JP3833737B2 - 現金処理システム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、たとえば、銀行などの金融機関の各支店等に配置されて、現金の取引を自動的に行う複数の自動取引装置を群管理して、各自動取引装置が保持する現金を相互で融通して使用する現金融通管理方法、および、その方法を用いた現金処理システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
金融機関等においては、顧客に対して現金の支払、振込等を自動的に行う自動取引装置(以下ATMと呼ぶ)が広く普及し、その設置台数も増加の一途をたどっている。
【0003】
ATMは、その使用状況に応じて現金の補充や回収が必要であり、従来、この補充および回収作業は人手によって行われていた。従って、多数のATMが設置されている場合、このような現金の補充および回収作業は大変な労力を必要としていた。
【0004】
そこで、近年、複数のATMと、各ATMに対して現金を人手によらず自動的に補充および回収する現金受渡し装置とを備えた現金処理システムが提案されている。すなわち、内部に紙幣収納カセットを有する複数のATM間を移動して、それらATMに紙幣収納カセットを挿脱する機能を有するカセット搬送手段を備え、そのカセット搬送手段で挿脱、搬送される紙幣収納カセットによって各ATMの紙幣を相互にリサイクル使用するようになっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、このような機械化が進んでも、各ATMは各々独自に取引業務を行うようになっているので、各ATM毎に出金量や入金量に多い少ないの差があり、その差は日によっても異なり、又、ATMが設置されている環境等によっても入金あるいは出金の多いものや少ないものがある。
【0006】
すなわち、金融機関にとっては、ATMを介してよりよい顧客サービスを行いたいわけであるから、設置されたATMはできるだけ休止していないことが望ましいにもかかわらず、ある1台のATMに出金取引、入金取引が集中して運用の途中でATM内の紙幣が不足したり逆に溢れたりした場合には、そのATMを運用停止しなければならならなかった。
【0007】
また、特に、休日等の無人運用時間帯では、設置された各ATM内の紙幣収納庫内の紙幣が不足して、そのATMの業務が休止することがないよう、あらかじめ各ATM内の紙幣収納庫内には余裕を持って紙幣を補充するようになっていた。従って、ATMを運用するためには必要以上の紙幣を用意する必要がありセキュリティ上問題があった。
【0008】
そこで、本発明は、以上の点に鑑みてなされたもので、複数のATMのそれぞれの資金運用状態を管理して、これら複数のATMの運用途中で資金不足や資金過剰による運用停止を未然に防止し、複数のATM間でその現金収納庫に収納されている現金を相互に効率よく融通して、ATM全体の運用資金を最小限に管理することができ、さらに、係員の作業削減が図れる現金処理システムを提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
この発明の現金処理システムは、現金を収納した現金収納庫を具備して、この現金収納庫内の現金にて所定の取引処理を行う複数の自動取引装置と、これら複数の自動取引装置に接続されて前記現金収納庫内の現金量を含む運用状態を管理する運用管理装置と、この運用管理装置の指示に基づき前記複数の自動取引装置間を移動して、前記複数の自動取引装置に対して現金の回収並びに補充動作を行うキャリアとを有する現金処理システムであって、前記運用管理装置は、前記現金収納庫の現金量に基づいて、前記複数の自動取引装置全体の現金の存高が運用範囲の上限を超えているか否かを検出する第1の検出手段と、この第1の検出手段で前記複数の自動取引装置全体の現金の存高が運用範囲の上限を超えていることが検出されたとき、前記現金収納庫内の現金量をもとに、前記現金収納庫内の現金が最も多く余剰している自動取引装置を検出する第2の検出手段と、前記第2の検出手段で検出された自動取引装置へ前記キャリアを移動させる第1の処理手段と、前記キャリアが前記第2の検出手段で検出された自動取引装置に移動したとき、この自動取引装置の現金収納庫から前記キャリアへ所定量の現金の回収動作を行わせる第2の処理手段と、
前記キャリアへの現金の回収動作が終了したとき、予め指定された1台の自動取引装置へ前記キャリアを移動させる第3の処理手段と、前記キャリアが前記予め指定された1台の自動取引装置に移動したとき、この自動取引装置の現金収納庫に前記キャリアから所定量の現金の補充動作を行わせる第4の処理手段と、を具備したことを特徴としている。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施例について図面を参照して説明する。
【0014】
図1は、本実施形態に係る現金処理システムの全体の構成を概略的に示したものである。この現金処理システムは、所定の通信ネットワークNに接続された、運用管理装置1、複数、例えば、4台の自動取引装置(以下ATMと呼ぶ)10a、10b、10c、10d、モニタ2と、通信ネットワークNとモニタ2を介して運用管理装置1と通信可能なように接続されたキャリアステーション3と、これらATM10a〜10d間を自動走行しながら各ATM10a〜10dに対し取引媒体として、例えば、紙幣の補充および回収を行う現金受渡し装置(以下、キャリアと呼ぶ)4から構成されている。
【0015】
運用管理装置1は、通信ネットワークNを介して各ATM10a〜10dから送信される運用状態のモニタリング、係員の支援、および本発明に係る現金融通管理処理を実行し、各ATM10a〜10d、キャリア4に対し各種制御指示を行うものである。運用管理装置1には、例えば、汎用のパーソナルコンピュータを用いてもよい。
【0016】
モニタ2は、通信ネットワークNを介して運用管理装置1と通信を行うことにより、キャリア4や各ATM10a〜10dの運用状態を表示したり、例えば、キーボードを介してキャリア4に対しマニュアルで操作指示入力を行うものである。モニタ2は例えば、ノート型パソコンを用いてもよい。
【0017】
キャリアステーション3は、モニタ2を介して運用管理装置1に接続されていて、キャリア4のバッテリへの充電のためのステーションである。待機中のキャリア4は常に、このキャリアステーション3の給電ソケットに接続されて、充電されるようになっている。また、運用管理装置1、モニタ2からキャリア4への制御指示は、通常、キャリアステーション3で電波に変換され、無線にてキャリア4に転送されるようになっている。
【0018】
キャリア4は、ATMと紙幣の受け渡しを行うための装填カセットを着脱可能に備え、ATM10a〜10d間を運用管理装置1からの動作指示をキャリアステーション3のアンテナ38を介して、アンテナ30で無線にて受信すると、その動作指示に従って自動走行しながら紙幣の補充および回収といった紙幣の融通を行うものである。なお、キャリア4には常時1個の装填カセットを保持するようになっている。
【0019】
ATM10a〜10dは、金融機関等においては、顧客に対して現金の支払、振込等の現金取引処理を自動的に行うもので、例えば、顧客との取引を行った結果、資金量に変動が生じて、その運用状態が変化したときに、通信ネットワークNを介して運用管理装置1に送信するようになっている。また、各ATM10a〜10dの背面には、キャリア4に具備された装填カセットを着脱する度に、自動的に開閉する子扉が具備されている。
【0020】
図2は、図1に示した現金処理システムをさらに具体的に示したもので、実際に金融機関のキャッシュコーナー等に設置される現金処理システムを構成するもののうち、主に、ATM10a〜10d、キャリア4、キャリアステーション3の構成例および設置例について説明するためのものである。
【0021】
