JP2591235B2 - アルキルシステインまたはその酸付加塩を含有する安定な錠剤 - Google Patents

アルキルシステインまたはその酸付加塩を含有する安定な錠剤

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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明はアルキルシステインまたはその酸付加塩を含
有する安定な錠剤、およびこれに腸溶性被膜を施した錠
剤を核錠とする有核錠に関する。
〔従来の技術〕
アルキルシステインまたはその酸付加塩(以下、アル
キルシステインともいう)、特に塩酸メチルシステイン
および塩酸L−エチルシステインは鎮咳去痰剤として使
用されているが、これらの化合物は吸湿性を有し、各種
製剤用添加物と配合変化を生じやすく、さらに配合変化
によりアルキルシステインを原因とするイオウまたはメ
ルカプタン様の強烈な異臭を発生するという問題があ
る。
従って、従来は吸湿によるこれらの変化を防止する目
的で、通常の方法で制した錠剤に防水性、ならびに錠剤
が胃内で崩壊することにより生ずるアルキルシステイン
由来の胃内での異臭およびむかつきの発生の防止を目的
とした腸溶性被膜を被覆し、糖衣層を形成させて糖衣錠
にする方法がとられていた。
〔発明が解決しようとする課題〕
一般用医薬品では医療用医薬品と異なり、多種の有効
成分を配合した製剤が提供されてきている。アルキルシ
ステインについても、一般用医薬品としての使用が考え
られ、その際の剤型としては薬効上他の有効成分と配合
して用いることが望まれる。アルキルシステインを含有
する腸溶錠に他の多種の有効成分を被覆して糖衣錠に製
するのは、製剤技術的に困難であり、また出来上がりの
錠剤の形状が必要以上に大きくなるという問題も生じ
た。
このように腸溶製被膜を被覆したアルキルシステイン
を含有する錠剤を用い、これに他の多種の有効成分を被
覆して製錠する場合、一般的には有核錠を製する方法が
考えられる。
しかるに、従来の技術では、安定かつ異臭の発生しな
い有核錠を製することが困難なため、安定なアルキルシ
ステインを含有する内核錠の製剤化法を新規に開発し、
有核錠に製する必要がある。
よって、本発明は安定かつ異臭のしないアルキルシス
テインの内核錠およびそれを含有する有核錠を提供する
ことを目的とする。
〔課題を解決するための手段〕
本発明者らはかかる事情に鑑み、安定なアルキルシス
テインまたはその酸付加塩を含有する腸溶性の内核錠お
よびこれを核とする安定な有核錠の製剤化について鋭意
研究を重ねた結果、アルキルシステインまたはその酸付
加塩と配合変化を起こさない選ばれた結合剤またはコー
ティング剤を、選ばれた溶媒を主体とする液に溶解した
結合剤溶液で、アルキルシステインまたはその酸付加塩
のみをコーティング的に造粒し、さらに選ばれた滑沢剤
を添加して製錠化することによって安定な錠剤が得ら
れ、この錠剤に糖衣を施すことによって医薬品として使
用できる安定かつ小さな糖衣錠とすることができ、ある
いは前記の安定な錠剤に腸溶性被膜を被覆した錠剤を内
核とすることによって安定かつ異臭の発生しない有核錠
が得られることを見出して、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、(1)結合剤溶液で造粒したア
ルキルシステインまたはその酸付加塩に滑沢剤を混合
し、圧縮成型してなるアルキルシステインまたはその酸
付加塩を含有する安定な錠剤、(2)腸溶性被膜を施し
た前記(1)記載の錠剤を核錠としてなる有核錠を主要
な構成とし、該製剤の提供を目的とする。
本発明で用いられるアルキルシステインとは、メチル
システイン、L−エチルシステインなどの吸湿性の医薬
品を意味し、またその酸付加塩とは塩酸塩、硫酸塩、リ
ン酸塩などが含まれる。特に塩酸メチルシステイン、塩
酸L−エチルシステインがあげられる。
本発明は通常製錠するのに必要とされる増量剤、崩壊
剤などを配合することなく、アルキルシステインと配合
変化を生じない必要最小限の添加剤のみを使用して内核
錠を製することによって、添加剤による不安定化要因が
減じ、安定な異臭の発生し難い内核錠を製し得た点、お
よび該内核錠を用い、外層に多種の有効成分を配合した
安定な異臭の発生しない有核錠に製し得た点が特徴であ
る。また、有核錠であるためにアルキルシステインを含
有する内核錠は、実用面から濃度の高い小型の錠剤に製
する必要があり、この目的に合致させるために必要最小
限の添加剤のみで製錠する方法を見出した点も特徴であ
る。本発明の目的に合致する範囲であれば、必要に応じ
て、崩壊剤、増量剤などを添加して製錠できることは言
うまでもない。
アルキルシステインを、結合剤溶液を用いてコーティ
