JP3832795B2 - カメラ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ストロボ装置内蔵のカメラ、更に詳しくは、ストロボ用メインコンデンサの実装に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
カメラ等に広く用いられているストロボ装置は、電源電流を昇圧して高電圧状態でメインコンデンサに充電を行ない、シャッタ動作と同時にストロボ放電管内に放電させて、ストロボ光を得る方式が一般的である。
【0003】
殆どのストロボ装置に構成部品として使用されるメインコンデンサは、充分な光量を得るために比較的大容量で大型のものが用いられることが多く、ストロボ装置の数ある構成部品の中でも、最も外形が大きな部品の1つである。このため、カメラの小型化の際のネックになることも多く、なるべくスペースを有効に利用するために、従来は、円筒形のコンデンサをストロボ回路基板と並行に沿わせ、且つ、ストロボ回路基板から大幅に浮かないように接近させて実装されていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、メインコンデンサは円筒形であるため、ストロボ回路基板に接して実装させた場合でも、円周部分のデットスペースが生じ、カメラ内の限られた空間の効率的な利用ができないという問題があった。更に、メインコンデンサには高電圧状態で電荷が蓄積されるため、他の構成部品をメインコンデンサの周囲に配置する場合にも、短絡等の防止のため一定の間隔を開ける必要があり、効率的な部品配置を一層困難にしていた。
【0005】
本発明は、上記問題点を解決するためのもので、空間の利用効率を高め、且つ、安全性を高めるようにメインコンデンサを設けたカメラを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記問題点を解決するために、本発明では、回路基板と、ストロボ充電用のメインコンデンサとを有するカメラにおいて、前記回路基板に対して前記メインコンデンサを長さ方向に略並行に沿うように受け止めるトレイ部と、このトレイ部の両端部に設けられ前記トレイ部を前記回路基板から一定高さ離した状態で前記回路基板に固定する2本の脚部とからなるコンデンサ保持部材を設け、前記トレイ部と前記回路基板との間及び前記2本の脚部間に空間を確保したことを特徴とする。前記脚部には係合爪が設けられ、この係合爪が前記回路基板に形成された係合穴に係合して、前記コンデンサ保持部材が前記回路基板に固定されることが好ましい。前記コンデンサ保持部材は、絶縁性材料、難燃性材料で形成することが好ましい。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明のカメラとして電子スチルカメラを説明する。図2及び図3は、電子スチルカメラ2(以下、カメラと省略する)の不撮影時及び撮影時の状態を示す外観斜視図である。カメラ2の前面には、ズーム光学系を構成する撮影レンズ3が配置されている。この撮影レンズ3は、カメラ2が撮影状態にある際に前方に向けて突出され、不撮影状態にある際に沈胴されるレンズ鏡筒4に組み込まれている。
【0008】
撮影レンズ3の周囲には、対物側ファインダ窓6と、測距用投光窓7及び測光用受光窓8とが配置されている。測距用投光窓7の奥には、被写体に向けて赤外線等の測距光を照射する投光器が組み込まれており、被写体で反射した測距光は、撮影レンズ3の奥に組み込まれた測距用受光センサで受光される。測光用受光窓8の奥には、被写体の輝度を測定する測光センサが組み込まれている。
【0009】
また、レンズ鏡筒4の外周には、円環形状の化粧リング10が取り付けられている。この化粧リング10は、取り外し可能とされており、化粧リング10の代わりにコンバータレンズ等を取り付けられるようになっている。化粧リング10の側方には、化粧リング10をカメラ2から取り外す際に、化粧リング10を固定しているロックを解除する解除ボタン11が配置されている。
【0010】
カメラ2の前面側方には、カメラ2の保持に使用される、前方に膨らんだグリップ部13が設けられている。このグリップ部13の内部には、カメラ2の電源電池が収納される電池室が設けられており、また、後述するストロボ装置20のメインコンデンサが収納される。グリップ部13の底面には、電池室を開閉する電池蓋14が設けられている。グリップ部13の上面には、測距,測光時に半押しされ、シャッタレリーズ時に深く押し込まれるシャッタボタン15が設けられている。
【0011】
カメラ2の上面で、シャッタボタン15の近傍には、モード設定ダイヤル17と、情報表示用液晶パネル18とが設けられている。モード設定ダイヤル17は、回動自在とされており、特定の位置で回動を停止することで、カメラ2を撮影モード,撮影画像鑑賞モード,データ転送モード,設定モード等に切り換える。情報表示用液晶パネル18は、撮影枚数や電源電池の状態等のカメラ2の各種情報を表示する。
【0012】
カメラ2の上面中央部には、ストロボ装置20の発光部20aが設けられている。この発光部20aはポップアップ式であり、ストロボ不使用時にはカメラ2内に収納されている。そして、ストロボ撮影時には上方にポップアップされ露呈する。ストロボ発光部20の側方には、収納状態にある発光部20aをポップアップさせるためのポップアップボタン21が設けられている。
【0013】
カメラ2のグリップ部13が設けられているのとは反対側の側面には、ジャックカバー部材25が開閉可能に取り付けられている。このジャックカバー部材25は、閉じ位置においてはカメラ2を保持する際のグリップとして機能するとともに、図4に示す撮影した画像データをデジタル出力するデジタル出力用ジャック26a,コンポジット信号等でアナログ出力するビデオ出力ジャック26b,電源アダプタが接続される電源ジャック26cが設けられたジャック部26を覆い隠す。
