JP3837759B2 - 電子式計算機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、カラー表示機能を備えた電子式計算機に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、電子式計算機では、例えば小型で一般に広く普及している電卓等にあっても、加減乗除等の一般計算処理の他に、関数計算処理や平方根を用いた計算処理、あるいは角度の単位(Deg/Rad/Gra)や進数の単位(2進:Bin/8進:Oct/10進:Dec/16進:Hex)を任意に選択して行なう計算処理、計算式をプログラミングして処理する等、様々な種類の複雑な計算が行なえるようになっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
このように、様々な種類の計算を行なう場合、そのそれぞれに対応した数字,記号,演算子が計算式に含まれることになるが、従来の電子計算機では、例えばキー入力されて順次表示される計算式は、全て同一の表示色によって表示されている。
【0004】
このため、現在のキー入力データがどこに位置するか、また、何に属するか、あるいは、単位は何か等、一目で認識することができず、例えばデータの種類や単位等は、表示画面上の特定の領域に略記号で表示する等して表現していた。
【0005】
本発明は、前記のような問題に鑑みなされたもので、記号の掛かる数値範囲や設定されている単位等、計算式の入力状態を一目で認識することが可能になる電子式計算機を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1に係わる電子式計算機は、数値データ及びファンクションデータを含む演算データと前置関数と括弧との組み合わせにより計算式を入力して計算を行う電子式計算機であって、演算データを入力する演算データ入力手段と、この演算データ入力手段により入力された演算データを所定の色で表示させる第1の表示制御手段と、前置関数を入力する前置関数入力手段と、この前置関数入力手段によって前置関数が入力された後に、前記演算データ入力手段によって演算データが入力された場合に、当該前置関数と当該前置関数の後に入力された演算データとを、前記所定の色とは異なる色で表示させる第2の表示制御手段と、前記前置関数の後に入力された演算データを、前記前置関数の後の括弧内のデータとして記憶する前置関数データ記憶制御手段と、解除操作を行うための解除操作手段と、この解除操作手段により解除操作が行われた後に、前記演算データ入力手段により入力される演算データを前記所定の色で表示させる第3の表示制御手段と、この第3の表示制御手段により前記所定の色で表示された演算データを、前記前置関数の後の括弧の外のデータとして記憶する括弧外データ記憶制御手段と、を具備したことを特徴とする。
【0007】
つまり、請求項1に係わる電子式計算機では、第1の表示制御手段により、入力された演算データが所定の色で表示され、前置関数が入力された後に演算データが入力された場合に、第2の表示制御手段により、当該前置関数と当該前置関数の後に入力された演算データとが前記所定の色とは異なる色で表示され、前置関数データ記憶制御手段により前記前置関数の後に入力された演算データが前記前置関数の後の括弧内のデータとして記憶され、さらに解除操作が行われた後に入力される演算データが、第3の表示制御手段により、前記所定の色で表示され、括弧外データ記憶制御手段により当該所定の色で表示された演算データが前記前置関数の後の括弧の外のデータとして記憶される。従って、前置関数とそれに続いて入力される演算データが、解除が操作されるまでは、先の演算データと異なる特別の色で表示されて前置関数の計算範囲が示されると共に、当該前置関数の計算範囲が「( )」内に記憶されるので、前置関数の計算範囲を「( )」で囲ってキー入力する必要なく、異なる表示色にして識別表示することができ、さらに、解除後に入力された演算データは、元の色で表示されて前置関数の計算範囲の外の演算データであることが視認でき、入力操作を簡素化しつつ容易に計算内容を色で確認することができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下図面により本発明の実施の形態について説明する。
図1は本発明の実施の形態に係わる電子式計算機の電子回路の構成を示すブロック図である。
【0017】
この電子式計算機は、CPU11を備えている。
