JP3834759B2 - リトラクタ切換え装置を持つ戻り止めベルト巻取り器 - Google Patents
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Description
前記の特徴を持つベルト巻取り器はドイツ連邦共和国特許第4132876号明細書に記載されており、制御装置は2つの互いにかみ合う歯切り部を持ち、これらの歯切り部は、これらの歯切り部にそれぞれ設けられかつ所定の切換え状態で係合して制御円板を拘束する切換えカムを持ち、詳細には、ベルト巻取り器上に第1の歯車が設けられて、切換え状態に応じて、ベルト巻取り器に揺動可能に支持される揺動片の両端に設けられる2つの別の歯車の1つにかみ合つている。3つの歯車はそれぞれ切換えカムを持ち、所定の繰出し状態で、それぞれ2つの切換えカムが互いに係合し、こうしてベルト巻取り軸の引続く回転により生じるベルト張力又はばね張力によつて、揺動片の揺動を開始する。揺動片は、制御円板の外歯と共同作用する切換えレバーを、制御円板の釈放位置と拘束位置との間で動かし、その際ベルト巻取り軸の引続く回転に対して制御円板の回転運動を止めることにより、阻止部材の偏向従つてベルト巻取り器の拘束が行われる。ベルト巻取り器のこの構成により、ベルト引出しの所定の長さに達すると、ベルト巻取り器の拘束装置が永続的に接続されるので、ベルトのそれ以上の引出しによりベルト巻取り器が拘束され、一方切換え位置を越えるベルト巻取り軸の逆回転の際ベルトの引込みにより、拘束装置の永続的な接続が解除される。
公知のベルト巻取り器には次の欠点が伴つている。即ちベルト巻取り器の切換えのため制御装置を実現するために、揺動片、歯車、可動切換えレバー及びばねのような複数の部材が必要になり、その製造及び組立てに費用がかかる。
従つて本発明の基礎になつている課題は、最初にあげた特徴を持つベルト巻取り器において、切換え用の制御装置を簡単化することである。
この課題の解決策は、本発明の有利な構成及び展開を含めて、この明細書の後にある特許請求の範囲の内容から明らかになる。
即ち本発明によれば、制御装置として制御円板が、この制御円板の回転軸線に対して同心的な中心点を持つピニオン歯切り部を持ち、このピニオン歯切り部が、ベルト巻取り器にあって回転位置と拘束位置との間で移動可能な制御部材としての歯車と常にかみ合い、歯車の移動により制御円板の回転運動の拘束又は釈放が行われ、歯車が内歯を持つように構成され、回転位置と拘束位置との間における歯車の移動が、ピニオン歯切り部及び歯車に設けられている切換えカムの係合によって行われる。
本発明に伴う利点として、制御円板に設けるべきピニオン歯切り部のほかに、ベルト巻取り器に移動可能に設けられる制御部材として、1つの付加的な歯車しか必要でなく、それによりベルト巻取り器又はその制御装置の構造及び組立てが簡単化される。別の利点として、ベルト巻取り軸の回転運動は、外側で軸端にはまる制御円板の所で取出されるので、軸端自体への介入が不要になり、それによりベルト巻取り器の全体幅が減少される。
その際本発明によれば、外歯を持つ歯車が、拘束位置において定置拘束ストツパに係合している。従つて移動可能な歯車が定置拘束ストツパへ向かつて移動せしめられ、それにより固定されるので、可動レバーはもはや必要でなく、それに伴つてベルト巻取り器の構造が簡単化される。
本発明の実施態様によれば、歯車が、ベルト巻取り器の制御側を覆う覆い蓋の内側に保持されており、それによりベルト巻取り器の全体幅が有効なように減少される。歯車を覆い蓋に保持するため、歯車が、この歯車の周囲を覆いかつこの歯車の移動を許す覆い蓋の2つのかぎにより保持されている。
それぞれの切換え状態における歯車の位置を監視できるようにするため、本発明の実施態様によれば、歯車がばね素子により回転位置及び拘束位置に固定され、ばね素子が覆い蓋の2つの円形凹所へ選択的に弾性的に係合する。
本発明の目的にかなつた実施態様では、ピニオン歯切り部が制御円板と一体に構成されているので、付加的なゆるい部材の所で、歯車のみを覆い蓋のかぎへ取付けることができる。
図面には本発明の実施例が示されており、以下これについて説明する。
図1は戻り止めベルト巻取り器の制御側を斜視図で示し、
図2はベルト巻取り器の切換え用制御装置を接続時点の前で正面図で示し、
図3は図2による制御装置を接続状態で示し、
図4は図3による制御装置を切離し状態で示し、
図5は保持部を含む歯車の斜視図を示している。
図1からわかるように、U字状ベルト巻取り器ハウジング10内にベルト巻取り軸12が支持され、その一端はハウジング10の対応するU脚片11を貫通し、ベルト巻取り軸12のこの端部上に制御円板13がはめられている。図示しないやり方で、制御円板13はベルト巻取り器の拘束用のベルトに反応するか又は車両に反応する制御システムを形成しているが、これは従来技術において十分公知である。
制御円板13には、この制御円板13と一体に結合されるピニオン歯切り部14が設けられ、その中心点19(図2ないし4)は制御円板13の回転軸線に対して同心的に設けられている。
図1に一部を示されかつハウジング10のU脚片11に属する制御側を覆う覆い蓋15の内側に、歯車16が後述するように移動可能に設けられて、その内歯17がピニオン歯切り部14と常にかみ合つている。更に歯車16は外歯18を持ち、歯車16の後述する拘束位置でこの外歯18が、覆い蓋15の内側に設けられる定置弾性拘束ストツパ24に係合することができる。歯車16の中心点20はピニオン歯切り部14の中心点19に対してずれているので、ピニオン歯切り部14に対する歯車16の移動が可能である。
