JP3834256B2 - 容器 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、化粧品や香料等の内容物を収納するのに適した容器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
化粧品や香料等の内容物を収納するのに適した容器としては、特開平11−192123公報に記載された容器がある。
この容器は、図14に示すように、口部62に第1ネジ部63を有する容器本体61と、その容器本体61の有する開口65を閉蓋し、容器本体61にネジ止め可能な第2ネジ部67を有する蓋体66と、前記蓋体66と容器本体61との間で関節部を形成することができるピン状の開閉ヒンジ68とを有している。
【0003】
この開閉ヒンジ68の上端と蓋体66は、接続ピン70によりピン留め構造で接続され、そこを支点にして開方向(図14の矢印M方向)に蓋体66を揺動し開くことが可能となっている。開閉ヒンジ68の下端には外周側に突出した摺動フランジ部69が形成されており、この摺動フランジ部69が容器本体61の周方向に沿うように形成された断面上方開口の略C形のハウジング部64に嵌り込み、ハウジング部64にガイドされ摺動するようになっている。
容器本体61の開口65に蓋体66が螺合することで閉蓋状態にある容器60において、その蓋体66を螺合状態が解除される方向に回動すると、開閉ヒンジ68が蓋体66に同伴し周方向に摺動しつつ移動すると共に、前記蓋体66が上方に迫り上がってくる。その後、開閉ヒンジ68の上端を支点として蓋体66を開方向に揺動させることで揺動開蓋でき、内容物を取り出したりすることが可能となる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、螺合解除の際に、前記蓋体66が上方に迫り上がることを可能とするため、開閉ヒンジ68の摺動フランジ部69はハウジング部64の内部に上下方向に隙間をもって嵌り込んでおり、ハウジング部64内を摺動する場合にガタついたりし蓋体66をスムーズに回動させることができない等の不都合が起こっていた。
そこで、本発明は、上記問題点に鑑み、蓋体が螺合することで容器本体の口部の開口を密閉し、螺合又は螺合解除の際に、その蓋体を周方向にスムーズに回動させることが可能な容器を提供するようにしたものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
この技術的課題を解決するための本発明の技術的手段は、口部3を有する容器本体2と、前記口部3と螺合する蓋周壁部34を有しかつ口部3の開口7を塞ぐように口部3に着脱自在に螺合する蓋体4と、前記口部3に軸方向に不動のまま周方向に回動可能に嵌合保持され、かつ回動するときに蓋体4を同伴回動する回転リング体6とが備えられ、前記回転リング体6は口部3に螺合した蓋周壁部34を外嵌するように口部3と略同一高さに形成され、前記口部3と蓋周壁部34との間に、前記蓋周壁部34を螺合により回転リング体6内に後退させ、螺合解除により回転リング体6内から外方へ突出させるネジ機構11が設けられ、前記回転リング体6と蓋周壁部34との間に、同伴回動するときに蓋体4を回転リング体6に対して上下動自在に連結し、かつ蓋体4を螺合解除したときに蓋体4を回転リング体6に対して口部3を開閉する方向に揺動自在に連結する開閉ヒンジ5が設けられている点にある。
【0006】
また、本発明の他の技術的手段は、前記口部3の外周に沿って係止部9が形成され、前記回転リング体6に係合部10が形成され、前記回転リング体6が口部3に対して軸方向に不動のままでかつ抜け止めされるように前記係止部9に係合部10が係合されている点にある。
また、本発明の他の技術的手段は、前記口部3に対し蓋体4を螺合して開口7を塞いだ状態で、蓋体4の上面が回転リング体6の上縁と面一になる点にある。
また、本発明の他の技術的手段は、前記開閉ヒンジ5は、前記蓋体4又は回転リング体6の一方に設けられた連結部13と、他方に設けられた接続ピン14とを有し、前記連結部13には接続ピン14と嵌合する嵌合溝15が設けられ、この嵌合溝15が接続ピン14に対して相対移動することで、前記蓋体4が回転リング体6に対して出退方向に移動可能となるように、前記嵌合溝15が長く形成されている点にある。
【0007】
