JP3834971B2 - 交通軌跡監視方法及び装置 - Google Patents

交通軌跡監視方法及び装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、交通軌跡監視方法及び装置並びにその応用システムに係り、特に、交通管理者が交通状況把握のための指標である車両個々の時系列軌跡を推定・監視する方法及び手段に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
交通管理者が車両個々の時系列軌跡を推定・監視する従来の方法としては、試験走行法と呼ばれる方法がある。
【0003】
この方法は、交通管理者が推定・監視したい区間を実際に試験車で走行し、交差点または一定距離ごとの所用時間と信号等による停止時間を記録する方法である。所用時間と停止時間を記録するのは人手によって直接行われる方法とタコグラフを試験車に搭載して自動的に記録をとる方法がある。このようにして記録された結果を試験走行後に集計し図2のような走行軌跡を得ることによって、交通管理者が車両個々の時系列軌跡を推定・監視していた。図2において20は交差点Aから交差点Hまでの試験車の時系列軌跡の例である。この例では試験車は交差点Aを時刻t1に通過し交差点Hを時刻t2に通過しているので、交差点AH間の旅行時間は(t2−t1)であったことがわかる。また、交差点B,Gでは軌跡が時間軸方向に遷移していることから、試験車が信号待ちあるいは渋滞のために停止したことが確認できる。
【0004】
一方、交通管理者は図2のような出力結果を見て交通がスムーズに流れるように交通信号機の青時間,周期,オフセット等のパラメータを経験的に設定していた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来の技術では、試験走行車を実際に走行させなければ図2のような出力を得ることができない。また、試験走行車を走行させることは人手がかかる上に、数台の試験走行車をある程度連続的に走行させないと交通状況の変動によってかなりのバラツキが出て定常的なデータを得ることが困難であった。
【0006】
また、従来の技術では青時間,周期,オフセット等の信号パラメータを図2のような試験走行車の結果を基に交通管理者が経験的に設定していた。このため信号パラメータを変更するには上述の試験走行を行う必要があった。また、実際に変更された信号パラメータが適用されるのは試験走行された時より大きく遅れ、該変更パラメータの鮮度(信頼性)に問題があった。
【0007】
そこで、本発明の交通軌跡監視方法及び装置は、試験走行車を実際に走行させることなく容易かつ迅速に図2のような車両個々の時系列軌跡を監視する方法及び装置を提供することを目的としている。
【0008】
また、本発明の交通軌跡監視方法及び装置は、上記軌跡を基に渋滞・非渋滞等の交通状況を判定しドライバーに対して該交通状況の情報を提供する方法及び装置を提供することを目的としている。
【0009】
さらに、本発明の交通軌跡監視方法及び装置は、上記軌跡を基に鮮度を落とすことなく適切な信号パラメータを生成し信号機に反映させる方法及び装置を提供することを目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的は、車載機を搭載した車両が路上の通信装置を通過する時に該通信装置に対して送信される前記車載機からの車載機データとして車両ID,走行速度、及び通過時刻を収集し、前記車載機データと信号機のタイミングに係る信号パラメータとから車両の時系列走行軌跡を推定する交通軌跡監視方法により達成される。
【0011】
また、上記目的は、車載機を搭載した車両が路上の通信装置を通過する時に該通信装置に対して送信される前記車載機からの車両IDと通過時刻を収集し、路上の車両感知器による車両の存否データから求まる単位時間当たりの車両平均速度データを収集し、前記車載機データ,前記車両平均速度データ、及び信号機のタイミングに係る信号パラメータから車両の時系列走行軌跡を推定する交通軌跡監視方法により達成される。
【0012】
前記交通軌跡監視方法の別の特徴は、車両の時系列走行軌跡を推定するのに前記データ及びパラメータに加えて対象区間の一部に適用する補正速度も利用することである。
【0013】
そして上記目的を達成する交通軌跡監視装置は、車載機を搭載した車両から車載機データとして車両ID及び走行速度を通過時刻とともに受信する路上の通信装置から前記車載機データを収集する手段と、信号機のタイミングに係る信号パラメータを設定・保存する信号パラメータ設定手段と、前記車載機データ及び前記信号パラメータから車両の時系列走行軌跡を推定する走行軌跡推定手段と、モニタ等の出力手段とを備え、車両の時系列走行軌跡を表示するものである。
