JP3673379B2 - 液晶の脱泡装置及びその装置を使用した脱泡方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は,液晶表示素子に使用される液晶に含まれている気泡を,液晶から除去するように脱泡するための装置とその装置を使用した脱泡方法とに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
液晶表示素子における液晶は,この液晶に含まれている気泡を液晶から完全に除去するように脱泡したのち,互いに張り合わせた二枚の透明基板の間に充填するようにしている。
【0003】
この場合において,従来,前記液晶に含まれている気泡の脱泡に際しては,液晶を入れた上面開放型の容器を,密閉チャンバー内に装填し,前記容器内における液晶を攪拌することなく,前記密閉チャンバー内を真空吸引すると言う真空式の脱泡方法が採用されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし,この従来における真空式の脱泡方法は,液晶を攪拌することなく,この液晶を注入した容器の全体を覆う密閉チャンバー内を真空吸引すると言う方法であって,液晶の液面には,真空圧が直接に及ぶことにより,液面の部分は早く脱泡することができるが,その反面,前記液晶に対して及ぶ真空圧は,当該液晶における液面からの深さに反比例して小さくなるものであることにより,真空吸引による脱泡が容器内の底にまで進行するには長い時間がかかることになり,換言すると,容器に入れた液晶の全体についての脱泡が完了するまでには可成り長い時間を必要するから,作業能率がきわめて低くてコストの大幅なアップを招来すると言う問題があった。
【0005】
この場合において,脱泡に要する時間を短縮するためには,密閉チャンバー内を真空吸引しながら,容器内における液晶を,容器に内に挿入したインペラー又は棒等にて攪拌すれば良いと考えられるが,容器内に入れた液晶をインペラー又は棒等にて攪拌した場合には,容器内に挿入したインペラー又は棒等の成分が液晶に溶け込むことに加えて,液晶中に,インペラー又は棒等に付着している物質(よごれ及び他の液晶等)が混ざることによって液晶が汚染されるから,液晶の特性が変化したり,液晶が劣化したりすることが多発するのである。
【0006】
本発明は,これらの問題を解消できるようにした脱泡装置とこの装置を使用した脱泡方 法とを提供することを技術的課題とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
この技術的課題を達成するため本発明の脱泡装置は,
「内部を真空発生源に接続した密閉チャンバーと,脱泡の処理行う液晶を注入するように上面を開放したカップ状に構成した円筒形容器とから成り,前記密閉チャンバー内に,下端外周に前記円筒形容器の底面が接当する鍔部を備えて前記円筒形容器における軸線の方向に延びるローラを,前記円筒形容器における外周面に沿った複数個所に配設して,これら各ローラの配列における内側に,前記円筒形容器を着脱自在に挿入して支持するように構成し,前記各ローラの軸線を,水平線に対して斜め上向きに傾斜し,更に,前記ローラを回転するように構成した。」
と言う構成にした。
【0008】
また,本発明の脱泡方法は,
「前記請求項1に記載した液晶の脱泡装置を使用しての脱泡処理を,当該脱泡処理の最初においては前記円筒形容器の回転数を遅くし,次第に前記円筒形容器の回転数を早くして行うことを特徴とする。」
ものである。
【0009】
【発明の作用・効果】
前記したように,下端外周に前記円筒形容器の底面が接当する鍔部を備えて前記円筒形容器における軸線の方向に延びるローラを,前記円筒形容器における外周面に沿った複数個所に配設して,これら各ローラの配列における内側に,前記円筒形容器を着脱自在に挿入して支持するように構成することで,脱泡の処理を行う液晶を注入した円筒形容器を,内部を真空吸引した密閉チャンバー内において,当該円筒形容器における軸線を水平線に対して斜め上向きに傾斜した姿勢にして支持できることにより,円筒形容器内に入れた液晶における液面の面積は,円筒形容器を水平線に対して斜め上向きに傾斜した分だけ広くなるから,脱泡を広い面積の液面で行うことができるのである。
【0010】
これに加えて,前記ローラを回転するように構成することで,前記円筒形容器を,水平線に対して斜め上向きに傾斜した姿勢でその軸線回りに回転できることにより,この円筒形容器内における液晶は,当該液晶のうち円筒形容器の内壁面に接するものが前記円筒形容器における軸線回りの回転につれて一旦液面上にまで持ち上げられ,液面上を反対側まで移動したのち再び液面下に沈み込まれると言うような流動を順次繰り返すことになるから,前記したように,脱泡を広い面積の液面において行うことと相俟って,前記円筒形容器内における液晶の全体を脱泡することに要する時間を大幅に短くすることができるのである。