また、本発明の他の技術的手段は、前記嵌合溝15の内側には、接続ピン14の複数の移動位置での位置決めを可能とする複数の位置決め部17a,17bが設けられている点にある。
また、本発明の他の技術的手段は、前記蓋体4を開方向に揺動する際に揺動抵抗が次第に増大するように、接続ピン14の幅が嵌合溝15の幅より大に形成されている点にある。
また、本発明の他の技術的手段は、前記開閉ヒンジ5は、基端部26が前記蓋体4に固着され且つ先端部27が回転リング体6に固着された舌片19からなり、前記蓋体4が口部3を開閉する方向に揺動自在となるように、前記舌片19には可撓性が具備される点にある。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1〜3は本発明の容器1の第1実施形態を示すものである。
図1に示すように、本発明の容器1は、略円筒状の口部3を有する容器本体2と、口部3の開口7を塞ぐように口部3に着脱自在に螺合する蓋体4とを備えており、前記蓋体4は、口部3に外嵌している回転リング体6と開閉ヒンジ5を介して開き戸状に連結され、口部3を開閉する方向に揺動自在となっている。この口部3の内側には、ファンデーション、アイシャドー、口紅等の化粧品などの内容物が収納可能となっている。
【0009】
容器本体2は、図1,2に示すように、略平面円形の形状を有しており、化粧品等の内容物を収納する収納凹部24と、その収納凹部24を取り囲む略円筒状の口部3から構成されている。
口部3の外周側には第1ネジ部21が形成されていると共に、この第1ネジ部21の下方(口部3に蓋体4が嵌まる方向)には、凸条の係止部9が外周上に連続で形成されている(環状係止部)。また、口部3の外周側で最下端には、径外方向に突出するフランジ部23が形成されている。
【0010】
このフランジ部23により、容器本体2の下方は幅広となっているため、容器本体2を安定して机等の上に置くことが可能となる。
回転リング体6は、口部3と略同一の高さを有する略円筒状であり、前記口部3に外嵌している。回転リング体6の内周側には、前記凸条の係止部9に嵌合する凹条の係合部10が環状に形成されている(環状係合部)。
さらに、回転リング体6には、その上縁の一部を下方に凹に切り欠いてなる切り欠き部28が形成されている。この切り欠き部28の上方(口部3から蓋体4がはずれる方向)には、断面略円形の細長い接続ピン14が架け渡すように設けられている。
【0011】
なお、この接続ピン14は切り欠き部28の上端に架設される構造となっているため、回転リング体6と一体に成形することが可能となっている。しかしながら、接続ピン14のみ別途製作し、後付けで切り欠き部28上端に取り付ける構造であっても何ら問題はない。
接続ピン14が設けられている部位のほぼ反対側で、回転リング体6上縁で外側の一部には、面取りを施すことで形成された面取り部30が設けられている。
前記回転リング体6は、前記口部3の凸条の係止部9に凹条の係合部10が嵌り合うように、容器本体2の口部3に外嵌している。これにより、回転リング体6は口部3の周方向にスムーズに回動可能となり、且つ、口部3に嵌合保持されるようになる。また、凸条の係止部9に凹条の係合部10が嵌り合うことで、回転リング体6は口部3から外れたり抜けたりすることも無くなる。さらに、口部3の下方に形成されているフランジ部23は、前記回転リング体6が下方に抜け落ちることを防止する機能をも併せ持っている。
【0012】
蓋体4は、前記口部3の開口7を塞ぐ略円形の蓋部33を有しており、この蓋部33の周縁には蓋周壁部34が下方に突出する構成となっている。この蓋周壁部34の内周側には第2ネジ部36が形成されており、前記第1ネジ部21と第2ネジ部36は互いに螺合することでネジ機構11を構成し、このネジ機構11により、蓋体4が口部3に螺合し密閉することを可能としている。
前記蓋周壁部34の一部には、外側に盛り上がった連結部13が形成されている。この連結部13には、周方向に貫通し且つ上下方向に長い嵌合溝15が形成されている。この嵌合溝15に前記回転リング体6に形成された接続ピン14が嵌り込むことで開閉ヒンジ5が構成される。
【0013】
蓋体4は、この開閉ヒンジ5を介して回転リング体6に開き戸状に接続され、蓋体4は口部3を開方向(図2の矢印M)に揺動自在に連結されると共に、閉方向(図2の矢印N)にも揺動自在に連結されることになる。さらに、蓋体4は開閉ヒンジ5を介して回転リング体6に接続されることで、回転リング体6と同伴して回動可能となり、蓋体4も口部3に対してその周方向にスムーズな回動が可能となる。