【0014】
また、上記目的を達成する交通軌跡監視装置は、車載機を搭載した車両から車載機データとして車両IDを通過時刻とともに受信する路上の通信装置から前記車載機データを収集する手段と、感知器データとして車両の存否データから求まる単位時間当たりの車両平均速度データを計測する路上の車両感知器と、信号機のタイミングに係る信号パラメータを設定・保存する信号パラメータ設定手段と、前記車載機データ,前記感知器データ、及び前記信号パラメータから車両の時系列走行軌跡を推定する走行軌跡推定手段と、モニタ等の出力手段とを備え、車両の時系列走行軌跡を表示するものであってもよい。
【0015】
また、前記交通軌跡監視装置の別の特徴は、走行軌跡推定手段として、前記データ及びパラメータに加えて対象区間の一部に適用する補正速度から車両の時系列走行軌跡を暫定的に推定する初期推定手段と、初期推定の結果が妥当であるかを判定する条件判定手段と、初期推定の結果が妥当でないと判定された場合に初期推定の結果を修正しつつ時系列走行軌跡を再度推定する修正手段とを備え、車両の時系列走行軌跡を表示することである。
【0016】
さらに、前記交通軌跡監視装置の別の特徴は、前記交通軌跡監視装置によって推定された車両の時系列走行軌跡から交通状況の現況に係る交通状況パラメータを所定のフォーマットに編集して交通情報を作成する手段と、該交通情報を出力する路上の情報提供板あるいは路上の通信装置を介してモニタ付き車載機等の出力手段とを備え、ドライバーに交通情報を提供する交通情報提供システムにある。
【0017】
さらに、前記交通軌跡監視装置の別の特徴は、前記交通軌跡監視装置によって推定された車両の時系列走行軌跡から交通状況の現況に係る交通状況パラメータを算出する手段と、該交通状況パラメータを用いて最適な信号パラメータを生成する手段と、該信号パラメータに基づいて動作する信号機とを備え、オンラインで最適な信号制御を行う交通信号制御システムにある。
【0018】
【発明の実施の形態】
次に交通軌跡監視方法及び装置並びにそれを応用した道路交通システムの実施の形態について図面を参照し説明する。なお、以下の実施例では路上の通信装置としてビーコンの例を挙げて説明しているが、ビーコンに限定されるべきものではなく車載機からのデータを受信し、また交通管制センターとデータの送受信ができるもの全てを含む。
【0019】
図1は、本発明による一実施例の交通軌跡監視装置を示すブロック図である。以下、図1を用いて本発明の処理の流れを説明する。
【0020】
図1において、10はカーナビゲーションシステム等の車載機を搭載した車両である。車載機はビーコン11に対して車両IDや目的地等の車載機データを光または電波によって送信する装置である。一方、交通管制センターなどの交通管理者側から送られてくる交通情報をビーコン11を介して受信し、該交通情報をモニタ等の出力手段に出力する機能もある。
【0021】
ビーコン11は、路上に設置され、車載機10及び車載機データ収集部12とのデータ送受信機能を備えている。また、ビーコンの種類によっては通過車両に対する感知器機能をも備えており、この場合には感知器データ収集部13へのデータ送信機能がある。データ送受信機能は、車載機10の項で説明したように車載機及び交通管制センターとのデータ送受信を中継するものである。車載機とは光または電波で通信され、交通管制センターとは通常有線で通信される。また、ビーコン11は時計を備えており、車載機10からの車載機データとともに該車載機データを受信した時刻を付加して交通管制センターへ送信する。一方感知器機能は、ビーコン下を通過する車両の存否情報を感知し、交通管制センターへ通信するものである。
【0022】
以下の12〜16の各部は交通管制センターなどの交通管理施設に設置されるものである。
【0023】
車載機データ収集部12は、ビーコン11のデータ送受信機能によって得られる車載機データ及び該データが発信された時刻を各ビーコン毎に収集・保存するところである。車載機データ収集部12で収集される車載機データ及び該データが発信された時刻の例を図3に示す。
【0024】
感知器データ収集部13は、ビーコン11の感知器機能によって得られる車両の存否情報及び該存否情報を処理して得られる感知器データを各ビーコン毎に収集・保存するところである。車両の存否情報から単位時間当たりの通過台数Q及び時間占有率Otがわかるが、さらにこの二つの情報と平均車長Lから次式、
【0025】
【数1】
V=L・Q/Ot
