JP3836211B2 - シール部の目詰まり除去機構を備えた煮練機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、餡や佃煮、羊羹、ジャム、カレールウ、ハンバーグ等の食品の製造に使用される煮練機に関し、より詳しくは、製造工程中に撹拌軸のシール部分に目詰まりする付着物(煮練物)をセルフクリーニングできるシール部の目詰まり除去機構を備えた煮練機に関する。
【0002】
【従来の技術】
餡や佃煮等の食品の製造に使用される煮練機の一例として、食品原料を気密性の缶体内に収容し、缶体内を真空状態に維持した上で、缶体内を加熱しながら缶体内の食品原料を撹拌部材により混練することにより、その食品原料を煮炊する構成のものが知られている。
【0003】
図5は、この種の煮練機の一従来例を示す。この煮練機は、煮練物を内部に収容する気密性の缶体10と、缶体10を水平方向に貫通するシャフト20と、シャフト20に取り付けられた撹拌部材30と、缶体10内を真空引きするために缶体10に接続された真空ポンプ40とを備えている。
【0004】
シャフト20は、缶体10の両側部に設けられた軸受部13,13を貫通し、缶体10の外に設けられた駆動機構(図示せず)により回転駆動されることにより、缶体10内の撹拌部材30を回転させる。両側の軸受部13,13とシャフト20との間は、グランドパッキンと称せられるシール部材15,15により、シャフト20の回転を阻害することなく気密にシールされている。
【0005】
ここで、図5に示す煮練機は、シャフトが1本の1軸タイプであるが、このシャフトを外嵌するスリーブ状の別のシャフトを設け、このシャフトにも撹拌部材を取り付けた2軸タイプと称せられる煮練機も従来より知られている。
【0006】
なお、2軸タイプの煮練機において、以下では、スリーブ状のシャフトを外軸と称し、このスリーブ状のシャフトに挿通(内嵌)されるシャフトを内軸と称する。そして、軸受部と外軸の間、及び外軸と内軸の間は、1軸タイプの煮練機と同様に、グランドパッキンにより、それぞれシャフトの回転を阻害することなく気密にシールされている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
このような真空ポンプを備えた煮練機では、缶体内を、例えば真空状態に維持するために、缶体10の両側部に設けられた軸受部13,13と、軸受部13,13を貫通するシャフト20との間をシールする必要から、シール部材15,15を用いたシール部が不可避的に生じる。しかしながら、従来の煮練機には、このシール部に関連して次のような問題点があった。
【0008】
シール部が缶体10の両側部にあるため、煮練機の使用を繰り返すうちに、缶体10内の煮練物が軸受部13,13とシャフト20との間のシール部に侵入する。
【0009】
ここで、煮練機は使用後に缶体内を洗浄されるが、シール部に侵入した煮練物は、この洗浄では除去され難く、シール部に残留して固化することが多い。そして、シール部で固化した残留物、即ちシール部に目詰まりした残留物はシャフト20の外周面に接触し、異音を発生させたり、シャフト20の寿命を損ねる原因になる。また、シール部材15,15を損傷させてそのシール性を低下させる原因にもなる。
【0010】
本発明は上記従来の問題点を解決するものであり、その目的は、缶体内を減圧するために煮練機に設けられた真空ポンプを利用することにより、簡単な構成で、シール部に目詰まりした付着物を効果的にセルフクリーニングすることができ、異音の発生やシャフトに損傷が発生するのを防止できるシール部の目詰まり除去機構を備えた煮練機を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明のシール部の目詰まり除去機構を備えた煮練機は、煮練物を内部に収容する気密性の缶体と、缶体内の該煮練物を撹拌する第1の撹拌部材及び第2の撹拌部材と、該第1の撹拌部材を支持するために該缶体を貫通し、該缶体の両側部に設けられた軸受部に回転自在に支持されると共に、缶体外の第1の駆動機構により回転駆動されるスリーブ状の外軸と、該第2の撹拌部材を支持するために該外軸を貫通し、該外軸により回転自在に支持されると共に、缶体外の第2の駆動機構により回転駆動される内軸と、該缶体の該軸受部と該外軸との間を気密にシールする第1のシール部材と、該外軸と該内軸との間を気密にシールする第2のシール部材と、缶体内を真空引きするために該缶体に接続された真空ポンプとを備えた2軸タイプの煮練機において、該缶体の該軸受部と該外軸との間に該第1のシール部材の外側に位置して形成された第1の密閉空間と、該第1の密閉空間を缶体外の空間に連通させる第1の通気孔と、該第1の密閉空間を該真空ポンプと缶体外の空間に切り換え接続すべく該第1の通気孔に接続された第1の弁体と、