ピニオン歯切り部14は隆起する歯の形の切換えカム21を持ち、歯車16は、ピニオン歯切り部14とかみ合う内歯17の範囲に接続カム22及び切離しカム23を持ち、ベルト巻取り軸12従つてピニオン歯切り部14を保持する制御円板13の回転数に応じて、ピニオン歯切り部14の切換えカム21が内歯16の接続カム22又は切離しカム23と、後述するように共同作用する。
図1及び5からわかるように、内歯16は、直径上で対向して覆い蓋15の内側に一体に形成される2つのかぎ25を介して、これらのかぎ25の間で移動可能なように保持されている。回転位置でも拘束位置でも内歯16の回転運動を案内するため、覆い蓋15の内側に、内歯16の可能な両方の位置に相当するそれぞれ円形の凹所26が設けられ、これらの凹所26内で内歯16がばね素子27と共に回転する。このばね素子27は、内歯16の移動の際この内歯16が切換え状態に応じて一方の凹所26から他方の凹所26へ飛び移るのを可能にする。2つの終端ストツパ30が、凹所26に加えて、内歯16の移動運動を制限する。
以下にベルト巻取り器の動作を説明する。
ベルトが巻取られている初期位置で、ベルトの引出しはベルト巻取り軸12従つて制御円板13を回転させる。制御円板13の回転の際そのピニオン歯切り部14が内歯16にかみ合い、図2に示す回転位置で内歯16が、覆い蓋15に沿つて、ここでは特に対応する凹所26内で回転する。所望のベルト引出しにより規定される制御円板13の回転数後、ピニオン歯切り部14の切換えカム21が、内歯16に設けられている接続カム22に当たるので、制御円板13従つてピニオン歯切り部14の引続く回転により、図2(内歯16の回転位置)と図3(内歯16の拘束位置)との比較からわかるように、内歯16がその中心点20を移動させながらピニオン歯切り部14の中心点19に対して移動する。内歯16の適当な移動後、その外歯18が定置拘束ストツパ24に当たるので、内歯16はベルト引出し方向(矢印28)に引続き回転するのを阻止される。内歯16とピニオン歯切り部14とのかみ合い結合のため、定置拘束ストツパ24による内歯16の拘束によつて制御円板13も拘束され、ベルト巻取り軸12の引続く回転の際、制御円板13とベルト巻取り軸12との相対運動によつて、阻止部材の移動従つてベルト巻取り器の拘束が行われる。
図4からわかるように、矢印29(図4)の方向へのベルト巻取り軸12の回転により、ベルトがベルト巻取り器へ入り込むことによつて、戻し切換えが行われる。これにより内歯16は逆方向へ回転し、その外歯18は弾性拘束ストツパ24の上を越えて滑り、それからピニオン歯切り部14の切換えカム21が内歯16の切離しカム23へ当り、内歯16が図2に示す初期位置へ戻る。今やこの初期位置で車両に反応するか又はベルトに反応する制御システムが再び動作準備状態になるか、又は永続的な拘束が停止される。
前述した説明、特許請求の範囲、要約及び図面に開示されているこの書類の対象の特徴は、単独でも任意の組合わせでも、種々の実施態様で本発明を実施するために重要である。
Claims (6)
- 拘束の場合ベルト巻取り軸のそれ以上の回転を阻止する阻止部材用の車両又はベルトに反応する制御システムと、ベルト巻取り軸へ作用する巻取りばねと、制御装置とを有し、ベルトの巻取られる際この制御装置が、ベルト巻取り器の車両又はベルトに反応する制御システムのベルト巻取り軸と共に回転する制御円板の釈放位置を規定し、ベルトの繰出される際制御装置が、ベルト巻取り器の拘束により制御円板を引続き回転しないように固定する、戻り止めベルト巻取り器において、制御円板(13)が、この制御円板(13)の回転軸線に対して同心的な中心点(19)を持つピニオン歯切り部(14)を持ち、このピニオン歯切り部(14)が、ベルト巻取り器にあって回転位置と拘束位置との間で移動可能な制御部材としての歯車(16)と常にかみ合い、歯車(16)の移動により制御円板(13)の回転運動の拘束又は釈放が行われ、歯車(16)が内歯(17)を持つように構成され、回転位置と拘束位置との間における歯車(16)の移動が、ピニオン歯切り部(14)及び歯車(16)に設けられている切換えカム(21,22,23)の係合によって行われることを特徴とする、戻り止めベルト巻取り器。
- 外歯(18)を持つ歯車(16)が、拘束位置において定置拘束ストッパ(24)に係合していることを特徴とする、請求項1に記載のベルト巻取り器。
- 歯車(16)が、ベルト巻取り器の制御側を覆う覆い蓋(15)の内側に保持されていることを特徴とする、請求項1又は2に記載のベルト巻取り器。
- 歯車(16)が、この歯車(16)の周囲を覆いかつこの歯車(16)の移動を許す覆い蓋(15)の2つのかぎ(25)により保持されていることを特徴とする、請求項3に記載のベルト巻取り器。
- 歯車(16)がばね素子(27)により回転位置及び拘束位置に固定され、ばね素子(27)が覆い蓋(15)の2つの円形凹所(26)へ選択的に弾性的に係合することを特徴とする、請求項1ないし4の1つに記載のベルト巻取り器。
- ピニオン歯切り部(14)が制御円板(13)と一体に構成されていることを特徴とする、請求項1ないし5の1つに記載のベルト巻取り器。
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