図2において、ATM10a〜10dは、その後面が平行に揃った状態で、金融機関の床面25上に並んで設置されている。4台のATM10a〜10dは、それぞれ通信制御部を介して通信ネットワークNに接続されている。また、通信ネットワークNには、各ATM10a〜10dを監視する運用管理装置1が接続されている。そして、この運用管理装置1には、各ATM10a〜10dからATMの動作状態、例えば障害発生状況や、取扱媒体として、紙幣や硬貨の残量等が通信ネットワークNを介して随時報告される。
【0022】
図3に示すように、ATM10aは、ほぼ矩形箱状の本体14を備え、本体の前面には、利用者に対面する略L字形状の接客パネル15が設けられている。接客パネル15には、タッチパネルを兼ねた表示部16、扉17によって開閉される紙幣入出金口18、硬貨入出金口19、カード挿入口20、通帳挿入口21等が設けられている。
【0023】
図2の説明にもどり、本体14内には、利用者に対して紙幣を入出金するための紙幣入出金ユニット22、図示しない硬貨入出金ユニット等が配設されている。これらの紙幣入出金ユニット22および硬貨入出金ユニットはこの発明における現金収納部を構成している。また、本体14の後面には、紙幣入出金ユニット22のカセット装填部23に対向した搬入口24が形成され、この搬入口24は、例えば、上下に開く子扉26によって開閉される。
【0024】
なお、他のATM10b、10c、10dも上述のATM10aと同様に構成されている。
【0025】
一方、図1および図2に示すように、キャリア4は、通信ネットワークNに接続されたキャリアステーション3からの無線による指令に従い、例えば、床面25上のATM10a〜10dの後面に沿って設置された2本のレールR上を走行移動できるように設けられている。
【0026】
図2に示したキャリアステーション3は、前述のモニタ2の有する機能を兼ね備え、通信ネットワークNを介して運用管理装置1との間で情報および指令の連絡を行うようになっている。運用管理装置1から通信ネットワークNを介し入力された指令信号は、コンバータによって無線信号に変換され、更に、無線モデム、アンテナ30を介してキャリア4へ送信される。また、待機中のキャリア4は常に、このキャリアステーション3の給電ソケット27に接続されて、充電されるようになっている
キャリア4には、右2つの駆動輪31が設けられ2本のレールR上を自走可能となっている。また、キャリア4は、常に1個の装填カセット25を保持し、この装填カセット25は、着脱可能なように支持されている。この装填カセット25は、その内部に多数の紙幣が積層状態で収納されるようになっていて、キャリアステーション3からの指令に従って所定のATMと対向する位置まで自走してATM本体14の後面に設けられた搬入口24を介して、ATMのカセット装填部23と装填カセット25との間で紙幣の受渡しを行うようになっている。
【0027】
図4は、ATM10a〜10dの内部構成を概略的に示すもので、カードリーダ部50、伝票処理ユニット51、通帳プリント部52、入出金ユニット53、硬貨入出金ユニット54、接客ユニット55、音声案内ユニット56、内部モニタ57、RAM等で構成される記憶部58、通信制御部59、フロッピーディスク装置60、現金融通管理部61、主制御部62、電源部63によって構成される。
【0028】
カードリーダ部50は、カード挿入口20から挿入された、例えば、磁気カードを受け入れて、その磁気カードの磁気ストライプに対してデータの読取りあるいは書込みを行うものである。
【0029】
伝票処理ユニット51は、主に、利用者に対する出金取引の際の伝票(レシート)を印刷して、例えば、カード挿入口20を兼ねた伝票発行口への伝票発行を行うようになっている。
【0030】
通帳プリント部52は、通帳挿入口21から挿入された通帳を受入れて、その磁気ストライプに対する磁気情報の読取りおよび記録を行うとともに、取引内容の印字を行うものである。
【0031】
紙幣入出金ユニット22は、紙幣入出金口18に投入された紙幣を判別・計数して収納するとともに、必要に応じて、あらかじめ収納された紙幣を所定枚数だけ取り出して紙幣入出金口18から一括して払い出すようになっている。また、取り忘れた紙幣の入金返却、取り忘れ回収、装填および精査機能を備えている。さらに、キャリア4との間で紙幣の補充、回収を行う際に、紙幣の枚数を計数するためのカウンタ22aを具備している。
【0032】
硬貨入出金ユニット54は、硬貨入出金口19に一括して投入された硬貨を判別・計数して収納するとともに、必要に応じて、あらかじめ収納された硬貨を所定枚数だけ取り出して、硬貨入出金口19から一括して払い出すようになっている。
【0033】
接客ユニット55は、タッチパネルを兼ねたCRT表示部16などから構成されている。音声案内ユニット56は、音声により利用者の操作を誘導する案内を行うものである。
【0034】
内部モニタ57は、ATMの運用に係る係員に、運用状態を通知するとともに、係員による操作指示の入力を行うためのものである。
【0035】
記憶部58は、各種データの記憶に用いられる。
【0036】
通信制御部59は、通信ネットワークNを介して、運用管理装置1との間でデータの送受信を行う際の通信制御を司るものである。
【0037】
フロッピーディスク装置60は、ATMの運用に係る処理手順のプログラムを格納するとともに、取引に供する各種の情報や取引の記録、本装置の運用状態の記録、本装置固有に設定された特殊な情報の格納などを行う。
【0038】
現金融通管理部61は、本装置の運用状態を管理するもので、ここで管理されている各種情報をもとに、主制御部62の制御に従って、通信制御部59、通信ネットワークNを介して運用管理装置1に対しATMの運用状態を通知されたり、運用管理装置1から通信ネットワークN、通信制御部59を介して受信した制御指示に対応した所定の処理を行うようになっている。また、現金融通管理処理動作の実施記録を記憶して、具備するジャーナルプリンタにて印刷するようにしてもよい。
【0039】
主制御部63は、フロッピーディスク装置32あるいは記憶部58に記憶されたプログラム情報を参照しつつ、各ユニット50〜56、内部モニタ57、記憶部62、現金融通管理部61、および、通信制御部59を制御して、所定の取引処理動作、現金融通管理処理動作を行わしめるようになっている。すなわち、運用管理装置1から通信ネットワークN、通信制御部59を介して、現金融通管理処理に関する所定の指示を受けると、紙幣入出金ユニット22からキャリア4への紙幣回収、および、キャリア4から紙幣入出金ユニット22への紙幣補充を実行するための制御を行ったり、また、運用管理装置1からの指示を受けてキャリア4の状態を運用管理装置1に対し通知するようになっている。
【0040】
図5は、キャリア4の電気的要部(制御系)の構成を概略的に示している。つまり、キャリア4は、マイクロコンピュータを主体とする制御手段としての制御部100を備え、この制御部100はROM101に格納された制御プログラムに従って、各部の動作を制御する。制御部100には、距離センサ102からの信号に基づいてATMに対するキャリア34の距離、傾き(平行度)を測定する距離測定回路103、距離測定回路103による測定結果に応じて駆動輪31を駆動するモータ104の回転を制御するサーボ回路105、キャリアステーション3の給電ソケット27に接続されて充電可能な蓄電池方式のバッテリ106が接続されている。
【0041】
また、制御部100には、装填カセット25とATMの搬入口24の位置の微調整を行うためのモータ107およびそれを駆動するドライバー108、発光部109、センサ110、キャリア4の停止位置等を記憶するメモリ111が接続されている。
【0042】
また、制御部100には、アンテナ30で受信した電波をデジタル信号に変換し、また、入力されたデジタル信号を電波に変換するモデム111が接続されている。
【0043】
