JP3833337B2 - Cvd装置における基板加熱装置 - Google Patents
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【発明の属する技術分野】
本発明は、CVD装置における基板加熱装置に関し、詳しくは、酸素等の酸化性物質を含む原料ガスを所定温度に加熱されている基板上に導入し、前記基板上に酸化物薄膜を形成するCVD装置における基板加熱用ヒーターの固定構造に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
図3に示すように、CVD装置は、反応室1内に設置したヒーター2により基板3を所定温度に加熱するとともに、経路4から反応室1内に気体原料を導入し、この原料を基板3上で反応させて各種組成の薄膜を形成するものである。
【0003】
このようなCVD装置において、Y1(SrBi2 Ti2 O9 )、PZT(Pb(Zr,Ti)O3 )、Bi4 Ti3 O12等の強誘電体や、Bi−Sr−Ca−Cu−O系、Y−Ba−Cu−O系等の超電導体酸化物薄膜を形成する場合は、反応室内が高温の酸化性雰囲気となるため、基板加熱装置として、高温酸化雰囲気に比較的耐えられる炭化ケイ素製のヒーターを用いるようにしている。
【0004】
この場合、炭化ケイ素製のヒーターと炭化ケイ素製の電極との間には、両者の間の通電を図るためにモリブデン製や白金製のワッシャーを介在させるようにしていた。しかし、実際の高温酸化雰囲気下では、炭化ケイ素製のヒーターや炭化ケイ素製の電極が反応したり、電極の酸化によりクラックが発生して放電を生じるため、ヒーターや電極を高温にすることができず、基板の加熱温度を十分に高めることができなかった。このため、良好な成膜基板を得ることが困難で、再現性も十分ではなかった。
【0005】
例えば、従来のヒーターでは、基板温度を450〜550℃程度にしかできなかったため、作製する膜の結晶化温度を超えることができず、結晶化膜を得るためには、450〜550℃で成膜処理を行った後、反応室から基板を取出し、別のアニール炉で600℃以上に加熱して熱処理を行うことにより結晶化させる必要があった。
【0006】
一方、ヒーターと電極との間にモリブデン製や白金製のワッシャーを介在させるとともに、ヒーター部分を囲んで不活性ガス雰囲気とすることによりヒーターと電極との反応を防いだり、電極部の熱を低温部へ逃がす構造を採用して電極部の温度が高くなり過ぎないようにしたりすることにより、基板の加熱温度を高くする工夫も為されているが、反応室が大型化したり、構造が複雑になったりするため、装置コストに大きな影響を与えていた。
【0007】
そこで本発明は、簡単な構造で高温酸化雰囲気に耐えることができ、基板加熱温度を大幅に高めることができる基板加熱装置を提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明のCVD装置における基板加熱装置は、炭化ケイ素製のヒーターと炭化ケイ素製の電極との間に、イリジウム製のワッシャーを介在させた状態で炭化ケイ素製の締付具により前記ヒーターと電極とを固定したことを特徴としている。
【0009】
ここで、前記ヒーター,電極及び締付具は、共に導電性が良好な炭化ケイ素で形成されていることが好ましく、導電性が良好でない炭化ケイ素で形成されている場合は、別途予備ヒーターを設けて電極部を予熱する必要がある。導電性が良好な炭化ケイ素の一例としては、例えば特開平2−204363号公報に記載されている導電性炭化ケイ素を挙げることができ、この炭化ケイ素は、高純度であるため、反応室内を汚染することがないので特に好ましい。
【0010】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の基板加熱装置の一形態例を示す断面図、図2は要部の分解断面図である。基板加熱装置10は、石英製のベース11に立設した電極12によりヒーター13を支持するとともに、該ヒーター13の上方を、基板載置部14を有する石英製のカバー15で覆ったもので、ヒーター13とベース11との間には、ステンレス製のリフレクター16が設けられている。
【0011】
前記電極12及びヒーター13は、それぞれ高温酸化雰囲気に耐えることができる導電性炭化ケイ素により形成されており、図2に示すように、電極12の上端には雌ネジ12aが形成され、ヒーター13の所定位置にはボルト孔13aが形成されている。この電極12とヒーター13とは、該電極12とヒーター13との間にイリジウム製のワッシャー17を介在させた状態で、導電性炭化ケイ素製のボルト18を締め付けることにより固定される。
【0012】
このように、電極12とヒーター13との間に介在させるワッシャー17をイリジウム製とすることにより、電極12とヒーター13との間の電気抵抗をほとんど無くすことができ、ヒーター13を効率よく発熱させることができるとともに、高温酸化雰囲気中でのワッシャー17の損耗を防止できる。
【0013】
これにより、ヒーター13の発熱温度を従来より大幅に高くすることができ、基板を十分な高温状態、例えば750℃程度にまで加熱することができるので、結晶化温度が600〜700℃程度の結晶化膜を作製する場合は、CVD装置での1回の成膜操作で結晶化膜を得ることができ、成膜状態も良好となり再現性も向上する。
【0014】
さらに、高温酸化雰囲気下であってもワッシャー17が損耗しないので、ヒーター部分を不活性ガス雰囲気にしたりする必要がなくなるため、CVD装置の小型化も可能となる。
【0015】