【0014】
図4は、カメラ2の構成を示す分解斜視図である。カメラ2は、レンズ鏡筒4やモード設定ダイヤル17,情報表示用液晶パネル18,ストロボ装置20を構成するストロボ回路基板40,画像表示用液晶パネル(図示せず),撮像用のCCDやシャッタユニット等の各種撮影機能部品がフレーム部材に組み込まれたカメラ本体28と、このカメラ本体28の前面側と背面側とを覆ってカメラ2の外観デザインを構成する前面カバーユニット29及び背面カバーユニット30とからなる。
【0015】
ストロボ回路基板40には、ストロボ回路の回路パターンが形成され、ストロボ回路を構成するトランジスタ,昇圧コイル,ダイオード,抵抗等が載置される。また、基板の中程にコンデンサ保持部材41が取り付けられ、メインコンデンサ42が保持される。
【0016】
図1に示すように、コンデンサ保持部材41は、メインコンデンサ42を半分ほど覆う、内面が半円筒形状のトレイ部43と、このトレイ部43の両側端に一体に形成され、トレイ部43をストロボ回路基板40から一定高さ離した状態にする2つの脚部44a,44bとからなる。
【0017】
トレイ部43の一方の側端には、メインコンデンサ42の2本のリード線42aをストロボ回路基板40方向に出すためのリード線穴45が形成されている。また、脚部44a,44bの底には、係合爪46a,46bが各々一体に形成され、ストロボ回路基板40には、これら係合爪46a,46bと係合する係合穴40a,40bが形成されている。
【0018】
コンデンサ保持部材41は、全体が樹脂等の絶縁性材料で形成される。更に、絶縁性に加えて難燃性が高い材料で形成することにより、ストロボ装置の安全性をより高めることができる。
【0019】
コンデンサ保持部材41は、ストロボ装置20の組立時に係合爪46a,46bが係合穴40a,40bに差し込まれ、ストロボ回路基板40上に固定される。そして、メインコンデンサ42をトレイ部43に保持させると共に、図5に示すように、リード線42aがリード線穴45を通され、ストロボ回路基板40の回路パターンの所定位置にハンダ付けされる。
【0020】
こうして組み立てられたストロボ回路基板40は、カメラ2のグリップ部13の裏側付近に取り付けられ、コンデンサ保持部材41で保持されているメインコンデンサ42は、グリップ部13内に入り込んだ位置で固定される。また、グリップ部13の内面側には、メインコンデンサ42をトレイ部43に押しつけておくリブ13aが一体に形成されている。
【0021】
このように、メインコンデンサ42をコンデンサ保持部材41に保持させ、ストロボ回路基板40から一定高さ離した状態で実装することにより、メインコンデンサ42とストロボ回路基板40との間の空間にも、ストロボ回路を構成する各種部品を組み付けることが可能になり、各種部品の効率的な配置が可能になる。そして、ストロボ回路基板40のサイズを大幅に小型化することが可能になる。
【0022】
また、メインコンデンサ42を絶縁性のコンデンサ保持部材41に保持させ、更にストロボ回路基板40から離すことにより、短絡等の危険性も減少し、ストロボ装置20の安全性を高めることができる。
【0023】
なお、上記実施形態では、回路基板としてストロボ回路基板を例示したが、勿論、これ以外にも、カメラの制御用基板等、各種回路基板を用いることができる。また、上記実施形態では、カメラとして、電子スチルカメラを示したが、勿論、写真フイルムを用いる通常のカメラや、簡易なカメラの一種であるレンズ付きフイルムユニットにも全く同様に適用可能である。
【0024】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、回路基板と、ストロボ充電用のメインコンデンサとを有するカメラにおいて、前記回路基板に対して前記メインコンデンサを長さ方向に略並行に沿うように受け止めるトレイ部と、このトレイ部の両端部に設けられ前記トレイ部を前記回路基板から一定高さ離した状態で前記回路基板に固定する2本の脚部とからなるコンデンサ保持部材を設け、前記トレイ部と前記回路基板との間及び前記2本の脚部間に空間を確保したので、空間の利用効率を高め、且つ、安全性を高めるようにメインコンデンサを設けたカメラを提供することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のカメラの要部を示す説明図である。
【図2】カメラの不撮影状態を示す外観斜視図である。
【図3】カメラの撮影状態を示す外観斜視図である。
【図4】カメラの構成を示す分解斜視図である。
【図5】カメラのグリップ部内部を示す説明図である。
【符号の説明】
2 電子スチルカメラ
13 グリップ部
20 ストロボ装置
40 ストロボ回路基板
41 コンデンサ保持部材
42 メインコンデンサ
43 トレイ部
44a,44b 脚部

Claims (2)

  1. 回路基板と、ストロボ充電用のメインコンデンサとを有するカメラにおいて、
    前記回路基板に対して前記メインコンデンサを長さ方向に略並行に沿うように受け止めるトレイ部と、このトレイ部の両端部に設けられ前記トレイ部を前記回路基板から一定高さ離した状態で前記回路基板に固定する2本の脚部とからなるコンデンサ保持部材を設け、前記トレイ部と前記回路基板との間及び前記2本の脚部間に空間を確保したことを特徴とするカメラ。
  2. 前記脚部には係合爪が設けられ、この係合爪が前記回路基板に形成された係合穴に係合して、前記コンデンサ保持部材が前記回路基板に固定されることを特徴とする請求項1記載のカメラ。
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