さらに、制御部100には、装填カセット25をATMのカセット装填部23に着脱するための装填カセット着脱駆動部112が接続されている。
【0044】
このように構成されたキャリア4は、通常は、キャリアステーション3の近傍の基準位置に待機しており、給電ソケット27に接続されて、バッテリ106が充電されるようになっている。この状態において、運用管理装置1から、例えば、ATM10aへの移動指示をアンテナ30を介して無線にて受信すると、モデム111を介して制御部100に入力され、これに応じて制御部100はモータ104によって駆動輪31を回転させ、キャリア4をATM10aに向かって走行させる。
【0045】
このとき、距離センサ102、距離測定回路103でATM10aとキャリア4との距離を監視しながら、所定の所定の停止位置に達するように制御される。そして、制御部100は、距離センサ102からの検出信号に基づいてATM10aの後面に対するキャリア4の傾き、つまり、平行度を測定し、傾いている場合には、いずれかの駆動輪31を駆動して傾きを補正する。以上の動作により、キャリア4は、キャリア4に保持されている装填カセット25がATM10aの搬入口24とほぼ対向する位置へ移動および位置決めされる。
【0046】
この状態で、発光部109からATM10aに対し子扉26を開放するよう指示するための信号(開放信号)が出力され、ATM10aは、それを受けて子扉26を開け搬入口24を開放する。
【0047】
次に、制御部100は、センサ110からの検出信号によって、装填カセット25の開口部と、ATM10aの搬入口24との間の位置ずれを測定し、ずれている場合にはモータ107を駆動して、所定の微調整機構によって位置ずれを精密に補正する。従って、装填カセット25は、搬入口24および紙幣入出金ユニット22のカセット装填部23に対して正確に位置決めされる。
【0048】
この微調整が終了した後、制御部100の制御のもと、装填カセット着脱駆動部112を駆動して装填カセット25をATM10aの挿入口24を介して、カセット装填部23に装填する。
【0049】
装填作業が終了すると、制御部100により終了信号がモデム111およびアンテナ30を介してキャリアステーション3に送信され、更に、通信ネットワークNを介して運用管理装置1へ送信される。これを受けた運用管理装置1は、ATM10aに対して装填カセット25の装填終了を通信ネットワークNを介して通知し、さらにATM10aの紙幣入出金ユニット22に対し、例えば、所定枚数の紙幣を回収する旨の指示を行う。
【0050】
これに応じて、紙幣入出金ユニット22はその内部に収容している紙幣を1枚ずつ計数しながら排出して、指定枚数分の紙幣を装填カセット25内に回収する。
【0051】
回収動作が終了すると、ATM10aら通信ネットワークNを介して運用管理装置1に終了通知がなされ、この通知を受けた運用管理装置1は通信ネットワークNおよびキャリアステーション3を介して終了信号をキャリア4へ送信する。これに応じて、キャリア4の制御部100は、装填カセット着脱制御部112を駆動して装填カセット25をATM10aのカセット装填部23からキャリア4内へ収容する。
【0052】
続いて、制御部100は運用管理装置1からATM10cへの移動指示をアンテナ30を介して受信すると、上記と同様の動作によりキャリア4をATM10cに対する停止位置まで移動させ、ATM10cに対して位置決めおよび微調整を行い、装填カセット25をATM10cの紙幣入出金ユニット22のカセット装填部23に装填する。そして、装填カセット25内の紙幣をATM10cの紙幣入出金ユニット22に1枚ずつ搬送して所定枚数補充した後、運用管理装置1の指示に従って、キャリア4は基準位置へ戻されるようになっている。
【0053】
なお、装填カセット25内に保持され紙幣は所定の鍵付きの扉で保護される構成であることがセキュリティ上望ましい。
【0054】
また、ATMとキャリア4間での紙幣の受渡し中は、セキュリティ上、上記実施形態のように、装填カセット25をATMのカセット装填部23に装填するといった手段により、メカ的にATMとキャリア4が連結され、しかも、紙幣の受渡し稼働部はカバーされていることが望ましい。
【0055】
また、キャリア4には、さらに、キャリア4の進行方向の障害物を確実に検出でき、障害物を検出したときには、速やかにキャリア4の走行を停止する手段を具備していてもよい。例えば、キャリア4の前後部にそれぞれバンパを取り付け、更に、バンパの裏側には圧力センサを取り付けて、走行中に異物や人体に接触して圧力が作用すると、この圧力センサが反応し、これに応じて制御部100によりモータ104が停止され、キャリア4の走行が停止されるようにしてもよい。
【0056】
また、キャリア4の前面部および後面部にそれぞれ障害物を検出するためのセンサを設け、このセンサにより、走行中に障害物が検出されたとき前述同様にキャリア4の走行を停止するようにしてもよい。
【0057】
さらに、本実施形態では、駆動輪31は、あらかじめ敷設されたレール上を走行するようになっているが、この場合に限らず、例えば、テープ等の簡に施工できるものであって、直線上に配置されていないATMへのアクセスも可能なものであってもよい。
【0058】
次に、運用管理装置1の機能について説明する。本発明の現金融通管理処理を実行するためには、運用管理装置1は、各ATMから通知された運用状態のモニタリングの他に、例えば、以下に示す機能を具備している。
【0059】
(1)キャリアの状態管理
キャリアの4の所在、状態、キャリア4に保持されている装填カセット
25内の紙幣属性等を常時管理し、画面に表示する。
【0060】
(2)現金融通管理処理の判断
常時管理しているATMの運用状態、すなわち、各ATMの紙幣入出金ユニット22内に収納されている紙幣の枚数等をもとに、現金の回収、補
充等を行うための所定の現金融通管理処理を決定する。
【0061】
(3)キャリアに対する動作指示
キャリア4に対し、ATMへの移動、装填カセット25の装着、抜き取
りを指示する。
【0062】
(4)ATMに対する動作指示
キャリア4によって装着された装着カセット25への紙幣回収、および
装填カセット25からの紙幣の補充を指示する。
【0063】
(5)現金融通管理処理を前提とした係員支援
係員に対し、画面に所定のメッセージを表示するなどして紙幣補充および紙幣回収を促す。このとき、適正な紙幣の枚数も画面に表示するなどし
て通知する。
【0064】
(6)現金融通管理処理動作の履歴情報の作成、表示、印刷
(7)上記各機能を実現するための初期設定処理
以上の機能は、ソフト制御にて実現できる。
【0065】
次に、現金融通管理処理の基本思想について説明する。すなわち、
(1)キャリア4はATM間の現金融通を行うものである。
【0066】
(2)キャリア4が保持する装填カセット25内は通常(現金の回収、補充等の動作以外)は空である。
【0067】
(3)キャリア4による現金の融通は常に1対1の対応とする。すなわち、例えば、ATM10aから紙幣を500枚回収して、ATM10b、ATM10cに250枚ずつ補充するという運用は実施しない。
【0068】
(4)キャリア4には、在高を持たない(キャリア4に属する紙幣は存在しない)。
【0069】
すなわち、融通のための回収中には回収元ATMの在高とし、融通のための回収完了後は融通先(補充先)ATMの在高とする。なお、キャリア4による補充、回収時に障害が発生した場合、回収中は全て回収元ATMの現金として元に戻す。回収完了後は全て融通先(補充先)ATMの現金として、係員により補充される。
【0070】
(5)各ATMに対する現金の補充、回収は、ATMの取引処理動作を停止することなく行う。
【0071】
次に、運用管理装置1における、各ATMの紙幣入出金ユニット22内の紙幣枚数の管理方法について、図6を参照して説明する。
【0072】