該外軸と該内軸との間に該第2のシール部材の外側に位置して形成された第2の密閉空間と、該第2の密閉空間を缶体外の空間に連通させる第2の通気孔と、
該第2の密閉空間を該真空ポンプと缶体外の空間に切り換え接続すべく該第2の通気孔に接続された第2の弁体とを有しており、そのことにより上記目的が達成される。
【0013】
好ましくは、前記第2の通気孔が、前記第1の密閉空間を介して前記第1の通気孔に連通し、該第1の通気孔に接続される前記第1の弁体は、該第2の通気孔に接続される前記第2の弁体を兼ねる構成とする。
【0014】
以下に、本発明の作用を、本発明の実施形態を示す図2及び図4に基づき説明する。ここで、図2は1軸タイプの煮練機を示す。
【0015】
図2において、缶体10に設けられた軸受部13と軸受部13を貫通するシャフト20との間に、この間をシールするシール部材15が挿入されると共に、シール部材5の外側に位置して密閉空間51が形成されている。また、密閉空間51を缶体10外の空間に連通させる通気孔52,52に、密閉空間51を真空ポンプと缶体10外の空間に切り換え接続すべく弁体(バルブ)53,54が接続されている。
【0016】
缶体10内を洗浄するときに、弁体53,54を操作して密閉空間51を真空ポンプに接続し、密閉空間51を缶体10内と共に真空引きする。この操作により、密閉空間51は缶体10内と共に減圧状態となる。なお、この時、缶体10内には洗浄水が充填される。
【0017】
その後、弁体53,54を操作して、缶体10内を減圧状態に維持したまま、密閉空間51を缶体外の空間(大気中)に連通させる。これにより、密閉空間51は大気圧に戻り、減圧状態に維持に維持された缶体10内との間に圧力差を生じる。その結果、密閉空間51と缶体10内の間に位置するシール部材15は、外側から内側に向かう圧力を受け、この圧力により、シール部材15の近傍に残留する煮練物は缶体10内に排出され、シール部から除去される。
【0018】
その後、缶体10内に回収された煮練物は、洗浄水と共に缶体外に排出されることになる。
【0019】
図4は2軸タイプの煮練機を示す。図4において、缶体10に設けられた軸受部13と軸受部13を貫通するスリーブ状の外軸20aとの間に、この間をシールする第1のシール部材15aが挿入されると共に、第1のシール部材15aの外側に位置して第1の密閉空間51aが形成されている。また、第1の密閉空間51aを缶体10外の空間に連通させる第1の通気孔52a,52aに、第1の密閉空間51aを真空ポンプと缶体10外の空間に切り換え接続すべく弁体53,54が接続されている。
【0020】
一方、外軸20aと外軸20aを貫通する内軸20bとの間には、この間をシールする第2のシール部材15bが挿入されると共に、第2のシール部材15bの外側に位置して第2の密閉空間51bが形成されており、この第2の密閉空間51bは、外軸20aに形成された第2の通気孔52b,52bを介して第1の密閉空間51aに連通している。
【0021】
缶体10内を洗浄するときに、弁体53,54を操作して第1の密閉空間51aを真空ポンプに接続し、第1の密閉空間51aを缶体10内と共に真空引きする。この操作により、第1の密閉空間51a及び第2の密閉空間51bは缶体10内と共に減圧状態となる。
【0022】
その後、弁体53,54を操作して、缶体10内を減圧状態に維持したまま、第1の密閉空間51aを缶体10外の空間に連通させる。これにより、第1の密閉空間51a及び第2の密閉空間51bは大気圧に戻り、減圧状態に維持された缶体10内との間に圧力差を生じる。その結果、第1の密閉空間51aと缶体10内の間に位置するシール部材15a、及び第2の密閉空間51bと缶体10内の間に位置するシール部材15bは、いずれも外側から内側に向かう圧力を受け、この圧力により、シール部材15a,15bの各近傍に残留する煮練物は缶体内に排出され、シール部から除去される。
