることができる。
【0051】
このように本実施の形態によれば、簡単な構成で複数の記録媒体112,112´の記録面に対して充分な光量のレーザー光を集光させることが可能な低コストで小型の光ピックアップ100を提供することができる。
【0052】
また、光学ヘッド128,128´に半球型レンズ(固体浸漬レンズ)及び磁気コイルを夫々増設し、対物レンズ108,108´からの集束光を半球型レンズで更に絞り込むことによって、記録媒体(例えば、光磁気ディスク)112,112´の記録面112a,112a´に集光するレーザー光のスポット径を更に小さくすると共に、回転させた記録媒体112,112´と光学ヘッド128,128´の間に作用する空力的揚力によって、光学ヘッド128,128´を記録媒体112,112´の記録面から僅かに浮かせるように構成しても良い。このような技術の組み合わせによって、フォーカス制御を行うこと無く、レーザー光のスポット径を更に小さくでき、記録媒体112,112´の記録面に対する記録密度を向上させることが可能となる。
【0053】
なお、本発明は、上述した実施の形態に限定されることはなく、以下のように種々変更することが可能である。
第1の変形例として、例えば図5(a)に示すように、ガルバノミラー300の回動方向を図1及び図2に示された方向に対して直交する方向に設定しても上記実施の形態と同様の作用効果を実現することができる。この場合には、キャリッジ310は、トラッキング方向Dtにリニア駆動される。
【0054】
第2の変形例として、例えば図5(b)に示すように、透明部材の一方の面に反射面301aのみが形成されたガルバノミラー300を適用しても良い。
この場合、平行平板250によってガルバノミラー300に向けられたレーザー光は、その反射面301aから反射した後、対物レンズ108を介して記録媒体112の記録面に集光される。一方、平行平板250によってガルバノミラー300から回避する方向に射出されたレーザー光は、プリズム252を介してガルバノミラー300の他方の面301bから透明部材内に導入された後、反射面301aから透明部材を介して対物レンズ108´方向へ反射する。そして、この対物レンズ108´を介して記録媒体112の記録面に集光される。
【0055】
更に、第3の変形例として、両面に反射面が形成されたガルバノミラー300を適用しても上記実施の形態並びに第1及び第2の変形例と同様の作用効果を実現することができる。
【0056】
また、上記実施の形態では、光ピックアップ100をスイングアーム102上に配置した例について説明したが、これに限定されることは無く、例えば、プリズム252並びにガルバノミラー300及び光学ヘッド128,128´を記録媒体112,112´の半径方向に沿って移動させるように構成すると共に、これら以外の光学系構成品を固定しても良い。
【0057】
この変形例によれば、プリズム252並びにガルバノミラー300及び光学ヘッド128,128´を記録媒体112,112´の半径方向に沿って移動させることによって、記録媒体112,112´のいずれか一方の記録面に対するレーザー光のスポット位置が粗動調整(粗動トラッキング制御)され、同時に、ガルバノミラー300を微動回動させることによって、いずれか一方の記録媒体112,112´の記録面に対するレーザー光のスポット位置が微動調整(微動トラッキング制御)される。
【0058】
次に、本発明の第2の実施の形態に係る光ピックアップについて、図6を参照して説明する。なお、本実施の形態の説明に際し、第1の実施の形態と同一の構成には、同一符号を付して、その説明を省略する。
【0059】
図6に示すように、本実施の形態の光ピックアップは、スイングアーム102の回転軸130近傍に配置した薄板状の回動ミラー401によって、光源104からの光路302を2つの光路302a,302bに選択的に切り換えるように構成されている。
【0060】
具体的には、回動ミラー401の軸P回りの回転角度を2通りに変化させることによって、回動ミラー401からの反射光を傾けて光路302a又は302bへ選択的に反射する。
【0061】
本実施の形態に適用した回動ミラー401は、その傾きを2通りに切り換える機能を有していれば良く、高いサーボ特性や高い駆動感度は不要である。
また、本実施の形態の光ピックアップには、ガルバノミラー300に対面し、且つ、トラッキング方向(記録媒体112,112´(図1及び図2参照)の半径方向)に沿って位置付けられた一対のミラー310,310´が設けられている。
【0062】
このような構成において、回動ミラー401から反射されたレーザー光は、ミラー310,310´のいずれか一方に選択的に入射する。
具体的には、回動ミラー401から反射して光路302aを進んだレーザー光は、ミラー310´から反射した後、ガルバノミラー300の反射面301aから対物レンズ108を介して記録媒体112の記録面112aに集光する。
【0063】
一方、回動ミラー401から反射して光路302bを進んだレーザー光は、ミラー310から反射した後、ガルバノミラー300の反射面301bから対物レンズ108´を介して記録媒体112´の記録面112a´に集光する。
【0064】
そして、夫々の記録面112a,112a´にレーザー光を集光した状態において、ガルバノミラー300のミラー301をR方向に微動回動させることによって、第1の実施の形態と同様の微動トラッキング制御が行われる。
【0065】
なお、第1の実施の形態に対して本実施の形態では、ガルバノミラー300の向きが90°異なっており、ガルバノミラー300の2つの反射面301a,301bには、トラッキング方向からレーザー光が入射するようになっている。また、ガルバノミラー300の回転軸は、記録媒体112,112´と平行方向に延出し且つ向きR方向に回動する。
【0066】
このように本実施の形態によれば、光路切換が回動ミラー401で行われるため、高速の切換が可能になると共に、薄板でコンパクトな回動ミラー401を適用することもできるため、スイングアーム102の厚さ寸法を小さくすることができる。