【0011】
また,前記円筒形容器内における液晶は,円筒形容器が傾斜した姿勢でその軸線回りに回転することにつれて,前記したように,当該液晶のうち円筒形容器の内壁面に接するものが前記円筒形容器における軸線回りの回転につれて一旦液面上にまで持ち上げられ,液面上を反対側まで移動したのち再び液面下に沈み込まれると言うような流動を順次繰り返すのみであるから,その流動状態は,円筒形容器内における液晶をインペラー又は棒等にて攪拌する場合とは比較にならない程きわめて緩やかであり,しかも,従来のようにインペラー又は棒等からの汚染の心配も一切ないのである。
【0012】
従って,本発明によると,液晶の脱泡処理を,液晶の特性変化及び劣化を確実に抑制した状態のもとで,短い時間で確実に行うことができて,これに要するコストを大幅に低減できる効果を有する。
【0013】
この場合において,請求項2に記載した方法を採用することにより,脱泡に要する時間を更に短縮することができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下,本発明の実施の形態を,図1〜図3の図面について説明する。
【0015】
この図において,符号1は,機台を示し,この機台1の上面には,密閉チャンバー2が着脱自在に装着され,この密閉チャンバー2内は,排気口3を介して真空ポンプ(図示せず)等の真空発生源に連通している。
【0016】
また,符号4は,ガラス等の耐腐食材料にて上面を開放したカップ状に構成した円筒形容器を示し,この円筒形容器4内に,脱泡の処理行う液晶5の適宜量を注入する。
【0017】
更にまた,符号6は,前記密閉チャンバー2内において,前記円筒形容器4を,その軸線4aを水平線7に対して斜め上向きに適宜角度θだけ傾斜した姿勢でその軸線4a回りに回転するようにした手段を示し,この手段6は,前記機台1の上面に取付けたブラケット8と,このブラケット8に軸線が前記水平線7に対して斜め上向きに適宜角度θだけ傾斜するように取付けた三本のローラ9,10,11とから成り,この三本のローラ9,10,11の配列における内側に,前記円筒形容器4を着脱自在に挿入する一方,前記三本のローラ9,10,11における下端外周には,前記円筒形容器4における底面が接当する鍔部9a,10a,11aを設けて,この円筒形容器4を,三本のローラ9,10,11とその下端の鍔部9a,10a,11aとにより,その軸線4aを水平線7に対して斜め上向きに適宜角度θだけ傾斜した姿勢にして支持すると共に,前記三本のローラ9,10,11をモータ12にて同時に回転することにより,前記円筒形容器4を,その軸線4aの回りに適宜速度で回転するように構成する。
【0018】
この場合において,前記三本のローラ9,10,11のうち円筒形容器4よりも下側に位置する二本のローラ10,11は,円筒形容器4に対する支持ローラであり,上側のローラ9は,円筒形容器4に対する押さえローラである。
【0019】
また,これら各ローラ9,10,11の外周面は,ゴム等の軟質体によって構成され,且つ,これら各ローラ9,10,11の下端部には,前記したように,鍔部9a,10a,11aが設けられている。
【0020】
このように構成することで,脱泡の処理を行う液晶5を注入した円筒形容器4を,内部を真空吸引した密閉チャンバー2内において,当該円筒形容器4における軸線4aを水平線7に対して斜め上向きに傾斜した姿勢にして支持できることにより,円筒形容器4内に入れた液晶5における液面5aは水平になることにより,その面積は,円筒形容器4を水平線7に対して斜め上向きに傾斜した分だけ広くなるから,脱泡を広い面積の液面で行うことができる。
【0021】
これに加えて,前記円筒形容器4を,水平線7に対して斜め上向きに傾斜した姿勢でその軸線4a回りに回転できることにより,この円筒形容器4内における液晶5は,当該液晶5のうち円筒形容器4の内壁面に接するものが前記円筒形容器4における軸線4a回りの回転につれて,図2に矢印Aで示すように,一旦,液面5a上にまで持ち上げられ,次いで,図2に矢印Bで示すように,液面5a上を反対側まで移動したのち,図2に矢印Cで示すように,再び液面5a下に沈み込まれると言うような流動を順次繰り返すことになるから,前記したように,脱泡を広い面積の液面5aにおいて行うことと相俟って,前記円筒形容器4内における液晶5の全体を脱泡することに要する時間を大幅に短くすることができるのである。
【0022】