蓋部33の内側には、口部3上縁と蓋部33の内側に挟み込まれることで、蓋体4と口部3の螺合時(閉蓋時)の気密性を高める密閉部材38が貼り付けてある。本実施形態の場合、密閉部材38としてはゴムや防水加工を施された紙材を使用している。
【0014】
なお、容器本体2の口部3に蓋体4が螺合しているとき、つまり閉蓋時の嵌合状況は図2に示すようなものである。すなわち、前記蓋体4は口部3に外嵌しており、さらに、その蓋体4を外嵌するように回転リング体6は配置されている。その上で、回転リング体6の下方において、前述のように凸条の係止部9に凹条の係合部10が嵌り合うことで、口部3と回転リング体6が連結している。
したがって、閉蓋時の蓋体4は、回転リング体6の内側に嵌り込む構造となっており、前述のごとく回転リング体6と同伴可動可能であると共に、螺合解除時(開蓋時)に回転リング体6の内側を上方向(外方へ突出する方向)に摺動可能な構成となっている。
【0015】
容器本体2、回転リング体6及び蓋体4はプラスチック等を材料とし、射出成形により一体に形成されているものであるが、この製造方法に限定されるものではない。強度を必要とするものであれば、鋼板材等の金属板材をプレス成形することで製作しても何ら問題はない。また、接続ピン14のみを金属材で成型し、プラスチック等で成形された回転リング体6に嵌め込む構造であっても何ら問題はない。
次に、本実施形態における容器1の使用方法について述べる。
【0016】
図2,3に示すように、まず、第1ネジ部21と第2ネジ部36が螺合状態にあるネジ機構11により閉蓋状態となっている容器1において、回転リング体6を口部3に対して蓋体4の螺合が解除される方向に回動する(左回動する)。すると、この回転リング体6に蓋体4が同伴し左回動するため、前記ネジ機構11の螺合が解除されると共に、ネジ機構11を構成する第2ネジ部36が第1ネジ部21上を摺動しつつ上昇する。したがって、蓋体4は口部3に対して次第に上方へ移動し(外方へ突出し)開蓋状態になる。このとき、嵌合溝15は上下方向に長いため、相対的に接続ピン14が嵌合溝15内を上から下方向に移動することで、蓋体4は回転リング体6に対して、スムーズに上方へ移動し迫り上がるように突出してくる。
【0017】
開蓋後は、面取り部30の箇所から指先で蓋体4を引っかけ、開閉ヒンジ5を支点として蓋体4を開方向に開ける(揺動開蓋する)ことで、簡単に収納部を取り出すことができるようになる。
蓋体4を閉じるときは前述の工程の逆を行えばよく、まず、蓋体4を開閉ヒンジ5を支点として閉方向に閉じる(揺動閉蓋する)。次に回転リング体6を蓋体4の螺合方向に回動する(右回動する)。すると、蓋体4は回転リング体6と同伴し右回動するため、蓋体4は口部3に螺合することになる。螺合が進むと共に、蓋体4は回転リング体6に対して下方に降下し(回転リング体6内に後退し)、蓋体4の上面と回転リング体6の上縁が面一になる。この状態では、蓋体4は口部3に密閉状態で閉蓋しているため、収納凹部24に収納された内容物が漏れる等の不具合が生じることはない。
【0018】
上述のように、本実施形態の容器1においては、蓋体4は口部3に第1ネジ部21と第2ネジ部36からなるネジ機構11を介して螺合するため、密閉性を保ち収納凹部24を閉蓋できることとなる。
また、開蓋のために左回動させるときも、蓋体4が連結している回転リング体6を左回動することでスムーズに回動させることができる。同様に閉蓋するために右回動させるときも、蓋体4が連結している回転リング体6を右回動することでスムーズにその回動を行うことができる。
【0019】
回転リング体6を回動させた場合、蓋体4が回転リング体6に対して上下方向(出退方向)に移動し回転リング体6から突出したり後退したりする。このため、蓋体4が迫り上がる開蓋時には、目視のみでその開蓋を確認することも可能となる。蓋体4の上面と回転リング体6の上縁が面一となる閉蓋時には、子供等が不用意に蓋体4を開けることを防ぐ作用を奏する。
つまり、本実施形態の容器1は、揺動開閉蓋を行う蓋体4がもたらす開閉の利便性と、蓋体4と口部3が螺合することによる閉蓋時の密閉性の両方を持ち合わせるものである。また、蓋体4が回転リング体6に対して迫り上がった上で開閉ヒンジ5を支点とした揺動開閉を行うため、容器1自体に高級感を持たせることが可能となる。
