JP3834756B2 - 管継手 - Google Patents

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Description

【発明の属する技術分野】
この発明は、配管を接続するための管継手に関するものである。
【従来の技術】
従来より、流体を移送するための配管を接続するために管継手が使用されている。
図5に示すように、この管継手はボディ本体21内にアダプタ22を無理嵌めしており、外方からナット23により一体的に又はネジを締め付けて機器等(図示せず)に固定する(例えば、特許文献1参照)。ところで、ボディ本体21内にアダプタ22を嵌入する際にボディ本体21が一時的に拡径するので、ボディ本体21の外周とナット23の内周との間には若干のクリアランスCを設けている。なお前記アダプタ22と機器等との間に介在するシール用パッキン24により、流体密性を担保している。
この管継手は、機器等に取り付けた後でも必要に応じてエルボー状としたボディ本体21を回動させて向きを変えることができるという利点がある。
しかし、使用中に配管に足を引っ掛けたりして斜め方向に思いがけない強い力が働くと、ナット23とアダプタ22により機器等に締め付けたボディ本体21が抜け出してしまうおそれがあるという問題があった。
【特許文献1】
実公平6−42154号公報
【発明が解決しようとする課題】
そこでこの発明は、ボディ本体が従来よりも抜け出し難い管継手を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するためこの発明では次のような技術的手段を講じている。
▲1▼ この発明の管継手は、配管を保持するボディ本体内にアダプタが無理嵌めされ、その外方から締付部材により前記アダプタを機器等に向けて締め付けて固定する形式であると共に、前記締付部材の内周を減少させるようにかしめることにより締付部材の内周とボディ本体の外周との間のクリアランスを小さく設定したことを特徴とする。
この管継手では、締付部材の内周を減少させるようにかしめることにより締付部材の内周とボディ本体の外周との間にクリアランスを小さく設定したので、ボディ本体と締付部材とが相対変位を起こす余地が少なくボディ本体と締付部材との係合力が向上している。
▲2▼ またこの発明の管継手は、配管を保持するボディ本体内にアダプタが無理嵌めされ、その外方から締付部材により前記アダプタを機器等に向けて締め付けて固定する形式であると共に、前記ボディ本体と締付部材との間にリング状部材が介在することにより締付部材の内周とボディ本体の外周との間のクリアランスを小さく設定したことを特徴とする。
この管継手では、ボディ本体と締付部材との間にリング状部材が介在することにより締付部材の内周とボディ本体の外周との間のクリアランスを小さく設定したので、ボディ本体と締付部材とが相対変位を起こす余地が少なくボディ本体と締付部材との係合力が向上している。
▲3▼ 組立時には前記リング状部材が介在する状態で締付部材の内周を減少させるようにかしめてもよい。
具体的にはこのように作業することにより、締付部材の内周とボディ本体の外周との間のクリアランスを小さく設定することができる。
▲4▼ この発明の管継手は、配管を保持するボディ本体とアダプタとが無理嵌めされ、前記アダプタを機器等に固定する形式であると共に、前記ボディ本体とアダプタとの無理嵌め領域の円周方向外方にリング状部材を配置し、前記無理嵌め領域における外方側の部材の外周方向への変位を拘束するようにしたことを特徴とする。
この管継手では、リング状部材により無理嵌め領域における外方側の部材(ボディ本体又はアダプタ)の外周方向への変位を拘束するようにしたので、無理嵌め領域ではボディ本体とアダプタとの相対変位が生じる余地が少なくなっている。
なおボディ本体とアダプタとの無理嵌めの態様は、外方側としたボディ本体内に内方側としたアダプタを無理嵌めしてもよいし、外方側としたアダプタ内に内方側としたボディ本体を無理嵌めしてもよい。無理嵌めの態様は、例えば凹凸の嵌合とすることができる。
▲5▼ 前記ボディ本体とアダプタとが無理嵌めされ、前記アダプタをその外方から締付部材により機器等に向けて締め付けて固定する形式としてもよい。
このように構成すると、無理嵌め領域の円周方向外方のリング状部材が使用時に不用意に進退しないように、外方の締付部材によって位置決め固定することができる。
▲6▼ 前記ボディ本体は、前記無理嵌め領域の変形に支障のない位置まで締付部材とリング状部材をスライドさせることが可能な長さを有することとしてもよい。
このように構成すると、継手組立時には締付部材とリング状部材を無理嵌め領域の変形に支障のない位置までスライドさせた状態でボディ本体とアダプタとを無理嵌めすることにより、ボディ本体に締付部材とリング状部材を先に装着してからアダプタを無理嵌めすることができ事後的に締付部材をかしめる必要がない。
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
(実施形態1)