また,前記円筒形容器4内における液晶5は,円筒形容器4が傾斜した姿勢でその軸線4a回りに回転することにつれて,前記したように,当該液晶のうち円筒形容器の内壁面に接するものが前記円筒形容器における軸線回りの回転につれて一旦液面上にまで持ち上げられ,液面上を反対側まで移動したのち再び液面下に沈み込まれると言うような流動を順次繰り返すのみであるから,その流動状態は,円筒形容器4内における液晶5をインペラー又は棒等にて攪拌する場合とは比較にならない程きわめて緩やかであって,液晶の性能を変化したり,液晶を劣化したりすることを僅少にとどめることができるのである。
【0023】
この場合において,本発明者に実験によると,円筒形容器4における直径Dが,60mmである場合,その回転数を毎分12〜60回にすることが好ましく,特に,回転数を,最初は遅くし次第に早くするように制御することにより,脱泡に要する時間を更に短縮できるのであった。
【0024】
また,前記図示した実施の形態は,密閉チャンバー2の全体を機台1から取り外して,円筒形容器4の着脱を行う場合を示したが,本発明は,これに限らず,前記密閉チャンバー2の一部に開閉蓋を設けて,この開閉蓋から前記円筒形容器4の着脱を行うように構成しても良いことは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態を示す縦断正面図である。
【図2】 図1のII−II視断面図である。
【図3】 本発明の実施の形態を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 機台
2 密閉チャンバー
3 排気口
4 円筒形容器
4a 円筒形容器の軸線
5 液晶
5a 液晶の液面
6 円筒形容器の支持回転手段
7 水平線
8 ブラケット
9,10,11 ローラ
Claims (2)
- 内部を真空発生源に接続した密閉チャンバーと,脱泡の処理行う液晶を注入するように上面を開放したカップ状に構成した円筒形容器とから成り,前記密閉チャンバー内に,下端外周に前記円筒形容器の底面が接当する鍔部を備えて前記円筒形容器における軸線の方向に延びるローラを,前記円筒形容器における外周面に沿った複数個所に配設して,これら各ローラの配列における内側に,前記円筒形容器を着脱自在に挿入して支持するように構成し,前記各ローラの軸線を,水平線に対して斜め上向きに傾斜し,更に,前記ローラを回転するように構成したことを特徴とする液晶の脱泡装置。
- 前記請求項1に記載した液晶の脱泡装置を使用しての脱泡処理を,当該脱泡処理の最初においては前記円筒形容器の回転数を遅くし,次第に前記円筒形容器の回転数を早くして行うことを特徴とする液晶の脱泡装置を使用した脱泡方法。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP29832397A JP3673379B2 (ja) | 1997-10-30 | 1997-10-30 | 液晶の脱泡装置及びその装置を使用した脱泡方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP29832397A JP3673379B2 (ja) | 1997-10-30 | 1997-10-30 | 液晶の脱泡装置及びその装置を使用した脱泡方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JPH11133444A JPH11133444A (ja) | 1999-05-21 |
JP3673379B2 true JP3673379B2 (ja) | 2005-07-20 |
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ID=17858176
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Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP29832397A Expired - Fee Related JP3673379B2 (ja) | 1997-10-30 | 1997-10-30 | 液晶の脱泡装置及びその装置を使用した脱泡方法 |
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Families Citing this family (2)
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1997
- 1997-10-30 JP JP29832397A patent/JP3673379B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JPH11133444A (ja) | 1999-05-21 |
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