JP3836528B2 - イブプロフェン含有錠剤及びその製造法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、製錠時において打錠障害がなく、イブプロフェンの苦味が低減されたイブプロフェン含有錠剤及びその製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】
錠剤の一般的製造方法は多くの成書に記載されているが、製錠の難しい成分についてはその製法も多種多様である。
【0003】
製錠における打錠障害として留意しなければならないのは、臼杵に付着する現象、いわゆるスティキングと錠剤の剥離現象のキャッピングである。スティキングを回避するにはステアリン酸マグネシウムやタルクなどの滑沢剤を添加するのが効果的であるが、滑沢剤の増加は一方でキャッピング現象を引き起こす。
【0004】
従って、打錠障害が著しい成分の打錠においては、この障害を抑えるための添加剤の選択が製造の可否を決定する。
【0005】
イブプロフェンは、このような製錠の難しい成分の一つである。すなわち、イブプロフェンは融点が低く、打錠時の発熱、及び他成分との混合による融点降下により、打錠末が打錠機に付着したり、臼杵に付着してスティキング現象を生じる。一方、滑沢剤の大量添加によるスティキングを抑える試みはキャッピング現象を起こしやすい。このため、イブプロフェン含有の錠剤を製造するに際しては、しばしば打錠を中断して臼杵の清掃や打錠機の清掃が必要であった。
【0006】
また、イブプロフェンは製錠の困難さに加えて著しい刺激性の苦味も有しているため、苦味が軽減された経口用の製剤の開発も望まれている。そこで、製錠の困難さと苦味を回避するために、錠剤の形状を避けて顆粒或いはカプセルとしたものがあるが、服用の簡便さを考慮するならば、錠剤の形状が好ましいのは言うまでもない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
従って、本発明の目的は、上記の如き打錠障害がなく、苦味が低減されたイブプロフェン含有錠剤及びその製造法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
斯かる実情に鑑み本発明者は鋭意研究を行った結果、イブプロフェンを含む造粒物に特定の打錠助剤を添加して打錠すれば、打錠障害がなく、刺激性の苦味が低減されたイブプロフェン含有錠剤が得られることを見出し本発明を完成した。
【0009】
すなわち、本発明は(A)イブプロフェン又はその塩を含む造粒物に(B)結晶セルロース、軽質無水ケイ酸及び合成ケイ酸アルミニウム・ヒドロキシプロピルスターチ・結晶セルロースを重量比で30〜50:5〜15:35〜65の割合で含む打錠助剤を添加して打錠することにより得られるイブプロフェン含有錠剤を提供するものである。
【0010】
また、本発明は、(A)イブプロフェン又はその塩を含む造粒物に(B)結晶セルロース、軽質無水ケイ酸及び合成ケイ酸アルミニウム・ヒドロキシプロピルスターチ・結晶セルロースを重量比で30〜50:5〜15:35〜65の割合で含む打錠助剤を添加して打錠することを特徴とするイブプロフェン含有錠剤の製造法を提供するものである。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明のイブプロフェン含有錠剤を製造するには、まずイブプロフェン又はその塩を予め造粒しておくことが必要である。このように、イブプロフェン又はその塩を打錠助剤と別個に予め造粒しておくことにより、イブプロフェンに流動性を付与できるとともに、最終的に得られた錠剤においてイブプロフェン特有の苦味が緩和できる。
【0012】
イブプロフェン又はその塩を含む造粒物(A)は、イブプロフェン又はその塩に、造粒用添加剤及び他の有効成分を添加して常法に従い造粒することにより得られる。イブプロフェンの塩としては、ナトリウム塩等が挙げられる。また、造粒用添加剤としては、例えばクロスカルメロースナトリウム、軽質無水ケイ酸、結晶セルロース、デンプン類、糖類、糖アルコール等が挙げられるが、医薬品への添加が許容されているものであれば特に制限はない。また、他の有効成分としては、例えば一般用医薬品製造(輸入)承認基準のかぜ薬及び解熱鎮痛薬の承認基準に収載されている成分等が挙げられる。造粒法は、特に制限されず、湿式造粒法や乾式造粒法により造粒すればよい。より具体的には、例えばイブプロフェン又はその塩に造粒用添加剤及び必要により他の有効成分を加えて、更にエタノール等の溶剤を加え、造粒機により造粒することにより得られる。
【0013】
一方、本発明に用いられる打錠助剤は、結晶セルロース、軽質無水ケイ酸及び合成ケイ酸アルミニウム・ヒドロキシプロピルスターチ・結晶セルロースを重量比で30〜50:5〜15:35〜65の割合で、より好ましくは35〜42:9〜11:47〜57の割合で含むものである。このうち結晶セルロースとしては、医薬品への添加が許容されているものであれば特に限定されないが、流動性の優れたもの、例えばアビセルPH−301や、微粉のもの、例えばアビセルPH−F20(旭化成(株)製)が好ましい。また合成ケイ酸アルミニウム・ヒドロキシプロピルスターチ・結晶セルロースとしてはパーフィラー101(フロイント産業(株)製)が挙げられる。
【0014】
本発明のイブプロフェン含有錠剤は、前記造粒物(A)と上記打錠助剤(B)とを混合した後打錠し、更に必要に応じてコーティングすることにより得ることができる。ここで、造粒物(A)と打錠助剤(B)の他に、更に必要によりステアリン酸マグネシウム等の滑沢剤、矯味剤、香料、更には他の有効成分等を添加することができる。