なお、ワッシャー17に用いるイリジウムの純度が低いと硬くなって接触抵抗(電気抵抗)が大きくなり、酸化雰囲気での耐熱性も低下するので、純度はできるだけ高い方が好ましく、特に、イリジウム中に不純物として存在する鉄分の量を100ppm以下にすることが好ましい。
【0016】
【実施例】
所定形状の導電性炭化ケイ素製のヒーター,電極及びボルトを用意し、これを、▲1▼ワッシャー無しで固定した場合、▲2▼モリブデン製のワッシャーを用いた場合、▲3▼白金製のワッシャーを用いた場合、そして、▲4▼イリジウム製のワッシャーを用いた場合の4通りのヒーターを作製した。なお、モリブデンや白金は、高温酸化雰囲気に比較的耐えられる素材として従来用いられていたものである。
【0017】
上記▲1▼〜▲4▼のヒーターを用いて、(Bax ,Sr1-x )TiO3 (強誘電体:チタン酸バリウムストロンチウム)の薄膜(結晶化温度600℃付近)を形成する実験を行った。原料ガスには、Ba(DPM)2 /THF,Sr(DPM)2 /THF,Ti(OPr)2 /THFを使用し(DPMはジピバロイルメタン、THFはテトラヒドロフランを示す。)、キャリヤガスにはアルゴンを用いた。総ガス流量は2.5SLMとし、成膜圧力は5Torr,酸素分圧は50%とした。
【0018】
その結果、ヒーターと電極とをワッシャー無しで固定した場合(▲1▼)は、電極からヒーターへの通電が行われずに放電が発生してしまい、基板を加熱することができず、成膜することができなかった。また、モリブデン製のワッシャーを用いた場合(▲2▼)は、基板を450℃までしか加熱することができず、得られた膜はアモルファス状態であり、膜厚も不均一なものであった。白金製のワッシャーを用いた場合(▲3▼)は、基板を530℃まで加熱できたものの、得られた膜は同様にアモルファス状態であり、膜厚にもばらつきがあった。さらに、実験後のモリブデン製及び白金製の両ワッシャーの外周面には酸化物や反応生成物が付着しており、ヒーター全体の電気抵抗も、実験後には増加していた。また、実験後にヒーターを分解してワッシャーの重量を測定したところ、モリブデン製のワッシャーは、実験前に比べて激しく減少しており、白金製ワッシャーの重量も減少していた。
【0019】
一方、イリジウム製のワッシャーを用いた場合(▲4▼)は、基板を750℃まで加熱することができ、膜厚が均一で良好な状態の結晶化膜を得ることができた。このとき、電極の温度は840℃まで上昇したが、実験後のイリジウム製のワッシャーには変化が見られず、重量もほとんど同じであり、ヒーター全体の電気抵抗も増加していなかった。さらに、繰返して実験を行ったが、略同様の結果が得られ、再現性も満足できるものであった。
【0020】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の基板加熱装置によれば、基板の加熱温度を高めることができるので、結晶化膜を容易に作製することができ、再現性も向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の基板加熱装置の一形態例を示す断面図である。
【図2】 要部の分解断面図である。
【図3】 CVD装置の要部の説明図である。
【符号の説明】
10…基板加熱装置、11…ベース、12…電極、13…ヒーター、14…基板載置部、15…カバー、16…リフレクター、17…イリジウム製のワッシャー、18…ボルト
Claims (1)
- 高温酸化雰囲気下で基板上に酸化物薄膜を形成するCVD装置に用いる基板加熱装置において、炭化ケイ素製のヒーターと炭化ケイ素製の電極との間に、イリジウム製のワッシャーを介在させた状態で炭化ケイ素製の締付具により前記ヒーターと電極とを固定したことを特徴とするCVD装置における基板加熱装置。
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---|---|---|---|
JP08128697A JP3833337B2 (ja) | 1997-03-31 | 1997-03-31 | Cvd装置における基板加熱装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP08128697A JP3833337B2 (ja) | 1997-03-31 | 1997-03-31 | Cvd装置における基板加熱装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JPH10273782A JPH10273782A (ja) | 1998-10-13 |
JP3833337B2 true JP3833337B2 (ja) | 2006-10-11 |
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ID=13742142
Family Applications (1)
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JP08128697A Expired - Lifetime JP3833337B2 (ja) | 1997-03-31 | 1997-03-31 | Cvd装置における基板加熱装置 |
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-
1997
- 1997-03-31 JP JP08128697A patent/JP3833337B2/ja not_active Expired - Lifetime
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