CPU11は、キー入力部12からのキー入力信号に応じて、ROM13に予め記憶されているシステムプログラムを起動させ、この起動されたシステムプログラムに従って回路各部の動作を制御するもので、このCPU11には、前記キー入力部12、及びROM13の他、RAM14が接続されると共に、カラー表示駆動部15を介してカラー液晶表示部16が接続される。
【0018】
キー入力部12には、置数キー12a、ファンクション・記号キー12b、「メニュー」キー12c、角度単位設定キーである「Deg」12c1,「Rad」12c2,「Gra」12c3、進数設定キーである「2進」12d1,「8進」12d2,「10進」12d3,「16進」12d4、「条件」キー12e、カーソルキーである「↑」12f1,「↓」12f2,「←」12f3,「→」12f4、及び「実行」キー12gが備えられる。
【0019】
置数キー12aは、「0」〜「9」までのテンキーや小数点「.」の入力キーを有し、数値入力を行なう際に操作される。
ファンクション・記号キー12bは、「+」「−」「×」「÷」「=」等の演算子キー、「sin」「cos」「tan」等の関数キー、平方根「√」キー、「AC」キー、「C」キー等のファンクションキーと共に、「(」キー及び「)」キー等の各種記号キーを有し、前記置数キー12aとの組合せにより計算式を入力する際に操作される。
【0020】
「メニュー」キー12cは、例えば5種類の計算モード(一般計算モード/関数・√計算モード/角度計算モード/n進計算モード/プログラム計算モード)から所望の計算モードを選択するためのメニュー選択画面を表示させる際に操作される。
【0021】
角度単位設定キーである「Deg」12c1,「Rad」12c2,「Gra」12c3は、角度計算モードの設定状態において、その角度単位「Deg」「Rad」「Gra」を選択する際に操作される。
【0022】
進数設定キーである「2進」12d1,「8進」12d2,「10進」12d3,「16進」12d4は、n進計算モードの設定状態において、その進数単位「2進:Bin」「8進:Oct」「10進:Dec」「16進:Gra」を選択する際に操作される。
【0023】
「条件」キー12eは、プログラム計算モードの設定状態において、計算結果に対応させた条件を設定する際に操作される。
カーソルキーである「↑」12f1,「↓」12f2,「←」12f3,「→」12f4は、表示画面上でのカーソル移動操作及びデータ選択操作を行なう際に操作される。
【0024】
「実行」キー12gは、メニュー選択された計算モードへの切換え実行の指示や条件設定の確定を行なう際に操作される。
ROM13には、この電子回路全体の動作を司るシステムプログラムが予め記憶されると共に、一般計算処理プログラム、関数・√計算処理プログラム、角度計算処理プログラム、n進計算処理プログラム、プログラム計算モードプログラム等、各種の動作モードに応じたサブプログラムが予め記憶される。
【0025】
RAM14には、表示レジスタ14a、データ記憶部14b、ワークエリア14cが備えられると共に、モードフラグレジスタM、関数/√キーレジスタL、角度キーレジスタF、n進キーレジスタN等が備えられる。
【0026】
表示レジスタ14aには、カラー液晶表示部16に表示すべきカラー表示データがビットマップ形式で記憶される。
データ記憶部14bには、キー入力部12の操作により入力表示された計算式データやその計算結果データ、条件設定データ等が記憶される。
【0027】
ワークエリア14cには、CPU11における各種の計算処理に従って入出力される種々のデータが、必要に応じて書込み/読出しされる。
モードフラグレジスタMには、計算モードのメニュー選択画面に基づき選択設定された計算モードを示すフラグデータが記憶される。
【0028】
関数/√キーレジスタLには、ファンクション・記号キー12bに含まれる「sin」「cos」「tan」等の関数キーや「√」キーが操作された際に“1”がセットされ、その解除を示す「↓」キー12f2が操作された際に“0”がセットされる。
【0029】
角度キーレジスタFには、「Deg」キー12c1が操作された際に“1”がセットされ、「Rad」キー12c2が操作された際に“2”がセットされ、「Gra」キー12c3が操作された際に“3”がセットされる。
【0030】
n進キーレジスタNには、「2進:Bin」キー12d1が操作された際に“1”がセットされ、「8進:Oct」キー12d2が操作された際に“2”がセットされ、「10進:Dec」キー12d3が操作された際に“3”がセットされ、「16進:Hex」キー12d4が操作された際に“4”がセットされる。
【0031】
次に、前記構成による電子式計算機の動作について説明する。
図2は前記電子式計算機の全体処理を示すフローチャートである。