ング的に造粒する理由は、高濃度のアルキルシステイン
を含有する錠剤であるためにアルキルシステインの特性
による製錠時の錠剤の杵への付着を防止すること、およ
び外部からのアルキルシステインの安定性に及ぼす悪影
響を排除して安定化を図るためである。
本発明に用いられる結合剤またはコーティング剤とし
ては、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロー
ス、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、エチルセル
ロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレー
ト、カルボキシメチルエチルセルロースおよびメタアク
リル酸コポリマーから選ばれる1種以上のものが挙げら
れ、これらの添加量はアルキルシステインに対して0.5
重量%ないし20重量%の範囲が好ましい。アルキルシス
テインに対して0.5重量%以下では充分なコーティング
効果が得られず、20重量%以上では結合剤溶液濃度が高
くなり、実用に供するのが困難である。また必要以上の
添加は無意味でもある。なお、列挙された以外の通常使
用される結合剤またはコーティング剤はアルキルシステ
インとの配合により着色変化などが生ずるため、本製剤
へ利用することは好ましくない。ただし、結合剤または
コーティング剤と共に、コーティング用添加剤として使
用されるステアリン酸、パラフィン、水素添加植物油な
どの脂ロウ状物質を配合することなどは自由である。
結合剤またはコーティング剤の溶解に供される溶媒と
してはアルキルシステインの安定性を損なわないものが
好ましく、メタノール、エタノール、イソプロピルアル
コール、酢酸エチル、メチレンクロライド、ジクロエタ
ン、トリクロルエチレン、シクロヘキサン、n−ヘキサ
ンが挙げられる。また、これらの溶媒は、結合剤または
コーティング剤が溶解し、アルキルシステインができる
だけ溶解しないように、1種または2種以上混合したも
のを主体とする溶媒を用いるのが最適である。たとえ
ば、ヒドロキシプロピルメチルセルロースの場合、メチ
レンクロライドとエタノールの10:0〜5:5容量比の混液
を、ヒドロキシプロピルセルロースの場合、メチレンク
ロライドを50%以上含有する溶媒を、エチルセルロース
の場合、酢酸エチル、メチレンクロライドなどを50%以
上含有する溶媒またはn−ヘキサンとエタノールの8:2
〜5:5容量比の混液を、またカルボキシメチルエチルセ
ルロースの場合、メチレンクロライドとシクロヘキサン
の同容量混合物とエタノールの9:1〜5:5の容量比の混液
を用いるなどである。これら本発明に用いられる溶媒
中、アルキルシステインをほとんど溶解しない溶媒は酢
酸エチル、メチレンクロライド、ジクロエタン、トリク
ロルエタン、シクロヘキサン、n−ヘキサンであり、ア
ルキルシステインをある程度溶解するものはメタノー
ル、エタノール、イソプロピルアルコールである。な
お、水はアルキルシステインを非常によく溶かし、また
アルキルシステインを分解するので、溶媒として30重量
%程度は混合できても、水のみで造粒するのは好ましく
ない。
造粒に使用される機器はニーダー、撹拌型造粒機、流
動層造粒機など一般的な造粒機のいずれを用いてもよい
が、流動層造粒機以外の造粒機を利用する際は、特にア
ルキルシステインを溶解し難い溶媒を用いることが肝要
である。なぜなら、アルキルシステインが造粒時に溶解
して、粒表面に露出するのを防止することが必要だから
である。また流動層に類するタイプの造粒機の場合、造
粒機構的にアルキルシステインの表面に結合剤またはコ
ーティング剤が付着して造粒されるので、この場合は必
ずしも溶媒を選択する必要はなく、たとえばメチルセル
ロースをメタノールとメチレンクロライドまたは水の9:
1〜7:3容量比の混液に溶かして用いるなどが考えられ
る。
いずれにしても、本発明に利用される結合剤、コーテ
ィング剤および溶媒によって造粒されたアルキルシステ
イン粒を用い、次に示す滑沢剤を添加して製錠できるも
のであれば、本発明の目的に適うものである。
本発明に使用される滑沢剤は、結合剤またはコーティ
ング剤がアルキルシステインの粒表面にコーティング的
に付着して造粒したものに添加するため、必ずしも選択
する必要はないが、より安定な錠剤に製する意味でアル
キルシステインとの配合変化のないものが望ましい。そ
のような滑沢剤としてはステアリン酸マグネシウム、ス
テアリン酸カルシウム、ステアリン酸、水素添加植物
油、酸処理タルク、軽質無水ケイ酸などが挙げられ、こ
れらの1種または2種以上の混合物を用いることができ
る。なお、配合する滑沢剤の量は滑沢剤の種類によって
も異なるが、原則的にはアルキルシステイン造粒末の0.