【0023】
その後、缶体10内に回収された煮練物は、洗浄水と共に缶体外に排出されることになる。
【0024】
なお、図4では、第2の通気孔52bが第1の密閉空間51aを介して第1の通気孔51aに連通し、第1の通気孔52aに接続される第1の弁体53,54が、第2の通気孔52bに接続される第2の弁体を兼ねる構成となっているが、第2の通気孔52bに第2の弁体を接続することも可能である。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施の形態を図面に基づき具体的に説明する。
【0026】
(実施形態1)
図1及び図2は本発明シール部の目詰まり除去機構を備えた煮練機の実施形態1を示す。本実施形態1は、1軸タイプの煮練機に本発明を適用した例を示す。
【0027】
本実施形態1の煮練機は、図1に示すように、煮練物を収容する気密性の缶体10と、缶体10を水平方向に貫通するシャフト20と、シャフト20により缶体10内に支持された複数の撹拌部材30,30…と、缶体10内を真空引きするために缶体10に接続された真空ポンプ40とを備えている。
【0028】
缶体10は、半球状の底部11と、底部11の上に連設された円筒状の胴部12と、底部11と胴部12の境界部分に位置して缶体10の両側部に一体的に設けられた円筒状の軸受部13,13と、胴部12の開口部を開閉する蓋体14とを有する。半球状の底部11の底面は、蒸気による加熱を行うために、ジャケット構造11aになっている。また、缶体10内を真空引きするための真空ポンプ40は、蓋体14に接続されている。
【0029】
シャフト20は、両側の軸受部13,13を通って缶体10の両側に突出し、缶体10の外側に設けられた駆動機構(図示せず)により回転駆動される。
【0030】
撹拌部材30,30…は、シャフト20の軸心方向に間隔をあけて取り付けられている。各撹拌部材30は、シャフト20の外周側に延びるアーム31の先端に取り付けられた撹拌羽根32を有し、シャフト20の回転に伴ってこの撹拌羽根32を缶体10の底部11内面に接触させつつ旋回させる構造になっている。
【0031】
次に、図2に基づきシール部の目詰まり除去機構の構造について説明する。
【0032】
缶体10の両側部には、缶体10を支持するための支持部18が設けられると共に、シャフト20を支持するための軸受部13が、支持部18の内側に位置して設けられている。軸受部13は、缶体10の外側(駆動側)に突出するスリーブであり、その内側を挿通するシャフト20との間は、グランドパッキンと称せられるシール部材15により、シャフト20の回転を阻害することなく気密にシールされている。シール部材15は、軸受部13内に外側(駆動側)から挿入され、軸受部13の端面にネジ止めされたスリーブ状のパッキン押さえ16により、抜け止めされている。
【0033】
ここで、パッキン押さえ16の内径はシャフト20の外径より若干大きく設定されている。また、パッキン押さえ16とシャフト20との間には、外側(駆動側)からオイルシール17が挿入されている。これらにより、パッキン押さえ16とシャフト20との間には、シール部材15とオイルシール17により気密にシールされた環状の密閉空間51が形成されている。
【0034】
軸受部13及びパッキン押さえ16には、これらを半径方向に貫通する通気孔52,52が形成されている。通気孔52,52の各一端側は環状の密閉空間51に連通している。一方の通気孔52の他端側は、弁体53を介して真空ポンプ40に接続されており、他方の通気孔52の他端側は、弁体54を介して缶体10の外部空間に連通している(図1参照)。
【0035】
そして、パッキン押さえ16の内側に形成された環状の密閉空間51と、軸受部13及びパッキン押さえ16に形成された2つの通気孔52,52と、通気孔52,52にそれぞれ接続された2つの弁体53,54とにより、シール部の目詰まり除去機構50が構成されている。
【0036】
次に、上記構成のシール部の目詰まり除去機構50の機能について説明する。
【0037】
煮練作業が終わると、缶体10内を洗浄する。この洗浄作業では、缶体10内に水をはり、缶体10の蓋体14を閉じた状態で、底部11に蒸気を通じることにより、缶体10内を加熱し洗浄する。