【0020】
次に本発明の第2実施形態について述べる。
図4に示すように、本発明の第2実施形態は、容器本体2、回転リング体6及び蓋体4自体は第1実施形態と同様であるが、蓋体4と回転リング体6を接続し同伴回動可能とする開閉ヒンジ5が異なっている。
すなわち、本実施形態における開閉ヒンジ5は、舌片(舌状の接続片)19からなっており、この舌片19はその基端部26が前記蓋体4の蓋周壁部34の外周下端に固着され、その先端部27が回転リング体6の外周側に固着されている。また、この舌片19は、蓋体4が口部3を開閉する方向に揺動自在となるような適度の可撓性を有している。
【0021】
好ましくは、第1実施形態と同様に、回転リング体6にはその上縁の一部を下方に凹に切り欠いてなる切り欠き部28を形成し、その下方に前記先端部27を固着するとよい。この構成により、閉蓋時には切り欠き部28に前記舌片19が嵌り込むことになり、舌片19が回転リング体6の上縁に引っ掛かかることを防ぐことができ、蓋体4が確実に口部3に嵌合できるようになる。
この開閉ヒンジ5で回転リング体6と接続されている蓋体4も、回転リング体6を左回動することにより同伴可動し、螺合解除され上方へ迫り上がってくる。また、回転リング体6の右回動により、蓋体4が下方に降下し、蓋体4の上面と回転リング体6の上縁が面一となる。
【0022】
このように、蓋体4と回転リング体6が舌片19により連結される構造であるために、蓋体4と回転リング体6と両者を接続する舌片19を、プラスチック等で一体に成形することが可能となり、製造工程の簡略化や製造コストを下げることが可能となる。
次に、本発明に係る容器1の実施形態の変形例について述べる。
図6、7は第1実施形態における開閉ヒンジ5の変形例である。
図6において、嵌合溝15の内側には、接続ピン14の上下位置での位置決めを可能とする突起からなる位置決め部17a,17bが複数設けられている。すなわち、蓋体4が閉蓋状態であるときの接続ピン14の位置を決める一対の位置決め部17aが、嵌合溝15の上方に設けられており、蓋体4が開蓋状態であるときの接続ピン14の位置を決める一対の位置決め部17bが、嵌合溝15の下方に設けられている。
【0023】
これにより、蓋体4が回転リング体6から迫り上がった状態における嵌合溝15内での接続ピン14の位置と、蓋体4が回転リング体6の内側に入り込んだ状態における嵌合溝15内での接続ピン14の位置が明確に定まることになる。
また、閉蓋から開蓋もしくは開蓋から閉蓋に移行する場合に、接続ピン14が前記突起からなる位置決め部17a,17bにより狭くなった嵌合溝15内の空間を移動することとなるため、使用者は回転リング体6を回動し蓋体4を上下方向へ移動させる際に抵抗感(クリック感)を感ずることとなり、このクリック感により使用者に高級感を感じさせることが可能となる。
【0024】
図7は、蓋体4を開方向に揺動する際に揺動抵抗が次第に増大するように、接続ピン14の幅が嵌合溝15の幅より大に形成されているものである。すなわち、接続ピン14の断面は略楕円形であり、その長径は嵌合溝15の幅より大であると共に嵌合溝15の上下方向に向いている。一方、その短径は嵌合溝15の幅より小となっている。
接続ピン14がかかる形状であると、蓋体4が上下方向に移動する際には、接続ピン14が嵌合溝15に引っ掛かることなくスムーズに移動する。揺動開蓋をする場合には、図7の2点鎖線で示すように、断面略楕円の接続ピン14の長径方向の端面が嵌合溝15の内側に食い込むこととなるため、使用者は揺動開蓋時に抵抗感(クリック感)を感ずることとなる。このクリック感の発生により、使用時の高級感を醸し出させることが可能となる。
【0025】
次に、第1及び第2実施形態における回転リング体6の変形例を示す。
図8は、回転リング体6の外周を径外方向に断面略円弧状に形成したものである。これにより、回転リング体6が外周に膨らみ部39を有することになり、使用者が回転リング体6を回動する際に保持しやすくなると共に、意匠的に高級感をもたせることが可能となる。
図9は、蓋体4の蓋部33の周縁が径外方向に突出した蓋フランジ部41を形成し、閉蓋時に蓋フランジ部41が回転リング体6の上方に覆い被さり嵌合するような構成としたものである。これにより、蓋体4を開ける際にこの蓋フランジ部41に指先が引っ掛かることになるため、揺動開蓋が非常に容易になる。
【0026】