1%ないし20%の範囲が好ましい。
このようにして得られた錠剤は通常の糖衣錠とするこ
とによってそのまま安定な医薬品として使用することが
できる。また、通常の腸溶性被膜を施し、これを内核と
した有核錠にも製することもできる。有核錠の場合、外
層となる錠剤の処方については制限はなく、いろいろな
処方のものを製することができる。薬効のないものだけ
の組み合わせで製することも可能であり、また多種の有
効成分を含有するものを製することも可能である。特に
アルキルシステインを含む多種の有効成分を配合した一
般用薬を製剤化する場合、アルキルシステイン錠に腸溶
性被膜を被覆したものを内核とし、その他の成分を外層
とする有核錠に製すれば、安定な製剤が得られ、有用で
ある。
本発明に供せられる内核錠に含有されるアルキルシス
テインの1錠当たりの含量はその1日当たりの薬用量か
ら考え、25mgないし100mgであることが望ましい。ま
た、内核錠に対する外層錠の重量比は有核錠の成型性を
考慮して、内核1に対し、外層は3以上であることが望
ましく、かつ服用するのに差し支えない大きさであれば
よい。
〔作用および発明の効果〕
本発明によればアルキルシステインの安定性、特に耐
湿性に優れた、異臭の発生しない有核錠の製剤化が達成
される。このことは、アルキルシステインが安定性を損
なわれることなく結合剤またはコーティング剤で被覆さ
れ、かつアルキルシステインへの外部からの直接的また
は間接的な影響が排除されるため、これを核とした安定
な有核錠が得られたことを示している。
以下、実験例を挙げて本発明について説明する。
実験例1 (1) 塩酸L−エチルシステインまたは塩酸メチルシ
ステイン100gを取り、通常使用される結合剤、コーティ
ング剤、脂ロウ状物質のそれぞれを第1表に示した溶媒
で10w/v%の濃度に溶解した溶液を用いて湿式造粒し、
乾燥後24メッシュスクリーンを通した。次に、これに最
も一般的な製錠用の滑沢剤であるステアリン酸マグネシ
ウム1.5gを混合したものを用いて、1錠当たりの塩酸L
−エチルシステインまたは塩酸メチルシステインの含量
が50mgとなるように、5mm5.5Rの杵で製錠した。なお、
湿式造粒時に添加した溶液の添加量はメチレンクロライ
ドとエタノールの混合比(容量比)が9対1および3対
7のものが35ml、また水のみのものが15mlであった(第
1表のI〜VIIIおよびX〜XV)。
(2) 塩酸L−エチルシステイン100gにステアリン酸
マグネシウム1.5gを混合して、径5mm5.5Rの杵にて1錠
当たり50.75mgの重量に製錠した(第1表のIX)。
(3) 塩酸メチルシステイン100gのステアリン酸マグ
ネシウム1.5gを混合して、径5mm5.5Rの杵にて1錠当た
り50.75mgの重量に製錠した(第1表のX VI)。
このようにして製した錠剤を40℃、相対湿度75%の雰
囲気中に裸のまま2週間保存し、外観変化を観察したと
ころ、第1表のような結果が得られた。また、この結果
から次のようなことが明らかとなった。
1.湿式造粒に用いる溶媒としてはメチレンクロライド含
量が高いものがよい。これは塩酸アルキルシステインが
メチレンクロライドにほとんど溶解しないため、結合
剤、コーティング剤などが塩酸アルキルシステインを被
覆する形で造粒されており、外部からの影響がなくなっ
ていることに起因している。ちなみにメチレンクロライ
ド含量が高いもので造粒した粒は水に浮き、結合剤、コ
ーティング剤などが塩酸アルキルシステインの周りに被
覆されていることがわかる。
2.エタノールとメチレンクロライドの7対3容量比の混
合溶媒であってもある程度の安定化効果が得られている
が、充分ではない。これは塩酸アルキルシステインが湿
式造粒中にエタノールに溶け、粒表面に露出するためと
考えられる。
3.またIXおよびX VIからもわかるように、塩酸L−エチ
ルシステインおよび塩酸メチルシステインを造粒するこ
となく、そのままでステアリン酸マグネシウムを混合し