図3は前記電子式計算機の一般計算処理を示すフローチャートである。
【0032】
図4は前記電子式計算機の一般計算処理に伴なうキー操作対応の表示動作を示す図である。
図2における全体処理において、まず、キー入力部12の「メニュー」キー12cを操作すると、図4(A)に示すように、この電子式計算機における計算モードを選択するためのメニュー選択画面がカラー液晶表示部16に表示される(ステップS1→S2)。
【0033】
この場合、メニュー選択可能な計算モードとしては、例えば一般計算モードが「一般」、関数・√計算モードが「関数・√」、角度計算モードが「角度」、n進計算モードが「n進」、プログラム計算モードが「PRO」としてそれぞれ異なる表示色で表示される。
【0034】
前記メニュー選択画面の表示状態にあって、カーソルキー「↑」12f1,「↓」12f2,「←」12f3,「→」12f4を選択的に操作し、該メニュー選択画面の反転表示位置を移動させ、任意の計算モードを選択して「実行」キー12gを操作すると、選択された計算モードに対応するモードフラグデータがRAM14内のモードレフラグジスタMにセットされると共に、設定された計算モードを色表示で示すモード表示色が液晶表示部16の画面右上に表示される(ステップS3→S4,S5→S6)。
【0035】
ここで、例えば一般計算モード「一般」が選択設定された場合には、モード表示色「赤」が表示され、関数・√計算モード「関数・√」が選択設定された場合には、モード表示色「青」が表示され、角度計算モード「角度」が選択設定された場合には、モード表示色「黄」が表示され、n進計算モード「n進」が選択設定された場合には、モード表示色「緑」が表示され、プログラム計算モード「PRO」が選択設定された場合には、モード表示色「オレンジ」が表示される。
【0036】
こうして、前記メニュー選択画面において任意の計算モードが選択されて設定されると、当該選択メニューに応じた計算処理が実行される(ステップSAorABorSCorSDorSE)。
【0037】
すなわち、図4(A)及び図4(B)に示すように、メニュー洗濯画面の一般計算モード「一般」が選択設定されて、対応するモード表示色「赤」が液晶表示部16の右上に表示されると、図3における一般計算処理が起動される(ステップS3→SA)。
【0038】
図3における一般計算処理において、例えば「5+31=」と計算するのに、まず、図4(C)に示すように、キー入力部12の置数キー12aを操作して「5」と入力すると、入力された数値データ「5」が一般計算モードでの基本表示色である「緑」色でカラー表示部16に表示される(ステップA1→A2)。
【0039】
この場合、ファンクションデータは、未だ入力されてないので、ステップA1におけるキー判断処理に戻る(ステップA3→エンド)。
そして、図4(D)に示すように、ファンクション・記号キー12bを操作して「+」と入力すると、入力されたファンクションデータ「+」が「黒」色で表示される(ステップA4→A5)。
【0040】
この場合、前記ファンクションデータ「+」の入力に伴ない演算処理及びその演算結果の表示処理が実行されるが、現時点では演算対象となる入力式は「5+」のみなので実際の演算処理は実行されず、再びステップA1におけるキー判断処理に戻る(ステップA6,A7,エンド)。
【0041】
前記「5」と入力し「緑」色で表示され、「+」と入力し「黒」色で表示された状態で、続いて、図4(E)に示すように、置数キー12aを操作して「31」と入力すると、入力された数値データ「31」が「緑」色で表示されると共に、既に入力されて表示されているファンクションデータ「+」も「緑」色に切換えられて表示される(ステップA1→A2,A3→A8)。
【0042】
すなわち、図4(D)に示すように、ファンクションデータ「+」が「黒」色表示された時点では、当該ファンクションデータ「+」は入力直後であることが認識でき、また、図4(E)に示すように、数値データ「31」の入力直後にファンクションデータ「+」が「緑」色に切換え表示された時点では、当該ファンクションデータ「+」は数値データ「31」の入力以前に既に入力されていたファンクションデータであることが認識できる。
【0043】
そして、図4(F)に示すように、キー入力部12のファンクション・記号キー12bの「=」キーを操作すると、前記「緑」色で表示されている「+」のファンクションデータに代って、今回入力されたファンクションデータ「=」が「黒」色で表示される(ステップA4→A5)。
【0044】
すると、前記入力表示された「5+31=」の演算処理が実行され、その演算結果「36」が表示される(ステップA6,A7)。