図1に示すように、この実施形態の管継手は、配管1(プラスチック・チューブ)を保持する構造を内蔵するエルボー状とした合成樹脂製のボディ本体2内に、合成樹脂製のアダプタ3が機器等(図示せず)への接続端側4から挿入されて無理嵌めされている。
ボディ本体2内には環状の凹部5が形成されており、アダプタ3の外周には前記凹部5に対応する環状の凸部6が突設されている。ボディ本体2とアダプタ3との間には、シール用のOリング7を奥側に介在させている。
そしてセット時には、その外方から締付部材8により前記アダプタ3を機器等に向けて締め付けて固定する形式としている。この実施形態では締付部材8として、螺溝を有する金属製のナットを用いている。前記アダプタ3と機器等との間に介在するシール用パッキン9により、流体密性を担保している。
ところで管継手の組立時、ボディ本体2内にアダプタ3を嵌入し、ボディ本体2内の環状の凹部5とアダプタ3の外周の環状の凸部6を嵌合させる際、ボディ本体2が一時的に拡径するので、ボディ本体2の外周とナットの内周との間にはクリアランスを設けている。
そして、前記締付部材8(金属製ナット)の内周の径を減少させるようにかしめることにより、締付部材8の内周とボディ本体2の外周との間のクリアランスCを小さく設定している。具体的には、ボディ本体2と締付部材8との間のクリアランスCが最初は約0.5〜0.9mmであったのを、約0.2mmとなるようにカシメている。この際のその寸法公差は、約0.1mm程度であった。
次に、この実施形態の管継手の使用状態を説明する。
この管継手は、締付部材8(金属製ナット)の内周を減少させるようにかしめることにより締付部材8の内周とボディ本体2の外周との間にクリアランスCを小さく設定したので、使用中に配管1に足を引っ掛けたりして思いがけない強い力が働いても、ボディ本体2と締付部材8とが相対変位を起こす余地が少なくボディ本体2と締付部材8との係合力が向上しており、ボディ本体2が従来よりも抜け出し難いという大きな利点がある。
また、機器等に取り付けた後でも必要に応じてボディ本体2(エルボー状)を回動させて向きを変えることができる。すなわち、使用時の必要に応じた回動を可能としながら、且つ管継手からボディ本体2が非常に抜け難いようにすることができるという利点がある。
(実施形態2)
次に、実施形態2を実施形態1との相違点を中心に説明する。
図2に示すように、合成樹脂製のボディ本体2と締付部材8(金属製ナット)との間であって機器等への接続端側4に段状の凹設部10を形成しており、ここに断面略L字形の金属製のリング状部材11を介在させている。尚、断面略L字形でなくてもよい。前記凹設部10の間隙は約1.2mmとし、前記リング状部材11の厚みは約1.0mmとしている。
組立時には、リング状部材11が介在する状態で、前記締付部材8(金属製ナット)の内周の径を減少させるようにかしめることにより、締付部材8の内周とボディ本体2の外周との間のクリアランスCを小さく設定している。
そして、介在させた前記リング状部材11によって、リング状部材11が存する領域におけるボディ本体2と締付部材8との間の空隙を小さくして殆ど無くすことができるので、ボディ本体2と締付部材8とが相対変位を起こす余地が少なくなり、ボディ本体2と締付部材8との係合力が向上しボディ本体2が抜け出し難くなるという利点がある。
一方、ボディ本体2と締付部材8との間のクリアランスC(リング状部材11を介在させる段状の凹設部10の奥側の領域)は約0.05mmとしており、その寸法公差は約0.05mm程度としている。すなわち、ボディ本体2と締付部材8との間にリング状部材11を介在させることにより、実施形態1よりも前記相互間のクリアランスを厳しく詰めることができ、ボディ本体2と締付部材8との係合力が大きいという利点がある。
(実施形態3)
次に、実施形態3を上記実施形態との相違点を中心に説明する。
図3に示すように、配管1を保持する構造を内蔵するボディ本体2とアダプタ3とが無理嵌めされ、前記アダプタ3をその外方から締付部材8により機器等に固定して使用する形式としている。ここで、外方側としたボディ本体2内の環状の凹部5に、内方側としたアダプタ3外周の環状の凸部6を無理嵌めするような態様としている。なお外方側としたアダプタ内に、内方側としたボディ本体を無理嵌めするような態様としてもよい。
また、前記ボディ本体2とアダプタ3との無理嵌め領域(ボディ本体2における環状の凹部5の外方領域)の円周方向外方に金属製のリング状部材11を配置し、前記無理嵌め領域におけるボディ本体2の外周方向への変位を拘束するようにしている。
そして前記ボディ本体2は、前記無理嵌め領域(ボディ本体2における環状の凹部5の外方領域)の変形に支障のない位置まで締付部材8とリング状部材11をスライドさせる(図示の上向きの矢印の向きに変位させる)ことが可能な長さを有するように設定している。なおシール用パッキン9は、継手組立ての終了後に締付部材8における機器等への接続端側4から挿入してもよい。
次に、この実施形態の管継手の使用状態を説明する。