【0015】
【発明の効果】
本発明によれば、スティキング等の打錠障害がなく、打錠機の清掃、臼杵の清掃又は交換なしに長時間にわたり安定した連続打錠が可能であり、更に苦味の少ないイブプロフェン含有錠剤を得ることができる。
【0016】
【実施例】
以下具体的に実施例を挙げて本発明を説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0017】
実施例1
結晶セルロース2000g、軽質無水ケイ酸500g及び合成ケイ酸アルミニウム・ヒドロキシプロピルスターチ・結晶セルロース(パーフィラー101;フロイント産業(株)製)2700gを攪拌型混合機で均一に混合し、打錠助剤とした。
イブプロフェン4500gにクロスカルメロースナトリウム100g、軽質無水ケイ酸600g及び結晶セルロース200gを攪拌型混合造粒機にとり、エタノール1.2kg加えて練合し、乾燥した後、20メッシュで篩過して造粒物を調製した。この造粒物4320gに上記打錠助剤2440gを加えてV型混合機で混合し、更にステアリン酸マグネシウム160gを加えて混合し、打錠末とした。
【0018】
実施例2
イブプロフェン4500gにクロスカルメロースナトリウム100g、軽質無水ケイ酸600g及び結晶セルロース200gを攪拌型混合造粒機にとり、エタノール1.2kg加えて練合し、乾燥した後、20メッシュで篩過して造粒物Aを得た。別に無水カフェイン1920g、アリルイソプロピルアセチル尿素1440gに結晶セルロース360g、軽質無水ケイ酸24g及びヒドロキシプロピルセルロース96gを攪拌型混合練合機にとり、90%エタノール1kg加えて練合し、乾燥した後、20メッシュで篩過して造粒物Bを得た。造粒物A2520g、造粒物B2880gに実施例1で得た打錠助剤1430gを加えてV型混合機で混合し、更にステアリン酸マグネシウム170gを加えて混合し、打錠末とした。
【0019】
実施例3
結晶セルロース360g、軽質無水ケイ酸60g及び合成ケイ酸アルミニウム・ヒドロキシプロピルスターチ・結晶セルロース(パーフィラー101)780gを攪拌型混合機で均一に混合し、打錠助剤とした。この打錠助剤970gに実施例1で得た造粒物5340gを加えてV型混合機で混合した後、更にステアリン酸マグネシウム160gを加えて混合し、打錠末とした。
【0020】
実施例4
結晶セルロース1400g、軽質無水ケイ酸420g及び合成ケイ酸アルミニウム・ヒドロキシプロピルスターチ・結晶セルロース(パーフィラー101)980gを攪拌型混合機で均一に混合し、打錠助剤とした。この打錠助剤2600gに実施例1で得た造粒物3740gを加えてV型混合機で混合した後、更にステアリン酸マグネシウム160gを加えて混合し、打錠末とした。
【0021】
比較例1
実施例1で得た造粒物4320gに結晶セルロース2000g及び軽質無水ケイ酸500gを攪拌型混合機で均一に混合したもの2440gを加えてV型混合機で混合し、更にステアリン酸マグネシウム160gを加えて混合し、比較用打錠末とした。
【0022】
比較例2
実施例1で得た造粒物4320gに、結晶セルロース1200g及び、合成ケイ酸アルミニウム・ヒドロキシプロピルスターチ・結晶セルロース(パーフィラー101)1620gを攪拌型混合機で均一に混合したもの2440gを加えてV型混合機で混合し、更にステアリン酸マグネシウム160gを加えて混合し、比較用打錠末とした。
【0023】
比較例3
実施例1で得た造粒物4320gに、軽質無水ケイ酸450g、合成ケイ酸アルミニウム・ヒドロキシプロピルスターチ・結晶セルロース(パーフィラー101)2430gを攪拌型混合機で均一に混合したもの2440gを加えてV型混合機で混合し、更にステアリン酸マグネシウム160gを加えて混合し、比較用打錠末とした。
【0024】
比較例4
実施例1で得た造粒物4320gに乳糖2000g及びトウモロコシデンプン440gを加えてV型混合機で混合し、更にステアリン酸マグネシウム160gを加えて混合し、比較用打錠末とした。
【0025】
試験例
実施例1〜4、比較例1〜4で得た打錠末につき、ロータリー打錠機(菊水製作所RT−S15−T35型打錠機)を用いて、30rpmで臼杵5本立てにて、直径8.5mm、厚さ4.2mm、1錠220mgになるように打錠した。この時の、臼杵への付着状況(スティキングの発生状況)及び連続打錠性について試験した。その結果を表1に示した。
【0026】
【表1】
【0027】
表1より明らかな様に実施例1及び2は3時間の連続打錠にても打錠末の臼杵への付着を認めず打錠障害は認められなかった。また実施例3及び4においても一部の杵に曇りが見られたが、打錠末の付着には至らず連続打錠が可能であった。一方、比較例においてはスティキングの発現に差異はあるものの、いずれも打錠末が付着し、連続打錠が困難であった。
Claims (2)
- (A)イブプロフェン又はその塩を含む造粒物に(B)結晶セルロース、軽質無水ケイ酸及び合成ケイ酸アルミニウム・ヒドロキシプロピルスターチ・結晶セルロースを重量比で30〜50:5〜15:35〜65の割合で含む打錠助剤を添加して打錠することにより得られるイブプロフェン含有錠剤。
- (A)イブプロフェン又はその塩を含む造粒物に(B)結晶セルロース、軽質無水ケイ酸及び合成ケイ酸アルミニウム・ヒドロキシプロピルスターチ・結晶セルロースを重量比で30〜50:5〜15:35〜65の割合で含む打錠助剤を添加して打錠することを特徴とするイブプロフェン含有錠剤の製造法。
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