図6に示すように、紙幣入出金ユニット22では、金種別に、ATMが運用可能な下限枚数(エンド枚数)と運用可能な上限枚数(あふれ枚数)、紙幣の補充が必要であると判断される閾値(エンド判断枚数)、紙幣の回収が必要であると判断される閾値(あふれ判断枚数)、余剰であるか否かを判断する閾値(余剰判断枚数)にて、収納される紙幣枚数の管理をしている。例えば、ある時点で紙幣入出金ユニット22内に収納されている紙幣の枚数(現在在高)が、図6に示すように、余剰判断枚数と、あふれ判断枚数との間にあるとき、現在在高から余剰判断枚数を減算した値aが、他のATMへの融通が可能な枚数(余剰枚数)となり、また、あふれ判断枚数から現在在高を減算した値bが他のATMから受け入れ可能な枚数(空き枚数)となる。
【0073】
このように、運用管理装置1では、各ATMから通知される紙幣入出金ユニット22内に収納されている紙幣の枚数を管理することにより、適当な現金融通管理処理を決定するようになっている。なお、これらの値は、各ATM毎に個別に設定でき、そのATMの設定されている環境等に合わせて、後述のシステムの初期設定時に設定すればよい。
【0074】
次に、運用管理装置1における、管理対象となる、例えば、キャッシュコーナーに設置された全てのATMの紙幣入出金ユニット22内の紙幣枚数の管理方法について、図7を参照して説明する。
【0075】
図7に示すように、運用管理装置1では、各ATMから通知される紙幣入出金ユニット22内に収納されている紙幣の枚数をもとに、キャッシュコーナー全体として運用可能な下限枚数と上限枚数、紙幣の補充時の最大枚数、紙幣回収時の最小枚数、さらに、紙幣の補充が必要であると判断するための枚数(補充条件)、紙幣の回収が必要であると判断するための枚数(回収条件)にて、キャッシュコーナー全体で運用される紙幣の枚数を金種別に管理している。
【0076】
このように、運用管理装置1では、キャッシュコーナー全体で運用される紙幣の枚数を管理することにより、例えば、係員補助・回収処理(後述)の際に、係員がどのATMに何枚補充(回収)するかを決定することが容易となる。
【0077】
現金融通管理処理は、例えば、エンド回避処理、あふれ回避処理、平準化処理、片寄せ処理、回収補助処理がある。次に、これら現金融通管理処理の概要について図8〜図11を参照して説明する。
【0078】
エンド回避処理は、図8に示すように、エンド判断枚数以下のATM(不足ATM)が検出されたとき、余剰判断枚数以上のATMがあることを確認し、そのうち、余剰枚数の最も多いATM(余剰ATM)を選択し、余剰ATMから不足ATMへの現金融通を行うもので、紙幣不足気味のATMがあれば余剰気味のATMから紙幣を回収して補充するようになっている。
【0079】
あふれ回避処理は、図9に示すように、あふれ判断枚数以上のATM(あふれATM)が検出されると、空き枚数が最も最も多いATM(空きATM)を選択し、あふれATMから空きATMへの現金融通を行うもので、紙幣があふれそうなATMがあれば紙幣を回収し、少な目のATMに補充するようになっている。
【0080】
平準化処理は、図10に示すように、余剰枚数が最も多いATMと余剰枚数が最も小さいATMの余剰枚数との差が所定値より大きいとき、余剰枚数が最も多いATMから余剰枚数が最も少ないATMに現金融通を行うもので、例えば、平日のある時刻まで(無人運用が開始される前)にキャッシュコーナーの各ATMの在高を平準化し、無人運用時間帯の障害に備えるための処理である。なお、この処理は、係員が容易に対応できる時間帯、例えば、金融機関の営業時間帯のみに実行するようにする。
【0081】
片寄せ処理は、図11に示すように、例えば、紙幣がエンド枚数に達したため休止したATM、あるいは、障害のため休止したATM(休止ATM)が検出されたとき、エンド判断枚数以下のATM(不足ATM)があれば、休止ATMから不足ATMへ休止ATMに収納されている全ての現金を融通するもので、休日等、無人運用時間帯に紙幣エンド、あるいは、紙幣入出金ユニット22等の紙幣取扱部以外の障害等で休止したATMがあり、かつ、紙幣が不足気味のATMが存在するとき、この処理を行うようになっている。
【0082】
回収補助処理は、平日のある時刻までにキャッシュコーナー全体として余剰と判断される紙幣を1台の指定されたATMに集めて、係員の作業を補助するための処理である。例えば、図7に示したように、キャッシュコーナー全体で運用されている紙幣の枚数が運用範囲の上限を越えているときに、あらかじめ設定された1台のATM(優先号機)に紙幣を集めるようにする。この回収補助処理を行うことにより、係員は紙幣が集められた1台のATM(優先号機)から紙幣を回収するだけでよいので、余剰と判断された紙幣の回収が容易に行える。
【0083】
なお、以上のような現金融通管理処理において、紙幣の枚数を判断するときは、金種別に行うようになっている。
【0084】
また、以上のような現金融通管理処理では、各ATM間で融通される紙幣の枚数(融通枚数)は、例えば、次のように設定される。
【0085】
例えば、システムの初期設定時に設定される1回の融通の基本枚数をA、融通枚数の基本単位をCとする。
【0086】
エンド回避処理の場合の融通枚数は、基本枚数A、または、基本枚数Aと余剰枚数の適当な位の数値を四捨五入したもののうち小さい方の値とする。具体的には、例えば、基本枚数Aと|(余剰枚数/C)+0.5|×Cの小さい方の値とする。
【0087】
あふれ回避処理の場合の融通枚数は、基本枚数A、または、基本枚数Aと空き枚数の1/2の値の適当な位の数値を四捨五入したもののうち、小さい方の値とする。具体的には、例えば、基本枚数Aと|(余剰枚数/2/C)+0.5|×Cの小さい方の値とする。
【0088】
平準化処理の場合の融通枚数は、余剰枚数が最も多いATMと余剰枚数が最も小さいATMについて、その余剰枚数の差の1/2の値、あるいは、余剰枚数の差の1/2の値の適当な位の数値を四捨五入した値とする。具体的には、例えば、|(余剰枚数の差/2/C)+0.5|×Cとする。
【0089】
回収補助処理の場合の融通枚数は、例えば、基本枚数Aとする。
【0090】
なお、このような融通枚数の設定は、システムの初期設定時に、その環境条件に合わせてユーザが適当なものを選択して設定することができる。
【0091】
次に、本実施形態における現金処理システムにおける現金融通管理処理の動作について、図12〜図17に示すフローチャートを参照して説明する。
【0092】
まず、図12のステップS1に進み、システムの電源をオンとしてから運用管理装置1からシステムの初期設定を行う。すなわち、キャリア4の走行速度、基準位置等の基本動作の設定、融通枚数の設定、所望の現金融通管理処理の選択、現金融通管理処理の閾値等の各種条件の設定、現金融通管理を自動的に行うための現金融通管理モードの設定等を行う。また、平準化処理を選択する場合には、その処理を実行する時間帯の設定を行う必要がある。
【0093】
現金融通管理モードがオンとなると、ステップS2に進み、システムチェックを行う。すなわち、運用管理装置1から通信ネットワークNを介して各ATMに対し、各ATMに装填カセット25が装填されているか否かのチェックを行う。ATMに装填カセット25が装填されたままであったとき、運用管理装置1にて、その旨の表示を行い、装填カセット25を抜くか、または、その装填カセット25が装填されたままのATMを除いて運用をするかの確認を促す表示を行う。また、運用管理装置1から通信ネットワークN、キャリアステーション3を介して、キャリア4がキャリアステーション3に接続されて所定の位置にあるか否かをチェックし、さらに、装填カセット25がセットされているか否かのチェックを行う。キャリア4に装填カセット25がない場合は、装填カセット25をキャリア4にセットするように係員に促すための指示を運用管理装置1にて表示する。さらに、キャリア4内に残留している紙幣があるか否かもチェックする。キャリア4内に紙幣が残留している場合は、取り除くように係員に促すための指示を運用管理装置1にて表示する。なお、ステップS1のシステムの初期設定は、1回設定されると、その後、電源をオン/オフしても前の状態を記憶し処理を実行するようになっている。