図10は、蓋体4が回転リング体6の内側に内嵌するのではなく、蓋体4とほぼ同径を有し、回転リング体6の上方に蓋体4が連なって配置される構成を有するものである。
上述の変形例のそれぞれにおいて、回転リング体6の機能は全く同じであるが、本発明の容器1は化粧品等を収納するものとして使用されるため、使用者に高級感を醸し出させることは重要なことである。そのため回転リング体6を意匠的に変形させることは非常に有益な作用効果をもたらす。
【0027】
次に、第1及び第2実施形態における容器本体2の収納凹部24を変形した例を示す。
図11は、収納凹部24を下方に大きく拡張し、クリーム等を収納するジャー43の形状にしたものである。
ジャー43形状の収納凹部24には、保湿クリーム、クレンジングクリームやヘアワックスなどの内容物を多量に収納可能である。このようなクリームは一般に流動性を有しており、収納時には密閉して容器1に収納する必要があるため、本発明の容器1を使用することは非常に有効である。
【0028】
図12は、収納凹部24を下方に大きく拡張し、クリーム等を収納するジャー43形状にした上に、その内部で且つ口部3の内側にレフィル容器44(詰め替え用容器)が取り付けられる構造にしたものである。
なお、本発明は、上記実施の形態に限定されるものではない。
例えば、本発明の容器1を、容器本体2の有する収納凹部24の底を開口し、容器本体2を内蓋体48としてボトル45(瓶体)の口部46に取り付けることで、ボトル45のキャップ47として利用しても何ら問題はない。
【0029】
すなわち、図13のようにボトル口部46には内蓋体48が外嵌するように取り付けてあり、その内蓋体48の外周側には第1ネジ部21が形成されている。この内蓋体48の上面略中央には、内容物であるシャンプー、リンス、ローション、乳液等が排出される穴50が形成されている。蓋部33の内側中央には栓体49が設けられており、この栓体49が前記穴50に嵌り込むことで内容物の滲出を防ぐ様になっている。
このキャップ47においても、栓体49を穴50から抜き取る際は、回転リング体6を左回動することで、蓋体4を口部3から開蓋させ、さらに回転リング体6の上方へ突出した蓋体4を揺動開蓋させることにより、穴50から栓体49を抜けはずれさせる。
【0030】
加えて、前述の工程を逆に行うことで、栓体49を穴50に嵌め込むことができる。
また、例えば、本実施形態の場合、容器1の収納物として化粧品を例示しているが、内容物はこれに限定されるものではなく、香料や医薬品、絵の具等の塗料であっても何ら問題はない。
また、容器本体2の口部3に、凸条の係止部9を設け、回転リング体6の内周側に、凹条の係合部10を設けているが、逆に、回転リング体6の内周側に凸条の係止部9を設け、口部3に凹条の係合部10を設けても何ら問題はない。
【0031】
また、本実施形態の場合、係止部9は、口部3の外周上に連続で形成されているが、これに限定されるものではなく、一部に切りかきを有するものであってもかまわない。外周に沿って外周の一部に設けられているものであってもかまわない。同様に、係合部10も、回転リング体6の内周壁に連続で形成されているが、これに限定されるものではなく、係止部9に嵌合する形態であれば、不連続に設けられているものであってもかまわない。すなわち、内周壁に沿って内周壁の一部に設けられているものであってもかまわない。
【0032】
さらに、開閉ヒンジ5の構成として、回転リング体6に接続ピン14を架設し、蓋体4に嵌合溝15を有する連結部13を形成しているが、その逆で、蓋体4に接続ピン14を架設し、回転リング体6に嵌合溝15を有する連結部13を形成しても何ら問題はない。
さらにまた、第1実施形態の場合、蓋部33の内側に、蓋体4と口部3の螺合時(閉蓋時)の気密性を高めるゴム等からなる密閉部材38が貼り付けてある。しかし、閉蓋時の気密性を高めるものとしては、これに限定されるものではなく、図8に示すように、蓋部33の内側に、リブ部32を口部3に内接するようにリング状で設けることで閉蓋時の気密性を高めてもよい。
【0033】
【発明の効果】
本発明の容器1によれば、蓋体4が螺合することで容器本体2の口部3の開口7を密閉し、螺合又は螺合解除の際に、その蓋体4を周方向にスムーズに回動させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1実施形態を示す斜視図である。
【図2】 本発明の第1実施形態を示す側面断面図である。