によって単位時間当たりの平均速度Vを得ることができ、他の二つの情報とともに単位時間毎に保存する。単位時間の単位として5分毎に保存する感知器データの例を図4に示す。ただし、車載機データとして図3のようにビーコン通過時の速度が交通管制センターで得られる場合には感知器データとしての平均速度Vは必ずしも必要ではない。
【0026】
信号パラメータ設定部14は、サイクル長,スプリット,オフセット等の信号パラメータをオペレータが設定・保存するところである。ここにサイクル長とは信号表示シーケンスの一巡に要する時間であり、スプリットとは各現示に割り当てられる時間の長さであり、オフセットとは複数の信号を系統的に制御する場合のパラメータであって基準現示の青信号の始まりのある基準からのずれである。走行軌跡推定部15は、初期推定部150,条件判定部151,修正部152,選定部153、及び推定結果保存部154から構成され、車載機データ,感知器データ、及び信号パラメータから図2のような車両個々の時系列軌跡を推定するところである。
【0027】
以下に走行軌跡推定部15を構成する各部の処理の流れを説明する。
【0028】
初期推定部150は、車載機データ収集部12に保存されている中の特定の2個所のビーコンからの車両IDが同一である場合のそれぞれの車両通過時刻tと感知器データ収集部13に保存されている該時刻の平均速度Vと信号パラメータ設定部14に保存されている信号パラメータを用いて車両の時系列走行軌跡を暫定的に推定するところである。一例として図5を参照し説明する。図5においてビーコンが交差点A及びEに設置されており、その途中に交差点B,C,Dを含んだAからEに至るまでの経路を走行する車両を対象としている。また、図5の各交差点の太線は信号機の赤信号のタイミングを示している。ビーコン1(交差点A)及びビーコン2(交差点E)から得られる車載機データは例えば図3のようなものであり、上記2個所のビーコンによる車載機データのうち車両IDが一致する時の通過時刻はビーコン1,ビーコン2でそれぞれt1,t2と既知であるので、図5の●がプロットできる。一方、上記2個所のビーコンから得られる感知器データのうち速度はビーコン1,ビーコン2でそれぞれV1,V2と既知であるので、速度に応じて図5の●近辺の直線の傾きが決まる。まず、ビーコン1の●から速度V1に応じた一定の傾きでビーコン2に最も近い上流交差点(この場合は交差点D,図の□)まで走行軌跡を描く。ビーコン2の通過時刻t2が既知であるため、最後に図の□からビーコン2の●までを直線(補正直線)で結ぶ。この時の補正直線の傾きに相当する速度を補正速度V12とする。なお、走行軌跡を描く際には次の仮定がある。
【0029】
a)走行途中で赤信号になっていれば青信号になるまで停止する。
【0030】
b)自車の前方に待ち行列が存在していればそれに続いて待ち行列を所定の車間距離を保って形成し、所定の遅れ時間で発進する。
【0031】
c)車両は前方の車両の追い越しを行わない。
【0032】
なお、ビーコン1からビーコン2までの対象区間に信号機付き交差点がない場合には、ビーコンからの感知器データ(平均速度データV1,V2及び補正速度V12)は使用せず、車載機データ(図5の●)を直線で結ぶことによって走行軌跡を得る。
【0033】
このように推定して得られたある車両の時系列走行軌跡の一例が図の軌跡50及び51である。図の軌跡50の例では車両は交差点Cの赤信号でTwの間だけ停止したと推定され、該対象区間の旅行時間は(t2−t1)である。待ち行列を考慮して推定した場合の一例が図の軌跡51である。
【0034】
条件判定部151は、初期推定部150または修正部152で推定された時系列走行軌跡の補正速度V12の妥当性を判定してその結果を返すところである。妥当性の条件として例えば次のことが考えられる。
【0035】
1)補正速度V12が0以下にならない。(V12>0)。
【0036】
2)補正速度V12が当該道路区間で考えられる最大値Vmax より大きくならない。(V12≦Vmax)。
【0037】
3)補正速度V12がその前後地点で計測された速度V1あるいはV2と大きく異ならない。(|V12−V1|/V1<ε1 or |V12−V2|/V2<ε1)。ここに、ε1は差異判定のためのしきい値で、0以上1以下の実数である。
【0038】
4)連続して走行する2台の補正速度V12に大きな差がない。(|V12
(1)−V12(2)|/V12(1)<ε2)ここに、ε2は差異判定のためのしきい値で0以上1以下の実数であり、V12(1)及びV12(2)はそれぞれ連続して走行する2台の車両の補正速度V12である。
【0039】