【0094】
システムチェックが終了した後、通常の処理動作が開始される。すなわち、ステップS3に進み、運用管理装置1には、通信ネットワークNを介して送信送信されてきた各ATM10a〜10dの運用状態や、キャリア4の状態等が表示される。さらに、運用管理装置1は、現金融通管理を行うために、前述したように、各ATM10a〜10dから送信されてきたATMの運用状態、すなわち、各ATMの紙幣入出金ユニット22内に収納されている紙幣の枚数等を監視して、ステップS1の初期設定時に選択された現金融通管理処理を実行する。
【0095】
次に、図13について説明する。
【0096】
エンド回避処理の場合は、各ATM10a〜10dにおける紙幣枚数を監視して、エンド判断枚数以下のATM(不足ATM)が検出されたとき(ステップS4)、余剰判断枚数以上の紙幣を保持するATMのうち、余剰枚数が最も多いATM(余剰ATM)を選択する(ステップS5)。すなわち、紙幣回収元のATM(余剰ATM)と、紙幣補充先のATM(不足ATM)を決定する。そして、融通枚数を決定する(ステップS6)。その後、ステップS30に進み、紙幣回収元のATMの識別情報、紙幣補充先のATMの識別情報、融通枚数等をもとに現金の回収/補充処理を行う。
【0097】
あふれ回避処理の場合は、各ATM10a〜10dにおける紙幣枚数を監視して、あふれ判断枚数以上のATM(あふれATM)が検出されたとき(ステップS7)、空き枚数がもっと多いATM(空きATM)を選択する(ステップS8)。すなわち、紙幣回収元のATM(あふれATM)と、紙幣補充先のATM(空きATM)を決定する。そして、融通枚数を決定する(ステップS9)。その後、ステップS30に進み、紙幣回収元のATMの識別情報、紙幣補充先のATMの識別情報、融通枚数等をもとに現金の回収/補充処理を行う。
【0098】
平準化処理の場合は、各ATM10a〜10dにおける紙幣枚数を監視して、余剰枚数が最も多いATMと余剰枚数が最も小さいATMの余剰枚数との差が所定値(ステップS1であらかじめ設定されてた値)Bより大きいとき(ステップS10)、余剰枚数の最も多いATMを紙幣回収元、余剰枚数の最も少ないATMを紙幣補充先と決定する(ステップS11)。そして、融通枚数を決定する(ステップS12)。その後、ステップS30に進み、紙幣回収元のATMの識別情報、紙幣補充先のATMの識別情報、融通枚数等をもとに現金の回収/補充処理を行う。
【0099】
次に、図14について説明する。
【0100】
第1の片寄せ処理の場合は、各ATM10a〜10dにおける紙幣枚数を監視して、紙幣がエンド枚数に達したため休止したATM(休止ATM)が検出されたとき(ステップS13)、さらに、エンド判断枚数以下のATM(不足ATM)が検出されたとき(ステップS14)、休止ATMを紙幣回収元、不足ATMを紙幣補充先と決定する(ステップS15)。そして、融通枚数を決定する(ステップS16)。この場合、融通枚数は、休止ATMに収納されている全ての紙幣の枚数である。その後、ステップS30に進み、紙幣回収元のATMの識別情報、紙幣補充先のATMの識別情報、融通枚数等をもとに現金の回収/補充処理を行う。
【0101】
第2の片寄せ処理の場合は、各ATM10a〜10dにおける紙幣枚数を監視して、例えば、紙幣入出金ユニット22等の障害により休止したATM(休止ATM)が検出されたとき(ステップS17)、さらに、エンド判断枚数以下のATM(不足ATM)が検出されたとき(ステップS18)、休止ATMを紙幣回収元、不足ATMを紙幣補充先と決定する(ステップS19)。そして、融通枚数を決定する(ステップS20)。この場合、融通枚数は、休止ATMに収納されている全ての紙幣の枚数である。その後、ステップS30に進み、紙幣回収元のATMの識別情報、紙幣補充先のATMの識別情報、融通枚数等をもとに現金の回収/補充処理を行う。
【0102】
回収補助処理の場合は、各ATM10a〜10dにおける紙幣枚数を監視して、
キャッシュコーナーのATM全体の在高が図7に示した運用範囲の上限枚数を越えたことが検出されたとき(ステップS21)、その旨を例えば、運用管理装置1の画面に表示し、さらに、紙幣の余剰枚数の最も多いATMを選択する(ステップS22)。すなわち、余剰枚数の最も多いATMを紙幣回収元と決定し、図12のステップS1で設定された優先号機を紙幣補充先と決定する。そして、融通枚数を決定する(ステップS23)。その後、ステップS30に進み、紙幣回収元のATMの識別情報、紙幣補充先のATMの識別情報、融通枚数等をもとに現金の回収/補充処理を行う。
【0103】
次に、図15に示すフローチャートを参照して、図13のステップS30の回収/補充処理動作の具体例について説明する。
【0104】
まず、ステップS51に進み、運用管理装置1は、通信ネットワークN、キャリアステーション3を介してキャリア4に紙幣の回収指示を行う。その際、紙幣回収元のATMの識別情報等を通知する。キャリア4は、運用管理装置1からの指示を受けて、紙幣回収元ATMまで移動し(ステップS52)、装填カセット25を紙幣回収元ATMの所定の位置に装填する(ステップS53)。キャリア4は、装填カセット25の装填が終了すると、運用管理装置1に対し、キャリアステーション3、通信ネットワークNを介して装填が終了した旨を通知し(ステップS54)、運用管理装置1から新たに指示が送信されるまで待機状態になる(ステップS55)。
【0105】
次に、運用管理装置1は、通信ネットワークNを介して紙幣回収元ATMに対し、回収動作の開始指示を送信する(ステップS56)。その際、回収する枚数(融通枚数)等を通知する。
【0106】
運用管理装置1から回収動作開始指示を受けた紙幣回収元ATMでは、顧客に対する取引処理中であるなら(ステップS57)、その取引処理が終了するまで回収動作待ちとなる(ステップS58)。取引処理が終了したら(ステップS57)、図16のステップS59に進み、回収動作を開始する。すなわち、紙幣回収元ATMでは、紙幣入出金ユニット22に具備されているカウンタ22aで、紙幣を1枚ずつ計数しながら、運用管理装置1から通知された融通枚数分の紙幣を装填カセット25に搬送する。なお、この回収動作中には、ATMの表示部16には、メッセージ付きの顧客待ち画面を表示しており、顧客に対しては「取扱中」のままである。また、回収動作中に発生したリジェクト券は、例えば、紙幣回収元ATMの具備されたリジェクト庫に収納される。
【0107】
紙幣の回収動作中に取引処理が開始されると(ステップS60)、回収動作は中断され(ステップS61)、顧客操作が優先される。なお、顧客による取引処理の開始は、ATM本体14の表示部16の所定のタッチセンサキー押下により容易に検知できる。そして、取引処理が終了したら(ステップS62)、回収動作を続行する。
【0108】
顧客に対する取引処理が続き、回収動作に入れない状態において(ステップS61)、出金取引が続いて、紙幣回収元ATMの紙幣枚数がエンド枚数に達したときは(ステップS63)、回収動作を中止する。すなわち、それまでに装填カセット25に回収された全ての紙幣を再び、その紙幣入出金ユニット22に戻し(ステップS64)、回収動作を中止した旨を紙幣回収元ATMから運用管理装置1に通知する(ステップS65)。この通知を受けて運用管理装置1はキャリア4に対しキャリアステーション3へ戻るよう指示を行い(ステップS66)、キャリア4は、その指示を受けてキャリアステーション3に移動し、運用管理装置1からの指示待ち状態、すなわち、待機状態となる(ステップS67)。
【0109】