【0038】
このとき、シール部の目詰まり除去機構50は、弁体53を開き、弁体54を閉じた状態とする。そして、この状態で真空ポンプ40を作動させる。これにより、缶体10内が真空引きされると共に、密閉空間51が弁体53及び通気孔52を介して真空引きされ、その結果、缶体10内と密閉空間51は同じ圧力に減圧される。
【0039】
所定の圧力に減圧されると、真空ポンプ40を停止して、弁体53を閉じ、弁体54を開く。これにより、缶体10内は減圧状態が維持されるが、密閉空間51は大気圧に戻る。その結果、缶体10内と密閉空間51の間に位置するシール部材15は、密閉空間51から缶体10内に向けて、両者の圧力差に相当する圧力を受ける。従って、シール部材15の近傍に残留していた煮練物は、缶体10内に排出され、シール部から除去される。
【0040】
一方、煮練作業中の真空加熱工程では、弁体53を開き、弁体54を閉じる。これにより、缶体10内と密閉空間51は同じ圧力に減圧される。そのため、軸封部材15の近傍に煮練物が残留していたとしても、その残留物が缶体10内に侵入するおそれはない。
【0041】
(実施形態2)
図3及び図4は本発明シール部の目詰まり除去機構を備えた煮練機の実施形態2を示す。本実施形態2は、2軸タイプの煮練機に本発明を適用した例を示す。
【0042】
本実施形態2の煮練機は、図3に示すように、両側のフレーム60,60間に駆動部70a,70bを介して支持された缶体10と、缶体10の両側部に設けられた軸受部13,13をそれぞれ水平方向に貫通する両側一対のスリーブ状の外軸20a,20aと、外軸20a,20a内を通って缶体10を水平方向に貫通する内軸20bと、外軸20a,20aに取り付けられた第1の撹拌部材30a,30aと、内軸20bに取り付けられた第2の撹拌部材30a,30aとを備えている。
【0043】
缶体10は、実施形態1における缶体10と実質的に同じであり、ジャケット構造の底部11の上に胴部12が連設されると共に、両側部に軸受部13,13が設けられ、胴部12の開口部が蓋体14により閉止される構成になっている。蓋体14は、一方のフレーム60に取り付けられたシリンダ61により開閉され、図示しない真空ポンプと接続されている。
【0044】
両側の外軸20a,20aは、第1の撹拌部材30aの取り付けアームを兼ねるU字状のアーム31a,31aにより連結され、缶体10と一方のフレーム60の間に設けられた第1の駆動部70aにより回転駆動される。内軸20bは、缶体10と他方のフレーム60の間に設けられた第2の駆動部70bにより回転駆動される。他方のフレーム60の上には操作パネル62が設けられている。
【0045】
第1の撹拌部材30aは、外軸20a,20aの連結部材を兼ねるU字状のアーム31aに取り付けられた複数の撹拌羽根32a,32a…を有し、外軸20a,20aの回転に伴ってこれらの撹拌羽根32a,32a…を缶体10の底部11内面に接触させつつ旋回させる構造になっている。また、第2の撹拌部材30bは、内軸20bの軸心方向に間隔をあけて取り付けられた撹拌羽根であり、内軸20bの回転に伴って回転する。
【0046】
次に、図4に基づきシール部の目詰まり除去機構の構造を説明する。
【0047】
缶体10の両側部には、缶体10を支持するための支持部18が設けられると共に、外軸20aを支持するための軸受部13が、支持部18の内側に位置して設けられている。支持部18は、駆動部70a,70bの各フレーム71にネジ止めされている。
【0048】
軸受部13は、缶体10の内側及び外側に突出するスリーブであり、軸受部13の内側を挿通するスリーブ状の外軸20aとの間は、グランドパッキンと称せられる第1のシール部材15aにより、外軸20aの回転を阻害することなく気密にシールされている。第1のシール部材15aは、軸受部13内に外側から挿入され軸受部13の端面にネジ止めされたスリーブ状の第1のパッキン押さえ16aにより抜け止めされている。
【0049】
ここで、第1のパッキン押さえ16aの内径は外軸20aの外径より若干大きく設定されている。また、第1のパッキン押さえ16aと外軸20aとの間には、外側からオイルシール17aが挿入されている。これらにより、パッキン押さえ16と外軸20aの間には、第1のシール部材15aとオイルシール17aにより気密にシールされた第1の密閉空間51aが形成されている。