【図3】 第1実施形態の使用方法を示す斜視図である。
【図4】 本発明の第2実施形態を示す斜視図である。
【図5】 本発明の第2実施形態を示す側面断面図である。
【図6】 第1実施形態における開閉ヒンジの一変形例を示す断面図である。
【図7】 第1実施形態における開閉ヒンジの一変形例を示す断面図である。
【図8】 本発明に係る回転リング体の一変形例を示す断面図である。
【図9】 本発明に係る回転リング体の一変形例を示す断面図である。
【図10】 本発明に係る回転リング体の一変形例を示す断面図である。
【図11】 本発明に係る収納凹部の一変形例を示す断面図である。
【図12】 本発明に係る収納凹部の一変形例を示す断面図である。
【図13】 本発明の容器をボトルキャップとして使用した状態を示す断面図である。
【図14】 従来例を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 容器
2 容器本体
3 口部
4 蓋体
5 開閉ヒンジ
6 回転リング体
7 開口
9 係止部
10 係合部
11 ネジ機構
13 連結部
14 接続ピン
15 嵌合溝
17 位置決め部
19 舌片

Claims (7)

  1. 口部(3)を有する容器本体(2)と、
    前記口部(3)と螺合する蓋周壁部(34)を有しかつ口部(3)の開口(7)を塞ぐように口部(3)に着脱自在に螺合する蓋体(4)と、
    前記口部(3)に軸方向に不動のまま周方向に回動可能に嵌合保持され、かつ回動するときに蓋体(4)を同伴回動する回転リング体(6)とが備えられ、
    前記回転リング体(6)は口部(3)に螺合した蓋周壁部(34)を外嵌するように口部(3)と略同一高さに形成され、
    前記口部(3)と蓋周壁部(34)との間に、前記蓋周壁部(34)を螺合により回転リング体(6)内に後退させ、螺合解除により回転リング体(6)内から外方へ突出させるネジ機構(11)が設けられ、
    前記回転リング体(6)と蓋周壁部(34)との間に、同伴回動するときに蓋体(4)を回転リング体(6)に対して上下動自在に連結し、かつ蓋体(4)を螺合解除したときに蓋体(4)を回転リング体(6)に対して口部(3)を開閉する方向に揺動自在に連結する開閉ヒンジ(5)が設けられていることを特徴とする容器。
  2. 前記口部(3)の外周に沿って係止部(9)が形成され、前記回転リング体(6)に係合部(10)が形成され、前記回転リング体(6)が口部(3)に対して軸方向に不動のままでかつ抜け止めされるように前記係止部(9)に係合部(10)が係合されていることを特徴とする請求項1に記載の容器。
  3. 前記口部(3)に対し蓋体(4)を螺合して開口(7)を塞いだ状態で、蓋体(4)の上面が回転リング体(6)の上縁と面一になることを特徴とする請求項1又は2に記載の容器。
  4. 前記開閉ヒンジ(5)は、前記蓋体(4)又は回転リング体(6)の一方に設けられた連結部(13)と、他方に設けられた接続ピン(14)とを有し、前記連結部(13)には接続ピン(14)と嵌合する嵌合溝(15)が設けられ、この嵌合溝(15)が接続ピン(14)に対して相対移動することで、前記蓋体(4)が回転リング体(6)に対して出退方向に移動可能となるように、前記嵌合溝(15)が長く形成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の容器。
  5. 前記嵌合溝(15)の内側には、接続ピン(14)の複数の移動位置での位置決めを可能とする複数の位置決め部(17a),(17b)が設けられているを特徴とする請求項4に記載の容器。
  6. 前記蓋体(4)を開方向に揺動する際に揺動抵抗が次第に増大するように、接続ピン(14)の幅が嵌合溝(15)の幅より大に形成されていることを特徴とする請求項4又は5に記載の容器。
  7. 前記開閉ヒンジ(5)は、基端部(26)が前記蓋体(4)に固着され且つ先端部(27)が回転リング体(6)に固着された舌片(19)からなり、前記蓋体(4)が口部(3)を開閉する方向に揺動自在となるように、前記舌片(19)には可撓性が具備されることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の容器。
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