回収動作が続行されて、運用管理装置1から通知された融通枚数分の紙幣が装填カセット25に回収されたとき(ステップS70)、紙幣回収元ATMから運用管理装置1に対し回収処理の終了が通知される(ステップS71)。その際、実際に装填カセット25に回収された紙幣枚数(カウンタ22aの計数値)等も通知される。運用管理装置1では、回収処理終了通知を受けて、在高の更新、すなわち、紙幣回収元ATMから通知された紙幣枚数をもともに、紙幣回収元ATMから紙幣補充先ATMへの在高の移動を行う(ステップS72)。その後、図17のステップS75に進む。
【0110】
紙幣の回収動作中にジャム(紙幣つまり)が発生した場合は(ステップS73)、ステップS64に進み、前述同様、回収動作を中止し、それまでに装填カセット25に回収された全ての紙幣を、紙幣入出金ユニット22に戻し、以下、ステップS65〜ステップS67の処理を実行する。
【0111】
紙幣の回収動作が正常に終了し、図16のステップS72までの処理を終了すると、次に、図17のステップS75に進む。
【0112】
ステップS75では、運用管理装置1からキャリア4に対し、紙幣の補充指示を行う。その際、紙幣補充先のATMの識別情報等を通知する。キャリア4は、運用管理装置1からの指示を受けて、紙幣補充先ATMまで移動し(ステップS76)、装填カセット25を紙幣補充先ATMの所定の位置に装填する(ステップS77)。キャリア4は、装填カセット25の装填が終了すると、運用管理装置1に対し、キャリアステーション3、通信ネットワークNを介して装填が終了した旨を通知し(ステップS78)、運用管理装置1から新たに指示が送信されるまで待機状態になる(ステップS79)。
【0113】
次に、運用管理装置1は、通信ネットワークNを介して紙幣補充先ATMに対し、補充動作の開始指示を送信する(ステップS80)。その際、補充する枚数(融通枚数)等を通知する。
【0114】
運用管理装置1から補充動作開始指示を受けた紙幣補充先ATMでは、顧客に対する取引処理中であるなら(ステップS81)、その取引処理が終了するまで回収動作待ちとなる(ステップS82)。取引処理が終了したら(ステップS81)、図18のステップS85に進み、補充動作を開始する。すなわち、紙幣補充先ATMでは、紙幣入出金ユニット22に具備されているカウンタ22aで、紙幣を1枚ずつ計数しながら、運用管理装置1から通知された融通枚数分の紙幣を装填カセット25から搬送する。なお、この補充動作中には、ATMの表示部16には、メッセージ付きの顧客待ち画面を表示しており、顧客に対しては「取扱中」のままである。また、補充動作中に発生したリジェクト券は、例えば、紙幣補充先ATMの具備されたリジェクト庫に収納される。
【0115】
紙幣の補充動作中に取引処理が開始されると(ステップS86)、補充動作は中断され(ステップS87)、顧客操作が優先される。なお、顧客による取引処理の開始は、ATM本体14の表示部16の所定のタッチセンサキー押下により容易に検知できる。そして、取引処理が終了したら(ステップS88)、補充動作を続行する。
【0116】
顧客に対する取引処理が続き、補充動作に入れない状態において(ステップS87)、入金取引が続いて、紙幣補充先ATMの紙幣枚数があふれ判断枚数(ニアフル)に達したときは(ステップS89)、強制的にその入金取引を中断して、紙幣補充先ATMを「取扱中止」にする(ステップS90)。そして、装填カセット25に残っている紙幣を全て紙幣補充先ATMの紙幣入出金ユニット22に補充し(ステップS91)、補充動作を終了した旨を紙幣補充先ATMから運用管理装置1に通知する(ステップS92)。なお、在高の更新(紙幣回収元ATMから紙幣補充先ATMへの在高の移動)は、既に、紙幣回収完了時に行われていて、ここでは、在高の更新は行う必要はない。また、在高更新に伴い、紙幣補充先ATMに補充されている紙幣の属性は、紙幣補充先ATMとなっている。一方、補充動作終了通知を受けて、運用管理装置1は、キャリア4に対しキャリアステーション3へ戻るよう指示を行い(ステップS93)、キャリア4は、その指示を受けてキャリアステーション3に移動し、運用管理装置1からの指示待ち状態、すなわち、待機状態となる(ステップS94)。
【0117】
補充動作が続行されて、運用管理装置1から通知された融通枚数分の紙幣が全て装填カセット25から補充されたとき(ステップS95)、ステップS92に進み、前述同様、紙幣補充先ATMから運用管理装置1に対し補充動作の終了が通知され、以下、ステップS92〜ステップS94の処理を実行する。
【0118】
紙幣の補充動作中にジャム(紙幣つまり)が発生した場合(ステップS96)、
装填カセット25内の紙幣はの属性は、既に、紙幣補充先ATMであるので、ステップS91に進み、装填カセット25内に残っている全ての紙幣を、紙幣補充先ATMの紙幣入出金ユニット22に入れ、以下、ステップS92〜ステップS94の処理を実行する。
【0119】
以上説明したような紙幣の回収/補充処理動作(図13のステップS30)が終了すると、図12のステップS3に戻り、各ATMについて紙幣の枚数等の運用状態の監視等を行う。
【0120】
さて、現金処理システムの1日の運用終了時には、まず、キャリア4がキャリアステーション3に接続されて所定の位置にあることを確認してから電源をオフするようにする(図12のステップS31)。なお、次に立ち上げるときは、前述したように、電源をオンするだけでシステムは起動するようになっている。 また、運用管理装置1において、各ATMの運用状態を監視して、キャッシュコーナ全体の在高が補充条件(図7参照)に達したときには、例えば、運用管理装置1にて、「係員補充・回収」の画面を表示して、係員に紙幣の補充を促すようになっている。その際、係員は、運用管理装置1からの指示に従って、何台かのATMに対して、装填カセット25を用いて紙幣の補充を行い、補充終了後は、必ず装填カセット25を抜き取るようにする。また、運用管理装置1にて、係員により、例えば、「係員補充・回収」キーが押下されたときには、その時点での必要な資金量を表示し、係員により紙幣の補充を行うようにしてもよい。
【0121】
また、運用管理装置1において、各ATMの運用状態を監視して、キャッシュコーナ全体の在高が回収条件(図7参照)に達したときには、例えば、運用管理装置1にて、「係員補充・回収」の画面を表示して、係員に紙幣の回収を促すようになっている。その際、係員は、運用管理装置1からの指示に従って、何台かのATMに対して、装填カセット25を用いて紙幣の回収を行い、回収終了後は、必ず装填カセット25を抜き取るようにする。また、運用管理装置1にて、係員により、例えば、「係員補充・回収」キーが押下されたときには、その時点での回収できる資金量を表示し、係員により紙幣の回収を行うようにしてもよい。
【0122】
また、運用管理装置1にて、例えば、係員により、「ATM操作」の中の「自動精査」キーが選択されると、各ATMの在高を計数するようにしてもよい。精査指示の方法は、以下の2通りがある。
【0123】
(1)現金融通管理モードがオフのとき、自動精査指示が選択されると、運用管理装置1により、装填カセット25を各ATMへセットするよう指示される。このとき、既に、装填カセット25がセットされている場合は、その旨が表示される。装填カセット25をセットすると、一斉に精査指示が出せる。なお、指定したATMに対してのみも指示が可能である。
【0124】
(2)現金融通管理モードがオンのとき、自動精査指示が選択されると、運用管理装置1の指示に従って、キャリア4により1台づつ装填カセット25を抜き差しし、自動精査処理を行う。このとき、システムの初期設定時に設定された優先順位に従って行われる。なお、指定したATMに対してのみも指定可能である。
【0125】
さらに、係員により、ATMの後面に設けられた所定の扉が開けられると、ATMは休止となり、運用管理装置1に対し、その旨の情報をあげ、そのATMについて、現金融通管理モードがオフと運用管理装置1は認識するようにしてもよい。このとき、キャリア4は、補充・回収動作時は、処理を続行し、移動時は緊急停止し、前記扉が閉められた時点で再度動くようする。