この管継手では、リング状部材11により無理嵌め領域(ボディ本体2における環状の凹部5の外方領域)におけるボディ本体2の外周方向への変位を拘束するようにしたので、この無理嵌め領域ではボディ本体2とアダプタ3との相対変位が生じる余地が極めて少なくなっており、ボディ本体2が従来よりも非常に抜け出し難いという利点がある。
また前記ボディ本体2とアダプタ3とが無理嵌めされ、前記アダプタ3をその外方から締付部材8により機器等に向けて締め付けて固定して使用する形式としており、無理嵌め領域の円周方向外方のリング状部材11が使用時に不用意に進退しないように、外方の締付部材8によって位置決め固定するような設定をすることができる。
さらに、前記ボディ本体2は、前記無理嵌め領域の変形に支障のない位置まで締付部材8とリング状部材11をスライドさせる(図示の上向きの矢印の向きに変位させる)ことが可能な長さを有するので、継手組立時には締付部材8とリング状部材11を無理嵌め領域の変形に支障のない位置までスライドさせた状態でボディ本体2とアダプタ3とを無理嵌めすることにより、ボディ本体2に締付部材8とリング状部材11を先に装着してからアダプタ3を無理嵌めすることができ、事後的に締付部材8が抜けないようにするためにその端部(図示上端部)をかしめる必要はない。
そして、機器等に取り付けた後でも必要に応じてボディ本体2を回動させて向きを変えることができる。すなわち、使用時の必要に応じた回動を可能としながら、且つ管継手からボディ本体2が非常に抜け難いようにすることができるという利点がある。
(実施形態4)
次に、実施形態4を上記実施形態との相違点を中心に説明する。
図4に示すように、配管1を保持する構造を内蔵する合成樹脂製のボディ本体2とアダプタ3とが無理嵌めされ、前記アダプタ3と一体的に形成された締付部8により機器等に固定して使用する形式としている。
また、前記ボディ本体2とアダプタ3との無理嵌め領域(ボディ本体2における環状の凹部5の外方領域)の円周方向外方に金属製のリング状部材11を配置し、前記無理嵌め領域におけるボディ本体2の外周方向への変位を拘束するようにしている。
ここで、前記リング状部材11の内周面に断面半円状の環状凹部12を形成すると共に、ボディ本体2の外周面における前記環状凹部に対応する位置には断面半円状の環状凸部13を形成して、これらを強制嵌合させることにより使用時の相互間の相対変位を防止している。
【発明の効果】
この発明は上述のような構成であり、次の効果を有する。
ボディ本体と締付部材とが相対変位を起こす余地が少なくボディ本体と締付部材との係合力が向上しているので、ボディ本体が従来よりも抜け出し難い管継手を提供することができる(請求項1,2,3)。
また、無理嵌め領域ではボディ本体とアダプタとの相対変位が生じる余地が少なくなっているので、ボディ本体が従来よりも抜け出し難い管継手を提供することができる(請求項4,5,6)。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の管継手の実施形態1を説明する半断面図。
【図2】この発明の管継手の実施形態2を説明する半断面図。
【図3】この発明の管継手の実施形態3を説明する半断面図。
【図4】この発明の管継手の実施形態4を説明する半断面図。
【図5】従来の管継手を説明する半断面図。
【符号の説明】
1 配管
2 ボディ本体
3 アダプタ
8 締付部材
11 リング状部材
C クリアランス

Claims (6)

  1. 配管を保持するボディ本体内にアダプタが無理嵌めされ、その外方から締付部材により前記アダプタを機器等に向けて締め付けて固定する形式であると共に、前記締付部材の内周を減少させるようにかしめることにより締付部材の内周とボディ本体の外周との間のクリアランスを小さく設定したことを特徴とする管継手。
  2. 配管を保持するボディ本体内にアダプタが無理嵌めされ、その外方から締付部材により前記アダプタを機器等に向けて締め付けて固定する形式であると共に、前記ボディ本体と締付部材との間にリング状部材が介在することにより締付部材の内周とボディ本体の外周との間のクリアランスを小さく設定したことを特徴とする管継手。
  3. 組立時には前記リング状部材が介在する状態で締付部材の内周を減少させるようにかしめるようにした請求項2記載の管継手。
  4. 配管を保持するボディ本体とアダプタとが無理嵌めされ、前記アダプタを機器等に固定する形式であると共に、前記ボディ本体とアダプタとの無理嵌め領域の円周方向外方にリング状部材を配置し、前記無理嵌め領域における外方側の部材の外周方向への変位を拘束するようにしたことを特徴とする管継手。
  5. 前記ボディ本体とアダプタとが無理嵌めされ、前記アダプタをその外方から締付部材により機器等に向けて締め付けて固定する形式とした請求項4記載の管継手。
  6. 前記ボディ本体は、前記無理嵌め領域の変形に支障のない位置まで締付部材とリング状部材をスライドさせることが可能な長さを有する請求項5記載の管継手。
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