交通管理者は、上記1)及び2)〜4)の条件の少なくとも一つの組み合わせを条件として設定し、初期推定部150または修正部152で推定された時系列走行軌跡の補正速度V12が該条件に適合しているか否かを判定し、判定結果をそれぞれ初期推定部150,修正部152に返す。
【0040】
修正部152は、上記条件判定部151での補正速度の判定結果が不適合であった場合に、初期推定部150または修正部152で推定された時系列走行軌跡を修正するところであり、選定部153は、修正部152で推定された一つあるいは複数の時系列走行軌跡から最も適したものを選定するところである。以下修正部152と選定部153について説明する。
【0041】
修正部152における具体的な修正方法として次の3方法がある。
【0042】
方法1:対象区間の上流側ビーコンであるビーコン1からの平均速度V1を修正し、上記初期推定部150の処理と同様に軌跡を再推定する。
【0043】
方法2:上記初期推定部150における補正速度V12の適用区間はビーコン2に最も近い上流交差点(図5の交差点D)を起点とせず、ビーコン2から上流へ向かって2番目(交差点C),3番目(交差点B),・・・の交差点あるいは対象区間の任意の地点を起点として初期推定部150の処理と同様に軌跡を再推定する。
【0044】
方法3:上記方法1と方法2を組み合わせて軌跡を再推定する。
【0045】
まず、方法1について説明する。
【0046】
対象区間の上流側ビーコンであるビーコン1からの平均速度V1はその直下の定点観測データであるため、このデータ該地点の下流にわたって用いると誤差を含み得る。そこで速度V1の修正速度V1′を例えば次式によって得る。
【0047】
【数2】
V1′=V1+n・α・V1(−1<α<1,n=1,2,3,・・・)
αをある固定値とし、nを1,2,3,・・・と増加させる毎に上記初期推定部150の処理と同様に軌跡を推定する。
【0048】
nをどこまで増加させて軌跡を推定するかは次の2通りが考えられる。
【0049】
a)修正部152において上記条件判定部151で設定された条件の全てを満たすまでnを増加させて軌跡を推定し、選定部153においては最後に得られた、すなわち条件を満たした軌跡推定結果を該車両の時系列軌跡推定結果として選定する。
【0050】
nの上限値が定められており、かつnが上限値に達するまで推定しても条件を満たさなかった場合には初期推定部150で推定された軌跡推定結果を時系列推定結果として選定する。
【0051】
b)修正部152においてnが1からある決まった値になるまで毎回軌跡を推定しその結果を保存しておく。そのうち上記条件判定部151の条件3)または4)に関して最も成績がよかった軌跡推定結果(不等式の左辺がε1またはε2よりも小さく且つ最小のもの)を選定部153において該車両の時系列軌跡推定結果として選定する。
【0052】
次に、方法2について説明する。
【0053】
上記初期推定部150の説明では、補正速度V12の適用区間はビーコン2に最も近い上流交差点(図5の交差点D)からビーコン2まで、すなわち交通状態は交差点Dを境に変化するとしていたが、これが実際の交通流を反映しているとは限らない。したがって補正速度V12の適用区間の起点をC,B,・・・とさらに上流に延伸して、その都度初期推定部150の処理と同様に軌跡を推定する。ただし、補正速度V12の適用区間の起点は対象区間の起点(図5のA(ビーコン1))よりも下流である。
【0054】
補正速度V12の適用区間の起点をどこまで上流に延伸させて軌跡を推定するかは方法1と同様次の2通りが考えられる。
【0055】
a)修正部152において上記条件判定部151で設定された条件の全てを満たすまで該起点を上流に延伸して軌跡を推定し、選定部153においては最後に得られた、すなわち条件を満たした軌跡推定結果を該車両の時系列軌跡推定結果として選定する。nの上限値が定められており、かつnが上限値に達するまで推定しても条件を満たさなかった場合には初期推定部150で推定された軌跡推定結果を時系列推定結果として選定する。
【0056】
b)修正部152において該起点をビーコン1とビーコン2の間の全ての交差点として毎回軌跡を推定しその結果を保存しておく。そのうち上記条件判定部
151の条件3)または4)に関して最も成績がよかった軌跡推定結果(不等式の左辺がε1またはε2よりも小さく且つ最小のもの)を選定部153において該車両の時系列軌跡推定結果として選定する。
【0057】
この例では補正速度V12の適用区間の起点候補としてビーコン1とビーコン2の間の交差点としたが、ビーコン1とビーコン2の間の任意の地点としても差し支えない。この場合、例えばビーコン1とビーコン2の間を単位区間長毎に区切った地点であるとか、道路形状が変化している地点を故意に候補とする例が考えられる。