従って、前記一般計算処理では、演算式の入力に伴ない、該演算式中に含まれるファンクションデータは、その入力時点から次の数値データが入力されるまでの間だけ「黒」色で表示されるので、次に入力すべきデータが数値データかファンクションデータかを一目で認識することができ、演算式の入力手順の誤りを防止することができる。
【0045】
図5は前記電子式計算の関数・√計算処理を示すフローチャートである。
図6は前記電子式計算機の関数・√計算処理に伴なうキー操作対応の表示動作を示す図である。
【0046】
前記メニュー選択画面において、関数・√計算モードが選択設定されると、当該関数・√計算モードを示すモードデータがRAM14内のモードフラグレジスタMにセットされると共に、「青」色のモード表示色がカラー液晶表示部16の画面右上に表示され、図5における関数・√計算処理が起動される(ステップS3〜S6→SB)。
【0047】
図5における関数・√計算処理において、例えば「2+√(2+3)+5」と計算するのに、まず、図6(A)に示すように、キー入力部12の置数キー12a及びファンクション・記号キー12bを操作して「2+」と入力すると、RAM14内の関数/√キーレジスタLに“1”がセットされてないと判断されることで、前記入力データ「2+」はRAM14内のデータ記憶部14bに記憶されると共に、カラー液晶表示部16に対し「黒」色で表示される(ステップB1→B2→B3→B4)。
【0048】
そして、図6(B)に示すように、ファンクション・記号キー12bを操作して「√」と入力すると、RAM14内の関数/√キーレジスタLに“1”がセットされると共に、データ記憶部14bに既に入力されて記憶されている「2+」に続いて記憶されカラー液晶表示部16に表示される(ステップB1→B5,B6)。
【0049】
前記「√」が掛かる数値データとして、置数キー12a及びファンクション・記号キー12bを操作し「2+3」と入力すると、RAM14内の関数/√キーレジスタLに“1”がセットされていると判断されるので、該入力された数値データ「2+3」は「赤」色で表示され、データ記憶部14bには、「√」に掛かる数値データ「√(2+3)」として記憶される(ステップB2→B3→B7,B8)。
【0050】
ここで、図6(C)に示すように、「↓」キー12f2を操作すると、前記関数/√キーレジスタLに“1”がセットされていると判断されることで、当該レジスタLは“0”にリセットされる(ステップB9→B10→B11)。
【0051】
そして、ファンクション・記号キー12b及び置数キー12aを操作して「+5」と入力すると、前記関数/√キーレジスタLには“1”がセットされてないと判断されるので、データ記憶部14bに対し、それまでに記憶された「2+√(2+3)」に続いて「+5」と記憶されると共に、カラー液晶表示部16に対し「黒」色で表示される(ステップB2→B3→B4)。
【0052】
従って、前記関数・√計算処理では、「sin」「cos」「tan」等の関数キーあるいは「√」キーに続いて入力される数値データやファンクションデータは、「↓」キー12f2が操作されるまで「赤」色で表示され、該関数キーや「√」キーの掛かる範囲が示されると共に、データ記憶部14bに対しては、当該関数キーや「√」キーの掛かる範囲が「( )」で囲って記憶され演算処理されるので、関数キーや「√」キーの掛かる範囲を「( )」で囲ってキー入力する必要なく、異なる表示色にして識別表示することができ、演算式の入力操作を簡素化することができる。
【0053】
図7は前記電子式計算機の角度計算処理を示すフローチャートである。
図8は前記電子式計算機のn進計算処理を示すフローチャートである。
図9は前記電子式計算機の角度計算処理に伴なうキー操作対応の表示動作を示す図である。
【0054】
図10は前記電子式計算機のn進計算処理に伴なうキー操作対応の表示動作を示す図である。
前記メニュー選択画面において、角度計算モードが選択設定されると、当該角度計算モードを示すモードデータがRAM14内のモードフラグレジスタMにセットされると共に、「黄」色のモード表示色がカラー液晶表示部16の画面右上に表示され、図7における角度計算処理が起動される(ステップS3〜S6→SC)。
【0055】
図7における角度計算処理において、キー入力部12の「Deg」キー12c1を操作すると、RAM14内の角度キーレジスタFに“1”がセットされ(ステップC1→C2)、また、「Rad」キー12c2を操作すると、角度キーレジスタFに“2”がセットされ(ステップC3→C4)、さらに、「Gra」キー12c3を操作すると、角度キーレジスタFに“3”がセットされる(ステップC5→C6)。