【0126】
次に、本実施形態の現金処理システムの運用時に障害が発生したときの処理動作の具体例について、図19を参照して説明する。
【0127】
キャリア4が待機中の場合において、キャリア4に障害が発生したときは、現金融通管理モードをオフとし(P1)、運用管理装置1に障害状況のメッセージを表示する(P2)。ATM自身の障害で、その障害箇所が紙幣部(例えば、紙幣入出金ユニット22)のときは、運用管理装置1に障害状況のメッセージを表示し(P2)、障害が検知されたATMを切り離して運用する(P7)。また、ATM自身の障害で、その障害箇所が紙幣部以外のときは、運用管理装置1に障害状況のメッセージを表示する(P2)。
【0128】
キャリア4が紙幣回収元ATMへの移動中の場合において、キャリア4に障害が発生したときは、現金融通管理モードをオフとし(P1)、運用管理装置1に障害状況のメッセージを表示し(P2)、キャリア4をキャリアステーション3に戻す(P3)。ATM自身の障害で、その障害箇所が紙幣部のときは、運用管理装置1に障害状況のメッセージを表示し(P2)、キャリア4を紙幣が回収できるその他のATMへ移動し(P8)、障害が検知されたATMを切り離して運用する(P7)。なお、このとき、紙幣が回収できるその他のATMがないときは(P9)、キャリア4をキャリアステーション3に戻し(P3)、障害が検知されたATMを切り離して運用する(P7)。また、ATM自身の障害で、その障害箇所が紙幣部以外のときは、運用管理装置1に障害状況のメッセージを表示する(P2)。
【0129】
キャリア4が紙幣回収元ATMに対する装填カセット25の装填中の場合において、キャリア4に障害が発生したときは、現金融通管理モードをオフとし(P1)、運用管理装置1に障害状況のメッセージを表示し(P2)、装填カセット25をキャリア4に取り込み(P4)、キャリア4をキャリアステーション3に戻す(P3)。ATM自身の障害で、その障害箇所が紙幣部のときは、運用管理装置1に障害状況のメッセージを表示し(P2)、装填カセット25をキャリア4に取り込み(P4)、キャリア4をキャリアステーション3に戻し(P3)、障害が検知されたATMを切り離して運用する(P7)。また、ATM自身の障害で、その障害箇所が紙幣部以外のときは、運用管理装置1に障害状況のメッセージを表示する(P2)。
【0130】
キャリア4が紙幣回収中の待機状態の場合において、キャリア4に障害が発生したときは、現金融通管理モードをオフとし(P1)、運用管理装置1に障害状況のメッセージを表示し(P2)、係員がキャリア4内の紙幣を紙幣回収元ATMに戻すと(P5)、装填カセット25をキャリア4に取り込み(P4)、キャリア4をキャリアステーション3に戻す(P3)。ATM自身の障害で、その障害箇所が紙幣部のときは、運用管理装置1に障害状況のメッセージを表示し(P2)、係員がキャリア4内の紙幣を紙幣回収元ATMに戻すと(P5)、キャリア4をキャリアステーション3に戻し(P3)、障害が検知されたATMを切り離して運用する(P7)。また、ATM自身の障害で、その障害箇所が紙幣部以外のときは、運用管理装置1に障害状況のメッセージを表示する(P2)。
【0131】
キャリア4が紙幣回収元ATMに対する装填カセット25の抜き取り中の場合において、キャリア4に障害が発生したときは、現金融通管理モードをオフとし(P1)、運用管理装置1に障害状況のメッセージを表示し(P2)、装填カセット25をキャリア4に取り込み(P4)、キャリア4をキャリアステーション3に戻し(P3)、係員がキャリア4内の紙幣を紙幣補充先ATMに入れる(P6)。ATM自身の障害で、その障害箇所が紙幣部のときは、運用管理装置1に障害状況のメッセージを表示し(P2)、装填カセット25をキャリア4に取り込み(P4)、キャリア4をキャリアステーション3に戻し(P3)、障害が検知されたATMを切り離して運用し(P7)、係員がキャリア4内の紙幣を紙幣補充先ATMに入れる(P6)。また、ATM自身の障害で、その障害箇所が紙幣部以外のときは、運用管理装置1に障害状況のメッセージを表示する(P2)。
【0132】
キャリア4が紙幣補充先ATMへの移動中の場合において、キャリア4に障害が発生したときは、現金融通管理モードをオフとし(P1)、運用管理装置1に障害状況のメッセージを表示し(P2)、キャリア4をキャリアステーション3に戻し(P3)、係員がキャリア4内の紙幣を紙幣補充先ATMに入れる(P6)。ATM自身の障害で、その障害箇所が紙幣部のときは、運用管理装置1に障害状況のメッセージを表示し(P2)、キャリア4をキャリアステーション3に戻し(P3)、係員がキャリア4内の紙幣を紙幣補充先ATMに入れると(P6)、障害が検知されたATMを切り離して運用する(P7)。また、ATM自身の障害で、その障害箇所が紙幣部以外のときは、運用管理装置1に障害状況のメッセージを表示する(P2)。
【0133】
キャリア4が紙幣補充先ATMに対する装填カセット25の装填中の場合において、キャリア4に障害が発生したときは、現金融通管理モードをオフとし(P1)、運用管理装置1に障害状況のメッセージを表示し(P2)、装填カセット25をキャリア4内に取り込み(P4)、キャリア4をキャリアステーション3に戻し(P3)、係員がキャリア4内の紙幣を紙幣補充先ATMに入れる(P6)。ATM自身の障害で、その障害箇所が紙幣部のときは、運用管理装置1に障害状況のメッセージを表示し(P2)、装填カセット25をキャリア4内に取り込み(P4)、キャリア4をキャリアステーション3に戻し(P3)、係員がキャリア4内の紙幣を紙幣補充先ATMに入れると(P6)、障害が検知されたATMを切り離して運用する(P7)。また、ATM自身の障害で、その障害箇所が紙幣部以外のときは、運用管理装置1に障害状況のメッセージを表示する(P2)。
【0134】
キャリア4が紙幣補充中の待機状態の場合において、キャリア4に障害が発生したときは、現金融通管理モードをオフとし(P1)、運用管理装置1に障害状況のメッセージを表示し(P2)、係員がキャリア4内の紙幣を紙幣補充先ATMに入れると(P6)、装填カセット25をキャリア4内に取り込み(P4)、キャリア4をキャリアステーション3に戻す(P3)。ATM自身の障害で、その障害箇所が紙幣部のときは、運用管理装置1に障害状況のメッセージを表示し(P2)、係員がキャリア4内の紙幣を紙幣補充先ATMに入れると(P6)、装填カセット25をキャリア4内に取り込み(P4)、キャリア4をキャリアステーション3に戻し(P3)、障害が検知されたATMを切り離して運用する(P7)。また、ATM自身の障害で、その障害箇所が紙幣部以外のときは、運用管理装置1に障害状況のメッセージを表示する(P2)。
【0135】
キャリア4が、紙幣補充際ATMに対する装填カセット25の抜き取り中の場合において、キャリア4に障害が発生したときは、現金融通管理モードをオフとし(P1)、運用管理装置1に障害状況のメッセージを表示し(P2)、装填カセット25をキャリア4に取り込み(P4)、キャリア4をキャリアステーション3に戻す(P3)。ATM自身の障害で、その障害箇所が紙幣部のときは、運用管理装置1に障害状況のメッセージを表示し(P2)、装填カセット25をキャリア4内に取り込み(P4)、キャリア4をキャリアステーション3に戻し(P3)、障害が検知されたATMを切り離して運用する(P7)。また、ATM自身の障害で、その障害箇所が紙幣部以外のときは、運用管理装置1に障害状況のメッセージを表示する(P2)。
【0136】
キャリア4がキャリアステーション4へ戻る途中である場合において、キャリア4に障害が発生したときは、現金融通管理モードをオフとし(P1)、運用管理装置1に障害状況のメッセージを表示し(P2)、キャリア4をキャリアステーション3に戻す(P3)。ATM自身の障害で、その障害箇所が紙幣部のときは、運用管理装置1に障害状況のメッセージを表示する(P2)。また、ATM自身の障害で、その障害箇所が紙幣部以外のときは、運用管理装置1に障害状況のメッセージを表示する(P2)。