【0050】
軸受部13及び第1のパッキン押さえ16aには、これらを半径方向に貫通する第1の通気孔52a,52aが形成されている。通気孔52a,52aの各一端側は第1の密閉空間51aに連通している。一方の通気孔52aの他端側は、弁体53を介して真空ポンプに接続されており、他方の通気孔52aの他端側は、弁体54を介して缶体10の外部空間に連通している(図1参照)。
【0051】
外軸20aの両端部は、軸受部13の両側に突出しており、内側の端部には、第1の撹拌部材30aのアーム31aが取り付けられている。また、外側の端部は、駆動部70a,70bの各フレーム71にベアリング72を介して支持されている。
【0052】
一方、外軸20a,20aを挿通する内軸20bと各外軸20aとの間は、外軸20aの内側の端部内に挿入された、グランドパッキンと称せられる第2のシール部材15bにより、外軸20aの回転を阻害することなく気密にシールされると共に、外軸20aの外側の端部内に挿入されたオイルシール17bによっても気密にシールされている。
【0053】
従って、内軸20bと外軸20aの間には、第2のシール部材15bとオイルシール17bとの間に位置して、第2の密閉空間51bが形成されている。そして、この第2の密閉空間51bは、外軸20aに半径方向に貫通形成された第2の通気孔52b,52bを介して、第1の密閉空間51aに連通し、これらと共に、シール部の目詰まり除去機構50を構成している。
【0054】
即ち、シール部の目詰まり除去機構50は、ここでは軸受部13内の第1のパッキン押さえ16aの内側に形成された第1の密閉空間51aと、軸受部13及び第1のパッキン押さえ16aに形成された第1の通気孔52a,52aと、通気孔52a,52aにそれぞれ接続された2つの弁体53,54と、外軸20aと内軸20bの間に形成された第2の密閉空間51bと、外軸20aに形成された第2の通気孔52b,52bとにより構成されている。
【0055】
なお、第2のシール部材15bは、外軸20a内に内側から挿入された第2のパッキン押さえ16bにより抜け止めされ、オイルシール17bは、ベアリング72の押さえ部材73により抜け止めされている。内軸20bの外側の端部には、回転駆動のために歯車21bが取り付けられている。
【0056】
次に、シール部の目詰まり除去機構50の機能について説明する。
【0057】
煮練作業が終わると、缶体10内を洗浄する。この洗浄作業では、缶体10内に水をはり、缶体10の蓋体14を閉じた状態で、底部11に蒸気を通じることにより、缶体10内を加熱し洗浄する。
【0058】
このとき、シール部の目詰まり除去機構50は、弁体53を開き、弁体54を閉じた状態とする。そして、この状態で真空ポンプを作動させる。これにより、缶体10内が真空引きされると共に、第1の密閉空間51が弁体53及び通気孔52を介して真空引きされる。同時に、第2の密閉空間51bも第2の通気孔52bを介して真空引きされる。その結果、缶体10内と密閉空間51a,51bは同じ圧力に減圧される。
【0059】
所定の圧力に減圧されると、真空ポンプを停止して、弁体53を閉じ、弁体54を開く。これにより、缶体10内は減圧状態が維持されるが、密閉空間51a,51bは大気圧に戻る。その結果、缶体10内と密閉空間51aの間に位置する第1のシール部材15aは、密閉空間51aから缶体10内に向けて、両者の圧力差に相当する圧力を受ける。また、缶体10内と密閉空間51bの間に位置する第2のシール部材15bも、密閉空間51bから缶体10内に向けて、両者の圧力差に相当する圧力を受ける。従って、シール部材15a,15bの各近傍に残留していた煮練物が缶体10内に排出され、軸封部から除去される。
【0060】
一方、煮練作業中の真空加熱工程では、弁体53を開き、弁体54を閉じる。これにより、缶体10内と密閉空間51a,51bは同じ圧力に減圧される。そのため、軸封部材15a,15bの各近傍に煮練物が残留していたとしても、その残留物が缶体10内に侵入するおそれはない。
【0061】
本実施形態2では、缶体10の軸受部13と外軸20aの間の軸封部と、外軸20aと内軸20bの間の軸封部に対して減圧機構を設けたが、煮練部の残留が顕著な一方の軸封部にのみ減圧機構を設けることも可能である。
【0062】