【0056】
ここで、「Deg」キー12c1を操作した場合には、「Deg」の設定状態であることを示す「赤」色のマークがカラー液晶表示部16の画面左下に表示される(ステップC7)。
【0057】
また、「Rad」キー12c2を操作した場合には、「Rad」の設定状態であることを示す「青」色のマークがカラー液晶表示部16の画面左下に表示される(ステップC7)。
【0058】
また、「Gra」キー12c3を操作した場合には、「Gra」の設定状態であることを示す「緑」色のマークがカラー液晶表示部16の画面左下に表示される(ステップC7)。
【0059】
そして、前記角度設定キーの操作に続き置数キー12aが操作されると、角度キーレジスタFに“1”がセットされている「Deg」の設定状態では、該「Deg」キー12c1の操作に続き入力された数値データは「赤」色で表示され(ステップC8→C9→C10)、また、角度キーレジスタFに“2”がセットされている「Rad」の設定状態では、該「Rad」キー12c2の操作に続き入力された数値データは「青」色で表示され(ステップC8→C11→C12)、また、角度キーレジスタFに“3”がセットされている「Gra」の設定状態では、該「Gra」キー12c3の操作に続き入力された数値データは「緑」色で表示される(ステップC8→C13→C14)。
【0060】
なお、前記特定の角度単位に設定されてない状態、つまり、角度キーレジスタFに“0”がセットされている場合には、置数キー12aにより入力された数値データは「黒」色で表示される(ステップC8→C15)。
【0061】
すなわち、例えば「Deg sin30+Gra cos60=」と計算するのに、図9(A)に示すように、まず、「Deg」キー12c1を操作すると、角度キーレジスタFに“1”がセットされ、角度単位が「Deg」に設定されたことを示す「赤」色のマークがカラー液晶表示部16の画面左下に表示される(ステップC1→C2,C7)。
【0062】
そして、「sin30+」と入力すると、その数値データ「30」が「Deg」単位のデータとして「赤」色で表示される(ステップC8→C9→C10)。
続いて、図9(B)に示すように、「Gra」キー12c3を操作すると、角度キーレジスタFに“3”がセットされ、角度単位が「Gra」に設定されたことを示す「緑」色のマークがカラー液晶表示部16の画面左下に表示される(ステップC5→C6,C7)。
【0063】
そして、「cos60」と入力すると、その数値データ「60」が「Gra」単位のデータとして「緑」色で表示される(ステップC8→C13→C14)。
ここで、「=」と入力すると、「Deg sin30+Gra cos60」の計算処理が実行され、その演算結果「1.0878」が表示される(ステップC16→C17,C18)。
【0064】
従って、前記角度計算処理では、「Deg」キー12c1,「Rad」キー12c2,「Gra」キー12c3の操作に応じて、現在設定されている角度の単位に応じた色のマークがカラー液晶表示部16の画面左下に表示されると共に、キー入力された数値データは、当該設定されている角度単位の色マークと同じ表示色で表示されるので、現在設定されている角度の単位や演算式に含まれる各数値データそれぞれに対応する角度の単位を、一目で認識できるようになる。
【0065】
一方、前記メニュー選択画面において、n進計算モードが選択設定されると、当該n進計算モードを示すモードデータがRAM14内のモードフラグレジスタMにセットされると共に、「緑」色のモード表示色がカラー液晶表示部16の画面右上に表示され、図8におけるn進計算処理が起動される(ステップS3〜S6→SD)。
【0066】
ここで、前記n進計算処理の起動状態では、2進を示す「Bin」マークが赤色で、8進を示す「Oct」マークが青色で、10進を示す「Dec」マークが黒色で、16進を示す「Hex」マークが緑色で、それぞれカラー液晶表示部16の左下に配列表示される。
【0067】
図8におけるn進計算処理において、キー入力部12の「2進:Bin」キー12d1を操作すると、RAM14内のn進キーレジスタNに“1”がセットされ(ステップD1→D2)、また、「8進:Oct」キー12d2を操作すると、n進キーレジスタNに“2”がセットされ(ステップD3→D4)、また、「10進:Dec」キー12d3を操作すると、n進キーレジスタNに“3”がセットされ(ステップD5→D6)、さらに、「16進:Hex」キー12d4を操作すると、n進キーレジスタNに“4”がセットされる(ステップD7→D8)。
【0068】