【0137】
なお、運用管理装置1は、各ATM10a〜10d、キャリア4に対して障害復旧後は、必ずシステムチェックを行うようになっている。すなわち、ATM内に装填カセット25がないこと、キャリア4がキャリアステーション3に接続されて所定の位置にあること、キャリア4内に装填カセット25があること、装填カセット25内に紙幣が残留していないことをチェックして、エラー項目があるときは、運用管理装置1にその旨を表示し、係員対応を促すようになっている。
【0138】
以上、説明したように、上記実施形態によれば、例えば、キャッシュコーナに設置された複数のATM10a〜10dの運用状態等を管理する運用管理装置1において、各ATM内の資金量をもとに、紙幣不足気味のATMが検知されたとき、紙幣が余剰気味のATMを選択して、キャリア4に対し所定の動作指示を行い、紙幣が余剰気味のATMから紙幣を回収して、紙幣不足気味のATMに補充するエンド回避処理を行い、また、紙幣があふれそうなATMが検知されたときは、そのATMから紙幣を回収し、紙幣が少な目なATMを選択して補充する、あふれ回避処理を行うことにより、現金処理システムの運用中に、ある1台のATMに出金取引あるいは入金取引が集中して、紙幣の不足あるいはあふれによるATMの運用停止が避けられ、各ATMの休止時間の縮小が図れるとともに、複数のATM相互間で現金を効率よく融通して、コーナー全体での運用資金を最小限に管理することができる。
【0139】
また、コーナー内に設置された各ATM10a〜10dのうち、紙幣の余剰枚数が最も多いATMの余剰枚数と、余剰枚数が最も少ないATMの余剰枚数との差が所定値以上のとき、余剰枚数が最も多いATMから余剰枚数が最も少なくATMへ紙幣の融通を行うことにより、平日のある時刻まで(無人運用が開始される前)にコーナー内の各ATM10a〜10dの在高を平準化して、無人運用時間帯の紙幣の不足あるいはあふれによるATMの運用停止といった障害が最小限に抑えられるとともに、コーナー全体での運用資金を最小限に管理できる。
【0140】
また、休日等の無人時間帯に紙幣がエンド枚数に達したため休止したATM、あるいは、障害等により休止しATMがあり、かつ、紙幣不足気味のATMが検知されたとき、休止したATMから紙幣を全て回収して紙幣不足気味のATMに補充する片寄せ処理を行うことにより、コーナー全体で各ATM内の運用資金を相互に効率よく融通して、コーナ全体の運用資金を最低限に抑えることができる。
【0141】
また、コーナー全体の在高が運用範囲の上限枚数に達したとき、余剰枚数の最も大きいATMから指定されたATMへ紙幣を融通する回収補助処理を行うことにより、複数のATM間でその現金収納庫に収納されている現金を相互に効率よく融通することができ、しかも、係員は紙幣が集められた1台のATMから紙幣を回収するだけでよいので、余剰と判断された紙幣の回収が容易に行え、係員の作業の削減が図れる。
【0142】
また、紙幣回収元ATMから紙幣を回収する動作が完了するまでは、その紙幣を紙幣回収元の資金とし、回収動作が完了した直後に紙幣補充先のATMの資金と定義して、複数のATM間で融通される資金の属性を明確にすることで、融通動作中に障害が発生したときの資金の取扱いが容易に行え、紙幣を複数のATM間で相互に効率よく融通することができる。
【0143】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、複数のATMのそれぞれの資金運用状態を管理して、これら複数のATMの運用途中で資金不足や資金過剰による運用停止を未然に防止し、複数のATM間でその現金収納庫に収納されている現金を相互に効率よく融通して、ATM全体の運用資金を最小限に管理することができ、さらに、係員の作業削減が図れる現金処理システムを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の位置実施形態に係る現金処理システムの全体の構成を概略的に示した図。
【図2】図1の現金処理システムの構成をさらに具体的に示した図。
【図3】自動取引装置(ATM)の外観を示す斜視図。
【図4】自動取引装置の内部構成を示す図。
【図5】キャリアの電気的要部の構成を示した図。
【図6】運用管理装置における、各ATMの紙幣入出金ユニット内の紙幣枚数の管理方法について説明するための図。
【図7】運用管理装置における、全てのATMの紙幣入出金ユニット内の紙幣枚数全体の管理方法について説明するための図。
【図8】エンド回避処理の概要について説明するための図。
【図9】あふれ回避処理の概要について説明するためにの図。
【図10】平準化処理の概要について説明するための図。
【図11】片寄せ処理の概要について説明するための図。
【図12】上記現金処理システムにおける現金融通管理処理の動作を説明するためのフローチャート。
【図13】上記現金処理システムにおける現金融通管理処理の動作を説明するためのフローチャート。
【図14】上記現金処理システムにおける現金融通管理処理の動作を説明するためのフローチャート。
【図15】上記現金処理システムにおける現金融通管理処理の動作を説明するためのフローチャート。
【図16】上記現金処理システムにおける現金融通管理処理の動作を説明するためのフローチャート。
【図17】上記現金処理システムにおける現金融通管理処理の動作を説明するためのフローチャート。
【図18】上記現金処理システムにおける現金融通管理処理の動作を説明するためのフローチャート。
【図19】上記現金処理システムの運用時に障害が発生したときの処理動作について説明するためのフローチャート。
【符号の説明】
1…運用管理装置、2…モニタ、3…キャリアステーション、4…キャリア、10a〜10d…自動取引装置(ATM)、N…通信ネットワーク、22…紙幣入出金ユニット(現金収納庫)、25…装填カセット。
Claims (2)
- 現金を収納した現金収納庫を具備して、この現金収納庫内の現金にて所定の取引処理を行う複数の自動取引装置と、これら複数の自動取引装置に接続されて前記現金収納庫内の現金量を含む運用状態を管理する運用管理装置と、この運用管理装置の指示に基づき前記複数の自動取引装置間を移動して、前記複数の自動取引装置に対して現金の回収並びに補充動作を行うキャリアとを有する現金処理システムであって、
前記運用管理装置は、前記現金収納庫の現金量に基づいて、前記複数の自動取引装置全体の現金の存高が運用範囲の上限を超えているか否かを検出する第1の検出手段と、
この第1の検出手段で前記複数の自動取引装置全体の現金の存高が運用範囲の上限を超えていることが検出されたとき、前記現金収納庫内の現金量をもとに、前記現金収納庫内の現金が最も多く余剰している自動取引装置を検出する第2の検出手段と、
前記第2の検出手段で検出された自動取引装置へ前記キャリアを移動させる第1の処理手段と、
前記キャリアが前記第2の検出手段で検出された自動取引装置に移動したとき、この自動取引装置の現金収納庫から前記キャリアへ所定量の現金の回収動作を行わせる第2の処理手段と、
前記キャリアへの現金の回収動作が終了したとき、予め指定された1台の自動取引装置へ前記キャリアを移動させる第3の処理手段と、
前記キャリアが前記予め指定された1台の自動取引装置に移動したとき、この自動取引装置の現金収納庫に前記キャリアから所定量の現金の補充動作を行わせる第4の処理手段と、
を具備したことを特徴とする現金処理システム。 - 前記第1の検出手段は、前記現金収納庫内の金種別の現金量に基づいて、前記複数の自動取引装置全体の金種別の現金の存高が運用範囲の上限を超えているか否かを検出することを特徴とする請求項1記載の現金処理システム。
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