【0058】
方法3は、方法1と方法2を組み合わせて軌跡を再推定する方法である。すなわち、(数2)のnについて1から所定値までと、補正速度V12の適用区間の起点についてビーコン1とビーコン2の間の全ての交差点(または任意の地点)との全ての組み合わせについて軌跡を推定しその結果を保存しておく。そのうち上記条件判定部151の条件3)または4)に関して最も成績がよかった軌跡推定結果(不等式の左辺がε1またはε2よりも小さく且つ最小のもの)を選定部153において該車両の時系列軌跡推定結果として選定する。
【0059】
推定結果保存部154は、選定部153で選定された個々の車両の時系列軌跡推定結果を保存し、該保存データをモニタ16に出力させるところである。
【0060】
モニタ16は、走行軌跡推定部15内の推定結果保存部154に保存されている個々の車両の時系列軌跡推定結果を出力するところである。出力結果例を図6に示す。交通管理者は図6のような出力結果を見て、時間帯毎の交通量,待ち行列状況(渋滞先頭位置,渋滞長等),停止回数,旅行時間等の道路交通状況の現状を把握することができる。また、この出力結果を分析して交通がスムーズに流れるように新たに交通信号機のスプリット,サイクル長,オフセット等のパラメータを設定するのに利用することができる。
【0061】
以上の交通軌跡監視装置によって、交通管理者はリアルタイムに個々の車両の時系列軌跡推定結果を得ることができ、情報の鮮度(信頼性)を損なうことなく刻々と変化する交通状況の現状を把握することが可能となる。
【0062】
次に上記交通軌跡監視装置を利用した交通システムの実施例について説明する。
【0063】
まず、図7を参照し上記交通軌跡監視装置を利用した交通情報提供システムの例を説明する。
【0064】
図7において、10〜15は図1の交通軌跡監視装置を構成する各手段である。
【0065】
交通情報作成部70は、走行軌跡推定部15で推定された結果を基に、時間帯毎に渋滞先頭位置,渋滞長,停止回数,旅行時間等の交通情報を車載機10や情報提供板71等の出力手段のフォーマットに合わせて作成し、該出力手段に対してフォーマット化された情報を送信するところである。
【0066】
情報提供板71は、交通情報作成部70で作成された交通情報の出力手段の一つであり路上等に設置される電光掲示板である。情報提供板は、交通情報作成部70において所定のフォーマットで作成された時間帯毎の渋滞先頭位置,渋滞長,停止回数,旅行時間等の交通情報をドライバーに対して表示する装置である。また、上記交通情報作成部70で作成された交通情報を例えばカーナビゲーションシステム等の車載機10のモニタに出力する場合がある。この場合には、交通情報作成部70において所定のフォーマットで作成された時間帯毎の渋滞先頭位置,渋滞長,停止回数,旅行時間等の交通情報を一旦ビーコン11に送信し、ビーコン11から車載機10に対して送信し、車載機10で受信した情報をモニタに出力する。ドライバーは車載機のモニタを見ることによって情報の鮮度(信頼性)を損なうことなく刻々と変化する交通情報を得ることができる。
【0067】
次に、図8を参照し上記交通軌跡監視装置を利用した交通信号制御システムの例を説明する。
【0068】
図8において、10〜15は図1の交通軌跡監視装置を構成する各手段である。
【0069】
ただし、交通信号制御システムの場合の信号パラメータ設定部14では、サイクル長,スプリット,オフセット等の信号パラメータをオペレータが経験的に設定・保存する代わりに、走行軌跡推定部15で得られた個々の車両の時系列軌跡推定結果を基に交通がスムーズに流れるように各信号パラメータを自動的に生成・設定・保存する。
【0070】
以下に、信号パラメータの具体的な生成方法の例を示す。
【0071】
まずサイクル長Cの生成について「交通信号の手引」(交通工学研究会編,p.81,1994)を参照し説明する。サイクル長Cは、交差点負荷率ρ(上りと下りの大きい方),1サイクル当たりの損失時間L(一定値)の関係式
【0072】
【数3】
C=(a1・L+a2)/(1−a3・ρ)
によってサイクル長を設定する。ここにa1,a2,a3は係数である。
【0073】
次にスプリットの生成について図9を参照し説明する。図9において12本の矢印及び交通量Qは交差点内をそれぞれの向きに移動する車両の単位時間の通過台数である。同一方向(例えばQ11,Q12,Q13,Q31,Q32,Q33)の交通量Qのうち最大の交通量をQmax1 とする。同様に残りの方向の交通量のうち最大の交通量をQmax2 とする。この時、それぞれの方向の最大交通量の比、すなわちQmax1:Qmax2によってスプリットを比例配分する。