そして、前記進数設定キーの操作に続き置数キー12aが操作されると、n進キーレジスタNに“1”がセットされている「2進:Bin」の設定状態では、該「2進」キー12d1の操作に続き入力された数値データは「赤」色で表示されると共に2進の数値データとしてデータ記憶部14bに記憶され、また、n進キーレジスタNに“2”がセットされている「8進:Oct」の設定状態では、該「8進」キー12d2の操作に続き入力された数値データは「青」色で表示されると共に8進の数値データとしてデータ記憶部14bに記憶され、また、n進キーレジスタNに“3”がセットされている「10進:Dec」の設定状態では、該「10進」キー12d3の操作に続き入力された数値データは「黒」色で表示されると共に10進の数値データとしてデータ記憶部14bに記憶され、さらに、n進キーレジスタNに“4”がセットされている「16進:Hex」の設定状態では、該「16進」キー12d4の操作に続き入力された数値データは「緑」色で表示されると共に16進の数値データとしてデータ記憶部14bに記憶される(ステップD9→D10,D11)。
【0069】
すなわち、例えば「Bin01+HexAB=」と計算するのに、図10(A)に示すように、まず、「2進:Bin」キー12d1を操作すると、n進キーレジスタNに“1”がセットされる(ステップD1→D2)。
【0070】
そして、「01+」と入力すると、その数値データ「01」が「Bin」単位の2進数データとして「赤」色で表示され、データ記憶部14bに記憶される(ステップD9→D10,D11)。
【0071】
続いて、図10(B)に示すように、「16進:Hex」キー12d4を操作すると、n進キーレジスタNに“4”がセットされる(ステップD7→D8)。
そして、「AB」と入力すると、その数値データ「AB」が「Hex」単位の16進データとして「緑」色で表示され、データ記憶部14bに記憶される(ステップD9→D10,D11)。
【0072】
ここで、「=」と入力すると、前記データ記憶部14bに記憶された演算式が、同一進数の数値データのみにより構成されているか否か判断される(ステップD12→D13)。
【0073】
この場合、前記データ記憶部14bに記憶されている演算式「01+AB」は、2進数データと16進数データとから構成されているので、同一進数のみの構成ではないと判断され、10進数に統一されて演算処理されその結果データ「172」が黒色表示される(ステップD13→D14)。
【0074】
一方、前記キー入力されてデータ記憶部14bに記憶された演算式が、同一進数の数値データのみにより構成されていると判断された場合には、n進キーレジスタNにセットされている進数値に従って演算処理され、その結果データは対応する表示色にて表示される(ステップD13→D15)。
【0075】
従って、前記n進計算処理では、2進数を示す「Bin」マークは赤色で、8進数を示す「Oct」マークは青色で、10進数を示す「Dec」マークは黒色で、16進数を示す「Hex」マークは緑色で、それぞれカラー液晶表示部16の画面左下に配列表示されると共に、演算式を構成する各数値データは、それぞれ対応する進数のマークと同じ表示色で表示され、全て同一進数の場合には、その演算結果も同一色で統一表示され、異なる進数の組合せの場合には、10進数で演算処理されその結果データは黒色表示されるので、演算式の入力に伴なう進数単位の設定状態を一目で認識できるようになる。
【0076】
図11は前記電子式計算機のプログラム計算処理を示すフローチャートである。
図12は前記電子式計算機のプログラム計算処理における条件設定計算処理に伴なうキー操作対応の表示動作を示す図である。
【0077】
図13は前記電子式計算機のプログラム計算処理における計算式の入力に伴なう表示動作を示す図である。
前記メニュー選択画面において、プログラム計算モードが選択設定されると、当該プログラム計算モードを示すモードデータがRAM14内のモードフラグレジスタMにセットされると共に、「オレンジ」色のモード表示色がカラー液晶表示部16の画面右上に表示され、図11におけるプログラム計算処理が起動される(ステップS3〜S6→SE)。
【0078】
図11におけるプログラム計算処理において、キー入力部12の「条件」キー12eを操作すると、図12(A)に示すように、「赤:Red」「青:Blue」「緑:Green」で表現される3つの演算条件を設定するための条件設定画面がカラー液晶表示部16に表示される(ステップE1→E2)。
【0079】