て製錠したものは着色する傾向があり、このことから
も、メチレンクロライドを主体とする溶媒で練合処理し
たものは安定化されていることがわかる。
4.本実施例から塩酸アルキルシステインと直接配合して
も配合変化を起こさないものは、メチルセルロース、ヒ
ドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチ
ルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシプロピル
メチルセルロースフタレート、カルボキシメチルエチル
セルロース、メタアクリル酸コポリマー、ステアリン
酸、パラフィンおよび水素添加植物油である。
実験例2 塩酸L−エチルシステインまたは塩酸メチルシステイ
ン各1gをとり、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン
酸カルシウム、ステアリン酸、タルク、酸処理タルク、
軽質無水ケイ酸、水素添加植物油のそれぞれ100mgとの
各2種での全ての組合わせについて、混合物を作り、40
℃、相対湿度75%中に2週間保存して外観変化を調べ
た。
その結果、全く変色しなかったものはステアリン酸、
酸処理タルク、軽質無水ケイ酸、わずかに黄味を帯びた
ものがステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシ
ウム、黄変したものがタルクであった。
従って通常用いられる製錠用の滑沢剤の中でタルクは
使用しない方が安全であることがわかった。
〔実施例〕
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本
発明はこれら実施例に何ら限定されるものではない。文
中「部」は重量部を表わす。
実施例1 (1) 塩酸L−エチルシステイン900gをマイクロスピ
ードミキサーにとり、これにカルボキシメチルエチルセ
ルロース18gをメチレンクロライド340mlおよびエタノー
ル40mlの混液に溶解したものを添加して、湿式練合、乾
燥する。乾燥後、24メッシュスクリーンを通し、これに
ステアリン酸カルシウム18gおよびステアリン酸18gを混
合して、径5mm5Rの杵を用い1錠当たり53mgの重量で製
錠した。
(2) 次に、この錠剤にカルボキシメチルエチルセル
ロース50部、ステアリン酸10部、ヒマシ油7.5部をメチ
レンクロライド660部とエチルアルコール400部の混液に
溶解したフィルムコーティング液を用いて、スプレー法
にて1錠当たり10mgの腸溶性被膜を施して内核を製し
た。
(3) 別に、フェンジゾ酸クロペラスチン225g、d−
マレイン酸クロルフェニラミン13.5g、dl−塩酸メチル
エフェドリン150g、無水カフェイン300g、カルボキシメ
チルセルロース1050gおよび微結晶セルロース1260gをス
ピードミキサーにとり、これにメチルセルロース(SM−
25)25.5gを水900gに溶解した液の全量を加えて練合、
乾燥する。乾燥後、24メッシュスクリーンを通し、これ
にダイラクトーズ1200g、クエン酸カルシウム1467g、タ
ルク165gおよびステアリン酸マグネシウム30gを混合す
る。ここで製したものを外層用末とし、(2)で製した
ものを内核として、9.5mm2段Rの杵を用い、1錠当たり
の重量が390mgの有核錠に製した。
(4) このようにして製した有核錠を裸のまま40℃、
相対湿度75%の雰囲気中に1箇月間、またガラス瓶に入
れ密栓した状態で60℃に1箇月間それぞれ保存して安定
性を観察したところ、第2表のように安定な製剤が得ら
れた。
(5) 前記(2)で得られた錠剤に通常の方法により
糖衣を施すことによって、異臭の発生しない安定かつ小
型の糖衣錠が得られた。
実施例2 (1) 塩酸L−エチルシステイン900gをニーダーにと
り、これにヒドロキシプロピルメチルセルロース40.5g
をメチレンクロライド、酢酸エチル、エタノールの7:2.