また、上記の実施形態1及び実施形態2では、密閉空間及び通気孔をシャフトの軸方向1ヵ所に設けたが、シャフトの軸方向の複数箇所に設け、缶体10内の洗浄時に外側から内側へ順番に大気圧に戻して残留物を段階的に缶体10内に排出させるようなことも可能である。
【0063】
【発明の効果】
以上のように、本発明のシール部の目詰まり除去機構を備えた煮練機は、缶体内を真空排気する真空ポンプを利用して、シール部の外側の圧力調整を行うことができるので、例えば缶体内の洗浄時には、シール部に外側から内側へ向かう圧力を付加することにより、シール部に残留する煮練物を缶体内に排出することができる。即ち、シール部をセルフクリーニングすることができる。
【0064】
従って、シール部で固化した残留物に起因する異音の発生や、シャフトの損傷、或いはシール部材の損傷によるシール性の低下を防止することができる。よって、煮練機の寿命を向上できる。
【0065】
また、シール部の外側の圧力調整に、缶体内を真空排気する真空ポンプを利用する構成をとるので、構造が簡単であり、設計が容易に行えると共に、大幅なコストアップを招来することもない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明シール部の目詰まり除去機構を備えた煮練機の実施形態1を示す、その概略正面図。
【図2】本発明シール部の目詰まり除去機構を備えた煮練機の実施形態1を示す、シール部の目詰まり除去機構を示す断面図。
【図3】本発明シール部の目詰まり除去機構を備えた煮練機の実施形態2を示す、その概略正面図。
【図4】本発明シール部の目詰まり除去機構を備えた煮練機の実施形態2を示す、シール部の目詰まり除去機構を示す断面図。
【図5】従来の煮練機を示す概略正面図。
【符号の説明】
10 缶体
13 軸受部
15 シール部材
15a 第1のシール部材
15b 第2のシール部材
20 シャフト
20a 外軸
20b 内軸
30 撹拌部材
30a 第1の撹拌部材
30b 第2の撹拌部材
40 真空ポンプ
50 シール部の目詰まり除去機構
51 密閉空間
51a 第1の密閉空間
51b 第2の密閉空間
52 通気孔
52a 第1の通気孔
52b 第2の通気孔
53,54 弁体
Claims (2)
- 煮練物を内部に収容する気密性の缶体と、缶体内の該煮練物を撹拌する第1の撹拌部材及び第2の撹拌部材と、該第1の撹拌部材を支持するために該缶体を貫通し、該缶体の両側部に設けられた軸受部に回転自在に支持されると共に、缶体外の第1の駆動機構により回転駆動されるスリーブ状の外軸と、該第2の撹拌部材を支持するために該外軸を貫通し、該外軸により回転自在に支持されると共に、缶体外の第2の駆動機構により回転駆動される内軸と、該缶体の該軸受部と該外軸との間を気密にシールする第1のシール部材と、該外軸と該内軸との間を気密にシールする第2のシール部材と、缶体内を真空引きするために該缶体に接続された真空ポンプとを備えた2軸タイプの煮練機において、
該缶体の該軸受部と該外軸との間に該第1のシール部材の外側に位置して形成された第1の密閉空間と、
該第1の密閉空間を缶体外の空間に連通させる第1の通気孔と、
該第1の密閉空間を該真空ポンプと缶体外の空間に切り換え接続すべく該第1の通気孔に接続された第1の弁体と、
該外軸と該内軸との間に該第2のシール部材の外側に位置して形成された第2の密閉空間と、
該第2の密閉空間を缶体外の空間に連通させる第2の通気孔と、
該第2の密閉空間を該真空ポンプと缶体外の空間に切り換え接続すべく該第2の通気孔に接続された第2の弁体と
を有するシール部の目詰まり除去機構を備えた煮練機。 - 前記第2の通気孔が、前記第1の密閉空間を介して前記第1の通気孔に連通し、該第1の通気孔に接続される前記第1の弁体は、該第2の通気孔に接続される前記第2の弁体を兼ねる請求項1記載のシール部の目詰まり除去機構を備えた煮練機。
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JP11594697A JP3836211B2 (ja) | 1997-05-06 | 1997-05-06 | シール部の目詰まり除去機構を備えた煮練機 |
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