【0067】
また、回動ミラー401をスイングアーム102の回転軸130の近くに配置したことによって、スイングアーム102の慣性モーメントを小さくでき、スイングアーム102の駆動感度を高くすることができる。
【0068】
また、光源104から2つの対物レンズ108,108´までの光路長を等しくすることができるため、記録媒体112,112´の記録再生特性を等しくすることができる。
【0069】
更に、ガルバノミラー300は、通常、そのバネ等の支持部材が回転軸方向に延在するため、回転軸方向の寸法が大きくなるが、本実施の形態では、ガルバノミラー300の回転軸を記録媒体112,112´と平行方向に配置した。この結果、光ピックアップの厚さ寸法を薄くすることができるため、記録再生装置全体を薄型に構成することが可能となる。
【0070】
なお、本明細書中には、以下の発明が含まれる。
1. 光源と、この光源からの光を記録媒体に投射するための光路と、前記記録媒体からの戻り光を受光する受光素子と、前記光路中に位置し且つ反射光を偏向させるガルバノミラーとを有する光ピックアップにおいて、
前記ガルバノミラーは、第1の反射面及び第2の反射面を有し、前記光路は、第1の光路及び第2の光路を有すると共に、前記第1の光路は、前記第1の反射面にて反射され、前記第2の光路は、前記第2の反射面にて反射されることを特徴とする光ピックアップ。
(作用効果)
ガルバノミラーに反射面を2面設けて、夫々の反射面に別の光を反射させて偏向するように構成したため、ガルバノミラーが1つでも2つの光路の偏向が可能となり、ガルバノミラーの数を少なくした小型で軽量の光ピックアップを実現することができる。また、2つの光路に対して1つのガルバノミラーを回転移動させるための構成が不要となるため、ガルバノミラーの周辺部の構成を軽量化することができる。
【0071】
2. 前記ガルバノミラーは、平板状のミラーを有し、このミラーの両面に前記第1の反射面と前記第2の反射面とが形成されていることを特徴とする上記1に記載の光ピックアップ。
(作用効果)
平板状のミラーの両面に反射面を形成したことによって、ミラーが薄くでき、この結果、ガルバノミラーの可動部を薄型に構成することができる。
【0072】
3. 前記ガルバノミラーは、前記第1の反射面及び前記第2の反射面の中心に対して、略面対称な形状であることを特徴とする上記1に記載の光ピックアップ。
(作用効果)
ガルバノミラーを2つの反射面に対して略面対称な形状にしたことによって、2つの反射面に対するガルバノミラーの特性や構成を等しくできる。
【0073】
4. 前記記録媒体は、第1の記録面及び第2の記録面を有し、前記第1の光路は、前記第1の記録面に光を投射するための光路であり、前記第2の光路は、前記第2の記録面に光を投射するための光路であることを特徴とする上記1に記載の光ピックアップ。
(作用効果)
1つのガルバノミラーで複数の記録面に対応できるため、小型で軽量の光ピックアップを実現することができる。
【0074】
5. 前記第1の光路と前記第2の光路を選択する選択手段を備えていることを特徴とする上記4に記載の光ピックアップ。
(作用効果)
光路を分割するのでは無く、いずれか一方の光路を選択するようにしたことによって、光量損失が無く、光源の出射光が少なくて済むため光源の寿命が長く且つ信頼性の高い光ピックアップを実現することができる。
【0075】
6. 前記第1の反射面と前記第2の反射面は、夫々、前記記録媒体の記録トラック方向に向いていることを特徴とする上記1に記載の光ピックアップ。
7. 前記第1の反射面と前記第2の反射面は、夫々、前記記録媒体の記録トラックと略直交する方向に向いていることを特徴とする上記1に記載の光ピックアップ。
【0076】
【発明の効果】
本発明によれば、簡単な構成で記録媒体の記録面に対して充分な光量のレーザー光を集光させ、複数の光路のトラッキング制御が可能な低コストで小型の光ピックアップを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る光ピックアップの構成を示す図。
【図2】本発明の光ピックアップがスイングアーム上に配置されている状態を示す斜視図。
【図3】(a)は、本発明の光ピックアップに設けられたガルバノミラーの構成を示す斜視図、(b)は、同図(a)のb−b線に沿う断面図。
【図4】(a)は、本発明の光ピックアップに設けられた平行平板を回動させることによって、光路を切り換えている状態を示す図、(b)は、平行平板の駆動機構の構成を示す斜視図。
【図5】(a)は、本発明の第1の変形例に適用したガルバノミラーの回動状態を示す斜視図、(b)は、本発明の第2の変形例に適用したガルバノミラーの回動状態を示す斜視図。
【図6】本発明の第2の実施の形態に係る光ピックアップの構成を示す斜視図。
【符号の説明】
104 光源
112,112´ 記録媒体
300 ガルバノミラー
301a,301b ガルバノミラーの反射面
302a、302b 光路
Claims (3)
- 光源と、この光源からの光を記録媒体に投射するための光路と、前記記録媒体からの戻り光を受光する受光素子と、前記光路中に位置し且つ反射光を偏向させるガルバノミラーとを有する光ピックアップにおいて、
前記ガルバノミラーは、第1の反射面及び第2の反射面を有し、前記光路は、第1の光路及び第2の光路を有すると共に、前記第1の光路は、前記第1の反射面にて反射され、前記第2の光路は、前記第2の反射面にて反射されることを特徴とする光ピックアップ。 - 前記ガルバノミラーは、平板状のミラーを有し、このミラーの両面に前記第1の反射面と前記第2の反射面とが形成されていることを特徴とする請求項1に記載の光ピックアップ。
- 前記ガルバノミラーは、前記第1の反射面及び前記第2の反射面の中心に対して、略面対称な形状であることを特徴とする請求項1に記載の光ピックアップ。
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