【0074】
オフセットの生成については、例えばTRANSYT(Robertson:“A traffic Network Study Tool”, Road Research Laboratory Report, LR253, Crowthorne, 1969)というオフセット設計支援ツールのように、道路ネットワークデータ,交通量,サイクル長,スプリットを入力して最適オフセットを生成する。
【0075】
以上のように本発明の交通軌跡監視装置を利用すると、刻々と変化する交通状況に応じた最適な信号パラメータを設定することが可能となる。
【0076】
【発明の効果】
本発明によれば、オンラインで車載機データ,感知器データ,及び信号パラメータを用いて処理するため、交通管理者はリアルタイムに個々の車両の時系列軌跡推定結果を得ることができ、刻々と変化する交通状況の現状を把握することができる。
【0077】
また本発明によれば、刻々と変化する交通情報をリアルタイムに得ることができるため、該交通情報の鮮度(信頼性)を損なうことなくドライバーに対して交通情報を伝えることができる。
【0078】
また本発明によれば、リアルタイムに個々の車両の時系列軌跡推定結果を得ることができるため、刻々と変化する交通状況に応じた最適な信号パラメータを設定することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による一実施例の交通軌跡監視装置を示すブロック図である。
【図2】車両の時系列走行軌跡の例を示す図である。
【図3】車載機データ及び該データが発信された時刻の例を示す図である。
【図4】5分毎に保存する感知器データの例を示す図である。
【図5】対象道路,車載機データ発信時刻,感知器データによる速度データ,信号パラメータによる赤信号タイミング、及び時系列走行軌跡を説明する図である。
【図6】ある時間帯における個々の車両の時系列軌跡推定結果をモニタに出力した例を示す図である。
【図7】本発明の交通軌跡監視装置を利用した一実施例の交通情報提供システムを示すブロック図である。
【図8】本発明の交通軌跡監視装置を利用した一実施例の交通信号制御システムを示すブロック図である。
【図9】交差点を流入し各方向へ流出する交通量の例を示す図である。
【符号の説明】
10…車載機搭載車両、11…ビーコン、12…車載機データ収集部、13…感知器データ収集部、14…信号パラメータ設定部、15…走行軌跡推定部、
16…モニタ、20,50,51…時系列走行軌跡、70…交通情報作成部、
71…情報提供板、80…信号機、150…初期推定部、151…条件判定部、152…修正部、153…選定部、154…推定結果保存部。

Claims (2)

  1. 路上に設置され車両の感知機能を備えるビーコンにより、車載機を搭載した車両が当該ビーコンを通過する時に前記車載機から車両IDを収集し、
    更に該ビーコンにより、前記車両の通過時刻と該ビーコンにおける車両の存否情報を収集し、
    前記ビーコンにより収集した車両の存否情報から単位時間当たりの車両の平均速度を求め、
    2個所のビーコンで収集された前記車載機からの車両IDと前記車両の通過時刻及び車両の平均速度の内、車両IDが一致する車両の通過時刻と該通過時刻における平均速度及び、当該2個所のビーコンの途中に存在する信号機のタイミングに係る信号パラメータを用いて、当該2個所のビーコンを通過した各車両の時系列走行軌跡を推定する交通軌跡監視方法。
  2. 路上に設置され、車載機を搭載した車両から車両IDを受信し、該車両IDを受信した時刻を計測すると共に車両の存否情報を収集する車両の感知機能を備えたビーコンと、
    信号機のタイミングに係る信号パラメータを設定・保存する信号パラメータ設定手段とを有し、
    前記ビーコンにおける車両の存否情報から単位時間当たりの車両平均速度データを求める感知器データ収集部と、
    2個所のビーコンで収集された前記車載機からの車両IDと該車両IDの受信時刻、及び前記車両の平均速度の内、車両IDが一致する当該車両IDの受信時刻と該受信時刻における平均速度及び、当該2個所のビーコンの途中に存在する信号機のタイミングに係る信号パラメータを用いて、当該2個所のビーコンを通過した各車両の時系列走行軌跡を推定する走行軌跡推定手段と
    を有する交通軌跡監視装置。
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