この条件設定画面が表示された状態で、例えばこれから行なう演算結果の範囲を示す条件として、まず、「Red」にカーソルを合わせて「<3.245」と入力し、次に、「↓」キー12f2を操作して「Blue」にカーソルを合わせて「=3.245」と入力し、さらに、「↓」キー12f2を操作して「Green」にカーソルを合わせて「>3.245」と入力した後に、「実行」キー12gを操作すると、入力された3つの条件がそれぞれの色データに対応付けられてデータ記憶部14bに記憶され、演算結果が「3.245より小さい」場合には「赤」色表示、「3.245と等しい」場合には「青」色表示、「3.245」より大きい」場合には「緑」色表示とする条件が設定される(ステップE3→E4,E5→E6)。
【0080】
すると、前記設定された条件メニューに応じた表示(この場合、演算式入力前の空白画面表示)が為される(ステップE7)。
そして、図12(B)に示すように、キー入力部12の置数キー12a及びファンクション・記号キー12bを組合せ操作して、例えば「3×2.16÷2=」と演算式を入力すると、その演算式がRAM14内のデータ記憶部14bに記憶されると共に演算処理が実行される(ステップE8→E9)。
【0081】
この場合、前記演算式「3×2.16÷2=」の演算結果は「3.24」であり、前記設定条件である「3.245より小さい」の赤色表示に該当すると判断されると、前記演算結果データ「3.24」は赤色で表示される(ステップE10→E11)。
【0082】
また、図12(C)に示すように、キー入力部12の置数キー12a及びファンクション・記号キー12bを組合せ操作して、例えば「3×2.17÷2=」と演算式を入力すると、その演算式がRAM14内のデータ記憶部14bに記憶されると共に演算処理が実行される(ステップE8→E9)。
【0083】
この場合、前記演算式「3×2.17÷2=」の演算結果は「3.255」であり、前記設定条件である「3.245より大きい」の緑色表示に該当すると判断されると、前記演算結果データ「3.255」は緑色で表示される(ステップE12→E13)。
【0084】
さらに、ある演算式を入力し、その演算結果データが「3.245」となり、前記設定条件である「3.245と等しい」の青色表示に該当すると判断されると、前記演算結果データ「3.245」は青色で表示される(ステップE8→E9,E14→E15)。
【0085】
また、前記演算結果データが何れの条件にも当て嵌まらない場合には、その演算結果データは黒色で表示される(ステップE16)。
従って、前記プログラム計算処理における条件設定計算処理では、任意に設定される3つの条件毎に異なる色データを対応付けて記憶し、演算結果データを各設定条件に対応する色で表示することで、演算結果データが何の条件に属するかを一目で認識できるようになる。
【0086】
一方、図13(A)あるいは図13(B)に示すように、複数の「( )」を用いた演算式を入力する場合に、「(」キーの入力が1回目であると判断されると、その「(」記号は黒色表示され(ステップE17→E18→E19)、また、「(」キーの入力が2回目であると判断されると、その「(」記号は赤色表示され(ステップE17→E20→E21)、また、「(」キーの入力が3回目であると判断されると、その「(」記号は緑色表示され(ステップE17→E22→E23)、さらに、「(」キーの入力が4回目であると判断されると、その「(」記号は青色表示される(ステップE17→E24→E25)。
【0087】
そして、「)」キーが入力された場合には、その「)」キーに対応して対を成す「(」記号の表示色と同一の表示色で表示される(ステップE26→E27)。
【0088】
従って、1つの演算式に対して、多数の「( )」記号を用いた場合でも、それぞれ対となる「( )」記号を色分け表示することで、一目で認識できるようになる。
【0089】
したがって、前記構成の電子式計算機によれば、例えば関数・√計算処理を行なう際に、演算式の入力に伴ない「√」キーが操作された場合には、該「√」記号に続いて入力される数値データやファンクションデータは、基本の表示色と異なる色で表示されることで「√」に掛かる演算データであることが示されると共に、該「√」に属するデータとして処理され、また、「↓」キー12f2を操作すると、それ以降入力される数値データやファンクションデータは基本表示色で表示され、「√」に掛かる演算データでないことが示され、通常データとして処理されるので、入力される演算式中で、特定の記号に属するデータ範囲を、「( )」で囲って入力する等の操作を要することなく、一目で認識できるようになる。
【0090】
【発明の効果】