5:0.5容量部の混液370mlに溶解した液を添加して練合す
る。乾燥後、24メッシュスクリーンを通過させたものに
ステアリン酸マグネシウム13.5gを混合して、径5mm5.5R
の杵を用い、1錠当たり53mgの重量で製錠する。
(2) 次に、この錠剤にヒドロキシプロピルメチルセ
ルロースフタレート45部、ステアリン酸1.2部、タルク
9部、フタル酸ジブチル4.8部をメチレンクロライド660
部とエタノール400部の混液に溶解したフィルムコーテ
ィング液を用いてスプレー法にて1錠当たり10mgの腸溶
性被膜を施し、これを内核錠とした。
(3) 別に、グアヤコールスルホン酸カリウム810g、
フェンジゾ酸クロペラスチン180g、ノスカピン90g、d
−マレイン酸クロルフェニラミン13.5g、無水カフェイ
ン300g、カルボキシメチルセルロース900gおよび微結晶
セルロース795gをスピードミキサーにとり、これにヒド
ロキシプロピルメチルセルロース25.5gを水900gに溶解
した液の全量を加えて練合、乾燥する。乾燥後、24メッ
シュスクリーンを通過させたものに、ダイラクトーズ12
47g、リン酸水素カルシウム400g、ステアリン酸カルシ
ウム45gおよびタルク180gを混合する。ここで製したも
のを外層用末とし、(2)で製したものを内核として、
9mm2段Rの杵を用い1錠当たりの重量が340mgの有核錠
に製した。
(4) このようにして製した有核錠を裸のまま40℃、
相対湿度75%の雰囲気中に1箇月間、またガラス瓶に入
れ密栓した状態で60℃に1箇月間それぞれ保存して安定
性を観察したところ、第3表のように安定な製剤が得ら
れた。
実施例3 塩酸L−エチルシステイン200gをニーダーにとり、こ
れにカルボキシメチルエチルセルロース12gをシクロヘ
キサン4.5容量部、メチレンクロライド4.5容量部、エタ
ノール1容量部の混液100mlに溶解した液を添加して練
合する。乾燥後、24メッシュスクリーンを通し、ステア
リン酸マグネシウム4gを混合して、径5mm5.5Rの杵を用
い1錠当たり54mgの重量で製錠した。
この錠剤に実施例1の(2)の方法で腸溶性被膜を施
したものを内核とし、実施例1の(3)の方法で製した
ものを外層用末として、9.5mm2段Rの杵を用い、1錠当
たり391mgの有核錠に製した。このようにして製した有
核錠は、第2表に示した錠剤と同等の安定性を有してい
た。
実施例4 塩酸L−エチルシステイン200gをニーダーにとり、こ
れにエチルセルロース8gをn−ヘキサン5容量部と酢酸
エチル5容量部の混液90mlに溶解した液を添加して練合
する。乾燥後、24メッシュスクリーンを通し、リン酸水
素カルシウム48g、低置換度ヒドロキシプロピルセルロ
ース45g、ステアリン酸カルシウム3gおよび酸処理タル
ク8gを混合して、径5mm5.5Rの杵を用い1錠当たり52mg
の重量で製錠した。
この錠剤に実施例2の(2)の方法で腸溶性被膜を施
したものを内核とし、実施例2の(3)の方法で製した
ものを外層用末として、9.5mm2段Rの杵を用い、1錠当
たり339mgの有核錠に製した。このようにして製した有
核錠は、第3表に示した錠剤と同等の安定性を有してい
た。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭63−280023(JP,A) 特開 昭55−129224(JP,A) 特開 昭59−65011(JP,A) 特開 昭63−99009(JP,A) 特開 昭62−174013(JP,A) 特開 昭51−142523(JP,A) 村田敏郎編、薬剤学改訂第2版、1988 年3月10日 南江堂、第196頁

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】酢酸エチル、メチレンクロライド、シクロ
    ヘキサン、n−ヘキサンからなる群から選ばれる1種ま
    たは2種以上の混合物を主体とする溶媒にヒドロキシプ
    ロピルメチルセルロース、エチルセルロースおよびカル
    ボキシメチルエチルセルロースからなる群から選ばれる
    1種以上の結合剤またはコーティング剤を溶解した溶液
    からなる結合剤溶液で造粒したアルキルシステインまた
    はその酸付加塩に、ステアリン酸マグネシウム、ステア
    リン酸カルシウム、ステアリン酸、酸処理タルクよりな
    る群から選ばれる1種または2種以上の混合物からなる
    滑沢剤を混合し、圧縮成型してなる安定な錠剤を核錠と
    し、当該核錠に腸溶性被膜を施してなるアルキルシステ
    インまたはその酸付加塩を含有する有核錠。
  2. 【請求項2】アルキルシステインまたはその酸付加塩が
    塩酸メチルシステインまたは塩酸L−エチルシステイン
    であることを特徴とする請求項(1)記載の有核錠。
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