以上のように、本発明の請求項1に係わる電子式計算機によれば、第1の表示制御手段により、入力された演算データが所定の色で表示され、前置関数が入力された後に演算データが入力された場合に、第2の表示制御手段により、当該前置関数と当該前置関数の後に入力された演算データとが前記所定の色とは異なる色で表示され、前置関数データ記憶制御手段により前記前置関数の後に入力された演算データが前記前置関数の後の括弧内のデータとして記憶され、さらに解除操作が行われた後に入力される演算データが、第3の表示制御手段により、前記所定の色で表示され、括弧外データ記憶制御手段により当該所定の色で表示された演算データが前記前置関数の後の括弧の外のデータとして記憶される。従って、前置関数とそれに続いて入力される演算データが、解除が操作されるまでは、先の演算データと異なる特別の色で表示されて前置関数の計算範囲が示されると共に、当該前置関数の計算範囲が「( )」内に記憶されるので、前置関数の計算範囲を「( )」で囲ってキー入力する必要なく、異なる表示色にして識別表示することができ、さらに、解除後に入力された演算データは、元の色で表示されて前置関数の計算範囲の外の演算データであることが視認でき、入力操作を簡素化しつつ容易に計算内容を色で確認することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係わる電子式計算機の電子回路の構成を示すブロック図。
【図2】前記電子式計算機の全体処理を示すフローチャート。
【図3】前記電子式計算機の一般計算処理を示すフローチャート。
【図4】前記電子式計算機の一般計算処理に伴なうキー操作対応の表示動作を示す図。
【図5】前記電子式計算の関数・√計算処理を示すフローチャート。
【図6】前記電子式計算機の関数・√計算処理に伴なうキー操作対応の表示動作を示す図。
【図7】前記電子式計算機の角度計算処理を示すフローチャート。
【図8】前記電子式計算機のn進計算処理を示すフローチャート。
【図9】前記電子式計算機の角度計算処理に伴なうキー操作対応の表示動作を示す図。
【図10】前記電子式計算機のn進計算処理に伴なうキー操作対応の表示動作を示す図。
【図11】前記電子式計算機のプログラム計算処理を示すフローチャート。
【図12】前記電子式計算機のプログラム計算処理における条件設定計算処理に伴なうキー操作対応の表示動作を示す図。
【図13】前記電子式計算機のプログラム計算処理における計算式の入力に伴なう表示動作を示す図。
【符号の説明】
11 …CPU、
12 …キー入力部、
12a…置数キー、
12b…ファンクション・記号キー、
12c…「メニュー」キー、
12c1…「Deg」キー、
12c2…「Rad」キー、
12c3…「Gra」キー、
12d1…「2進:Bin」キー、
12d2…「8進:Oct」キー、
12d3…「10進:Dec」キー、
12d4…「16進:Hex」キー、
12e…「条件」キー、
12f1…「↑」キー、
12f2…「↓」キー、
12f3…「←」キー、
12f4…「→」キー、
12g…「実行」キー、
13 …ROM、
14 …RAM、
14a…表示レジスタ、
14b…データ記憶部、
14c…ワークエリア、
M …モードフラグレジスタ、
L …関数/√キーレジスタ、
F …角度キーレジスタ、
N …n進キーレジスタ、
15 …カラー表示駆動部、
16 …カラー液晶表示部。
Claims (2)
- 数値データ及びファンクションデータを含む演算データと前置関数と括弧との組み合わせにより計算式を入力して計算を行う電子式計算機であって、
演算データを入力する演算データ入力手段と、
この演算データ入力手段により入力された演算データを所定の色で表示させる第1の表示制御手段と、
前置関数を入力する前置関数入力手段と、
この前置関数入力手段によって前置関数が入力された後に、前記演算データ入力手段によって演算データが入力された場合に、当該前置関数と当該前置関数の後に入力された演算データとを、前記所定の色とは異なる色で表示させる第2の表示制御手段と、
前記前置関数の後に入力された演算データを、前記前置関数の後の括弧内のデータとして記憶する前置関数データ記憶制御手段と、
解除操作を行うための解除操作手段と、
この解除操作手段により解除操作が行われた後に、前記演算データ入力手段により入力される演算データを前記所定の色で表示させる第3の表示制御手段と、
この第3の表示制御手段により前記所定の色で表示された演算データを、前記前置関数の後の括弧の外のデータとして記憶する括弧外データ記憶制御手段と、
を具備したことを特徴とする電子式計算機。 - 前記前置関数入力手段は、前置関数として、√記号を入力することを特徴とする請求項1記載の電子式計算機。
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